JP6907860B2 - 偏光板用光学粘着シート及び偏光板 - Google Patents
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Description
項1.
粘着剤層を備える偏光板用光学粘着シートにおいて、
前記粘着剤層は、下記(A)成分、(B)成分及び(D)成分、
(A)(メタ)アクリルポリマー、
(B)イソシアネート架橋剤、
(D)帯電防止剤
を含む粘着剤組成物の硬化物であり、
前記(A)(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも
(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーと、
(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと
を含む(メタ)アクリルモノマーの重合体であり、該(メタ)アクリルモノマー100質量部あたり、前記(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーが0〜0.5質量部及び前記(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーが1〜10質量部含まれ、前記(A)(メタ)アクリルポリマーは、重量平均分子量が100万〜300万であり、前記粘着剤組成物は、前記(A)成分100質量部あたり、前記(B)成分を0.4〜0.8質量部含有し、
前記(D)成分は、ポリエーテル系可塑剤又はポリエーテルエステル系可塑剤中にフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が溶解した組成物であり、前記(A)成分100質量部あたり、前記(D)成分を0.5〜5質量部含有し、
前記硬化物は、ゲル分率が70%以上であり、
前記粘着剤層は、引張速度10mm/minの引張試験測定において、
破断伸度が600%以上、
ひずみ0.05〜10%での引張弾性率が1.5×105〜2.5×105Pa、
ひずみ300%での応力が0.08〜0.17N/mm2、かつ、
ひずみ600%での応力が0.12〜0.25N/mm2である力学特性を有し、
前記粘着剤層と無アルカリガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層とITOガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層の表面電気抵抗値が1×1011[Ω/□]未満である、偏光板用光学粘着シート。
項2.
前記粘着剤組成物は、下記(C)成分
(C)シランカップリング剤
をさらに含有し、
前記(A)成分100質量部あたり、前記(C)成分を0.1〜5質量部含有する、項1に記載の偏光板用光学粘着シート。
項3.
前記粘着剤層の厚みが1〜30μmである、項1又は2に記載の偏光板用光学粘着シート。
項4.
項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用光学粘着シートの粘着剤層を接着層として備える、偏光板。
破断伸度が600%以上、
ひずみ0.05〜10%での引張弾性率が1.5×105〜2.5×105Pa、
ひずみ300%での応力が0.08〜0.17N/mm2、かつ、
ひずみ600%での応力が0.12〜0.25N/mm2である力学特性を有する。さらに、前記粘着剤層と無アルカリガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層とITOガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層の表面電気抵抗値が1.0×1011[Ω/□]未満である。なお、以下、本発明の偏光板用光学粘着シートを「粘着シート」と略記することがある。
(A)成分:(メタ)アクリルポリマー、
(B)成分:イソシアネート架橋剤
を含む粘着剤組成物の硬化物とすることができる。
(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーと、
(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと
を含む(メタ)アクリルモノマーの重合体である。該(メタ)アクリルモノマー100質量部あたり、前記(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーが0〜0.5質量部及び前記(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーが1〜10質量部含まれ得る。なお、前記(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーは、0質量部でもよい。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着シートの採取重量)×100 (1)
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート(n−BuA)96質量部及び水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)4質量部を含む(メタ)アクリルモノマーと、酢酸エチル100質量部と、アソビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1質量部とを加えた。この反応容器内の空気を窒素ガスで置換し、反応容器内部を60℃に保持し、6時間反応を続けた。反応終了後、反応容器内を室温(25℃)まで冷却させた後、反応容器に酢酸エチルを加えることで、固形分20質量%の(メタ)アクリルポリマー(前記(メタ)アクリルモノマーの重合体)溶液(A−1)を得た。得られた(メタ)アクリルポリマー溶液中の(メタ)アクリルポリマー重量平均分子量(Mw)は180万であった。
(メタ)アクリルモノマーを、n−ブチルアクリレート89.9質量部、t−ブチルアクリレート(t−BuA)5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)5質量部、及び、アクリル酸(AA)0.1質量部を含む(メタ)アクリルモノマーに変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で(メタ)アクリルポリマー溶液(A−2)を得た。得られた(メタ)アクリルポリマー溶液中の(メタ)アクリルポリマー重量平均分子量(Mw)は170万であった。
(メタ)アクリルモノマーを、n−ブチルアクリレート98.95質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.05質量部、及び、アクリル酸(AA)1質量部を含む(メタ)アクリルモノマーに変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で(メタ)アクリルポリマー溶液(A−3)を得た。得られた(メタ)アクリルポリマー溶液中の(メタ)アクリルポリマー重量平均分子量(Mw)は170万であった。
(A)成分として製造例1で得られた(メタ)アクリルポリマー(A−1)100質量部(固形分換算)と、(B)成分としてTDI系架橋剤であるトリレンジイソシアネート(東ソー社製「コロネートL」)0.4質量部と、(C)成分としてシランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)0.2質量部と、(D)成分として帯電防止剤であるポリエーテルエステル系可塑剤中にフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が溶解した組成物(三光化学工業社製「サンコノールAD2600」)1質量部と、を混合して粘着剤組成物を調製した。
(B)成分を0.2質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(B)成分を0.8質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(B)成分を1.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(A)成分として製造例2で得られた(メタ)アクリルポリマー(A−2)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で偏光板用粘着シートを得た。
(B)成分を4質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(B)成分を0.05質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(D)成分を添加しなかったこと以外は、実施例3と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
(A)成分として製造例3で得られた(メタ)アクリルポリマー(A−3)に変更し、(B)成分を0.7質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で偏光板用光学粘着シートを得た。
GPC測定装置として、日本分光株式会社東ソー株式会社製示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機「HLC−8121GPC−HT」を使用し、東ソー株式会社製「TSKgel GMHHR−H(20)HT」を3本連結させたGPCカラムを使用して、重量平均分子量を測定した。カラム温度は40℃、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、流速1.0ml/分にて測定した。測定には、標準ポリスチレンを用いて検量線を作製した。
引張試験測定は、JIS K7161−1に準拠し、島津製作所製「オートグラフAGS−X」を使用した。引張速度は10mm/minとし、23℃、50%RHで測定した。厚さ20μm、幅60mm、長さ250mmの偏光板用光学粘着シートから両面セパレータを剥がして長さ方向に丸め、断面積5mm2、高さ60mmの円柱形状に加工し、これをサンプルとして引張試験測定を行った。引張試験測定において、チャック間距離は30mmとした。
粘着強度は、JIS Z0237に準拠し、島津製作所製「オートグラフAGS−X」を使用した。測定は23℃、50%RHで行った。粘着強度の測定に用いたITOガラスは、ジオマテック社製ITOガラス(抵抗値500Ω/sq)とし、無アルカリガラスは、コーニング社製「イーグルXG」とした。粘着強度の測定に用いる偏光板用光学粘着シート試験片の幅は25mmとした。裏打ち基材として、50μm厚みの東洋紡社製PETフィルム「コスモシャインA4300」を用いた。測定は、2kgfゴムローラーを1往復させて圧着させ、剥離速度300mm/minで180°方向に引きはがして剥離強度(180°剥離強度)を計測した。
各実施例及び比較例で得た偏光板用光学粘着シートを50mm×50mmにカットし、23℃50%環境下で1日静置した。次いで、片面のセパレータを剥離させ、露出した粘着剤層に抵抗値測定機〔三菱化学(株)製、Hiresta−UP、MCP−HT450〕を用いて、JIS K6911に準拠して、表面抵抗値を測定した。
粘着シート約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30ccを加えて24時間振とうした後、該サンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定した。得られた乾燥重量から下記式(1)によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着シートの採取重量)×100 (1)
(耐久性評価)
偏光板用光学粘着シートを貼りあわせた10インチサイズのガラス基材である無アルカリガラス及びITOガラスを準備し、それぞれの偏光板用光学粘着シートにさらに偏光フィルムを貼り合わせて各種の評価用サンプルを得た。この評価用サンプルをオートクレーブに収容し、0.5MPaの圧力下40℃で30分間保持した。その後、評価用サンプルを取り出して、−40℃で30分間保持し、次いで、85℃で30分間保持し、さらに−40℃で30分間保持するというサイクル試験を100回繰り返し行った。このサイクル試験の後、偏光フィルムと無アルカリガラス貼り合わせ面及び偏光フィルムとITOガラス貼り合わせ面の剥離状態と気泡発生状況とを10倍拡大鏡で観察し、それぞれ下記基準により評価した。
[剥離状態]
◎:剥離は全く見られなかった。
〇:最大長さが0.2mm未満の剥離が見られた。
×:最大長さが0.2mm以上の剥離が見られた。
[気泡発生状況]
◎:気泡の発生は見られなかった。
〇:最大長さが0.2mm未満の気泡の発生が見られた。
×:最大長さが0.2mm以上の気泡の発生が見られた。
ITO層付きガラス基材のITO層の表面電気抵抗値をデジタルマルチメータ(CUSTOM(株)製、CDM−2000D)を用いて測定した。次に各実施例及び比較例で得た偏光板用光学粘着シートのセパレータを剥がしてPET基材に貼合し、サンプルサイズが20mm×70mmになるように裁断し、シートサンプルを得た。他方、ITOガラスのITO蒸着層に、間隔が65mmとなるよう銀ペーストを塗布し、乾燥させた。次に、銀ペーストを橋掛けするように、前記シートサンプルの粘着剤層側の面を貼り合わせることで、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルを、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿層内で240時間処理した。その後、測定サンプルを取り出して常温に戻した後、銀ペーストを介して測定サンプルの電気抵抗値を測定した。試験前後の抵抗変化率を下記式により算出し、以下の基準で評価した。
抵抗変化率(%)=[(試験後表面抵抗値)―(試験前表面抵抗値)]/[試験前表面抵抗値]×100
○:抵抗変化率が50%未満である。
×:抵抗変化率が50%以上である。
Claims (4)
- 粘着剤層を備える偏光板用光学粘着シートにおいて、
前記粘着剤層は、下記(A)成分、(B)成分及び(D)成分、
(A)(メタ)アクリルポリマー、
(B)イソシアネート架橋剤、
(D)帯電防止剤
を含む粘着剤組成物の硬化物であり、
前記(A)(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも
(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーと、
(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと
を含む(メタ)アクリルモノマーの重合体であり、該(メタ)アクリルモノマー100質量部あたり、前記(a1)カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーが0〜0.5質量部及び前記(a2)水酸基含有(メタ)アクリルモノマーが1〜10質量部含まれ、前記(A)(メタ)アクリルポリマーは、重量平均分子量が100万〜300万であり、前記粘着剤組成物は、前記(A)成分100質量部あたり、前記(B)成分を0.4〜0.8質量部含有し、
前記(D)成分は、ポリエーテル系可塑剤又はポリエーテルエステル系可塑剤中にフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が溶解した組成物であり、前記(A)成分100質量部あたり、前記(D)成分を0.5〜5質量部含有し、
前記硬化物は、ゲル分率が70%以上であり、
前記粘着剤層は、引張速度10mm/minの引張試験測定において、
破断伸度が600%以上、
ひずみ0.05〜10%での引張弾性率が1.5×105〜2.5×105Pa、
ひずみ300%での応力が0.08〜0.17N/mm2、かつ、
ひずみ600%での応力が0.12〜0.25N/mm2である力学特性を有し、
前記粘着剤層と無アルカリガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層とITOガラスとの粘着強度が4〜8N/25mmであり、
前記粘着剤層の表面電気抵抗値が1×1011[Ω/□]未満である、偏光板用光学粘着シート。 - 前記粘着剤組成物は、下記(C)成分
(C)シランカップリング剤
をさらに含有し、
前記(A)成分100質量部あたり、前記(C)成分を0.1〜5質量部含有する、請求項1に記載の偏光板用光学粘着シート。 - 前記粘着剤層の厚みが1〜30μmである、請求項1又は2に記載の偏光板用光学粘着シート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用光学粘着シートの粘着剤層を接着層として備える、偏光板。
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