ところで、リカバリ処理も失敗した場合、結局のところ、履歴情報が外部装置に送られないことになる。また、管理者等の作業者が、送信が失敗した履歴情報を手動で指定して再送指示を与えることも考えられるが、再送対象となる履歴情報の指定等に手間がかかる。
本発明の目的は、履歴情報の送信に失敗した場合において、送信が失敗した履歴情報を作業者が指定して再送する場合と比べて、その再送に要する作業者の手間を軽減することにある。
請求項1に記載の発明は、処理の履歴を示す履歴情報を予め定められた送信タイミングに従って格納先に送信する送信手段と、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている履歴情報を作業者の送信指示に従って前記格納先に送信するための制御として、作業者が送信指示を与えるための指示用情報を表示手段に表示させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報であって作業者によって指定された期間内に実行された処理の履歴情報が、作業者の送信指示に従って前記格納先に送信されるように前記制御を行い、前記送信手段は、前記指示用情報を用いて作業者によって送信指示が与えられた場合、前記記憶手段に記憶されている履歴情報を前記格納先に送信する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記送信手段による履歴情報の送信が失敗した場合に、前記指示用情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記送信手段は、前記指示用情報を用いて作業者によって送信指示が与えられた後、作業者が認証された場合、前記記憶手段に記憶されている履歴情報を前記格納先に送信する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、実行中の処理が完了した後、前記指示用情報を用いた送信指示の受け付けを許可する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、処理が実行されていない場合、前記指示用情報を前記表示手段に表示させ、前記指示用情報を用いた送信指示の受け付けを許可する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、管理権限を有する作業者がログインしている場合に、前記制御を行う、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、予め定められた作成期間毎に履歴情報を作成する作成手段を更に有し、前記作成手段は、複数の作成期間にまたがって作業者によって前記期間が指定された場合、前記期間内に実行された処理の履歴を示す新たな履歴情報を作成し、前記制御手段は、前記新たな履歴情報が、作業者の送信指示に従って前記格納先に送信されるように前記制御を行う、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている履歴情報が前記格納先に送信された場合、前記格納先に送信された履歴情報を前記記憶手段から削除する、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記送信手段による送信が失敗したことを報知する報知手段を更に有する、ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記報知手段は、前記報知として、前記送信手段による送信が失敗したことを示す情報を表示手段に表示させる、ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記報知手段は、前記報知として、前記送信手段による送信が失敗したことを示す情報を管理者用端末装置に送信する、ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記制御手段は、他の装置にて実行された処理の履歴を示す履歴情報であって前記他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を前記格納先に送信するための制御を更に行う、ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記制御手段は、自装置と前記格納先との間の通信環境が、前記他の装置と前記格納先との間の通信環境よりも良好である場合、前記他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を前記他の装置から取得して前記他の装置の代りに前記格納先に送信するための制御を行う、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記制御手段は、履歴情報の送信エラーの頻度が前記他の装置の送信エラーの頻度よりも低い場合、前記他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を前記他の装置から取得して前記他の装置の代りに前記格納先に送信するための制御を行う、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項15に記載の発明は、前記制御手段は、自装置の通信能力が前記他の装置の通信能力よりも高い場合、前記他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を前記他の装置から取得して前記他の装置の代りに前記格納先に送信するための制御を行う、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項16に記載の発明は、前記制御手段は、自装置の電源がオンの場合、電源オフの指示が与えられた前記他の装置から、前記他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を取得して前記他の装置の代りに前記格納先に送信するための制御を行う、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項17に記載の発明は、コンピュータを、処理の履歴を示す履歴情報を予め定められた送信タイミングに従って格納先に送信する送信手段、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報を記憶手段に記憶させ、前記記憶手段に記憶されている履歴情報を作業者の送信指示に従って格納先に送信するための制御として、作業者が送信指示を与えるための指示用情報を表示手段に表示させる制御手段、として機能させ、前記制御手段は、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報であって作業者によって指定された期間内に実行された処理の履歴情報が、作業者の送信指示に従って前記格納先に送信されるように前記制御を行い、前記送信手段は、前記指示用情報を用いて作業者によって送信指示が与えられた場合、前記記憶手段に記憶されている履歴情報を前記格納先に送信する、プログラムである。
請求項18に記載の発明は、複数の装置を含み、各装置は、自装置における処理の履歴を示す履歴情報を予め定められた送信タイミングに従って格納先に送信する送信手段と、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報を記憶する記憶手段と、前記送信手段による送信が失敗した履歴情報であって作業者によって指定された期間内に実行された処理の履歴情報が、作業者の送信指示に従って前記格納先に送信されるための制御を行う制御手段と、を有し、前記複数の装置の中の少なくとも1つの装置の前記送信手段は、更に、他の装置から前記格納先への送信が失敗した履歴情報を前記他の装置から取得して前記格納先へ送信する、情報処理システムである。
請求項19に記載の発明は、前記少なくとも1つの装置は、予め定められた装置である、ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理システムである。
請求項20に記載の発明は、前記少なくとも1つの装置は、前記各装置と前記格納先との間の通信環境に基づいて定められる、ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理システムである。
請求項21に記載の発明は、前記少なくとも1つの装置は、前記各装置による送信エラーの頻度に基づいて定められる、ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理システムである。
請求項22に記載の発明は、前記少なくとも1つの装置は、前記各装置の通信能力に基づいて定められる、ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理システムである。
請求項23に記載の発明は、前記複数の装置の中で電源をオフする指示が与えられた装置の前記送信手段は、その装置による送信が失敗した履歴情報を、前記複数の装置の中で電源がオンの装置に送信し、電源がオンの装置の前記送信手段は、電源をオフする指示が与えられた装置から送られてきた履歴情報を前記格納先へ送信する、ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理システムである。
請求項1,2,8,9,10,11,17に記載の発明によれば、履歴情報の送信に失敗した場合において、送信が失敗した履歴情報を作業者が指定して再送する場合と比べて、その再送に要する作業者の手間を軽減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、認証されない作業者によって履歴情報が送信されることが防止される。
請求項4に記載の発明によれば、処理の実行と履歴情報の送信とが別々のタイミングで実行されるので、それらを同時に実行する場合と比べて、装置の負荷が軽減される。
請求項5に記載の発明によれば、処理の実行中であっても履歴情報の送信が可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、管理権限を有していない作業者によって履歴情報が送信されることが防止される。
請求項1,7に記載の発明によれば、作業者が希望する期間の履歴情報が格納先に送信される。
請求項12,18,19に記載の発明によれば、仮に他の装置から格納先に履歴情報が送信されない場合であっても、その履歴情報を格納先に送信することができる。
請求項13,20に記載の発明によれば、他の装置から格納先に履歴情報を送信する場合と比べて、より安定した通信環境の下で履歴情報が送信され得る。
請求項14,21に記載の発明によれば、他の装置から格納先に履歴情報を送信する場合と比べて、より確実に履歴情報が格納先に送信され得る。
請求項15,22に記載の発明によれば、他の装置から格納先に履歴情報を送信する場合と比べて、その送信に要する時間が短くなり得る。
請求項16,23に記載の発明によれば、電源がオンの装置を用いて履歴情報を格納先に送信することができる。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図1には、第1実施形態に係る画像形成システムの一例が示されている。
第1実施形態に係る画像形成システムは、情報処理装置としての画像形成装置10と集計サーバ12とを含む。画像形成装置10と集計サーバ12は、例えば、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに通信する機能を備えている。図1に示す例では、1つの画像形成装置10が画像形成システムに含まれているが、複数の画像形成装置10が画像形成システムに含まれてもよい。また、画像形成システムには、他の装置(例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話等の端末装置等)が含まれてもよい。
画像形成装置10は、画像形成機能を備えた装置であり、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を備えている。また、画像形成装置10は、他の装置との間で通信する機能を備えている。
集計サーバ12は、画像形成装置10にて実行された処理の履歴を示す履歴情報を収集する装置である。また、集計サーバ12は、他の装置との間で通信する機能を備えている。なお、集計サーバ12が「格納先」の一例に相当する。
画像形成システムにおいては、画像形成装置10にて処理が実行されると、その処理の履歴を示す履歴情報が作成され、その履歴情報が画像形成装置10から集計サーバ12に送信される。履歴情報は、例えば、画像形成装置10の稼働状況等を解析や管理するための情報として用いられる。以下では、画像形成装置10にて実行される処理を「ジョブ」と称することとする。
以下、図2を参照して、画像形成装置10について詳しく説明する。図2には、画像形成装置10の構成が示されている。
通信部14は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部14は、例えば、Wi−Fi(登録商標)通信等の無線通信機能や有線通信機能を備えており、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してデータを送受信する機能を備えている。
画像形成部16は画像形成処理を行う機能を備えている。画像形成部16は、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を備えている。コピー機能が実行されることで、原稿が読み取られて用紙等の記録媒体上に形成される。スキャン機能が実行されることで、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成される。プリント機能が実行されることで、画像が記録媒体上に形成される。ファクシミリ機能が実行されることで、画像データがファクシミリ送信又はファクシミリ受信される。また、複数の機能を組み合わせた複合機能が実行されてもよい。例えば、スキャン機能と送信機能(転送機能)とを組み合わせたスキャン転送機能が実行されてもよい。このスキャン転送機能が実行されることで、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成され、そのスキャンデータが送信先(例えば端末装置やサーバ等の装置)に送信される。もちろん、別の機能が実行されてもよい。
UI部18はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。UI部18は、表示部と操作部の両方の機能を兼ね備えたユーザインターフェース(例えば、タッチパネルとしてのディスプレイや、電子的にキーボード等を表示するディスプレイ等)であってもよい。
記憶部20はハードディスクやメモリ等の記憶装置である。記憶部20には、例えば、画像形成処理の実行命令を示す実行命令情報(例えばプリントジョブ等)、プリントの対象となる画像データ、スキャン機能を実行することで生成されたスキャンデータ、各種の制御データ、各種のプログラム、各種のデータ等が記憶される。これらのデータは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、同一の記憶装置に記憶されてもよい。
また、第1実施形態では、履歴情報の一例としてのログファイルが、画像形成装置10から集計サーバ12に送信される。この送信が失敗した場合、送信が失敗したログファイル22が記憶部20に記憶される。
ログファイル作成部24は、履歴情報の一例としてのログファイルを作成する機能を備えている。画像形成装置10にてジョブが実行されると、当該ジョブの履歴を示すジョブログが作成される。このジョブログは、ログファイル作成部24によって作成されてもよいし、後述する制御部30によって作成されてもよい。例えば、ジョブ毎にジョブログが作成される。ジョブログは、例えば記憶部20に記憶される。ジョブログは、例えば、ジョブの種類を示す情報、カウンタ情報(例えば、ジョブの実行に用いられた用紙の枚数等(例えばプリント枚数、コピー枚数等))を示す情報、通信の相手先を示す情報、ジョブが実行された日時を示す情報、ジョブの実行を指示したユーザの識別情報、端末情報、等を含む。もちろん、これら以外の情報がジョブログに含まれてもよい。ログファイル作成部24は、1又は複数のジョブログを含むログファイルを作成する。ログファイルのファイル形式は、例えばCSV形式であるが、ファイル形式は特に限定されるものではなく、別のファイル形式が用いられてもよい。
ログファイル作成部24は、例えば、予め定められた作成期間毎に、その作成期間内に実行されたジョブについてのジョブログを収集してログファイルを作成してもよいし、ユーザ(作業者)によって指定された期間内に実行されたジョブについてのジョブログを収集してログファイルを作成してもよい。
認証部26は、ユーザを認証する機能を備えている。パスワードを用いた認証が行われてもよいし、生体認証(指紋、音声、虹彩、顔、血管等を用いた認証)が行われてもよいし、ICカード等の記録媒体を用いた認証が行われてもよい。認証部26は、例えば、ユーザが画像形成装置10にログインするときに認証を行ってもよいし、ユーザが管理権限を有するか否かを判定してもよい。
報知部28は、集計サーバ12へのログファイルの送信が失敗したことをユーザに報知する機能を備えている。報知部28は、例えば、失敗したことを示す情報をUI部18の表示部に表示させてもよいし、管理権限を有するユーザの端末装置(例えば管理者用端末装置)に送信してもよいし、音声や光等を発してもよい。
制御部30は、画像形成装置10の各部の動作を制御する機能を備えている。例えば、制御部30は、各種の情報をUI部18の表示部に表示させる。第1実施形態では、制御部30は、集計サーバ12への送信が失敗したログファイルを記憶部20に記憶させ、そのログファイルをユーザの送信指示に従って集計サーバ12に送信するための制御を実行する。例えば、制御部30は、ユーザが送信指示を与えるための指示用情報としての再送ボタン画像を生成し、その再送ボタン画像をUI部18の表示部に表示させる。ユーザによって再送ボタン画像が押された場合、制御部30は、記憶部20に記憶されているログファイル22の送信指示を通信部14に与える。通信部14は、その送信指示に従って、記憶部20に記憶されているログファイル22を集計サーバ12に送信する。
以下、図3を参照して、画像形成装置10の動作について説明する。図3は、画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
ログファイルの送信タイミングが到来した場合(S01,Yes)、ログファイル作成部24は、ジョブログを収集してログファイルを作成し(S02)、通信部14は、そのログファイルを格納先としての集計サーバ12に送信する(S03)。ログファイルの送信タイミングが到来していない場合(S01,No)、ログファイル作成部24は待機する。
ログファイルの送信タイミングは、例えば予め定められている。例えば、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎、管理者等によって定められた任意の期間毎等のように、定期的にログファイルが画像形成装置10から集計サーバ12に送信される。1日毎にログファイルが送信される場合、その送信の時刻が定められ、ログファイル作成部24は、その時刻までの間に作成された1日分のジョブログを収集してログファイルを作成する。1週間毎にログファイルが送信される場合、ログファイル作成部24は、1週間分のジョブログを収集してログファイルを作成する。1ヶ月毎にログファイルが送信される場合、ログファイル作成部24は、1か月分のジョブログを収集してログファイルを作成する。また、特定の日時が管理者等によって指定され、ログファイル作成部24は、その特定の日時までに作成された未送信のジョブログを収集してログファイルを作成してもよい。
なお、ログファイルの作成タイミングと送信タイミングとが一致していなくてもよい。つまり、ログファイル作成部24は、予め定められた作成期間毎(例えば、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎等)にログファイルを作成し、通信部14は、予め定められた送信タイミングに従って、その送信タイミングまでに作成されたログファイルを集計サーバ12に送信してもよい。
ログファイルの送信プロトコル(転送プロトコル)として、例えばSMB転送が用いられる。もちろん、別の送信プロトコル(例えばFTP転送等)が用いられてもよい。
集計サーバ12へのログファイルの送信が完了した場合(S04,Yes)、制御部30は、送信が完了したログファイルを画像形成装置10から削除する(S05)。これにより、ログファイルの送信処理が完了する。以降も同様に、ステップS01以降の処理が実行される。
集計サーバ12へのログファイルの送信が完了していない場合において(S04,No)、送信にエラーが発生していない場合(S06,No)、通信部14は、継続してログファイルを集計サーバ12に送信する。
集計サーバ12へのログファイルの送信が完了していない場合において(S04,No)、送信にエラーが発生した場合(S06,Yes)、制御部30は、送信が失敗したログファイル(図1中のログファイル22)を記憶部20に記憶させる(S07)。なお、送信エラーが発生する原因としては、集計サーバ12のダウン、通信回線における障害、等が挙げられ、これらの障害は、公知技術を用いることで検知される。
次に、送信が失敗したログファイルの送信をユーザが指示した場合(S08,Yes)、通信部14は、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信する(S09)。なお、送信指示は、例えばUI部18を用いて与えられる。送信指示については後で詳しく説明する。
記憶部20に記憶されているログファイルの送信が完了した場合(S04,Yes)、制御部30は、そのログファイルを記憶部20から削除する(S05)。ユーザが送信指示を与えない場合(S08,No)、通信部14は待機する。なお、記憶部20にログファイルが記憶されている状態で、次の送信タイミングが到来して新たなログファイルが作成された場合、通信部14は、新たに作成されたログファイルと共に、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信する。複数のログファイルを集計サーバ12に送信する場合、古いログファイルから順番に送信されてもよいし、新しいログファイルから順番に送信されてもよいし、ランダムの順番で各ログファイルが送信されてもよい。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、送信が失敗したログファイルが記憶部20に記憶され、ユーザが再送指示を与えた場合、そのログファイルが画像形成装置10から集計サーバ12に送信される。送信が失敗したログファイルをユーザが指定しなくても、そのログファイルが集計サーバ12に送信されるので、その指定を要する場合と比べてユーザの手間が軽減される。
以下、図4を参照して、画像形成装置10の別の動作について説明する。図4は、画像形成装置10の別の動作を示すフローチャートである。
図3に示す例と同様に、ログファイルの送信タイミングが到来した場合(S20,Yes)、ログファイルが作成され(S21)、そのログファイルが集計サーバ12に送信される(S22)。その送信が完了した場合(S23,Yes)、そのログファイルが画像形成装置10から削除される(S24)。以降も同様に、ステップS20以降の処理が実行される。
ログファイルの送信が完了していない場合において(S23,No)、送信にエラーが発生していない場合(S25,No)、継続してログファイルが集計サーバ12に送信される。
ログファイルの送信が完了していない場合において(S23,No)、送信にエラーが発生した場合(S25,Yes)、送信が失敗したログファイルが記憶部20に記憶される(S26)。
次に、ユーザが、期間を指定すると共に、送信が失敗したログファイルの送信を指示した場合(S27,Yes)、ログファイル作成部24は、ユーザによって指定された期間に実行されたジョブについてのジョブログを収集してログファイルを作成する(S28)。そのログファイルは、集計サーバ12に送信される。そのログファイルの送信が完了した場合(S23,Yes)、制御部30は、記憶部20に記憶されているログファイル22の中で送信が完了した部分を削除する。
以上の動作によれば、ユーザが指定した期間に対応するジョブログを含むログファイルが集計サーバ12に送信される。
以下、画像形成装置10について更に詳しく説明する。
図5から図11を参照して、UI部18の表示部に表示される画面の一例について説明する。図5から図11には、その画面の一例が示されている。
図5に示されている画面32は、例えばメインメニュー画面であり、UI部18の表示部に表示される。画面32には、例えば、コピー機能やプリント機能等の画像形成機能の実行をユーザが指示するためのボタン画像(例えばアイコン)、画像形成装置10へのログイン時に操作されるボタン画像、画像形成装置10の設定時に操作されるボタン画像、等が表示される。ユーザが目的に応じたボタン画像を操作することで、操作されたボタン画像に紐付く機能や処理が実行される。
図6には、ログファイルの送信に失敗した場合の画面が示されている。ログファイルの送信に失敗した場合、報知部28は、例えば符号34に示すように、ログファイルの送信に失敗したことを示すエラーメッセージを画面32に表示させる。報知部28は、エラーメッセージの表示と共に、又は、エラーメッセージの表示の代りに、音声や光等を発してもよいし、予め登録された端末装置(例えば、管理権限を有するユーザの端末装置等)に電子メール等によってエラーメッセージを送信してもよい。報知部28は、エラーメッセージを画面32に表示させると共に、予め登録された端末装置にエラーメッセージを送信し、エラーメッセージの送信が完了した場合、エラーメッセージを画面32から消してもよい。
また、制御部30は、ログファイルの再送を指示するためのボタン画像36(例えばアイコン)を画面32に表示させる。ユーザがUI部18を用いてボタン画像36を操作すると(例えばボタン画像36を押すと)、送信が失敗したログファイルの送信指示が与えられ、通信部14は、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信する。
制御部30は、ボタン画像36を画面32に常時表示させてもよいし、記憶部20にログファイルが記憶されている場合のみ(つまり、ログファイルの送信に失敗した場合のみ)、ボタン画像36を画面32に表示させてもよい。記憶部20にログファイルが記憶されている場合のみボタン画像36を表示することで、ログファイルの送信の失敗がユーザに報知される。なお、記憶部20にログファイルが記憶されている場合のみボタン画像36を表示する場合、符号34で示すようなエラーメッセージを表示しなくてもよい。
制御部30は、ログファイルの送信の失敗の原因が解消された場合に、ボタン画像36を画面32に表示させてもよい。例えば、画像形成装置10と集計サーバ12との間の通信障害によってログファイルの送信に失敗した場合において、その通信障害が解消された場合、制御部30は、ボタン画像36を画面32に表示させてもよい。こうすることで、再度の失敗が回避される。
制御部30は、管理権限を有するユーザが画像形成装置10にログインしている場合に、ボタン画像36を画面32に表示させてもよい。制御部30は、例えば、管理権限を有するユーザが画像形成装置10にログインしている場合に、ボタン画像36を画面32に常時表示させてもよいし、管理権限を有するユーザが画像形成装置10にログインしているときに記憶部20にログファイルが記憶されている場合に、ボタン画像36を画面32に表示させてもよい。なお、管理権限を有するユーザとは、画像形成装置10の管理者、集計サーバ12を利用する管理者、一時的又は永続的に管理権限が与えられた一般ユーザ、等である。そのような管理権限を有するユーザがログインしているときにボタン画像36を表示することで、管理権限を有していないユーザが誤ってログファイルの送信指示を与えることが防止される。また、報知部28は、管理権限を有するユーザが画像形成装置10にログインしている場合のみ、送信失敗の報知処理を行ってもよい。
図7には、別の表示例が示されている。制御部30は、ユーザがボタン画像36を操作してログファイルの送信を指示した場合、認証情報の入力欄38を画面32に表示させてもよい。図7に示す例では、認証情報は、例えば管理権限用のユーザIDとパスワードである。ユーザがユーザIDとパスワードを入力欄38に入力すると、認証部26は認証処理を行う。入力された認証情報(ユーザIDとパスワード)が画像形成装置10に登録されている場合、認証は成功し、通信部14は、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信する。入力された認証情報が画像形成装置10に登録されていない場合、認証は失敗し、通信部14は、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信しない。こうすることで、管理権限を有していないユーザが誤ってログファイルの送信指示を与えることが防止される。
図7に示す例では、認証情報としてユーザIDとパスワードが用いられているが、別の手法(例えば生体認証)を用いた認証処理が行われてもよい。また、認証処理は画像形成装置10で行われてもよいし、集計サーバ12や他のサーバ等で行われてもよい。なお、ボタン画像36は、常時表示されていてもよいし、記憶部20にログファイルが記憶されている場合のみ表示されていてもよい。
図8には、更に別の表示例が示されている。制御部30は、ユーザがボタン画像36を操作してログファイルの送信を指示した場合、ジョブが実行された期間を指定するための入力欄40を画面32に表示させてもよい。ユーザが期間を入力欄40に入力すると、ログファイル作成部24は、その期間内に実行されたジョブについてのジョブログであって集計サーバ12に送信されていないジョブログを収集してログファイルを作成する。通信部14は、そのようにして作成されたログファイルを集計サーバ12に送信する。こうすることで、ユーザが希望する期間内に実行されたジョブについてのログファイルが集計サーバ12に送られる。なお、ユーザによって複数の期間が指定されてもよい。この場合、各期間内に実行されたジョブについてのログファイルが作成されて集計サーバ12に送信される。
予め定められた作成期間毎にログファイルが作成される場合、上記の期間が、複数の作成期間にまたがってユーザによって指定されることがある。例えば、月初め(1日)から月末までの期間が作成期間の単位として定められ、1ヶ月毎にログファイルが作成されるものとする。つまり、各月のログファイル(例えば、1月のログファイル、2月のログファイル等)が順次作成される。この場合において、複数の月(作成期間)にまたがって期間が指定されると(例えば、1月15日から2月15日までの期間が指定されると)、ログファイル作成部24は、その指定された期間内に実行されたジョブについてのジョブログを収集してログファイルを作成する。上記の例では、1月15日から2月15日までの期間内に実行されたジョブについてログファイルが作成されて集計サーバ12に送信される。
図9には、更に別の表示例が示されている。制御部30は、ユーザがボタン画像36を指定してログファイルの送信を指示した場合、記憶部20に記憶されているログファイルの一覧42を画面32に表示させてもよい。例えば、各ログファイルには、識別情報が紐付けられている。識別情報は、例えば、ログファイルの名称、ID、ジョブが実行された期間を示す情報、等である。ユーザがその一覧42の中から送信対象のログファイルを指定すると、通信部14は、ユーザによって指定されたログファイルを集計サーバ12に送信する。こうすることで、目的のログファイルが集計サーバ12に送信される。
図10には、更に別の表示例が示されている。制御部30は、画像形成装置10がジョブを実行しているときにログファイルの送信に失敗した場合、ジョブの実行中にエラーメッセージやボタン画像36をUI部18の表示部に表示させてもよい。例えばプリントジョブの実行中にログファイルの送信に失敗した場合、図10に示すように、制御部30は、符号34で示すエラーメッセージとボタン画像36を画面44に表示させる。制御部30は、ジョブが実行されている間はボタン画像36の操作を受け付けずに(つまり、ログファイルの送信指示を受け付けずに)、ジョブの実行が完了した後にボタン画像36の操作を受け付けてもよい(つまり、ログファイルの送信指示を受け付けてもよい)。こうすることで、ジョブ実行中における画像形成装置10の負荷の増大が抑制される。別の例として、ジョブの実行中にボタン画像36がユーザによって操作されてログファイルの送信指示が与えられた場合、通信部14は、ジョブの実行が完了した後に、その送信指示に従って、ログファイルを集計サーバ12に送信してもよい。もちろん、ジョブの実行中にボタン画像36がユーザによって操作された場合に、通信部14は、ジョブの実行中にログファイルを集計サーバ12に送信してもよい。
図11には、更に別の表示例が示されている。制御部30は、画像形成装置10がジョブを実行しているときにログファイルの送信に失敗した場合、ジョブの実行中はエラーメッセージやボタン画像36をUI部18の表示部に表示させず、ジョブの実行が完了した後(つまり、ジョブが実行されていないときに)、エラーメッセージやボタン画像36をUI部18の表示部に表示させてもよい。例えばプリントジョブの実行が完了し、他のジョブが実行されていない場合、図11に示すように、制御部30は、符号34で示すエラーメッセージとボタン画像36を画面46に表示させる。ボタン画像36がユーザによって操作されてログファイルの送信指示が与えられると、制御部30は、その送信指示を受け付け、通信部14は、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信する。こうすることで、ジョブの実行中にエラーメッセージやボタン画像36を表示する場合と比べて、ジョブの実行中に画面に表示される情報が簡潔となる。
上述した第1実施形態において、エラーメッセージやボタン画像は、画像形成装置10に表示されてもよいし、集計サーバ12に表示されてもよいし、別の装置(例えば、管理者用端末等)に表示されてもよい。例えば、ユーザが管理者用端末装置を用いてログファイルの送信指示を与えた場合、その送信指示を示す情報が管理者用端末装置から画像形成装置10に送信され、画像形成装置10は、その送信指示に従って、記憶部20に記憶されているログファイルを集計サーバ12に送信してもよい。このような送信指示が集計サーバ12にて与えられて、その送信指示を示す情報が集計サーバ12から画像形成装置10に送信されてもよい。
[第2実施形態]
以下、図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図12には、第2実施形態に係る画像形成システムの一例が示されている。
第2実施形態に係る画像形成システムは、情報処理装置としての複数の画像形成装置(図12に示す例では、画像形成装置10A,10B,10C)と集計サーバ12とを含む。複数の画像形成装置と集計サーバ12は、例えば、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに通信する機能を備えている。第1実施形態と同様に、端末装置等の他の装置が画像形成システムに含まれてもよい。
第2実施形態においては、複数の画像形成装置の中の少なくとも1つの画像形成装置が管理装置(親機)として機能する。その管理装置は、自身のログファイルを集計サーバ12に送信し、更に、他の画像形成装置にて送信に失敗したログファイルを当該他の画像形成装置から取得して集計サーバ12に送信する。管理装置は、自身のログファイルと共に他の画像形成装置のログファイルを集計サーバ12に送信してもよいし、これらのログファイルを別々のタイミングで集計サーバ12に送信してもよい。
管理装置(親機)として機能する画像形成装置が予め定められてもよい。例えば、管理者等によって管理装置として機能する画像形成装置が定められる。別の例として、各画像形成装置と集計サーバ12との間の通信環境に基づいて管理装置が定められてもよいし、各画像形成装置によるログファイルの送信エラーの頻度(送信に失敗した回数等)に基づいて管理装置が定められてもよいし、各画像形成装置の通信能力(例えば通信速度等)に基づいて管理装置が定められてもよいし、各画像形成装置の電源の状態(例えばオン、オフ)に基づいて管理装置が定められてもよい。
以下、図13を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。以下では、画像形成装置10Aの構成について説明するが、画像形成装置10B,10Cも画像形成装置10Aと同じ構成を備えている。
画像形成装置10Aの記憶部20には、デバイス管理情報48が記憶されている。デバイス管理情報48以外の構成は、第1実施形態に係る画像形成装置10の構成と同じであるため、説明を省略する。
デバイス管理情報48は、各画像形成装置の状態や通信状態等を管理するための情報であり、管理装置(親機)を定めるときに用いられる情報である。デバイス管理情報48においては、例えば、画像形成装置毎に、画像形成装置を識別するためのデバイス識別情報(例えばデバイスIDやデバイス名称等)と、集計サーバ12との間の通信環境を示す情報と、ログファイルの送信エラーの回数を示す情報と、通信能力を示す情報と、電源の状態(例えばオン又はオフ)を示す情報と、画像形成装置のアドレスを示す情報と、が互いに対応付けられている。もちろん、これらの情報の中の全部又は一部の情報がデバイス管理情報48に含まれていてもよい。
第2実施形態においては、制御部30は、デバイス管理情報48を用いて管理装置を定める。例えば、各画像形成装置と集計サーバ12との間の通信環境に基づいて、管理装置が定められてもよい。通信環境は、例えば、画像形成装置と集計サーバ12との間の通信障害の有無、通信の安定度、通信回線の規模、等によって定められる。通信障害が少ないほど通信環境が良好となり、通信が安定するほど通信環境が良好となり、通信回線の規模が大きいほど通信環境が良好となる。もちろん、これら以外の条件によって通信環境が定められてもよい。各画像形成装置は、集計サーバ12との間の通信環境を測定し、その測定結果である自身の通信環境を示す情報と自身のデバイス識別情報を他の画像形成装置に送信することで、他の画像形成装置との間で通信環境を示す情報を共有する。この通信環境を示す情報は、各画像形成装置10に記憶されているデバイス管理情報48に登録される。制御部30は、デバイス管理情報48を参照することで、通信環境が他の画像形成装置よりも良好な画像形成装置(例えば、通信環境が最良の画像形成装置)を管理装置として定める。例えば、画像形成装置10Aの通信環境が最良の場合、画像形成装置10Aの制御部30は、自身が管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させ、画像形成装置10B,10Cの制御部30は、画像形成装置10Aが管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させる。これにより、画像形成装置10Aが管理装置として機能する。各画像形成装置は、予め定められた単位時間毎に通信環境を測定して他の画像形成装置とその測定結果を共有することで、単位時間毎に管理装置を定めてもよい。各画像形成装置と集計サーバ12との通信環境が変わると、その変更後の通信環境に基づいて管理装置として機能する画像形成装置が定められる。以上のように、通信環境が最良の画像形成装置を管理装置として用いることで、より通信環境の悪い画像形成装置を管理装置として用いる場合と比べて、より安定してログファイルが集計サーバ12に送信される。
別の例として、各画像形成装置によるログファイルの送信エラーの頻度(送信に失敗した回数等)に基づいて、管理装置として機能する画像形成装置が定められてもよい。各画像形成装置は、例えば予め定められた期間内の送信エラーの回数をカウントし、その回数を示す情報と自身のデバイス識別情報を他の画像形成装置に送信することで、他の画像形成装置との間で送信エラー回数を示す情報を共有する。送信エラーの回数を示す情報は、各画像形成装置10に記憶されているデバイス管理情報48に登録される。制御部30は、デバイス管理情報48を参照することで、送信エラーの回数が最も少ない画像形成装置を管理装置として定める。例えば、画像形成装置10Aの送信エラーの回数が最少の場合、画像形成装置10Aの制御部30は、自身が管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させ、画像形成装置10B,10Cの制御部30は、画像形成装置10Aが管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させる。これにより、画像形成装置10Aが管理装置として機能する。各画像形成装置は、予め定められた単位期間毎に送信エラーの回数をカウントして他の画像形成装置とその回数を共有することで、単位時間毎に管理装置を定めてもよい。各画像形成装置の送信エラーの回数が変わると、その変更後の送信エラーの回数に基づいて管理装置として機能する画像形成装置が定められる。以上のように、送信エラーの回数が最少となる画像形成装置を管理装置として用いることで、送信エラーの回数がより多い画像形成装置を管理装置として用いる場合と比べて、集計サーバ12へのログファイルの送信の成功率が高くなる。
別の例として、各画像形成装置の通信能力(例えば通信速度等)に基づいて、管理装置として機能する画像形成装置が定められてもよい。各画像形成装置は、自身の通信能力を示す情報と自身のデバイス識別情報を他の画像形成装置に送信することで、他の画像形成装置との間で通信能力を示す情報を共有する。通信能力を示す情報は、各画像形成装置10に記憶されているデバイス管理情報48に登録される。制御部30は、デバイス管理情報48を参照することで、通信能力が最も高い(例えば通信速度が最も速い)画像形成装置を管理装置として定める。例えば、画像形成装置10Aの通信能力が最高の場合、画像形成装置10Aの制御部30は、自身が管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させ、画像形成装置10B,10Cの制御部30は、画像形成装置10Aが管理装置であることを示す情報を記憶部20に記憶させる。これにより、画像形成装置10Aが管理装置として機能する。以上のように、通信能力が最高の画像形成装置を管理装置として用いることで、より通信能力が低い画像形成装置を管理装置として用いる場合と比べて、集計サーバ12へのログファイルの送信に要する時間が短くなる。
別の例として、各画像形成装置は、自身の電源状態(例えばオン又はオフ)を示す情報を他の画像形成装置に送信することで、他の画像形成装置との間で電源状態を示す情報を共有してもよい。電源状態を示す情報は、各画像形成装置10に記憶されているデバイス管理情報48に登録される。この場合、電源がオンの状態の画像形成装置が管理装置として定められ、電源オフの指示が与えられた画像形成装置は、自身の電源がオフになる前に、自身の記憶部20に記憶されているログファイルを、電源がオンの状態の画像形成装置に送信する。電源がオンの画像形成装置は、自身のログファイルを集計サーバ12に送信し、更に、電源オフの指示が与えられた画像形成装置から送信されたログファイルを集計サーバ12に送信する。例えば、オフィス等では夜間に画像形成装置の電源がオフにされ、そのタイミングで、電源オフの指示が与えられた画像形成装置から未送信のログファイルが管理装置に送信される。夜間の時間帯では通信量が比較的に少ないと予測され、その時間帯に未送信のログファイルを集計サーバ12に送信することで、通信量が比較的に多いと予測される時間帯に未送信のログファイルを集計サーバ12に送信する場合と比べて、その送信に要する時間が短くなる。
制御部30は、通信環境、送信エラーの頻度、通信能力、及び、電源状態の中の少なくとも1つの条件に基づいて、管理装置として機能する画像形成装置を定めてもよい。
なお、管理装置が予め定められている場合、デバイス管理情報48は、記憶部20に記憶されていなくてもよい。この場合、管理装置として機能する画像形成装置の記憶部20には、自身が管理装置であることを示す情報が予め記憶される。管理装置は、他の画像形成装置10にアクセスして、未送信のログファイルを他の画像形成装置から取得して集計サーバ12に送信する。
例えば、画像形成装置10Aが管理装置として定められたものとする。画像形成装置10Aは、上述した第1実施形態と同様の処理によって、自身のログファイルを集計サーバ12に送信する。ログファイルが送信されなかった場合、そのログファイルは記憶部20に記憶され、ユーザの送信指示に従って集計サーバ12に送信される。また、画像形成装置10Aは、画像形成装置10B,10Cにアクセスして、画像形成装置10B,10Cの記憶部20に記憶されているログファイルを取得し、そのログファイルを集計サーバ12に送信する。
画像形成装置10Aは、ユーザによる送信指示に従って自身の未送信のログファイルを集計サーバ12に送信するときに、画像形成装置10B,10Cから未送信のログファイルを取得して集計サーバ12に送信してもよい。別の例として、画像形成装置10B,10Cは、自身の記憶部20にログファイルが記憶された場合、ログファイルの送信に失敗したことを示す情報を画像形成装置10Aに送信してもよい。この場合、画像形成装置10Aは、自動的に又はユーザの指示に従って画像形成装置10B,10Cにアクセスし、画像形成装置10B,10Cから未送信のログファイルを取得して集計サーバ12に送信してもよい。別の例として、画像形成装置10B,10Cは、自身の未送信のログファイルを画像形成装置10Aに送信してもよい。なお、画像形成装置10A,10B,10Cの間で、ログファイルを集計サーバ12に送信するタイミングは互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
画像形成装置10Aは、予め定められたタイミングで(例えば周期的に)、画像形成装置10B,10Cにアクセスして未送信のログファイルの有無を確認し、未送信のログファイルが画像形成装置10B,10Cに記憶されている場合、その未送信のログファイルを取得して集計サーバ12に送信してもよい。
管理装置として機能する画像形成装置10Aの制御部30は、自身が管理装置であることを示す情報を、自身のUI部18の表示部に表示させてもよい。また、画像形成装置10B,10Cの制御部30は、画像形成装置10Aが管理装置であることを示す情報を、自身のUI部18の表示部に表示させてもよい。また、通信環境等の条件によって管理装置が変更された場合、各画像形成装置の制御部30は、そのことを示す情報を自身のUI部18の表示部に表示させてもよい。また、管理装置として機能する画像形成装置10Aは、画像形成装置10Aが管理装置であることを示す情報を、管理者用端末装置等の端末装置や集計サーバ12に送信してもよい。
以上のように第2実施形態によれば、他の画像形成装置を利用して未送信のログファイルが集計サーバ12に送信されるので、仮に、自身から集計サーバ12にログファイルを送信することができない場合であっても、未送信のログファイルが集計サーバ12に送信される。
上記の画像形成装置10,10A,10B,10Cは、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置10,10A,10B,10Cは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置10,10A,10B,10Cの各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、画像形成装置10,10A,10B,10Cの各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像形成装置10,10A,10B,10Cの各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。