以下、実施の形態に係る生体電位測定装置等について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[生体電位測定システムの概要]
図1は、実施の形態に係る脳波計の利用シーンを示す図である。
図1に示す生体電位測定システム100は、脳波計1と、情報処理装置2と、表示部3とを備える。脳波計1、情報処理装置2、及び、表示部3は、それぞれ有線又は無線で通信可能に接続されており、互いに情報を出力(送信)及び/又は取得(受信)する。
脳波計1は、実施の形態に係る生体電位測定装置1b(図5参照)を有する装置であって、ユーザ10の生体電位の一例である脳波を測定するための装置である。本実施の形態では、脳波計1は、ユーザ10の脳波を測定するヘッドセット型の脳波計である。脳波計1は、ユーザ10が頭部に装着するための装着部150と、ユーザ10の生体電位を測定するための複数の電極(生体電位測定用電極)51(例えば、図2A参照)とを備える。
複数の電極51は、生体電位を測定する場合に、ユーザ10に接触される。複数の電極51は、生体電位を測定する測定電極48(図6参照)と、測定電極48で測定した電位との差を計算するために用いられる参照電極49(図6参照)とを含む。また、脳波計1は、ユーザ10が生体電位測定システム100を操作するための操作情報を入力する操作入力装置1a(図5参照)を備え、所望の処理を実現するための操作が入力される。
情報処理装置2は、脳波計1からの操作入力データを取得し、所定の処理を実施する。例えば、情報処理装置2は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer/PC)である。所定の処理とは、例えば、脳波計1から取得したデータを表示部3に表示させる処理である。
表示部3は、情報処理装置2で行われた処理結果を表示する表示装置である。表示部3は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。表示部3は、例えば、情報処理装置2から取得した画像情報を表示する。なお、表示部3は、情報処理装置2から取得した音響情報を出力するスピーカを備えてもよい。
[脳波計の構成]
図2Aは、実施の形態に係る脳波計の一例を示す概略図である。図2Bは、実施の形態に係る脳波計の別の一例を示す概略図である。
例えば、ユーザ10は頭部に脳波計1を装着する。脳波計1の概観の例は、図2Aではヘッドフォン(ヘッドセット)型であり、図2Bではバンド型である。
図2Aに示す脳波計1は、ユーザ10の頭部に沿うようにアーチ状のヘッドフォン型をしている。図2Aに示すヘッドフォン型の脳波計1は、複数の電極51と、外側面44と、装着面45と、装着部150と、操作面43とを備えている。装着部150は、図2Aに示す脳波計1においては、アーチ状のアーム151と、アーム151の両端部に取り付けられた耳当て46とを有する。外側面44は、ユーザ10が脳波計1を装着したときにユーザ10の頭部と反対側に配置される面である。装着面45は、ユーザ10が脳波計1を装着したときにユーザ10の頭部側に配置される面である。操作面43には、操作ボタン41と、表示装置47とが配置されている。
複数の電極51は、脳波計1の装着面45と、耳当て46の端であって、脳波計1の装着面45と同一側の面とに設けられている。
ユーザ10は、脳波計1を装着する前に、操作面43に配置されている操作ボタン41を操作して脳波計1を起動し、脳波計1をユーザ10の頭部に装着する。脳波計1は、例えば、図2Aの紙面に向かって左の耳当て46がユーザ10の右耳に位置し、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46がユーザ10の左耳に位置するようにユーザ10の頭部に装着される。また、耳当て46は、ユーザ10の左右の耳を覆うように当てられる。
装着面45に設けられている電極51は、ユーザ10の皮膚(頭皮)に当てられる。耳当て46の端に設けられている電極51は、ユーザ10の耳の後ろに当てられる。例えば、図2Aの紙面に向かって左の耳当て46の端に設けられている電極51はアース電極73c(図6参照)、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46の端に設けられている電極51は参照電極49、その他の電極51は測定電極48としてもよい。アース電極73cは、ユーザ10において脳波計1が動作する基準電位(ボディアース、又はアースとも呼ばれる)を印加するための電極である。
なお、アース電極73c及び参照電極49の配置位置は、これに限らず、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46の端に設けられている電極51をアース電極73c、図2Aの紙面に向かって左の耳当て46の端に設けられている電極51を参照電極49としてもよい。
表示装置47は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイであり、ユーザ10の操作ボタン41の操作の状態等を表示する。
図2Bに示す脳波計1001は、ユーザ10の頭部の周囲に巻くことにより装着されるバンド型の形状をしている。図2Bに示すバンド型の脳波計1001は、複数の電極51と、外側面44と、装着面45と、装着部150と、操作面43とを備えている。装着部150は、図2Bに示す脳波計1001においては、耳当てを有さないバンド状である。電極51、操作面43に配置される操作ボタン41、及び、表示装置47の構成は、ヘッドフォン型の脳波計1と同様である。ユーザ10は脳波計1001を装着する前に、操作面43に配置されている操作ボタン41を操作して脳波計1を起動し、バンド型の脳波計1001の外側面44の半分(操作面43の側)がユーザ10の額に来るように装着する。
なお、複数の電極51のうち、アース電極73cに相当する電極51及び参照電極49に相当する電極51は、装着面45からリード線(図示せず)を延長してユーザ10の耳の後ろに当てる構成であってもよい。
[電極形状]
図3A〜図3Eは、ユーザ10の皮膚と接触する電極51の接触面の形状の例を示す図である。
電極(生体電極)51の材料は、導電性の物質によって構成される。電極51の材料は、生体と接触した場合の分極が少なく、且つ、分極電圧が安定している銀−塩化銀(Ag/AgCl)、又は、銀であるとよい。
電極51の接触面の形状は、医療用で使われる電極と同様の、図3Aに示す円形(例えば、直径10mm)でもよい。また、電極51の接触面の形状は、生体との接触面が円形の電極51以外にも、用途によってさまざまな形状としてもよい。例えば、図3Bに示すような三角形、図3Cに示すような四角形、又は、正方形であってもよい。
また、電極51としては、図3Dの(a)及び(b)に示すように、複数の円柱(図3Dでは5本)で構成された電極でもよい。このような構成によれば、ユーザ10の皮膚に電極51を接触させるため、ユーザ10の髪の毛を掻き分けることができる。
なお、各円柱における皮膚との接触面は、図3Dの(a)に示すように円形であってもよいし、楕円等の他の形状であってもよい。また、円柱に限らず、角柱であってもよい。円柱又は角柱の数は、図3Dの(a)及び(b)に示すように5本であってもよいし、任意の本数であってもよく、特に限定されない。
また、図3Dの個々の円柱の先端は、皮膚との接触面側に角が取れたものである形状でもよい。これにより、皮膚との接触面積を増加することができる。
また、図3Eの(a)に示すように、電極51の形状は、ユーザ10の皮膚との接触面が同心円状であってもよい。このような形状の電極51は、例えば図2Aに示すヘッドフォン型の脳波計1の耳当て46に設けられる電極、又は、図2Bに示すバンド型の脳波計1001に設けられる電極に用いられ、ユーザ10の額、耳の後ろ等、髪の毛の無い箇所に接触される。こうすることで、図3Eの(a)及び(b)に示す形状の電極51は、図3Dの(a)及び(b)に示す形状の電極51に比べて皮膚への圧力が緩和される。そのため、当該形状を有する電極51が設けられる脳波計1及び1001によれば、ユーザ10が受ける負担を緩和させることができる。
[生体電位測定システムの構成]
次に、生体電位測定システム100の構成について説明する。図4は、実施の形態に係る生体電位測定装置1bを含むシステムの全体構成を示すブロック図である。
生体電位測定システム100は、脳波計1と、情報処理装置2と、表示部3とを備えている。脳波計1は、操作入力装置1aと、生体電位測定装置1bとを備えている。
脳波計1は、操作入力装置1aでユーザ10に操作入力された情報を取得し、生体電位測定装置1bでユーザ10の生体電位を測定する。脳波計1で測定された生体電位は、情報処理装置2に出力(送信)される。
情報処理装置2は、操作入力装置1a及び/又は生体電位測定装置1bからの入力を受けて、所定の処理を実施し、表示部3に処理結果を出力する。
図5は、脳波計1及び情報処理装置2の詳細な構成を示すブロック図である。ここでは、脳波計1と情報処理装置2とが無線で接続される場合を例として説明する。
脳波計1が有する操作入力装置1aは、操作入力部11と、操作信号出力部12とを備えている。
操作入力部11は、操作ボタン41(図2A及び図2B参照)で入力された操作入力情報を取得し、操作の内容を判定する処理部である。操作信号出力部12は、操作入力部11で取得された操作入力情報を情報処理装置2に出力するための通信インターフェースである。操作入力部11で取得された操作入力情報は、操作信号出力部12から情報処理装置2に向けて出力される。
脳波計1が有する生体電位測定装置1bは、電極部13と、生体電位増幅部14と、生体電位出力部15と、電源部220と、1又は複数の静電容量201と、静電容量制御部210aとを備えている。
電極部13は、複数の電極51で構成されている。複数の電極51は、上述したように、測定電極48と参照電極49とアース電極73cとで構成されている。複数の電極51は、例えば、脳波計1におけるユーザ10の皮膚に接触する位置に配置されている。
生体電位増幅部14は、複数の電極51の間の電位差に相当する生体電位を増幅するアンプである。具体的には、生体電位増幅部14は、測定電極48と参照電極49との間の電位差を測定し、測定した電位差を増幅する。増幅された電位差は、例えば、生体電位増幅部14に設けられているA/Dコンバータ(Analog−to−Digital Converter)75(図6参照)によりデジタル信号に変換される。
なお、生体電位増幅部14は、所定以上の電位の大きさの生体電位を測定できる場合には、生体電位を増幅する必要は無く、複数の電極51の電位を測定するだけでもよい。
生体電位出力部15は、生体電位増幅部14で増幅された電位差を情報処理装置2に出力するための通信インターフェースである。生体電位増幅部14においてデジタル値に変換された生体電位の電位差は、生体電位出力部15より情報処理装置2に出力される。
電源部220は、生体電位増幅部14、生体電位出力部15、静電容量201等の脳波計1の各構成要素に電力を供給する電源回路である。
静電容量201は、バッテリ81と接続され、電源部220に供給する電力を一時的に蓄えるキャパシタである。静電容量201は、少なくとも測定電極48の周囲を覆うように配置される。こうすることで、静電容量201は、測定電極48が受け得る外来ノイズを防ぐように機能する。静電容量201としては、例えば、装着部150のフレキシブル化、軽量化等の観点から、電気二重層容量(スーパーキャパシタ、又はウルトラキャパシタ)が採用されるとよい。なお、静電容量201は、静電容量と電池との両方の特長を合わせ持つリチウムイオンキャパシタであってもよい。脳波計1におけるユーザ10が装着する装着部150のフレキシブル化、及び軽量化により、ユーザ10が脳波計1を装着した際に、ユーザ10のこめかみ部の圧迫を低減し、ユーザ10の痛みを緩和し、且つ脈波の混入を防ぐ効果が期待される。
また、電源部220の接地電位は、静電容量201の接地電位と電気的に接続されている。つまり、電源部220と静電容量201との接地電位は等しくなるように設定される。
静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の容量値(静電容量値)の合計を変更する処理部である。例えば、静電容量制御部210aは、生体電位出力部15の動作モードに応じて、複数の静電容量201の容量値(静電容量値)の合計を変更する。当該動作モードとしては、例えば、生体電位出力部15が出力する生体電位のデータの単位時間当たりのデータ量(通信量)が異なる通常モードと高速モードとが設定される。具体的には、静電容量制御部210aは、測定電極48で生体電位を検出し、検出した当該生体電位を生体電位出力部15に出力させる通常モードと、測定電極48で生体電位を検出し、検出した当該生体電位を、単位時間あたりに出力する当該生体電位のデータ量を通常モードよりも多く生体電位出力部15に出力させる高速モードとを切り替えるモード制御をする。この場合、静電容量制御部210aは、高速モードの方が通常モードよりも複数の静電容量201の容量値の合計を高くする制御をする。
また、例えば、静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の静電容量値の合計を、電源部220の電源オン時と、電源部220の電源オフ時とに変更する。
また、例えば、静電容量制御部210aは、生体電位出力部15がユーザ10の生体電位を出力する場合に、複数の静電容量201の容量値の合計を変更する。
なお、静電容量制御部210aが実行する静電容量201の容量値の制御の詳細な具体例は、後述する。
情報処理装置2は、操作信号取得部21と、生体電位取得部22と、生体電位処理部23と、アプリケーション処理部(アプリ処理部)26と、表示情報出力部27と、音響情報出力部28とを備えている。
情報処理装置2は、脳波計1から出力される操作入力情報を操作信号取得部21において取得(受信)し、生体電位を生体電位取得部22において取得することで、脳波計1からの情報を取得する。
生体電位は、記録されただけの原信号では情報として使用できないことが多い。そのため、生体電位処理部23では、取得した原信号から意味のある情報を抽出する処理が行われる。例えば、脳波測定の場合には、特定の周波数(例えば10Hz)を含む帯域(周波数0.5Hz〜100Hz)の信号に制限し、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform/FFT)を行い、当該周波数での信号のパワースペクトル密度(Power Spectral Density)を算出する。
なお、生体電位処理部23は、情報処理装置2ではなく脳波計1に配置されてもよい。
アプリケーション処理部26では、情報処理装置2の中心的なアプリケーション処理(アプリ処理)が行われる。アプリケーション処理は、脳波計1から信号の入力を受けて所定の処理を行うことで実現される。
アプリケーション処理部26で処理された結果は、アプリケーション処理部26から表示情報出力部27及び/又は音響情報出力部28に出力される。
表示情報出力部27及び音響情報出力部28は、アプリケーション処理部26で処理された結果をユーザ10にフィードバックするために、視覚的及び/又は聴覚的な情報となる信号を表示部3に出力するためのインターフェースである。
[ハードウェア構成]
図6は、実施の形態に係る生体電位測定装置1bを含むシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。具体的には、図6は、脳波計1のハードウェア構成を示すブロック図である。
脳波計1は、操作ボタン群71と、制御信号変換回路72と、測定電極48と、参照電極49と、アース電極73cと、生体アンプ74と、A/Dコンバータ75と、送信回路79と、信号処理ユニット78と、アンテナ68と、電源部220と、バッテリ81と、静電容量制御装置210と、シールド部材200とを備えている。なお、脳波計1が備える各構成要素は、互いにバス105で接続され、相互にデータの送受信が可能となっている。
操作ボタン群71と制御信号変換回路72とは、図5に示す操作入力部11に対応する。また、操作ボタン群71における各ボタンは、操作ボタン41に対応する。また、測定電極48と、参照電極49と、アース電極73cとは、図2A及び図2Bに示す電極51、及び、図5に示す電極部13に対応する。また、生体アンプ74及びA/Dコンバータ75は、図5に示す生体電位増幅部14に対応する。また、送信回路79とアンテナ68とは、図5に示す生体電位出力部15及び/又は操作信号出力部12として機能する。
バッテリ81は、脳波計1に電力を供給するための電池である。バッテリ81に採用される電池は、乾電池、又はボタン電池、リチウムポリマー充電池、ニッケル水素充電池等であっても良い。電源部220は、バッテリから供給される電圧を所望の電源電圧に変換して、脳波計1の各構成要素に電源電圧を供給する。
信号処理ユニット78は、CPU(Central Processing Unit)101と、脳波計1が備える各構成要素が実行する制御プログラムであるプログラム103が格納されたRAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)104とを有している。プログラム103には、脳波計1における信号の処理手順が記述されている。脳波計1は、CPUによりプログラム103に従って操作信号及び生体信号をデジタル信号に変換し、送信回路79を経由してアンテナ68より情報処理装置2へ出力する。
静電容量制御装置210は、上述した静電容量制御部210aを備える。静電容量制御部210aは、例えば、CPU211と、CPU211が実行するための制御プログラムであるプログラム213が記憶されたRAM212と、ROM214とを備える。
シールド部材200は、測定電極48を外来ノイズから防ぐために脳波計1に設けられ、上述した1又は複数の静電容量201から構成される。
操作ボタン群71に関する各ボタンの押下情報は、制御信号変換回路72において脳波計1の動作を制御する制御信号に変換され、バス105を経由してCPU101に出力される。
生体アンプ74には、測定電極48と参照電極49とアース電極73cとが接続されている。これらの電極は、脳波計1の所定の場所に設置されている。測定電極48と参照電極49との間の電位差は、生体アンプ74で増幅され、A/Dコンバータ75でアナログの生体信号からデジタルの生体信号に変換される。デジタルの生体信号に変換された電位差は、処理や出力が可能な生体信号としてバス105を経由してCPU101に出力される。
なお、プログラム103は、ROM104に格納されていてもよい。また、信号処理ユニット78と制御信号変換回路72と送信回路79と生体アンプ74とA/Dコンバータ75とは、1つの半導体集積回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアとして実現されてもよい。1つの半導体集積回路に実装することで、実装面積が削減され、消費電力が低減され得る。また、生体アンプ74とA/Dコンバータ75とを1つの半導体集積回路に集積し、信号処理ユニット78と制御信号変換回路72と送信回路79とを別の半導体集積回路に集積し、2つの半導体集積回路同士を1つのパッケージ内で接続してSiP(システム・イン・パッケージ)として統合し、コンピュータプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現されてもよい。上記2つの半導体集積回路を別々の製造プロセスで実現することで、1つの半導体集積回路に実装したものに比べコストが低減される効果も得られる。
図7は、実施の形態に係る情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
情報処理装置2は、アンテナ80と、受信回路82と、信号処理ユニット108と、画像制御回路84と、表示情報出力回路85と、音響制御回路86と、音響情報出力回路87と、電源88とを備えている。アンテナ80と受信回路82とは、図5に示す生体電位取得部22及び/又は操作信号取得部21に対応する。
信号処理ユニット108は、CPU111と、RAM112と、CPU111が実行するプログラム113と、ROM114とを有している。信号処理ユニット108は、図5に示す生体電位処理部23及び/又はアプリケーション処理部26に対応する。また、画像制御回路84及び表示情報出力回路85は、図5に示す表示情報出力部27に対応する。また、音響制御回路86及び音響情報出力回路87は、図5に示す音響情報出力部28に対応する。また、これらの各構成要素は、互いにバス115で接続され、相互にデータの送受信が可能である。また、各構成要素には、電源88から電力が供給されている。
脳波計1から出力される操作情報及び生体電位は、アンテナ80を経由して受信回路82で取得され、バス115を経由してCPU111に送られる。
CPU111は、RAM112に格納されているプログラム113を実行する処理部である。プログラム113には、情報処理装置2における信号の処理手順が記述されている。情報処理装置2は、プログラム113に従って操作信号と生体信号とを変換し、所定のアプリケーション(プログラム)を実行するための処理を行い、ユーザ10に画像及び/又は音響によってフィードバックを行うための信号を生成する。なお、プログラム113は、ROM114に格納されてもよい。
信号処理ユニット108で生成された画像のフィードバック信号は、画像制御回路84を経由して表示情報出力回路85から表示部3に出力される。同様に、信号処理ユニット108で生成された音響のフィードバック信号は、音響制御回路86を経由して音響情報出力回路87から出力される。
なお、信号処理ユニット108と受信回路82と画像制御回路84と音響制御回路86とは、1つの半導体集積回路にプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現されてもよい。1つの半導体集積回路にすると、消費電力が低減される効果が得られる。
[生体電位測定システムの処理手順の概要]
図8は、実施の形態に係る生体電位測定装置1bを備える脳波計1及び情報処理装置2の基本的な処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS11からステップS14までは脳波計1における処理(ステップS10)、ステップS21からステップS25までは情報処理装置2における処理(ステップS20)を示している。
操作入力部11は、ユーザ10により行われた操作入力を受け付ける(ステップS11)。具体的には、操作入力部11は、受け付けのタイミングでどの操作ボタン41が押されているかを検出する。受け付けのタイミングの例は、操作ボタン41が押下された時である。操作ボタン41が押下されたか否かの検出は、例えば、操作ボタン41が押下されたときの機械的なボタン位置の変化、又は、電気信号の変化を検出することにより行われる。また、操作入力部11は、押下された操作ボタン41の種類により、操作入力部11が受け付けた操作入力の種類を検出し、操作信号出力部12へ出力する。
次に、操作信号出力部12は、操作入力部11が受け付けた操作入力に対応する操作信号を情報処理装置2に出力する(ステップS12)。
次に、生体電位増幅部14は、電極部13における複数の電極51の間の電位差に相当する生体電位を測定し、増幅する(ステップS13)。例えば、電極部13における複数の電極51のうち、右側頭部(国際10−20法のC4の電極位置)に配置された測定電極48と、参照電極49との間の電位差を測定する。また、生体電位増幅部14は、測定した生体電位を増幅する。増幅された生体電位は、生体電位増幅部14から生体電位出力部15へ出力される。
次に、生体電位出力部15は、取得した生体電位を情報処理装置2へ出力する(ステップS14)。
なお、脳波計1による処理ステップS10において、ステップS11及びステップS12と、ステップS13及びステップS14とは、それぞれ並列な処理として行ってもよく、ステップS11からステップS14の処理を、全て上述した順序どおりに行う必要はない。
続いて、情報処理装置2における処理ステップS20について説明する。
操作信号取得部21は、ステップS12で操作信号出力部12から出力された操作信号を取得する(ステップS21)。また、操作信号取得部21は、取得した操作信号をアプリケーション処理部26に出力する。
次に、生体電位取得部22は、ステップS14で生体電位出力部15から出力された生体信号を取得する(ステップS22)。また、生体電位取得部22は、取得した生体信号を、生体電位処理部23に出力する。
次に、生体電位取得部22にて取得した生体信号を、生体電位処理部23にて分析処理して、意味のある情報を抽出する(ステップS23)。例えば、所定の周波数成分の生体信号を抽出する。所定の周波数成分とは、例えば脳波の測定の場合には10Hzである。
次に、アプリケーション処理部26は、操作信号取得部21からの操作信号と生体電位処理部23からの生体信号を受けて、現在のアプリを実行するための所定の処理を行う(ステップS24)。
次に、アプリケーション処理部26の処理結果をユーザ10にフィードバックするために、表示情報出力部27は画像情報を表示部3に出力し、音響情報出力部28は音響情報を表示部3に出力する(ステップS25)。これにより、表示部3は、処理結果に対応する画像及び音を出力する。
なお、情報処理装置2における処理ステップS20において、ステップS22及びステップS23と、ステップS24との処理は、それぞれ並列な処理として行ってもよい。また、アプリケーション処理部26は、操作信号取得部21から出力された操作信号と生体電位処理部23から出力された生体信号との両方の信号を用いて処理を行う必要はなく、生体信号のみを用いて処理を行ってもよい。その場合には、操作信号を取得するステップS21を省略してもよい。
[脳波計の構造の詳細]
続いて、実施の形態に係る脳波計1の詳細な構造について説明する。
図9は、実施の形態に係る生体電位測定装置1bを備える脳波計1の詳細な構成を示す斜視図である。なお、図9に示す脳波計1は、図2Aに示す脳波計1の構成を詳細に図示したものである。また、図9に示す脳波計1は、説明のために外側面44及び装着面45が見やすいように図示しており、厳密な脳波計1の形状を図示しているものではない。
図9に示す脳波計1は、複数の電極51の周囲が外側面44に配置されているシールド部材200により覆われている。
シールド部材200は、脳波計1のユーザ10が装着する装着部150を覆うように脳波計1に配置されている。シールド部材200は、外来ノイズの回り込みを防ぐための静電シールドである。また、脳波計1の静電容量を増やすため、脳波計1とPC(例えば、情報処理装置2)とのペアリングを行う場合等でバッテリ81の最大放電電流(例えば、150mA)を超える電流が必要になった場合、瞬時的な電流量を確保する観点から、シールド部材200は、複数の静電容量201により構成されている。
本実施の形態において、脳波計1の外側面44及び装着面45には、静電容量201で構成される複数のシールド部材200が配置されている。具体的には、脳波計1の外側面44には、測定電極48の周囲をシールド部材200として覆う容量電極(静電容量201の電極)を有する静電容量201が配置されている。静電容量201は、誘電体と、当該誘電体を挟む2つの容量電極からなる。ここでいう静電容量201の容量電極は、誘電体を挟む2つの容量電極(正極、及び負極)のうちの少なくとも一方の容量電極を意味する。
脳波計1の装着面45には、測定電極48を挟んでシールド部材200が配置されている。また、脳波計1には、複数のシールド部材200が有する静電容量201のそれぞれを並列接続する配線(図示せず)が2本配されており、外側面44及び装着面45に連続して配されている。例えば、静電容量201には、一つ当たり35mFの容量値の静電容量が利用され、12並列で接続され、全体として400mF以上となるように構成されている。
なお、図9においては、ヘッドフォン型の脳波計1を例示しているが、上述した脳波計1における複数の電極51を覆うように外側面44にシールド部材200により覆われている構成は、図2Bに示すバンド型の脳波計1001に適用されてもよい。
また、図9では、シールド部材200が装着部150を覆うように配置されているが、装着部150がシールド部材200で構成されていてもよい。例えば、アーム151が静電容量201で構成されてもよい。
図10は、実施の形態に係る脳波計1が生体電位を測定する際の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図10には、図9の脳波計1の装着面45に配置された複数の電極51(図6に示す電極部13)を配置し、脳波計1を頭部に装着した時の電気的接続の一例を示している。また、図10では、電極部13を構成する複数の電極51のうち、測定電極として用いられる電極を測定電極48、参照電極として用いられる電極を参照電極49としている。なお、以下では、測定電極48をCh1と示し、参照電極49をRefと示すこともある。
また、図10に示すように、測定電極48には、バッファ90aが接続されている。同様に、参照電極49には、バッファ90bが接続されている。一般に、電極とオペアンプ回路(バッファ)とを組み合わせたものは、アクティブ電極と呼ばれる。
図10において、測定電極48とバッファ90aとを組み合わせた構成を第1のアクティブ電極95aと呼び、参照電極49とバッファ90bとを組み合わせた構成を第2のアクティブ電極95bと呼ぶ。アクティブ電極を用いると、電極の接触インピーダンス(すなわち、信号源のインピーダンス)が高い場合(例えば、10Hzで30kΩ)においても、バッファの出力で信号線のインピーダンスを低い値(例えば、1kΩ)に変換することができる。
測定電極48及び参照電極49で検出した電位は、図10に示すように、それぞれ、バッファ90a及び90bで電圧をバッファリングし、生体電位増幅部14に送られる。バッファ90a及び90bの入力インピーダンスは、10Hzにおいて500MΩ以上のインピーダンスを有することが望ましい。さらに、バッファ90a及び90bの利得及び入力インピーダンスは等しいことが望ましい。
なお、バッファ90a及び90bは、利得の絶対値が1以上のオペアンプ回路に置き換えられてもよい。この場合には、生体電位増幅部14における生体電位の増幅は、オペアンプ回路に続いて、2段目の増幅となるため、バッファ90a及び90bの場合よりも入力換算ノイズの要件が緩和されるため、低消費電力のアンプを用いることができる。
図10の生体電位増幅部14は、図6の生体アンプ74において測定電極48の電位と参照電極49の電位との差をとり、電位差(電圧)を増幅(差動増幅)する。生体アンプ74の利得は、例えば1200倍である。また、生体アンプ74の同相弁別比(Common−Mode Rejection Ratio/CMRR)は、例えば100dBあることが望ましい。増幅された電圧は、低域通過フィルタ(図示せず)でフィルタリングされ、A/Dコンバータ75により所定の解像度(例えば、12ビット)及びサンプリング周波数(例えば、1kHz)でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたデータ(デジタルデータ)は、生体電位出力部15へ出力される。
なお、脳波計1は、測定電極48と生体電位増幅部14との間、及び、参照電極49と生体電位増幅部14との間の経路にバッファ90a及び90bを設置しない構成であってもよい。その場合は、生体電位増幅部14の入力インピーダンスが500MΩ(周波数10Hzでの値)以上であることが望ましい。
第1のアクティブ電極95a及び第2のアクティブ電極95bの出力端子は、生体電位増幅部14のCh1用端子及びRef用端子のそれぞれに接続される。生体電位増幅部14において、Ch1の生体電位はRefの生体電位との差を取った後に増幅(差動増幅)される。増幅された生体電位は、低域通過フィルタ(図示せず)でフィルタリングされ、A/Dコンバータ75によりデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号のデータ(デジタルデータ)は、生体電位出力部15へ出力される。
また、本実施の形態においては、測定電極48及びバッファ90aと、参照電極49及びバッファ90bとは、シールド部材200により覆われている。
図11は、実施の形態に係る脳波計1が備える複数の静電容量201の回路構成を説明するためのブロック図である。
図11に示すように、シールド部材200は、複数の静電容量201で構成されている。図11には、シールド部材200の一例として、16個の静電容量201が図示されている。
複数の静電容量201のそれぞれの静電容量値は、例えば、50mFに設定されている。また、複数の静電容量201のそれぞれ及び電源部220は接地されており、同じ接地電位を有する。
バッテリ81と電源部220とを接続する配線には、シールド部材200が有する複数の静電容量201が接続されている。電源部220は、生体電位増幅部14、生体電位出力部15等の負荷回路へ、当該負荷回路が駆動するのに必要な電源電圧を発生し、当該電源電圧を供給する。電源部220は、例えば、アクティブ電極(第1のアクティブ電極95a及び/又は第2のアクティブ電極95b)、生体電位増幅部14、及び生体電位出力部15(図示していないレベル変換回路)には電源電圧1.8V(1.8V系の電源電圧)を供給する。また、電源部220は、生体電位出力部15、及び図6の他の負荷回路に3.0V(3.0V系の電源電圧)を供給する。これにより、静電容量201は、平滑コンデンサとして機能する。つまり、静電容量201は、測定電極48への外来ノイズの影響を抑制し、且つ、バッテリ81の電圧、及び電源部220が負荷回路に供給する各種の電源電圧を平滑化する。
静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4のオン(スイッチ:閉)とオフ(スイッチ:開)とを制御することにより、複数の静電容量201のそれぞれの静電容量値を変更する。
[静電容量値の制御]
続いて、静電容量制御部210aが実行する複数の静電容量201の静電容量値の変更の手順の一具体例の詳細について説明する。
図12は、実施の形態に係る脳波計1の動作状態と静電容量201の静電容量値との関係の一例を説明するための図である。図13は、実施の形態に係る脳波計1の動作状態と静電容量201の静電容量値との、時間に応じた関係の一例を説明するためのタイミングチャートである。
脳波計1を装着したユーザ10は、時刻t=t0に脳波計1を起動して電源を立ち上げる。なお、時刻t=t0の時刻は、脳波計1を装着した時間としてもよい。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計値を200mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4にLow(L)信号を出力し、スイッチS1〜S4をオフ状態とする。
次に、脳波計1は、時刻t=t1において、情報処理装置2とのペアリングを行い、情報処理装置2との通信を確立する。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を600mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S3にHigh(H)信号を出力し、スイッチS1〜S3をオン状態とする。また、静電容量制御部210aは、スイッチS4にL信号を出力し、スイッチS4をオフ状態とする。
もし、脳波計1は、すぐに生体電位の取得が行われない場合、時刻t=t2以降において、待機状態となる。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を300mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1にH信号を出力し、スイッチS1をオン状態とする。また、静電容量制御部210aは、スイッチS2〜S4にL信号を出力し、スイッチS2〜S4をオフ状態とする。
次に、脳波計1は、時刻t=t3において、通常モードでユーザ10の生体電位を取得する。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を400mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1、S2にH信号を出力し、スイッチS1、S2をオン状態とする。また、静電容量制御部210aは、スイッチS3、S4にL信号を出力し、スイッチS3、S4をオフ状態とする。
もし、脳波計1は、ユーザ10の生体電位の取得が終了した場合、時刻t=t11以降において、待機状態となる。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を300mFとなるように変更する。
次に、脳波計1は、時刻t=t12において、高速モードでユーザ10の生体電位を取得する。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を800mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4にH信号を出力し、スイッチS1〜S4をオン状態とする。
さらに、脳波計1は、時刻t=t13において、高速モードから通常モードでユーザ10の生体電位を取得する設定に変更する。例えば、ユーザ10から操作ボタン41を通じて動作モードを変更するように指示を取得したとする。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を400mFとなるように変更する。
次に、脳波計1は、時刻t=t21において、電源を立ち下げ(遮断)する。その際に、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4を制御して、複数の静電容量201の静電容量値の合計を200mFとなるように変更する。例えば、静電容量制御部210aは、スイッチS1〜S4にL信号を出力し、スイッチS1〜S4をオフ状態とする。
このように、静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の静電容量値の合計を動作モードに応じて変更する。複数の静電容量201が搭載する容量値が大きすぎると、脳波計1の立ち上がり時間が長くなる懸念がある。また、例えば、電源立ち上り時、電源遮断時等の脳波計1の動作が不安定になる懸念がある。特に、電源遮断時に脳波計1の電源立下りシーケンスが正常に実施されず、次回以降に脳波計1の電源立ち上りが二度と行われない要因になり得る。そこで、静電容量制御部210aは、動作モードに応じて複数の静電容量201の静電容量値の合計を制御する。例えば、上述したように、静電容量制御部210aは、高速モードでの動作時は複数の静電容量201の静電容量値の合計を最大に設定し、瞬時的な電流供給能力を最大にする。
図14は、実施の形態に係る脳波計1の動作状態に応じて静電容量201の静電容量値を変更する制御を説明するためのフローチャートである。具体的には、図14は、図12及び図13に示す静電容量制御部210aが実行する複数の静電容量201の静電容量値の合計を制御する動作を説明するためのフローチャートである。
まず、静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の静電容量値の合計を200mFとなるように、予め複数の静電容量201(具体的には、スイッチS1〜S4)を制御しておく(ステップS101)。上述したように、静電容量制御部210aは、脳波計1の電源遮断(電源立ち下げ)時に、複数の静電容量201の静電容量値の合計を200mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御しておく。
ユーザ10は、脳波計1の電源(例えば、図2Aに示す操作ボタン41に含まれる脳波計1を立ち上げるため、及び、立ち下げるための電源スイッチ、電源ボタン等)をオンにして、脳波計1を立ち上げる(ステップS102)。
次に、静電容量制御部210aは、電源部220が負荷回路に供給する電源電圧(3.0V系の電源電圧)が2.8V以上で供給されているか否かを判定する(ステップS103)。例えば、静電容量制御部210aは、電源部220が送信回路79に供給する3.0V系の電源電圧が2.8V以上で供給されているか否かを判定する。ステップS103において、静電容量制御部210aは、電源部220が負荷回路に3.0V系の電源電圧を2.8V以上を供給していないと判定した場合(ステップS103でNO)、脳波計1がまだ立ち上がっていないと判断してステップS103の判定を繰り返す。
一方、ステップS103において、静電容量制御部210aは、脳波計1の3.0V系の電源電圧が2.8V以上が供給されていると判定した場合(ステップS103でYES)、複数の静電容量201の静電容量値の合計が600mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御する。
次に、脳波計1は、情報処理装置2とペアリングを行う(ステップS105)。
次に、脳波計1は、情報処理装置2とのペアリングが完了したか否かの判定を行う(ステップS106)。ステップS106において、脳波計1は、情報処理装置2とのペアリングが完了していないと判定した場合(ステップS106でNO)、ステップS106の判定を繰り返す。
一方、ステップS106において、脳波計1は、情報処理装置2とのペアリングが完了したと判定した場合(ステップS106でYES)通常モードで動作するか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、ステップS107において、脳波計1は、生体電位を情報処理装置2へ通常の通信速度で出力する通常モードで動作するか否かを判定する。通常モードで動作するか否かの判定は、任意に定められていてもよい。例えば、動作モードの設定は、ユーザ10が操作ボタン41を操作することにより、任意に決定されてもよい。また、動作モードの設定は、生体電位の測定に使用される電極51の数で決定されてもよい。例えば、脳波計1は、生体電位を測定するために使用される電極51の個数が5以上の場合には高速モードで動作し、5未満の場合には通常モードで動作してもよい。
静電容量制御部210aは、脳波計1が通常モードで動作すると判定した場合(ステップS107でYES)、複数の静電容量201の静電容量値の合計が400mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御する(ステップS108)。
次に、脳波計1は、ユーザ10から生体電位を取得し、取得した生体電位を情報処理装置2へ出力する(ステップS109)。
一方、脳波計1は、通常モードで動作しないと判定した場合(ステップS107でNO)、高速モードで動作するか否を判定する(ステップS110)。
静電容量制御部210aは、脳波計1が高速モードで動作すると判定した場合(ステップS110でYES)、複数の静電容量201の静電容量値の合計が800mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御する(ステップS111)。
次に、脳波計1は、ユーザ10から生体電位を取得し、取得した生体電位を情報処理装置2へ出力する(ステップS112)。
一方、静電容量制御部210aは、脳波計1が高速モードで動作しないと判定した場合(ステップS110でNo)、複数の静電容量201の静電容量値の合計が300mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御する(ステップS113)。
次に、脳波計1は、待機状態となる(ステップS114)。
ステップS209、ステップS112、又は、ステップS114の次に、脳波計1は、電源がオフされたか否かを判定する(ステップS115)。
脳波計1は、電源がオフされていないと判定した場合(ステップS115でNO)、ステップS107に戻り、ステップS107〜ステップS114の判定を繰り返す。
一方、脳波計1によって電源がオフされたと判定された場合(ステップS115でYES)、静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の静電容量値の合計が200mFと設定されるように、複数の静電容量201を制御する(ステップS116)。
次に、脳波計1は、電源を立ち下げる(ステップS117)。
図15は、実施の形態に係る脳波計1及び比較例に係る脳波計の入力ノイズ(出力ノイズを生体アンプ74の利得で除算した入力換算ノイズ)を示す図である。なお、図15に示す実線が実施の形態に係る脳波計1の入力ノイズであり、破線が比較例に係る脳波計の入力ノイズである。また、比較例に係る脳波計は、実施の形態に係る脳波計1における複数の静電容量201(つまり、シールド部材200)を備えない以外は、特徴的な機能構成は実施の形態に係る脳波計1と同様である。
図15に示すように、比較例に係る脳波計では、実施の形態に係る脳波計1よりも入力ノイズが大きいことが確認できる。一般的に、脳波計に入力される脳波の振幅は20μVppであり、比較例に係る脳波計では、一部で20μVppを超える入力ノイズが確認される。そのために、比較例に係る脳波計では、入力される外来ノイズによって生体電位を安定して検出できず、出力する生体電位を安定した信号品質にすることができない。
一方、実施の形態に係る脳波計1では、20μVppを超える入力ノイズが確認されない。そのために、実施の形態に係る脳波計1では、生体電位を安定して検出することができ、出力する生体電位を安定した信号品質にすることができる。
[アプリケーション処理]
続いて、生体電位測定システム100を用いて生体電位の測定を行う際のアプリケーション処理について説明する。図16は、実施の形態に係る脳波計1の動作状態によって変更されるアプリケーション処理を説明するためのフローチャートである。
図16に示すように、アプリケーション処理部26は、ステップS121からステップS129までの処理を行う。ステップS121からステップS129までの各ステップについては後に詳述する。アプリケーション処理部26により処理された情報は、図5に示したように、表示情報出力部27及び音響情報出力部28を介して、図17、図18及び図19に示すような画像が表示部3に表示される。
図17、図18及び図19は、実施の形態に係る脳波計1の動作状態に応じて表示部3が表示する画像の例を示す図である。
図17、図18及び図19に示される画像は、表示部3に表示される。表示部3に表示される画像には、測定情報表示部3aと、生体電位波形表示部3bと、電極表示部3cと、モード表示部3dとが含まれる。
測定情報表示部3aには、測定電極48及び参照電極49における現在の測定状態が表示される。例えば、参照電極49がユーザ10の皮膚から完全に離れており生体電位の測定が行われていない場合には、図17に示すように、「生体電位未測定」、「電極Refが接触していません」等と表示される。これにより、ユーザ10の皮膚に参照電極49が接触していないことを報知し、ユーザ10に脳波計1を正常に装着するように促すことができる。
生体電位波形表示部3bには、測定した生体電位が時系列に沿って表示される。これにより、ユーザ10は、生体電位の変化を視覚的に認識することができる。
また、電極表示部3cには、測定電極48(Ch1)及び参照電極49(Ref)のユーザ10との接触状態が表示される。例えば、電極表示部3cには、脳波計1をユーザ10の頭頂部から見た画像が表示される。電極表示部3cには、測定電極48及び参照電極49の接触状態がユーザ10の体に対する測定電極48及び参照電極49の位置とともに表示される。これにより、ユーザ10は、どの位置の電極がずれたかを視覚的に認識することができ、脳波計1を正常な位置に装着することができる。
なお、図18及び図19に示すように、現在測定されている生体電位波形が生体電位波形表示部3bにて表示されることに加えて、生体電位が測定中の場合は、表示部3に表示される画像の測定電極48及び参照電極49に対応する位置が、色が付されて表示されてもよい。生体電位を測定していない場合は、図17に示すように、電極表示部3cの参照電極49を示す画像は、白抜き表示とされてもよい。なお、以下では、白抜き表示ではなく、色を付けて表示したり点滅表示させたりすることで、他の画像と区別することができる表示のことを「ハイライト表示」と記載する場合がある。
図19に示されるように、測定電極48がユーザ10の複数の位置に取り付けられている場合、取り付けられている測定電極48の位置に応じて、例えば、各測定電極48の位置が電極表示部3cの電極位置表示部3c1〜3c5に表示される。また、電極表示部3cには、各電極位置に対応したチャンネル(Ch1〜Ch5)が表示される。
図18及び図19に示されるモード表示部3dには、脳波計1が実行している動作モードが表示される。例えば、脳波計1が通常モードとして動作している場合には、モード表示部3dには、「通常モード」と表示される。また、例えば、脳波計1が高速モードとして動作している場合には、モード表示部3dには、「高速モード」と表示される。
続いて、アプリケーション処理部26で行われるアプリケーション処理の各ステップについて、図17〜図19に示す表示部3に表示される画像を参照しながら説明する。
まず、アプリケーション処理部26は、生体電位処理部23の出力結果に基づいて、生体電位を測定している状態かどうかを判断する(ステップS121)。アプリケーション処理部26が当該判断を実行するために、例えば、脳波計1は、各電極とユーザ10との接触インピーダンスを測定するための図示しない接触インピーダンス測定器を備えてもよい。この場合に、アプリケーション処理部26は、当該接触インピーダンス測定器から出力される、測定電極48と参照電極49とがユーザ10の皮膚に接触しているかどうかの判定結果に基づき、電極部13が生体電位を測定している状態かどうかを判断する。
アプリケーション処理部26は、測定電極48及び参照電極49が生体電位を測定していると判定した場合(ステップS121でYES)、表示情報出力部27を介して、例えば、図18に示すように、「生体電位測定中」というメッセージを表示部3に表示させる(ステップS122)。表示部3の測定情報表示部3aには、「生体電位測定中」と表示される。
一方、アプリケーション処理部26は、測定電極48及び参照電極49が生体電位を測定していないと判定した場合(ステップS121でNO)、表示情報出力部27を介して、例えば、「生体電位未測定」というメッセージを表示部3に表示させる(ステップS123)。表示部3の測定情報表示部3aには、図17に示すように、「生体電位未測定」と表示される。例えば、ユーザ10の皮膚に参照電極49(Ref)が接触していない場合には、図17に示すように、「電極Refが接触していません」と測定情報表示部3aに表示され、処理が終了する。
ステップS122の次に、表示情報出力部27は、測定に使用されている電極を検出する(ステップS124)。
次に、表示情報出力部27は、生体電位の測定に使用されている電極を表す画像を表示部3にハイライト表示させる(ステップS125)。例えば、表示情報出力部27は、測定電極48(Ch1)及び参照電極49(Ref)を測定に使用されている電極として検出した場合、測定電極48(Ch1)及び参照電極49(Ref)を電極表示部3cにハイライト表示させる。例えば、図18に示すように、表示部3は、測定電極48及び参照電極49を電極表示部3cに電極の絵で表示する。
次に、表示情報出力部27は、生体電位の測定に使用されている電極の数を算出する。一例としては、表示情報出力部27は、測定に使用されている電極の数が5個以上であるか否かを判定する(ステップS126)。なお、図16に示すフローチャートにおいては、動作モードは、生体電位の測定に使用される電極の数で決定されるものとする。
表示情報出力部27は、生体電位の測定に使用されている電極の数が5個以上であると判定した場合(ステップS126でYES)、図19に示すように、モード表示部3dに「高速モード」と表示させる(ステップS127)。
一方、表示情報出力部27は、生体電位の測定に使用されている電極の数が5個未満であると判定した場合(ステップS126でNO)、図19に示すように、モード表示部3dに「通常モード」と表示させる(ステップS128)。
ステップS127又はステップS128の次に、表示情報出力部27は、各電極で測定された生体電位の信号波形を生体電位波形表示部3bに表示させる(ステップS129)。例えば、電極が一つの場合には図18に示すように1つの信号波形が生体電位波形表示部3bに表示され、電極が複数の場合には図19に示すように複数の信号波形が生体電位波形表示部3bに表示される。なお、図19においては、測定電極48の数に対応した5個の生体信号波形が生体電位波形表示部3bに表示されるが、簡略化して図示している。
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る生体電位測定装置1bは、生体電位を測定するための生体電位測定装置である。生体電位測定装置1bは、生体に接触する測定電極48と、測定電極48で検出された生体電位を増幅する生体電位増幅部14と、生体電位増幅部14で増幅された生体電位を出力する生体電位出力部15とを備える。生体電位測定装置1bは、さらに、生体電位増幅部14及び生体電位出力部15の少なくとも一方に電力を供給する電源部220と、測定電極48の周囲をシールド部材200として覆う配線が接続される容量電極を有する静電容量201とを備える。また、電源部220の接地電位は、静電容量201の接地電位と電気的に接続される。
このような構成によれば、静電容量201が静電シールドとなり、測定電極48に影響を与える外来ノイズを抑制することができる。これにより、測定電極48で検出される生体電位は、安定化されやすい。そのため、生体電位測定装置1bによれば、安定した信号品質の生体電位測定を行うことができる。
また、静電容量201をシールドとして採用することで、バッテリ81以外で放電電流の確保を行うことができる。これにより、生体電位測定装置1bの動作の安定性は向上される。そのため、生体電位測定装置1bによれば、安定した信号品質の生体電位測定を行うことができる。
また、生体電位測定装置1bは、さらに、複数の静電容量201と、生体電位出力部15の動作モードに応じて、複数の静電容量201の容量値の合計を変更する静電容量制御部210aと、を備えてもよい。
生体電位測定装置1bに搭載される静電容量201の容量値が大きすぎると、立ち上がり時間が長くなり、また、立ち上げ時に電源遮断時等の動作が不安定になる懸念がある。生体電位測定装置1bに搭載される静電容量201の静電容量値の合計を適宜調整することで、立ち上がり時間が長くなりにくく、且つ、立ち上り、電源遮断時等の動作が安定しやすくなる。
例えば、静電容量制御部210aは、複数の静電容量201の容量値の合計を、電源部220の電源オン時と、電源部220の電源オフ時とに変更してもよい。
また、例えば、静電容量制御部210aは、生体電位出力部15が生体電位を出力する場合に、複数の静電容量201の容量値の合計を変更してもよい。
これらのように、生体電位測定装置1bに搭載される静電容量201の容量値の合計を適宜調整することで、立ち上がり時間が長くなりにくく、バッテリ81の立ち上り、電源遮断時等の動作が安定しやすくなる。
また、本実施の形態に係る静電容量制御部210aは、測定電極48で生体電位を検出し、検出した当該生体電位を生体電位出力部15に出力させる通常モードと、高速モードとを切り替えるモード制御をしてもよい。高速モードでは、静電容量制御部210aは、測定電極48で生体電位を検出し、検出した当該生体電位を、単位時間あたりに出力する当該生体電位のデータ量を通常モードよりも多く生体電位出力部15に出力させる。また、モード制御では、静電容量制御部210aは、高速モードの方が通常モードよりも複数の静電容量201の容量値の合計を高くする制御をしてもよい。
例えば、静電容量制御部210aは、高速モードでの動作時は複数の静電容量の容量値の合計を最大に設定し、電流供給能力を最大にする。これにより、静電容量201の容量値の合計を適宜調整することで、生体電位測定装置1bは、通信動作が速く、且つ、安定しやすくなる。
また、本実施の形態に係る静電容量201は、電気二重層容量でもよい。
これにより、生体電位測定装置1bの軽量化が可能となる。
本実施の形態に係る静電容量制御装置210は、生体電位を測定するための生体電位測定装置1bが備える複数の静電容量201を制御する静電容量制御装置である。生体電位測定装置1bは、生体に接触される測定電極48と、測定電極48で検出された生体電位を増幅する生体電位増幅部14と、生体電位増幅部14で増幅された生体電位を出力する生体電位出力部15と、を備える。また、生体電位測定装置1bは、測定電極48の周囲をシールド部材200として覆う配線が接続される容量電極を有する複数の静電容量201と、静電容量201から電力の供給を受ける電源部220とを備える。静電容量制御装置210は、電源部220の接地電位が静電容量201の接地電位と電気的に接続された生体電位測定装置1bにおける、複数の静電容量201の容量値の合計を変更する静電容量制御部210aを備える。
これにより、生体電位測定装置1bに搭載される静電容量201の静電容量値の合計を適宜調整することで、立ち上がり時間が長くなりにくく、且つ、立ち上り時、電源遮断時等の動作が安定しやすくなる。
本実施の形態に係る脳波計1は、生体電位測定装置1bと、生体電位を測定される生体の頭部に装着される装着部150と、を備える。測定電極48は、生体の生体電位を測定する場合に、当該生体の頭部に接触されるように、装着部150に配置される。
図15に示すように、実施の形態に係る脳波計1によれば、入力される外来ノイズを一般的な脳波の振幅以下に抑えることができる。つまり、実施の形態に係る生体電位測定装置1bは、脳波を測定するための脳波計1に好適である。
例えば、本実施の形態に係る脳波計1が備える静電容量201は、装着部150を覆うように配置されてもよい。
また、例えば、本実施の形態に係る脳波計1の装着部150は、静電容量201で構成されてもよい。
これにより、静電容量201は、脳波計1が備える各回路、電極51への外来ノイズを防ぐシールドとして機能する。そのため、脳波計1によれば、安定した信号品質の生体電位測定を行うことができる。
また、本実施の形態に係る静電容量制御方法は、生体電位を測定する生体電位測定装置1bが備える複数の静電容量201の静電容量制御方法である。生体電位測定装置1bは、生体に接触される測定電極48と、測定電極48で検出された生体電位を増幅する生体電位増幅部14と、生体電位増幅部14で増幅された生体電位を出力する生体電位出力部15と、を備える。また、生体電位測定装置1bは、測定電極48の周囲をシールド部材200として覆う配線が接続される容量電極を有する静電容量201と、静電容量201から電力の供給を受ける電源部220とを備える。電源部220の接地電位は、前記静電容量の接地電位と電気的に接続されている。静電容量制御方法は、電源部220がオン状態であるかオフ状態であるかを判断する判断ステップと、判断ステップで判断された状態に応じて、複数の静電容量201の容量値の合計を変更する制御ステップと、を含む。
これにより、生体電位測定装置1bに搭載される静電容量201の静電容量値の合計を適宜調整することで、立ち上がり時間が長くなりにくく、且つ、立ち上り時、電源遮断時等の動作が安定しやすくなる。
また、本実施の形態に係る静電容量制御方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体として実現されてもよい。また、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
これにより、静電容量制御方法は、簡便に安定した信号品質の生体電位測定を行うことができるプログラムとしてコンピュータが実行できる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態に係る生体電位測定装置、静電容量制御装置、脳波計、静電容量制御方法及びプログラムについて説明したが、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、本開示の一態様として、生体電位測定装置、静電容量制御装置及び静電容量制御方法について説明したが、本開示は、上述した方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであるとしてもよい。また、本開示は、上記コンピュータのプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
さらに、本開示は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とする通信ネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本開示における無線通信の規格は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ANT(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)等、又は独自の通信規格であってもよい。
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を、上記通信ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
また、例えば、上述した実施の形態では、測定する生体電位として、脳波を想定しているが、測定する生体電位は、脳波に限らず、心電、筋電、又は眼電であってもよいし、他の生体情報であってもよい。この場合、生体電位を測定する装置の形状は、上述したように、ヘッドフォン型及びバンド型に限らず、装着する位置に合わせて他の形状であってもよい。
また、電極は、アンプを備えたアクティブ電極であってもよいし、さらに、生体信号をデジタル値に変換することができるデジタルアクティブ電極であってもよい。
また、測定電極及び参照電極は、少なくとも1つあればよく、複数であってもよい。
また、脳波計と情報処理装置とは有線で通信可能に接続されていてもよいし、無線で通信可能に接続されていてもよい。また、情報処理装置と表示部とは有線で通信可能に接続されていてもよいし、無線で通信可能に接続されていてもよい。
また、上述した実施の形態におけるステップは、変更又は省略してもよい。また、ステップの順序は入れ替えてもよい。また、複数のステップの処理が平行して実行されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。