JP2019024585A - 生体信号計測装置及び生体信号計測装置の制御方法 - Google Patents

生体信号計測装置及び生体信号計測装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体信号に、増幅器において飽和するほどの大きなオフセット電圧が含まれる場合であっても、生体信号に歪が生じることを抑制できる生体信号計測装置を提供する。【解決手段】生体信号計測装置10bは、生体に装着される計測電極51aによって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第1バッファアンプ52aと、第1バッファアンプ52aに直流電圧の電力を供給する電源回路60と、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、電源回路60が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更回路61とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、生体信号計測装置及び生体信号計測装置の制御方法に関し、特に、生体信号のオフセット電圧をキャンセルする技術に関する。
脳波又は心電等の生体電位を示す生体信号の計測において、電極の劣化等に起因して分極電圧が大きくなった場合には、生体信号にオフセット電圧が重畳され、計測のダイナミックレンジが減少してしまう。そのために、従来、生体信号に含まれるオフセット電圧をキャンセルする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、電極で検出された信号は差動増幅器及び主増幅器を経てA/D変換されて出力されるが、出力された心電図信号から、オフセット電圧を補正値として決定し、決定した補正値を、主増幅器の反転入力端子に入力している。これにより、主増幅器から、オフセット電圧が差し引かれた信号が生成されるというものである。
特開平5−056942号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、差動増幅器及び主増幅器において、オフセット電圧に起因する飽和が起こっていないことを前提とするものであり、飽和が起こった場合には、信号に含まれるピークがクリップされ、歪んだ波形の信号が出力されてしまう。つまり、差動増幅器及び主増幅器の少なくとも一方においてオフセット電圧に起因する飽和が起こった場合には、原信号に忠実な信号が計測できないという問題がある。なお、飽和とは、入力された信号の電位が、増幅器の入力電圧範囲を超えるために、増幅器において、信号の波形が歪んでしまう現象である。
そこで、本発明は、生体信号に、増幅器において飽和するほどの大きなオフセット電圧が含まれる場合であっても、生体信号に歪が生じることを抑制できる生体信号計測装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る生体信号計測装置は、生体に装着される電極によって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第1バッファアンプと、前記第1バッファアンプに直流電圧の電力を供給する電源回路と、前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、前記電源回路が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更回路とを備える。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る生体信号計測装置の制御方法は、第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えたか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで、前記オフセット電圧が前記閾値電圧を超えたと判定された場合に、電源回路が前記第1バッファアンプに供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更ステップとを含む。
本発明により、生体信号に、増幅器において飽和するほどの大きなオフセット電圧が含まれる場合であっても、生体信号に歪が生じることを抑制できる生体信号計測装置及び生体信号計測装置の制御方法が実現される。
実施の形態に係る生体信号計測システムの構成を示す外観図 ヘッドフォン型のヘッドセットの形状及び概略構成の一例を示す図 バンド型のヘッドセットの形状及び概略構成の一例を示す図 被検者の皮膚と接触する電極の接触面の形状例を示す図 実施の形態に係る生体信号計測システムの全体構成を示すブロック図 ヘッドセット及び情報処理装置の詳細な構成を示す機能ブロック図 ヘッドセットのハードウェア構成を示すブロック図 ヘッドセットが備える生体信号計測装置の詳細な構成を示す回路ブロック図 情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図 実施の形態に係る生体信号計測システムの基本的な処理のフローを示すフローチャート 第1バッファアンプへの入力信号及び差動増幅器からの出力信号の波形例を示すタイミングチャート 電源電圧を第1直流電圧と第2直流電圧とで切り替えた場合における第1バッファアンプの出力波形を示すタイミングチャート 図11の心電図波形におけるR−S振幅値の変化を示す図 実施の形態の応用例1に係る生体信号処理部の構成を示すブロック図 実施の形態の応用例1に係る生体信号計測システムの動作を示すフローチャート 電源電圧の制御がない場合における提示部での表示例を示す図 電源電圧の制御がある場合における提示部での表示例を示す図 実施の形態の応用例2に係る生体信号処理部の構成を示すブロック図 実施の形態の応用例2に係る生体信号計測システムの動作を示すフローチャート 電源電圧の制御がある場合における提示部での表示例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る生体信号計測システム100の構成を示す外観図である。本図では、計測の対象となる被検者5も併せて図示されている。
生体信号計測システム100は、被検者5の生体信号を計測するシステムであり、ヘッドセット10、情報処理装置20及び提示部30を備える。ヘッドセット10、情報処理装置20及び提示部30は、それぞれ有線又は無線で接続されており、情報を送受信する。
ヘッドセット10は、生体信号を検出する装置の一例であり、後述する脳波計の構成を有する。被検者5の頭部には、複数の電極51(図2A及び図2B参照)が装着される。複数の電極51は、生体信号を計測する計測電極51aと、計測電極で計測した電位との差を計算するために用いられる基準電位を計測する参照電極51bとを含む。また、ヘッドセット10は、被検者5が生体信号計測システム100に対して操作情報を入力する操作入力装置10a(図5参照)を備え、所望の処理を実現するための操作が入力される。なお、生体信号計測システム100を構成する生体信号検出装置としては、脳波計に限られず、体、手、足等に貼り付けた電極から心電図信号(Electrocardiogram(ECG)信号)を検出する心電計であってもよい。
情報処理装置20は、ヘッドセット10からの操作入力を受け取り、所定の処理を実施する。例えば、情報処理装置20は、コンピュータであってもよい。ここでいう「所定の処理」とは、ゲーム、健康管理、学習等、家庭用のコンピュータで実施されるようなアプリケーションの総称である。
提示部30は、情報処理装置20で行われた処理結果を提示する出力デバイスである。ここでいう「提示する」とは、映像をディスプレイに表示すること、及び/又は音声をスピーカから出力することの両方を含む。すなわち、提示部30は、画像情報を表示し、又は、音響情報を出力するディスプレイ及び/又はスピーカである。
図2A及び図2Bは、ヘッドセット10の形状及び概略構成の一例を示す図である。図2Aは、ヘッドフォン型のヘッドセットを示し、図2Bは、バンド型のヘッドセットを示す。被検者5は、図2A及び図2Bに示されるヘッドセット10を頭部に装着する。
図2Aに示されるヘッドセット10は、被検者5の頭部に沿うようにアーチ状のヘッドフォン型の形状を有している。図2Aに示されるヘッドセット10は、図示されるように、複数の電極51、外側面44、装着面45、耳当て46及び操作面43を備える。外側面44は、被検者5がヘッドセット10を装着したときに被検者5の頭部と反対側に配置される面である。装着面45は、被検者5がヘッドセット10を装着したときに被検者5の頭部側に配置される面である。操作面43は、操作ボタン41及び表示部47を有する。複数の電極51は、ヘッドセット10の装着面45と、耳当て46の端であってヘッドセット10の装着面45と同一側の面とに設けられている。
被検者5は、ヘッドセット10を装着する前に、操作面43に配置された操作ボタン41を操作してヘッドセット10を起動し、その後に、ヘッドセット10を頭部に装着する。ヘッドセット10は、例えば、図2Aの紙面に向かって左の耳当て46が被検者5の右耳、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46が被検者5の左耳に位置するように、被検者5の頭部に装着される。また、耳当て46は、被検者5の左右の耳を覆うように当てられる。装着面45に設けられた電極51は、被検者5の皮膚(つまり、頭皮)に当てられる。耳当て46の端に設けられた電極51は、被検者5の耳の後ろに当てられる。図2Aの紙面に向かって左の耳当て46の端に設けられた電極51は、後述するアース電極とし、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46の端に設けられた電極51は後述する参照電極とし、その他の電極51は計測電極としてもよい。なお、アース電極及び参照電極の配置位置は、これに限られず、図2Aの紙面に向かって右の耳当て46の端に設けられた電極51をアース電極とし、図2Aの紙面に向かって左の耳当て46の端に設けられた電極51を参照電極としてもよい。
操作面43は、表示部47に操作の状態及びアプリケーションの処理結果等を表示する。
図2Bに示されるヘッドセット10は、被検者5の頭部の周囲に巻きつけて装着されるバンド型の形状を有している。このバンド型のヘッドセット10は、複数の電極51、外側面44、装着面45及び操作面43を備える。電極51、操作面43の構成は、図2Aに示されるヘッドフォン型のヘッドセット10と同様である。被検者5はヘッドセット10を装着する前に、操作面43に配置された操作ボタン41を操作してヘッドセット10を起動し、その後に、バンド型のヘッドセット10の外側面44の半分(操作面43の側)が被検者5の額に来るように装着する。電極51は、装着面45に配置されており、被検者5の額に接触される。なお、複数の電極51のうちアース電極に相当する電極51及び参照電極に相当する電極51は、装着面45からリード線(図示せず)を延長して耳の後ろに当てる構成であってもよい。操作面43には、さらに表示部47が備えられ、表示部47に、操作の状態やアプリケーションの処理結果を表示することができる。なお、アース電極とは、一般的に言うグランド電極(接地電位を有する電極)のことではなく、被検者5において基準電位となる電位を有する電極のことをいう。
図3は、被検者5の皮膚と接触する電極51の接触面の形状例を示す図である。電極51の材料は、導電性の物質によって構成される。電極51の材料の一例は、金、又は、銀である。望ましい電極51の材料は、銀−塩化銀(Ag/AgCl)である。銀−塩化銀は生体と接触した場合の分極が少なく、かつ分極電圧が安定しているためである。
電極51の接触面の形状は、医療用で使われる電極と同様の、図3の(a)に示される円形(例えば、直径10mm)でもよいし、それ以外にも、用途によってさまざまな形状としてもよい。例えば、図3の(b)に示されるような三角形や、図3の(c)に示されるように四角形又は正方形であってもよい。
また、ヘッドフォン型のヘッドセット10の装着面45に配置する電極51としては、図3の(d)に示されるように、複数の円柱(図中では5本)で構成された電極51としてもよい。この構成によれば、被検者5の皮膚に電極51を接触させるため、髪の毛をかき分けることができる。なお、各円柱における皮膚との接触面は、図3の(d)に示されるように円形であってもよいし、楕円等の他の形状であってもよい。また、電極51の形状は、円柱に限られず、角柱であってもよい。円柱又は角柱の数は、図3の(d)に示されるように5本であってもよいし、5本に限られず、適宜、変更してもよい。また、図3の(d)に示される個々の円柱の先端は、皮膚との接触面側に角が取れた(つまり、丸みをもつ)形状でもよい。これにより、各円柱と皮膚との接触面積を増加することができる。
また、図3の(e)に示されるように、電極51の形状は、被検者5の皮膚との接触面が同心円状である電極51であってもよい。この形状の電極51は、例えば図2Aのヘッドフォン型のヘッドセット10の耳当て46又は図2Bのバンド型のヘッドセット10で用いられ、額や耳の後ろなど、髪の毛の無い箇所に接触される。図3の(e)に示される形状の電極51は、図3の(d)に示される形状の電極51に比べて皮膚への圧力が緩和されるので、被検者5が受ける負担が緩和される。
図4は、本実施の形態に係る生体信号計測システム100の全体構成を示すブロック図である。上述したように、生体信号計測システム100は、ヘッドセット10、情報処理装置20及び提示部30を備える。ヘッドセット10は、操作入力装置10a及び生体信号計測装置10bを備える。
ヘッドセット10は、操作入力装置10aにおいて被検者5の操作入力を受け、生体信号計測装置10bにおいて操作時の被検者5の生体信号を計測する。ヘッドセット10で計測された生体信号は、情報処理装置20に送信される。
情報処理装置20は、操作入力装置10a又は生体信号計測装置10bからの入力を受けて、所定の処理を実施し、提示部30に対して処理結果を出力する。ヘッドセット10と情報処理装置20との間は、無線又は有線によって接続される。
図5は、ヘッドセット10及び情報処理装置20の詳細な構成を示す機能ブロック図である。ここでは、ヘッドセット10と情報処理装置20とが無線で接続される場合を例として説明する。
操作入力装置10aは、操作入力部11及び操作信号出力部12を備える。
操作入力部11は、操作ボタン41(図2A及び図2B参照)から入力された操作入力情報を取得し、操作の内容を判定する入力器である。操作信号出力部12は、操作入力部11で取得された操作入力情報を情報処理装置20に送信する送信器である。操作入力部11で取得された操作入力情報は、操作信号出力部12から情報処理装置20に向けて送信される。
生体信号計測装置10bは、電極部13、生体信号増幅部14及び生体信号出力部15を備える。
電極部13は、複数の電極51で構成される。複数の電極51は、上述したように、計測電極と参照電極とで構成される。複数の電極51は、例えば、被検者5の皮膚に接触する位置に配置される。
生体信号増幅部14は、複数の電極51の間の電位差に相当する生体信号を増幅するアンプである。具体的には、生体信号増幅部14は、被検者5の皮膚に配置された計測電極51a(図6参照)と、複数の電極51のうち被検者5の耳の後ろに配置された参照電極51b(図6参照)との間の電位差を計測し、計測した電位差を増幅する。増幅された電位差は、例えば、生体信号増幅部14に設けられたA/Dコンバータ(図示せず)によりデジタル信号に変換される。生体信号出力部15は、生体信号増幅部14で増幅された電位差を情報処理装置20に送信する送信器である。生体信号増幅部14においてデジタル値に変換された生体信号の電位差は、生体信号出力部15より情報処理装置20に送信される。
なお、生体信号増幅部14は、所定以上の電位の大きさの生体信号を計測できる場合には、生体信号を増幅する必要は無く、複数の電極51の電位を測定するだけでもよい。
情報処理装置20は、操作信号取得部21、生体信号取得部22、生体信号処理部23、アプリケーション処理部(アプリ処理部)26、表示情報出力部27及び音響情報出力部28を備える。
情報処理装置20は、操作入力情報を操作信号取得部21において受信し、生体信号を生体信号取得部22において受信することで、ヘッドセット10からの情報を受信する。
生体信号は、記録されただけの原信号では情報として使用できないことが多い。そのため、生体信号処理部23において原信号から意味のある情報を抽出する処理が行われる。例えば、脳波計測の場合には、特定の周波数(例えば10Hz)の信号を抽出し、当該周波数での信号のパワースペクトル密度(Power Spectral Density)を算出する。なお、生体信号処理部23は、情報処理装置20ではなくヘッドセット10側に配置されてもよい。つまり、本実施の形態においては、ヘッドセット10と生体信号処理部23とにより電子機器が構成されてもよい。
アプリケーション処理部26では、情報処理装置20の中心的なアプリケーション処理(アプリ処理)が行われる。アプリケーション処理は、ヘッドセット10から信号の入力を受けて所定の処理を行うことで実現される。所定の処理とは、例えば、ゲームアプリにおけるゲーム進行、健康管理アプリにおける記録・データ管理・表示、学習アプリにおける出題・採点・結果表示などである。
アプリケーション処理部26で処理された結果は、アプリケーション処理部26から表示情報出力部27及び音響情報出力部28に出力される。表示情報出力部27及び音響情報出力部28は、アプリケーション処理部26で処理された結果を被検者5にフィードバックするために、視覚的又は聴覚的な信号を提示部30に出力する。
提示部30は、表示情報出力部27及び音響情報出力部28から出力された信号を提示(つまり、表示及び/又は音声出力)する。これにより、信号が被検者5に提示される。提示部30は、例えば、テレビ、ディスプレイ、又は、スピーカである。
図6は、ヘッドセット10のハードウェア構成を示すブロック図である。ヘッドセット10は、操作ボタン群71、制御信号変換回路72、計測電極51a、参照電極51b、アース電極51c、差動増幅器74、A/Dコンバータ75、送信回路79、信号処理ユニット78、アンテナ80、バッテリ81、電源回路60及び電源電圧変更回路61を備える。
このうち、操作ボタン群71と制御信号変換回路72とは、図5に示した操作入力部11に対応する。操作ボタン群71における各ボタンは、操作ボタン41に対応する。また、計測電極51aと、参照電極51bと、アース電極51cとは、図2A及び図2Bに示した電極51及び図5に示した電極部13に対応する。差動増幅器74及びA/Dコンバータ75は、生体信号増幅部14に含まれる。
また、信号処理ユニット78は、CPU101、RAM102、プログラム103及びROM104を有する。また、送信回路79とアンテナ80とは、図5に示した生体信号出力部15及び/又は操作信号出力部12として機能する。送信回路79とアンテナ80とを「出力部」又は「送信器」と呼ぶこともある。
これらの各構成要素は、互いにバス105で接続され、相互にデータの授受が可能である。また、ヘッドセット10は、電源関連の回路として、バッテリ81、電源回路60及び電源電圧変更回路61を備える。バッテリ81からの電力が電源回路60で一定の直流電圧に変換されて各構成要素に供給される。電源電圧変更回路61は、電源回路60が出力する直流電圧を変更する制御回路であり、図7を用いて詳述される。
操作ボタン群71に関する各ボタンの押下情報は、制御信号変換回路72においてヘッドセット10の動作を制御する制御信号に変換され、バス105を経由してCPU101に送られる。
差動増幅器74には、計測電極51aと参照電極51bとアース電極51cとが直接、接続、又は、バッファアンプ等を経て接続される。これらの電極は、ヘッドセット10の所定の場所に設置される。計測電極51aと参照電極51bとの間の電位差は、差動増幅器74で増幅され、A/Dコンバータ75でアナログの生体信号からデジタルの生体信号に変換される。デジタルの生体信号に変換された電位差は、処理や送信可能な生体信号としてバス105を経由してCPU101に送られる。
CPU101は、RAM102に格納されたプログラム103を実行する。プログラム103には、後述する図9のフローチャートに示される、ヘッドセット10における信号の処理手順が記述されている。ヘッドセット10は、このプログラム103に従って操作信号と生体信号をデジタル信号に変換し、送信回路79を経由してアンテナ80より送信する。プログラム103は、ROM104に格納される場合もある。
なお、信号処理ユニット78、制御信号変換回路72、送信回路79、差動増幅器74、A/Dコンバータ75及び電源電圧変更回路61は、1つの半導体集積回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアとして実現されてもよい。1つの半導体集積回路に実装すると、実装面積が削減され、消費電力が低減される効果も得られる。
また、差動増幅器74とA/Dコンバータ75とを1つの半導体集積回路に集積し、信号処理ユニット78と制御信号変換回路72と送信回路79と電源電圧変更回路61とを別の半導体集積回路に集積し、2つの半導体集積回路同士を1つのパッケージ内で接続してSiP(システム・イン・パッケージ)として統合し、コンピュータプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現されてもよい。上記2つの半導体集積回路を別々の製造プロセスで実現することで、1つの半導体集積回路に実装したものに比べコストが低減される効果も得られる。
図7は、ヘッドセット10が備える生体信号計測装置10bの詳細な構成を示す回路ブロック図である。ここには、ヘッドセット10が備えるハードウェア構成のうち、生体信号計測装置10bに関連するハードウェア構成が示されている。
生体信号計測装置10bは、生体信号を検出して処理する回路(計測電極51a、参照電極51b、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b、第1ハイパスフィルタ53a、第2ハイパスフィルタ53b、生体信号増幅部14、生体信号出力部15)、電源回路60、電源電圧変更回路61及び操作ボタン41で構成される。生体信号計測装置10bは、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74において、入力された信号のオフセット電圧が大きい場合であっても、飽和を起こさない機能を有する。
第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、それぞれ、生体に装着される計測電極51a及び参照電極51bによって検出される生体信号(つまり、生体電位)に対してインピーダンス変換をして出力するバッファである。つまり、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、高入力インピーダンスをもち、かつ、低出力インピーダンスをもち、電圧増幅はしない(電圧増幅率は1である)。なお、本明細書で「アンプ」(又は、「増幅器」)との用語は、必ずしも1よりも大きな電圧増幅率をもつアンプだけに限られず、インピーダンス変換だけをする(電圧増幅率が1である)アンプも含まれる。
これらの第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、いずれも、電源回路60から供給される直流電圧AVDD_AMP(以下、電源電圧AVDD_AMPともいう)の電力を受けて動作する。なお、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、1よりも大きな電圧増幅率を有してもよい。
第1ハイパスフィルタ53a及び第2ハイパスフィルタ53bは、それぞれ、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bからの出力信号に対して、不要な低周波成分を除去するフィルタである。
生体信号増幅部14は、差動増幅器74、ローパスフィルタ54及びA/Dコンバータ75で構成される。
差動増幅器74は、第1ハイパスフィルタ53aからの出力信号CH1_inと第2ハイパスフィルタ53bからの出力信号Ref_inとの差(つまり、電位差)を増幅するアンプである。言い換えると、基本的には、差動増幅器74は、第1バッファアンプ52aから出力された信号と第2バッファアンプ52bから出力された信号との差を増幅する。これにより、差動増幅器74は、参照電極51bでの電位を基準とする計測電極51aでの電位を増幅した信号を生体信号として出力する。なお、差動増幅器74は、電源回路60から供給される直流電圧AVDD_AMPの電力を受けて動作する。
ローパスフィルタ54は、差動増幅器74からの出力信号に対して、不要な高周波成分を除去するフィルタである。
A/Dコンバータ75は、ローパスフィルタ54からの出力信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する変換器であり、例えば、1kHzサンプリングで12ビットのデジタル信号に変換する。
生体信号出力部15は、上述したように、生体信号増幅部14で増幅された電位差を情報処理装置20に送信する送信器である。生体信号増幅部14のA/Dコンバータ75においてデジタル値に変換された生体信号の電位差は、生体信号出力部15より情報処理装置20に送信される。
電源回路60は、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74に直流電圧AVDD_AMPの電力を供給する回路であり、本実施の形態では、バッテリ81からの電力供給を受けて直流電圧AVDD_AMPの電力を生成する。より詳しくは、電源回路60は、外部(ここでは、電源電圧変更回路61の電源制御回路61c)から入力される制御信号に従って、直流電圧AVDD_AMPとして、第1直流電圧の電力と第1直流電圧よりも大きい第2直流電圧の電力とを選択的に供給する。第1直流電圧は、例えば、1.8Vであり、第2直流電圧は、例えば、約2.0V(具体的には、1.98V)である。なお、電源回路60は、上記3つのアンプ以外の他の回路要素(A/Dコンバータ75等)にも、動作用の直流電圧の電力を供給する。
電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧(出力信号の電位と、基準電位との差分)が閾値電圧(例えば、±470mV)を超えた場合に、電源回路60が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする回路である。電源電圧変更回路61は、オフセット電圧検出器61a、ダイナミックレンジ判定器61b及び電源制御回路61cで構成される。
オフセット電圧検出器61aは、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のそれぞれと閾値電圧とを比較し、それぞれの比較の結果を示す検出信号を出力する。オフセット電圧検出器61aは、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bのそれぞれからの出力信号に対して直流成分だけを抽出するローパスフィルタ及びその出力信号と閾値電圧とを比較するコンパレータ等で構成される。なお、オフセット電圧検出器61aは、外部(ここでは、操作ボタン41)から入力される制御信号に従って、閾値電圧を変更する。
ダイナミックレンジ判定器61bは、オフセット電圧検出器61aからの検出信号に基づいて、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧に関する判定信号を生成して出力する。判定信号は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のいずれが閾値電圧を超えたかを示す信号である。なお、この判定信号は、電源制御回路61cだけでなく、生体信号出力部15にも出力され、生体信号とともに、生体信号出力部15を経由して情報処理装置20に送信される。
電源制御回路61cは、ダイナミックレンジ判定器61bからの判定信号に基づいて、電源回路60を制御するための制御信号を生成して出力する。具体的には、電源制御回路61cは、電源回路60が第1直流電圧の電力を供給している場合に、ダイナミックレンジ判定器61bからの判定信号が、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bの少なくとも一方の出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えたことを示すときに、電源回路60に対して、所定時間だけ第2直流電圧の電力を供給させるための制御信号を出力する。これにより、第1バッファアンプ52a又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えているときには、所定時間だけ、電源回路60が供給する電力の直流電圧AVDD_AMPを上昇させる制御が行われる。なお、電源制御回路61cは、外部(ここでは、操作ボタン41)から入力される制御信号に従って、所定時間、第1直流電圧及び第2直流電圧を変更する。
上記オフセット電圧検出器61a、ダイナミックレンジ判定器61b及び電源制御回路61cは、コンパレータ及び専用の論理回路等によってハードウェア的に実現されてもよいし、図6の信号処理ユニット78によってソフトウェア的に実現されてもよい。
なお、本実施の形態では、電源回路60から第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74に対して共通に供給される電力の直流電圧AVDD_AMPを変更する制御が行われたが、これに限られない。第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74のそれぞれについて独立して供給される直流電圧が変更されてもよい。例えば、電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74から選択した1以上の増幅器に供給される電力の直流電圧を上昇させる制御をしてもよい。このとき、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74から選択については、例えば、操作ボタン41から与えられる制御信号によって決定される。
図8は、情報処理装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置20は、アンテナ83、受信回路82、信号処理ユニット108、画像制御回路84、表示情報出力回路85、音響制御回路86、音響情報出力回路87及び電源88を備える。これらの構成要素のうち、アンテナ83と受信回路82とは、図5に示した生体信号取得部22及び/又は操作信号取得部21に対応する。これらを「受信器」と呼ぶこともある。
信号処理ユニット108は、CPU111、RAM112、プログラム113及びROM114を有する。信号処理ユニット108は、図5に示した生体信号処理部23及び/又はアプリケーション処理部26に対応する。画像制御回路84及び表示情報出力回路85は、図5に示した表示情報出力部27に対応する。また、音響制御回路86及び音響情報出力回路87は、図5に示した音響情報出力部28に対応する。これらは互いにバス115で接続され、相互にデータの授受が可能である。また、それぞれの回路には電源88から電力が供給される。
ヘッドセット10からの操作情報及び生体情報はアンテナ83を経由して受信回路82で受信され、バス115を経由してCPU111に送られる。
CPU111は、RAM112に格納されたプログラム113を実行する。プログラム113には、後述する図9のフローチャートに示される、情報処理装置20における信号の処理手順が記述されている。情報処理装置20は、このプログラム113に従って操作信号と生体信号とを変換し、所定のアプリケーションを実行するための処理を行い、被検者5に画像や音響によってフィードバックを行うための信号を生成する。プログラム113は、ROM114に格納される場合もある。
信号処理ユニット108で生成された画像のフィードバック信号は、画像制御回路84を経由して表示情報出力回路85から提示部30に出力される。同様に、信号処理ユニット108で生成された音響のフィードバック信号は、音響制御回路86を経由して音響情報出力回路87から出力される。
なお、信号処理ユニット108と受信回路82と画像制御回路84と音響制御回路86とは、1つの半導体集積回路にプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現されてもよい。1つの半導体集積回路にすると、消費電力が低減される効果も得られる。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る生体信号計測システム100の動作について説明する。
図9は、本実施の形態に係る生体信号計測システム100の基本的な処理のフローを示すフローチャートである。ステップS11からステップS14まではヘッドセット10における処理(ステップS10)を示し、ステップS21からステップS25までは情報処理装置20における処理(ステップS20)を示す。
はじめに、ヘッドセット10における処理ステップS10について説明する。
<ステップS11>
操作入力部11は、被検者5により行われた操作入力を受け付ける。具体的には、受付のタイミングでどの操作ボタン41が押されているかを検出する。受付のタイミングの例は、操作ボタン41が押下された時である。操作ボタン41が押下されたか否かの検出は、例えば、操作ボタン41が押下されたときの機械的なボタン位置の変化、又は、電気信号の変化を検出することにより行われる。また、操作入力部11は、押下された操作ボタン41の種類により、操作入力部11が受け付けた操作入力の種類を検出し、操作信号出力部12に伝達する。
<ステップS12>
操作信号出力部12は、操作入力部11が受け付けた操作入力に対応する操作信号を情報処理装置20に送信する。
<ステップS13>
生体信号増幅部14は、電極部13における複数の電極51の間の電位差に相当する生体信号を測定し、増幅する。例えば、電極部13における複数の電極51のうち、右側頭部(国際10−20法のC4の電極位置)に配置された計測電極51aと参照電極51bとの間の電位差を測定する。また、生体信号増幅部14は、測定した生体信号を増幅する。増幅された生体信号は、生体信号増幅部14から生体信号出力部15へ伝達される。
<ステップS14>
さらに、生体信号出力部15は、伝達された生体信号を情報処理装置20へ送信する。
なお、ヘッドセット10における処理ステップS10において、ステップS11及びステップS12と、ステップS13及びステップS14とは、それぞれ並列な処理として行ってもよく、ステップS11からステップS14の処理を、全て上述した順序どおりに行う必要は無い。
次に、情報処理装置20における処理ステップS20について説明する。
<ステップS21>
情報処理装置20において、操作信号取得部21は、操作信号出力部12からの操作信号を受信する。操作信号取得部21は、受信した操作信号をアプリケーション処理部26に伝達する。
<ステップS22>
生体信号取得部22は、生体信号出力部15からの生体信号を受信する。生体信号取得部22は、受信した生体信号を、生体信号処理部23に伝達する。
<ステップS23>
生体信号取得部22にて受信した生体信号を、生体信号処理部23にて分析処理して、意味のある情報を抽出する。例えば、所定の周波数成分の生体信号を抽出する。所定の周波数成分とは、例えば脳波の計測の場合には10Hzである。
<ステップS24>
アプリケーション処理部26は、操作信号取得部21からの操作信号と生体信号処理部23からの生体信号を受けて、現在のアプリを実行するための所定の処理を行う。所定の処理とは、上述したように、例えば、ゲームアプリにおけるゲーム進行、健康管理アプリにおける記録・データ管理・表示、学習アプリにおける出題・採点・結果表示などである。
<ステップS25>
アプリケーション処理部26の処理結果を被検者5にフィードバックするために、表示情報出力部27は映像情報を提示部30に出力し、音響情報出力部28は音響情報を提示部30に出力する。これにより、提示部30からは、処理結果に対応する画像及び音が出力される。
なお、情報処理装置20における処理ステップS20において、ステップS22及びステップS23と、ステップS24の処理は、それぞれ並列な処理として行ってもよい。また、アプリケーション処理部26は、操作信号取得部21からの操作信号と生体信号処理部23からの生体信号の両方の信号を用いて処理を行う必要はなく、生体信号のみを用いて処理を行ってもよい。その場合には、操作信号を受信するステップS21を省略することもできる。
以上のような処理のフローによって、生体信号計測システム100は、被検者5から脳波又は心電等の生体情報を得ることができる。
次に、図10〜図12を用いて、ヘッドセット10が備える生体信号計測装置10bの特徴的な動作を説明する。ここでは、生体信号として、心電図信号を用いた実験例が示されている。
図10は、第1バッファアンプ52aへの入力信号(上図)及びそのときに差動増幅器74からの出力信号(下図)の波形(心電図波形)例を示すタイミングチャートである。なお、第2バッファアンプ52bには、グランド電位が入力されている。また、この実験では、図10の上図に示されるように、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74への共通の電源電圧AVDD_AMPを変化させている。つまり、電源電圧AVDD_AMPとして、第1直流電圧(1.8V)と第2直流電圧(ここでは、第1直流電圧1.8Vを10%上昇させた1.98V)とを交互に切り替えて変化させている。
図11は、第1バッファアンプ52aに心電図信号が入力された状態で、第1バッファアンプ52aに供給される電源電圧AVDD_AMPを第1直流電圧1.8Vと第2直流電圧1.98Vとで切り替えた場合における第1バッファアンプ52aの出力波形(心電図波形)を示すタイミングチャートである。破線の心電図波形が電源電圧AVDD_AMPを第1直流電圧1.8Vにした場合の出力波形であり、実線の心電図波形が電源電圧AVDD_AMPを第2直流電圧1.98Vにした場合の出力波形である。
図12は、図11の心電図波形におけるR−S振幅値の変化を示す図である。R−S振幅値とは、図11の心電図波形において、周期的にプラス側に大きく現れるR波ピークの波高値と、R波のピークの直後であって周期的にマイナス側に大きく現れるS波ピークの波高値とのPeak to Peak値である。
図11及び図12から分るように、振幅の大きいパルスが入力された場合に、電源電圧AVDD_AMPが第1直流電圧1.8Vである場合には、心電図波形のピークがクリップされて振幅が小さくなっている。一方、電源電圧AVDD_AMPが第2直流電圧1.98Vである場合には、心電図波形のピークがクリップされず、振幅が大きくなっている。
これらのことから、第1バッファアンプ52aに供給する電源電圧AVDD_AMPを上昇させることで、第1バッファアンプ52aで飽和を生じさせない入力電圧範囲が拡大されることが分かる。このことは、生体信号計測装置10bの第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74のいずれについても同様のことがいえる。
よって、生体信号計測装置10bでは、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bにおいて飽和が起こり得るケースとして、第1バッファアンプ52a又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧と閾値電圧とを比較する。そして、第1バッファアンプ52a又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えているときに、所定時間だけ、電源回路60が供給する電力の直流電圧AVDD_AMPを上昇させる制御をしている。
なお、本実施の形態では、生体信号計測装置10bが備える全ての増幅器(第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74)に対して電源電圧AVDD_AMPを変更する制御が行われたが、これに限られない。これらの増幅器の一部だけに対して電源電圧AVDD_AMPを変更する制御が行われてもよい。これにより、少なくとも電源電圧AVDD_AMPを変更する制御が行われた増幅器については、飽和が起こることが抑制され得る。
以上のように、本実施の形態に係る生体信号計測装置10bは、生体に装着される計測電極51aによって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第1バッファアンプ52aと、第1バッファアンプ52aに直流電圧の電力を供給する電源回路60と、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、電源回路60が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更回路61とを備える。
これにより、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧(いわゆる電源電圧)を上昇させる制御が行われる。よって、第1バッファアンプ52aの入力電圧範囲が拡大され、第1バッファアンプ52aにおいて飽和が起こることが抑制される。その結果、生体信号に、増幅器において飽和するほどの大きなオフセット電圧が含まれる場合であっても、生体信号に歪が生じることが抑制され、高い信号品質の生体信号計測が可能になる。
また、電源回路60は、外部から入力される制御信号に従って、第1直流電圧の電力と第1直流電圧よりも大きい第2直流電圧の電力とを選択的に供給し、電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧と閾値電圧とを比較し、比較の結果を示す信号を出力するオフセット電圧検出器61aと、電源回路60が第1直流電圧の電力を供給している場合に、オフセット電圧検出器61aから出力された信号が、オフセット電圧が閾値電圧を超えていることを示すときには、電源回路60に対して、所定時間だけ第2直流電圧の電力を供給させるための制御信号を出力する電源制御回路61cとを有する。
これにより、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えているときに、所定時間だけ、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧を上昇させる制御が行われる。よって、必要な時にだけ、一時的に、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧が上昇するので、常時高い直流電圧の電力を供給する場合に比べ、消費電力が抑制される。
また、オフセット電圧検出器61aは、外部から入力される制御信号に従って、閾値電圧を変更する。
これにより、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧と比較される閾値電圧を、外部からの制御信号によって変更できるので、計測対象及び計測環境に応じて、生体信号計測装置10bを適切に動作させるためのチューニングが可能になる。
また、電源制御回路61cは、外部から入力される制御信号に従って、電源電圧を上昇させる所定時間を変更する。
これにより、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧を一時的に上昇させる所定時間を、外部からの制御信号によって変更できるので、計測対象及び計測環境に応じて、生体信号計測装置10bを適切に動作させるためのチューニングが可能になる。
また、電源制御回路61cは、外部から入力される制御信号に従って、第2直流電圧の値を変更する。
これにより、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧を上昇させる場合の電圧を、外部からの制御信号によって変更できるので、計測対象及び計測環境に応じて、生体信号計測装置10bを適切に動作させるためのチューニングが可能になる。
また、生体信号計測装置10bは、さらに、生体に装着される参照電極51bによって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第2バッファアンプ52bを備え、電源回路60は、さらに、第2バッファアンプ52bに直流電圧の電力を供給し、電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、電源回路60が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする。
これにより、第2バッファアンプ52bからの出力信号についても、第1バッファアンプ52aからの出力信号と同様に、オフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、第2バッファアンプ52bに供給する電力の直流電圧を上昇させる制御が行われる。よって、参照電極51bでの電位を基準とする計測電極51aでの電位を生体信号として計測するケースであっても、2つのバッファアンプにおける飽和が抑制され、高い信号品質の生体信号計測が可能になる。
また、電源電圧変更回路61は、さらに、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のいずれが閾値電圧を超えたかを示す信号を生成して出力するダイナミックレンジ判定器61bを有する。
これにより、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のいずれが閾値電圧を超えたかを示す信号が生成されて出力される。よって、2つのバッファアンプのいずれで分極電圧が大きくなっているかを監視することが可能になる。
また、生体信号計測装置10bは、さらに、第1バッファアンプ52aから出力された信号と第2バッファアンプ52bから出力された信号との差を増幅する差動増幅器74を備え、電源回路60は、さらに、差動増幅器74に直流電圧の電力を供給し、電源電圧変更回路61は、さらに、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、電源回路60が差動増幅器74に供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする。
これにより、第1バッファアンプ52aから出力された信号と第2バッファアンプ52bから出力された信号との差を増幅する差動増幅器74が設けられ、差動増幅器74についても、電源電圧を上昇させる制御が行われる。よって、参照電極51bでの電位を基準とする計測電極51aでの電位を生体信号として計測するケースであっても、2つのバッファアンプ及び差動増幅器74における飽和が抑制され、高い信号品質の生体信号計測が可能になる。
また、電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74から選択した1以上の増幅器に供給される電力の直流電圧を上昇させる制御をする。
これにより、第1バッファアンプ52a又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、電源電圧を上昇させる対象となる増幅器として、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74の中から選択できる。よって、選択された増幅器だけについて、供給される電源電圧が上昇するので、常時全ての増幅器について電源電圧を上昇させる場合に比べ、消費電力が抑制される。
また、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、それぞれ、対応する計測電極51a及び参照電極51bと一体化されている。
これにより、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bは、それぞれ、対応する計測電極51a及び参照電極51bと一体化され、いずれも、アクティブ電極を構成する。よって、パッシブ電極を用いる場合に比べ、外乱ノイズの影響を受けにくく、高い信号品質の生体信号計測が可能になる。
(応用例1)
次に、上記実施の形態に係る生体信号計測システム100の応用例1として、被検者の心電特徴量を抽出するシステムを説明する。
本応用例に係る生体信号計測システムは、心電図信号を生体信号として計測するシステムであり、基本的に、上記実施の形態に係る生体信号計測システム100と同じ構成要素を備える。ただし、本応用例では、図13に示されるように、情報処理装置20の生体信号処理部23は、生体信号波形調整部23aと、心電特徴量抽出部23bとを備える。
生体信号波形調整部23aは、基本的に、上記実施の形態の生体信号処理部23と同様の機能を有し、生体信号取得部22で取得された心電図信号に対して、心電図波形として意味のある情報を抽出する波形調整を行い、生体信号波形として出力する。例えば、入力された心電図信号に対して、特定の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分のパワースペクトル密度を算出することで、心電図波形を調整し、生体信号波形として出力する。
心電特徴量抽出部23bは、生体信号波形調整部23aから出力された生体信号波形に対して、振幅を正規化して微分等をすることで、心電図波形のピーク等の情報を抽出し、心電特徴量として出力する。ここで、「心電図波形のピーク等の情報」は、例えば、R波の波高値及び出現タイミング、S波の波高値及び出現タイミング、R−S振幅値等である。
図14は、本応用例に係る生体信号計測システムの動作を示すフローチャートである。図15は、電源電圧変更回路61による電源電圧の制御がない場合における提示部30での表示例を示す図である。図16は、電源電圧変更回路61による電源電圧の制御がある場合における提示部30での表示例を示す図である。
なお、初期処理において、アプリ処理部26は、図15及び図16に示されるように、提示部30における電極図示部30cに、被検者5が装着しているヘッドセット10が備える計測電極51a及び参照電極51bの位置を表示する。
まず、アプリ処理部26は、被検者5によるヘッドセット10の操作入力部11に対する操作を判断することにより、オフセット電圧のモニタを行うか否かを判断する(S31)。
オフセット電圧のモニタを行う場合には(S31でYES)、アプリ処理部26は、図15及び図16に示されるように、提示部30における測定情報表示部30aに、「オフセット電圧モニタ中」と表示する(S32)。
そして、生体信号計測装置10bの電源電圧変更回路61では、オフセット電圧検出器61aは、上記操作入力部11に対する操作に応じて、計測電極51a及び参照電極51bでのオフセット電圧を測定する(S33)。具体的には、オフセット電圧検出器61aは、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のそれぞれと閾値電圧とを比較し、それぞれの比較の結果を示す検出信号を出力する。
出力された検出信号に基づいて、ダイナミックレンジ判定器61bは、第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のいずれかが閾値電圧より高いか否かを判定する(判定ステップS34)。その判定結果を示す判定信号は、電源制御回路61cに出力されるとともに、操作信号出力部12及び操作信号取得部21を介して、アプリ処理部26に伝達される。
第1バッファアンプ52a及び第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧のいずれかが閾値電圧より高い場合には(判定ステップS34でYES)、その判定信号を受信したアプリ処理部26は、その結果を提示部30に表示する。つまり、図16に示されるように、提示部30における制御情報表示部30dに、「電源電圧制御:有」と表示する(S35)。
また、電源電圧変更回路61では、肯定的な判定信号を受信した電源制御回路61cは、電源回路60が第1直流電圧の電力を供給している場合に、電源回路60に対して、所定時間だけ第2直流電圧の電力を供給させるための制御信号を出力する(電源電圧変更ステップS36)。これにより、第1バッファアンプ52a又は第2バッファアンプ52bからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えているときには、所定時間だけ、電源回路60が供給する電力の直流電圧AVDD_AMPを上昇させる制御が行われる。
一方、オフセット電圧のモニタを行わないと判定された場合(S31でNO)、及び、2つの出力信号のオフセット電圧のいずれかが閾値電圧より高いと判定されなかった場合には(判定ステップS34でNO)、アプリ処理部26は、図15に示されるように、提示部30における制御情報表示部30dに、「電源電圧制御:無」と表示する(S37)。
続いて、アプリ処理部26は、図15及び図16に示されるように、提示部30における測定情報表示部30aに、「生体信号測定中」と表示する(S38)。
そして、生体信号計測装置10bにおいて生体信号(ここでは、心電図信号)が測定され(S39)、得られた生体信号は、生体信号取得部22を介して生体信号処理部23に伝送される。
生体信号を取得した生体信号処理部23では、生体信号波形調整部23aは、生体信号の波形を調整し、生体信号波形(ここでは、心電図波形)として、心電特徴量抽出部23b及びアプリ処理部26に出力する(S40)。
生体信号波形を受信したアプリ処理部26は、図15及び図16に示されるように、提示部30における生体信号波形表示部30bに、受信した生体信号波形を表示する(S41)。このときに、生体信号波形のタイミングに合わせて、提示部30における電源電圧制御状態表示部30eに、電源電圧の状態を(電源電圧AVDD_AMPが第1直流電圧である時間区間を白色で、第2直流電圧である時間区間をハッチングで)表示する。
これと並行して、生体信号波形を受信した心電特徴量抽出部23bは、受信した生体信号波形から心電特徴量(つまり、心電図波形のピーク等の情報)を抽出し、アプリ処理部26に出力する(S42)。心電特徴量を受信したアプリ処理部26は、心電特徴量(例えば、R波の出現タイミング)から心拍数を算出し、図15及び図16に示されるように、提示部30における心拍数表示部30fに、算出した心拍数を表示する(S43)。
以上のように、本応用例に係る生体信号計測システムによれば、提示部30に、リアルタイムで、測定情報を示す測定情報表示部30a、生体信号波形を示す生体信号波形表示部30b、電極の位置を示す電極図示部30c、電源電圧変更回路61による電源電圧の制御に関する情報を示す制御情報表示部30d、電源電圧が第1直流電圧及び第2直流電圧のいずれであるかを示す電源電圧制御状態表示部30e、及び、心拍数を示す心拍数表示部30fが表示され、心電特徴量を含む多くの情報が一目で分かる。
(応用例2)
次に、上記実施の形態に係る生体信号計測システム100の応用例2として、被検者の心電特徴量及び呼吸成分を抽出するシステムを説明する。
本応用例に係る生体信号計測システムは、心電図信号を生体信号として計測するシステムであり、基本的に、上記実施の形態に係る生体信号計測システム100と同じ構成要素を備える。ただし、本応用例では、図17に示されるように、情報処理装置20の生体信号処理部23は、上記応用例1に係る構成要素(生体信号波形調整部23a、心電特徴量抽出部23b)に加えて、呼吸成分抽出部23cを備える。
呼吸成分抽出部23cは、生体信号波形調整部23aから出力された生体信号波形(ここでは、心電図波形)から、R波及びS波それぞれのピークの先端をつなぐ包絡線を特定し、特定した包絡線から、呼吸の信号成分(呼吸間隔の情報)を抽出する。特定された包絡線、及び、抽出された呼吸間隔の情報は、アプリ処理部26に出力される。
図18は、本応用例に係る生体信号計測システムの動作を示すフローチャートである。図19は、電源電圧変更回路61による電源電圧の制御がある場合における提示部30での表示例を示す図である。
図18のフローチャートでは、上記応用例1に比べ、ステップS44及びS45が追加されている点が異なる。
ステップS44では、アプリ処理部26は、生体信号波形の表示(S41)と並行して、図19に示されるように、提示部30における生体信号波形表示部30bに、呼吸成分抽出部23cから出力された包絡線30gを表示する(S44)。そして、アプリ処理部26は、図19に示されるように、提示部30における呼吸成分表示部30hに、呼吸成分抽出部23cから出力された呼吸間隔の情報(各呼吸における時間区間)を表示する(S45)。
以上のように、本応用例に係る生体信号計測システムによれば、提示部30に、リアルタイムで、上記応用例1における情報に加えて、生体信号の包絡線30g、及び、呼吸間隔の情報を示す呼吸成分表示部30hが表示される。これにより、被検者5の心電図波形に関して、応用例1よりも更に多くの情報が提示部30に表示され、心電特徴量及び呼吸成分を含む多くの情報が一目で分かる。
なお、上記応用例1及び2では、生体信号処理部23(生体信号波形調整部23a、心電特徴量抽出部23b、呼吸成分抽出部23c)は、情報処理装置20に備えられたが、生体信号計測装置10bに備えられてもよい。呼吸成分抽出部23cが生体信号計測装置10bに備えられる場合には、生体信号計測装置10bにおいて、呼吸に関する生体情報が得られる。
また、上記応用例1及び2では、生体信号計測装置10bの制御方法は、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えたか否かを判定する判定ステップS34と、判定ステップS34で、オフセット電圧が閾値電圧を超えたと判定された場合に、電源回路60が第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更ステップS36とを含む。
これにより、第1バッファアンプ52aからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、第1バッファアンプ52aに供給する電力の直流電圧(いわゆる電源電圧)を上昇させる制御が行われる。よって、第1バッファアンプ52aの入力電圧範囲が拡大され、第1バッファアンプ52aにおいて飽和が起こることが抑制される。その結果、生体信号に、増幅器において飽和するほどの大きなオフセット電圧が含まれる場合であっても、生体信号に歪が生じることを抑制され、高い信号品質の生体信号計測が可能になる。
なお、本発明は、上記生体信号計測装置10bの制御方法又は情報処理装置20における処理に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD等の記録媒体として実現したりしてもよい。
以上、本発明に係る生体信号計測装置及び生体信号計測装置の制御方法について、実施の形態及び応用例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び応用例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び応用例に施したものや、実施の形態及び応用例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、電源回路60は、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74に対して共通の電源電圧を供給したが、それぞれのアンプに対して、個別に電源電圧を供給してもよい。その場合には、電源電圧変更回路61は、第1バッファアンプ52aの出力信号のオフセット電圧が第1閾値電圧を超えた場合に、第1バッファアンプ52aに供給する第1電源電圧を第1所定時間だけ上昇させる。それとは独立して、電源電圧変更回路61は、第2バッファアンプ52bの出力信号のオフセット電圧が第2閾値電圧を超えた場合に、第2バッファアンプ52bに供給する第2電源電圧を第2所定時間だけ上昇させる。さらに、それらとは独立して、電源電圧変更回路61は、差動増幅器74の出力信号のオフセット電圧が第3閾値電圧を超えた場合に、差動増幅器74に供給する第3電源電圧を第3所定時間だけ上昇させる。このように、3種類の増幅器に対して、独立して、出力信号のオフセット電圧に基づく電源電圧の制御をしてもよい。これにより、必要な増幅器だけについて電源電圧の制御が行われ、全ての増幅器について一律に電源電圧の制御を行う場合に比べ、消費電力が抑制される。
また、上記実施の形態では、電源制御回路61cは、電源電圧AVDD_AMPに関して、2種類の電圧(第1直流電圧及び第2直流電圧)を切り替えたが、3種類以上の電圧を切り替えてもよい。この場合には、増幅器の出力信号に含まれるオフセット電圧が大きいほど、より高い電源電圧に切り替えればよい。これにより、3種類以上の電源電圧を切り替えることで、2種類の電源電圧を切り替える場合に比べ、必要な値だけ小刻みで電源電圧を上昇させることでき、消費電力が抑制される。
また、上記実施の形態では、第1バッファアンプ52a、第2バッファアンプ52b及び差動増幅器74は、正の電源電圧の供給を受けて動作したが、正の電源電圧及び負の電源電圧の供給を受けて動作してもよい。この場合には、電源回路60は、正の電源電圧及び負の電源電圧を供給する。そして、電源電圧変更回路61は、検出したオフセット電圧の極性に応じて、増幅器に供給される電源電圧として、正の電源電圧だけを切り替えるか、あるいは、負の電源電圧だけを切り替える制御をすればよい。これにより、バイポーラ電源で動作する増幅器についても、飽和が起こらないように適切に電源制御が行われる。
また、上記実施の形態では、増幅器に供給される電源電圧が上昇する所定時間は、事前に決められた値であったが、これに限られない。この所定時間は、増幅器の出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えている期間に一致する動的な期間であってもよい。つまり、電源制御回路61cは、増幅器の出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えている期間だけ、電源回路60に対して第2直流電圧の電力を供給させる制御をしてもよい。これにより、必要な期間にだけ、増幅器に供給される電源電圧が上昇され、増幅器での飽和が確実に抑制され、かつ、消費電力が抑制される。
5 被検者
10b 生体信号計測装置
23c 呼吸成分抽出部
51 電極
52a 第1バッファアンプ
52b 第2バッファアンプ
60 電源回路
61 電源電圧変更回路
61a オフセット電圧検出器
61b ダイナミックレンジ判定器
61c 電源制御回路
74 差動増幅器

Claims (13)

  1. 生体に装着される電極によって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第1バッファアンプと、
    前記第1バッファアンプに直流電圧の電力を供給する電源回路と、
    前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えた場合に、前記電源回路が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更回路と
    を備える生体信号計測装置。
  2. 前記電源回路は、外部から入力される制御信号に従って、第1直流電圧の電力と前記第1直流電圧よりも大きい第2直流電圧の電力とを選択的に供給し、
    前記電源電圧変更回路は、
    前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧と前記閾値電圧とを比較し、比較の結果を示す信号を出力するオフセット電圧検出器と、
    前記電源回路が前記第1直流電圧の電力を供給している場合に、前記オフセット電圧検出器から出力された信号が、前記オフセット電圧が前記閾値電圧を超えていることを示すときには、前記電源回路に対して、所定時間だけ前記第2直流電圧の電力を供給させるための制御信号を出力する電源制御回路とを有する
    請求項1記載の生体信号計測装置。
  3. 前記オフセット電圧検出器は、外部から入力される制御信号に従って、前記閾値電圧を変更する
    請求項2記載の生体信号計測装置。
  4. 前記電源制御回路は、外部から入力される制御信号に従って、前記所定時間を変更する
    請求項2又は3記載の生体信号計測装置。
  5. 前記電源制御回路は、外部から入力される制御信号に従って、前記第2直流電圧の値を変更する
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の生体信号計測装置。
  6. さらに、生体に装着される電極によって検出される生体信号に対してインピーダンス変換をして出力する第2バッファアンプを備え、
    前記電源回路は、さらに、前記第2バッファアンプに前記直流電圧の電力を供給し、
    前記電源電圧変更回路は、前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧又は前記第2バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が前記閾値電圧を超えた場合に、前記電源回路が供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体信号計測装置。
  7. 前記電源電圧変更回路は、さらに、前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧及び前記第2バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧のいずれが前記閾値電圧を超えたかを示す信号を生成して出力するダイナミックレンジ判定器を有する
    請求項6記載の生体信号計測装置。
  8. さらに、前記第1バッファアンプから出力された信号と前記第2バッファアンプから出力された信号との差を増幅する差動増幅器を備え、
    前記電源回路は、さらに、前記差動増幅器に直流電圧の電力を供給し、
    前記電源電圧変更回路は、さらに、前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧又は前記第2バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が前記閾値電圧を超えた場合に、前記電源回路が前記差動増幅器に供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする
    請求項6又は7記載の生体信号計測装置。
  9. 前記電源電圧変更回路は、前記第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧又は前記第2バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が前記閾値電圧を超えた場合に、前記第1バッファアンプ、前記第2バッファアンプ及び前記差動増幅器から選択した1以上の増幅器に供給される電力の直流電圧を上昇させる制御をする
    請求項8記載の生体信号計測装置。
  10. 前記第1バッファアンプ及び前記第2バッファアンプは、対応する前記電極と一体化されている
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の生体信号計測装置。
  11. さらに、前記第1バッファアンプから出力される生体信号から呼吸の信号成分を抽出する呼吸成分抽出部を備える
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の生体信号計測装置。
  12. 生体信号計測装置の制御方法であって、
    第1バッファアンプからの出力信号のオフセット電圧が閾値電圧を超えたか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで、前記オフセット電圧が前記閾値電圧を超えたと判定された場合に、電源回路が前記第1バッファアンプに供給する電力の直流電圧を上昇させる制御をする電源電圧変更ステップと
    を含む生体信号計測装置の制御方法。
  13. 請求項12記載の生体信号計測装置の制御方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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