JP6911786B2 - 提示制御装置、及び提示制御プログラム - Google Patents

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Description

この明細書による開示は、車両の乗員に情報を提示する情報提示の制御技術に関する。
従来、例えば特許文献1に開示の車両は、走行環境認識部による車両の周辺の認識結果に基づく自動運転を実行可能である。こうした走行環境認識部には、能力限界が不可避的に存在する。そのため、特許文献1の車両には、警報装置が搭載されている。警報装置は、自動運転を継続不能である場合に、ステアリングホイールに設けられた発光部を発光させる情報提示により、運転者にステアリングホイールの把持を促す。
特開2017‐7478号公報
特許文献1の警報装置では、自動運転が継続不能となる限られたタイミングにおいてのみ、走行環境認識部の能力限界が、車両の乗員に提示される。そのため車両の乗員は、乗車中の多くの機会において、走行環境認識部の能力限界を知る手がかりを得ることができない。その結果、車両の乗員は、走行環境認識部による周辺認識に対して、不安を感じ易くなり得た。
本開示は、車両における走行環境認識への乗員の不安を低減可能な提示制御装置及び提示制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、自動運転システム(90)による自律走行を実施可能にするための周辺監視装置(70)を搭載する車両(A)において用いられ、車両に設けられた発光部(23)の発光制御によって情報を提示する提示制御装置であって、周辺監視装置による走行環境認識に関連した認識情報を取得する情報取得部(31)と、自動運転システムの要求する要求認識範囲(RA1)に対する周辺監視装置のセンシング可能範囲の不足を示す認識不可エリア(RA3)の存在を把握する認識状態判定部(33)と、発光部を用いた情報提示を複数の提示モードのうちで切り替えるモード切替部(34)と、認識情報を用いた発光部の発光制御により、周辺監視装置能力限界を提示する発光制御部(35)と、を備え、モード切替部は、認識不可エリアが有る場合、提示モードを行動誘発モード及び状態通知モードの順に切り替え、発光制御部は、行動誘発モードにおいて、能力限界として認識不可エリアの存在を提示し、状態通知モードにおいて、認識不可エリアの発生によって自動運転システムが待機状態となっており、自動運転システムをオン状態に切り替えるため操作が必要なことを提示する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転システム(90)による自律走行を実施可能にするための周辺監視装置(70)を搭載する車両(A)において用いられ、車両に設けられた発光部(23)の発光制御によって情報を提示する提示制御プログラムであって、少なくとも一つの処理部(41)を、周辺監視装置による走行環境認識に関連した認識情報を取得する情報取得部(31)、自動運転システムの要求する要求認識範囲(RA1)に対する周辺監視装置のセンシング可能範囲の不足を示す認識不可エリア(RA3)の存在を把握する認識状態判定部(33)と、発光部を用いた情報提示を複数の提示モードのうちで切り替えるモード切替部(34)、認識情報を用いた発光部の発光制御により、周辺監視装置能力限界を提示する発光制御部(35)、として機能させ、モード切替部は、認識不可エリアが有る場合、提示モードを行動誘発モード及び状態通知モードの順に切り替え、発光制御部は、行動誘発モードにおいて、能力限界として認識不可エリアの存在を提示し、状態通知モードにおいて、認識不可エリアの発生によって自動運転システムが待機状態となっており、自動運転システムをオン状態に切り替えるため操作が必要なことを提示する提示制御プログラムとされる。
これらの態様によれば、発光部を用いた情報提示の提示モードが切り替えられても、周辺監視装置の能力限界は、各提示モードにおいて実施される発光部の発光制御により、車両の乗員に提示される。以上によれば、車両の乗員は、周辺監視装置の能力限界を知る手がかりを乗車中の多くの機会において得られるようになる。したがって、提示制御装置及び提示制御プログラムによる情報提示は、車両における走行環境認識への乗員の不安を低減できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
運転席周辺における情報提示システムのレイアウト等を示す図である。 HCUを含む車載システムの全体像を示すブロック図である。 自動運転システムの作動状態の遷移を示す状態遷移図である。 情報提示のタイミング及び余裕時間の考え方を説明するための図である。 エリア特定処理の詳細を示すフローチャートである。 要求認識範囲及び想定認識範囲を例示する図である。 認識不可エリアを例示する図である。 発光装置の複数の提示モードの全体像を示す状態遷移図である。 提示モードを切り替えるモード変更処理の詳細を示すフローチャートである。 状態通知モードにて実施される状態通知処理の詳細を示すフローチャートである。 車両挙動モードにて実施される前後挙動提示処理の詳細を示すフローチャートである。 先行発光スポットの点灯幅を設定する点灯幅設定関数の一例を示す図である。 先行発光スポットの移動又は収縮の繰り返し周期を設定する周期設定関数の一例を示す図である。 報知発光スポットに先行発光スポットを重ねて表示する場合の表示例である。 車両挙動モードにて実施される左右挙動提示処理の詳細を示すフローチャートである。 先行発光スポットの点灯位置を設定する位置設定関数の一例を示す図である。 図11とは別の前後挙動提示処理の詳細を示すフローチャートである。 先行発光スポットの移動又は収縮の繰り返し周期を設定する周期設定関数の一例を示す図である。 図15とは別の左右挙動提示処理の詳細を示すフローチャートである。 将来挙動の提示タイミングを設定するタイミング設定処理の詳細を示すフローチャートである。 提示情報の詳細度を設定する詳細度設定処理の詳細を示すフローチャートである。 行動誘発モードにて実施される能力限界提示処理の詳細を示すフローチャートである。 複数(四つ)の認識不可エリアが発生するシーンの一例を示す図である。 図23のシーンにおける発光装置の点灯状態を示す図である。 複数(三つ)の認識不可エリアが発生するシーンの一例を示す図である。 図25のシーンにおける発光装置の点灯状態を示す図である。 自動化レベル毎に異なる先行発光スポットの点灯態様を比較して示す図である。 自動化レベル毎に異なる誘導発光スポットの点灯態様を比較して示す図である。 自動化レベル毎に異なる報知発光スポットの点灯態様を比較して示す図である。 自動化レベル提示処理の詳細を示すフローチャートである。 ユースケース1での情報提示システムによる情報提示を順に示す図である。 ユースケース1での前後挙動提示の詳細を示す図である。 ユースケース1での行動誘発提示の詳細を示す図である。 図33とは別パターンによる行動誘発提示の詳細を示す図である。 運転者の確認行動に伴って誘導発光スポットをフェードアウトさせる方法の一例を示す図である。 ユースケース2での情報提示を図37と共に示す図である。 ユースケース2での情報提示を図36と共に示す図である。 ユースケース2での行動誘発提示の詳細を示す図である。
本開示の一実施形態による提示制御装置の機能は、図1及び図2に示すHCU(HMI(Human Machine Interface)Control Unit)30によって実現されている。HCU30は、車両制御ECU(Electronic Control Unit)80及び自動運転ECU50等の電子制御ユニットと共に車両Aに搭載されている。車両制御ECU80及び自動運転ECU50は、運転者に代わって運転操作を行う自動運転機能を実現する処理装置であって、協調して車両Aを自律走行させることができる。HCU30、自動運転ECU50及び車両制御ECU80は、直接的又は間接的に互い電気接続されており、相互に通信可能である。
車両制御ECU80は、車両Aに搭載された車載センサ群82及び車載アクチュエータ群83と直接的又は間接的に電気接続されている。車載センサ群82は、車両Aの状態を検出する複数のセンサである。車載センサ群82には、例えば車速センサ、舵角センサ、加速度センサ、アクセルポジションセンサ及びブレーキペダルセンサが含まれている。車載アクチュエータ群83は、車両Aの加減速制御及び操作制御等を実行する。車載アクチュエータ群83には、例えば電子制御スロットルのスロットルアクチュエータ、インジェクタ、ブレーキアクチュエータ、並びに駆動用及び回生用のモータジェネレータが含まれている。
車両制御ECU80は、処理部、RAM、メモリ装置、及び入出力インターフェース等を有するコンピュータを主体に構成されている。車両制御ECU80は、メモリ装置に記憶された車両制御プログラムを処理部によって実行することにより、車両制御に係る機能ブロックとしてアクチュエータ制御部81を構築する。アクチュエータ制御部81は、運転者の運転操作に基づく操作情報及び自動運転ECU50から取得される自律走行情報の少なくとも一方と、車載センサ群82の検出情報とに基づき、車載アクチュエータ群83を統合的に作動させ、車両Aの挙動を制御する。
自動運転ECU50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機71、地図データベース72、自律センサ群73、自動運転スイッチ76等と直接的又は間接的に電気接続されている。自動運転ECU50は、自律走行に必要な情報を取得する構成であるGNSS受信機71、地図データベース72及び自律センサ群73等と共に、車両Aにおける自動運転システム90を構築している。
GNSS受信機71は、複数の人工衛星から送信された測位信号を受信可能である。GNSS受信機71は、受信した測位信号を、車両Aの現在位置を特定するための情報として、自動運転ECU50へ向けて逐次出力する。
地図データベース72は、多数の地図データを格納している記憶装置である。地図データには、各道路の曲率、勾配、区間の長さといった道路構造情報、道路周囲の建築物の形状等を示す建築物情報、並びに制限速度及び一方通行といった非一時的な交通規制情報等が含まれている。地図データベース72は、自動運転ECU50からの要求に基づき、車両Aの現在位置の周辺及び進行方向の地図データを自動運転ECU50に提供する。
自律センサ群73は、歩行者及び他の車両等の移動物体、さらに路上の落下物、交通信号、ガードレール、縁石、道路標識、道路標示、及び区画線等の静止物体を検出する。自律センサ群73には、例えばカメラユニット、ライダユニット及びミリ波レーダユニット等が含まれている。自律センサ群73はそれぞれ、検出した移動物体及び静止物体に係る物体情報を、自動運転ECU50へ向けて逐次出力する。
自動運転スイッチ76は、自動運転システム90の作動状態を切り替える入力装置である。自動運転スイッチ76は、例えばステアリングホイール113のスポーク部分に設けられている。自動運転スイッチ76には、例えばSET/ONボタン及びCancel/OFFボタンが含まれている。
図3に示すように、自動運転システム90(図2参照)がオフ状態(AD_OFF)である場合にSET/ONボタンが操作されると、自動運転システム90の状態は、待機状態(AD_Ready)に遷移する。そして、待機状態でのSET/ONボタンの操作により、自動運転システム90による自律走行が開始される(AD_ON)。また、自律走行中でのCancel/OFFボタンの操作によれば、自動運転システム90の状態は、待機状態に戻る。さらに、待機状態でのCancel/OFFボタンの操作により、自動運転システム90は、オフ状態となる。
図2に示す自動運転システム90は、自動化レベルの異なる自律走行を実施可能である。自動化レベルは、一例として米国自動車技術会(Society of Automotive Engineers)の定義等を用いて設定できる。具体的に、自動化レベル0〜2では、運転者が主体となって運転操作を実施する。このとき、自動運転システム90は、オフ状態又は待機状態(自動化レベル0)であるか、或いは運転者の運転操作を支援する状態(自動化レベル1〜2)である。一方で、自動化レベル3〜5では、自動運転システム90が主体となって運転操作を実施する。以上のような自動化レベルは、運転者によって切り替え可能であってもよく、走行エリアに対し許可される自動化レベルに合わせて自動的に変更されてもよい。
自動運転ECU50は、処理部61、RAM62、メモリ装置63及び入出力インターフェースを有するコンピュータを主体に構成されている。処理部61は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の少なくとも一つを含む構成である。処理部61には、AI(Artificial Intelligence)の学習及び推論に特化した専用のアクセラレータが設けられていてもよい。
自動運転ECU50は、メモリ装置63に記憶された自動運転プログラムを処理部61によって実行可能である。自動運転プログラムには、車両Aを自律走行させるためのプログラムと、運転者及び自動運転システム90間での運転交代を制御するためのプログラム等が含まれている。自動運転プログラムに基づき、自動運転ECU50には、自車位置特定部51、環境認識部52、走行計画生成部53及び自律走行制御部54等が構築される。
自車位置特定部51は、GNSS受信機71にて受信された測位信号に基づき、車両Aの現在位置を特定する。自車位置特定部51は、自律センサ群73のカメラユニットから取得する前方領域の画像と、地図データベース72から取得する詳細な地図データとの照合により、車両Aの詳細な現在位置を補正する。
環境認識部52は、自車位置特定部51にて特定された位置情報、地図データベース72から取得した地図データ、及び自律センサ群73から取得した物体情報等を組み合わせることで、車両Aの周囲の走行環境を認識する。環境認識部52は、特に各自律センサの検出範囲内について、各物体情報の統合結果に基づき、車両Aの周囲の物体の形状及び移動状態を認識した認識結果を取得する。環境認識部52は、自律センサ群73と共に周辺監視装置70の機能を実現する。環境認識部52は、車両Aの周囲の認識結果と、位置情報及び地図データと組み合わせることで、実際に認識した走行環境を三次元で再現した仮想空間を生成する。尚、以下の説明では、環境認識部52及び自律センサ群73を含めた機能部分を、周辺監視装置70と記載する。
走行計画生成部53は、環境認識部52によって認識された走行環境に基づき、自動運転システム90によって車両Aを自律走行させるための走行計画を生成する。走行計画としては、長中期の走行計画と、短期の走行計画とが生成される。長中期の走行計画では、運転者によって設定された目的地に車両Aを向かわせるための経路が規定される。短期の走行計画では、環境認識部52にて生成された仮想空間を用いて、長中期の走行計画に従った走行を実現するための予定走行経路が規定される。具体的に、車線追従、車線変更及び右左折のための操舵、並びに速度調整及び一時停止のための加減速等の実行が、短期の走行計画に基づいて決定される。
自律走行制御部54は、自動運転モードにて、走行計画生成部53によって策定された予定走行経路に基づく内容の加減速及び操舵を指示する自律走行情報を生成する。自律走行制御部54は、生成した自律走行情報を車両制御ECU80へ向けて逐次出力する。自律走行制御部54は、アクチュエータ制御部81と連携し、予定走行経路に沿って車両Aを自律走行させる。
HCU30は、乗員監視システム10及び情報提示システム20等とさらに接続されている。乗員監視システム10は、主に運転席110(図1参照)に着座する運転者の状態を監視するシステムである。乗員監視システム10には、DSM(Driver Status Monitor)11、足センサ12及び把持センサ13が含まれている。
DSM11は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等とによって構成されている。DSM11は、近赤外カメラを運転席側に向けた姿勢にて、例えばインスツルメントパネルの上面等に配置されている。DSM11は、運転者の状態監視のため、近赤外光源によって近赤外光を照射された運転者の上半身を近赤外カメラで撮影する。DSM11は、撮影した画像を検出情報として、HCU30へ向けて逐次出力する。 足センサ12は、光の照射によって物体を検出するアクティブ型の物体検出センサである。足センサ12の検出範囲は、特にアクセルペダル及びブレーキペダルを含むように設定されている。足センサ12は、フロア、アクセルペダル及びブレーキペダル等のうちで、運転者の足が置かれている位置を検出し、HCU30へ向けて検出情報を逐次出力する。
把持センサ13は、ステアリングホイール113(図1参照)のリム部分に設けられ、運転者によるステアリングホイール113の把持を検出する。把持センサ13は、ステアリングホイール113を運転者が把持しているか否かを示す検出情報を、HCU30へ向けて逐次出力する。
情報提示システム20は、運転者を含む車両Aの各乗員へ向けて、車両Aに関連する情報を提示するシステムである。情報提示システム20には、スピーカ21、表示装置22及び発光装置23等の提示デバイスが含まれている。スピーカ21は、例えば警告音及び音声メッセージ等を再生可能である。表示装置22は、例えば液晶ディスプレイ等を主体に構成されている。表示装置22は、表示面を運転席110へ向けた姿勢で、インスツルメントパネルに設置されている。表示装置22は、種々の画像及び文字等を、表示画面に表示可能である。
図1及び図2に示す発光装置23は、運転者の前方に位置するように、車両のインスツルメントパネルに設置されている。発光装置23は、線状延伸領域24に発光表示させる発光スポット25の発光態様により、乗員に情報を提示する提示装置である。線状延伸領域24は、車両Aの幅方向WDに沿って線状に延伸している。線状延伸領域24の内部には、幅方向WDに沿って並ぶ多数の発光素子(例えばLED)が設けられている。発光装置23は、線状延伸領域24に表示させる発光スポット25の数、サイズ、位置、移動方向、移動速度、発光色(色相、彩度、明度)及び発光輝度等を変更可能である。尚、各図における線状延伸領域24では、濃いドットの範囲が消灯領域を示し、白色又はごく薄いドットの範囲が発光スポット25となる発光領域を示している。
HCU30は、情報提示システム20を用いた運転者への情報提示を統合的に制御する電子制御ユニットである。HCU30は、処理部41、RAM42、メモリ装置43、及び入出力インターフェース等を有するコンピュータを主体に構成されている。処理部41は、CPU、GPU及びFPGA等の少なくとも一つを含む構成である。処理部41には、処理部61と同様に、AIの学習及び推論に特化した専用のアクセラレータが設けられていてもよい。
HCU30は、メモリ装置43に記憶された提示制御プログラムを処理部41によって実行可能である。提示制御プログラムには、運転者の状態推定に関連したプログラムと、情報提示システム20の作動制御に関連したプログラム等が含まれている。提示制御プログラムに基づき、HCU30には、情報取得部31、モード切替部34及び提示制御部35等が構築される。
情報取得部31は、乗員監視システム10、自動運転ECU50及び車両制御ECU80等から、情報提示システム20を用いた提示に必要な種々の情報を取得する。具体的に、情報取得部31は、自動運転システム90のステータス情報、車両Aの走行状態を示す車両状態情報、乗員監視システム10による運転者の検出情報、周辺監視装置70による走行環境認識に関連した認識情報等を取得する。情報取得部31は、情報提示に必要な各情報を通信によって取得してもよく、又は通信によって取得した情報を加工する処理によりこれらの各情報を取得してもよい。
ステータス情報は、例えば自動運転システム90の作動状態を示す情報、及び自律走行の自動化レベルを示す情報を含んでいる。車両状態情報は、車速センサを用いて計測された車両Aの速度情報、舵角センサを用いて計測された車両Aの操舵情報、車両Aの現在位置を示す情報、及び周囲の走行環境の状態を示す環境情報等を含んでいる。検出情報は、DSM11、足センサ12及び把持センサ13から出力された検出結果である。認識情報は、周辺監視装置70にて認識された物体の相対位置情報、認識結果を用いて作成された短期の走行計画、及び認識不可エリアRA3(図7参照)の方向を示す方向情報を含んでいる。
情報取得部31は、サブ機能ブロックとして乗員状態判定ブロック32及び認識状態判定ブロック33を有している。乗員状態判定ブロック32及び認識状態判定ブロック33は、上述したように、乗員監視システム10、自動運転ECU50及び車両制御ECU80から提供される情報を用いて、情報提示に必要な情報を生成する機能部である。
乗員状態判定ブロック32は、乗員監視システム10による検出情報を用いて、運転者の状態を判定する。具体的に、乗員状態判定ブロック32は、運転者の視認方向、ステアリングホイール113及び他の操作系の把持の有無、ブレーキペダルを踏める位置に足が位置しているか否か等、運転姿勢に関連した判定を実施する。加えて乗員状態判定ブロック32は、運転者の表情、瞬きの回数、手及び脚の動き、並びに上記の運転姿勢等に基づき、予め設定された演算式を用いて、運転者の不安度を算定する。こうした不安度の算定には、運転者の心拍数等の情報がさらに用いられてもよい。心拍数は、例えば運転者の着用するウェアラブルデバイス等によって計測され、無線通信等によってHCU30に送信される。尚、運転姿勢及び不安度を示す情報は、乗員監視システム10にて生成され、情報取得部31に逐次提供されてもよい。こうした形態では、乗員状態判定ブロック32は、省略可能となる。
認識状態判定ブロック33は、周辺監視装置70による認識結果を用いて、車両Aの走行環境を判定する。具体的に、認識状態判定ブロック33は、周辺監視装置70にて認識された物体の中から、乗員への注意喚起の対象とするリスク対象を選別する。加えて認識状態判定ブロック33は、周辺監視装置70によって認識できない認識不可エリアRA3(図6参照)の存在を把握する。尚、リスク対象を選別する演算及び認識不可エリアRA3を把握する演算は、環境認識部52にて実施されてもよい。これらの演算結果が共に情報取得部31に提供される形態であれば、認識状態判定ブロック33は、省略可能となる。
リスク対象は、相対位置情報の示す物体のうちで、車両Aに対する余裕時間Raがマイナスとなる物体である。余裕時間Raは、物体の認知、判断及び操作によって物体に対応するために必要な最低限の時間である。余裕時間Raは、運転者の反応時間RT及び運転者の反応遅れ時間RDTと、制動操作又は操舵操作によって対応するために必要な時間Dとの合計となる(図4参照)。認識状態判定ブロック33は、相対位置情報に基づき、各認識物体の余裕時間Raを算出し、余裕時間Raが負の値(マイナス)となる認識物体をリスク対象として選別する。
認識不可エリアRA3は、周辺監視装置70の能力限界となる範囲であり、自律走行に必要なセンシング範囲と、現在のセンシング可能範囲との差分から算出する。具体的に、認識状態判定ブロック33は、自動運転システム90によって要求される要求認識範囲RA1(図6参照)と、周辺監視装置70による実際の認識が想定される想定認識範囲RA2(図6参照)との差分を用いて、認識不可エリアRA3を設定する。認識状態判定ブロック33は、認識不可エリアRA3の発生と、運転者から見た認識不可エリアRA3の方向とを、エリア特定処理(図5参照)によって特定する。エリア特定処理の少なくとも一部は、例えば環境認識部52によって実行されてもよい。エリア特定処理は、車両電源のオン状態への切り替えに基づき開始され、車両電源がオフ状態となるまで継続される。
図5に示すエリア特定処理のS101では、現在位置を示す情報を取得し、S102に進む。S102では、周囲を走行する他車両の想定速度Vs(m/s)を取得し、S103に進む。想定速度Vsは、例えば制限速度に特定値(例えば20km/h≒5.6m/s)を加えた値、又は普段の交通量において95%の車両を含むことができる値等に設定される。また、歩行者及びサイクリストを対象とする場合、想定速度Vsは、蓄積された普段の速度データを用いて設定可能であり、例えば平均の移動速度に2σ(σ:速度の標準偏差)を加えた値に設定される。
S103では、走行計画に基づく数秒後の自車(車両A)の挙動を取得し、S104に進む。S104では、S103にて取得した自車挙動にかかる予想所要時間T(s)を取得し、S105に進む。例えば、自車挙動として右折が計画されていた場合、6〜7秒の予想所要時間Tを取得する。
S105では、要求認識範囲RA1を算出し、S106に進む。要求認識範囲RA1は、主に地図データを用いて算出され、具体的には、車両Aを中心とし、S102にて取得した想定速度VsとS104にて取得した予想所要時間Tとの積を半径とする円形の範囲とされる(図6参照)。S106では、車両Aの周囲の環境情報として、周囲の視界の良否を考慮するための天候情報、時間帯情報、及び見通し情報等を取得し、S107に進む。見通し情報は、地図データ等に基づく道路脇の遮蔽物の有無及び形状等を示す情報である。
S107では、S106にて取得した環境情報を用いて、想定認識範囲RA2を算出し、S108に進む。想定認識範囲RA2は、自律センサ群73(図2参照)の最大検出範囲を、S106にて取得した環境情報を用いて狭める処理によって取得される。遮蔽物BOの死角となる範囲は、想定認識範囲RA2から外れるようになる(図7参照)。
S108では、要求認識範囲RA1と想定認識範囲RA2との差分に基づき、認識不可エリアRA3として算出し、S109に進む。S109では、地図データに示された道路形状に認識不可エリアRA3をフィッティングさせ(図7参照)、リスク対象の存在可能な範囲に認識不可エリアRA3を設定し、S110に進む。こうした処理により、塀等の遮蔽物BOによって自車からは死角となる範囲の道路上に、認識不可エリアRA3が設定される。
S110では、S109にて抽出された少なくとも一つの認識不可エリアRA3(図7参照)の相対位置に基づき、運転者から見た認識不可エリアRA3の方向を設定する。複数の認識不可エリアRA3が存在する場合には、複数の方向が設定される(図23及び図25等も参照)。以上の処理の繰り返しにより、情報取得部31(図2参照)は、認識不可エリアRA3の方向情報を逐次取得可能となる。
図2及び図8に示すように、モード切替部34は、情報提示システム20を用いた情報提示を、車両Aの状態に応じて、複数の提示モードのうちで切り替える。HCU30には、状態通知モード、予防安全モード、車両挙動モード及び行動誘発モードという四つの提示モードが予め設定されている。提示モードの切り替えのトリガとなる車両Aの状態には、車両A自体の状態、リスク対象を検出しているか否かといった走行環境に起因する車両Aの状態、及び特定操作が入力されたか否かといった運転者に起因する車両Aの状態も含まれる。
モード切替部34は、通常の自律走行中において、提示モードを車両挙動モードとする。モード切替部34は、自律走行中にリスク対象が発生した場合(Ra<0)、車両挙動モードから予防安全モードへと提示モードを切り替える。そして、リスク対象の消失によってリスクが解消された場合には(Ra≧0)、モード切替部34は、予防安全モードから車両挙動モードへと提示モードを切り替える。一方、モード切替部34は、自律走行中に認識不可エリアRA3(図7参照)が発生した場合、車両挙動モードから行動誘発モードへと提示モードを切り替える。そして、行動誘発モードでの情報提示が終了すると、モード切替部34は、状態通知モードへと提示モードを遷移させる。このとき、自動運転システム90は、待機状態となる。
自動運転システム90による自律走行を再開させる操作が運転者によって入力され、車両Aの周囲にリスク対象が存在しない場合(Ra≧0)、モード切替部34は、状態通知モードから車両挙動モードへと提示モードを遷移させる。一方、自律走行を再開させる操作が運転者によって入力されたとき、リスク対象が存在している場合(Ra<0)、モード切替部34は、状態通知モードから予防安全モードへと提示モードを遷移させる。尚、自律走行を再開させる操作(発進トリガ)には、SET/ONボタンの押圧操作、及びアクセルペダルを軽く踏むペダル操作等が含まれる。
モード切替部34は、モード変更処理の実行により、上述の如く各提示モードを遷移せる。モード変更処理は、車両電源のオン状態への切り替えに基づき開始され、車両電源がオフ状態となるまで継続される。以下、モード変更処理の詳細を、図9に基づき、図2及び図8を参照しつつ説明する。
S121では、自動運転システム90の作動状態(以下、「AD状態」)を示す情報を取得し、S122に進む。S122では、余裕時間Ra(図4参照)に基づくリスク対象の選別結果を判定する。余裕時間Raがマイナスとなるリスク対象が存在している場合、S123に進む。S123では、提示モードを予防安全モードに設定し、S121に戻る。
S122にて、余裕時間Raが全てプラスであり、リスク対象が選別されていないと判定した場合、S124に進む。S124では、S121にて取得したAD状態を判定する。S124にて、AD状態がオフ状態又は待機状態であると判定した場合、S125に進む。S125では、提示モードを状態通知モードに設定し、S121に戻る。
S124にて、AD状態がオン状態であると判定した場合、S126に進む。S126では、認識状態判定ブロック33等にて抽出される認識不可エリアRA3(図7参照)の有無を判定する。S126にて、認識不可エリアRA3が有ると判定した場合、S127に進む。S127では、提示モードを行動誘発モードに設定し、S121に戻る。一方、S126にて、認識不可エリアRA3が無いと判定した場合、S128に進む。S128では、提示モードを車両挙動モードに設定し、S121に戻る。
図2に示す提示制御部35は、情報取得部31にて取得された認識情報等を用いて情報提示システム20による情報提示を制御する。具体的に、提示制御部35は、スピーカ21による通知音及び音声メッセージ等の再生制御機能、表示装置22の表示制御機能、並びに発光装置23の発光制御機能を有している。発光装置23の発光制御機能により、発光スポット25の発光態様は、モード切替部34による提示モードの切り替えに応じて変更され、且つ、各提示モードにて最新の認識情報等に基づいて適宜変更される。
例えば提示制御部35は、周辺監視装置70の認識の信頼度に応じて、発光スポット25の発光輝度を調整する。具体的には、逆光、降雨及び汚れ等に起因して、走行環境認識の信頼度が低下している場合、提示制御部35は、発光スポット25の発光輝度を、信頼度が低下してない状態よりも低く設定する。さらに提示制御部35は、モード切替部34によって設定された各提示モードにおいて、個々の提示モードに対し予め規定された互いに異なる発光色で発光装置23を発光させる。以下、各提示モードにおける発光制御の詳細を、図2及び図8を参照しつつ、順に説明する。
<状態通知モード>
状態通知モードは、自動運転システム90の状態を示す提示モードであり、具体的には、自動運転システム90がオフ状態又は待機状態であることを運転者に通知する。状態通知モードは、自動運転システム90をオン状態に切り替えるための運転者の操作(許可)が必要なことを運転者に明示する。
提示制御部35は、状態通知モードにて、図10に示す状態通知処理を実施する。状態通知処理は、行動誘発モードから状態通知モードへの切り替えに基づき開始される。状態通知処理のS131では、発光装置23を消灯させ、S132に進む。発光装置23の消灯により、自動運転システム90の待機状態が乗員に通知される。
S132では、発進許可情報の取得処理を行い、S133に進む。発進許可情報は、自律走行を再開させる発進トリガの入力を示す情報であり、自動運転ECU50から出力される情報である。S133では、発進許可情報の取得を待機する。S133にて、発進許可情報が取得された場合には、S134に進む。S134では、リスク対象の有無に応じて、車両挙動モード又は予防安全モードの発光制御への切り替えを実施し、状態通知処理を終了する。
<予防安全モード>
予防安全モードは、車両Aの周辺のリスク対象の存在を注意喚起する提示モードである。提示制御部35は、予防安全モードにて、認識状態判定ブロック33により把握された車両Aの周辺のリスク対象の相対位置を発光スポット(以下、「報知発光スポット28」)によって提示する。例えば急な回避を必要とする物体が存在する場合、その方向が運転者に示される。報知発光スポット28の点灯位置は、上面視にて、運転者のアイポイント及びリスク対象を結ぶ仮想線と、線状延伸領域24とが交差する交差位置に設定される。以上により、報知発光スポット28は、運転者から見てリスク対象の方向に点灯される。提示制御部35は、例えばリスク対象が存在する左右いずれかの方向へ向けて報知発光スポット28を移動させ、運転者の視認方向を誘導可能である。
報知発光スポット28によるリスク対象の提示によれば、自動運転システム90による回避支援が不十分な場合に、運転者による対応が可能となる。加えて、自動運転システム90による再発進の際に、運転者によるリスク対象の見落としが低減され得る。報知発光スポット28の発光色は、例えば橙色(アンバー)とされる。報知発光スポット28は、他の提示モードの発光スポット25と異なる発光色での点灯により、普段よりも急な挙動の発生を乗員に予見させることができる。その結果、車両Aの乗員は、自動運転システム90による急な車両挙動の変化に前もって構えることができる。
<車両挙動モード>
車両挙動モードは、走行計画生成部53にて計画された自律走行の将来挙動を、発光スポット(以下、「先行発光スポット26」)によって先行提示する提示モードである。将来挙動の提示により、車両Aの乗員は、周辺監視装置70の能力限界を知る手がかりを獲得できる。詳記すると、周辺監視装置70の能力限界に起因し、車両Aの周囲の物体を見逃した内容の将来挙動が提示された場合、車両Aの乗員は、将来挙動が車両Aの周囲の物体を見逃した内容であることを予見可能となる。以上によれば、車両Aの乗員は、車両挙動に現れる前に、将来挙動を手がかりとして、周辺監視装置70の誤認識又は未認識に気づくことができる。故に、車両挙動モードでは、将来挙動が未知の能力限界を示す情報として機能する。
車両挙動モードにおける先行発光スポット26の発光色は、予防安全モード及び行動誘発モードとは異なる発光色であり、例えば緑色とされる。自律走行によって車両Aが直進している場合、提示制御部35は、先行発光スポット26を点灯基準位置LPr(図8参照)に点灯させる。点灯基準位置LPrは、運転席110(図1参照)の正面位置に規定される。提示制御部35は、直進からの挙動変化が走行計画にて予定されている場合に、前後挙動提示及び左右挙動提示等を実施する。各挙動提示にて表示されるアニメーションの内容は、予定された挙動変化量又は挙動変化の種類によって変更可能である。加えて提示制御部35は、情報提示のタイミング及び詳細度を、運転者の状態に応じて調整可能である。以下、先行発光スポット26を用いた各挙動提示の詳細を順に説明する。
〔前後挙動提示(パターン1:挙動の変化量に応じてアニメーションを変更)〕
提示制御部35は、走行計画にて減速挙動が予定された場合に、前後挙動の提示を発光装置23に行わせる。前後挙動提示において、先行発光スポット26は、点灯基準位置LPrに点灯され、乗員に感じられる車両Aの減速を幅方向WDの伸縮によって予告する。提示制御部35は、先行発光スポット26の伸縮表示における点灯幅及び周期を、走行計画にて計画された減速挙動の変化量に応じて変更する。提示制御部35は、先行発光スポット26の点灯幅を規定するための点灯幅設定関数Fv1(図12参照)と、伸縮の周期を規定するための周期設定関数Fa(図13参照)とを設定する。以下、点灯幅設定関数Fv1及び周期設定関数Faを用いて前後挙動提示を制御する前後挙動提示処理の詳細を説明する。
図11に示す前後挙動提示処理のS141では、現在の速度情報Vcを取得し、S142に進む。S142では、走行計画にて規定された数秒後の速度情報Vtを取得し、S143に進む。S143では、S141及びS142にて取得した各速度情報Vc,Vtの示す速度差に基づき、車両Aに作用する前後方向の予測加速度Atdを算出し、S144に進む。
S144では、S143にて算出した予測加速度Atdと、予め規定された二つの閾値th1,th2とを比較する。閾値th1は、人が感じるか否かの境界となる加速度であり、例えば0.1G程度である。閾値th2は、人が不安になるか否かの境界となる加速度であり、例えば0.2G程度である。S144にて、予測加速度Atdが閾値th1未満であると判定した場合、S145に進む。
S145では、S142にて取得した数秒後の速度情報Vtに基づき、点灯幅設定関数Fv1(図12参照)を用いて、先行発光スポット26の点灯幅を設定し、S141に戻る。点灯幅は、車速に応じて規定され、速度情報Vtの示す将来速度が高くなるほど、広く設定される。点灯幅設定関数Fv1は、一例として、停車(速度ゼロ)に対応する点灯幅をホーン幅とし、走行中の道路の制限速度に対応する点灯幅をステア幅とするように規定される。尚、ホーン幅は、ステアリングホイール113のセンターパッドの横幅と同程度の長さである。また、ステア幅は、ステアリングホイール113の外径と同程度の長さである。
一方、S144にて、予測加速度Atdが閾値th1以上であると判定した場合、S146に進む。S146では、S141にて取得した現在の速度情報Vcに基づき、点灯幅設定関数Fv1(図12参照)を用いて、繰り返し開始の点灯幅を設定し、S147に進む。S147では、S142にて取得した将来の速度情報Vtに基づき、点灯幅設定関数Fv1を用いて、繰り返し終了の点灯幅を設定し、S148に進む。尚、繰り返し開始の点灯幅は、ステア幅に設定されてもよい。また、繰り返し終了の点灯幅は、ホーン幅に設定されてもよい。
S148では、S143にて算出した予測加速度Atdに基づき、周期設定関数Fa(図13参照)を用いて、先行発光スポット26を伸縮させるアニメーションの繰り返し周期を設定し、S141に戻る。繰り返し周期は、前後加速度に応じて規定され、予測加速度Atdが大きくなるに従って短く設定される。繰り返し周期は、例えば人の心拍数に近い範囲で設定され、具体的には、0.5〜2.0(秒/回)の範囲で調整される。
以上の提示では、車速及び加速度が大きく、乗員の不安が大きくなり易いほど、先行発光スポット26のアニメーション表現が大きくなる。故に、乗員は、車両Aの今後の動きと、挙動変化の急峻さを直感的に理解可能となる。加えて、車速及び加速度が小さく、乗員の不安が小さく抑えられる場合、先行発光スポット26のアニメーション表現は、小さくなる。その結果、乗員の煩わしさが低減可能となる。
また、S144にて、予測加速度Atdが閾値th2以上であると判定された場合、提示モードは、車両挙動モードから予防安全モードへと切り替えられる。このとき、提示制御部35は、報知発光スポット28の上に先行発光スポット26を重ねた表示を発光装置23に行わせる(図14参照)。運転者の見かけ上にて、先行発光スポット26は、報知発光スポット28の上に重畳された態様となる。報知発光スポット28のサイズ(横幅)は、先行発光スポット26のサイズよりも大きい。先行発光スポット26は、車両Aの将来挙動を示した後、消灯される。
〔左右挙動提示(パターン1:挙動の変化量に応じてアニメーションを変更)〕
提示制御部35は、走行計画にて左右への移動を伴う挙動(以下、「左右挙動」)が予定された場合に、左右挙動の提示を発光装置23に行わせる。左右挙動提示において、先行発光スポット26は、左右いずれかへの移動を繰り返す表示により、乗員に感じられる車両Aの横移動を予告する。例えば、車両Aの左折、左車線への車線変更、及び左方向への合流等が予定された場合に、先行発光スポット26は、左方向へ流れる動きを繰り返す。同様に、車両Aの右折、右車線への車線変更、及び右方向への合流等が予定された場合に、先行発光スポット26は、右方向へ流れる動きを繰り返す。
提示制御部35は、先行発光スポット26の横移動表示における移動幅及び周期を、走行計画にて計画された左右挙動の変化量に応じて変更する。提示制御部35は、先行発光スポット26の点灯態様を規定するための位置設定関数Fv2(図16参照)と、移動の周期を規定するための周期設定関数Fa(図12参照)とを設定する。以下、位置設定関数Fv2及び周期設定関数Faを用いて左右挙動提示を制御する左右挙動提示処理の詳細を説明する。
図15に示す左右挙動提示処理のS151では、現在の操舵情報Scを取得し、S152に進む。S152では、走行計画にて規定された数秒後の操舵情報Stを取得し、S153に進む。S153では、S151及びS152にて取得した各操舵情報Sc,Stが示す舵角差に基づき、車両Aに作用する左右方向の予測横加速度Atsを算出し、S154に進む。
S154では、S153にて算出した予測横加速度Atsと、予め規定された二つの閾値th1,th2とを比較する。各閾値th1,th2は、前後挙動提示処理にて用いられる値と同一でよい。S154にて、予測横加速度Atsが閾値th1未満であると判定した場合、S155に進む。
S155では、S152にて取得した数秒後の操舵情報Stに基づき、位置設定関数Fv2(図16参照)を用いて、先行発光スポット26の点灯位置を設定し、S151に戻る。点灯位置は、操舵角に応じて規定され、操舵情報Stの示す将来舵角が大きくなるほど、点灯基準位置LPrから左右いずれかの操舵方向へ離れた位置に設定される。操舵角が90°以上の場合、先行発光スポット26は、点灯基準位置LPrからステアリングホイール113の半径分離れた(±ステア幅の)位置に、ステアリングホイール113の左端又は右端と見かけ上で一致するように表示される。
一方、S154にて、予測横加速度Atsが閾値th1以上であると判定した場合、S156に進む。S156では、S151にて取得した現在の操舵情報Scに基づき、位置設定関数Fv2(図16参照)を用いて、繰り返し開始の点灯位置を設定し、S157に進む。S157では、S152にて取得した将来の操舵情報Stに基づき、位置設定関数Fv2を用いて、繰り返し終了の点灯位置を設定し、S158に進む。尚、繰り返し開始の点灯位置は、点灯基準位置LPrに設定されてもよい。また、繰り返し終了の点灯位置は、±ステア幅の位置に設定されてもよい。
S158では、S153にて算出した予測横加速度Atsに基づき、周期設定関数Fa(図13参照)を用いて、先行発光スポット26を移動させるアニメーションの繰り返し周期を設定し、S151に戻る。繰り返し周期は、横方向の加速度に応じて規定され、予測横加速度Atsが大きくなるに従い、短く設定される。左右挙動提示の繰り返し周期は、前後挙動提示と同様に、0.5〜2.0(秒/回)の範囲で調整される。
以上の提示では、操舵角及び操舵角変化が大きく、乗員の不安が大きくなり易いほど、先行発光スポット26のアニメーション表現が大きくなる。故に、乗員は、車両Aの今後の動きと、挙動変化の急峻さを直感的に理解可能となる。加えて、操舵角及び操舵角変化が小さく、乗員の不安が小さく抑えられる場合、先行発光スポット26のアニメーション表現は、小さくなる。その結果、乗員の煩わしさが低減可能となる。
〔前後挙動提示(パターン2:挙動の種類に応じてアニメーションを変更)〕
提示制御部35は、前後挙動提示の別の表示パターンとして、先行発光スポット26を用いたアニメーションの態様を、走行計画にて計画された減速挙動の種類に応じて変更する。このように、将来挙動の分類を詳細に提示すれば、乗員による将来挙動の理解が容易となる。一例として、提示制御部35は、信号を通過予定の場合のアニメーションと、信号で停車予定の場合のアニメーションとを、異なる態様で表示する。こうした別のパターンにおいても、提示制御部35は、位置設定関数Fv2(図12参照)及び周期設定関数Fa(図18参照)に基づき、先行発光スポット26の伸縮表示における点灯幅及び周期を規定する。以下、予定された前後挙動の種類に応じて、アニメーションの態様を変更する別の前後挙動提示処理の詳細を説明する。
図17に示す前後挙動提示処理のS161〜S163では、S141〜S143(図11参照)と実質同一の処理により、現在及び数秒後の各速度情報Vc,Vtの取得と、前後方向の予測加速度Atdの算出とを行い、S164に進む。S164では、走行計画にて予定された将来挙動の種類を判別する。S164にて、信号での停車、具体的には、一時停止、赤信号による停止、右折待ちのための停止、及び先行車に続いた停止等が予定されていると判断した場合、S166に進む。
S166〜S168では、S146〜S148(図11参照)と実質同一の処理により、繰り返し開始の点灯幅、繰り返し終了の点灯幅、及び繰り返し周期を、点灯幅設定関数Fv1(図12参照)及び周期設定関数Fa(図18参照)を用いて設定する。以上により、停車挙動の予告提示では、点灯基準位置LPrへ向けて先行発光スポット26を縮ませるアニメーションが繰り返し表示される。
一方、S164にて、信号の通過が予定されていると判断した場合、S169に進む。S169では、繰り返し開始の点灯幅をホーン幅に設定し、S170に進む。S170では、S161にて取得した現在の速度情報Vcに基づき、点灯幅設定関数Fv1(図12参照)を用いて、繰り返し終了の点灯幅を設定し、S171に進む。S170にて設定される繰り返し終了の点灯幅は、ステア幅であってもよい。S171では、S163にて算出した予測加速度Atdに基づき、周期設定関数Fa(図18参照)を用いて、先行発光スポット26の伸縮の繰り返し周期を設定する。以上により、信号通過の予定提示では、先行発光スポット26を外側へ拡張させるアニメーションが繰り返し表示される。
さらに、S164にて、信号停車及び信号通過のいずれも走行計画では予定されていないと判定した場合、S165に進む。S165では、S145(図11参照)と実質同一の処理により、先行発光スポット26の点灯幅を設定し、S161に戻る。この場合、減速後の速度に応じた点灯幅の先行発光スポット26が、点灯基準位置LPrに表示される。
〔左右挙動提示(パターン2:挙動の種類に応じてアニメーションを変更)〕
提示制御部35は、左右挙動提示の別の表示パターンとして、先行発光スポット26を用いたアニメーションの態様を、走行計画にて計画された左右挙動の種類に応じて変更する。左右挙動提示においても、将来挙動の分類を詳細に提示すれば、乗員による将来挙動の理解が容易となる。一例として、提示制御部35は、車線内走行を維持する左右挙動のアニメーションと、車線を跨ぐ左右移動のアニメーションとを、異なる態様で表示する。こうした別のパターンにおいても、提示制御部35は、位置設定関数Fv2(図16参照)及び周期設定関数Fa(図18参照)に基づき、先行発光スポット26の横移動表示における移動幅及び周期を規定する。以下、予定された左右挙動の種類に応じて、アニメーションの態様を変更する別の左右挙動提示処理の詳細を説明する。
図19に示す左右挙動提示処理のS181〜S183では、S151〜S153(図15参照)と実質同一の処理により、現在及び数秒後の各操舵情報Sc,Stと、左右方向の予測横加速度Atsを算出し、S184に進む。S184では、走行計画にて予定された将来挙動の種類を判別する。S184にて、車線内走行の維持が予定されていると判断した場合、S185に進む。S185では、S155(図15参照)と実質同一の処理により、位置設定関数Fv2(図16参照)を用いて、先行発光スポット26の点灯位置を設定し、S181に戻る。以上により、点灯基準位置LPrから左右にずれた位置に先行発光スポット26が点灯される。
一方、S184にて、合流及び分岐を含む車線変更、並びに右左折等の進路変更が予定されていると判断した場合、S186に進む。S186では、S181にて取得した現在の操舵情報Scに基づき、位置設定関数Fv2(図16参照)を用いて、繰り返し開始の点灯位置を設定し、S187に進む。S187では、S182にて取得した将来の操舵情報Stに基づき、位置設定関数Fv2を用いて、繰り返し終了の点灯位置を設定し、S188に進む。S188では、S183にて算出した予測横加速度Atsに基づき、周期設定関数Fa(図18参照)を用いて、先行発光スポット26を移動させる繰り返し周期を設定し、S181に戻る。以上によれば、先行発光スポット26の左右いずれかへの移動が繰り返される。尚、繰り返し開始の点灯位置は、点灯基準位置LPrに設定されてもよい。また、繰り返し終了の点灯位置は、±ステア幅に設定されてもよい。
〔提示タイミングの調整〕
提示制御部35は、運転者の状態に応じて、先行提示のタイミングを変更可能である。提示制御部35は、認識状態判定ブロック33における余裕時間Ra(図4参照)の算出結果を利用して、先行提示のタイミングを、乗員に不安を感じさせない時期に調整する。提示制御部35は、運転者の認知及び判断と同じタイミングで、自動運転システム90における認知及び判断を提示する(図4参照)。具体的に、先行提示のタイミングは、余裕時間Raが0〜2秒程度となる時期に設定され、運転者の運転姿勢及び不安度に応じて調整される。こうした設定によれば、自動運転システム90における認知及び判断が誤っている場合でも、運転者は、不安なく対応可能となる。以下、先行提示のタイミングを設定するタイミング設定処理の詳細を説明する。
図20に示すタイミング設定処理のS191では、乗員状態判定ブロック32にて判定された運転姿勢に関連する情報を取得し、S192に進む。S192では、S191にて取得した情報に基づき、運転者の現在の運転姿勢を診断する。S192にて、運転者の手がステアリングホイール113を把持しており、且つ、運転者の足がブレーキペダルを踏んでいると判定した場合、S193に進む。S193では、運転者が正しい運転姿勢をとっているため、運転者の反応遅れ時間RDT(図4参照)をゼロに設定し、S197に進む。
一方、S192にて、運転者の手がステアリングホイール113を把持しているものの、足がフロアに置かれていると判定した場合、S194に進む。S194では、運転者の反応遅れ時間RDTを0.5秒に設定し、S197に進む。また、S192にて、運転者の手がステアリングホイール113を把持していないと判定した場合、S195に進む。S195では、運転者の反応遅れ時間RDTを1.0秒に設定し、S197に進む。さらに、S192にて、運転者の手がステアリングホイール113以外を把持していると判定した場合、S196に進む。S196では、運転者の反応遅れ時間RDTを2.0秒に設定し、S197に進む。以上の処理により、運転姿勢に応じた余裕時間Raが設定される。
S197では、乗員状態判定ブロック32にて算定された運転者の不安度を取得し、S198に進む。S198では、S197にて取得した不安度を判定する。S198にて、不安度が低いと判定した場合、S199に進む。S199では、余裕時間Raがゼロとなるときを提示タイミングに設定する。
一方、S198にて、不安度が中程度と判定した場合、S200に進み、余裕時間Raが1.0秒となるときを提示タイミングに設定する。また、S198にて、不安度が高いと判定した場合、S201に進み、余裕時間Raが2.0秒となるときを提示タイミングに設定する。以上の処理により、不安度が高くなるほど、先行提示のタイミングが、不安源への到達時刻に対して早められる。
〔情報提示の詳細度の調整〕
提示制御部35は、運転者の状態(不安度)に応じて、情報提示の詳細度を調整可能である。提示制御部35は、運転者の不安度が高いとき及び高いところほど、情報提示システム20に詳細な情報を提示させる。一方、提示制御部35は、運転者の安心感が高いとき及び高いところほど、概要提示に留める。不安度に応じた情報粒度の調整によれば、安心感の確保と煩わしさの低減とを両立することが可能になる。以下、情報提示の詳細度を設定する詳細度設定処理の詳細を説明する。
図21に示す詳細度設定処理のS211では、乗員状態判定ブロック32にて算定された運転者の不安度を取得し、S212に進む。S212では、S211にて取得した不安度を判定する。S212にて、不安度が低いと判定した場合、S213に進む。S213では、情報提示システム20のうちで情報提示に使用する提示デバイスを、表示装置22及び発光装置23に設定する。この場合の情報提示は、将来挙動の概要を示す内容であり、周辺監視と併行した運転者によるモニタリング及び瞬時の情報の理解の実現を狙いとした内容となる。
一方、S212にて、不安度が中程度と判定した場合、S214に進む。S214では、表示装置22及び発光装置23に加えて、スピーカ21を、使用する提示デバイスに設定する。この場合、スピーカ21により、将来挙動の内容が乗員に通知される。さらに、S212にて、不安度が高いと判定した場合、S215に進む。S215では、S214と同様に、発光装置23、表示装置22及びスピーカ21が、使用対象に設定される。この場合、将来挙動の内容に加えて、挙動変化の実施理由等が、表示及び音声の少なくとも一方により、乗員に対して通知される。こうした情報提示によれば、運転者は、必要に応じて挙動変化の詳細を確認可能となる。
<行動誘発モード>
行動誘発モードは、認識不可エリアRA3(図7参照)の発生を通知し、認識不可エリアRA3の確認行動又は運転交代を運転者に促す提示モードである。上述したように、認識不可エリアRA3は、周辺監視装置70の能力限界を示すエリアであり、自動運転システム90が状況を把握できないエリアである。車両挙動モードでは未知の能力限界を間接的に提示するのに対して、行動誘発モードでは、既知の能力限界を直接的に提示する。周辺監視装置70の能力限界が予め分かるうえに、どの方向を確認すればよいか理解容易となることで、運転者は、能力限界に対して余裕を持って対応できる。
提示制御部35は、行動誘発モードにおいて、認識状態判定ブロック33により把握された認識不可エリアRA3(図7参照)の存在を発光スポット(以下、「誘導発光スポット27」,図8参照)によって提示する。行動誘発モードにおける誘導発光スポット27の発光色は、リスク対象がいる場合との混乱を防ぐため、予防安全モードとは異なった発光色とされ、例えば黄色とされる。誘導発光スポット27は、運転者から見た認識不可エリアRA3の方向を示す。以下、認識不可エリアRA3の提示を制御する能力限界提示処理の詳細を、図22に基づき、図23〜図26を図2と共に参照しつつ説明する。
能力限界提示処理のS301では、認識状態判定ブロック33にて把握された認識不可エリアRA3の方向情報(図5 S110参照)を取得し、S302に進む。S302では、S301にて取得した方向情報から、現在の認識不可エリアRA3の方向の数を判定する。S302の分岐により、能力限界の発生数に応じて点灯パターンが変更される。S302にて、方向の数がゼロ、即ち、認識不可エリアRA3が無い場合、S301に戻る。
一方、S302にて、認識不可エリアRA3の方向の数が1つ又は2つであると判定した場合、S303に進む。S303では、認識不可エリアRA3の方向に、誘導発光スポット27(図8参照)の点灯位置を設定し、S304に進む。S304では、S304にて設定された点灯位置の間について、消灯状態とする設定とし、S307に進む。
また、S302にて、認識不可エリアRA3の方向の数が三つ以上であると判定した場合(図23及び図25参照)、S305に進む。この場合、最も外側の認識不可エリアRA3を示した二方向の間が全点灯される。S305では、発光範囲27aの両端位置を規定する。具体的にS305では、複数の認識不可エリアRA3の方向のうちで、運転者から見て右端となる位置27rと左端となる位置27lを設定し、S306に進む(図24及び図26参照)。S306では、S305にて設定された二つの点灯位置の間について、点灯状態とする設定とし、S307に進む。こうした発光範囲27aの帯状発光によれば、多数の誘導発光スポット27の点灯に起因した乗員の混乱が防止可能となる。
S307では、乗員状態判定ブロック32にて特定された運転者の視認方向を示す情報(以下、「視認方向情報」)を取得し、S308に進む。S308では、S307にて視認方向情報が取得できたか否かを判定する。S308にて、視認方向情報が取得できないと判定した場合、S309に進む。一例として、乗員監視システム10にDSM11が設けられていない場合、視認方向情報は、取得されない。また、DSM11が設けられていても、顔及び目等が検出できない場合、視認方向のロストにより、視認方向情報は、取得されない。
S309では、運転席110の正面の点灯基準位置LPrから、S303又はS305にて設定した点灯位置まで、誘導発光スポット27を移動させ、S310に進む。こうした誘導発光スポット27の移動により、運転者の視認方向が誘導される。S310では、特定時間又は特定回数、誘導発光スポット27の移動を繰り返し、S313に進む。
一方、S308にて、視認方向情報が取得できていると判定した場合、S311に進む。S311では、上面視にて、視線方向を規定する仮想線と線状延伸領域24(図24参照)とが交差する交差位置から、S303又はS305にて設定した点灯位置まで、誘導発光スポット27を移動させ、S312に進む。S312では、特定時間又は特定回数、誘導発光スポット27の移動を繰り返した後、S313に進む。
以上のS310及びS312では、DSM11による運転者の注視点PG(図35参照)の検出情報を用いて、認識不可エリアRA3の方向を運転者が確認した場合に、誘導発光スポット27を消灯してもよい。誘導発光スポット27を消灯した後のS313では、行動誘発提示を終了し、発光装置23の作動状態を状態通知モードの待機状態に設定する(図8参照)。
<自動化レベル提示>
ここまで説明した各提示モードは、自動化レベル2の自動運転を前提した内容である。一方で、提示制御部35は、図27〜図29に示すように、自動運転の自動化レベルに応じて、各提示モードにおける発光スポット25の発光態様、具体的には、点灯基準位置LPr及び点灯幅を変更可能である。自動化レベル2以下の場合、個人モードとして、主に運転者を提示の対象とする情報提示が実施される。一方で、自動化レベル3以上の場合、全員モードとして、全ての乗員を提示の対象とした情報提示が実施される。こうした提示により、乗員は、自動運転の自動化レベルを直感的に理解できる。以下、車両挙動モード、行動誘発モード及び予防安全モードについて、自動化レベル毎の表示の詳細を順に説明する。尚、運転者が寝ている場合に、全員モードでの提示が実施されてもよい。また、特定のスイッチ等の操作により、個人モードと全員モードとが切り替えられてもよい。
図27に示す車両挙動モードでは、自動化レベル2の場合に、先行発光スポット26の点灯基準位置LPrは、運転席110(図1参照)の正面に設定される。一方で、自動化レベル3の場合には、点灯基準位置LPrは、運転席110の正面位置よりも車両Aの中央寄りとされ、一例として車両Aにおける幅方向WDの中央に設定される。以上のような点灯基準位置LPrの切り替えにより、自動化レベル2では、運転者が運転の主体であることが表現され、自動化レベル3では、自動運転システム90が運転の主体であることが表現される。
また自動化レベル2,3の場合、先行発光スポット26の点灯幅は、予め規定された特定幅Xとされる。そして、点灯幅及び点灯位置の変化により、先行発光スポット26は、将来挙動を通知する。こうした提示により、運転者を除く乗員にも、車両Aの将来挙動が伝わるようになる。対して、自動化レベル4−5の場合、先行発光スポット26の点灯幅が線状延伸領域24の全体まで拡張される。これにより、線状延伸領域24の全体が、車両挙動モードに規定された発光色(緑色)で発光する。発光装置23は、将来挙動に応じた表現の変化を行わないことで、運転者による対応が不要であることを提示する。
図28に示す行動誘発モードでは、自動化レベル2の場合、誘導発光スポット27は、周辺監視装置70の能力不足が生じている認識不可エリアRA3(図23参照)の方向を提示し、運転者に確認能力の補完を要請する。一方で、自動化レベル3,4−5の状態で能力不足が発生すると、発光装置23は、線状延伸領域24の発光により、運転者への運転交代を要請する。具体的に、自動化レベル3の場合、運転交代が必要となる数秒〜数分前に、車両Aにおける幅方向WDの中央に、特定幅Xの誘導発光スポット27が点灯される。そして、運転者が運転交代の要請に対応すると、自動化レベル2以下の行動誘発モードへの切り替えが実施される。一方、自動化レベル4−5の場合、運転交代が必要となる数秒〜数分前に、誘導発光スポット27の点灯幅が線状延伸領域24の全体まで拡張される。これにより、線状延伸領域24の全体が、行動誘発モードに規定された発光色(黄色)で発光する。この場合でも、運転者が運転交代の要請に対応すると、自動化レベル3以下の行動誘発モードへの切り替えが実施される。
図29に示す予防安全モードでは、自動化レベル0−1の場合でも、情報提示が実施される。自動化レベル0−1の場合、報知発光スポット28は、リスク対象の方向を運転者に対し提示する。同様に、自動化レベル2の場合でも、報知発光スポット28は、リスク対象の方向を運転者に対し提示する。自動化レベル2の場合の報知発光スポット28は、急制動又は急操舵の発生を予告する役割、又は運転者によるオーバーライドを促す役割を果たしている。
一方、自動化レベル3の場合、報知発光スポット28は、リスク対象の方向に関係なく、車両Aにおける幅方向WDの中央に特定幅Xで点灯される。同様に、自動化レベル4−5の場合、リスク対象の発生により、報知発光スポット28の点灯幅が線状延伸領域24の全体まで拡張され、線状延伸領域24の全体が発光する。以上のように、自動化レベル3,4−5の場合、リスク対象の方向は提示されない。これらの場合、発光装置23の発光は、自動運転システム90による急制動又は急操舵の発生を、全乗員に予告する提示となる。
以上のように、提示制御部35は、自動化レベルに応じて各提示モードの設定を変更する。その結果、発光装置23は、線状延伸領域24(図29等参照)の発光態様から現在の自動化レベルを提示可能となる。以下、提示制御部35にて実施される自動化レベル提示処理の詳細を説明する。
図30に示す自動化レベル提示処理のS401では、自動運転システム90にて作動中の自動運転の自動化レベルを示す情報を取得し、S402に進む。S402では、S401にて取得した自動化レベルを判定する。S401にて、自動化レベル0(手動運転中)又は1であると判定した場合、S403に進む。
S403では、車両挙動モードをオフ状態に設定し、S404に進む。S404では、行動誘発モードをオフ状態に設定し、S405に進む。S405では、点灯基準位置LPrを運転席110の正面に設定し、S406に進む。S406では、基準となる点灯幅を特定幅Xに設定し、処理を終了する。
S402にて、自動化レベル2であると判定した場合、S407に進む。S407では、車両挙動モードをオン状態に設定し、S408に進む。S408では、行動誘発モードをオン状態に設定し、S409に進む。S409では、点灯基準位置LPrを運転者正面に設定し、S410に進む。S410では、基準となる点灯幅を特定幅Xに設定し、処理を終了する。
S402にて、自動化レベル3であると判定した場合、S411に進む。S411では、車両挙動モードをオン状態に設定し、S412に進む。S412では、行動誘発モードをオン状態に設定し、S413に進む。S413では、点灯基準位置LPrを車両Aの中央に設定し、S414に進む。S414では、基準となる点灯幅を特定幅Xに設定し、処理を終了する。
S402にて、自動化レベル4−5であると判定した場合、S415に進む。S415では、車両挙動モードをオン状態に設定し、S416に進む。S416では、行動誘発モードをオン状態に設定し、S417に進む。S417では、点灯基準位置LPrを車両Aの中央に設定し、S418に進む。S418では、点灯幅を線状延伸領域24(図29参照)の全面に設定し、処理を終了する。
次に、実際の交通シーンにて行われる情報提示の詳細を、各ユースケースに沿って説明する。
<ユースケース1>
図31に示すユースケース1では、信号の無い交差点(T字路)を車両Aが右折する過程での情報提示を順に説明する。ユースケース1における交差点の手前には、一時停止を義務付ける停止線が設定されている。またユースケース1における交差点の近傍には、車両Aに対するリスク対象は、存在していない。
自動運転システム90がオン状態である車両Aは、自律走行によって直進走行し、交差点に接近する([1]参照)。このとき発光装置23は、車両挙動モードでの情報提示を実施しており、先行発光スポット26を点灯基準位置LPrに点灯させている。走行計画にて停止線での停車が予定されると、表示装置22には、一時停止の交通標識を示すアイコンが表示される。加えてスピーカ21(図2参照)からは、「この先、一旦停止があります」という音声メッセージが発話される。
車両Aにて減速が開始される数秒前に、発光装置23は、先行発光スポット26を用いて、減速の開始を予告する。具体的に、発光装置23は、先行発光スポット26を内側に収縮させるアニメーションを繰り返し表示する([2]及び図32参照)。そして、自動運転システム90が車両Aを停止線の手前で停車させると、先行発光スポット26は、例えばホーン幅(図12参照)まで縮んだ状態で点灯される([3]参照)。尚、交差点での二段階停止が実施される場合には、[1]〜[3]の情報提示が繰り返される。
ここで、認識不可エリアRA3が発生していた場合、発光装置23の提示モードは、車両挙動モードから行動誘発モードへと遷移する。発光装置23は、誘導発光スポット27によって認識不可エリアRA3の状況の確認を運転者に促す([4]参照)。加えて表示装置22には、認識不可エリアRA3の位置を示す交差点の俯瞰図と、安全確認及び発進許可を促すメッセージとが表示される。またスピーカ21(図2参照)からは、「周囲の安全を確認して、発進ボタンを押してください」という音声メッセージが発話される。
図33に示すように、発光装置23は、上記[4]にて、点灯基準位置LPrに点灯させた誘導発光スポット27を左右に分裂させ、認識不可エリアRA3の方向まで移動させる。DSM11にて、運転者の視認方向が検出されている場合、図34に示すように、誘導発光スポット27は、点灯基準位置LPrから注視点PGの方向に移動した後で、左右に分裂されてもよい。
図31に示すように、発光装置23は、誘導発光スポット27の移動を複数回繰り返した後で、誘導発光スポット27をフェードアウトさせる([5]参照)。DSM11(図2参照)によって運転者の視認方向が検出されている場合、誘導発光スポット27は、運転者による認識不可エリアRA3の状況確認が行われたことに基づき、順に消灯される。具体的には、図35に示すように、運転者から見て右方向にある認識不可エリアRA3に運転者の注視点PGが向けられた場合、右方向の誘導発光スポット27が消灯される。同様に、運転者から見て左方向にある認識不可エリアRA3に運転者の注視点PGが向けられた場合、左方向の誘導発光スポット27が消灯される。尚、運転者の視認方向が確認できない場合には、点灯開始からの一定時間の経過により、誘導発光スポット27は消灯される。行動誘発モードによる情報提示が完了し、誘導発光スポット27が消灯されるタイミングに合わせて、提示モードは、行動誘発モードから状態通知モードへと遷移する。
図31に示すように、自動運転システム90は、停止線にて車両Aを停車させた後、発進許可となる運転者の操作を待機した待機状態となる。発進許可となる操作が入力されると、自動運転システム90は、オン状態へと遷移する。このとき、発光装置23の提示モードも、状態通知モードから車両挙動モードへと遷移する。その結果、発光装置23は、先行発光スポット26を点灯基準位置LPrから右方向へ移動させるアニメーションを繰り返し表示する([6]参照)。先行発光スポット26の移動による情報提示と、スピーカ21(図2参照)からの「発進します」という音声メッセージの発話とが実施された後、自律走行が再開される。そして、右折完了によって車両Aが直進走行に遷移すると、先行発光スポット26は、点灯基準位置LPrに点灯された状態となる([7]参照)。
<ユースケース2>
図36及び図37に示すユースケース2では、信号の有る交差点を車両Aが右折する過程での情報提示を順に説明する。ユースケース2では、青信号の状態での交差点の進入が想定されている。またユースケース2では、交差点に進入する対向車がリスク対象として発生する。
自動運転システム90がオン状態である車両Aは、自律走行によって直進走行し、青信号の交差点に接近する([1]参照)。このとき発光装置23は、車両挙動モードでの情報提示を実施しており、点灯基準位置LPrに先行発光スポット26を点灯させている。そして、スピーカ21(図2参照)からの「この先、交差点を右折します」という音声メッセージに発話により、右折の実施が予告される。車両Aでは、右側の方向指示器の点滅が開始される。
そして、交差点の手前にて緩減速が開始される数秒前に、発光装置23によって減速実施が予告される。具体的には、走行計画にて設定された数秒後の車速に応じた点灯幅まで、先行発光スポット26を収縮させるアニメーションが発光装置23に表示される([2]参照)。
自動運転システム90は、緩減速させた車両Aを右折レーンへ進入させる。この右折レーンへの進入の数秒前に、発光装置23は、先行発光スポット26を点灯基準位置LPrから右方向へ移動させるアニメーションを繰り返し表示する([3]参照)。右方向への先行発光スポット26の移動幅は、走行計画にて設定された数秒後の操舵量に応じた移動幅とされる。
交差点にて車両Aが停車すると、発光装置23は、停車時(0km/h)に対応する点灯幅にて、先行発光スポット26を点灯基準位置LPrに点灯させる([4]参照)。尚、赤信号で車両Aが停止する場合、発光装置23は、[1]及び[2]を繰り返した後、[3]の情報提示を行わずに、[4]の状態に遷移する。
交差点の近傍に認識不可エリアRA3が発生していた場合、発光装置23は、行動誘発モードでの情報提示を実施し、誘導発光スポット27によって認識不可エリアRA3の状況の確認を運転者に促す([5]参照)。具体的に、発光装置23は、点灯基準位置LPrに点灯させた誘導発光スポット27を左右に分裂させ、その一部を右方向の認識不可エリアRA3の位置まで移動させる(図38参照)。このとき、表示装置22には、認識不可エリアRA3の位置を示す交差点の俯瞰図と、安全確認及び発進許可を促すメッセージとが表示される。またスピーカ21(図2参照)からは「周囲の安全を確認して、発進ボタンを押してください」という音声メッセージが発話される。
発光装置23は、誘導発光スポット27の移動を複数回繰り返した後で、誘導発光スポット27をフェードアウトさせる([6]参照)。DSM11によって運転者の視認方向が検出されている場合、運転者による認識不可エリアRA3の確認行動が行われたことに基づき、誘導発光スポット27は、順に消灯される。一方で、運転者の視認方向が確認できない場合には、点灯開始からの一定時間の経過により、誘導発光スポット27は消灯される。行動誘発モードによる行動誘発提示が完了し、誘導発光スポット27が消灯されるタイミングにて、提示モードは、行動誘発モードから状態通知モードへと遷移する。
ここで、運転者が対向車を見落としたまま発進許可となる操作を入力した場合、対向車は、リスク対象として検出される。この場合、自動運転システム90は、対向車をリスク対象として検出したタイミングにて、運転者による発進許可を保留し、車両Aの停車状態を維持する。このとき発光装置23の提示モードは、状態通知モードから予防安全モードへと遷移する。以上により、リスク対象である対向車の方向に報知発光スポット28が点灯される([7]参照)。加えてスピーカ21(図2参照)からは「対向車の通過を待ちます」という音声メッセージが発話される。
対向車の交差点の通過によってリスク対象が消失すると、車両Aは、交差点の右折を開始する。このとき、発光装置23の提示モードは、リスク解消に伴い、予防安全モードから車両挙動モードへと遷移する。その結果、点灯基準位置LPrから右方向へ先行発光スポット26を移動させるアニメーションが繰り返し表示される([8]参照)。先行発光スポット26の移動による情報提示と、「発進します」という音声メッセージの発話とが実施された後、自律走行が再開される。そして、右折完了によって車両Aが直進走行となると、先行発光スポット26は、点灯基準位置LPrに点灯された状態となる([9]参照)。
ここまで説明した本実施形態では、発光装置23を用いた情報提示の提示モードが切り替えられても、周辺監視装置70の能力限界は、各提示モードにおいて実施される発光装置23の発光制御により、車両Aの乗員に提示される。以上によれば、車両Aの乗員は、周辺監視装置70の能力限界を知る手がかりを多くの機会で得られるようになる。したがって、HCU30は、車両Aにおける走行環境認識への乗員の不安を低減できる。
加えて本実施形態によれば、運転者は、能力限界を知る手がかりを概ね常時認識できるようになるため、車両Aのリスクレベルが低いうちに、走行環境認識における誤認識及び未認識に気付き得る。その結果、運転者は、自動運転システム90を補完して、リスクに対応可能となる。このような対応が可能であれば、運転者の自動運転に対する安心感は、損なわれ難くなる。
加えて本実施形態では、周辺監視装置70の能力限界を示す認識不可エリアRA3の有無に基づき、提示モードが切り替わる。こうした提示モードの遷移によれば、能力限界の発生を自動運転システム90にて自己検知したうえで、その能力限界を補完させるような行動を、運転者に促す情報提示が実施可能となる。
また本実施形態では、認識不可エリアRA3が無い場合に、車両挙動モードにて、将来挙動が提示される。こうした情報提示によれば、先行発光スポット26の動きと、周囲の状況との比較から、乗員は、能力限界の発生を予見可能となる。故に、能力限界の発生を自動運転システム90にて自己検知できない場合でも、乗員は、能力限界を知る手がかりを得ることができる。したがって、走行環境認識への乗員の不安は、多くの自律走行期間にて、低減可能となる。
さらに本実施形態では、リスク対象の発生により、先行発光スポット26を報知発光スポット28に重ねた表示が行われる。こうした情報提示によれば、乗員による状況把握は、いっそう容易となる。その結果、乗員は、リスク対象への対応のための自動運転システム90による急な挙動変化にも、落ち着いて対応可できる。
加えて本実施形態では、認識不可エリアRA3が把握されている場合に、認識不可エリアRA3の相対位置が、運転者から見た誘導発光スポット27の方向によって提示される。こうした情報提示であれば、乗員は、自動運転システム90の能力限界の発生範囲を容易に把握でき、能力限界を円滑に補完可能となる。故に、能力限界が発生しても、乗員の不安の増大は、生じ難くなる。
また本実施形態における誘導発光スポット27は、認識不可エリアRA3へ向けて移動する。こうした提示によれば、認識不可エリアRA3の視認行動を運転者に誘発させることができる。以上のように、誘導発光スポット27の挙動によって乗員の補完行動が促されれば、誘導発光スポット27を表示させている車両Aへの乗員の不安は、低減され得る。
さらに本実施形態では、認識不可エリアRA3が三つ以上ある場合に、最も外側に位置する二つの認識不可エリアRA3を基準として、全ての認識不可エリアRA3の方向を包含するような帯状の発光範囲27aが設定される。こうした発光態様によれば、発光装置23は、多数の誘導発光スポット27の発光によって乗員を混乱させる事態を回避しつつ、多数の認識不可エリアRA3の存在を漏れ無く乗員に伝えることができる。
加えて本実施形態では、認識不可エリアRA3が発生した場合、自動運転システム90は、自律走行を中断して待機状態となる。故に、誘導発光スポットの消灯に合わせて、待機状態を示す状態通知モードに遷移すれば、認識不可エリアRA3の確認を終えた運転者に対し、自律走行の中断が明示される。その結果、自律走行の再開を許可する操作の入力が運転者に促される。
また本実施形態では、自律走行の自動化レベルに応じて、点灯基準位置LPrが切り替えられる。こうした切り替えによれば、乗員による自動化レベルの把握が容易となる。そして、自動化レベルの状態把握によれば、自動運転システム90への乗員の不安は、いっそう低減される。
さらに本実施形態では、要求認識範囲RA1と想定認識範囲RA2との差分に基づき、認識不可エリアRA3が設定される。こうした処理によれば、認識不可エリアRA3は、周辺監視装置70の能力限界となる範囲であって、運転者による補完が必要な範囲に、適確に設定され得る。したがって、自動運転システム90及び周辺監視装置70を補完するための運転者の負荷が不必要に高まる事態は、回避される。
加えて本実施形態では、各提示モードにおける発光スポット25の発光色が互いに異なっている。故に、複数のうちで提示モードが切り替えられても、発光装置23は、自動運転システム90の状態を混乱させることなく乗員に提示できる。その結果、乗員の安心感は、いっそう向上可能となる。
尚、上記実施形態では、発光装置23が「発光部」に相当し、各位置27r,27lが「両端位置」に相当し、提示制御部35が「発光制御部」に相当し、HCU30が「提示制御装置」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、四つの提示モードが設定されていた。加えて、四つの提示モードのうちの二つにおいて、周辺監視装置の能力限界が提示されていた。しかし、HCUに設定された提示モードの数は、四つに限定されず、例えば五つ以上であってもよい。加えて、能力限界を提示する提示モードの数も、三つ以上であってよい。また、能力限界を提示する提示モードは、予め設定された複数の提示モードの全てであってもよく、又は一部であってもよい。加えて、各提示モードの切り替えのトリガとなる情報も、上記実施形態のような認識不可エリアの有無に限定されない。車両の状態に関連する種々の情報が、提示モードを遷移させるトリガ情報として利用可能である。
上記実施形態では、車両挙動モードにおける将来挙動提示と行動誘発モードにおける認識不可エリアの方向提示とが、それぞれ能力限界の提示に相当した。しかし、各提示モードにて能力限界を提示する方法は、適宜変更されてよい。加えて、車両挙動モード及び行動誘発モードにて発光スポットを用いたアニメーションの内容も、適宜変更されてよい。さらに、三つ以上の認識不可エリアが存在する場合でも、多数の誘導発光スポットの点灯により、個々の認識不可エリアの方向が個別に提示されてよい。
加えて、提示モード毎に規定された発光色は、全て異なっていなくてもよい。即ち、一部の提示モードに規定された発光色は、互いに実質同一であってもよい。尚、二つの発光色を異なる設定とする場合、これらの発光色は、色相環上において、所定の角度以上、離れていることが望ましい。
発光スポットを表示させるための発光装置の構成は、適宜変更可能である。例えば、帯状に形成された有機EL等の自発光パネルを用いて、移動可能な発光スポットを表示する線状延伸領域が実現されてもよい。加えて、発光装置の設置位置も、適宜変更可能である。例えば発光装置は、ウインドシールドの上方に、ウインドシールドの上縁に沿う形状で設置されていてもよい。或いは発光装置は、ウインドシールドの下方に設置され、ウインドシールドの下縁領域に光を投影する構成であってもよい。この構成では、ウインドシールドの下縁領域にて反射された反射光が各乗員に視認される。即ち、発光装置は、発光スポットの虚像を乗員に視認させる虚像表示装置であってもよい。
上記実施形態では、右ハンドルの車両における情報提示の具体例を説明した。しかし、上記実施形態の情報提示は、左ハンドルの車両にも適用可能であり、乗員の不安低減に有効となる。
上記実施形態では、自律走行の自動化レベルを変更可能な自動運転システムが想定されていた。しかし、自動運転システムによって実現される自律走行の自動化レベルは、変更不可能であってもよい。具体的に、自動運転システムは、自動化レベル2又は3の自律走行のみを行うシステムであり、自動化レベル4以上の自律走行を実施しないシステムであってもよい。こうした形態であれは、自動化レベルに応じた発光装置の発光態様の変更は、実施されなくてもよい。加えて、自動化レベルの定義も、上述の定義に限定されず適宜変更可能である。
上記実施形態において、HCUの制御回路によって提供されていた機能は、上述のものとは異なるハードウェア及びソフトウェア、或いはこれらの組み合わせによって提供可能である。また、提示制御プログラムを記憶するメモリ装置63(図1参照)には、種々の非遷移的実体的記憶媒体(non- transitory tangible storage medium)が採用可能である。加えて、提示制御プログラムを記憶する記憶媒体は、HCUのメモリ装置に限定されず、当該メモリ装置へのコピー元となる光学ディスク及び汎用コンピュータのハードディスクドライブ等であってもよい。
A 車両、LPr 点灯基準位置、RA1 要求認識範囲、RA2 想定認識範囲、RA3 認識不可エリア、WD 幅方向、23 発光装置(発光部)、25 発光スポット、26 先行発光スポット、27 誘導発光スポット、27a 発光範囲、27r 右端の位置(両端位置)、27l 左端の位置(両端位置)、28 報知発光スポット、30 HCU(提示制御装置)、31 情報取得部、34 モード切替部、35 提示制御部(発光制御部)、41 処理部、70 周辺監視装置、90 自動運転システム、110 運転席

Claims (11)

  1. 自動運転システム(90)による自律走行を実施可能にするための周辺監視装置(70)を搭載する車両(A)において用いられ、前記車両に設けられた発光部(23)の発光制御によって情報を提示する提示制御装置であって、
    前記周辺監視装置による走行環境認識に関連した認識情報を取得する情報取得部(31)と、
    前記自動運転システムの要求する要求認識範囲(RA1)に対する前記周辺監視装置のセンシング可能範囲の不足を示す認識不可エリア(RA3)の存在を把握する認識状態判定部(33)と、
    前記発光部を用いた情報提示を複数の提示モードのうちで切り替えるモード切替部(34)と、
    前記認識情報を用いた前記発光部の発光制御により、前記周辺監視装置能力限界を提示する発光制御部(35)と、を備え
    前記モード切替部は、前記認識不可エリアが有る場合、前記提示モードを行動誘発モード及び状態通知モードの順に切り替え、
    前記発光制御部は、
    前記行動誘発モードにおいて、前記能力限界として前記認識不可エリアの存在を提示し、
    前記状態通知モードにおいて、前記認識不可エリアの発生によって前記自動運転システムが待機状態となっており、前記自動運転システムをオン状態に切り替えるため操作が必要なことを提示する提示制御装置。
  2. 記モード切替部は、前記認識不可エリアが無い場合に、前記提示モードを車両挙動モードに設定し、
    前記発光制御部は、前記車両挙動モードにおいて、前記自動運転システムにて計画された将来挙動を、前記発光部に表示させた先行発光スポット(26)によって提示する請求項に記載の提示制御装置。
  3. 前記発光制御部は、前記車両の周辺のリスク対象が前記周辺監視装置によって検出された場合に、当該リスク対象を報知する報知発光スポット(28)に前記先行発光スポットを重ねた表示を前記発光部に行わせる請求項に記載の提示制御装置。
  4. 記発光制御部は、前記行動誘発モードにおいて、前記認識不可エリアの存在を、前記発光部に表示させた誘導発光スポット(27)によって提示する請求項1〜3のいずれか一項に記載の提示制御装置。
  5. 前記発光制御部は、前記認識不可エリアへ向けて前記誘導発光スポットを移動させる請求項に記載の提示制御装置。
  6. 前記発光部は、前記車両の幅方向(WD)に沿って延伸する形状であり、
    前記発光制御部は、前記認識不可エリアが三つ以上ある場合に、複数の前記認識不可エリアのうちで最も外側に位置する二つを基準に、前記発光部における発光範囲(27a)の両端位置(27r,27l)を規定する請求項又はに記載の提示制御装置。
  7. 前記モード切替部は、前記認識不可エリアを示す前記誘導発光スポットの消灯に合わせて、前記行動誘発モードから前記状態通知モードに、前記提示モードを切り替える請求項のいずれか一項に記載の提示制御装置。
  8. 前記情報取得部は、前記自動運転システムにて実施される自律走行の自動化レベルを取得し、
    前記発光制御部は、
    前記自動化レベルが予め規定された閾値よりも低い場合に、前記発光部における発光スポット(25)の点灯基準位置(LPr)を、前記車両の運転席(110)の正面位置に設定し、
    前記自動化レベルが予め規定された閾値よりも高い場合に、前記正面位置よりも前記車両の幅方向(WD)における中央寄りに前記点灯基準位置を設定する請求項のいずれか一項に記載の提示制御装置。
  9. 前記発光制御部は、前記発光スポットの点灯幅を前記自動化レベルに応じて変更する請求項に記載の提示制御装置。
  10. 前記発光制御部は、前記モード切替部によって設定された各前記提示モードにおいて、個々の前記提示モードに対し予め規定された互いに異なる発光色にて前記発光部を発光させる請求項1〜のいずれか一項に記載の提示制御装置。
  11. 自動運転システム(90)による自律走行を実施可能にするための周辺監視装置(70)を搭載する車両(A)において用いられ、前記車両に設けられた発光部(23)の発光制御によって情報を提示する提示制御プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(41)を、
    前記周辺監視装置による走行環境認識に関連した認識情報を取得する情報取得部(31)、
    前記自動運転システムの要求する要求認識範囲(RA1)に対する前記周辺監視装置のセンシング可能範囲の不足を示す認識不可エリア(RA3)の存在を把握する認識状態判定部(33)と、
    前記発光部を用いた情報提示を複数の提示モードのうちで切り替えるモード切替部(34)、
    前記認識情報を用いた前記発光部の発光制御により、前記周辺監視装置能力限界を提示する発光制御部(35)、として機能させ
    前記モード切替部は、前記認識不可エリアが有る場合、前記提示モードを行動誘発モード及び状態通知モードの順に切り替え、
    前記発光制御部は、
    前記行動誘発モードにおいて、前記能力限界として前記認識不可エリアの存在を提示し、
    前記状態通知モードにおいて、前記認識不可エリアの発生によって前記自動運転システムが待機状態となっており、前記自動運転システムをオン状態に切り替えるため操作が必要なことを提示する提示制御プログラム。
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