JP6911683B2 - 移動体の覗き見防止システム - Google Patents

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Description

本発明は、移動体が有する窓の覗き見防止システムの発明である。
従来、都市部における移動体は、一般に可視光を透過する透明度の高い窓を備えている。これらの役割としては、移動体内部から外部の観察を行ったり、外部が見えることによる移動体乗客の感じる圧迫感を緩和したり、外光の取り入れによる内部明るさの確保を実施することが挙げられる。
社会生活水準の向上に伴い、移動体内部空調などの発達により密閉性が向上し、窓の機能は徐々に開閉機能を省略し、その透過性を活かした観察目的を主としつつある。そして、現代社会においては、前述のとおり生活水準の向上に伴い、個人の利益を尊重し、互いのプライバシーを確保することも重要な要素となりつつある。
そのための手段として、例えば特許文献1に記載のような遮光性を有する窓とそれを制御する技術がある。
特開2016−215743
現在、技術水準の向上に伴い移動体の輸送能力及び内部環境を改善する試みが進行する中で、移動体の寸法に関しては駅、道路など既存設備の寸法制限を受けることが多い。
特に外形寸法として高さ、幅に関して前述のような制約上、一定の寸法内に収める必要がある。これらの移動体においては、輸送能力向上の一例として2階建てとしたものが存在するが、既存設備の寸法制限を受けるため1階の乗客の位置はより低くなり、地面側へ近づくことになる。
例えば、2階建ての列車については、1階シートに座った乗客の目線は駅停車時(以下、停車場所と称する)にほぼホーム床面高さに相当する約1.1から1.2mとなる。
このことは停車場所の乗客にとって覗き見防止の観点上、予期せぬ方向からの視線を受けることになり、好ましくない場合がある。また、移動体の1階乗客の視界においても同様に、停車場所の乗客の足や靴、ホーム床部などが視界を占めることとなる。従って、移動体の乗客と、停車場所の乗降客双方にとって好ましくない状況が生じうる。
そして、乗客の乗降は移動体の2側面のうちいずれか片面で行われることが多い。移動体において、例えば列車やバス等公共の乗り物に関しては観光目的に使用されることも多い。その際、乗降の行われない側の側面については、前述のとおり覗き見防止の他、対向側の移動体に対する覗き見防止や、そうでない場合において景観の見晴らしを求めるなど、一見相反するような多種多様なニーズに応える必要が生じている。
なお同様の課題は、1階部のみならず、移動体の乗客と停車場所の乗客の互いの高さ位置を交換する形でバス等の車両や、列車の2階部でも起こりうる。
また、上述の課題は乗降側の側面における課題であり、例えば、乗降に関係のない反対側の側面において同じ制御は不要であり、むしろ窓の景色が阻害されることや、一斉に制御されることに対する乗客の不満を喚起するものである。
ここで、特許文献1に記載のような自動車の窓の状態を車内で切り替える発明では、移動体側の乗客のみが任意にその状態を選べることとなるため、停車場所の乗客にとっては一方的に好ましくない状態が生じる。そして、前記のような大型車両に関して乗客側の操作が遅滞なく適切に行われる際にも、窓の数が多い場合や、また都市部については停車場所や停留所間の距離も短いため、互いの満足を得るためには頻繁な操作が必要になるなどの実用上の問題があった。
そこで本発明は、上記の問題に鑑み、従来の窓の機能を損なわずに、移動体及び停車場所など停車位置の乗客が互いに意識することなくプライバシーを確保することが可能な覗き見防止システムを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
本発明は、
移動体に設けられた透明部位に、局所部の光透過率を制御可能な液晶調光部材が設けられており、
前記移動体が停車状態である場合に、
前記停車状態である時に前記移動体の有する複数の前記透明部位を、少なくとも2パターン以上の異なるモードで一括制御し、
前記液晶調光部材の光透過率を局所的に変化させる制御部を備える、
移動体用調光覗き見防止システムである。
前記光透過率を局所的に変化させる制御部が、前記調光部材を1次元の帯状または2次元マトリクス、または面内透過率の差によって制御する事を特徴とする、請求項1に記載の移動体用調光覗き見システムの形態としてもよい。
前記複数の部位が、前記移動体の進行方向に平行な方向を含む2側面のうちの1面であり、前記2側面がそれぞれ独立して制御される事を特徴とする、請求項1または2に記載の移動体用調光覗き見防止システムとしてもよい。
前記移動体の制御部が少なくとも位置情報を有し、前記位置情報により前記調光部材の光透過率の前記局所部を設定する、
請求項1から3のいずれかに記載された移動体用調光覗き見防止システムとすることもできる。
前記位置情報が、前記移動体の現在位置検出により得られた位置情報である、請求項4に記載の移動体用調光覗き見防止システムとすることもできる。
また、前記位置情報が、前記移動体の移動経路に沿ってあらかじめ設定された位置情報である、
請求項4に記載の移動体用調光覗き見防止システムとすることもできる。
また、前記局所部の設定が、前記位置情報における前記移動体の走行面と、前記移動体の乗降部が隣接する歩行者用道路についての高低差により行われる、請求項4から6のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システムとしてもよい。
また、前記局所部の設定が、前記部位の最小単位毎に独立して実施される、請求項4から7のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システムとすることもできる。
また、前記局所部の設定が、さらに前記移動体内部への外光入射防止機能を有する、請求項4から8のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システムとしてもよい。
また、前記移動体が、緊急停止した場合に前記調光部材を透光状態とする事を特徴とする、請求項1記載の移動体用調光覗き見防止システムとすることもできる。
本発明によれば、移動体や移動体が停車する乗降場所で、移動体あるいは乗降場所の乗客が互いを意識することなく覗き見を効果的に防止することができ、プライバシーを確保することができる。
本発明の概略図である。 本発明の透明部位調光部材の断面図である。 本発明の制御構成図である。 本発明のフローチャートである。 本発明の調光部材局所制御の例である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。これら図面では微小な要素であってもわかりやすさのために変形や大きくして表すことがあり、同じ要素が繰り返し配置されている際には符号を一部について省略することがある。
図1は本発明の概略図である。
図2のA、B、Cは本発明の窓の断面図である。
図3は本発明の制御装置構成図である。
図4は本発明のフローチャートである。
図5は、本発明の調光部材局所制御の例である。
本発明の実施形態における移動体は、透明部位の最小単位として1枚の窓に対応するものとする。移動体の1側面は本発明の透明部位として複数の窓を有する。ここで、複数の窓とは、移動体の構造の不透明部や、窓の開閉用、区分け用に仕切りで区切られたものも含む。
なお、本発明においては特段の注釈がない限り、運転を実施する者あるいは環境取得センサ用の移動体前方及び後方の窓、および、運転操作区画に関し設けられた側部窓、他運転に用いられる窓は運転上の安全性から制御対象外としている。
また、本発明の実施形態における局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体の制御パターンは、1側面において高さを同じくする範囲で1パターン以上の一括制御、異なる高さを有する際はそれぞれの高さに応じたパターンの一括制御となることが、覗き見防止の効果を発揮する観点から好ましい。異なる側面については、異なるパターンが実施されることが好ましい。
なお、各側面の制御パターンにおいては、実際には現実の環境、設備により様々な状況が考えられるため、例えば各側面で外的条件が互いに一致するために、前記のとおり異なる一括制御の結果、各側面において同様の制御となることを妨げるものではない。
これらの透明部位1として設置される局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体としては、図2に示すような調光部を外側に設けたA、または図2のBに示すような調光部を内側に設けたもの、または図2のCに示すようなカバーで調光部両面を覆う合わせガラス体のいずれかを移動体の用途、使用環境に応じて用いることができる。
図2のA、Bは層構成数が少なく、透過率や、製造コストに関して利点を有する。図2のCは、両面に保護板を有するため耐久性や、耐環境性に優れる。
本発明における、局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体とは、透明体自体の可視光線透過率を自由に調整可能とすることで、従来技術である窓に別部品として後付けされるカバー類、一例としてカーテンやブラインドなどを用いることなく、透明部位で隔てた側の任意の場所を視認不可能なものとすることが可能な透明体である。
なお、ここでいう調光可能という概念には透明から視認不可能に至る中間の透過性を含むものとする。そして、本発明における覗き見防止用途としての調光時には、一般に視認不可能になる程度の基準として、波長550nmにおける可視光線の透過率が70%未満の透過性制御を行うものとする。
また、ここでいう透明体とは、窓などに利用される、無色透明である板状のものを指すものであり、ガラスや透明樹脂も含まれる。
本発明の透明体として種々の公知の移動体に好適に用いられるガラス材や、透明樹脂を用いることができる。ガラスはいわゆる酸化シリコン系を主成分とするソーダガラスから、各種光学処理や物性処理を実施した高透過性や強化ガラスまでを自由にその目的に応じて使用することができる。
透明樹脂の材料としては、種々の公知の材料を使用することができる。ここでは、光学素子を構成する部材の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることが好ましい。
これには、例えば広くプラスチック系材料の重合体樹脂、(メタ)アクリロニトリル樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の樹脂や、紫外線吸収機能を有する材料としてアセチルセルロース系樹脂(特に通称TAC、トリアセチルセルロース基板)等を挙げることができる。
上述の透明体は接着層を介して液晶部110と積層され、必要に応じ、これらを保護する機能を有する保護板と合わせて加圧成型などの処理をされる。なお、接着層は適宜粘着層等を用いることができる
図2のAはAの構造を模式的に示す断面図である。Aは液晶を用いて調光可能に構成されたものであり、通常は透明な状態であったものが、電圧の印加により液晶分子の配向性が変わることにより光が遮られる構成を有している。
より具体的に説明すると、Aは保護板100の片面に、透明板101に挟持された電極と駆動回路102、配向層103、液晶層104によって構成される液晶部110を備えている。
この液晶部に加えられる印加電圧は、後述する制御手段11によって適宜調整・制御される。
図2のAでは、保護板100が移動体の外側になるため外部環境に対する耐久性に優れる。
図2のBはBの構造を模式的に示す断面図である。BはAと同じく液晶を用いて調光可能に構成されたものであり、通常は透明な状態であったものが、電圧の印加により液晶分子の配向性が変わることにより光が遮られる構成を有している。Aとは液晶部110が車内側にある点が異なる。
図2のBでは、保護板100が移動体の内側になるため内部環境について液晶系材料を遠ざけたい用途に優れる。
図2のCはCの構造を模式的に示す断面図である。CはA、Bと同じく液晶を用いて調光可能に構成されたものであり、通常は透明な状態であったものが、電圧の印加により液晶分子の配向性が変わることにより光が遮られる構成を有している。A、Bとは保護板100が2枚で液晶部110を挟む構成となっている点が異なる。
図2のCでは、保護板100が移動体の外側と内側両面に設置されているため、前述のとおり耐久性や耐環境性に優れる。
図2のAからCの局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体について、局所制御の例を図5に記載する。
図5のAに例を示すように、局所部は電極と駆動回路の配置により1次元の帯状に配列して構成されており、局所部の設定は帯ごとに実施される。このような構成により、調光可能な透明体を局所的に透過率変化させるものとして機能させることが可能になっている。前述のとおり、本実施形態に従う形で中間調を用いることができる。
図5のAからCに記載する図は本発明の調光部位2の調光パターンである。特に本実施例である図5のBに示すように2次元のマトリクス状や、図5のBの2次元配列をさらに細かく分割することや、制御手段11の電圧印加の面内分布等、電気的制御により図5のCのごとく中間調を含む濃淡表示とすることもできる。濃淡の表示は、前記のとおりマトリクス状の分割パターンや、前述の電気的制御により面内分布として表示することができる。なおマトリクス表示した場合には、任意のパターンを表示することも可能である。前述のとおり、本実施形態に従う形で中間調を用いることができる。
ここで透明体の縁は、移動体の進行方向および乗客の座席位置により選択できるものとする。より具体的には、乗客の座席位置が回転する場合等である。
調光可能な透明体を局所的に透過率変化させるパターンとしては、図5に示すように透明体の上側、下側、左右のいずれか、および透明体を対角線上に横切る場合が挙げられる。該複数のパターンを使い分けることにより、移動体及び停車場所の乗客双方において互いの覗き見を効果的に防止することができる。
また、必要に応じて覗き見防止の他、透明体上部側で日よけなどの透過率調整をしてもよい。
調光可能な透明体を局所的に透過率変化させるパターンに加え、透過率変化させる面積を設定することができる。移動体停車時における乗客の覗き見防止用途としては、窓の設置位置にもよるが、透明体の縁を起点として80%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは40%以下とし、下限を35%以上とすれば、覗き見防止と、本来の窓の機能の両方に効果的である。ここで透明体の縁は、移動体乗客の座席位置により選択できるものとする。一例を挙げれば、図1のとおり1階部では透明体の上縁を起点とし、2階部では下縁を起点とする。
ここまで、移動体の乗客と移動体停車場所の乗客についての覗き見防止について述べてきたが、移動体の進行方向についてはそれに平行な2側面が定義され、これまではその1側面について述べてきた。反対側の1側面について、移動体の停車時には他の移動体の通過あるいは停車といったことと、それに伴う覗き見防止の用途が考えられる。このため、反対側の1側面についても調光可能な透明体を局所的に制御することが望ましい。この移動体同士の覗き見防止用途については、窓の設置位置にもよるが、透明体の縁を起点として90%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下の面積とし、下限を35%以上とすれば、覗き見防止と、本来の窓の機能の両方に効果的である。一例を挙げれば、図1のとおり1階部では透明体の上縁を起点とし、2階部では下縁を起点とする。
また、移動体同士がすれ違う場合において、調光可能な透明体をマトリクス状として局所的に透過率変化させるパターンの時には、移動体の進行方向側の透明体の縁を起点として60%以下、好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下の面積とし、下限を10%以上とすれば、覗き見防止と、本来の窓の機能の両方に効果的である。
および、透明体を対角線上に横切る場合には、移動体の進行方向側の透明体の縁を含む対角線上に50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下の面積とし、下限を15%以上とすれば、覗き見防止と、本来の窓の機能の両方に効果的である。
該複数のパターンを使い分けることにより、移動体及び停車場所の乗客双方において覗き見を効果的に防止することができる。
また、停車場所などでの停車時に移動体同士が停車する場合に、互いの停車時間が短くすぐに移動するなどの事態を想定する場合には、移動体の進行方向側の透明体の縁を起点として制御することで対応できる。ここでは60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上の面積とすれば、互いの移動体の窓の位置がずれて停車した場合にも該制御部が互いに重なり合い、互いに覗き見防止の効果が得られる。
上記のとおり述べた結果を後述の表1.に一覧として記載する。本結果は、設計にシミュレーションを使用し、実際の高さ関係を模した環境を疑似的に構築して50名のサンプル結果を基にした官能評価結果である。
なお、本発明の比較例を合わせて記載する。
〔本発明の実施に関するシステム構成〕
図1 に示す本実施形態の移動体1においては、動力源(図示略、一般的な例として、列車であればモータあるいはエンジン、もしくはこれらを組み合わせたハイブリッド型であり、自動車の場合も同様である。)の駆動が発電を行うダイナモ、あるいは内部または外部供給される電力が直接継電器(図示略)に伝わり、該機器による電力は、通常のバッテリと、本実施形態の調光制御装置のための専用バッテリと(いずれも図示略)に蓄積される。
ここで、通常のバッテリは、エンジンや各種装備品を作動させるための電源であり、専用バッテリは本実施形態に係る透明部位2を動作させるための専用の電源である。このように、他の装備品等を作動させるための電源と、透明部位2を作動させるための電源とを分離することにより、エンジン非作動時に透明部位2が電力を消費していても、エンジンや各種装備品動作のためのバッテリが上がってしまうのを防止できるようになっている。
また、専用バッテリは制御部10に接続されており、制御部10 は専用バッテリからの電力供給を受けて動作する。
本態様では、前述[0031]段落に記載のとおり、電圧非印加時に調光体は透明であるから、専用バッテリの消耗時には調光体は従来技術の窓としての機能を果たす。これは、移動体の故障時に電力を失った際に調光体は透明状態を保つものであり、移動体の総合的安全性に寄与する効果を有する。
なお、本態様の他、必要に応じ、ヒューズや電力ブレーカ等の安全装置を介して通常のバッテリや直接電力供給を受けることを妨げない。
そして、本実施形態の調光エリア制御手段11 は、図1に示すように、それぞれの透明部位2に接続され、各透明部位2において局所的透過率変化を調整制御するものであり、制御部10を構成するほか、GPS位置検出手段15、時間検出手段16、速度検出手段17、モード変更スイッチ18、停車場所検出手段14、記憶手段19、回路20、その他移動体のハードウエアであるブレーキ21や扉開閉の検出機構22を備えて構成されている。
記憶手段19に含まれるROM(Read Only Memory)は、調光制御装置11としての機能を実現すべくCPU(図示略)が実行すべき各種プログラム(調光制御プログラム/表示制御プログラム)や、これらのプログラムを実行するために必要になる初期データ(デフォルト値等)や、後述する位置検出手段15および速度検出手段17による判定でそれぞれ必要となる位置判定条件および速度判定条件や、その判定に必要となる位置情報(後述する特定位置の経度・緯度情報)、および停止状態の判定として速度情報(後述する速度ゼロの情報)や、調光可能な透明部位2の所定パターンなどを記憶するものである。
なお、本実施形態において、位置判定条件は、移動体の所在位置が、停車場所として予め指定された位置(より具体的には、駅、または停留所、所定の停車位置、など)に該当していることであり、速度判定条件は、移動体の移動速度がゼロであることである。
また、同じく記憶手段19に含まれるRAM(Random Access Memory)は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行する際に使用するデータ(フラグや変数の値など)を一時的に記憶するほか、調光可能な透明部位2のパターン制御を行なう際にデータを一時的に記憶するものである。
なおCPU(Central Processing Unit)は、記憶手段のうちROMに記憶されている調光制御プログラム/表示制御プログラムを読み出して実行することにより、後述する位置検出手段15、速度検出手段17を通じて調光エリア制御手段の機能を演算するものである。
モード変更スイッチ18は、本実施形態では運転席あるいは運行に従事するもの(車掌または添乗者、運転補助者、整備従事者)のみが操作できる所に設置されるものであり、調光可能な透明体2の制御ON/OFFの指示や側面一括制御の設定を、制御部に対して行なうものである。
なお、非常時には移動体乗客や周囲の安全のためモード変更スイッチの状態に関わらず調光可能な透明体を透光状態とするものである。もしくは、移動体に備えられる非常停止装置(図示略)に連動していてもよい。
GPS位置検出手段15は、GPS装置によって検出された移動体の所在位置(現在位置として、緯度・経度情報)が、ROMに記憶されている位置判定条件を満たしているか否か判定するものである。この位置検出手段15による判定は、GPS装置によって検出された所在位置の緯度・経度情報が、ROMに予め登録されている特定位置の経度・緯度情報を判定することによって行われる。また、ROMに登録されている移動経路、地形、乗降に関する高低差情報を判定し、局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体を制御するものである。
速度検出手段17は、速度検出センサによって検出された移動体の移動速度が、本発明の停止状態としてROMに記憶されている速度判定条件を満たしているか否か、ブレーキ等が作動し速度が実質的に出ていないことであるか否か、を判定するものである。
本発明では、停止状態を後述する複数の要素によって総合的に判断するものとする。この判断は、通常時において安全上充分に有効であり、かつ実際の移動体の構造において、乗客の乗降などにより発生が避けられない3次元的微細な振動などに関し、過度の判定をしないためである。
なお、本発明においては速度判定条件において速度変化を所定制御周期毎に記憶することにより、停止付近の状態を判定することが可能である。また、速度変化検出においては加速度を検出(センサの図示略)あるいは速度微分により算出して用いることも可能である。この判定により、移動体の発進、停止を精度よく検知することが可能であり、一例として、制御系11が自律的に判断することを可能とする。
調光エリア制御手段11は、位置検出手段15および速度検出手段17による判定結果とモード変更スイッチ18によって行なわれる切換指示とに従って、制御対象となる透明部位2の局所部の透過率調整を実施するものである。
なお、位置情報や外部環境センサ等を用いて、局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体に外光入射防止の機能を付加することができる。覗き見防止に加え、移動体内部が過度に暗くならないようにしたり、温度調整をすることによって移動体内部の環境を快適にすることが可能となる。この外光入射防止は、主として局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体の上縁を起点として制御するものである。図5に一例を示す。
このように調光可能な透明体を不透明状態へ切り換えた後も、所定制御周期毎に、GPS位置検出手段15および速度検出手段17による検出、および、その検出結果に基づく位置判定手段12および速度判定手段13による判定が実行されており、位置判定手段12によって移動体の所在位置が特定位置に属していないと判定された場合、もしくは、速度判定手段13によって移動体の速度が出ていないと判定された場合には、直ちに、調光エリア制御手段11が、調光可能な透明体の透過率を不透明状態から透明状態へ切り換える。
このように、本発明では調光可能な透明体を不透明状態へ切り換え、また不透明状態から透明状態へ切り換えることが可能である。さらに、調光可能な透明体の個々について、対応する座席が無人または指定席などで空席状態である場合に当該制御を行わないこと、また座席が無人である場合に[0033]段落に記載されたマトリクス状表示と、必要に応じ位置検出手段15と[0045]段落の速度変化検出手段を用いて、移動体の自由席などにおいて停車直前に調光可能な透明体上について、移動体外に当該座席の空席表示を行うことも可能である。
また、本発明では液晶を用いて透過率の制御を行なうため、不可視状態とした場合であってもヘイズの上昇が少なくでき、透明状態時にヘイズの上昇が無い状態で光を透過させることが可能である。具体的には、透明状態即ち液晶を透過状態とした場合でヘイズ値が5%以下である調光可能な透明体を形成することが可能である。
本実施形態の調光制御装置の動作
次に、上述のごとく構成された本実施形態の調光制御装置11の調光制御動作について、図4を参照しながら説明する。なお、図4は本実施形態の調光制御装置11の調光制御動作、即ち透明部位2に対する調光制御動作 を説明するためのフローチャートである。
調光制御装置11(CPUを含む 演算手段)は、前述した通り、調光可能な透明体2の調光制御を図4に示すフローチャートに従って行なう。
図4に示すように、調光可能な透明体2が透明な状態に設定されている際(ステップS11のYESルート)に、停車位置の判定(ステップS12のYESルート)からブレーキ21(ステップS13のYESルート)により、移動体1の停止位置と停止状態、即ち移動体の速度がゼロであるか否か(停車しているか否か)を判定する(ステップS14)。
そして、移動体1が停車していると判定された場合(ステップS 15のYESルート)、調光エリア制御手段11 により、調光可能な透明体2が局所制御され、透明状態から不透明状態へ切り換えられる一方(ステップS16)、移動体1が停車位置又は停車状態でないと判定された場合(ステップS12のNOルート)、あるいはブレーキ(ステップS13のNOルート)は、調光エリア制御手段11による不透明状態への切換調整を実行せず、切換を行なえない旨を運転者(もしくは[0042]段落のスイッチ操作者) に対しエラーとして通知する(ステップS18)。なお、エラー通知は、操作盤(図示略)エラー表示や、直感的注意喚起のためのエラー音、音声等によって行なう。この際、上述のステップのいずれがエラーとなったかについて、合わせて通知することが安全上好ましい。
調光可能な透明体2が既に不透明な状態である時(ステップS11のN O ルート)では、制御部の所定制御周期毎に、GPS位置検出手段15、ブレーキの検出結果に基づく判定(ステップS17)が実行され、位置検出手段15によって移動体1の現在位置が適切でないと判定された場合、または、速度判定手段13によって移動体1が動き出したと判定された場合には(ステップS19のYESルート) 、調光エリア制御手段11により、調光可能な透明体2が不透明状態から透明状態へ切り換えられる(ステップS20)。
ここで、切換えとならない場合(ステップS19のNOルート)は、不透明状態が継続しているから制御状態を維持したまま(1)へ戻る。なお、個別判定手段で装置故障などのエラーが発生した場合は個別にエラー表示となる。
このように本発明では調光可能な透明体に対して適切な位置で確実な動作を実施し、動作の安全性を確保しながら、移動体と停車場所あるいは停留所における乗客の互いのプライバシーと、移動体の総合的安全性を確実に保護実施できる。ここで、本実施形態については、駅または停留所などの特定の場所以外では、停止していても調光可能な透明体2を透明状態とするようにしているので、不必要に窓が不透明となることがない。
本発明の実施形態においては、自動車等に一般的に装備されるようになっているカーナビゲーションシステムのGPS機能を用いて制御部11に接続することで、特別な位置検出手段を新たにそなえることなく、極めて容易に移動体1の現在位置を検出することができる。また、簡易な実施形態として携帯電話などのGPS機能とソフトウェア上で連動してもよい。
これまで述べてきた本実施形態においては図1、図3で1側面あたり2から4枚の調光可能な透明体2が使用されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の調光エリア制御手段11を搭載する移動体に使用される調光可能な透明体1の枚数分のものが少なくとも座席に対応する場所分について使用される。
また、調光される透明体1は全体が1つの調光機能を有するパネルから成るものでなくてもよく、また複数の調光機能を有する透明体の一部分を成すパネルを組み合わせて1つの大型パネルとしてもよい。このように構成することにより、40インチ以上の大型、あるいは曲面構成を含む立体的形状を持つパネルが、技術的または経済的な理由などにより入手が困難な場合であっても得られることになる。
また、上述した位置判定手段12 、速度判定手段13、および調光エリア制御手段11としての機能(各手段の全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU、情報処理装置等)が、所定のアプリケーションプログラム(制御プログラム)を実行することによって実現される。
コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウエアを動作させるような一体型の場合には、そのハードウエア自体がコンピュータに相当する。なおハードウエアは少なくともCPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたプログラムを読み取るための手段とを備えている。上記の調光制御プログラムとしてのアプリケーションプログラムはプログラムコードを含んでいる。なお、その機能については、アプリケーションプログラムではなく、OS自体によって実現されてもよい。
本実施形態における記録媒体としては、一般的なハードディスクとして磁気ディスク、CD−ROMやDVD−ROM等の光ディスク、ICカード、また、前述のようにコンピュータ内部の記憶装置(RAMやROM)等、コンピュータにより読取可能な種々の媒体を利用することができる。
なお、本発明の実施形態において運転者が存在しない自動運転がなされる場合は、本発明の課題に係る、移動体と停車場所の乗客の双方に益するものとして、運転者目視用の窓を制御範囲に含むことを安全上の理由に反しない範囲で実施してもよい。
なお、目視用窓の制御範囲は本発明の[0035]から[0038]に準じるものとするが、これらに特段の制限を受けるものではない。
〔局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体の実施例に関する説明〕
本発明の実施例では図2のCを用いている。図2のCは本発明に係る例のうち、合わせガラスの態様を示す断面図である。この合わせガラスCは、本発明の移動体の窓部に使用されるものであり、液晶部110の外表面を形成する透明板101を、接着層(図示略)を介し保護板100(本実施例では板状の2枚の強化ガラスである)により液晶部100を挟持して構成されるものである。ここで2枚の強化ガラスは、[0029]に述べたとおりのガラス材料を適用することができる。また接着層は、液晶部110の透明板101と保護板100との接着層をなす構成であり、この種の合わせガラスに適用される種々の構成を広く適用することができる。
前に述べたとおり、ガラスへの付加機能として例えば紫外線や赤外線遮蔽層としての機能を備えるようにしてもよい。
本発明で用いられる合わせガラスは、2枚の強化ガラス100接着層を介して液晶部110と積層した後、全体を適温で加熱しさらに加圧することにより、局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体2としてこれらの部材を接着層の硬化などで一体化すると共に、全体を移動体外形に合わせた曲面形状に整形して作製される。
本発明の局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体2の製造工程は、それぞれ接着層を設けた2枚の強化ガラスを液晶部110と積層する積層工程、積層工程による積層体を加熱、加圧する工程を備える。
他の実施例において、そのまま平板形状として用いることも可能である。
この液晶部110は、液晶を利用して透過光を制御する調光材であり、液晶配向層が形成された2枚の透明板101により液晶層104を挟持して液晶駆動セルとなる液晶部110が形成される。この液晶部110を直線偏光板(図示略)により挟持して作成される。ここで本実施形態において、液晶の材料には、応答性に優れるVA(Virtical Alignment)方式を筆頭に、IPS(In−Place−Switching)方式、また、TN(Twisted Nematic)やねじり角度を加え光遮蔽性を改善したSTN方式等に用いられる、種々の液晶材料を適用することができる。
液晶部110には、液晶材料による液晶層104の厚みを一定に保持するためのスペーサ(図示略)が配向層103に設けられる。図示しない2枚の直線偏光板は、それぞれ液晶部110へ偏光の方向に合わせ位相差フィルムとして設けられる。
なお、位相差フィルム18、19は、必要に応じて省略することができる。
上述のように構成された本発明の調光可能な透明部位2は、VA方式に対応する2枚の電極部102の印加電圧の調整により、光透過性を制御し、中間調を含め、透明状態と非透明状態とを切り替えるように構成される。
本発明の実施形態では、いわゆる電圧印加されていない時に透過状態となる、ノーマリーホワイト方式で液晶層104を駆動する。
また別の態様としてIPS方式等の液晶材料を使用する場合、電極102は、2枚いずれかの配向層側に1枚の構成で作製されることは言うまでも無い。
なお、上記構成に代えて、安全性に問題のない範囲で、電圧印加されていない時に非透過状態となるノーマリーブラック方式により駆動することも可能である。
なお調光可能な透明部位2の構成では、本発明に用いるにあたって赤外線遮蔽層を保護板100の裏面側に設けている。
なお、他の実施例として保護板100の最外面もしく反対側の面にハードコート層として物理的保護層や応力緩和層、飛散防止層を設けることや、前述の紫外線や赤外線遮蔽用の透過率調整層を透明板101の最外層より外側に設けてもよい。
本発明における実施例として2枚の透明板101は、前述のとおり液晶セルに適用可能な可撓性を有する各種の透明フィルム材を適用することができ、この実施形態では、ポリカーボネートフィルム材が使用される。
電極層は、液晶層104の全面にほぼ均一な電圧印加を可能とし、透明と知覚される種々の構成を適用することができるが、本実施形態では、透明電極材として公知であるITOによる透明導電膜を全面に形成して作製されるものである。
なお他の実施例として、前述のとおり電極は所望の形状によりパターニングされて作製されてもよい。
2枚の配向層103は、上述の2枚の透明板101のポリカーボネート基板用に適用可能な各種配向層材料層が適用され、この材料層の表面にラビングロールを使用したラビング処理により微細なライン状凹凸形状を作製して形成される。
なお、他の実施例として、ラビング処理による配向層に代えて、光配向機能を有する層により作製してもよい。
液晶層104内に設けられるスペーサは、各種の樹脂材料を広く適用することができ、本実施形態では、球状のスペーサを用いている。
ここで、他の実施例として、フォトレジストによる透明樹脂が2枚の透明板101間に作製されてもよい。例えば、円柱形状の硬化フォトレジストを適用して、複数の点接触により液晶層104を挟持する2枚の透明板101の間隔(液晶層の隙間に相当)を均一に保持するものである。
液晶層104は、液晶層を囲む枠形状にシール剤塗布部が配置され、このシール剤25により液晶材料14の枠外への漏出が防止され、2枚の透明板101が一体に保持される。ここで本実施形態では、シール剤はエポキシ樹脂剤による熱硬化型樹脂が適用される。
なお、他の実施例においてシール材は熱硬化性樹脂に限らず紫外線硬化樹脂などの種々の公知材料を適用することができる。
液晶部110の製造工程を以下に記載する。液晶層104は、まず電極作製工程において、透明板101に相当する2枚のフィルム材にITOによる透明電極、駆動回路層102が作製される。
続くスペーサ配置工程において、スペーサを透明板上へ散布することにより、スペーサが配置される。
なおフィルムの一方のみにスペーサ部を作製する場合、スペーサ部を作製しない側のフィルム材については、スペーサ作製工程が省略されることは言うまでもない。
また、他の実施例において、レジストにより柱状形状をパターニングにより形成してもよい。
続いて液晶層104は、配向層作製工程において、2枚の透明板101上にそれぞれ配向層に係る塗工液が塗工されることにより、配向層が形成される。
続いて配向層のラビング工程において、ラビングロールを使用したラビング処理により、配向層材料層の表面に微細凹凸形状が作製されて配向層103が作製される。
続いて液晶層104は、封止工程において、2枚の透明板101のいずれか一方に、液晶層104の外縁部を囲む枠形状部にシール剤が形成されて設けられると共に、このシール剤により囲まれた部位に液晶層104を構成する液晶材料が充填される。液晶部104は、2枚の透明板101により、内部気泡を生じさせないようにしながら液晶材料を挟持し、さらに2枚の透明板101の互いの平行状態を等距離に保ったまま加圧、加熱してシール剤を硬化させる。これにより内部に液晶材料を封止した液晶層104が作製されるものである。
本実施例において、液晶部110の製造プロセスは、2枚の透明板101がそれぞれロールに巻き取った長尺のフィルム形態により提供され、前記工程が、ロールからフィルムをそれぞれ引き出して搬送しながら順次実行されるものである。
なお他の実施例において、液晶部110の製造プロセスは必要に応じて途中の工程から液晶部110の1枚ごとにカッティングされた枚葉処理により各工程が実行されてもよい。
ここでは、本発明の液晶層について述べる。
本発明実施例の液晶部110は、前述のとおり電極、駆動回路102と配向層103を含む2枚の透明板101に液晶層104を挟持して作製している。
本発明の液晶層104を構成する液晶について、波長450nmにおける複屈折率をΔn450、波長550nmにおける複屈折率をΔn550、波長650nmにおける複屈折率をΔn650としたとき、
Δn450<Δn550<Δn650
の関係とする逆分散性を有する液晶材料とすることができる。
従来技術として、正分散性の逆の特性を有する逆分散性(一般に、可視光領域において短波長から長波長側にかけて位相差が大きくなる波長分散性)を有する材料としては、フルオレンを用いたポリカーボネート共重合樹脂が知られているが、これは単なるフィルム体であるから本発明には不適である。
これに対して、本発明では逆分散性の液晶材料を使用することで、液晶層104を上述の技術に比べ薄く構成しつつ、透光時の光について波長依存性が改善され色味変化が少ない局所部の光透過率を制御可能とする調光可能な透明体2を得ることができる。
これにより偏光解消素子10では特に可視光域波長に依存する透過率の差を抑えることができ、色の変化を抑制しつつ光を透過することが可能となる。すなわち、透過波長依存性のある透明体やサングラス等を用いた場合でも、色味変化を抑えることができる。
なお、本発明に使用する液晶材料として特に制限はないが、本発明に要求される機能により配向方向を種々選択できる重合性棒状液晶材料を使用することができる。
他の実施例において、例えばより簡単に覗き見防止機能を発現する、光透過率制御ができればよい場合には上述の逆分散液晶に代えて正分散液晶材料を使用してもよい。
上記のとおり、結果を表1.に一覧として記載する。
ここで、透過率調整面積は、境界部で透過率制御をON/OFFとした場合である。サンプル数は、シミュレーション環境で50名とし、官能評価結果とその理由については、主観判断聞き取り調査の総合結果である。


本発明の実施例における評価
Figure 0006911683
本発明の比較例を表1に実施例と併せて記載する。比較例において、異なる高さに関する1側面を一律に同じくする制御および、異なる環境下における異なる2側面を乗降側に同じくして制御した場合においては、表に記載したパターン以外も含め、不評(評価×)であった。これは本発明の課題のとおり、覗き見の恐れがないにも関わらず一律に制御されることに対して、特に移動体1の乗客から不評(評価×)出たものである。
なお、他の比較例として表の記載は略としたが、移動体同士のすれ違いや停車の場合も、異なる状況ごとに制御状態が相反することもあり、乗降側もしくは逆側に準じて異なる2側面に一律に制御を実施した制御については透過率調整面積の変化に関わらず、不評(評価×)であった。内容としては、前記のとおり一律に制御されることが挙げられていた。
1 移動体
2 調光可能な透明体
10 制御部10
11 調光エリア制御手段
12 位置、高低差判定手段
13 速度判定手段
14 停車場所判定手段
15 GPS位置検出手段
16 時間検出手段
17 速度検出手段
18 モ−ド変更スイッチ
19 記憶手段
20 回路
21 ブレーキ
22 扉開閉
100 保護板
101 透明板
102 電極、駆動回路
103 配向層
104 液晶層
110 液晶部

Claims (10)

  1. 本発明は、
    移動体に設けられた透明部位に、局所部の光透過率を制御可能な液晶調光部材が設けられており、
    前記移動体が停車状態である場合に、
    前記停車状態である時に前記移動体の有する複数の前記透明部位を、少なくとも2パターンの異なるモードで一括制御し、
    前記液晶調光部材の光透過率を局所的に変化させる制御部を備える、
    移動体用調光覗き見防止システム。
  2. 前記光透過率を局所的に変化させる制御部が、前記液晶調光部材を1次元の帯状または2次元マトリクス、または面内透過率の差によって制御する事を特徴とする、請求項1に記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  3. 前記複数の部位が、前記移動体の進行方向に平行な方向を含む2側面のうちの1面であり、前記2側面がそれぞれ独立して制御される事を特徴とする、請求項1または2に記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  4. 前記移動体の制御部が少なくとも位置情報を有し、前記位置情報により前記液晶調光部材の光透過率の前記局所部を設定する、
    請求項1から3のいずれかに記載された移動体用調光覗き見防止システム。
  5. 前記位置情報が、前記移動体の現在位置検出により得られた位置情報である、請求項4に記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  6. また、前記位置情報が、前記移動体の移動経路に沿ってあらかじめ設定された位置情報である、
    請求項4に記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  7. また、前記局所部の設定が、前記位置情報における前記移動体の走行面と、前記移動体の乗降部が隣接する歩行者用道路についての高低差により行われる、請求項4から6のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  8. また、前記局所部の設定が、前記透明部位の最小単位毎に独立して実施される、請求項4から7のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  9. また、前記局所部の設定が、さらに前記移動体の内部への外光入射防止機能を有する、請求項4から8のいずれかに記載の移動体用調光覗き見防止システム。
  10. また、前記移動体が、緊急停止した場合に前記液晶調光部材を透光状態とする事を特徴とする、請求項1記載の移動体用調光覗き見防止システム。

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