JP6909462B2 - 三相電磁機器 - Google Patents

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Description

この発明は、三相形のリアクタンスを可変できる電磁機器に関し、詳しくは、巻装構造が簡単で巻線の占積率が大きく、冷却効率に優れた三相電磁機器に関する。
近年、電力系統において、太陽光発電や風力発電などの分散型電源の導入拡大や負荷の多様化などから、電圧変動などの電力品質へ与える影響が懸念されつつあり、低コストで効果的な電圧調整装置が求められている。電力系統において電圧や力率を調整可能な機器として、可変インダクタが知られており、三相交流電源に対応した三相形のリアクタンスを可変できる技術としては、本出願人が先に提案した三相形電磁機器(特許文献1)や三相電磁機器(特許文献2)がある。
図13は、特許文献1の三相形電磁機器の一例の説明図である。この三相電磁機器は、6つの主鉄心53aa〜53cbを、隣接する主鉄心との角度が60゜となるように配置し、さらに6つの主鉄心の一端を6つの鉄心窓部が形成されるように連結鉄心53で連結された鉄心構造を有している。
6つの各主鉄心53aa〜53cbには、三相交流電源に接続される3対の主巻線51aa〜51cbを巻装し、それぞれの対の主巻線から生じる磁束が同一方向になるように直列または並列に接続している。
主鉄心を連結した6個の連結鉄心53には、それぞれに制御巻線52a〜52fを巻装し、主巻線51aa〜51cbによる磁束で制御巻線52a〜52fに生じる誘起電圧が互いに打消されるように制御巻線を直列または並列に接続している。そして、制御回路54から制御巻線52a〜52fに流す直流電流を変えることによって、主磁束と制御磁束の共通磁路の磁気抵抗を制御し主巻線51aa〜51cbのリアクタンスを連続的に可変している。
図14は、特許文献2の三相電磁機器の一例の説明図である。この三相電磁機器は、対称的に等間隔で環状に配設された6個の脚部鉄心43aa〜43cbの両端部に、それぞれの端部を連結して一対の環状継鉄43d、43eが形成されて構成された籠状磁心を有している。
6個の脚部鉄心43aa〜43cbには、三相交流電源に接続される3対の交流主巻線41aa〜41cbが卷装され、両方の環状継鉄43d、43eの各脚部鉄心43aa〜43cbとの連結部間に直流制御巻線42a〜42Lが卷装されている。そして、制御回路44から直流制御巻線42a〜42Lに流す直流電流を変えることによって、主磁束と制御磁束の共通磁路の磁気抵抗を制御し交流主巻線41aa〜41cbのリアクタンスを連続的に可変している。
特許4646327号公報 特許5946177号公報
特許文献1の三相電磁機器については、三相バランスの優れた三相形電磁機器の必要性から、各相の磁路が対称的になるように三相一体構成されたものであり、制御電流の調整により主巻線のリアクタンスを三相バランス良く、連続的に可変することができる。
しかしながら、この三相電磁機器は、略円形状の磁心により構成される構造であるため、鉄心窓部が扇形の形状となってしまう。この鉄心窓部には一つにつき3個の主巻線乃至制御巻線を巻装することが必要であるが、鉄心窓部が扇形の形状では巻線の占積率が低下してしまい、電磁機器が大型化するという問題がある。さらに、制御巻線を連結鉄心へ巻装する必要があるため、磁心を構成した後に手作業による巻装を強いられていた。
また、特許文献2の三相電磁機器についても、主巻線のリアクタンスを三相バランス良く、連続的に可変することができるが、環状継鉄の各脚部鉄心との連結部間に直流制御巻線を巻装しているため、鉄心窓部には一つにつき4個の主巻線乃至制御巻線を巻装することが必要となる。そして、全体としては18個の巻線で構成されているため、製造工数が多くなり、また抵抗損失も大きくなる。さらに、底部にも巻線が巻かれるため、設置時の安定性に問題があった。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、三相間のアンバランスがなく、鉄心の突き合わせ面にギャップを必要とせずに、リアクタンスの可変範囲が広く、さらに、巻線の巻装構造が簡単で巻線の占積率が優れ、小型かつ軽量で冷却効率の優れた三相一体構造のリアクタンスを可変できる三相電磁機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、
対称的に等間隔で環状に配設された6個の脚部鉄心と、各前記脚部鉄心の両端部においてそれぞれの端部が連結された一対の環状継鉄とから構成された籠状磁心と、
6個の前記脚部鉄心それぞれに巻装され、三相交流電源に接続された各相の交流主巻線と、
前記脚部鉄心に巻装され、前記各相の交流主巻線に流れる三相交流電流による主磁束によって誘起する起電力が打ち消されるように直列または並列に接続された直流制御巻線と、を有する三相電磁機器であって、
前記直流制御巻線に直流制御電流を供給して制御磁束を発生させ、前記主磁束と前記制御磁束の共通磁路となる前記籠状磁心の磁気抵抗を制御して前記交流主巻線のリアクタンスを連続的に可変させ、
前記直流制御巻線が6個の前記脚部鉄心の1つおきに巻装され、各前記直流制御巻線によって発生する前記制御磁束が、前記直流制御巻線を巻装した前記脚部鉄心において同方向となるように、各前記直流制御巻線が接続されていることを特徴とするものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記各相の主巻線を装した前記脚部鉄心は、前記環状継鉄の中心より対称的に配置された2つの前記脚部鉄心であることを特徴とするものである。
第3の技術手段は、第1又は2の技術手段において、前記各相の主巻線を装した前記脚部鉄心は、隣接する2つの前記脚部鉄心であることを特徴とするものである。
第4の技術手段は、第1から3のいずれかの技術手段において、前記各相の交流主巻線を巻装した前記脚部鉄心に、二次巻線が装されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、直流制御巻線の数を3個または6個に減少することができ、さらに交流主巻線と直流制御巻線を重ね巻きすることによって全体を6個の巻線構造に簡略化できる。このため、重量の低減、巻線長低下に伴う巻線抵抗低減による損失が低減される。さらに、環状継鉄の各脚部鉄心との連結部間へ直流制御巻線を巻き回す必要がないほか、巻線数の減少によって、製造工数を大幅に低減することができる。
また、交流主巻線を流れる電流による主磁束の磁路と直流制御巻線を流れる電流による制御磁束の磁路とが同じとなるため、飽和する領域の磁路が全体に及ぶので、リアクタンスの可変範囲が広くなる、さらに、籠状磁心に巻装した全ての巻線を縦置きして地面に垂直に配置きるため、油槽の中で冷却する際に冷却油の対流が良好となり、従来の制御巻線のような横置きと比較して冷却効率が向上する。
本発明の三相電磁機器の一構成例を示す図である。 本発明の三相電磁機器の一構成例における磁路の磁束の流れを示す図である。 本発明の三相電磁機器の一構成例の等価回路を示す図である。 本発明の三相電磁機器の一構成例の巻線構成例を示す図である。 本発明の三相電磁機器の一構成例の動作を説明するための図である。 本発明の三相電磁機器の他の構成例を示す図である。 本発明の三相電磁機器の他の構成例における磁路の磁束の流れを示す図である。 本発明の三相電磁機器の他の構成例の等価回路を示す図である。 本発明の三相電磁機器の他の構成例の巻線構成例を示す図である。 本発明の三相電磁機器の制御特性例を示す図である。 本発明による変圧機能を有する三相電磁機器の例を示す図である。 本発明の無効電力補償装置への適用例を示す図である。 従来の三相電磁機器の例を示す図である。 従来の三相電磁機器の他の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の三相電磁機器に係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本発明はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の三相電磁機器の一構成例を示す図、図2は、本発明の三相電磁機器の一構成例における磁路の磁束の流れを示す図、図3は、本発明の三相電磁機器の一構成例の等価回路を示す図、図4は、本発明の三相電磁機器の一構成例の巻線構成例を示す図、および、図5は、本発明の三相電磁機器の一構成例の動作を説明するための図である。なお、本発明では、交流主巻線を流れる電流によって生じる磁束を主磁束、直流制御巻線を流れる電流によって生じる磁束を制御磁束と呼ぶ。
三相電磁機器の磁心は、6個の直線状の脚部鉄心3aa、3ab、3ba、3bb、3ca、3cbが、等間隔かつ対称的となるように環状に配設されて、その各脚部鉄心の上下の端部が2個の環状継鉄3d、3eによって連結された籠状磁心3で構成され、三相の各相に対称的な磁路が形成される。
6個の脚部鉄心3aa、3ab、3ba、3bb、3ca、3cbと、環状継鉄3d、3eの接合部は、磁気的ギャップを必要としないので、磁心を構成する各々の積層鋼板を平行になるように突き合わせて、或いは積層鋼板の端部を噛み合わせて連結するように構成される。
6個の脚部鉄心3aa、3ab、3ba、3bb、3ca、3cbには、それぞれ三相交流電源に接続される交流主巻線1aa、1ab、1ba、1bb、1ca、1cb(以下、「主巻線」という。)が巻装される。
第1の脚部鉄心3aaには主巻線1aaを、第1の脚部鉄心3aaと環状継鉄の中心より対称的に配置された第2の脚部鉄心3abには主巻線1abを巻装する。主巻線1aaおよび1abは、両主巻線を流れる電流から生じる主磁束φa1およびφa2が対称的に籠状磁心の磁路を還流するように直列または並列に接続される。
同様に、第3の脚部鉄心3baには主巻線1baを、脚部鉄心3baと対称的に配置された第4の脚部鉄心3bbには主巻線1bbを巻装し、第5の脚部鉄心3caには主巻線1caを、脚部鉄心3caと対称的に配置された第6の脚部鉄心3cbには主巻線1cbを巻装する。
主巻線1baおよび1bb並びに主巻線1caおよび1cbも、それぞれ両主巻線を流れる電流から生じる主磁束φb1およびφb2並びに主磁束φc1およびφc2が対称的に還流するように直列または並列に接続される。
そして、主巻線1aa、1bb、および、1caを巻装した第1の脚部鉄心3aa、第4の脚部鉄心3bb、および、第5の脚部鉄心3caに、それぞれ、直流制御巻線(以下、「制御巻線」という。)2a、2b、および、2cを巻装する。なお、制御巻線2a、2b、および、2cは、第1の脚部鉄心3aa、第4の脚部鉄心3bb、および、第5の脚部鉄心3caに巻装する代わりに、第2の脚部鉄心3ab、第3の脚部鉄心3ba、および、第6の脚部鉄心3cbに巻装してもよい。すなわち、本実施形態では、制御巻線2a、2b、および、2cは、6個の脚部鉄心の1つおきに巻装されている。
制御巻線2a、2b、および、2cは、図4で示すように、それぞれ主巻線1aa、1bb、および、1caと重ね巻きされ、一つの巻線体9として構成されることが望ましい。一方、主巻線1ab、1ba、および、1cbは、主巻線のみの巻線体8として構成される。これにより、三相電磁機器は、3個の巻線体8と重ね巻した3個の巻線体9とからなる6個の巻線体から構成することができる。
そして、主巻線1aaおよび1ab、主巻線1baおよび1bb、並びに主巻線1caおよび1cbによる磁束で制御巻線2a、2b、2cに生じる誘起電圧が互いに打ち消されるように各制御巻線2a、2b、2cを直列または直並列に接続し、その開放端子側に制御回路4を接続する。
具体的には、各制御巻線2a、2b、2cに制御回路4から直流電流を流した際に、各制御巻線2a、2b、2cによって発生する制御磁束φdc1、φdc5、φdc3が、各制御巻線2a、2b、2cを巻装した脚部鉄心3aa、3bb、3caにおいて、各脚部鉄心の長手方向に対して同方向となるように、各制御巻線2a、2b、2cが接続されている。
このため、各制御巻線2a、2b、2cにはそれぞれ主巻線1aa〜1cbに流れる三相の各相の主電流により生じる主磁束φa1〜φc2によって誘起電圧が生じるが、三相各相の主磁束φa1〜φc2に対応して生じる誘起電圧は、対応する制御巻線2a、2b、2cを直列に接続することにより打ち消されることになる。それ故、制御巻線2a、2b、2cを全て直列に接続することも可能であるし、直並列に接続することもできる。
図5において、脚部鉄心に巻装して接続した主巻線の開放端子に三相交流電源を接続し、それぞれの主巻線に図示矢印方向の三相交流電流ILu、ILv、ILwが流れているとする。なお、図示の電流矢印方向を正サイクルとした場合、負サイクルでは逆方向の電流が流れる。
本実施形態の三相電磁機器は、主巻線1aaおよび1ab、主巻線1baおよび1bb、主巻線1caおよび1cbより発生する各相各々の交流磁束は、脚部鉄心3aa〜3cbを連結した2個の環状継鉄3d、3eを介して還流することになる。
以下、主巻線1aaを巻装した第1の脚部鉄心3aaに着目して説明する。
主巻線電流ILuが流れると、磁路となる脚部鉄心3aaには主巻線1aaにより主磁束φa1が発生する。発生した主磁束φa1は、制御巻線2aに直流制御電流(以下、「制御電流」という。)を流さない場合には、主に、環状継鉄3e、脚部鉄心3aaに隣接する脚部鉄心3baおよび3cb、環状継鉄3dを通過し、主巻線1aaには巻数と磁心の磁気抵抗に応じたリアクタンスが生ずる。
同様に、主巻線1abによる主磁束φa2も、脚部鉄心3ab、環状継鉄3e、脚部鉄心3bbおよび3ca、環状継鉄3dを通過し、主巻線1abにも巻数と磁心の磁気抵抗に応じたリアクタンスが生ずる。
一方、制御回路4から制御巻線2aに制御電流Icを供給した場合、磁路となる脚部鉄心3aaには制御巻線2aにより制御磁束φdc1が発生する。発生した制御磁束φdc1は、主に、環状継鉄3e、脚部鉄心3aaに隣接する脚部鉄心3baおよび3cb、環状継鉄3dを通過する。すなわち、制御巻線2aによる制御磁束φdc1と主巻線1aaによる主磁束φa1とは同じ共通磁路を有することになる。
以上のことは、主巻線1bbと制御巻線2bを巻装した脚部鉄心3bb、主巻線1caと制御巻線2cを巻装した脚部鉄心3caに着目した場合も同様である。すなわち、主巻線1bbと制御巻線2bに流れる電流によって生じる主磁束φb2と制御磁束φdc5の磁路は、脚部鉄心3bb、環状継鉄3e、脚部鉄心3abおよび3cb、環状継鉄3dの同一磁路となり、主巻線1caと制御巻線2cに流れる電流によって生じる主磁束φc1と制御磁束φdc3の磁路は、脚部鉄心3ca、環状継鉄3e、脚部鉄心3abおよび3ba、環状継鉄3dの同じ共通磁路となる。
そして、主巻線電流ILuを流した状態で制御巻線2aに制御電流Icを流すと、制御巻線2aにおいて、制御巻線の巻数と制御電流Icの積で表される起磁力が発生する。この起磁力によって、制御磁束φdc1と主磁束φa1が同方向となる共通磁路部分の磁束密度が大となって透磁率が変化し、主磁束が制御されリアクタンスが低下する。
このことは、主巻線1bbと制御巻線2bを巻装した脚部鉄心3bb、および、主巻線1caと制御巻線2cを巻装した脚部鉄心3caについても同様に成り立つことから、リアクタンスを可変できる三相電磁機器として動作することができる。
以上のように本実施形態の磁気回路構成は、磁心の構成、主巻線、制御巻線の巻装構成が三相各相について対称的であり、三相各相での可変リアクタンスの特性のバランスが優れた三相電磁機器が実現できる。また、従来の制御巻線配置では、制御巻線を環状継鉄に巻装しているため、制御磁束は環状継鉄のみを還流し、磁束密度が大となる領域は環状継鉄のみに限られていたが、本発明の制御巻線配置にすることで、各脚部鉄心および環状継鉄全体に制御磁束が還流し、磁束密度が大となる領域が脚部鉄心および環状継鉄の全てとなることから、従来の構造に比し、磁気抵抗を広範囲に変化させることによりリアクタンスを広範囲に可変することができる。そして、制御巻線の数の減少によって、製造工数を大幅に低減することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の三相電磁機器の他の構成例を示す図、図7は、本発明の三相電磁機器の他の構成例おける磁路の磁束の流れを示す図、図8は、本発明の三相電磁機器の他の構成例の等価回路を示す図、および、図9は、本発明の三相電磁機器の他の構成例の巻線構成例を示す図である。
本実施形態は、第1の実施形態の三相電磁機器に比べ、主巻線1aa〜1cbの巻線配置については同じであるが、制御巻線2a〜2fを全ての脚部鉄心3aa〜3cbに設けた点が異なっており、図9に示すように、各主巻線1aa〜1cbのそれぞれに制御巻線2a〜2fを重ね巻きした巻線体9を6個備えている。以下、第1の実施形態と異なっている点について主に説明する。
制御巻線2a、2bおよび2cは、制御電流Icと同方向に流れる電流が流れると、脚部鉄心の下方に向かう磁束を発生するように、また、制御巻線2d、2eおよび2fは、直流制御電流Icと同方向に流れる電流が流れると、脚部鉄心の上方に向かう磁束を発生するように、直列接続されている。すなわち、制御巻線が6個の脚部鉄心のそれぞれに巻装され、各制御巻線によって発生する制御磁束が、制御巻線を巻装した隣り合う脚部鉄心において脚部鉄心の長手方向に対して反対方向となるように、各制御巻線が接続されている。
これにより、第1の脚部鉄心3aaの主巻線1aaに流れる電流によって生じる主磁束φa1の変化によって同じ脚部鉄心3aaに巻回した制御巻線2aに誘起される電圧と、第2の脚部鉄心3abの主巻線1abに流れる電流によって生じる主磁束φa2の変化によって制御巻線2dに誘起される電圧とが互いに打ち消されるように、制御巻線2aと2dとが直列接続されている。同様に、制御巻線2bと2e、および制御巻線2cと2fとに誘起される電圧がそれぞれ互いに打ち消されるように直列接続されている。そして、主巻線1aa〜1cbには平衡三相交流電流が流れるので、制御巻線2a〜2fの誘起電圧は互いに打ち消される。
それ故、図6に示すように、制御巻線を全て直列に接続することも可能であるし、制御巻線2aと2d、2bと2e、2cと2fとをそれぞれ直列接続し、これらの直列接続したものを並列に直並列に接続することもできる。
図6において、脚部鉄心に巻装して接続した主巻線の開放端子に三相交流電源を接続し、それぞれの主巻線に図示矢印方向の三相交流電流ILu、ILv、ILwが流れているとする。なお、図示の電流矢印方向を正サイクルとした場合、負サイクルでは逆方向の電流が流れる。
本実施形態の三相電磁機器は、第1の実施形態の三相電磁機器と同様に、主巻線1aaおよび1ab、主巻線1baおよび1bb、主巻線1caおよび1cbより発生する各相各々の交流磁束は、脚部鉄心3aa〜3cbを連結した2個の環状継鉄3d、3eを介して還流することになる。
以下、主巻線1aaを巻装した第1の脚部鉄心3aaと主巻線1abを巻装した第2の脚部鉄心3abに着目して説明する。
主巻線電流ILuが流れると、磁路には主巻線1aaにより主磁束φa1、並びに主巻線1abにより主磁束φa2がそれぞれ発生する。発生した主磁束は、制御巻線に直流制御電流を流さない場合には、環状継鉄と他の脚部鉄心を通過し、主巻線には巻数と鉄心の磁気抵抗に応じたリアクタンスが生ずる。ここで、脚部鉄心および上下の環状継鉄は、制御磁束φdcと主磁束φa1、φa2との共通磁路となる。
以上のことは、主巻線1baを巻装した第3の脚部鉄心3baと主巻線1bbを巻装した第4の脚部鉄心3bbとに着目した場合、および、主巻線1caを巻装した第5の脚部鉄心3caと主巻線1cbを巻装した第6の脚部鉄心3cbとに着目した場合も同様である。
主巻線電流ILuを流した状態で制御巻線に制御電流Icを流すと、制御巻線2a、2b、2c、2d、2eおよび2fにおいて、制御巻線の巻数と制御電流Icの積で表される起磁力が発生する。そして、制御磁束φdcと主磁束φa1およびφa2が同方向となる共通磁路部分の磁束密度が大となって透磁率が変化し、主磁束が制御されリアクタンスが低下する。
このことは、他の直線磁心についても同様に成り立つことから、制御電流Icを調整することによって、リアクタンスを可変できる三相電磁機器として動作することができる。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、磁束密度が大となる領域が脚部鉄心および環状継鉄の全てとなることから、従来の構造に比し、磁気抵抗を広範囲に変化させることによりリアクタンスを広範囲に可変することができる。
図10は、三相電磁機器の制御特性例を示す図であり、第2の実施形態の三相電磁機器に三相交流電圧を印加し、制御電流Icを増加させた場合の制御特性例を示したものである。図10(a)は、主巻線電流の制御特性例を示したものであり、制御電流Icを増加させることにより、リアクタンスが変化し、主巻線電流を線形に可変できることがわかる。図10(b)は、主巻線電流の高調波電流歪み特性例を示したものであり、制御電流Icの値によらず低歪みの良好な主巻線電流特性であることがわかる。
以上のように、本発明による三相電磁機器は、制御電流を調整することにより三相各相のリアクタンスをバランス良く、低歪みで、広範囲に高速且つ連続的に可変することができる。
(第3の実施形態).
図11は、本発明による変圧機能を有する三相電磁機器の例を示す図である。図11に示す三相電磁機器は、第1の実施形態で示した図1の磁心巻線構成において、電磁機器を構成する主巻線部を一次巻線とし、一次巻線5aaを巻装した脚部鉄心に二次巻線6aa、一次巻線5abを巻装した脚部鉄心に二次巻線6ab、一次巻線5baを巻装した脚部鉄心に二次巻線6ba、一次巻線5bbを巻装した脚部鉄心に二次巻線6bb、一次巻線5caを巻装した脚部鉄心に二次巻線6ca、一次巻線5cbを巻装した脚部鉄心に二次巻線6cbをそれぞれ巻装して二次巻線とし、二次巻線を一次巻線と同様に接続して構成した変圧器機能を有する三相電磁機器である。
図11において、一次巻線に三相交流電源を接続し二次巻線には三相負荷を接続し、それぞれの二次巻線に図示矢印方向の電流ILu2、ILv2、ILw2が流れていたとする。以下、一次巻線5aaを巻装した脚部鉄心と一次巻線5abを巻装した脚部鉄心について説明する。
制御電流を流さない場合には、一次巻線5aaおよび5abには、上記二次電流で発生した磁束を打消すように一次電流ILu1が流れ、全体として変圧器動作を示す。
制御巻線に制御電流Icを流すと、制御巻線の巻数と制御電流Icの積で表される起磁力が発生することで共通磁路の透磁率が変化し、主磁束が制御される。このため、一次巻線には制御電流の制御に伴う主磁束の減少に応じて、一次巻線の端子間電圧を維持するために必要な主磁束を発生させるために励磁電流が増加する。
即ち、変圧器としての変圧機能に加えて、制御電流を調整することで主巻線のリアクタンスを連続的に可変して一次側に流入する無効電流の調整が可能となる。このことは、同様に他の脚部鉄心についても成り立つことから、変圧器としての機能に加えて、リアクタンスを可変できる三相電磁機器として構成することができる。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の三相電磁機器の無効電力補償装置への適用例を示す等価回路である。図12において、本発明による三相電磁機器と電力用コンデンサ7を並列に接続したものを、送電線路に並列に挿入し、三相電磁機器の制御により、系統に生じる遅相から進相の無効電力を連続的に補償するようにしている。
以上詳述したように、本発明によれば、タップを設けることなく、組立が簡単で、鉄心の突き合わせ面にギャップを必要とせずに、広範囲にリアクタンスを可変する三相電磁機器を実現することができる。巻線数の減少によって、製造工数を大幅に低減することができる。また、近年の電力需要の増大や負荷の多様化により、系統電圧の変動等負荷の多様化に対応できるフレキシブルな電力設備の提供が図られ、電力系統の電圧安定化や力率および潮流のより適切な制御に寄与できる。
なお、上記実施形態では、1対の主巻線、例えば1aa、1abを巻回した脚部鉄心が、環状継鉄の中心より対称的に配置された2つの脚部鉄心3aa、3abである場合について説明したが、これ以外に、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、1対の主巻線が隣接する2つの脚部鉄心に巻回されていてもよく、この場合、1対の主巻線の各主巻線から生じる磁束の方向は、上下の環状継鉄に向かって同方向となるように直列または並列に接続させておけばよい。そして、1対の主巻線と同じ直線磁心に巻装された1または2つの制御巻線は、主巻線を流れる三相交流電流の変化によって生じる主磁束の変化による誘起電圧を打消すように接続しておけばよい。
1(1aa,1ab,1ba,1bb,1ca,1cb)…主巻線、2(2a,2b,2c,2d,2e,2f)…制御巻線、3(3aa,3ab,3ba,3bb,3ca,3cb,3d,3e)…籠状磁心、φa1,φa2,φb1,φb2,φc1,φc2…主磁束、φdc1,φdc2,φdc3,φdc4,φdc5,φdc6…制御磁束、4…制御回路、5(5aa,5ab,5ba,5bb,5ca,5cb)…一次巻線、6(6aa,6ab,6ba,6bb,6ca,6cb)…二次巻線、7…電力用コンデンサ、
8、9…巻線体、e…交流電圧。

Claims (4)

  1. 対称的に等間隔で環状に配設された6個の脚部鉄心と、各前記脚部鉄心の両端部においてそれぞれの端部が連結された一対の環状継鉄とから構成された籠状磁心と、
    6個の前記脚部鉄心それぞれに巻装され、三相交流電源に接続された各相の交流主巻線と、
    前記脚部鉄心に巻装され、前記各相の交流主巻線に流れる三相交流電流による主磁束によって誘起する起電力が打ち消されるように直列または並列に接続された直流制御巻線と、を有する三相電磁機器であって、
    前記直流制御巻線に直流制御電流を供給して制御磁束を発生させ、前記主磁束と前記制御磁束の共通磁路となる前記籠状磁心の磁気抵抗を制御して前記交流主巻線のリアクタンスを連続的に可変させ、
    前記直流制御巻線が6個の前記脚部鉄心の1つおきに巻装され、各前記直流制御巻線によって発生する前記制御磁束が、前記直流制御巻線を巻装した前記脚部鉄心において同方向となるように、各前記直流制御巻線が接続されていることを特徴とする三相電磁機器。
  2. 前記各相の主巻線を装した前記脚部鉄心は、前記環状継鉄の中心より対称的に配置された2つの前記脚部鉄心であることを特徴とする請求項1に記載の三相電磁機器。
  3. 前記各相の主巻線を装した前記脚部鉄心は、隣接する2つの前記脚部鉄心であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三相電磁機器。
  4. 前記各相の交流主巻線を巻装した前記脚部鉄心に、二次巻線が装されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の三相電磁機器。
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