JP6903559B2 - 血圧降下用組成物 - Google Patents

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本発明は、血圧降下用組成物等に関する。
アンジオテンシン変換酵素(Angiotensin I−Converting Enzyme;本明細書において「ACE」と記載する場合がある。)は、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する酵素である。アンジオテンシンIIは血管の収縮などにより血圧を上げる働きがある。ACEの働きを阻害すると、アンジオテンシンIIの生成が抑制され、降圧作用を示すことが知られている。このため、ACE阻害物質は、例えば血圧降下剤の有効成分や、血圧が高めの方に適した食品の関与成分などとして用いられている。
高血圧患者や血圧が高めのヒトが増加している昨今、安全で優れたACE阻害を示す物質の需要はますます高まっており、研究開発も盛んに行われている。このような研究開発の一態様として、ACE阻害作用を示すペプチドを探索することが行われている。例えば、ゴマのサーモリシン(サーモライシンとも呼ばれる)による分解物からACE阻害により血圧降下作用を有する3種のトリペプチドが見出されたこと(特許文献1)、ブタ由来タンパク質のペプシンによる分解物からACE阻害活性を有するペプチドが見出されたこと(特許文献2)、魚肉由来タンパク質の酵素分解物からACE阻害活性を有するペプチドが見出されたこと(特許文献3)、アンジオテンシンIIの分解フラグメントの配列を有するペプチドがACE阻害活性を有すること(特許文献4)、ACE阻害活性を有するジペプチド(特許文献5)などが報告されている。
上記の通り、高血圧患者や血圧が高めのヒトが増加している現状において、血圧降下効果を奏する手段への需要はますます高まっているが、ACE阻害物質による血圧降下効果がほとんど得られない(ACE阻害による血圧降下不奏功)場合や、あるいはACE阻害が禁忌とされる場合もあり、このような場合にはACE阻害以外の血圧降下手段が必要となる。
特表2006−520809号公報 特開2005−220091号公報 特開平6−166697号公報 特開平7−215889号公報 特開2004−099552号公報
本発明は、血圧降下手段、特に、ACE阻害による血圧降下不奏功又はACE阻害禁忌の対象のための血圧降下手段を提供することを課題とする。
血管内皮細胞により合成される一酸化窒素(NO)によっても、血圧降下効果が奏されることが知られている。より詳細には、血管内皮細胞において、一酸化窒素合成酵素(NOS)の1種である内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)によりNOが合成され、当該NOが血管平滑筋の酵素(グアニル酸シクラーゼ)を活性化することで血管が弛緩し、その結果血圧が低下する。
本発明者らは、Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドが、NOSでのNO産生を介して血圧降下効果を奏することを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項0.
Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドを含む、血圧降下用組成物。
項1.
ACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象のための、
Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドを含む、血圧降下用組成物。
項2.
ACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象のための、
Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドを含む、血管における一酸化窒素産生促進用組成物。
項3.
経口組成物である、項0、1又は2に記載の組成物。
項4.
食品組成物又は医薬品組成物である、項0及び1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
対象がヒトである、項0及び1〜4のいずれかに記載の組成物。
本発明により、血圧降下手段、特に、ACE阻害による血圧降下不奏功又はACE阻害禁忌の対象のための血圧降下手段が提供される。本発明に包含される血圧降下用組成物は、特に前記対象の血圧降下のために好ましく用いることができる。
実施例1で行った血圧降下作用の検討試験の結果を示すグラフである。図中、「Control」は対照群の結果を示し、「LRA 0.25mg/kg」はLRAペプチド投与群の結果を示し、「※」は対照群に対して有意差(p<0.05)があったことを示す。また、SBPは収縮期血圧を示す。 収縮期血圧測定結果を、投与4時間後の収縮期血圧の変化量(投与0時間と比較)で示す。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含される組成物は、Leu−Arg−Alaからなるトリペプチド(本明細書において「LRAペプチド」と記載する場合がある)を含む。なお、当該組成物を、「本発明の組成物」と記載する場合がある。
LRAペプチドの製造方法は特に制限されず、例えば、公知のペプチド合成法を用いて化学合成により調製することができる。ペプチド合成法としては、例えば、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、DDC法、活性エステル法、カルボイミダゾール法、酸化還元法などのペプチド合成法を挙げることができる。これらのペプチド合成法は、固相合成法又は液相合成法のいずれによっても行うことができる。
上記したペプチド合成法では、アミノ基、カルボキシ基、及び/又は側鎖官能基(例えば、アルギニン(Arg)のグアニジノ基など)を保護基により保護しておくことが好ましい。保護基としては、特に限定されず公知の保護基を用いることができ、例えば、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)、ベンジル基(Bz)、p−トルエンスルホニル基(p−Ts)などが挙げられる。
また、上記したペプチド合成法によりLRAペプチドを合成した後、必要に応じて、公知の方法により精製したものをLRAペプチドとして用いることができる。
LRAペプチドは、NOSでのNO産生を介して血圧降下作用を有することから、本発明の組成物は、血圧降下用組成物、血管(特に血管内皮細胞)におけるNO産生促進用組成物、血管(特に血管内皮細胞)におけるNOS(特にeNOS)亢進用組成物などとして用いることができる。
本発明の組成物は、ACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象のために特に好ましく用いられる。
ACE阻害による血圧降下不奏功の対象としては、ACE阻害剤の投与によっても血圧降下効果が得られない対象であれば、特に制限されず、例えばACE阻害剤の長期投与等により効き目が弱まった対象や、その他、何らかの理由若しくは理由不明でACE阻害剤投与によっても血圧降下効果が得られない対象等が例示される。
また、ACE阻害禁忌の対象としては、ACE阻害剤の投与が制限される事情を有する対象であれば、特に制限されず、例えば、ACE阻害剤投与により副作用が起こる可能性がある対象(例えば血管浮腫の既往歴を有する対象)や、ACE阻害剤の作用により悪影響が考えられる薬剤を投与中の対象などが挙げられる。また、あるいは例えば妊婦若しくは妊娠の可能性のある対象が挙げられる。
なお、本発明の組成物を用いる対象としては、例えば、ヒト、及びペット又は家畜などの非ヒト哺乳動物が挙げられ、特にヒトが好ましい。
本発明の組成物の摂取量、摂取間隔などは特に限定的ではなく、適宜設定することができる。例えば、摂取量は、摂取対象の年齢、性別、体重、対象の健康状態、その他の条件(例えば種)に応じて適宜設定することができる。また、例えば、投与間隔については、1日1回又は複数回(好ましくは2〜3回)としてもよいし、数日〜数週間に1回又は複数回としてもよい。
特に摂取対象がヒトである場合、LRAペプチド投与量は、例えば、成人一日あたり、10〜300μg程度が好ましく、15〜200μg程度がより好ましく、20〜100μg程度がさらに好ましく、30〜80μg程度がよりさらに好ましく、35〜70μg程度がなお好ましく、40〜60μg程度が特に好ましい。
また、投与期間は、特に制限はされないが、3〜12週間又はそれ以上(3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又はこれら以上)であることが好ましく、9〜12週又はそれ以上であることがより好ましい。
投与対象が非ヒト哺乳動物の場合の投与形態、剤型、投与量、投与間隔などは、ヒトを投与対象とする場合を参考として適宜設定することができる。
また、本発明の組成物の投与形態は本発明の効果が得られる限り特に制限されないが、経口組成物、又は経血管(経静脈又は経動脈)組成物が好ましく、経口組成物がより好ましい。
本発明の組成物は、医薬組成物又は食品組成物などとして好ましく用いることができる。
なお、本明細書において、食品組成物は、食品組成物のみならず、食塩代替物や甘味料、飲料等への添加物などの食品添加用組成物、業務用や家庭用の食材プレミックス品などの食品用材料組成物など、広く飲食品として摂取される組成物を包含する。
本発明の組成物を医薬組成物として用いる場合、本発明の組成物は、LRAペプチドに加え、必要に応じて他の成分を含むことができる。当該他の成分としては特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬学的に許容される基剤、担体、及び/又は添加剤(例えば、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等が挙げられる。当該他の成分の配合量は目的に応じて適宜設定することができる。
本発明の組成物を医薬組成物として用いる場合、その投与形態は特に限定的ではなく、例えば、経口投与、静脈内注射などが挙げられる。中でも、経口投与が好ましい。
本発明の組成物を医薬組成物として用いる場合、その剤型は特に限定的ではなく、例えば、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などの錠剤;トローチ剤;散剤;懸濁剤;乳剤;エリキシル剤;リモナーデ剤;シロップ剤;ローション剤;顆粒剤;硬カプセル剤や軟カプセル剤などのカプセル剤;クリーム剤;軟膏剤;坐剤;パップ剤、テープ剤、マイクロニードル、イオントフォレシスやエレクトロポレーションなどの経皮/粘膜投与剤;エアゾール剤等が挙げられる。これらの形態は、LRAペプチドと、必要に応じて上記した他の成分とを組み合わせて常法により調製することができる。
本発明の組成物を医薬組成物や医薬部外品として用いる場合、当該医薬組成物におけるLRAペプチドの配合量は、LRAペプチドの有する前記効果が発揮される量であれば特に限定的ではなく、適宜設定することができる。
また、本発明の組成物を医薬組成物として用いる場合、投与量、投与間隔などは特に限定的ではなく、適宜設定することができる。例えば、投与量は、投与対象の年齢、性別、体重、対象の健康状態、その他の条件に応じて適宜設定することができる。また、例えば、投与間隔については、1日1回又は複数回(好ましくは2〜3回)としてもよいし、数日〜数週間に1回又は複数回としてもよい。また、投与対象は例えばヒト、及びペット又は家畜などの非ヒト哺乳動物が挙げられ、特にヒトが好ましい。
特に投与対象がヒトである場合、LRAペプチド投与量は、例えば、成人一日あたり、10〜300μg程度が好ましく、15〜200μg程度がより好ましく、20〜100μg程度がさらに好ましく、30〜80μg程度がよりさらに好ましく、35〜70μg程度がなお好ましく、40〜60μg程度が特に好ましい。
また、投与期間は、特に制限はされないが、3〜12週間又はそれ以上(3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又はこれら以上)であることが好ましく、9〜12週又はそれ以上であることがより好ましい。
投与対象が非ヒト哺乳動物の場合の投与形態、剤型、投与量、投与間隔などは、ヒトを投与対象とする場合を参考として適宜設定することができる。
本発明の組成物を食品組成物として用いる場合、本発明の組成物は、LRAペプチドに加え、必要に応じて他の成分を含むことができる。当該他の成分としては特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料等が例示できる。
本発明の組成物を食品組成物として用いる場合、その摂取形態は経口摂取である。この場合、本発明の組成物の形態は特に制限されず、一般食品や保健機能食品、特別用途食品に使用することができる。例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、病者用食品、嚥下困難者用食品、健康補助食品、栄養補助食品、病院食、介護食、加工食品、飲料、などが挙げられる。これらは常法により調製することができる。また、食品組成物の剤形形態としては、例えば、ハードカプセル、ソフトカプセル、サプリメント、チュアブル錠、飲料、粉末飲料、顆粒、フィルムなどの形態のほか、飲食品として使用する場合、例えば、茶系飲料、スポーツ飲料、美容飲料、果汁飲料、炭酸飲料、アルコール飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、水や湯、炭酸水等で希釈する濃縮タイプの飲料等の飲料、水や湯等に溶解または懸濁させて飲用する粉末や顆粒、タブレット等の乾燥固形物、タブレット菓子、ゼリー類、スナック類、焼き菓子、揚げ菓子、ケーキ類、チョコレート、ガム、飴、グミなどの菓子類、スープ類、めん類、米飯類、シリアル等などの食品形態にすることもできる。このうち通常の生活においては、サプリメントタイプ、チュアブル錠、ワンショットドリンクタイプなどの形態が好ましく、運動効果を高める目的で摂取する場合には、スポーツ飲料などの飲料の形態も好ましい。特に、保健機能食品、健康補助食品や栄養補助食品などとする場合には、継続的に摂取し易くするようにするため、例えば、顆粒、カプセル、タブレットや錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(飲料パウダー、ドリンク剤等)、ゼリー剤などの形態とすることが好ましい。
また、本発明の組成物を食品添加用組成物や食品用材料組成物として用いる場合には、その形態としては特に制限されず、例えば、液状、粉末状、フレーク状、顆粒状、ペースト状のものが挙げられる。より具体的には、調味料(甘味料、食塩代替組成物、醤油、酢、味噌、ソース、ケチャップ、ドレッシング、スパイス、ハーブ等、フレーク(ふりかけ、炊飯添加剤など)、焼き肉のたれ、ルーペースト(カレールーペースト等)、食材プレミックス品等が挙げられる。
本発明の組成物を食品組成物として用いる場合、当該食品組成物におけるLRAペプチドの配合量は、LRAペプチドの有する前記効果が発揮される量であれば特に限定的ではなく、適宜設定することができる。
また、本発明の組成物を食品組成物として用いる場合、摂取量、摂取間隔などは特に限定的ではなく、適宜設定することができる。例えば、摂取量は、摂取対象の年齢、性別、体重、対象の健康状態、その他の条件に応じて適宜設定することができる。例えば、摂取間隔については、上記した量を摂取する場合、1日1回又は複数回(好ましくは2〜3回)としてもよいし、数日〜数週間に1回又は複数回としてもよい。また、摂取対象はヒト、及びペット又は家畜などの非ヒト哺乳動物であってもよい。
特に投与対象がヒトである場合、LRAペプチド摂取量は、例えば、成人一日あたり、10〜300μg程度が好ましく、15〜200μg程度がより好ましく、20〜100μg程度がさらに好ましく、30〜80μg程度がよりさらに好ましく、35〜70μg程度がなお好ましく、40〜60μg程度が特に好ましい。
また、摂取期間は、特に制限はされないが、3〜12週間又はそれ以上(3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又はこれら以上)であることが好ましく、9〜12週又はそれ以上であることがより好ましい。
摂取対象となるヒトは、上記の通りACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象であることが好ましく、これに加えて、年齢に伴う血圧上昇を予防したいヒトや血圧上昇を防止したり血圧を下げる必要があるヒトがより好ましい。具体的には、日本高血圧学会が発行している高血圧治療ガイドライン2014で分類されている、高血圧(収縮期血圧が140mmHg以上及び/又は拡張期血圧が90mmHg以上)に分類されるヒトだけでなく、正常域血圧ではあるが、生涯のうちに高血圧へ移行する確立が高いことが明らかになっている正常血圧(収縮期血圧が120〜129mmHg及び/又は拡張期血圧が80〜84mmHg)や正常高値血圧(収縮期血圧が130〜139mmHg及び/又は拡張期血圧が85〜89mmHg)に分類されるヒトも好ましい。このうち、正常高値血圧、高血圧に分類されるヒトがより好ましく、正常高値血圧に分類されるヒトが更に好ましい。
摂取対象が非ヒト哺乳動物の場合の形態、摂取量、摂取間隔などは、ヒトが摂取対象である場合を参考として適宜設定することができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
製造例1:Fmoc法によるトリペプチドの合成
Fmoc法によりLeu−Arg−Alaからなるトリペプチド(LRAペプチド)を固相合成した。得られたLRAトリペプチドをHPLCにより精製した後、プロテインシーケンサーにより配列を解析した結果、Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドであることが確認された。
製造例2:Boc法によるトリペプチドの合成
Boc法によるLRAペプチドの合成を株式会社ペプチド研究所に依頼した。なお、納品されたLRAペプチドは、RP−HPLC、質量分析及びアミノ酸分析により、Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドであることが確認されたものであった。
実施例1:血圧降下作用の検討
実験動物として、雄性の高血圧自然発症ラット (SHR/Izm、12週齢;清水実験材料社)を用いた。飼料は固形SP飼料(船橋農場)、飲用水は水道水を使用し、試験中も含め自由摂食・自由飲水とした。ラットは、3週間(13〜15週齢)血圧測定への馴化期間を設けた後、本試験に使用した。なお、ラットは、LRAペプチド投与群及び対照群の2群に群分けした(各群:N=5)。
上記製造例2で合成したLRAペプチドを生理食塩水に溶解させて、0.25mg/mlペプチド溶液を調製した。LRAペプチド投与群には、当該ペプチド溶液を0.25mg/kgとなるように、1ml容シリンジ及びテフロン(登録商標)製胃ゾンデを用いて胃内に強制経口投与し、対照群には、生理食塩水をサンプル投与群と同様にして強制経口投与した。投与前、並びに投与後2時間後及び4時間後の収縮期血圧をTail−cuff法で測定した。なお、血圧の測定には、室町機械株式会社製の血圧測定器(MK−2000ST)を用いた。なお、投与後2時間後及び4時間後の収縮期血圧が投与前の収縮期血圧に比べてどの程度低下したかを指標とした。結果を図1に示す。
LRAペプチド投与群は対照群に比べて投与後2時間後及び4時間後の収縮期血圧が有意に低下したことが分かった。当該結果から、LRAペプチドは優れた血圧降下作用を有することが分かった。
実施例2:血圧降下作用への一酸化窒素の影響の検討
LRAペプチドが奏する血圧降下効果が、一酸化窒素(NO)を介して得られているものかを調べるため、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤であるL−NAMEを投与した場合にも血圧降下効果が得られるのかを検討した。なお、同人堂社から購入したL−NAME塩酸塩を検討に用いた。
Figure 0006903559
また、上記と同様に調達した雄性の高血圧自然発症ラット (SHR/Izm、18〜26週齢;清水実験材料社)を検討に用いた。LRAペプチドは、RS synthesis社に合成依頼して調製した。
なお、LRAペプチド及びL−NAME塩酸塩は、それぞれ生理食塩水に溶解させ、溶液として用いた。LRAペプチド溶液の濃度は10μM、L−NAME溶液の濃度は100μMとした。
各ラットの収縮期血圧を測定した直後にLRAペプチド溶液をゾンデを用いて経口投与し、さらにL−NAME溶液を腹腔内投与した。さらに、当該投与2及び4時間後に収縮期血圧を測定した。血圧測定には、室町機械株式会社製の血圧測定器(MK−2000ST)を用い、Tail−cuff法で測定した。一回の測定につき、6回収縮期血圧を測定し、その平均値を採用した。
以下に、ラットの群分けについて示す。
Figure 0006903559
収縮期血圧測定結果を図2に示す。図2では、縦軸は各群での、投与4時間後の収縮期血圧の変化量(投与0時間と比較)を示している。各群とも平均値±SE(標準誤差)で示している。*はP<0.05を示す。
1mg/kgのLRAペプチドを投与したラット(群2)では、コントロール(群1)に対して有意な血圧降下が確認できた。一方、LRAペプチドに加えL−NAMEも投与されたラット(群3)では、有意な血圧降下は確認できず、このことからLRAの血圧降下作用がL−NAMEにより阻害されたことがわかった。なお、L−NAMEのみ投与したラット(群4)では有意な血圧降下は確認されなかった。
以上の通り、LRAペプチドの血圧降下作用は、NOSの阻害剤であるL−NAMEによって完全に阻害された(図2)ことから、LRAペプチドは主にNOSでのNO産出を亢進することにより血圧降下作用を発揮していると考えられた。

Claims (5)

  1. ACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象のための、
    Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドを含む、血圧降下用組成物。
  2. ACE阻害による血圧降下不奏功、又はACE阻害禁忌の対象のための、
    Leu−Arg−Alaからなるトリペプチドを含む、血管における一酸化窒素産生促進用組成物。
  3. 経口組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 食品組成物又は医薬品組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 対象がヒトである、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。

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