JP6902244B2 - アスファルト舗装路の補修方法 - Google Patents

アスファルト舗装路の補修方法 Download PDF

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Description

本発明は、アスファルト舗装路の補修方法に関するものである。
アスファルト舗装は舗設後、供用年月を経るにしたがって、ひび割れ、轍ぼれ、骨材飛散、ポットホール等の損傷が発生する。なかでもひび割れは発生初期の1mm以下のひび割れ幅の時は目立たないものの、放置するとひび割れ幅は次第に拡大し、表層だけでなく基層以深の損傷も引き起こすことが多い。
非特許文献1によればひび割れ幅が1mm未満の場合、約8割のひび割れ深さは基層までであるのに対しひび割れ幅が1mm〜1.5mmの場合はその全体の約3/4が路盤にまで達している。ひび割れが路盤まで達した状態を放置しておくと、ポンピングなどによって基層以深が損傷し、最終的にはポットホールのような局所陥没を引き起こす。従ってひび割れに関してはひび割れ発生の初期段階、すなわちひび割れ幅が2.0mm以下、より好ましくは1mm以下の段階で補修することが極めて重要である。
アスファルト舗装面に発生したひび割れを補修する材料・方法としては、従来様々なものが開発されてきた。例えば、特許文献1ではブタジエン主鎖をもつウレタン系シーリング材を用いて耐寒性の優れたものが開示されている。また、特許文献2では、流動性加熱モルタルと網状シートなどの組み合わせが開示され、特許文献3や特許文献4では、シート状のアスファルト系補修材を、特許文献5では紐状の充填剤をひび割れ部に押し込む方法が開示されている。更に、特許文献6ではひび割れ部を清掃した後に珪砂、トルエンでカットバックしたアスファルト系の補修材を順次充填する方法も開示されている。
このように、ひび割れを補修する多くの材料・方法が提案されてきているが、それらの多くは補修材の粘度が高いか半固形状であり、比較的ひび割れ幅の大きなひび割れには適切ではあるものの、ひび割れ発生初期の微細な(例えば、ひび割れ幅2.0mm以下)ひび割れに対しては必ずしも有効ではない。
また、仮に粘度の低い補修材を用いた場合でも、排水性舗装のように表層部が開粒度の舗装である場合は補修材が空隙部を通って水平方向にも移動するため、どの程度の量を注入すれば基層部に到るひび割れにきちんと充填されるのかを判断することが困難であり、実際の施工においては効果ある補修を簡易に行うことはできなかった。
特開平5−171135号公報 特開平11−107211号公報 特開2005−54416号公報 特開2013−23949号公報 特開2013−53497号公報 特開2013−119699号公報
本松資朗著「高速道路のアスファルト舗装の破損事例とそのメカニズムから見たアスファルトへの要望」、2009年石油製品討論会(2009年12月)ページ78〜90
従来の補修材・補修方法では補修ができなかったひび割れ幅2.0mm以下の微細なひび割れを効果的かつ効率的に補修できる方法を提供する。
以上の現状に鑑み鋭意研究の結果本発明者は、本発明方法を完成したものであり、その特徴とするところは、排水性舗装表面に発生したひび割れ幅が2.0mm以下のひび割れに対して、初期粘度が200mPa・s(25℃)以下であり、完全硬化後の体積変化が充填開始時の0.9〜1.2倍である補修材を用いる補修方法であって、
平均ひび割れ幅:Wcm
ひび割れ長さ:Lcm
アスファルト混合物層の厚さ:Dcm
表層部の設計空隙率:A%
注入量:VmL
該補修材の硬化開始時間:T秒
としたときに、式(2)を満たすような硬化開始時間の補修材を、式(1)を満たす注入量を充填することを特徴とするアスファルト舗装路の補修方法。
L(DW+0.3A)<V<L(DW+0.6A) ・・・式(1)
30/W<T<60/W ・・・式(2)
本発明の目的は次の通りである。
1 補修材(充填材)が低粘度であること。
ひび割れ幅の小さなひび割れに補修材を十分に注入・浸透させるためである。
2 硬化が速いこと、しかし速すぎない。
補修材はひび割れに浸透するまでは十分低い粘度を保ち、浸透後は速やかに硬化することが好ましい。
3 硬化による収縮が小さい。
硬化後に収縮するとせっかく充填したひび割れから剥離し再度空隙が生じやすくなるためである。
4 適切な量を充填する。
実際の施工においては、ひび割れに注入する量を決めなければならない。しかし、単にひび割れを路面から観察しただけではひび割れの深さ・内部形状が不明であり、これらの知見を得ることはできない。特に排水性舗装のように表層が開粒度の舗装体である場合、補修材が舗装体内部の空隙を通って水平方向にも浸透していくため、舗装表面のひび割れ部の観察からでは最適な注入量を推定することは困難であった。
5 硬化開始時間の設定
どの時点でひび割れに充填が完了しているのかが不明であるため、最適値を決定できず、硬化開始時間をどの程度にするか、即ちどの程度の硬化開始時間のものを用いるかが難しい。完全硬化させ施工完了した後に道路を交通開放するという一連の工程が確定できないため、硬化時間が不明なものは施工に用いることが困難であった。
この5つの点を解消したのが本発明であり、以下説明する。
排水性舗装とは、通常は表層が開粒度混合物からなるもので、空隙率15%以上のものである。
ひび割れ幅は2.0mm以下である。これ以上の幅のひび割れに関しては本発明には含まれない。その理由は、幅が2.0mm以上になると、本発明のような初期補修ではなく、また発明者の種々の実験でも、本発明が成り立たないことが多かったためである。
ここでいう補修材は、ひび割れ内に充填して硬化するものである。硬化することによって、ひび割れを接着し、それ以上に進行することを防止するものである。アスファルト乳剤、樹脂、又はその混合物である。なかでも、アスファルト乳剤と樹脂の混合物が好適である。
補修材として、必要な物性は、初期粘度が200mPa・s(25℃)以下であることである。これは、ひび割れ幅が小さいため、これより粘度が高いと、浸透性が小さく十分に充填ができないためである。
補修材は、完全硬化後の体積が充填開始時の0.9〜1.2倍であることが必要である。これは、補修材が完全硬化後に収縮し、0.9倍以下になると骨材から補修材が剥離したり、補修材内に空隙が生じたりして、本来求められる水密性や接着強度が得られない。逆に1.2倍以上に膨張する場合は舗装体に対して応力を加えたり、補修材の密度低下により強度が弱まるため、これもまた適当ではない。
このような補修材としては次のようなものがある。
アスファルト乳剤、水系樹脂(樹脂エマルジョン)、溶剤によりカットバックされたウレタンやエポキシ等の熱硬化性樹脂などからなる補修材主原料と、補修材主原料の硬化を制御する酸、塩基またはそれらの塩などからなる硬化速度調節剤の混合物が好適である。
例えば、アスファルト乳剤とウレタンプレポリマーの混合物である。アスファルトは長年にわたって舗装に使用されてきた実績のあるバインダーであり、物理特性とコストのバランスが良く、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)などのポリマーや、オイル成分等を加えた改質アスファルトを用いればさらに物性面での改良を図ることができる。これらのアスファルトを乳化したアスファルト乳剤は通常40〜60%の蒸発残留分(固形分)を含有しつつ低粘度で浸透性に優れている。
しかし、アスファルト乳剤だけを使用するとひび割れとの水密性や接着強度が得られにくく、硬化時間が比較的長いという問題がある。この問題を解決するために少量のウレタンプレポリマーを添加する。ウレタンプレポリマーを添加することにより、硬化を促進させ硬化時間を早めるとともに、イソシアネート基とアスファルト乳剤中の水との反応により微発泡させ、ひび割れとの水密性や接着強度を得ることができる。
使用するウレタンプレポリマーの種類は問わないが、アスファルト乳剤との相溶性を向上させ、かつ樹脂としての柔軟性を持たせるためにエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオールとトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等を反応させたものが好ましい。またウレタンプレポリマーは必要に応じて有機溶剤などでカットバック(希釈)しても良い。
上記のアスファルト乳剤とウレタンプレポリマーの混合物は、混合することにより補修材主材料となるが、発泡・硬化が速く進み過ぎた場合は、ひび割れ幅の狭いひび割れには好ましくない。そこで反応速度を制御するための硬化速度調節剤を添加してもよい。
硬化速度調節剤としては酸、塩基、塩など様々なものが考えられる。具体的には、リン酸、無水リン酸、塩化ベンゾイル、塩酸、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、イミダゾール類、スズ化合物ならびにこれらの混合物等が挙げられ、これらを単体あるいは水溶液など溶液の形で使用する。
これらのアスファルト乳剤、ウレタンプレポリマー、硬化速度調節剤は注入直前に混合して使用されるが、必要量のアスファルト乳剤と硬化速度調節剤をまず混合し、その後にウレタンプレポリマーを加える方法が好ましい。
即ち、この硬化速度調節剤の混合量の調整により、硬化開始時間は調整可能である。よって、種々の現場での測定値によって、硬化時間を加減すればよい。
次に式(1)、(2)について説明する。まず、それぞれの変数について述べる。
Lは、ひび割れの長さであり、表面上に現れている長さでよい。ほぼ直線として、端から端までを測定すればよい。
Dは、アスファルト混合物層の厚さであり、本出願では、表層アスファルト層、基層アスファルト層およびアスファルト安定処理上層路盤までの厚さをいう。一般的には、10cm〜40cm程度である。Dをこのようにして決める理由は、ひび割れの深さは実際問題として測定できないことと、この程度までひび割れが進んでいることが多いためである。
図1は、本発明において補修するひび割れ1の例を示す部分断面斜視図である。表層アスファルト層2、基層アスファルト層3、及びアスファルト安定処理上層路盤4がアスファルト層であり、この3層の合計厚みが前記Dである。また、この層の下は下層路盤5である。ひび割れ1の幅がWであり、長さがLである。Aはここでいう表層アスファルト層の設計空隙率のパーセンテージの数値である。
Wは、ひび割れの平均の幅である。概略値でよく、厳密に測定して平均を出す必要はない。
Tは、補修材の硬化開始時間をいう。完全硬化までの時間ではなく、浸透が困難になる時間であり、ここでは粘度が500mPa・sになるまでの時間としている。
図2は、一般的な混合後の時間経過と粘度のグラフである。このように、一定時間経過後急激に硬化が進むプロセスである。この中で粘度500mPa・sにしているのは、この程度の粘度になると、浸透が急激に遅くなるためである。また、本発明ではこの粘度での時間を用いて、試行錯誤で式(2)を求めたものである。
次に2つの式(1)及び(2)の意味について述べる。
L(DW+0.3A)<V<L(DW+0.6A) ・・・式(1)
30/W<T<60/W ・・・式(2)
式(1)は、補修材の注入量が、この式(1)を満たす量にすることを規定している。L×D×Wは、ひび割れが直方体として内部がまったくの空隙としたときのひび割れ内の容積である。これだけあれば、ひび割れは満たされる。
しかし、排水性舗装の場合、表層は空隙があり、その空隙に補修材は染み込むことになる。そうすると、前記のL×D×Wだけでは不足することになる。
上記の不足分を補う分(追加分)が、0.3ALである。即ち、空隙率とひび割れ幅が大きくなると必要量は大きくなる。実際の量は、試行錯誤により、空隙率はパーセントの数字そのものであり、係数は0.3であることを見出したのである。さらに、この追加分には、ひび割れの幅はほとんど関係なく、表層厚の影響もほとんどないことが分かった。その結果、L(DW+0.3A)が必要最小量となった。
そして、最大量は、L(DW+0.6A)である。これも前記同様試行錯誤で見出した数字である。よって、本発明は、この範囲の量を充填する方法である。
ここで注入量Vが上記のL(DW+0.3A)以下の場合は補修材がひび割れ部に十分に充填されず、ひび割れは完全補修されない。また、Vが上記のL(DW+0.6A)以上の場合は材料が無駄なばかりでなく、余分の補修材が路面に溢れてしまう等の問題を生ずる。
次に式(2)の意味は、30/Wと60/Wの間に当てはまる硬化開始時間を持った補修材を用いるということである。最小値は、30を幅のセンチメートル表記の数値で除したものである。例えば、幅が1.0mmの場合、30/0.1であり、300秒となる。即ち5分である。最大値は、10分である。
幅で除するということは、幅が大きくなると速く硬化するものを用いるということである。逆に、幅が小さくなり浸透に時間がかかるようになると、ゆっくり硬化するものを用いるということである。速く硬化すると狭い部分に浸透する前に硬化するためである。
30や60という係数は、発明者の実験によるもので、種々の場合から求めたものである。Tが30/W以下である場合、硬化開始が早すぎ、粘度上昇のために補修材はひび割れ部に十分に充填されない。また、Tが60/W以上である場合、施工時間がかかりすぎ交通開放を予定時間内に行えない可能性がある。
本発明補修材の充填方法は自由であり、単にノズル付き容器から注入する方法等でよい。例えば、補修材を固定ノズルあるいはフレキシブルなホースやチューブの先にノズルを有する注入機を用いてひび割れ上から注入してもよい。ノズルの開口径は4.0mm前後が補修材の粘度、注入量の面から好適である。
このようなノズルを用いて注入するとひび割れ表面では補修材が1〜2cm程度に広がり、その後ひび割れ内に浸透していくが、同時に排水性舗装の空隙部分を通して表層内を浸透していき、基層上面のひび割れに補修材の止水層を形成する。
本発明の補修方法を用いることにより、排水性舗装面に発生した2.0mm以下の微細なひび割れを効果的且つ効率的に補修することができる。舗装体の損傷が軽微なうちに補修することで基層や路盤への損傷の拡大を防止し低コストで効果的な道路メインテナンスを行うことができる。
道路の交通開放が早くでき、交通停滞の期間を軽減できる。本発明では、交通開放に至る時間が短いにも係わらず、アスファルト安定処理上層路盤まで、十分にひび割れ内に充填できることである。
本発明方法を実施するひび割れの例を示す部分斜視図である。 硬化開始時間を表すグラフである。
以下実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例・比較例とも、補修材の計量は質量(g)単位で行っているが硬化開始前の補修材の密度はほぼ1.0であり、注入された質量の数値はそのまま容量(ml)に換算することができる。
実施例に用いた補修材の各成分の作製方法を以下に述べる。
<アスファルト乳剤の作製>
針入度60〜80の石油アスファルト20kgを容器に取り180℃で撹拌しながら、Kumho社製のスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体KTR101を800g、プロセスオイルを1200g加え、24時間加熱混合を続けポリマー改質アスファルトを得た。得られたポリマー改質アスファルト10kgを160℃に調温し、45℃に加温した乳化液(ポリオキシエチレンアルキルエーテル1kgを脱イオン水19kgに溶解したもの)10kgとアスファルト乳剤製造用のコロイドミルを用いて混合乳化し、蒸発残留分50%、粘度80mPa・s(25℃)のノニオン系アスファルト乳剤20kgを得た。
<ウレタンプレポリマーの作製>
第一工業製薬社製のウレタンプレポリマー製品であるポリグラウトM−2、1kgを容器に量りとり、これにメチルエチルケトン400gを加え10分間撹拌し、求めるウレタンプレポリマー1.4kgを得た。
<硬化速度調節剤の作製>
イミダゾール500gを容器に量りとり、脱イオン水500gを加えて水溶液とし、求める硬化速度調節剤1kgを得た。
実施例1
先の方法で得られたノニオン系改質アスファルト、ウレタンプレポリマー、硬化速度調節剤を用いて補修材を作製した。まずノニオン系改質アスファルト乳剤1000gをプラスチック容器に量りとり、これに硬化速度調節剤10gを加え、10秒程度振とう撹拌した。次にウレタンプレポリマー100gを加え、さらに30秒間振とう撹拌し、1110gの補修材を得た。得られた補修材は初期粘度80mPa・s、硬化開始時間は8分(480秒)であった。
この補修材をアスファルト混合物層の厚み34cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.5mm、長さ95cmのひび割れに直径4mmのノズル口を有するチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら3回に分けて連続的に注入した。注入後に、容器に残留した補修材は12gであった。注入後、30分で補修材は手で触れても付着しない程度に固化し、交通開放可能な状態となった。交通渋滞を勘案すれば、精精1時間程度で交通開放が望ましい。本例では、十分であった。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ34cmのひび割れ部は完全に補修材によって充填・接着されていた。
実施例2
実施例1と同じ方法・材料で、硬化速度調節剤を8gに減らして補修材を調整した。得られた補修材は初期粘度80mPa・s、硬化開始時間は6分10秒であった。この補修材をアスファルト混合物層の厚み34cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.7mm、長さ90cmのひび割れに直径4mmのノズル口を持ったチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら3回に分けて連続的に注入した。注入後に、容器に残留した補修材は10gであった。注入後、25分で補修材は手で触れても付着しない程度に固化し、交通開放可能な状態となった。交通開放時間は問題なかった。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ34cmのひび割れ部は完全に補修材によって充填・接着されていた。
実施例3
実施例1と同様の方法・材料でウレタンプレポリマーの量を110gに変更して補修材を調整した。得られた補修材は初期粘度120mPa・s、硬化開始時間は6分30秒であった。この補修材をアスファルト混合物層の厚み18cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.5mm、長さ100cmのひび割れに直径4mmのノズル口を持ったチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら2回に分けて連続的に注入した。注入後に、容器に残留した補修材は15gであった。注入後20分で補修材は手で触れても付着しない程度に固化し、交通開放可能な状態となった。この例も交通開放時間に問題はなかった。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ18cmのひび割れ部は完全に補修材によって充填・接着されていた。
比較例1
実施例1と同様の方法・材料でアスファルト乳剤500g、反応速度調節剤5g、ウレタンプレポリマー50gを混合して補修材を調整した。得られた補修材は初期粘度80mPa・s、硬化開始時間は8分40秒であった。この補修材をアスファルト混合物層の厚み34cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.5mm、長さ90cmのひび割れに直径4mmのノズル口を持ったチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら3回に分けて連続的に注入した。なお注入後に、容器に残留した補修材は11gであった。注入後、30分で補修材は手で触れても付着しない程度に固化し、交通開放可能な状態となった。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ34cmのひび割れ部は、補修材がアスファルト安定処理上層路盤まで到達していたが、ひび割れ全体の充填・接着は不十分であった。
比較例2
実施例1と同じ方法・材料で、硬化速度調節剤を4gに減らして補修材を調整した。得られた補修材は初期粘度80mPa・s、硬化開始時間は2分40秒であった。この補修材をアスファルト混合物層の厚み34cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.5mm、長さ93cmのひび割れに直径4mmのノズル口を持ったチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら3回に分けて連続的に注入した。注入後に、容器に残留した補修材は51gであった。注入後15分で補修材は手で触れても付着しない程度に固化し、交通開放可能な状態となった。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ34cmのひび割れ部は、補修材がアスファルト安定処理上層路盤まで到達していたが、ひび割れ全体の充填・接着は不十分であった。
比較例3
実施例1と同じ方法・材料で、硬化速度調節剤を20gに増やして補修材を調整した。得られた補修材は初期粘度75mPa・s、硬化開始時間は17分であった。この補修材をアスファルト混合物層の厚み34cm、表層厚み4cmの排水性舗装(表層の設計空隙率20%)の舗装表面に発生したひび割れ幅0.5mm、長さ115cmのひび割れに直径4mmのノズル口を持ったチューブを用いてひび割れから溢れ出ないように注入量を調節しながら3回に分けて連続的に注入した。なお注入後に、容器に残留した補修材は9gであった。注入後30分ではまだ手に付着し、2時間後にようやく手で触れても付着しない程度に固化し交通開放可能な状態となった。これでは、交通開放に時間がかかりすぎである。
翌日、施工箇所のコア抜きを行い、充填状況を確認したところ、深さ34cmのひび割れ部は完全に補修材によって充填・接着されていた。
実施例および比較例の結果を表1に示した。式(1)、(2)のどちらも満たす施工方法は、ひび割れを完全に充填し良好な交通開放時間を与えた。
以上の結果を表1に示す。この表では、交通開放可能時間を1時間半で区切り、それ以上のものを×にした。充填については、ひび割れ全体に充填・接着されていたかどうかで判断した。
表1から、本発明方法では、迅速に交通開放ができ、かつ補修材の充填も十分であった。
Figure 0006902244

Claims (2)

  1. 排水性舗装表面に発生したひび割れ幅が2.0mm以下のひび割れに対して、初期粘度が200mPa・s(25℃)以下であり、完全硬化後の体積変化が充填開始時の0.9〜1.2倍であり、アスファルト乳剤、ウレタンプレポリマー及び硬化速度調節剤の混合物である補修材を用いる補修方法であって、
    平均ひび割れ幅:Wcm
    ひび割れ長さ:Lcm
    アスファルト混合物層の厚さ:Dcm
    表層部の設計空隙率:A%
    注入量:VmL
    該補修材の硬化開始時間:T秒
    としたときに、該W、L、D、A、V、Tの各数値を下記に示す式(1)及び式(2)に代入した際、式(2)を満たすような硬化開始時間の該補修材を、式(1)を満たす注入量を充填することを特徴とするアスファルト舗装路の補修方法。
    L(DW+0.3A)<V<L(DW+0.6A) ・・・式(1)
    30/W<T<60/W ・・・式(2)
  2. 前記補修材は、重量比で前記アスファルト乳剤100に対し、前記ウレタンプレポリマー10〜11、前記硬化速度調節剤が0.8〜1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト舗装路の補修方法。
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