以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1において、情報処理システム1は、画像形成装置10、配信サーバ装置20及びアドレス帳管理装置30等を含む。画像形成装置10と配信サーバ装置20、配信サーバ装置20とアドレス帳管理装置30は、例えば、インターネット等のネットワークを介して接続されている。
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等のうちの二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、スキャン機能を単体で有する機器が画像形成装置10として用いられてもよい。本実施の形態において、画像形成装置10は、配信対象の画像データの入力元として機能する。
配信サーバ装置20は、画像形成装置10において入力された画像データについて、配信処理等のクラウドサービスを提供する1以上のコンピュータである。本実施の形態において、配信サーバ装置20は、配信対象の画像データのファイル名に含められる文字列の候補を生成する。当該文字列の候補は、例えば、画像データの配信先の候補に関する情報から取得(抽出)される。
アドレス帳管理装置30は、画像形成装置10を利用可能な各ユーザのアドレス帳を記憶する1以上のコンピュータである。アドレス帳とは、スキャン画像の配信先の候補のアドレス情報(例えば、メールアドレス)の一覧をいう。例えば、クラウドストレージがアドレス帳管理装置30として利用されてもよい。
図2は、第1の実施の形態における配信サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。図2の配信サーバ装置20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200、補助記憶装置202、メモリ装置203、CPU204、及びインタフェース装置205等を有する。
配信サーバ装置20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従って配信サーバ装置20に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
図3は、第1の実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。図3において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
図4は、第1の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。図4において、画像形成装置10は、配信制御部121及びジョブ実行部122等を有する。これら各部は、画像形成装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU111に実行させる処理により実現される。
配信制御部121は、画像形成装置10においてスキャンされた画像データ(以下、「スキャン画像」という。)を配信サーバ装置20に配信させるために必要とされる処理全体を制御する。
ジョブ実行部122は、画像形成装置10にセットされた原稿から画像データをスキャンするためのジョブを実行する。
配信サーバ装置20は、認証部211、ユーザ管理部212、辞書情報取得部213、抽出部214及び配信処理部215等を有する。これら各部は、配信サーバ装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。配信サーバ装置20は、また、ユーザ情報記憶部231及び辞書取得情報記憶部232等を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置202、又は配信サーバ装置20にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
認証部211は、画像形成装置10のユーザについて認証処理を行う。ユーザ管理部212は、認証されたユーザ(以下、「ログインユーザ」という。)に関してユーザ情報記憶部231に記憶されている情報を、画像形成装置10からの要求に応じて返信する。第1の実施の形態において、ユーザ管理部212は、ログインユーザに関してユーザ情報記憶部231に記憶されている、本人のアドレス情報(例えば、メールアドレス等)を返信する。第1の実施の形態において画像形成装置10においてスキャンされた画像データは、本人のアドレス情報(以下、「本人アドレス」という。)宛てに配信されるからである。
ユーザ情報記憶部231には、画像形成装置10を利用可能なユーザごとに、ユーザID及びパスワード等の認証情報や、本人アドレス、並びにアドレス帳管理装置30への認証情報等が記憶されている。アドレス帳管理装置30への認証情報とは、アドレス帳管理装置30にログインするための情報であり、例えば、ユーザID及びパスワードである。
辞書情報取得部213は、スキャン画像に対して付与されるファイル名の候補となる文字列の抽出元となる情報(以下、「抽出元情報」という。)を、辞書取得情報記憶部232に記憶されている情報に基づいて、アドレス帳管理装置30から取得する。
辞書取得情報記憶部232には、抽出元情報を記憶しているアドレス帳管理装置30を識別するための情報等が記憶されている。
抽出部214は、辞書情報取得部213によって取得された抽出元情報から、スキャン画像に対して付与されるファイル名の候補となる文字列を抽出する。抽出された文字列の一覧を「辞書情報」という。
配信処理部215は、スキャン画像の配信処理を実行する。
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。図5は、第1の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図5の処理手順の開始時において、画像形成装置10の操作パネル15には、例えば、配信サーバ装置20からダウンロードされたHTML(HyperText Markup Language)データに基づいて、ログイン画面が表示されている。
ユーザが、ログイン画面を介してユーザID及びパスワードを入力すると、配信制御部121は、当該ユーザID及びパスワードを含む認証要求を配信サーバ装置20へ送信する(S110)。配信サーバ装置20の認証部211は、当該認証要求に含まれているユーザID及びパスワードについて認証処理を実行する(S120)。具体的には、当該ユーザID及びパスワードを含むレコードがユーザ情報記憶部231に記憶されているか否かが判定される。該当するレコードが有る場合、認証は成功であると判定され、当該レコードがログインユーザに対応するレコード(以下、「ログインユーザレコード」という。)として特定される。一方、該当するレコードが無い場合、認証は失敗であると判定される。
続いて、認証部211は、認証処理の結果を画像形成装置10に返信する(S130)。認証処理の結果とは、認証処理の成否を示す情報をいう。
認証処理の結果が、認証に失敗したことを示す場合、ステップS140以降は実行されない。認証処理の結果が、認証に成功したことを示す場合、ステップS140以降が実行される。
ステップS140において、配信制御部121は、ログインユーザの本人アドレスの取得要求を配信サーバ装置20へ送信する。配信サーバ装置20のユーザ管理部212は、当該取得要求に応じ、ログインユーザレコードに記憶されている本人アドレスを返信する(S150)。
続いて、配信制御部121は、辞書情報の取得要求を配信サーバ装置20へ送信する(S160)。配信サーバ装置20の辞書情報取得部213は、当該取得要求に応じ、辞書取得情報記憶部232を参照する(S170)。
図6は、第1の実施の形態における辞書取得情報記憶部232の構成例を示す図である。図6において、辞書情報記憶部には、辞書識別子、辞書ラベル、抽出条件、外部サービス情報及び取得方法識別子等を含むレコード(辞書取得情報)が記憶されている。
辞書識別子は、当該レコードに基づいて生成される辞書情報に対する識別子である。辞書ラベルは、当該辞書情報に対するラベルである。抽出条件は、抽出元情報を構成する項目のうち、抽出対象とする項目を示す情報である。外部サービス情報は、当該抽出元情報の取得先のアドレス帳管理装置30の識別情報である。取得方法識別子は、当該アドレス帳管理装置30から抽出元情報を取得するための実装(例えば、ライブラリ等)に対する識別子である。
なお、図6では、1つのレコードのみが記憶されている例が示されているが、辞書取得情報記憶部232には、複数のレコードが記憶されていてもよい。この場合、複数のレコードが利用されてもよい。又は、ユーザごとに、辞書識別子がユーザ情報記憶部231において関連付けられており、ログインユーザに対応する辞書識別子を含むレコードが利用されてもよい。
続いて、辞書情報取得部213は、抽出元情報の取得要求を、辞書取得情報の外部サービス情報によって識別されるアドレス帳管理装置30へ送信する(S180)。当該取得要求には、ログインレコードにおいて、アドレス帳管理装置30に関して記憶されている認証情報が含まれる。又は、当該認証情報に基づいてアドレス帳管理装置30へのログインが行われた後に、当該取得要求が送信されてもよい。なお、当該取得要求は、辞書取得情報の取得方法識別子によって識別される実装(ロジック)に基づいて行われる。
続いて、アドレス帳管理装置30は、当該取得要求に係る認証情報に対応する抽出元情報(すなわち、配信サーバ装置20へのログインユーザに対応する抽出元情報)を返信する(S190)。
図7は、第1の実施の形態における抽出元情報の一例を示す図である。第1の実施の形態では、ログインユーザに関して記憶されているアドレス帳が抽出元情報とされる。図7では、配信先の各候補に関する情報を構成する項目ごとに、キー及び値が含まれている。具体的には、候補ごとに、name、nameKana、companyName、phoneNumber1、companyAddress及びemail等が含まれている。
namaeは、候補の氏名である。nameKanaは、候補の氏名の仮名である。companyNameは、候補が所属する会社の名前である。phoneNumber1は、候補の電話番号である。companyAddressは、候補が所属する会社の住所である。emailは、候補のメールアドレスである。
なお、図7では、3つの候補を含むアドレス帳が示されている。
続いて、辞書情報取得部213は、当該抽出元情報からの文字列の抽出を抽出部214に要求する(S200)。抽出部214は、辞書取得情報(図6)の抽出条件に従って、当該抽出元情報から文字列を抽出する(S210)。
図6において、抽出条件は、「キー:companyName」である。これは、companyNameに対応する値が抽出対象であることを示す。したがって、当該抽出条件が図7に示される抽出元条件に適用された場合、図17に示されるような抽出結果が得られる。
図8は、第1の実施の形態における抽出結果の一例を示す図である。図8に示されるように、「株式会社R」及び「株式会社RJ」が辞書情報を構成する文字列として抽出される。なお、図7からcompanyNameを抽出した場合、「株式会社R」が2つ抽出される。このように、重複する文字列が抽出された場合、抽出部214は、重複を排除した結果を抽出結果とする。
また、抽出条件は、例えば、ステップS160の前においてユーザによって画像形成装置10に入力されるようにしてもよい。この場合、ステップS160では、当該抽出条件が配信サーバ装置20へ送信されるようにしてもよい。抽出部214は、当該抽出条件に
基づいて文字列を抽出してもよい。
続いて、抽出部214は、抽出結果を辞書情報取得部213へ出力する(S220)。辞書情報取得部213は、当該抽出結果を含む辞書情報を、配信制御部121へ返信する(S230)。この際、抽出結果そのものが辞書情報とされてもよいし、抽出結果に対して所定の情報が付加された結果が、辞書情報とされてもよい。例えば、抽出結果に対して、辞書取得情報のラベルが付加された結果が、辞書情報とされてもよい。
配信制御部121は、当該辞書情報を受信すると、ファイル名設定画面を操作パネル15に表示する(S240)。
図9は、ファイル名設定画面の表示例を示す図である。図9において、ファイル名設定画面510は、ファイル名入力領域511及び文字列選択領域512等を含む。
ファイル名入力領域511は、スキャン画像に対するファイル名の入力を受け付けるための領域である。文字列選択領域512は、辞書情報に含まれる文字列の中から、ファイル名に含める文字列の選択を受け付けるための領域である。
ユーザが、文字列選択領域512からいずれかの文字列を選択すると当該文字列がファイル名入力領域511に表示される。なお、ユーザは、表示された文字列の前方又は後方に、任意の文字列を追加してもよい。また、ユーザは、文字列選択領域512に表示された複数の文字列を選択してもよい。この場合、各文字列を接続するための文字(各文字列の間に挿入される文字)が予め設定されてもよい。更に、ユーザは、文字列選択領域512に表示された文字列を選択せずに、ファイル名の全部を手入力してもよい。
ファイル名設定画面510においてファイル名が入力された後、配信制御部121は、スキャン条件を設定させるための画面を操作パネル15に表示してもよい。この場合、ユーザによって設定されたスキャン条件が有効とされる。又は、スキャン条件は、予め画像形成装置10に記憶されていてもよい。
続いて、配信制御部121は、スキャンの実行をジョブ実行部122へ要求する(S250)。当該要求には、スキャン条件が含まれる。ジョブ実行部122は、当該スキャン条件に従って、画像形成装置10にセットされた原稿についてスキャンジョブを実行する(S260)。その結果、スキャナ12によって、当該原稿からスキャン画像が読み取られる。ジョブ実行部122は、当該スキャン画像を配信制御部121へ出力する(S270)。
続いて、配信制御部121は、当該スキャン画像の配信要求を配信サーバへ送信する(S280)。当該配信要求には、本人アドレス及びスキャン画像等が含まれる。本人アドレスは、スキャン画像の配信先の情報である。また、スキャン画像には、ファイル名設定画面510を介して入力されたファイル名に係るファイルに格納された状態で当該配信要求に含められる。すなわち、配信制御部121は、当該スキャン画像に対して、ファイル名設定画面510を介して入力されたファイル名を付与する。
配信サーバ装置20の配信処理部215は、当該配信要求に応じ、当該配信要求に指定されている本人アドレス宛に、当該スキャン画像を格納したファイルを配信(送信)する(S290)。
上述したように、第1の実施の形態によれば、配信先に関する情報の一例であるアドレス帳から、スキャン画像のファイル名に含められる文字列の候補が抽出され、当該候補の一覧がユーザに対して提示される。したがって、予め、ファイル名に含める文字列の候補について辞書情報を作成する手間を省くことができる。その結果、配信対象のデータの識別情報に含める文字列の候補の作成負担を軽減することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
図10は、第2の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。図10中、図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図10において、配信サーバ装置20は、アドレス帳取得部216を有する。アドレス帳取得部216は、配信サーバ装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。アドレス帳取得部216は、スキャン画像の配信先を選択させるために、アドレス帳管理装置30からログインユーザのアドレス帳を取得する。すなわち、第2の実施の形態では、スキャン画像の配信先がアドレス帳から選択される例が示される。
図11は、第2の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図11中、図5と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図11では、ステップS140の代わりにステップS140aが実行される。ステップS140aにおいて、配信制御部121は、ログインユーザのアドレス帳の取得要求を配信サーバ装置20へ送信する。
配信サーバ装置20のアドレス帳取得部216は、アドレス帳の取得要求を、辞書取得情報(図6)の外部サービス情報によって識別されるアドレス帳管理装置30へ送信する(S141)。当該取得要求は、ステップS180と同様の処理によって送信されてもよい。
続いて、アドレス帳管理装置30は、当該取得要求に係る認証情報に対応するアドレス帳(すなわち、配信サーバ装置20へのログインユーザに対応するアドレス帳)を返信する(S142)。アドレス帳取得部216は、当該アドレス帳を画像形成装置10へ返信する(S150a)。
続いて、配信制御部121は、当該アドレス帳に含まれている配信先の候補の一覧を含む配信先選択画面を操作パネル15に表示させる(S151)。当該配信先選択画面を介して、1以上の候補がユーザによって選択される。または、アドレス帳に含まれていない配信先のアドレス情報が、配信先選択画面に対して手入力されてもよい。
以降の各ステップは、第1の実施の形態と同様でよい。但し、ステップS280の配信要求には、ステップS151に応じて選択された候補の一覧が含まれる。したがって、ステップS290では、当該一覧に含まれる各候補へスキャン画像が配信される。
上述したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では第2の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第2の実施の形態と同様でもよい。
図12は、第3の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図12中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図12において、情報処理システム2は、更に、配信先管理装置40を含む。配信先管理装置40は、例えば、インターネット等のネットワークを介して配信サーバ装置20に接続される。
配信先管理装置40は、スキャン画像の配信先の候補に関する情報をユーザごとに記憶する1以上のコンピュータである。例えば、クラウドストレージが配信先管理装置40として利用されてもよい。なお、第3の実施の形態では、アドレス帳に含まれる候補ではなく、配信先管理装置40によって管理される情報(以下、「配信先候補情報」という。)に含まれる候補が、スキャン画像の配信先の候補とされる。例えば、配信先候補情報は、スキャン画像の配信先の候補となるクラウドストレージの一覧情報であってもよい。
図13は、第3の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。図13中、図10と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図13において、配信サーバ装置20は、配信先情報取得部217を有する。配信先情報取得部217は、配信サーバ装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。配信先情報取得部217は、スキャン画像の配信先を選択させるために、配信先管理装置40からログインユーザの配信先情報を取得する。
図14は、第3の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図14中、図11と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図11では、ステップS140aの代わりにステップS140bが実行される。ステップS140aにおいて、配信制御部121は、ログインユーザの配信先情報の取得要求を配信サーバ装置20へ送信する。
配信サーバ装置20の配信先情報取得部217は、配信先情報の取得要求を配信先管理装置40へ送信する(S141b)。当該取得要求には、例えば、ユーザ情報記憶部231においてユーザごとに記憶されている、配信先管理装置40に対する認証情報(例えば、ユーザID及びパスワード)が含まれる。
続いて、配信先管理装置40は、当該取得要求に係る認証情報に対応する配信先情報(すなわち、配信サーバ装置20へのログインユーザに対応する配信先情報)を返信する(S142b)。配信先情報取得部217は、当該配信先情報を画像形成装置10へ返信する(S150b)。
続いて、配信制御部121は、当該配信先情報に含まれている配信先の候補の一覧を含む配信先選択画面を操作パネル15に表示させる(S151b)。当該配信先選択画面を介して、1以上の配信先がユーザによって選択される。または、配信先情報に含まれていない配信先の識別情報が、配信先選択画面に対して手入力されてもよい。
以降の各ステップは、第2の実施の形態と同様でよい。但し、ステップS280の配信要求には、ステップS151bに応じて選択された配信先の一覧が含まれる。したがって、ステップS290では、当該一覧に含まれる各配信先(例えば、クラウドストレージ)へスキャン画像が配信(アップロード)される。
上述したように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では第3の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第3の実施の形態と同様でもよい。
図15は、第4の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図15中、図14と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図15では、ステップS190に続いて、ステップS191が実行される。すなわち、第4の実施の形態では、辞書取得情報記憶部232に、図16に示されるようなレコードが記憶されていることとする。
図16は、第4の実施の形態における辞書取得情報記憶部232の構成例を示す図である。図16には2つのレコードが示されている。1番目のレコードは、図6と同じである。したがって、ステップS180及びS190では、上記各実施の形態と同様に、ログインユーザのアドレス帳が抽出元情報として取得される。
2番目のレコードは、第4の実施の形態において追加されたレコードである。当該レコードの外部サービス情報の値(「サービス2」)は、配信先管理装置40の識別情報である。当該レコードの取得方法識別子(「get−hierarchy」)は、配信先管理装置40から抽出元情報を取得するための実装に対する識別子である。
したがって、ステップS191では、2番目のレコードの外部サービス情報に係る配信先管理装置40に対して、「get−hierarchy」を識別子とする実装に基づいて、抽出元情報の取得要求が送信される。なお、当該取得要求には、ログインレコードにおいて、配信先管理装置40に関して記憶されている認証情報が含まれる。
続いて、配信先管理装置40は、当該取得要求に係る認証情報に対応する抽出元情報(すなわち、配信サーバ装置20へのログインユーザに対して配信先管理装置40に記憶されている抽出元情報)を返信する(S192)。
図17は、第4の実施の形態における抽出元情報の例を示す図である。図17に示される抽出元情報は、配信先の候補となるフォルダの階層構造を示す階層情報である。すなわち、ステップS191における抽出元情報の取得要求は、当該階層情報の取得要求に該当する。
当該階層情報は、フォルダごとに、name、id及びparentId等のキーに対する値を含む。nameは、フォルダ名である。idは、フォルダの識別情報(以下、「フォルダID」という。)である。parentIdは、親フォルダのフォルダIDである。
当該階層構造では、「フォルダ3/フォルダ2/フォルダ1」という階層構造が示されている。
続いて、辞書情報取得部213は、ステップS190において取得された抽出元情報(図7)と、ステップS192において取得された抽出元情報(図17)とからの文字列の抽出を抽出部214に要求する(S200a)。抽出部214は、各抽出元情報に対応する抽出条件に従って、各抽出元情報から文字列を抽出する(S210a)。ステップS190において取得された抽出元情報(図7)からの抽出結果(以下、「第1の抽出結果」という。)は、図8に示した通りである。ステップS192において取得された抽出元情報(図17)に対しては、図16よれば、「キー:name/階層3」という抽出条件が適用される。これは、上位から3階層目までの各階層(フォルダ)のnameの値を取得することを示す。したがって、図18に示されるような抽出結果が得られる。
図18は、第4の実施の形態における抽出結果の一例を示す図である。図18では、図17に示した階層情報から、各フォルダのフォルダ名が抽出された結果(以下、「第2の抽出結果」という。)が示されている。
続いて、抽出部214は、第1の抽出結果及び第2の抽出結果を辞書情報取得部213へ出力する(S220a)。辞書情報取得部213は、当該抽出結果を含む辞書情報を画像形成装置10へ返信する(S230a)。
図19は、第4の実施の形態における辞書情報の一例を示す図である。図19に示される辞書情報において、dictionary1に係る括弧で囲まれた部分p1は、辞書取得情報記憶部232において、dictionary1を辞書識別子として含むレコード(辞書取得情報)に基づいて生成された辞書情報である。一方、dictionary2に係る括弧で囲まれた部分1は、辞書取得情報記憶部232において、dictionary2を辞書識別子として含むレコード(辞書取得情報)に基づいて生成された辞書情報である。
なお、図19では、各辞書情報に対応する辞書取得情報のラベルの値が各辞書に付与された例が示されている。
配信制御部121は、当該辞書情報を受信すると、ファイル名設定画面510を操作パネル15に表示する(S240a)。この場合、「株式会社R」、「株式会社RJ」、「フォルダ1」、「フォルダ2」、「フォルダ3」を、文字列選択領域512における選択候補として含むファイル名設定画面510が表示される。
上述したように、第4の実施の形態によれば、複数種類の抽出元情報から辞書情報が抽出される。したがって、スキャン画像のファイル名(識別情報)に含める文字列の選択肢を多様化することができる。
次に、画像形成装置60の異なる機能についての外部のコンピュータとの連携について以下の各実施形態において説明する。
ファクス(FAX)送信される文書には、送付先及び送付元に関する情報が記載されたFAX送付状が最初のページに添付されるのが一般的である。そうすることで、FAX送信された文書の受信側では、当該文書を受け取るべき人を容易に判別することができる。又、当該文書の受取人は、当該文書の送付者を容易に判別することができる。
しかし、FAXの送付状は、FAX送信される文書とは別にPC(Personal Computer)等を利用して作成され、プリンタによって印刷した後に、当該文書に添付される必要が有り、FAX送信者の作業負担が大きかった。
そこで、以下の各実施の形態は、FAX送信の操作負担を軽減することを目的とする。
なお、特願2014−120898号候公報には、ユーザが入力した送信先情報に基づいて送付状を作成する技術が開示されている。しかし、初めての送付先の場合には、ユーザが送信先情報を入力する必要があるため、作業負担の軽減としては不十分である。
図20は、第5の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図20において、情報処理システム3は、画像形成装置60、Webサーバ装置70及び外部装置91等を含む。画像形成装置60とWebサーバ装置70、Webサーバ装置70と外部装置91は、例えば、インターネット等のネットワークを介して接続されている。
画像形成装置60は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等のうちの二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、FAX機能を単体で有する機器が画像形成装置60として用いられてもよい。
Webサーバ装置70は、画像形成装置60において送信されるFAXの送付状の生成等のクラウドサービスを提供する1以上のコンピュータである。
外部装置91は、FAXの送付先の各候補のアドレス情報を記憶する1以上のコンピュータである。アドレス情報は、FAX番号や当該候補の属性情報等を含む情報である。
なお、Webサーバ装置70のハードウェア構成は、例えば、図2に示した通りでよい。また、画像形成装置60のハードウェア構成は、例えば、図3に示した通りでよい。
図21は、第5の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。図21において、画像形成装置60は、操作制御部611及びジョブ実行部612等を有する。これら各部は、画像形成装置60にインストールされた1以上のプログラムが、画像形成装置60のCPUに実行させる処理により実現される。
操作制御部611は、画像形成装置60の操作パネルへの画面の表示や、当該画面に対するユーザからの操作に応じた処理の制御等を行う。
ジョブ実行部612は、FAX送付状の印刷やFAX送信の実行等を制御する。
Webサーバ装置70は、Webページ管理部71、ユーザ管理部72、アドレス情報取得部73及び送付状生成部74等を有する。これら各部は、Webサーバ装置70にインストールされた1以上のプログラムが、Webサーバ装置70のCPUに実行させる処理により実現される。Webサーバ装置70は、また、ユーザ情報記憶部711、外部情報記憶部712、及びテンプレート記憶部713等を利用する。これら各記憶部は、例えば、Webサーバ装置70の補助記憶装置、又はWebサーバ装置70にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
Webページ管理部71は、画像形成装置60の操作パネルに画面を表示させるWebページの生成等を行う。
ユーザ管理部72は、画像形成装置60のユーザの認証等を行う。各ユーザのユーザID及びパスワード等は、ユーザ情報記憶部711に記憶されている。
アドレス情報取得部73は、FAXの送付先の各候補のアドレス情報を外部装置91から取得する。外部装置91の識別情報は、外部情報記憶部712に記憶されている。
送付状生成部74は、アドレス情報取得部73によって取得されるアドレス情報の中から画像形成装置60のユーザによって選択されるアドレス情報を、テンプレート記憶部713に記憶されているFAX送付状のテンプレートデータに適用することで、送付状の電子データ(以下、「送付状データ」という。)を生成する。
図22は、第5の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
ユーザが操作を開始すると、画像形成装置60の操作制御部611は、ログイン画面の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S310)。Webサーバ装置70のWebページ管理部71は、当該取得要求に応じ、ログイン画面のWebページを返信する(S320)。操作制御部611は、当該Webページに基づいて、ログイン画面を画像形成装置60の操作パネルに表示する。
ユーザが、ログイン画面を介してユーザID及びパスワードを入力すると、操作制御部611は、当該ユーザID及びパスワードを含む認証要求をWebサーバ装置70へ送信する(S330)。Webサーバ装置70のユーザ管理部72は、当該認証要求に含まれているユーザID及びパスワードについて、ユーザ情報記憶部711に記憶されているユーザID及びパスワードとの照合に基づいて認証処理を実行する(S340)。続いて、ユーザ管理部72は、認証処理の結果を画像形成装置60に返信する(S350)。
認証に成功した場合、操作制御部611は、FAXに関するアプリケーション(以下、「FAXアプリ」という。)の画面に関するWebページの取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S360)。Webサーバ装置70のWebページ管理部は、当該操作画面のWebページを返信する(S370)。画像形成装置60の操作制御部611は、当該Webページを受信すると、当該Webページの定義に基づいて、FAXの送付先の候補の一覧の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S380)。
Webサーバ装置70のアドレス情報取得部73は、当該取得要求に応じ、外部情報記憶部712から外部装置91の識別情報(例えば、IPアドレス等)を取得する(S390)。続いて、アドレス情報取得部73は、当該識別情報に係る外部装置91へアドレス情報の一覧(以下、「アドレス一覧」という。)の取得要求を送信する(S400)。当該取得要求には、ログインユーザのユーザIDに関連付けられてユーザ情報記憶部711に記憶されている、外部装置91に対する認証情報が含まれる。外部装置91は、当該認証情報に基づく認証に成功すれば、外部装置91に記憶されているアドレス一覧を返信する(S410)。
図23は、アドレス情報の構成例を示す図である。図23には、1つの送付先候補に関するアドレス情報の例が示されている。図23に示されるように、1つのアドレス情報は、id、name、nameKana、nameAlphabet、phoneNumber、faxNumber、email、companyName、companyNameKana、companyPhoneNumber、companyAddress、departmentName、departmentNameKana、departmentPhoneNumber、及びdepartmentAddress等の項目名に対する値を含む。
idは、送付先候補の識別子(ID)である。nameは、送付先候補の氏名である。nameKanaは、送付先候補の氏名の仮名である。nameAlphabetは、送付先候補の氏名のアルファベット表記である。phoneNumberは、送付先候補の電話番号である。faxNumberは、送付先候補のFAX番号である。emailは、送付先候補のメールアドレスである。companyNameは、送付先候補が所属する会社の名前である。companyNameKanaは、当該会社の名前の仮名である。companyPhoneNumberは、当該会社の電話番号である。companyAddressは、当該会社の住所である。departmentNameは、送付先候補が所属する部署の名前である。departmentNameKanaは、当該部署の名前の仮名である。departmentPhoneNumberは、当該部署の電話番号である。departmentAddressは、当該部署の住所である。
なお、ユーザごとに異なるアドレス一覧が外部装置91に記憶されていてもよい。この場合、ログインユーザに対応するアドレス一覧が返信される。
続いて、アドレス情報取得部73は、当該アドレス一覧を画像形成装置60へ返信する(S420)。画像形成装置60の操作制御部611は、当該アドレス一覧を受信すると、当該アドレス一覧をステップS370において受信したWebページに当てはめて、送付先選択画面を操作パネルに表示する。
図24は、第5の実施の形態における送付先選択画面の表示例を示す図である。図24において、送付先選択画面520は、FAX番号表示領域521及び送付先選択領域522等を含む。
FAX番号表示領域521は、FAX番号の入力を受け付けるための領域である。送付先選択領域522は、アドレス一覧にアドレス情報が含まれる各送付先候補の中から、FAXの送付先の選択を受け付けるための領域である。
ユーザが、送付先選択領域522からいずれかの送付先候補を選択すると、当該送付先のFAX番号(faxNumberの値)がFAX番号表示領域521に表示される。また、いずれかの送付先候補の選択に応じ、操作制御部611は、FAX送付状の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S440)。当該取得要求には、選択された送付先候補のアドレス情報(以下、「送付先情報」という。)が含まれる。
Webサーバ装置70の送付状生成部74は、当該取得要求に応じ、テンプレート記憶部713からテンプレートデータを取得する(S450)。
図25は、テンプレートデータの構成例を示す図である。図25に示されるように、テンプレートデータ530は、FAX送付状の雛型である。但し、送付先ごとに異なる可能性の有る部分(項目)については、当該部分に適用されるべき情報に対する識別子が付与されている。各識別子は、送付先情報を構成するいずれかの項目の項目名である。
例えば、項目531〜535には、それぞれ、送付先情報のcompanyName、departmentName、name、phoneNumber、faxNumberによって置換されることが示されている。
また、日付のような、送付先に依存しない情報については、当該情報を示すキーワードによって表現されている。例えば、項目536のdateは、当日の日付によって置き換えられるべきことを示す。
続いて、送付状生成部74は、テンプレートデータに対して送付先情報を適用して、送付状データを生成する(S460)。すなわち、テンプレートデータにおける各識別子が、送付先情報において当該識別子の示す項目名に対応する値によって置換される。またテンプレートデータにおけるキーワードが、当該キーワードの意味に対応する値によって置換される。
図26は、送付状データの一例を示す図である。図26に示されるように、送付状データでは、図25のテンプレートデータ530の項目531〜536が、送付先情報に含まれている値、又はキーワードに対応する値によって置換されている。
続いて、送付状生成部74は、生成した送付状データを画像形成装置60へ返信する(S470)。画像形成装置60の操作制御部611は、当該送付状データを受信すると、当該送付状データの印刷をジョブ実行部612に要求する(S480)。ジョブ実行部612は、当該送付状データの印刷を画像形成装置60に実行させる(S490)。その結果、送付先に関する情報が印字された送付状が出力される。
ユーザが、当該送付状とFAX送信対象の文書とを画像形成装置60にセットして、必要に応じてFAX送信条件を設定した上でFAXの実行指示を入力すると、操作制御部611は、FAX送信の実行をジョブ実行部612に要求する(S500)。なお、当該要求には、送付先選択画面520を介してユーザによって選択された送付先候補のFAX番号も含まれる。ジョブ実行部612は、当該要求に応じ、当該FAX番号宛てに、当該送付状及びFAX送信対象の文書についてFAX送信を実行する(S510)。
上述したように、第5の実施の形態によれば、ユーザが、PC(Personal Computer)等を利用してFAX送付状を作成する必要性を低減することができる。その結果、FAX送信のための操作負担を軽減することができる。
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では第5の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第5の実施の形態と同様でもよい。
第5の実施の形態では単一のテンプレートデータから送付状データが生成される例について説明した。一方、第6の実施の形態では複数種類のFAX送付状のそれぞれのテンプレートデータが予めテンプレート記憶部713に記憶され、使用するFAX送付状(テンプレートデータ)をユーザが選択可能とされる例について説明する。
図27は、第6の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図27中、図22と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。図27では、ステップS430に続いて、ステップS431〜S434等が実行される。また、ステップS440〜S460は、ステップS440a〜S460aに置換される。
ステップS431において、操作制御部611は、FAX送付状の一覧の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する。Webサーバ装置70の送付状生成部74は、テンプレート記憶部713に記憶されている複数種類のテンプレートデータのそれぞれのテンプレート名を取得し(S432)、取得されたテンプレート名の一覧(以下、「テンプレート名一覧」という。)を返信する(S433)。画像形成装置60の操作制御部611は、当該テンプレート名一覧を受信すると、当該テンプレート名一覧に基づいて送付状選択画面を操作パネルに表示する(S434)。
図28は、第6の実施の形態における送付状選択画面の表示例を示す図である。図28において、送付状選択画面540は、送付状選択領域541等を含む。送付状選択領域541には、受信されたテンプレート名一覧に含まれる各テンプレート名が表示される。なお、各テンプレート名は、FAX送付状の種別を表現するような文字列である。
ユーザが、いずれかのテンプレート名を選択すると、画像形成装置60の操作制御部611は、FAX送付状の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S440a)。当該取得要求には、送付先選択画面520(図24)において選択された送付先候補のアドレス情報である送付先情報に加え、送付状選択画面540(図28)において選択されたテンプレート名が含まれる。
Webサーバ装置70の送付状生成部74は、当該取得要求に応じ、当該取得要求に含まれているテンプレート名に対応するテンプレートデータをテンプレート記憶部713から取得する(S450a)。続いて、送付状生成部74は、取得されたテンプレートデータに対して送付先情報を適用して、送付状データを生成する(S460a)。なお、送付状データの生成方法は、第5の実施の形態と同様でよい。
以降は、第5の実施の形態と同様である。
上述したように、第6の実施の形態によれば、目的に応じてFAX送付状を切り換えることができる。
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では第5の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第5の実施の形態と同様でもよい。
第5の実施の形態では、アドレス情報のうち、FAX送付状の生成に利用されない項目についても外部装置91から取得されるため、アドレス情報の数が多い場合に通信負荷等が高くなる可能性が有る。そこで、第7の実施の形態では、外部装置91との間の通信量を削減する例について説明する。
図29は、第7の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図29中、図22と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図29では、ステップS410、S420、S440が、ステップS410a、S420a、S440aに置換されている。また、ステップS450に続いて、ステップS451〜S455が実行される。
ステップS410aにおいて、外部装置91は、記憶されている各アドレス情報の一部の項目の値の一覧を返信する。当該一部の項目は、例えば、id及びname等、送付先選択画面520(図24)の表示に必要な情報でよい。続いて、アドレス情報取得部73は、当該アドレス情報の一部の一覧を画像形成装置60へ返信する(S420a)。
送付先選択画面520において表示されているいずれかの送付先候補の選択に応じ、操作制御部611は、FAX送付状の取得要求をWebサーバ装置70へ送信する(S440a)。当該取得要求には、選択された送付先候補のidが含まれる。当該idを、以下、「送付先id」という。
ステップS451において、送付状生成部74は、ステップS450において取得したテンプレートデータから、FAX送付状の生成に必要な項目名を抽出する。当該テンプレートデータが、図25に示されるものであれば、companyName、departmentName、name、phoneNumber及びfaxNumberが抽出される。すなわち、アドレス情報の項目名によって表現されている部分が抽出される。以下、抽出された項目名を示す情報を、以下「抽出情報」という。
続いて、送付状生成部74は、送付先id及び抽出情報を指定して、アドレス情報の取得をアドレス情報取得部73に要求する(S452)。アドレス情報取得部73は、外部装置91へアドレス情報の取得要求を送信する(S453)。当該取得要求には、ステップS400と同様の認証情報と、送付先id及び抽出情報とが含まれる。外部装置91は、当該認証情報に基づく認証に成功すれば、外部装置91に記憶されているアドレス情報のうち、当該送付先idに係るアドレス情報において、当該抽出情報が示す項目名に対応する値を返信する(S454)。アドレス情報取得部73は、外部装置91から返信された値を送付状生成部74に通知する(S455)。送付状生成部74は、当該値をテンプレートデータに適用して、送付状データを生成する(S460)。なお、送付状データの生成方法は、第5の実施の形態と同様である。
以降は、第5の実施の形態と同様である。なお、第7の実施の形態は、第6の実施の形態と組み合わされてもよい。
上述したように、第7の実施の形態によれば、外部装置91から送信されるアドレス情報は、送付先選択画面520の表示に必要な情報と、送付状データの生成に必要な情報とに限定される。したがって、外部装置91とWebサーバ装置70との間の通信負荷を軽減することができる。
次に、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態では第5の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第5の実施の形態と同様でもよい。
図30は、第8の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図30中、図20と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図30において、情報処理システム4は、外部装置92を更に含む。外部装置92は、インターネット等のネットワークを介してWebサーバ装置70に接続される。
外部装置92は、テンプレートデータを記憶する。すなわち、第8の実施の形態では、テンプレートデータは、Webサーバ装置70ではなく、外部装置92において記憶される。
図31は、第8の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。図31中、図21と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図31において、Webサーバ装置70は、更に、テンプレート取得部75を有する。テンプレート取得部75は、外部装置92からテンプレートデータを取得する。なお、外部装置92の識別情報(例えば、IPアドレス等)は、外部情報記憶部712に記憶されている。また、第8の実施の形態において、Webサーバ装置70は、テンプレート記憶部713を有さなくてもよい。
図32は、第8の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図32中、図22と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。図32では、ステップS440に続いて、ステップS450の代わりにステップS441〜S445が実行される。
ステップS441において、送付状生成部74は、テンプレートデータの取得をテンプレート取得部75に要求する。テンプレート取得部75は、外部情報記憶部712から外部装置92の識別情報(例えば、IPアドレス等)を取得する(S442)。続いて、テンプレート取得部75は、当該識別情報に係る外部装置92へテンプレートデータの取得要求を送信する(S443)。当該取得要求には、ログインユーザのユーザIDに関連付けられてユーザ情報記憶部711に記憶されている外部装置92に対する認証情報が含まれる。外部装置92は、当該認証情報に基づく認証に成功すれば、外部装置92に記憶されているテンプレートデータを返信する(S444)。テンプレート取得部75は、当該テンプレートデータを、送付状生成部74に出力する。ステップS460では、当該テンプレートデータが利用されて、送付状データが生成される。
以降は、第5の実施の形態と同様である。なお、第8の実施の形態は、第6の実施の形態及び第7の実施の形態のうちの1以上と組み合わされてもよい。
なお、上記各実施の形態は、画像形成装置10以外の機器に対して適用されてもよい。例えば、デジタルカメラ、スマートフォン、又はタブレット端末等によって撮像(入力)されたデータについて、上記各実施の形態が適用されてもよい。
なお、上記各実施の形態において、画像形成装置10は、機器の一例である。配信サーバ装置20は、情報処理装置の一例である。辞書情報取得部213は、取得部の一例である。ジョブ実行部122は、入力部の一例である。配信制御部121は、付与部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。