JP6901714B2 - 脂質膜含有物を固定化するための化合物、当該化合物で修飾された基材、当該基材上に脂質膜含有物をパターニングする方法及び脂質膜含有物を当該基材上で単離する方法 - Google Patents
脂質膜含有物を固定化するための化合物、当該化合物で修飾された基材、当該基材上に脂質膜含有物をパターニングする方法及び脂質膜含有物を当該基材上で単離する方法 Download PDFInfo
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Description
[1]
以下の式(I)
A1は、脂質膜含有物中の脂質膜と結合する脂質膜結合基であり、
A2は、前記脂質膜結合基の脂質膜への結合を阻害する脂質膜結合阻害基であり、
A3は、光反応基であり、
A4は、親水性基であり、
A5は、修飾対象基材への反応基であり、
A6は、少なくとも3本の結合手を有する足場部位であり、
L1及びL2は、リンカーであり、
k1及びk2は、それぞれ独立して0又は1である]
で表される化合物であって、光反応により、脂質膜結合阻害基による結合阻害が解消されて、前記脂質膜結合基が脂質膜に結合可能となる、前記化合物。
[2]
前記脂質膜含有物が、細胞、細胞小器官、小胞、ウイルス、リポソーム、ミセル及び脂質で被覆された量子ドットからなる群から選択される、上記[1]に記載の化合物。
[3]
前記修飾対象基材が、ウシ血清アルブミン(BSA)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)及びコラーゲンからなる群から選択される少なくとも1つで被覆された基材である、上記[1]又は[2]に記載の化合物。
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよい、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の化合物。
[5]
A3が、2−ニトロベンジル骨格、クマリン−4−イルメチル骨格、フェニルカルボニルメチル骨格、7−ニトロインドリノカルボニル骨格、アゾベンゼン骨格、フルギド骨格、スピロピラン骨格、スピロオキサジン骨格及びジアリールエテン骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[6]
A4が、以下:
Zは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、かつ2≦n≦500であり、
左側の矢印は、A6への連結を示し、右側の矢印は、k2が0の場合にはA5への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
で表される、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の化合物。
[7]
A5が、以下の置換基:
矢印は、k2が0の場合にはA4への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される]
からなる群から選択される、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の化合物。
[8]
L1及びL2が、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよい、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の化合物。
[9]
A6が、以下:
L3、L4及びL5は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
k3、k4及びk5は、それぞれ独立して0又は1であり、
(A1)、(A3)及び(A4)への矢印はそれぞれ、A1、A3及びA4への連結を示す]
で表される、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の化合物。
[10]
以下の式(I−a):
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
L1〜L5が、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
A3が、ニトロベンゼン骨格、クマリン骨格、ヒドロキシフェナンシル骨格、ニトロインドリン骨格、アゾベンゼン骨格、フルギド骨格、スピロピラン骨格、スピロオキサジン骨格及びジアリールエテン骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、L2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の化合物。
[11]
以下の式(I−b):
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは0〜8であり、
q及びsは、それぞれ独立して0〜7であり、
rは0〜10であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[12]
以下の式(I−c)
で表される、上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の化合物。
[13]
以下の式(II−a)
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群からから選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは0〜8であり、
qは、それぞれ独立して0〜7であり、
rは0〜10であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[14]
以下の式(II−b)
で表される、[13]に記載の化合物。
[15]
以下の式(I−d)
または、以下の式(II−c)
で表される、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[16]
上記[1]〜[15]のいずれか1つに記載の化合物とその修飾対象基材とを反応させて得られた、脂質膜含有物を固定化するための基材。
[17]
以下の式(III)の基:
A1〜A4、A6、L1、L2、k1及びk2は、[1]〜[15]のいずれか1項に定義された通りであり、
A7は、式(III)のその他の部分と修飾対象基材とを連結する二価の基であるか、又は基材と非共有結合で連結可能な反応基であり、
矢印は、基材への共有結合又は非共有結合による連結を示す]
を有する、脂質膜含有物を固定化するための基材。
[18]
基材上に脂質膜含有物をパターニングする方法であって、以下のステップ:
(1)上記[16]又は[17]に記載の脂質膜含有物を固定化するための基材上において脂質膜含有物のパターンを形成する部分に光を照射して、当該部分の脂質膜結合基を脂質膜と結合可能な状態とし;
(2)前記脂質膜含有物を前記脂質膜結合基と反応させて前記脂質膜含有物のパターンを形成すること
を含む、前記方法。
[19]
以下のステップ:
(3)ステップ(2)で得られた基材を洗浄して、未反応の脂質膜含有物を基材から除去し;
(4)以前のステップで使用した脂質膜含有物とは異なる脂質膜含有物を使用して、ステップ(1)〜(3)を繰り返すことで、複数の異なる脂質膜含有物のパターンを形成すること
をさらに含む、[18]に記載の方法。
[20]
脂質膜含有物を単離する方法であって、以下のステップ:
(1)上記[16]又は[17]に記載の脂質膜含有物を固定化するための基材上に、脂質膜含有物を含む試料を適用し;
(2)基材上の前記脂質膜含有物の位置を顕微鏡観察に基づいて検出し;
(3)前記位置に光を照射して、前記位置の脂質膜結合基を脂質膜と結合可能な状態とし、基材上に前記脂質膜含有物を固定化し;
(4)ステップ(3)で得られた基材を洗浄して、基材に固定化されていない物質を基材から除去すること
を含む、前記方法。
m1は0〜6であり、m2は0〜7であり、m3は0〜8であり、m4は0〜9であり、m5は0〜10であり、NHは、任意にN(C1-10アルキル)で置き換えられてもよい。]
A1は、脂質膜含有物中の脂質膜と結合する脂質膜結合基であり、
A2は、前記脂質膜結合基の脂質膜への結合を阻害する脂質膜結合阻害基であり、
A3は、光反応基であり、
A4は、親水性基であり、
A5は、修飾対象基材への反応基であり、
A6は、少なくとも3本の結合手を有する足場部位であり、
L1及びL2は、リンカーであり、
k1及びk2は、それぞれ独立して0又は1である]
で表される化合物であって、光反応により、脂質膜結合阻害基による結合阻害が解消されて、前記脂質膜結合基が脂質膜に結合可能となる、前記化合物(以下、「本発明の化合物」とも呼ぶ)に関する。
Zは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、かつ2≦n≦500であり、
左側の矢印は、A6への連結を示し、右側の矢印は、k2が0の場合にはA5への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す。]
Zは、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、かつ2≦n≦500であり、
左側の矢印は、A6への連結を示し、右側の矢印は、k2が0の場合にはA5への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す。]
矢印は、k2が0の場合にはA4への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル、ハロゲン、C1-10アルコキシからなる群から選択される。]
この中でも、カルボキシル基及び以下の置換基が好ましい。
(i)本願発明の化合物の反応基として疎水性置換基を採用し、疎水性置換基を含む修飾対象基材との疎水性相互作用により固定化する場合。
(ii)本願発明の化合物の反応基としてポリペプチドや核酸を採用し、それらと結合可能な物質を含む修飾対象基材と反応させて固定化する場合(例えば、相補的なDNA鎖の組み合わせ;ビオチンとアビジンとの組み合わせなど)。
(iii)本願発明の化合物の反応基として超分子(例えばシクロデキストリン)を認識可能な小分子(例えばフェロセン)を採用し、超分子を含む修飾対象基材と反応させて固定化する場合。
m1は0〜6であり、m2は0〜7であり、m3は0〜8であり、m4は0〜9であり、m5は0〜10であり、NHは、任意にN(C1-10アルキル)で置き換えられてもよい]
で表される構造を有することが好ましい。
L3、L4及びL5は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
k3、k4及びk5は、それぞれ独立して0又は1であり、
(A1)、(A3)及び(A4)への矢印はそれぞれ、A1、A3及びA4への連結を示す。]
m1は0〜6であり、m2は0〜7であり、m3は0〜8であり、m4は0〜9であり、m5は0〜10であり、NHは、任意にN(C1-10アルキル)で置き換えられてもよい]
で表される構造を有することが好ましい。
L3は
m3は0〜8であり、
左側の矢印は脂質膜結合基への連結を示し、右側の矢印は足場部位の中心炭素への連結を示す)
であり、
L4は、
m2は0〜7であり、
左側の矢印は足場部位の中心炭素への連結を示し、右側の矢印は親水性基への連結を示す)
であり、
L5は、NHである]
である。
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
L1〜L5が、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
A3が、ニトロベンゼン骨格、クマリン骨格、ヒドロキシフェナンシル骨格、ニトロインドリン骨格、アゾベンゼン骨格、フルギド骨格、スピロピラン骨格、スピロオキサジン骨格及びジアリールエテン骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、L2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル、ハロゲン、C1-10アルコキシからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される化合物が挙げられる。
A1及びA2は、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは0〜8であり、
q及びsは、それぞれ独立して0〜7であり、
rは0〜10であり、
A5は、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル、ハロゲン、C1-10アルコキシからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される化合物が挙げられる。
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群からから選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは0〜8であり、
qは、それぞれ独立して0〜7であり、
rは0〜10であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される化合物が挙げられる。
式(I)で示される化合物は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適応して合成することができる。以下に代表的な製造法を例示するが、以下に記載の方法のみに限定されるものではない。なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料もしくは中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に変えておくことが製造技術上効果的な場合があり、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を挙げることができ、それら保護基としては例えば、グリーン(Greene)及びウッツ(Wutt)著プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス 第3版「Protective Groups in Organic Synthesis (third edition)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。出発原料及び反応試薬は、公知の化合物であるか、又は公知化合物から有機化学の分野で周知の方法に従って容易に製造することができる。
化合物1のアミノ基をN−ヒドロキシスクシンイミドエステルである化合物2と反応させて、化合物3を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜7日間、好ましくは1時間〜72時間である。
化合物3のカルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させて、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである化合物4を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜3日間、好ましくは1時間〜24時間である。
N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである化合物4を化合物5のアミノ基と反応させて、化合物6を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜3日間、好ましくは1時間〜24時間である。
化合物6のアミノ基の保護基であるBoc基を、酸性条件下で脱保護して、化合物7を得ることができる。本工程で用いる酸としては、特に制限はないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。好ましくは、トリフルオロ酢酸もしくは塩酸である。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはジクロロメタン、もしくはメタノールである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜3日間、好ましくは1時間〜24時間である。
化合物7と8とを塩基存在下で縮合して、化合物9を製造することができる。本工程で用いる塩基としては、特に制限はないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンが挙げられる。好ましくは、トリメチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜7日間、好ましくは12時間〜72時間である。
化合物9のカルボキシル基を活性化剤により活性化して、修飾対象基材への反応基A5を有する式(I−b)の化合物を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜3日間、好ましくは1時間〜24時間である。例えば、A5がN−ヒドロキシスクシンイミドエステルである場合、上記工程2と同様に製造することができる。
化合物10のカルボキシル基を化合物11のアミノ基を、縮合剤存在下で反応させて、化合物12を製造することができる。本工程で用いる縮合剤としては、特に制限はないが、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドなどが挙げられる。好ましくは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロフラン、もしくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1時間〜3日間、好ましくは1時間〜24時間である。
化合物12のヒドロキシル基を、塩基存在下、クロロギ酸4−ニトロフェノールと反応させて式8の化合物を製造することができる。本工程で用いる塩基としては、特に制限はないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンが挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンである。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロフランである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、5分〜3日間、好ましくは15分〜24時間である。
A1〜A4、A6、L1、L2、k1及びk2は、上の本発明の化合物で定義された通りであり、
A7は、式(III)のその他の部分と基材とを連結する二価の基であるか、又は基材と非共有結合で連結可能な反応基であり、
矢印は、基材への共有結合又は非共有結合による連結を示す]
を有する、脂質膜含有物を固定化するための基材に関する。以下で「本発明の式(III)の基を有する基材」とも呼ぶ。
1H-NMR: プロトン核磁気共鳴スペクトル
APTES: 3-アミノプロピルトリエトキシシラン
BOC: N-tert-ブトキシカルボニル
BSA: ウシ血清アルブミン
CDCl3: 重水素化クロロホルム
CHCl3: クロロホルム
DCC: N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM: ジクロロメタン
DMEM: ダルベッコ改変イーグル培地
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
eq: 化学当量
Et3N: トリエチルアミン
FBS: ウシ胎児血清
MeOH: メタノール
MW: 分子量
NHS: N-ヒドロキシスクシンイミド
PBS: リン酸緩衝生理食塩水
PEG: ポリエチレングリコール
Ph: 位相差顕微鏡
PL: 光切断性リンカー (Photo cleavable linker), 4-[4-(1-ヒドロキシ-エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ] 酪酸
Rf: 保持因子
rpm: 回毎分
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TLC: 薄層クロマトグラフィー
WSC: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.40 (br m, CH3CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2CH2, 22H); 1.47 (tt, CH2CH2NH, 2H); 1.56 (d, CH(OH)CH3, 3H); 1.93-2.08 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.20 (tt, OCH2CH2, 2H); 2.40 (t, C(=O)CH2, 2H); 3.23 (dt, NHCH2, 2H); 3.98 (s, OCH3, 3H); 4.12 (t, OCH2, 2H); 5.29-5.43 (br m, CH=CH, 2H); 5.58 (m, CHOH, 1H); 7.30 (s, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.58 (s, aromatic CH-O-NO2, 1H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.40 (br m, CH3CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2CH2, 22H); 1.48 (tt, CH2CH2NH, 2H); 1.78 (d, CH(O)CH3, 3H); 1.93-2.08 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.21 (tt, OCH2CH2, 2H); 2.39 (t, C(=O)CH2, 2H); 3.25 (dt, NHCH2, 2H); 4.00 (s, OCH3,3H); 4.14 (t, OCH2, 2H); 5.30-5.42 (br m, CH=CH, 2H); 6.54 (q, CH3CHO, 1H); 7.11 (s, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.35 (d, aromatic CH-o-NO2, 2H); 7.62 (s, aromatic CH-o-NO2, 1H); 8.26 (d, aromatic CH-m-NO2, 2H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.40 (br m, CH3CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2CH2, 22H); 1.42 (m, NHCH2CH2CH2, 2H); 1.45 (s, C(CH3)3, 9H); 1.54 (m, NHCH2CH2, 2H); 1.71 (m, NHCHCH2, 2H); 1.87 (m, CH2CH2C(=O), 2H); 1.93-2.08 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.17 (t, CH2C(=O), 2H); 3.25 (dt, NHCH2, 2H); 3.73 (dt, NHCHC(=O), 1H); 5.20-5.40 (br m, CH=CH, 2H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.40 (br m, CH3CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, 20H); 1.46 (s, C(CH3)3, 9H); 1.52-1.72 (br m, NHCH2CH2CH2CH2, 6H); 1.91 (m, CH2CH2C(=O), 2H); 2.01 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.19-3.35 (m, NHCH2, 2H); 3.72 (m, NHCHC(=O), 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.35 (br m, CH3CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, 20H); 1.38-1.40 (br m, CH2CH2C(=O), NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.44 (s, C(CH3)3, 9H); 1.57-1.69 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, 4H); 1.73-1.86 (br m, CH2C(=O)NHCH2CH2, 4H); 2.01 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (t, CH2CHC(=O)NH, 2H); 2.32 (t, CH2C(=O)OH, 2H); 3.23 (m, CH2C(=O)NHCH2, 2H); 3.33 (s, CHC(=O)NHCH2, 2H); 3.47 (t, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.80 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 5.34 (m, CH=CH, 2H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.38 (br m, CH3CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, 20H); 1.38-1.48 (br m, CH2CH2C(=O), NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.53-1.72 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.73-1.86 (br m, CH2C(=O)NHCH2CH2, 4H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.29 (t, CH2CHC(=O)NH, 2H); 2.34 (t, CH2C(=O)OH, 2H); 3.27 (m, CH2C(=O)NHCH2, 2H); 3.33 (s, CHC(=O)NHCH2, 2H); 3.48 (m, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.80 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 5.34 (m, CH=CH, 2H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 42H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 4H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 8H); 2.08-2.24 (br m, CH2CHC(=O)NH, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 4H); 2.32 (t, CH2C(=O)OH, 2H); 2.39 (m, CH2CH2NHC(=O)CH2, 4H); 3.24 (m, CH2C(=O)NHCH2, 2H); 3.33 (m, CHC(=O)NHCH2, 2H); 3.48 (m, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.80 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 3.97 (d, OCH3, 3H); 4.10 (t, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 5.34 (m, CH=CH, 2H); 5.62 (m, CHC(=O)NH, 1H); 6.32 (m, CHO, 1H); 7.08 (s, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.55 (s, aromatic CH-o-NO2, 1H).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 42H); 1.41-1.54 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.53-1.69 (br m, CH2CH2CH2C(=O)O, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.83 (m, CH2C(=O)NH, 4H); 2.01 (m, CH2CH=CH, 8H); 2.08-2.24 (br m, CH2CHC(=O)NH, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 4H); 2.38 (m, CH2CH2NHC(=O)CH2, 4H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24 (m, CH2C(=O)NHCH2, 2H); 3.34 (m, CHC(=O)NHCH2, 2H); 3.47 (m, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.80 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 3.96 (d, OCH3, 3H); 4.10 (m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 5.34 (m, CH=CH, 2H); 5.62 (m, CHC(=O)NH, 1H); 6.35 (m, CHO, 1H); 7.03 (s, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.57 (s, aromatic CH-o-NO2, 1H).
(1)コラーゲンコート基板の調製
スライドガラスを4 well plateに入れ、0.3 mg/mLコラーゲン/pH 3.0 HCl 溶液を4 mL入れた。室温で一晩静置し、MilliQ水で3回洗浄して乾燥させた。
(2)脂質膜含有物を固定化するための基板の製造
実施例1で製造された式(I−c)の化合物のDMSO溶液(1mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液を、上記(1)で調製したコラーゲンコート基板と直径3.5cmのディッシュ中で、4時間、37℃で反応させた。実施例1で製造された式(I-c)の化合物のPBS溶液を除去し、1mLのMilliQ水による洗浄を6回行った後、乾燥させて、細胞を固定化するための基板を製造した。
実施例2で調製した基板の表面に対して、図1に示すフォトマスクを用いてコンタクト露光(0.6 mW/cm2, 3000 秒, 1.8 J/cm2)し、3.5 cm ディッシュ底面に設置した。ここに2 mLのPBS溶液を入れ、5×106 cells/mL Ba/F3細胞/PBS懸濁液1 mLを播種し、15分静置し、固定されなかった細胞をPBS溶液により洗浄除去した。Ba/F3細胞を、0.25 μg/mL カルセイン-AM/PBS 1 mLで15分染色したのち、顕微鏡観察(蛍光, 明視野, ×4対物レンズ)した。結果を図2に示す。
底面が食品用ラップ(膜厚約10 μm, ポリ塩化ビニリデン)で作製された、直径25 mmのディッシュを作製した。このディッシュに1 mLの0.3 mg/mL TypeIコラーゲン/pH 3.0 HClを入れ、一晩コラーゲンを被覆した。MilliQ水で3回洗浄し、乾燥させた。実施例1で製造された式(I−c)の化合物のDMSO溶液(1mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液(1 mL)で4時間、37℃で反応させた。MilliQ水で6回洗浄し、乾燥させた。微量のMilliQ水でこのディッシュ底面の裏にフォトマスクを張り付け、1.8 J/cm2 (365 nm, 1.0 mW/cm2, 1800秒)のプロミキシティ露光を行った。ここに1 mLのPBS溶液を入れ、5×106 cells/mLのBa/F3(EGFP)細胞/PBS 1 mLを播種した。15分の静置の後、1 mLのPBS溶液で6回洗浄した。ディッシュ底面の裏にフォトマスクを張り付け、顕微鏡で観察しながら作製された細胞パターンとフォトマスクのアライメントを行い、ふたたび1.8 J/cm2(365 nm, 1.0 mW/cm2, 1800秒)でプロミキシティ露光を行った。ここに、CytoRedで染色したBa/F3細胞(Ba/F3(CytoRed))のPBS懸濁液(5×106 cells/mL)を1 mL播種した。15分の静置の後、1 mLのPBSで6回洗浄した。本実験の手順の模式図を図3に示す。作製された複数細胞集団の細胞パターンを共焦点顕微鏡で観察した。結果を図4に示す。
マイクロ流路(μ-Slide VI 0.1, 流路幅1 mm x 全長17 mm x 高さ0.1 mm, ibidi社製)に1 w/v%BSA/PBS溶液を導入し、一晩、室温で静置した。その後、流路の両出口にあるチャンバーにそれぞれ100 μLのMilliQ水を入れ、除去する洗浄を3回行った。100 μLのMilliQ水を片方のチャンバーにのみ入れ、大気圧でもう一方のチャンバーに流路を通って流れ込ませることにより、流路内を洗浄した。両チャンバーに溜まっている洗浄液を除去し、片方のチャンバーにのみ、実施例1で製造された式(I−c)の化合物のDMSO溶液(10 mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液を100 μL入れることにより、大気圧により式(I−c)の化合物の溶液を流路内に流れ込ませた。37℃で4時間反応させることにより、式(I−c)の化合物を基板に結合させた。流路の両出口にあるチャンバーにそれぞれ100 μLのMilliQ水を入れ、除去する洗浄を6回行った。100 μLのMilliQ水を片方のチャンバーにのみ入れ、大気圧でもう一方のチャンバーに流路を通って流れ込ませることにより、流路内を洗浄した。この流路の入り口に5 mLシリンジを加工した大型チャンバーを増設し、出口にシリンジポンプに接続したチューブを取り付けた(図5)。
(1)共焦点顕微鏡を用いて、式(I−c)化合物修飾表面を作製した流路底面に405 nmレーザーを任意の形に照射した。
(2)50 μLの各種細胞溶液を流路入口に設置した大型チャンバーに入れ、その溶液をシリンジポンプで20 μL引き入れることにより、流路内に細胞を導入した。
(3)20分静置後、固定化されていない細胞の洗浄溶液としてPBSを大型チャンバーに入れた。シリンジポンプを用いて30 mL/hの流速で1分間、続いて60 mL/hの流速で2分間、流路内をPBS溶液で洗浄した。
この(1)レーザー描画、(2)細胞播種、(3)洗浄を緑、黄色、水色、青、赤の細胞の順に行い、複数細胞集団のパターニングを行った。
直径34 mmのカバーグラス上に0.3 mg/mLコラーゲン/pH 3.0 HCl 溶液を500 μL塗布し、スピンコーター(20秒で3000 rpmまで加速、3000 rpmで20秒回転、20秒かけて停止)でコラーゲンのコーティングを行った。MilliQ水で3回洗浄して乾燥させた。コラーゲンコート基板を直径35 mmディッシュ中に置き、化合物(I−c)のDMSO溶液(1 mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液1.5 mLで、3時間、37℃で反応させた。化合物(I−c)のPBS溶液を除去し、MilliQ水による洗浄を6回行った後、乾燥させて、細胞を固定化するための基板を製造した。これを6 well plateの底面に設置し、1 mLの70%エタノールで滅菌後、2 mLのPBSで二回洗浄した。FBS不含DMEM培地に懸濁させたHEK293T細胞(接着性細胞, ヒト胎児由来腎臓上皮細胞株)を2×105 cells/wellとなるように播種した。30分静置した後、培地中に10%v/vとなるようにFBSを添加した。3日間37℃, 5% CO2環境下において培養した。トリプシン処理により細胞を回収後、トリパンブルーにより死細胞を染色し、生細胞数と細胞生存率を計測した。
直径34 mmのカバーグラスを0.3 mg/mLコラーゲン/pH 3.0 HCl 溶液に浸漬した後、スピンコーティング(20秒で3000 rpmまで加速、3000 rpmで20秒回転、20秒かけて停止)を行うことにより、コラーゲンのコーティングを行った。MilliQ水で3回洗浄して乾燥させた。コラーゲンコート基板を直径35 mmディッシュ中に置き、化合物(I-c)のDMSO溶液(1 mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液1.5 mLで、4時間、37℃で反応させた。化合物(I-c)のPBS溶液を除去し、MilliQ水による洗浄を6回行った後、乾燥させて、細胞を固定化するための基板を製造した。これをアレイパターンが描画されたフォトマスク上に置き、波長365 nm, 1.6 J/cm2にてコンタクト露光を行った。70%エタノールで滅菌後、PBSで3回洗浄した。
実施例5と同様の方法で作製した化合物(I−c)修飾マイクロ流路表面に、405 nmレーザー光を用いてヒト型のパターンを照射した。そこへビオチン修飾脂質被覆量子ドット(biotin-labeled Qdot(登録商標) 655 nanocrystals, Thermo Fisher Scientific社製)をQdot(登録商標) incubation buffer(Thermo Fisher Scientific社製)で20 nMに希釈した溶液を導入し、5分間静置した。PBSにより固定化されなかった量子ドットを洗浄除去したところ、ヒト型に量子ドットがパターニングされていることが確認された(図12)。また、同様の方法でカルボン酸修飾脂質被覆量子ドット(CdSeS/ZnS alloyed quantum dots, COOH functionalized, fluorescence λem 525 nm, Sigma-Aldrich社製)の10 μg/mL MilliQ水溶液のパターニングを試みたところ、ヒト型に量子ドットがパターニングされていることが確認された(図13)。
直径34 mmのカバーグラスを0.3 mg/mLコラーゲン/pH 3.0 HCl 溶液に浸漬した後、スピンコーティング(20秒で3000 rpmまで加速、3000 rpmで20秒回転、20秒かけて停止)を行うことにより、コラーゲンのコーティングを行った。MilliQ水で3回洗浄して乾燥させた。コラーゲンコート基板を直径35 mmディッシュ中に置き、化合物(I-c)のDMSO溶液(1 mM)をPBS溶液で100倍希釈した溶液1.5 mLで、4時間、37℃で反応させた。化合物(I-c)のPBS溶液を除去し、MilliQ水による洗浄を6回行った後、乾燥させて、細胞を固定化するための基板を製造した。これをラインパターン(幅200 μm, 間隔 200 μm)が描画されたフォトマスク上に置き、波長365 nm, 1.6 J/cm2にてコンタクト露光を行った。70%エタノールで滅菌後、PBSで3回洗浄した。この基板を直径35 mmディッシュ中に置き、2 mLのPBSを入れた後に、赤色蛍光タンパク質を発現させたBa/F3(KO)細胞のPBS懸濁液(5×106 cells/ml)を1 mL入れた。10分間静置後、PBSで非固定化細胞を洗浄除去し、直径50 mm, ガラス観察窓直径40 mmのディッシュ(WillCo-Dish, WillCo Wells社製)中に置き、2 mLのPBSを入れた。これをラインパターン(幅200 μm, 間隔 200 μm)が描画されたフォトマスク上に、Ba/F3(KO)細胞のラインパターンとフォトマスクのラインパターンが直交するように置き、波長365 nm, 1.6 J/cm2にて露光を行った。細胞パターニング基板を直径35 mmディッシュ中に移し、2 mLのPBSを入れた後に、緑色蛍光タンパク質を発現させたHEK293T(EGFP)細胞のPBS懸濁液(2.5×106 cells/ml)を1 mL入れた。10分間静置後、PBSで非固定化細胞を洗浄除去したところ、それぞれBa/F3(KO)細胞とHEK293T(EGFP)細胞から構成される直交する二つのラインパターンが確認された(図14左)。また、培地を10%v/v FBS含有DMEM培地に交換し、37℃で3時間培養したところ、HEK293T(EGFP)細胞が伸展し基板に接着していることが確認された(図14右)。
CTC単離のモデル実験として、担癌マウス末梢血からの癌細胞の光捕捉を行った。DLD1細胞を坦癌したマウスの心臓から末梢血を採取した。末梢血を0.9%塩化アンモニウムで処理して赤血球を溶血したのち、PBSで遠心洗浄を行った。100 nMのビオチン修飾抗Epiregulin抗体を15分反応させた後、10 nMのストレプトアビジン修飾量子ドット(Qdot(登録商標) 655 Streptavidin Conjugate, Thermo Fisher Scientific)を5分反応させることにより、末梢血中の癌細胞を蛍光標識した。この細胞溶液を実施例5と同様の方法で化合物(I-c)をコートしたマイクロ流路に導入し、量子ドットの蛍光(ex/em 488/655 nm)から癌細胞を検出した。検出した癌細胞に対してのみ405 nmレーザーを照射することにより、癌細胞を流路内に固定化し、その他の細胞をPBSにより洗浄除去した。結果、末梢血中から癌細胞を選択的に流路内に単離することに成功した(図16)。
(1)化合物1dの合成
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 1.49 (s, C(CH3)3, 9H); 2.58 (s, C(=O)CH3, 3H); 3.26 (br, C(=O)N(CH)2, 2H); 3.61 (br, N(CH)2, 2H); 7.00 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.51 (s, aromatic C(=O)CCH, 1H); 7.56 (d, aromatic C(CH)2, 2H); 7.71 (d, aromatic CH-m-NO2, 1H); 8.17 (d, aromatic CH-o-NO2, 1H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 1.49 (s, C(CH3)3, 9H); 1.63 (s, C(=O)CH3, 3H); 3.25 (br, C(=O)N(CH)2, 2H); 3.61 (br, N(CH)2, 2H); 5.55 (m, CHOH, 1H); 7.01 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.58 (d, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.59 (d, aromatic C(CH)2, 2H); 8.02 (d, aromatic CH-o-NO2, 1H); 8.03 (s, aromatic C(OH)CCH, 1H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 1.60 (s, C(=O)CH3, 3H); 3.46 (br, NH(CH)2, 2H); 3.66 (br, N(CH)2, 2H); 5.52 (m, CHOH, 1H); 7.16 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.58 (d, aromatic C(CH)2, 2H); 7.79 (d, aromatic CH-m-NO2, 1H); 8.02 (d, aromatic CH-o-NO2, 1H); 8.07 (s, aromatic C(OH)CCH, 1H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, 20H); 1.60-1.72 (m, CH(OH)CH3, NC(=O)CH2CH2, 5H); 2.01 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.38 (t, C(=O)CH2, 2H); 3.22-3.32 (br, N(CH)2, 2H); 3.66,3.81 (br, C(=O)N(CH)2, 2H); 5.35 (m, CH=CH, 2H); 5.55 (m, CHOH, 1H); 7.01 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.58 (d, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.59 (d, aromatic C(CH)2, 2H); 8.02 (d, aromatic CH-o-NO2, 1H); 8.03 (s, aromatic C(OH)CCH, 1H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, 20H); 1.67 (t, NC(=O)CH2, 2H); 1.84 (d, CH(OH)CH3, 3H); 2.01 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.38 (t, C(=O)CH2, 2H); 3.24-3.33 (br, N(CH)2, 2H); 3.67,3.82 (br, C(=O)N(CH)2, 2H); 5.35 (m, CH=CH, 2H); 6.52 (m, CHOH, 1H); 7.03 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.34 (d, aromatic C(=O)OC(CH)2, 2H); 7.58 (d, aromatic C(CH)2, 2H); 7.65 (d, aromatic CH-m-NO2, 1H); 7.87 (s, aromatic C(OH)CCH, 1H); 8.11 (d, aromatic CH-o-NO2, 1H); 8.25 (d, aromatic (CH)2-o-NO2, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 44H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 4H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 8H); 2.08-2.24 (br m, CH2CHC(=O)NH, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 4H); 2.32 (t, CH2C(=O)OH, 2H); 2.39 (m, CH2CH2NHC(=O)CH2, 4H); 3.24-3.40 (br m, N(CH)2, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 6H); 3.48 (m, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2, C(=O)N(CH)2); 5.34 (m, CH=CH, 4H); 5.59 (m, CHC(=O)NH, 1H); 6.37 (m, CHO, 1H); 7.05 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.56-7.62 (m, aromatic C(CH)2, aromatic CH-m-NO2, 3H); 7.82 (s, aromatic OCH(CH3)CCH, 1H); 8.05 (t, aromatic CH-o-NO2, 1H);
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 44H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 4H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 8H); 2.08-2.24 (br m, CH2CHC(=O)NH, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 4H); 2.39 (m, CH2CH2NHC(=O)CH2, 4H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, N(CH)2, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 6H); 3.48 (m, CHC(=O)NH, 1H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2, CON(CH)2); 5.34 (m, CH=CH, 4H); 5.59 (m, CHC(=O)NH, 1H); 6.37 (m, CHO, 1H); 7.05 (d, aromatic NC(CH)2, 2H); 7.56-7.62 (m, aromatic C(CH)2, aromatic CH-m-NO2, 3H); 7.82 (s, aromatic OC(CH3)CCH, 1H); 8.05 (t, aromatic CH-o-NO2, 1H)
実施例5と同様の方法でマイクロ流路にBSAのコート、続いて化合物(II-b)の修飾を行った。ただし、化合物(II-b)をH2O:DMSO=1:1(v/v)に溶解した溶液を基板修飾に用いた。また、化合物(II-b)修飾後の洗浄は、PBSによって行った。そのマイクロ流路に405 nmの光を照射し、45 μLのBa/F3(EGFP)細胞(2×108 cells/mL)PBS懸濁液をマイクロ流路の片方のチャンバーにのみ入れ、大気圧により流路内に細胞を流れ込ませた。30分静置後、1 mLのPBSで非固定化細胞を洗浄除去し、蛍光顕微鏡により流路内に固定化されている細胞を観察した。光を照射しなかった表面には細胞はほとんど固定化されなかったが(図17左)、光照射表面には細胞が固定化された(図17右)。したがって、化合物(II-b)も光照射による細胞固定化に利用可能であることが確認された。
(1−1)化合物1f、1g、1h、1jの合成
合成によって得た脂肪酸NHS活性エステルである化合物1f、1g、1h、1j、そして購入した化合物1e(N-アセトキシスクシンイミド)及び化合物1i(オレイン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を化合物6cのアミノ基に結合させ、続いてPEG末端カルボン酸をNHS活性エステル化した。これらのNHS活性エステルとアミノ基の反応、そしてはカルボン酸のNHS活性エステル化は、共通して、以下に示す当該業者に既知の手法で行った。化合物6cと過剰量の脂肪酸NHS活性エステルを、乾燥Et3Nの存在下で、乾燥DCM中で反応させた。ニンヒドリンを用いて反応の完了を確認した後、減圧乾燥を行った。過剰量のN−ヒドロキシスクシンイミドとDCCを加えて、乾燥DCM中で反応させた。反応溶液をろ過することにより、余剰のN−ヒドロキシスクシンイミドとDCC由来の反応副生成物を除去した。これを撹拌中のジエチルエーテルに滴下し、遠心後、上清をデカンテーションにより除去した。減圧乾燥を行ったところ、白色固体として化合物(I−e)、(I−f)、(I−g)、(I−h)、(I−i)、(I−j)を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 24H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 6H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00-2.08 (m, CH2CH=CH, CH3C(=O)NH, 7H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, CH3(CH2)9, 44H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.21 (m, CH2C(=O)NHCH, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, CH3(CH2)12, 50H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.21 (m, CH2C(=O)NHCH, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, CH3(CH2)15, 56H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.21 (m, CH2C(=O)NHCH, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, 44H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.21 (m, CH2C(=O)NHCH, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 4H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.88 (t, CH2CH3, 6H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, CH3(CH2)21, 68H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)OH, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.84 (m, CH2C(=O)NH, 2H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.21 (m, CH2C(=O)NHCH, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ . 0.68 (s, CH3C(CH)2CH2, 3H), 0.84-0.93 (m, CH2CH3, (CH3)2CH, CH3CH(CH)CH2, 12H); 1.00 (s, CH3C(CH)(CH2)C, 3H); 1.20-1.36 (br m, CH3CH2CH2CH2CH2 CH2CH2, CH=CHCH2CH2CH2CH2CH2, NHCH2CH2CH2CH2, CH3(CH2)21, 68H); 1.38-1.53 (br m, CH2CH2CH2CH2C(=O)NH, NHCH2CH2CH2O, 4H); 1.55-1.68 (br m, CH2CH2CH2C(=O)O, CH2CH2CH(NH2), 6H); 1.70-1.91 (m, CH2C(=O)NH, CCH2CH, 4H); 2.00 (m, CH2CH=CH, 4H); 2.15 (br m, NHC(=O)CH2CH2CH2O, 2H); 2.62 (t, CH2C(=O)O, 2H); 2.85 (s, C(=O)CH2CH2C(=O), 4H); 3.24-3.40 (br m, CH2C(=O)NHCH2, CHC(=O)NHCH2, 4H); 3.50-3.88 (br m, CH2O(CH2CH2O)nCH2, OCH2CH2CH2CH2); 4.08 (br, CH(CH2)O, 1H); 4.34 (m, CHC(=O)NH, 1H); 4.47 (br, CH=C, 1H); 5.34 (m, CH=CH, 2H)
Claims (14)
- 以下の式(I)
A1及びA2は、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、ここでA1は、脂質膜含有物中の脂質膜と結合する脂質膜結合基であり、A2は、前記脂質膜結合基の脂質膜への結合を阻害する脂質膜結合阻害基であり、
A3は、以下の2−ニトロベンジル骨格:
を有する二価の光反応基であり;
A4は、以下:
Zは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、かつ2≦n≦500であり、
左側の矢印は、A6への連結を示し、右側の矢印は、k2が0の場合にはA5への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
で表される親水性基であり、
A5は、以下の置換基:
矢印は、k2が0の場合にはA4への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン及びC1-10アルコキシ基からなる群から選択される]
からなる群から選択される修飾対象基材への反応基であり、
A6は、以下:
L3、L4及びL5は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
k3、k4及びk5は、それぞれ独立して0又は1であり、
(A1)、(A3)及び(A4)への矢印はそれぞれ、A1、A3及びA4への連結を示す]
で表されるリンカーであり、
k1及びk2は、それぞれ独立して0又は1である]
で表される化合物であって、光反応により、脂質膜結合阻害基による結合阻害が解消されて、前記脂質膜結合基が脂質膜に結合可能となる足場部位であり、
L1及びL2は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよい、前記化合物。 - 前記脂質膜含有物が、細胞、細胞小器官、小胞、ウイルス、リポソーム、ミセル及び脂質で被覆された量子ドットからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
- 前記修飾対象基材が、ウシ血清アルブミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びコラーゲンからなる群から選択される少なくとも1つで被覆された基材である、請求項1又は2に記載の化合物。
- 以下の式(I−a):
A1及びA2は、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
L1〜L5は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
A3は、以下の2−ニトロベンジル骨格:
を有する二価の光反応基であり、
A5は、以下の置換基:
矢印は、L2への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。 - 以下の式(I−b):
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群からから選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは1〜8であり、
q及びsは、それぞれ独立して1〜7であり、
rは0〜10であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。 - 以下の式(II−a)
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群からから選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ45≦n≦500であり、
pは1〜8であり、
qは、それぞれ独立して1〜7であり、
rは0〜10であり、
A5が、以下の置換基:
矢印は、化合物の残りの部分への連結を示し、
Xはハロゲンであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1-10アルキル基、ハロゲン、C1-10アルコキシ基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物とその修飾対象基材とを反応させて得られた、脂質膜含有物を固定化するための基材。
- 以下の式(III)の基:
A1及びA2が、それぞれ独立してC7-22アルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールC7-22アルキル基及びC7-22アルキルC6-14アリール基からなる群から選択され、ここで前記C7-22アルキル基中の隣接する炭素原子は、1〜3個の不飽和結合によって連結されていてもよく、ここでA1は、脂質膜含有物中の脂質膜と結合する脂質膜結合基であり、A2は、前記脂質膜結合基の脂質膜への結合を阻害する脂質膜結合阻害基であり、
A3が、以下の2−ニトロベンジル骨格:
を有する二価の光反応基であり
A4は、以下:
Zは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、かつ2≦n≦500であり、
左側の矢印は、A6への連結を示し、右側の矢印は、k2が0の場合にはA 7 への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
で表される親水性基であり、
A6は、以下:
L3、L4及びL5は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよく、
k3、k4及びk5は、それぞれ独立して0又は1であり、
(A1)、(A3)及び(A4)への矢印はそれぞれ、A1、A3及びA4への連結を示す]
で表されるリンカーであり、
k1及びk2は、それぞれ独立して0又は1である]
で表される化合物であって、光反応により、脂質膜結合阻害基による結合阻害が解消されて、前記脂質膜結合基が脂質膜に結合可能となる足場部位であり、
L1及びL2は、それぞれ独立して、C6-14アリーレン基又はC1-10アルキレン基であり、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよい、
A7は、式(III)のその他の部分と基材とを連結する二価の基であるか、又は基材と非共有結合で連結可能な反応基であり、
矢印は、基材への共有結合又は非共有結合による連結を示す]
を有する、脂質膜含有物を固定化するための基材。 - 基材上に脂質膜含有物をパターニングする方法であって、以下のステップ:
(1)請求項10又は11に記載の脂質膜含有物を固定化するための基材上において脂質膜含有物のパターンを形成する部分に光を照射して、当該部分の脂質膜結合基を脂質膜と結合可能な状態とし;
(2)前記脂質膜含有物を前記脂質膜結合基と反応させて前記脂質膜含有物のパターンを形成すること
を含む、前記方法。 - 以下のステップ:
(3)ステップ(2)で得られた基材を洗浄して、未反応の脂質膜含有物を基材から除去し;
(4)以前のステップで使用した脂質膜含有物とは異なる脂質膜含有物を使用して、ステップ(1)〜(3)を繰り返すことで、複数の異なる脂質膜含有物のパターンを形成すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。 - 脂質膜含有物を単離する方法であって、以下のステップ:
(1)請求項10又は11に記載の脂質膜含有物を固定化するための基材に、脂質膜含有物を含む試料を適用し;
(2)基材上の前記脂質膜含有物の位置を顕微鏡観察に基づいて検出し;
(3)前記位置に光を照射して、前記位置の脂質膜結合基を脂質膜と結合可能な状態とし、基材上に前記脂質膜含有物を固定化し;
(4)ステップ(3)で得られた基材を洗浄して、基材に固定化されていない物質を基材から除去すること
を含む、前記方法。
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