以下、本発明に係る建設機械の排土装置を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図14は本発明の第1の実施の形態を示している。
図1において、小型の油圧ショベル1は、キャブ仕様のミニショベルとして構成されている。この油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回輪3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とにより構成されている。油圧ショベル1の走行方向を前,後方向とし、水平面上で前,後方向と直交する方向を左,右方向とした場合、後述するキャブ13内に配置された運転席(図示せず)が油圧ショベル1の走行方向の前方を向いた状態で、上部旋回体4の前側にはスイング式の作業装置5が俯仰動可能に設けられている。
下部走行体2は、ベースとなるトラックフレーム6を有している。トラックフレーム6は、左,右方向で対をなす左,右のサイドフレーム6A(左側のみ図示)を備えている。これら各サイドフレーム6Aの後端側には駆動輪7がそれぞれ設けられ、各サイドフレーム6Aの前端側には遊動輪8がそれぞれ設けられている。駆動輪7と遊動輪8にはクローラ(履帯)9が巻回され、駆動輪8によってクローラ9を駆動することにより下部走行体2が走行する。
ここで、トラックフレーム6にはスパンシリンダ(図示せず)が設けられ、このスパンシリンダを伸縮させることにより、各サイドフレーム6Aに設けられたクローラ9の左,右方向の間隔(スパン)が、図2に寸法Aで示す狭幅間隔と、図3に寸法Bで示す広幅間隔との間で変化する。この場合、上部旋回体4の左,右方向の幅寸法は、左,右のクローラ9が狭幅間隔となったときの寸法Aと等しく設定されている。
上部旋回体4は、下部走行体2のトラックフレーム6上に旋回輪3を介して取付けられたベースとなる旋回フレーム10と、旋回フレーム10の後端側に配設され作業装置5との重量バランスをとるカウンタウエイト11と、カウンタウエイト11の前側に位置して旋回フレーム10に搭載された原動機12と、原動機12の上側に位置して旋回フレーム10に搭載され運転室を画成するキャブ13とを含んで構成されている。キャブ13内には、運転席、各種の操作レバー(いずれも図示せず)が設けられ、キャブ13に搭乗したオペレータが、運転席に着席して各種の操作レバーを操作することにより、油圧ショベル1は作業現場を自走し、作業装置5を用いて土砂の掘削作業等を行う。
次に、下部走行体2の前側に設けられた排土装置21について説明する。
排土装置21は、油圧ショベル1の下部走行体2に設けられている。この排土装置21は、作業装置5を用いて掘削した土砂を排土する排土作業、除雪作業等に用いられる。ここで、排土装置21は、後述する左,右のアーム22,23、主ブレード24、ブレードシリンダ25、左,右の追加ブレード30,33、左,右の連結軸36,39等により構成されている。排土装置21は、下部走行体2の左,右のクローラ9の間隔に応じて、主ブレード24および左,右の追加ブレード30,33からなるブレードの左,右方向の幅寸法が変化する構成となっている。
左アーム22および右アーム23は、トラックフレーム6の前側に左,右方向で対をなして設けられている。これら左アーム22と右アーム23とは、互いに平行を保った状態でトラックフレーム6から前方に延びている。左アーム22の先端22Aおよび右アーム23の先端23Aは、クローラ9の前端部よりも前方まで延びている。
主ブレード24は、左アーム22の先端22Aおよび右アーム23の先端23Aに取付けられている。主ブレード24は、例えば鋼板材等を用いて左,右方向に延びる長方形の板状に形成されている。この場合、主ブレード24は、下部走行体2の左,右のクローラ9の前端部よりも前方に配置されている。主ブレード24の左,右方向の幅寸法は、図2に示すように、左,右のクローラ9の間隔を狭幅とした状態で、左,右のクローラ9の褊幅間隔の寸法A(車幅)と等しく設定されている。
ここで、主ブレード24の前面は、凹状に湾曲しつつ上,下方向に延びる排土面24Aとなっている。一方、主ブレード24の排土面24Aとは反対側となる後面24Bには、左,右方向の中央部からトラックフレーム6に向けて突出するシリンダブラケット24Cが設けられている。このシリンダブラケット24Cとトラックフレーム6の前側に設けられたシリンダブラケット(図示せず)との間には、ブレードシリンダ25が取付けられている。左,右のアーム22,23の先端22A,23Aに取付けられた主ブレード24は、ブレードシリンダ25を伸縮させることにより上,下方向に揺動(昇降)する。また、主ブレード24の左端部24D側には、後述の左追加ブレード30が取付けられ、主ブレード24の右端部24E側には、後述の右追加ブレード33が取付けられている。
左主ブレード側ブラケット26は、主ブレード24の後面24Bに設けられている。この左主ブレード側ブラケット26は、主ブレード24の左端部24Dと左アーム22との間を左,右方向に延びた状態で後方に向けて張出している。図11に示すように、左主ブレード側ブラケット26は、上,下方向で一定の間隔をもって平行に配置された上板26Aおよび下板26Bと、これら上板26Aと下板26Bとの間を連結する補強板26Cとを含んで構成されている。
左主ブレード側軸挿嵌孔27は、左主ブレード側ブラケット26を構成する上板26Aおよび下板26Bの左端側(主ブレード24の左端部24Dの近傍)にそれぞれ設けられている。左主ブレード側軸挿嵌孔27は、例えば正方形状をなす四角孔として形成され、上板26Aおよび下板26Bを上,下方向に貫通している。これら上板26Aと下板26Bとに設けられた2個の左主ブレード側軸挿嵌孔27は同軸上に配置され、後述する左連結軸36が嵌合する構成となっている。
右主ブレード側ブラケット28は、主ブレード24の後面24Bに設けられている。図12に示すように、右主ブレード側ブラケット28は、主ブレード24の右端部24Eと右アーム23との間を左,右方向に延びた状態で後方に向けて張出している。右主ブレード側ブラケット28は、左主ブレード側ブラケット26と同様に、上板28A、下板28B、補強板28C等を含んで構成されている。
右主ブレード側軸挿嵌孔29は、左主ブレード側軸挿嵌孔27と同様に、右主ブレード側ブラケット28を構成する上板28Aおよび下板28Bにそれぞれ設けられ、同軸上に配置されている。右主ブレード側軸挿嵌孔29は、正方形状をなす四角孔として形成され、上板28Aおよび下板28Bを上,下方向に貫通し、後述する右連結軸39が嵌合する構成となっている。
左追加ブレード30は、主ブレード24の左端部24D側に設けられている。左追加ブレード30は、主ブレード24の左端部24Dに並んで配置される伸展位置(図3の位置)と、主ブレード24の後面24B側に格納される格納位置(図2の位置)との間で回動変位する。左追加ブレード30は、鋼板材等を用いて主ブレード24と等しい断面形状を有する四角形の板状に形成され、左追加ブレード30の前面は、凹状に湾曲しつつ上,下方向に延びる排土面30Aとなっている。
左追加ブレード側ブラケット31は、左追加ブレード30の後面30Bに設けられている。左追加ブレード側ブラケット31は、左追加ブレード30の右端部30Cから突出して主ブレード24側へと延び、左主ブレード側ブラケット26と上,下方向で対面している。左追加ブレード側ブラケット31は、上,下方向で一定の間隔をもって平行に配置された上板31Aと下板31Bとにより構成され、これら上板31Aと下板31Bとは、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aと下板26Bを上,下方向から挟んでいる(図13参照)。
左追加ブレード側軸挿嵌孔32は、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aおよび下板31Bのうち、左追加ブレード30の右端部30Cから主ブレード24側に突出した右端側にそれぞれ設けられている。左追加ブレード側軸挿嵌孔32は、左主ブレード側軸挿嵌孔27と同一形状をなす正方形の四角孔として形成され、上板31Aおよび下板31Bを上,下方向に貫通している。上板31Aと下板31Bとに設けられた上,下の左追加ブレード側軸挿嵌孔32は同軸上に配置され、後述する左連結軸36が嵌合する構成となっている。
右追加ブレード33は、主ブレード24の右端部24E側に設けられている。右追加ブレード33は、主ブレード24の右端部24Eに並んで配置される伸展位置(図3の位置)と、主ブレード24の後面24B側に格納される格納位置(図2の位置)との間で回動変位する。図12に示すように、右追加ブレード33は、鋼板材等を用いて主ブレード24と等しい断面形状を有する四角形の板状に形成され、右追加ブレード33の前面は、凹状に湾曲しつつ上,下方向に延びる排土面33Aとなっている。
右追加ブレード側ブラケット34は、右追加ブレード33の後面33Bに設けられている。右追加ブレード側ブラケット34は、右追加ブレード33の左端部33Cから突出して主ブレード24側へと延び、右主ブレード側ブラケット28と上,下方向で対面している。右追加ブレード側ブラケット34は、左追加ブレード側ブラケット31と同様に、上板34Aおよび下板34Bにより構成され、これら上板34Aと下板34Bとは、右主ブレード側ブラケット28の上板28Aと下板28Bを上,下方向から挟んでいる。
右追加ブレード側軸挿嵌孔35は、右追加ブレード側ブラケット34の上板34Aおよび下板34Bのうち、右追加ブレード33の左端部33Cから主ブレード24側に突出した左端側にそれぞれ設けられている。右追加ブレード側軸挿嵌孔35は、右主ブレード側軸挿嵌孔29と同一形状をなす正方形の四角孔として形成され、上板34Aおよび下板34Bを上,下方向に貫通している。上板34Aと下板34Bとに設けられた上,下の右追加ブレード側軸挿嵌孔35は、同軸上に配置され、後述する右連結軸39が嵌合する構成となっている。
左連結軸36は、左主ブレード側ブラケット26と左追加ブレード側ブラケット31との間に設けられている。左連結軸36は、左主ブレード側軸挿嵌孔27と左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに挿嵌されることにより、左追加ブレード側ブラケット31を左主ブレード側ブラケット26に対して回動可能に連結している。図11に示すように、左連結軸36は、上,下方向に延びる棒状体からなり、回動規制軸部としての上四角柱軸部36Aおよび下四角柱軸部36Bと、回動軸部としての上円柱軸部36Cおよび下円柱軸部36Dとにより構成されている。
左連結軸36は、軸方向と直交する方向での断面形状(横断面形状)が正方形となる四角柱の棒状体に旋削加工を施すことにより形成され、上端から下端に向けて上四角柱軸部36A、上円柱軸部36C、下四角柱軸部36B、下円柱軸部36Dが軸方向に連続して一体形成されている。即ち、左連結軸36は、2個の四角柱軸部36A,36Bと2個の円柱軸部36C,36Dとが、軸方向に連続して交互に配置された1本の軸体として形成されている。左連結軸36の軸方向の長さ寸法(全長)Lは、主ブレード24の上,下方向の高さ寸法よりも小さく設定されている(図8参照)。
左連結軸36の上四角柱軸部36Aと下四角柱軸部36Bとは、左主ブレード側ブラケット26の左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側ブラケット31の左追加ブレード側軸挿嵌孔32に対して回転不能に嵌合する正方形の横断面形状を有している。一方、左連結軸36の上円柱軸部36Cと下円柱軸部36Dとは、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に内接し、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に対して回転可能な円形状の横断面形状を有している。
左連結軸36の上端側に位置する上四角柱軸部36Aには、把手37が設けられている。この把手37は、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に対して左連結軸36を抜差しするときに、作業者が把持するものである。把手37は、例えば棒状材を逆U字型に折曲げることにより形成され、上四角柱軸部36Aの対辺を外側から挟込んだ状態で溶接等の手段を用いて固着されている。ここで、把手37の下端は、左追加ブレード側ブラケット31(上板31A)の上面に当接するストッパ部37Aとなっている。図6および図13に示すように、左連結軸36の上四角柱軸部36Aが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合した状態で、把手37のストッパ部37Aは、左追加ブレード側ブラケット31(上板31A)の上面に当接する。これにより、左連結軸36が軸方向の下向きに抜止めされている。
一方、左連結軸36の下円柱軸部36Dには、全周に亘って環状溝36Eが形成され、この環状溝36EにはC形の止め輪38が取付けられている。従って、止め輪38が左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに当接することにより、左連結軸36が軸方向の上向きに抜止めされている。
図8に示すように、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aと左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aとを重ね合わせた合計の板厚を寸法T1とすると、左連結軸36の上四角柱軸部36Aの軸方向の長さ寸法L1と、左連結軸36の上円柱軸部36Cの軸方向の長さ寸法L2は、それぞれ前記寸法T1よりも大きく設定されている。また、左主ブレード側ブラケット26を構成する上板26Aの下面と下板26Bの上面との間隔を寸法T2とすると、左連結軸36の下四角柱軸部36Bの軸方向の長さ寸法L3は、前記寸法T2よりも小さく設定されている。さらに、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bと左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bとを重ね合わせた合計の板厚を寸法T3とすると、左連結軸36の下円柱軸部36Dの軸方向の長さ寸法L4は、前記寸法T3よりも大きく設定されている。
図5および図6に示すように、左追加ブレード30が格納位置にあるときには、左連結軸36の上四角柱軸部36Aが、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。また、左連結軸36の下四角柱軸部36Bが、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。これにより、左追加ブレード30の回動が、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bにより規制され、左追加ブレード30を格納位置に保持することができる。このとき、把手37のストッパ部37Aが、左追加ブレード側ブラケット31の上面に当接することにより、左連結軸36は軸方向(下向き)に抜止めされている。
図7および図8に示すように、左追加ブレード30を格納位置から伸展位置へと回動させるときには、把手37を把持して左連結軸36を上方に持上げ、上,下の四角柱軸部36A,36Bを左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32から抜取る。この状態で、左連結軸36を、例えば図5に示す位置から反時計方向に所定角度(45度)だけ回転させる。これにより、上四角柱軸部36Aは、左追加ブレード側ブラケット31の上板31A上に載置される。このとき、左連結軸36の上円柱軸部36Cは、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに挿通される。また、左連結軸36の下円柱軸部36Dは、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに挿通される。
従って、左追加ブレード30は、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dを中心として格納位置から伸展位置へと回動することができる。左追加ブレード30が格納位置から伸展位置へと回動するときには、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に内接する。このため、左追加ブレード30が格納位置から伸展位置へと回動するときのがたつきを抑え、左追加ブレード30を円滑に回動させることができる。
図9および図10に示すように、左追加ブレード30が伸展位置まで回動したときには、左連結軸36を、例えば図7の位置から時計方向に所定角度(45度)だけ回転させる。これにより、左連結軸36の上四角柱軸部36Aが、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。また、左連結軸36の下四角柱軸部36Bが、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。これにより、左追加ブレード30の回動が、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bにより規制され、左追加ブレード30を伸展位置に保持することができる。
右連結軸39は、右主ブレード側ブラケット28と右追加ブレード側ブラケット34との間に設けられている。図12に示すように、右連結軸39は、右主ブレード側軸挿嵌孔29と右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに挿嵌されることにより、右追加ブレード側ブラケット34を右主ブレード側ブラケット28に対して回動可能に連結している。右連結軸39は、左連結軸36と同一形状を有する棒状体からなり、回動規制軸部としての上四角柱軸部39Aおよび下四角柱軸部39Bと、回動軸部としての上円柱軸部39Cおよび下円柱軸部39Dとにより構成されている。
右連結軸39の上四角柱軸部39Aには、把手40が設けられている。把手40の下端は、右追加ブレード側ブラケット34(上板34A)の上面に当接するストッパ部40Aとなっている。一方、右連結軸39の下円柱軸部39Dには、全周に亘って環状溝39Eが形成され、この環状溝39EにはC形の止め輪41が取付けられている。
右追加ブレード33が格納位置または伸展位置にあるときには、右連結軸39の上四角柱軸部39Aが、右主ブレード側ブラケット28の上板28Aに形成された右主ブレード側軸挿嵌孔29と、右追加ブレード側ブラケット34の上板34Aに形成された右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに嵌合する。また、右連結軸39の下四角柱軸部39Bが、右主ブレード側ブラケット28の下板28Bに形成された右主ブレード側軸挿嵌孔29と、右追加ブレード側ブラケット34の下板34Bに形成された右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに嵌合する。これにより、右追加ブレード33の回動が、右連結軸39の上,下の四角柱軸部39A,39Bにより規制され、右追加ブレード33を格納位置または伸展位置に保持することができる。
一方、右追加ブレード33を格納位置と伸展位置との間で回動させるときには、把手40を把持して右連結軸39を上方に持上げ、上四角柱軸部39Aを右追加ブレード側ブラケット34の上板34A上に載置する。このとき、右連結軸39の上円柱軸部39Cは、右主ブレード側ブラケット28の上板28Aに形成された右主ブレード側軸挿嵌孔29と、右追加ブレード側ブラケット34の上板34Aに形成された右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに挿通される。また、右連結軸39の下円柱軸部39Dは、右主ブレード側ブラケット28の下板28Bに形成された右主ブレード側軸挿嵌孔29と、右追加ブレード側ブラケット34の下板34Bに形成された右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに挿通される。これにより、右追加ブレード33は、右連結軸39の上,下の円柱軸部39C,39Dを中心として、格納位置と伸展位置との間を円滑に回動することができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1の排土装置21は、上述の如き構成を有するもので、油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場まで自走した後、例えば上部旋回体4を旋回させつつ作業装置5を俯仰動させることにより、土砂等の掘削作業を行うことができる。
掘削されて地面上に積上げられた土砂を排土する場合には、ブレードシリンダ25によって主ブレード24を下降させ、主ブレード24および左,右の追加ブレード30,33の下端を地面に接地させる。この状態で、油圧ショベル1を走行させることにより、地面に積上げられた土砂を主ブレード24および左,右の追加ブレード30,33によって走行方向へと押出すように排土することができ、作業現場での整地作業、土砂の埋戻し作業等を行うことができる。
ここで、第1の実施の形態による排土装置21は、油圧ショベル1の左,右のクローラ9の間隔が図2に示す狭幅間隔(寸法A)となった場合には、左,右の追加ブレード30,33が、主ブレード24の後面24B側に格納された格納位置に保持される。一方、左,右のクローラ9の間隔が図3に示す広幅間隔(寸法B)となった場合には、左,右の追加ブレード30,33が、主ブレード24の左,右方向の端部に並んで配置された伸展位置に保持される。
そこで、格納位置にある左追加ブレード30を伸展位置へと回動変位させるときの作業について、図5ないし図10を参照して説明する。なお、右追加ブレード33を格納位置から伸展位置へと回動変位させるときの作業は、回動方向が逆になる以外は左追加ブレード30と同一であるため、その説明は省略する。
図5および図6に示すように、左追加ブレード30が格納位置にあるときには、左連結軸36の上四角柱軸部36Aは、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合している。また、左連結軸36の下四角柱軸部36Bは、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合している。
このとき、左連結軸36に設けられた把手37のストッパ部37Aは、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aの上面に当接し、左連結軸36を軸方向(下向き)に抜止めする。従って、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合する状態を維持することができる。この結果、左追加ブレード30の回動を、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bにより規制することができ、左追加ブレード30を格納位置に固定(保持)しておくことができる。従って、左追加ブレード30が左連結軸36を中心として回動するのを抑えることができ、左追加ブレード30を格納位置とした状態で円滑に排土作業を行うことができる。
次に、図7および図8に示すように、把手37を把持して左連結軸36を上方に持上げ、例えば図5に示す位置から反時計方向に所定角度(45度)だけ回転させる。これにより、上四角柱軸部36Aは、左追加ブレード側ブラケット31の上板31A上に載置される。このとき、左連結軸36の上円柱軸部36Cは、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに挿通される。また、左連結軸36の下円柱軸部36Dは、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに挿通される。
従って、左追加ブレード30は、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dを中心として格納位置から伸展位置へと回動することができる。ここで、左追加ブレード30が格納位置から伸展位置へと回動するときには、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に内接する。このため、左追加ブレード30が格納位置から伸展位置へと回動するときのがたつきを抑え、左追加ブレード30を円滑に回動させることができる。
そして、左追加ブレード30が伸展位置へと回動すると、左追加ブレード30の右端部30Cが主ブレード24の左端部24Dに当接し、主ブレード24の排土面24Aと左追加ブレード30の排土面30Aとは、左,右方向に並んで同一面を形成する。この状態で、左連結軸36を、例えば図7の位置から時計方向に所定角度(45度)だけ回転させる。
これにより、図9および図10に示すように、左連結軸36の上四角柱軸部36Aが、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。また、左連結軸36の下四角柱軸部36Bが、左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに形成された左主ブレード側軸挿嵌孔27と、左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32とに嵌合する。また、把手37のストッパ部37Aは、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aの上面に当接し、左連結軸36を軸方向(下向き)に抜止めする。
従って、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合した状態を維持することができる。この結果、左追加ブレード30の回動を、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bによって規制することができ、左追加ブレード30を伸展位置に固定(保持)しておくことができる。従って、左追加ブレード30が左連結軸36を中心として回動するのを抑えることができ、左追加ブレード30を伸展位置とした状態で円滑に排土作業を行うことができる。
一方、右連結軸39も、左連結軸36と同様に、上,下の四角柱軸部39A,39Bを、右主ブレード側軸挿嵌孔29と右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに嵌合させることにより、右追加ブレード33の回動を上,下の四角柱軸部39A,39Bによって規制することができる。この結果、右追加ブレード33を、格納位置(図2の位置)と伸展位置(図3の位置)とに固定(保持)しておくことができる。また、右連結軸39の上,下の円柱軸部39C,39Dを、右主ブレード側軸挿嵌孔29と右追加ブレード側軸挿嵌孔35とに挿通させることにより、右追加ブレード33を、格納位置と伸展位置との間で円滑に回動変位させることができる。
かくして、第1の実施の形態による排土装置21によれば、左連結軸36は、上,下の四角柱軸部36A,36Bと上,下の円柱軸部36C,36Dとが軸方向に連続して設けられている。このため、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bを、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合させることにより、主ブレード24に対する左追加ブレード30の回動を規制することができる。一方、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dを、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に挿通することにより、左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で円滑に回動させることができる。
また、右連結軸39は、上,下の四角柱軸部39A,39Bと上,下の円柱軸部39C,39Dとが軸方向に連続して設けられている。このため、右連結軸39の上,下の四角柱軸部39A,39Bを、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に嵌合させることにより、主ブレード24に対する右追加ブレード33の回動を規制することができる。一方、右連結軸39の上,下の円柱軸部39C,39Dを、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に挿通することにより、右追加ブレード33を格納位置と伸展位置との間で円滑に回動させることができる。
このように、左連結軸36の四角柱軸部36A,36Bを、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に対して軸方向(上,下方向)に抜差しするだけで、左追加ブレード30の回動と回動規制とを容易に切換えることができる。これと同様に、右連結軸39の四角柱軸部39A,39Bを、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に対して軸方向(上,下方向)に抜差しするだけで、右追加ブレード33の回動と回動規制とを容易に切換えることができる。この結果、左追加ブレード30および右追加ブレード33を格納位置と伸展位置との間で回動変位させるときの作業性を高めることができる。
また、左連結軸36は、上,下の四角柱軸部36A,36Bと上,下の円柱軸部36C,36Dとが軸方向に連続した1本の軸体として形成され、右連結軸39は、上,下の四角柱軸部39A,39Bと上,下の円柱軸部39C,39Dとが軸方向に連続した1本の軸体として形成されている。これにより、例えば従来技術による位置決めピンが付設された連結軸に比較して、連結軸の構成を簡素化することができる。
しかも、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bは、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に対応する横断面形状を有する四角柱状に形成され、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dは、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に内接する円形状の横断面形状を有している。同様に、右連結軸39の上,下の四角柱軸部39A,39Bは、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に対応する横断面形状を有する四角柱状に形成され、右連結軸39の上,下の円柱軸部39C,39Dは、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に内接する円形状の横断面形状を有している。
従って、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dを左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に挿通したときに、上,下の円柱軸部36C,36Dの外周面は、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32の内周面に内接する。これと同様に、右連結軸39の上,下の円柱軸部39C,39Dの外周面は、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35の内周面に内接する。この結果、左追加ブレード30および右追加ブレード33が格納位置から伸展位置へと回動するときのがたつきを抑えることができ、左追加ブレード30および右追加ブレード33を円滑に回動させることができる。
さらに、左連結軸36の上端側には把手37が設けられ、把手37には、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに当接して左連結軸36を軸方向に抜止めするストッパ部37Aが設けられている。同様に、右連結軸39の上端側には把手40が設けられ、把手40には、右追加ブレード側ブラケット34の上板34Aに当接して右連結軸39を軸方向に抜止めするストッパ部40Aが設けられている。これにより、左連結軸36の上,下の四角柱軸部36A,36Bが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合する状態を維持することができ、右連結軸39の上,下の四角柱軸部39A,39Bが、右主ブレード側軸挿嵌孔29および右追加ブレード側軸挿嵌孔35に嵌合する状態を維持することができる。この結果、左追加ブレード30および右追加ブレード33を格納位置または伸展位置に固定(保持)しておくことができる。
次に、図15および図16は本発明の第2の実施の形態を示し、第2の実施の形態の特徴は、追加ブレード側ブラケットに形成された追加ブレード側軸挿嵌孔の周縁部に、連結軸の四角柱軸部が嵌合する凹窪部が設けられていることにある。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。また、左追加ブレード側ブラケットと右追加ブレード側ブラケットとは左,右方向で対称な形状を有しているため、以下、左追加ブレード側ブラケットについて説明し、右追加ブレード側ブラケットについての説明は省略する。
第2の実施の形態による左追加ブレード側ブラケット51は、左追加ブレード30の後面30Bに設けられている。左追加ブレード側ブラケット51は、第1の実施の形態によるものと同様に、上,下方向で一定の間隔をもって平行に配置された上板51Aと下板51Bとにより構成され、これら上板51Aと下板51Bとは、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aと下板26Bを上,下方向から挟んでいる。
左追加ブレード側軸挿嵌孔52は、左追加ブレード側ブラケット51の上板51Aおよび下板51Bのうち、左追加ブレード30の右端部30Cから主ブレード24側に突出した右端側にそれぞれ設けられている。左追加ブレード側軸挿嵌孔52は、左主ブレード側軸挿嵌孔27と同一形状をなす正方形の四角孔として形成され、上板51Aおよび下板51Bを上,下方向に貫通している。これら上,下の左追加ブレード側軸挿嵌孔52は同軸上に配置され、後述の左連結軸53が嵌合するものである。
左連結軸53は、左主ブレード側ブラケット26と左追加ブレード側ブラケット51との間に設けられている。左連結軸53は、左主ブレード側軸挿嵌孔27と左追加ブレード側軸挿嵌孔52とに挿嵌されることにより、左追加ブレード側ブラケット51を左主ブレード側ブラケット26に対して回動可能に連結している。左連結軸53は、第1の実施の形態による左連結軸36と同様に、回動規制軸部としての上四角柱軸部53Aおよび下四角柱軸部53Bと、回動軸部としての上円柱軸部53Cおよび下円柱軸部53Dとを有し、これら上四角柱軸部53A、上円柱軸部53C、下四角柱軸部53B、下円柱軸部53Dが軸方向に連続して一体形成されている。左連結軸53の上四角柱軸部53Aには把手37が設けられている。また、左連結軸53の下円柱軸部53Dには環状溝53Eが形成され、この環状溝53Eには止め輪38が取付けられている。
凹窪部54は、左追加ブレード側ブラケット51の上板51Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔52の周縁部に設けられている。この凹窪部54は、上板51Aの上面のうち左追加ブレード側軸挿嵌孔52の周縁部を下方に数ミリ程度窪ませることにより形成された三角形状をなす4つの有底穴54Aからなっている。凹窪部54を構成する4つの有底穴54Aは、左追加ブレード側軸挿嵌孔52を所定角度(例えば45度)だけ回転させたときの4つの角部に対応した位置に配置されている。従って、左追加ブレード側軸挿嵌孔52に嵌合した左連結軸53を上方に持上げた状態で、左連結軸53を所定角度だけ回転させることにより、左連結軸53を構成する上四角柱軸部53Aの4つの角部は、凹窪部54の各有底穴54Aに係合する。これにより、凹窪部54は、左連結軸53を左追加ブレード側ブラケット51に対して廻止めすると共に、主ブレード24に対して左追加ブレード30を回動可能としている。一方、右追加ブレード側ブラケットに形成された右追加ブレード側軸挿嵌孔の周縁部にも凹窪部(いずれも図示せず)が設けられ、この凹窪部によって、右追加ブレード側ブラケットに対する右連結軸の廻止めが行われると共に、主ブレード24に対して右追加ブレード33を回動可能としている。
第2の実施の形態による排土装置は上述の如き凹窪部54を有するもので、その基本的作用については第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
然るに、第2の実施の形態では、左追加ブレード側軸挿嵌孔52の周縁部に凹窪部54を設けることにより、左連結軸53を左追加ブレード側ブラケット51に対して廻止めすることができるもので、以下、凹窪部54によって左連結軸53を廻止めする作用について説明する。
まず、比較対象として、第1の実施の形態において左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で回動変位させる場合について説明する。左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で回動変位させる場合には、図14に示すように、左連結軸36を上方に持上げ、左連結軸36を所定角度(例えば45度)だけ回転させることにより、上四角柱軸部36Aの下端を左追加ブレード側ブラケット31の上板31A上に載置する。これにより、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dは、左主ブレード側ブラケット26の左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側ブラケット31の左追加ブレード側軸挿嵌孔32に挿通される。
この状態で、左連結軸36を中心として左追加ブレード30を回動させたときに、上四角柱軸部36Aの下端が、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに対して滑りを生じた場合には、左追加ブレード30が回動する間に、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aに形成された左追加ブレード側軸挿嵌孔32の4つの角部と、左連結軸36の上四角柱軸部36Aの4つの角部とが上,下方向で一致する。このとき、左連結軸36の下四角柱軸部36Bの下端と左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bの上面との間に上,下方向の隙間があった場合には、この隙間分だけ左連結軸36が沈込み、上四角柱軸部36Aが、左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合する。これにより、左連結軸36は、左追加ブレード30と一体に回動するようになる。
このため、左追加ブレード30がさらに回動し、左追加ブレード側軸挿嵌孔32の4つの角部と左連結軸36の上四角柱軸部36Aの4つの角部とが再び上,下方向で一致すると、左連結軸36は自重により落下する。従って、上,下の四角柱軸部36A,36Bが、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に嵌合し、左追加ブレード30の回動が格納位置と伸展位置との間で規制されてしまう虞がある。
これに対し、第2の実施の形態においては、左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で回動変位させる場合には、左連結軸53を上方に持上げて所定角度(例えば45度)だけ回転させる。これにより、上四角柱軸部53Aの下端の4つの角部を、左追加ブレード側ブラケット51の上板51Aの上面に形成された凹窪部54の各有底穴54Aに係合させることができる。
これにより、左連結軸53は、上四角柱軸部53Aの下端が凹窪部54の各有底穴54Aによって支えられた状態(凹窪部54の各有底穴54Aに保持された状態)で、左追加ブレード30に対して廻止めされる。このため、左連結軸53は、凹窪部54に保持された状態で左追加ブレード30と一体に回動する。従って、左追加ブレード30が格納位置と伸展位置との間で回動する間に、左追加ブレード側軸挿嵌孔32の4つの角部と左連結軸53の上四角柱軸部53Aの4つの角部とが上,下方向で一致したとしても、左連結軸53が自重によって落下することがなく、上,下の四角柱軸部53A,53Bが、不用意に左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔52に嵌合するのを抑えることができる。
そして、左追加ブレード30が格納位置または伸展位置に回動変位したときには、左連結軸53を上方に持上げることにより、上四角柱軸部53Aの4つの角部の下端を凹窪部54の各有底穴54Aから離脱させる。そして、左連結軸53を回転させ、上,下の四角柱軸部53A,53Bを左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔52に嵌合させることにより、左追加ブレード30を格納位置または伸展位置に保持することができる。
かくして、第2の実施の形態によれば、左追加ブレード側軸挿嵌孔52の周縁部に凹窪部54を設け、この凹窪部54に左連結軸53の上四角柱軸部53Aを係合させることにより、左連結軸53を、凹窪部54の各有底穴54Aによって保持した状態で左追加ブレード側ブラケット51に対して廻止めすることができる。この結果、左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で回動変位させるときに、格納位置と伸展位置との間で左追加ブレード30の回動が不用意に規制されるのを抑え、左追加ブレード30を格納位置と伸展位置との間で円滑に回動させることができる。このことは、右連結軸(図示せず)を中心として格納位置と伸展位置との間で回動する右追加ブレード(図示せず)についても同様である。
しかも、図16に示すように、左連結軸53の上,下の円柱軸部53C,53Dは、左連結軸53の上四角柱軸部53Aが凹窪部54に係合した状態で、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔52に挿通される。このため、左連結軸53の上円柱軸部53Cの軸方向の長さ寸法L2′を、第1の実施の形態による左連結軸36の上円柱軸部36Cの長さ寸法L2よりも、凹窪部54の深さ寸法分だけ短くすることができる(L2′<L2)。この結果、左連結軸53の全長L′を、第1の実施の形態による左連結軸36の全長Lよりも短くすることができ(L′<L)、左連結軸53の軽量化を図ることができる。このことは、右連結軸(図示せず)についても同様である。
なお、実施の形態では、左連結軸36の下円柱軸部36Dに設けた環状溝36Eに止め輪38を取付け、この止め輪38が左追加ブレード側ブラケット31の下板31Bに当接することにより、左連結軸36を軸方向の上向きに抜止めする構成を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図17に示す第1の変形例のように構成してもよい。即ち、左連結軸36′の下四角柱軸部36Bの上端側(上円柱軸部36C側)に1個または複数個のボルト55を螺着し、このボルト55の頭部が左主ブレード側ブラケット26の下板26Bに当接することにより、左連結軸36′を軸方向の上向きに抜止めする構成としてもよい。この場合には、下円柱軸部36Dに環状溝36Eを設ける必要がなく、環状溝36Eを不要とした分、左連結軸36′の全長L″を短くすることができる。このことは、右連結軸(図示せず)についても同様である。
また、実施の形態では、左追加ブレード側ブラケット31を構成する上板31Aと下板31Bとにより、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aと下板26Bとを上,下方向から挟込む構造を例示している(図13参照)。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図18に示す第2の変形例のように、左主ブレード側ブラケット26を構成する上板26Aと下板26Bとにより、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aと下板31Bとを上,下方向から挟込む構成としてもよい。この場合には、左連結軸36の上端側に設けた把手37のストッパ部37Aが、左主ブレード側ブラケット26の上板26Aに当接することにより、左連結軸36を上,下方向に抜止めすることができる。このことは、右主ブレード側ブラケット28の上板28Aおよび下板28Bと、左追加ブレード側ブラケット31の上板31Aおよび下板31Bとの関係についても同様である。
また、実施の形態では、左連結軸36の上,下の円柱軸部36C,36Dを、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32に内接する円柱状に形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば上,下の円柱軸部36C,36Dの直径を、左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32の対辺の間隔よりも小さく設定してもよい。このことは、右連結軸39についても同様である。
また、実施の形態では、左主ブレード側ブラケット26および左追加ブレード側ブラケット31に、それぞれ正方形状の四角孔からなる左主ブレード側軸挿嵌孔27および左追加ブレード側軸挿嵌孔32を形成し、左連結軸36には、回動規制軸部として正方形の断面形状を有する上,下の四角柱軸部36A,36Bを形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれ限るものではなく、例えば左主ブレード側ブラケットおよび左追加ブレード側ブラケットに正方形以外の多角形、楕円等の非円形孔を形成し、左連結軸には非円形孔に対応する断面形状を有する回動規制軸部を設ける構成としてもよい。このことは、右主ブレード側ブラケット28、右追加ブレード側ブラケット34、右連結軸39についても同様である。
さらに、実施の形態では、主ブレード24の後面24Bに設けられる左主ブレード側ブラケット26を上板26Aおよび下板26Bによって構成し、左追加ブレード30の後面30Bに設けられる左追加ブレード側ブラケット31を上板31Aおよび下板31Bによって構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば左主ブレード側ブラケットおよび左追加ブレード側ブラケットを、それぞれ厚肉な1枚の板体によって構成してもよい。このことは、右主ブレード側ブラケットおよび右追加ブレード側ブラケットについても同様である。