JP6901402B2 - 単量体抗体Fab−dsFv多量体種のパーセンテージを増加させる方法 - Google Patents

単量体抗体Fab−dsFv多量体種のパーセンテージを増加させる方法 Download PDF

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Description

本開示は、組換え発現された抗体分子の組成物中の単量体の量を増加させる方法、及び本明細書に記載の方法から得られる又は得ることができる組成物に関する。
治療用モノクローナル抗体は、治療剤の非常に重要なクラスとなっている。WO2010/019493に開示されているように、これらの抗体分子の精製及び製剤には課題が指摘されている。しかし、最高品質の物質だけを治療用途において使用することが極めて重要である。これは、新しく複雑な抗体構築物が、例えば、二重特異性フォーマットの治療剤として生成されていることから、より困難となっている。
新たな抗体フォーマットは、多くの場合、可変ドメインが自然状態ではC末端で定常軽鎖ドメイン(CL)又は定常重鎖ドメイン(CH1)に連結されていない、可変軽鎖ドメイン(VL)及び可変重鎖ドメイン(VH)を含む少なくとも1つのFv領域の存在を必要とする。天然に存在する完全抗体分子においては、CLドメイン及びCH1ドメインの存在は、VL及びVHの対合を安定化させるように作用する。したがって、CLドメイン及びCH1ドメインが存在しない状態においては、可変ドメインは、隣接する分子の可変ドメインと動的に交換される傾向がある。v−領域対合をロックダウンし動的な交換を防止する、この動的過程を停止させる1つの方法は、VHとVLの間へのジスルフィド結合の導入である。しかし、ジスルフィド結合が存在すると、望ましくない抗体の多量体を安定化させるようにも作用する可能性がある。
また新たな抗体フォーマットは、リンカーを含む場合が多い。しかし、リンカーが存在すると、1つの分子内の可変ドメインが別の分子内の可変ドメインと対合して、2つの分子が互いに連結する場合、望ましくない多量体を形成させる可能性がある。そして、Fv内のジスルフィド結合の存在は、多量体種を安定化させるように作用する。
公知の二重特異性抗体フォーマットの一例は、WO2010/035012及びWO2011/036460に詳細に開示されているFab−dsFvである。この抗体フォーマットは、図27に示すように、2つ以上の単量体を含む多量体を形成する傾向がある。また同様の多量体種もジスルフィド結合scFv分子を含む組成物に生じ、この場合、1つのscFv由来のVHが別のscFv由来のVLと対合し、2つのscFv分子が一緒に連結するジスルフィド安定化Fv対を形成し、2つのscFvの二量体を生じる。別々の分子中の可変ドメインのさらなる対合によって、より大きな多量体種が生成され得る。
既知の精製方法、例えばクロマトグラフィーなどは、大きな多量体種を小さな単量体種から分離することができるが、これは、必然的に抗体の全収率を低下させる。したがって、二重特異性抗体フォーマットにおいては、抗体の組成物中の望ましくない多量体種の問題に対処する方法が強く求められている。
本開示の方法は、抗体分子を含む組成物中の多量体の量を減少させることにより、上記の問題に対する解決策を提供する。本開示は、特に、ヒトにおける使用に適した単量体モノクローナル抗体分子の組成物を提供するのに有用である。
したがって、組換え発現された抗体分子の組成物中の単量体のパーセンテージを増加させる方法であって、抗体分子が、1つのVH及び1つのVLを含む目的の抗原に対する特異性を有する少なくとも1つのFvを含み、前記VH及びVLが1つ又は複数のリンカーを介して直接的又は間接的に結合されており、それらの間のジスルフィド結合によって安定化されていることを特徴とし、
前記方法が、
a)抗体分子を含む組成物を30℃〜60℃の範囲の温度で少なくとも1時間の期間保持する熱変換のステップ
を含み、
b)ステップa)が還元剤の存在下で、又は還元剤による処置後に実施される、上記方法を提供する。
組換え発現された抗体に本明細書に記載の方法を使用すると、組成物中の単量体の量が有利に増加する。有利には、本明細書の方法は、工業規模で容易に、しかもコスト効率良く使用することができる。
本発明の方法は、多量体種を単量体に変換し、それによって、単量体のパーセンテージを増加させることができる。変換のステップは、有利には、還元剤がVH及びVLと多量体種との間のジスルフィド結合を還元して部分的に変性し、それによって、多量体を分解する。また本方法は、VHドメインとVLドメインが単一抗体分子内でFv対を形成させること、VHとVLの間の安定性ジスルフィド結合の再形成を単量体内で生じさせることを可能にする。本発明者らは、驚いたことに、本変換ステップ及び還元剤を使用して、抗体を全く変性させることなく、抗体多量体を抗体単量体に変換させることができることを明らかにした。また本発明の方法は、有利には、適切なジスルフィド結合を再形成させ、所望の単量体を生成することができる。
一実施形態において、単量体の濃度の増加は、2倍、3倍、4倍又はそれ以上である。本発明の方法は、好ましくは、単量体形態で少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、75%、80%、85%又は少なくとも90%の抗体を含む、熱変換ステップ後の組換え抗体組成物を提供する。
一実施形態において、本開示は、本明細書に記載の方法から得られる又は得ることができる抗体又は結合断片に及ぶ。
また本発明は、処置で使用するための本明細書に記載の方法から得られる組成物の使用も提供する。
50℃で50mMのベータ−メルカプタンエタノールを用いて処理した、すなわち、処理がプロテインA精製後に実施された、プロテインA精製抗体A26Fab−645dsFvの非還元SDS−PAGEを示す図である。 50℃で50mMのベータ−メルカプタンエタノールで処理した、すなわち、処理がプロテインA精製後に実施された、プロテインA精製抗体A26Fab−645dsFvの還元SDS−PAGEを示す図である。 37〜60℃の範囲の温度で50mMのベータ−メルカプタンエタノールで処理した抗体A26Fab−645dsFvに対して得られた単量体のSEC−HPLC解析のパーセンテージを示す図である。 処理後に得られた単量体の推定収率を、処理前の総初期標的タンパク質収率のパーセンテージとして示す図である。本明細書で使用される推定収率とは、処理前の出発収率を基準としたパーセンテージとしての単量体の収率である。 37〜60℃の範囲の温度において50mMのベータ−メルカプタンエタノールで処理した場合の抗体A26Fab−645dsFvの正味単量体回収の経時的なSEC−HPLC解析を示す図である。 50℃の温度で、1〜50mMの範囲のベータ−メルカプタンエタノール濃度で処理した場合の抗体A26Fab−645dsFvの正味単量体回収の経時的なSEC−HPLC解析を示す図である。 処理後に得られた単量体の推定収率を、処理前の総初期標的タンパク質収率のパーセンテージとして示す図である。 SEC−HPLC(G3000)によるプロセス分析において、所定のbMEA濃度の50℃での変換中のA26Fab−645dsFv正味単量体回収率を決定することを示す図である。 本開示の方法を使用する処理に供されていない、組換え抗体A26Fab−645dsFvの発現由来上清のプロテインA精製を表すSEC−HPLCクロマトグラムを示す図である。 50℃で50mMのベータ−メルカプタンエタノールで処理した、組換え抗体A26 Fab−645dsFvの発現由来上清のプロテインA精製を表すSEC−HPLCクロマトグラムを示す図である。 プロテインA精製前に清澄化した上清を50℃で50mMのbMEAで処理したA26Fab−645dsFvの非還元SDS−PAGE分析を示す図である。 清澄化した上清を50℃で50mMのbMEAで処理した後にプロテインA精製を行ったA26Fab−645dsFvの還元SDS−PAGE分析を示す図である。 本明細書に開示した方法の有無にかかわらず、調製した下流処理後の抗体物質に対するSEC−HPLC解析を示す図である。図は、2つの方法を使用して得られた物質が同等の物質を提供することを示唆している。 本明細書に開示した方法の有無にかかわらず、調製した下流処理後の抗体物質に対するSEC−HPLC解析を示す図である。図は、2つの方法を使用して得られた材料が同等の物質を提供することを示唆している。 様々な賦形剤で処理したA26Fab−645dsFv抗体の非還元SDSページを示す図である。 異なる条件下で処理した後のA26Fab−645dsFvに対するサイズ排除クロマトグラフィーデータを示す図である。 異なる条件下で処理した後のA26Fab−645dsFvに対するサイズ排除クロマトグラフィーデータを示す図である。 室温において還元剤で処理した後の単量体のパーセンテージを示す図である。 50℃において2時間還元剤で処理した後の単量体のパーセンテージを示す図である。 室温において還元剤で処理した後のSE−HPLCにより解析した単量体のパーセンテージを示す図である。 50℃において2時間還元剤で処理した後のSE−HPLCにより解析した単量体のパーセンテージを示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 抗体分子配列及びそれらの構成要素を示す図である。 単量体Fab−dsFv及びFab−dsFv多量体バージョンを示す図である。 抗体フォーマットの例を示す図である。 抗体フォーマットの例を示す図である。
本明細書で使用される用語の多量体又は多量体形態とは、ドメインの全部が適切にフォールドされ対になっている2つ以上の抗体単量体由来のドメインからなる抗体形態を意味する。例えば、図27のFab−dsFvについて示したように、多量体は、各VHドメインがVLドメインと対になり相補的Fv領域を形成する、2つ以上の抗体単量体から形成され得る。
一実施形態において、本明細書で使用される単量体のパーセンテージを増加させるとは、本開示の方法が適用される前に得られる単量体抗体分子のパーセンテージに比べて総標的タンパク質収率のパーセンテージがより高い単量体抗体分子の数値を得ることを意味する。例えば、単量体のパーセンテージは、抗体分子の初期収率の30%であり得、本方法を適用した後、単量体のパーセンテージは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%であり得る。一実施形態において、単離された単量体の絶対数値、すなわち収率は、本開示の方法を実施した後では高い。
本明細書で使用される収率又は総タンパク質とは、文脈が別段の指示をしない限り、組成物中の抗体分子種の合計値を意味する。一実施形態において、使用される収率の値は、本開示による処理過程前の値である。
一実施形態において、使用される収率の値は、本開示による方法を実施した後に回収される総タンパク質(抗体分子種)の量である。
本開示の方法を実施した後に回収される総タンパク質(抗体分子種)は、処理過程が必然的にいくらかの喪失をもたらすので、減少する。
標的タンパク質とは、発現される組換え抗体分子を意味する。
組換えタンパク質は、組換え技術を使用して発現される抗体分子などのタンパク質である。
文脈が別段の指示をしない限り、本明細書で使用の抗体濃度は、供給濃度とも呼ばれ、標的タンパク質及びそれらの多量体を含む物質における単量体及び多量体を含むすべての抗体種の濃度を意味する。一実施形態において、抗体濃度は、組成物から不純物を除去するプロテインA精製のステップ後の組成物中の抗体濃度である。
本発明の方法のステップa)において、熱変換は30〜60℃の範囲の温度で行われる。一実施形態において、温度は、35〜60℃、40〜60℃、45〜55℃、45〜50℃、50〜55℃、48〜52℃、49〜51℃の範囲であり、例えば、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、50.5℃、51℃、51.5℃、52℃、52.5℃、53℃、53.5℃、54℃、54.5℃、及び55℃である。一実施形態において、ステップa)における温度は、46、47、48、49、50、51、52、53、54又は55℃、例えば約50℃で実施される。
本明細書で使用される範囲内の温度は、本方法の間、組成物が同じ温度で保持されることを必ずしも意味するものではないが、組成物は、一般に、本方法の関連ステップが実施される期間中、所定の範囲内の1つ又は複数の温度で保持される。処理中に温度が範囲外にずれるかシフトする場合、コントローラーは、所望の範囲内に組成物を誘導するステップを取る。
抗体組成物が本開示による範囲内の温度で保持される期間は、一実施形態において、1〜70時間の範囲であり、例えば2〜60時間、例えば3〜50時間、3〜10時間、4〜6時間、4.5〜5.5時間、特に4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25時間である。一実施形態において、期間は約5時間である。
本明細書で使用される還元剤は、抗体などの当該分子中のジスルフィド結合を還元することができる還元剤を意味する。1つ又は複数のジスルフィド結合を含む抗体の存在下における還元剤は、適切な条件下で、ジスルフィド結合を、例えば−SHの形態に還元する能力を有する。一実施形態において、還元剤それ自体は、単一のチオール基、2個のチオール基又は3個以上のチオール基を含む。或いは、還元剤は、それ自体チオール基を含まない。
本明細書で使用されるチオールは、物体−SHを含む基を意味する。
一実施形態において、還元剤は、グルタチオン(GSH)、亜硫酸エチレン、2−メルカプトエタノール(BME)、塩酸塩などのその塩を含む2−メルカプトエチルアミン(BMEA、bMEA又はB−mea、β−mea又はβmeaとも呼ばれる)、システイン、例えばシステイン−HCl、亜リン酸及びジチオトレイトール(DTT)、TCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)、THP(トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンを含む群から選択される。
一実施形態において、還元剤は単一のチオール基を含む。有利には、単一のチオールを含む還元剤が使用される場合、単量体の可変領域間の所望のジスルフィド結合が、必然的に、すなわち、特定の酸化ステップを実施する必要性を伴わずに形成される。単一のチオール基を含む還元剤の例としては、限定するものではないが、グルタチオン、メルカプトエタノール(例えば2−メルカプトエタノール)、メルカプトエチルアミン(例えば2−メルカプトエチルアミン)及びシステイン(例えばシステイン−HCl)が挙げられる。
一実施形態において、チオール還元剤は、メルカプトエタノール(例えば2−メルカプトエタノール)、メルカプトエチルアミン(例えば2−メルカプトエチルアミン)、特に、2−メルカプトエチルアミン(BMEA、bMEA又はB−mea、β−mea又はβmeaとも呼ばれる)である。
一実施形態において、還元剤は、抗体組成物が本開示の温度範囲内にある前に添加される。一実施形態において、ステップa)は、還元剤で処理した後に実施され、特に還元剤は加熱前に除去される。還元剤が強力であるほど、前処理ステップにおける使用に適していると思われ、ステップa)の前に除去される。したがって、還元剤が亜リン酸、DDT、TCEP及びTHPから選択される一実施形態において、還元剤はステップa)の前に除去される。必要に応じて、還元剤は、ダイアフィルトレーション等を含む常用の技術によって、加熱前に除去することができる。TCEPを使用の際、最終抗体分子中に所望のジスルフィド結合を再導入する酸化ステップを必要とする場合がある。
一実施形態において、還元剤は、温度が30〜60℃の範囲になる前に除去されない。還元剤がステップa)における加熱中、組成物中に留まる実施形態は、特に、還元剤がグルタチオン、メルカプトエタノール(例えば2−メルカプトエタノール)、メルカプトエチルアミン(例えば2−メルカプトエチルアミン)、及びシステイン(例えばシステイン−HCl)から選択されるような単一のチオール基を含有する還元剤に対して有益である。
還元剤が、強度が中程度であって、熱変換ステップa)の間保持されるDTT又は亜リン酸である場合、その範囲の下限の温度、例えば30〜45℃の範囲の温度を使用することができる。さらに、これらの試薬をいくつかの分子における温度と組み合わせて使用する場合、抗体モノマー分子中の所望のジスルフィド結合の一部又は全部を改良する酸化ステップが必要となり得る。
一実施形態において、還元剤は、抗体組成物が本開示の温度範囲にあった後に添加される。一実施形態において、還元剤は、抗体組成物が本開示の温度範囲に入っている時に添加される。一実施形態において、還元剤は、抗体組成物が本開示の温度範囲にあった後に添加される。一実施形態において、還元剤は、複数回、例えば、温度が所望の範囲内にある前、及び/又は組成物が所定の温度範囲にあった後に添加される。一実施形態において、還元剤は、本方法中、2回以上添加される。
上記の実施形態において、還元剤がステップa)の加熱前に添加され、ステップa)の加熱中、組成物中に留まるか、又は、抗体組成物が温度範囲に入っている時、若しくは抗体組成物が本開示の温度範囲にあった後に添加される場合、還元剤は、ダイアフィルトレーション等を含む常用の技術によって、加熱ステップ中又は加熱ステップ後に除去することができる。
一実施形態において、本方法は、抗体中に1つ又は複数のジスルフィド結合を再形成させるため、ステップa)の後、酸化条件に本組成物を供するさらなるステップを含む。この実施形態は、亜リン酸、DDT、TCEP又はTHPなどの還元剤が使用される場合に有効となり得る。或いは、本方法は、ステップa)の後、酸化条件に本組成物を供するステップを含まない。酸化ステップは、単一のチオール基を含む還元剤、例えば、グルタチオン、メルカプトエタノール(例えば2−メルカプトエタノール)、メルカプトエチルアミン(例えば2−メルカプトエチルアミン)、及びシステイン(例えばシステイン−HCl)が使用される場合、特に必要ではない。
本開示に記載の方法のさらなる利点は、抗体分子が使用する条件によって完全にアンフォールドされないことである。それはすなわち、アンフォールディングに起因する非活性化が最小限に抑えられ、抗体をリフォールディングする必要がなくなるということである。抗体が複数のジスルフィド結合を含む一実施形態において、抗体中のすべてのジスルフィド結合が還元されるとは限らない。したがって、いわゆるFab−dsFvなどの分子においては、抗体分子のFab断片及びFv中の鎖内ジスルフィド結合は、本発明の方法によって還元されない。β−meaは、特にFab−dsFv分子において有利である。
還元剤の濃度は、一般に、1mM〜100mM、例えば10〜90mM、例えば30〜90mM、60〜90mM、70〜90mM、70〜80mM、80〜90mM、30〜50mM、又は20〜50mMの範囲である。一実施形態において、還元剤の濃度は、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、83mM、85mM、90mM及び100mMから選択される。
一実施形態において、還元剤は、アミノ酸、例えば、疎水性アミノ酸、極性アミノ酸、荷電アミノ酸の存在下で使用される。理論によって束縛されることは望まないが、アミノ酸の存在は、熱変換ステップ中、組換え抗体分子の分子構造を安定させるように作用して、熱変性に対して保護する結果、全収率を改善すると考えられる。一実施形態において、アミノ酸は、アルギニン、リシン、アラニン、プロリン、セリン及びグリシンから選択される。一実施形態において、アミノ酸の濃度は、0.01〜1.0M、例えば、0.01〜0.8M、0.2〜0.8M、又は0.7〜0.8Mの範囲である。一実施形態において、アミノ酸の濃度は、0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9Mから選択される。
一実施形態において、アミノ酸はプロリン、アラニン又はリシンである。一実施形態において、使用されるプロリン、アラニン又はリシンの濃度は、10mM〜800mMの範囲であり、例えば、20、55、110、280、555又は777mMである。
アミノ酸は、温度が適合範囲、例えば30〜60℃、特に本明細書に記載の範囲又は特定温度である前又は後に、組換え抗体組成物に添加することができる。一実施形態において、温度が30〜60℃の範囲に上昇する前に、アミノ酸を組成物に添加する。
一実施形態において、塩基性塩、例えば、クエン酸塩、硫酸塩又は炭酸塩、例えば、クエン酸塩又は硫酸塩を添加する。
一実施形態において、所望の範囲の温度を維持する期間は、約1〜70時間、例えば2〜60時間、例えば3〜50時間、3〜10時間、4〜6時間、特に4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25時間である。一実施形態において、この熱ステップは、例えば、攪拌が100〜1200rpmの範囲、例えば、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100又は1200rpmの同時撹拌下で実施される。
一実施形態において、本組成物中の抗体の濃度は、1.5g/L〜5g/L、例えば2g/L〜4g/L、例えば2g/L〜3g/Lの範囲である。
一実施形態において、本方法はアミノ酸を使用せず、1.5g/L〜5g/Lの範囲の抗体分子濃度を使用し、約50℃の温度で、50〜90mMの還元剤、例えばBMEA又はBME、特にBMEAの存在下において、約5時間実施される。有利には、収率は90%の高収率であり得、その場合、それらの60%以上が単量体である。
本発明の方法の一実施形態において、以下の反応条件を使用する:還元剤はBMEAであり、アミノ酸はリシンであり、温度は50℃であり、期間は約5時間である。
一実施形態において、熱変換ステップは、45〜55℃の範囲の温度、例えば50℃で、50〜90mM、例えば50mM又は75mMの還元剤、例えばBMEA又はBME、特にBMEAの存在下において、4〜6時間の間、例えば5時間実施する。この実施形態において、抗体濃度は、好ましくは2〜3g/Lの範囲である。一実施形態において、ステップa)は、50℃の温度で5時間実施され、ステップb)において、還元剤はBMEA又はBMEであり、濃度は70〜80mM、例えば75mMである。この実施形態において、熱変換ステップは、好ましくは、0.01〜0.8M、例えば0.7〜0.8Mの範囲の濃度のプロリン、アラニン又はリシンから選択されるアミノ酸の存在下で行われる。
本開示の方法のさらなる実施形態において、以下の反応条件を熱変換ステップで使用する:還元剤は75mM濃度のBMEAであり、アミノ酸は0.7〜0.8M濃度のリシンであり、温度は50℃であり、期間は約5時間であり、抗体濃度は2〜3g/L、例えば2.75g/Lである。有利には、収率は82%以下であり得、それらの79%以上が単量体である。
本明細書で使用される抗体分子は、抗体(すなわち、完全抗体)又はそれらの結合断片を意味する。
用語の「抗体」とは、すなわち、2本重鎖及び2本の軽鎖のエレメントを含む無傷の(完全)抗体、完全抗体又はそれらの結合断片を含む分子を意味する。本明細書で使用される結合断片は、1、2又は3つ以上の結合部位を含む抗体様分子を意味し、ここで、この分子は「完全抗体」の完全長重鎖又は軽鎖を含有していない。一実施形態において、結合断片は、C2及び/又はC3ドメイン(単数又は複数)を含まない。抗体の結合断片としては、単鎖抗体(すなわち、完全長重鎖及び軽鎖);Fab、改変Fab、Fab’、改変Fab’、F(ab’)2、Fv、Fab−Fv、Fab−dsFv、単一ドメイン抗体(例えば、VH又はVL又は、VHH)、scFv、二価、三価若しくは四価の抗体、Bis−scFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片(例えば、Holliger and Hudson, 2005, Nature Biotech. 23(9):1126-1136; Adair and Lawson, 2005, Drug Design Reviews - Online 2(3), 209-217を参照)、例えば、WO2009/040562に開示されているFabFvフォーマット及びWO2010/035012に開示されているそのジスルフィド安定化バージョンを挙げることができる。本明細書で使用される用語「Fab断片」とは、VL(可変軽鎖)ドメイン及び軽鎖(CL)の定常ドメインを含む軽鎖断片、並びに重鎖のVH(可変重鎖)ドメイン及び第1定常ドメイン(CH1)を含む抗体断片を意味する。
抗体断片を作製及び製造する方法は、当技術分野で周知である(例えば、Verma et al., 1998, Journal of Immunological Methods, 216, 165-181を参照)。本開示で使用するための他の抗体断片は、WO2005/003169、WO2005/003170及びWO2005/003171に開示されているFab及びFab’断片を含む。
典型的なFab’分子は、重鎖が可変領域V、定常ドメインC1及びヒンジ領域を含み、軽鎖が可変領域V及び定常ドメインCを含む、重鎖及び軽鎖の対を含む。一実施形態において、Fab’の二量体が提供され、例えば、二量体形成はヒンジを介し得る。
一実施形態において、組換え発現された抗体分子は、多重特異性抗体分子、例えば、二重特異性抗体又は三重特異性抗体である。本明細書で使用される「二重特異性分子」とは、2つの抗原結合部位を有する分子を意味し、これは同一抗原又は異なる抗原に結合し得る。本明細書で使用される「三重特異性分子」とは、3つの抗原結合部位を有する分子を意味し、これは同一抗原又は異なる抗原に結合し得る。本明細書で使用される「多重特異性抗体」は、2つ以上の結合ドメイン、例えば2つ又は3つの結合ドメインを有する本明細書に記載の抗体分子を意味する。一実施形態において、ドメインは全部、抗原上の同一エピトープに結合すること、又は抗原上の異なるエピトープに結合することを含め、同一抗原に結合する。
本明細書で使用される「抗原結合部位」とは、1対の可変領域、特に、標的抗原と特異的に相互作用する同族対を含む、分子の一部を意味する。結合部位、抗原結合部位、結合ドメイン、抗原結合ドメインは、文脈が別段の指示をしない限り、本明細書では同義的に使用される。
したがって、一実施形態において、抗体分子は結合ドメインを含む。結合ドメインは、一般に、重鎖由来の3つ及び軽鎖由来の3つの6つのCDRを含む。一実施形態において、各鎖由来の3つのCDRはフレームワークにあり、そのフレームワークと一緒に可変領域を形成する。したがって、一実施形態において、抗体分子は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む、抗原に特異的な結合ドメインを含む。本明細書で使用される活性断片は、結合断片と同義である。
本明細書で使用される「特異的に」とは、特異的である抗原のみを認識する抗原結合部位、又は、非特異的である抗原に対する親和性と比較した場合に特異的である抗原に対して有意に高い結合親和性、例えば、5、6、7、8、9、10倍の高い結合親和性を有する結合部位を意味するものとする。結合親和性は、標準的なアッセイ、例えば、BIAcoreなどの表面プラズモン共鳴によって測定することができる。
抗体可変ドメインにおける残基は、慣例通り、Kabatらによって考案された方式によって番号付与される。この方式は、Kabat et al., 1987, Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, NIH, USA(これ以降、「Kabatら」(上掲)という)に記載されている。別段の指示のない限り、この番号方式を本明細書において使用する。
Kabat残基の呼称は、アミノ酸残基の直鎖状番号付与と必ずしも直接一致するとは限らない。実際の直鎖状アミノ酸配列は、基本的な可変ドメイン構造のフレームワークであっても相補性決定領域(CDR)であっても、構造成分の短縮又は構造成分への挿入に対応する厳密なKabat番号付与よりも少数のアミノ酸又は追加のアミノ酸を含有し得る。残基の正確なKabat番号付与は、抗体の配列における相同性残基を「標準」Kabat番号付与配列とアラインメントすることによって、所与の抗体について決定することができる。
重鎖可変ドメインのCDRは、Kabat番号付与方式によれば、残基31〜35(CDR−H1)、残基50〜65(CDR−H2)、及び残基95〜102(CDR−H3)に位置する。しかし、Chothia(Chothia, C. and Lesk, A.M. J. Mol. Biol., 196, 901-917 (1987))によれば、CDR−H1と同等のループは残基26から残基32に及んでいる。したがって、別段の指示のない限り、本明細書で使用される「CDR−H1」は、Kabat番号付与方式とChothiaのトポロジーループ定義との組合せによる記載のとおり、残基26から35を意味するものとする。
軽鎖可変ドメインのCDRは、Kabat番号付与方式によれば、残基24〜34(CDR−L1)、残基50〜56(CDR−L2)及び残基89〜97(CDR−L3)に位置する。本発明の方法において、抗体は、目的の抗原に対する特異性を有する少なくとも1つのFv(VH/VL対)を含み、前記VH及びVLは、1つ又は複数のリンカーを介して直接的又は間接的に連結され、それらの間のジスルフィド結合によって安定化される。
一実施形態において、抗体又はその結合断片は、例えば、ジスルフィドが重鎖と軽鎖の間のような鎖間ジスルフィド結合である場合、及び/又は2つの重鎖間のヒンジ領域にある結合である場合、さらなるジスルフィド結合を含む。
一実施形態において、組換え発現された抗体分子は、1つ又は複数の、例えば、1、2、3、4、5又は6つのジスルフィド結合を含む。一実施形態において、ジスルフィドは天然に存在する。一実施形態において、1つ又は複数のジスルフィドは、特定の位置にあるように操作される。一実施形態において、少なくとも1つの天然に存在するジスルフィド結合及び少なくとも1つの操作されたジスルフィド結合が存在する。本明細書で使用される操作されたジスルフィド結合は、ジスルフィド結合中の1つ又は両方の硫黄が組換え遺伝子工学技術によって導入されたものを意味する。
VHとVLの間のジスルフィド結合の位置は限定されない。可変ドメイン中のジスルフィド結合に関する位置の例としては、以下を含む群から選択される位置が挙げられるが、これらに限定するものではない:
・ V37+V95C、例えば、Protein Science 6, 781-788 Zhu et al (1997)を参照;
・ V44+V100、例えば、Biochemistry 33 5451-5459 Reiter et al (1994);又はJournal of Biological Chemistry Vol. 269 No. 28 pp.18327-18331 Reiter et al (1994);又はProtein Engineering, vol.10 no.12 pp.1453-1459 Rajagopal et al (1997)を参照;
・ V44+V105、例えば、J Biochem. 118, 825-831 Luo et al (1995)を参照;
・ V45+V87、例えば、Protein Science 6, 781-788 Zhu et al (1997)を参照;
・ V55+V101、例えば、FEBS Letters 377 135-139 Young et al (1995)を参照;
・ V100+V50、例えば、Biochemistry 29 1362-1367 Glockshuber et al (1990)を参照;
・ V100b+V49;
・ V98+V46、例えば、Protein Science 6, 781-788 Zhu et al (1997)を参照;
・ V101+V46;
・ V105+V43、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 90 pp.7538-7542 Brinkmann et al (1993);又はProteins 19, 35-47 Jung et al (1994)を参照;
・ V106+V57、例えば、FEBS Letters 377 135-139 Young et al (1995)を参照、
及び分子中に位置する可変領域対におけるそれらに対応する位置(単数及び複数)。
したがって、一実施形態において、本発明の可変ドメイン対(VH/VL)は、1つがVH内にあり、1つがVL内にある、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合によって連結されていてもよく、対のシステイン残基の位置は、VH37及びVL95、VH44及びVL100、VH44及びVL105、VH45及びVL87、VH100及びVL50、VH100b及びVL49、VH98及びVL46、VH101及びVL46、VH105及びVL43、並びにVH106及びVL57からなる群から選択される。一実施形態において、ジスルフィド結合は、位置VH44及びVL100の間で形成される。
上記で列挙したアミノ酸対は、ジスルフィド結合が形成され得るように、システインによる置き換えに寄与する位置にある。システインは、公知の技術によって、これらの所望する位置へ操作することができる。したがって、一実施形態において、本開示による操作されたシステインとは、所与のアミノ酸位置の天然残基がシステイン残基と置き換えられた場合のものを意味する。
操作されたシステインの導入は、当技術分野で公知の任意の方法を使用して実施することができる。これらの方法としては、限定するものではないが、PCR伸長オーバーラップ突然変異誘発、部位特異的変異誘発又はカセット変異誘発(一般に、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989; Ausbel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing & Wiley-Interscience, NY, 1993を参照)が挙げられる。部位特異的変異誘発キットは市販されており、例えば、QuikChange(登録商標)部位特異的変異誘発キット(Stratagen, La Jolla, CA)がある。カセット変異誘発は、Wells et al., 1985, Gene, 34:315-323に基づいて実施することができる。或いは、変異体は、アニーリング、連結及びPCR増幅、並びに重複オリゴヌクレオチドのクローニングによる全遺伝子合成によって作製することができる。
一般に、VH及びVLが1つ又は複数のリンカーを介して直接的又は間接的に連結されており、それらの間のジスルフィド結合によって安定化されているVH/VL対は、抗原結合部位を形成し、協同作用的に抗原に結合する相補的VH/VL対であり、すなわち、同一抗原に対する親和性を有し、協同作用的に抗原に結合する相補的VH/VL対である。典型的には、それらは、同一抗体、例えば、宿主によってインビボで生成される抗体に由来するVH/VL対である。本明細書で使用されるような協同作用的に抗原を結合するとは、可変領域が共に標的抗原に特異的に結合することを意味する。
一実施形態において、抗体は、VHが重鎖定常ドメインCH1にC末端で融合されておらず、VLが軽鎖定常領域CLにC末端で融合されていない、少なくとも1つのFvを含む(Cカッパ又はCラムダ)。
VHドメイン及びVLドメインは相互作用を形成することが可能であり、他の抗体分子中のVHドメイン又はVLドメインとの相互作用を介して多量体が形成される。
Fvにおいて、VHドメイン及びVLドメインは、リンカーを介して互いに直接的に連結されていてもよく、又はリンカーを介して1つ若しくは複数のさらなる分子に間接的に連結していてもよい。VHとVLの間の連結は、所与のVH及びVL対の関係を「固定」又は決定し、その結果、オリジナルのVHとVLの関係は連結の存在によって維持されるので、前記VH対と別の分子中のVLとが対になる場合、多量体が形成される。
反対に、VHドメイン及びVLドメインが1つ又は複数のリンカーによって連結されていないFvにおいては、VHドメイン及びVLドメインは「ばらばらになること」(ブリーシング(breathing)とも呼ばれる)が可能であり、これらが修復される場合、可変ドメインの1つが(置き換わるオリジナルの可変領域と同じ配列を有するが)オリジナル対合由来でないならば、そのとき分子は単に単量体として変性する。
本発明において言及したリンカーは、好ましくは、ジスルフィド結合ではない。抗体での使用に適したリンカーは、当技術分野において周知である。リンカーは、1つ又は複数のアミノ酸を含み得る。さらなる実施形態において、リンカーは、2〜40個のアミノ酸、例えば、2〜30個、2〜20個又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチドリンカーである。ペプチドリンカーの例は、下記に開示したものが挙げられる。
一実施形態において、リンカーは、配列39〜90に示した配列から選択される。
Figure 0006901402

Figure 0006901402

Figure 0006901402

(S)は、配列50〜54において任意選択である。
リジッドなリンカーの例としては、ペプチド配列GAPAPAAPAPA(配列番号89)、PPPP(配列番号90)及びPPPが挙げられる。
本発明の一態様において、Fvは、単一のリンカーによって直接連結されているVHドメイン及びVLドメインを含む。VHドメイン及びVLドメインを直接連結するのに適したリンカーは、上記に記載されている。
一実施形態において、VH及びVLは、dsscFvとも呼ばれる、ジスルフィド安定化単鎖可変断片を形成し、これはV及びV可変ドメイン間のペプチドリンカーと前記V及びV間のドメイン間のジスルフィド結合を有する単鎖可変断片である分子である。
この実施形態において、dsscFv分子は、1つ又は複数のさらなる分子、好ましくは第2の抗体又はその結合断片に融合され、二価、三価又は四価抗体を形成し得る。dsscFvは、VHドメイン、VLドメイン、又はVH及びVLの両方に位置し得る1つ又は複数のリンカーを介して1つ又は複数のさらなる分子に融合される。例えば、1つ又は複数のdsscFv分子は、完全抗体又はその結合断片の1つ又は複数の鎖のC末端又はN末端に融合され得る。例えば、2つ以上のdsscFv分子を互いに融合させて、ダイアボディ、タンデムscFV(ビス−dsscFv)又はミニボディを形成することができる。
Fv領域を介して多量体化する傾向を有し得る抗体フォーマットとしては、scFv、ダイアボディ、タンデムscFv、タンデムscFv−Fc、scFv−Fc、scFv−Fc−scFv Fab−scFv、scダイアボディ、scダイアボディ−Fc、scダイアボディCH3、IgG−scFv、scFv−IgG、ツーインワン(two−in−one)IgG、デュアルVドメインIgG、IgG−V及びV−Igが挙げられる。ジスルフィド結合がこれらの構築物を安定化させるためにFv又はscFvにおいて使用される場合、得られる単量体の収率を改善するために本方法を使用することは有益であり得る。
本発明のさらなる態様において、各VH及びVLは、第2の分子を介してVH及びVLを間接的に連結するリンカーを含む。この態様において、VHドメイン及びVLドメインは、別々のリンカーを介して第2の分子に連結される。各可変ドメインを第2の分子に連結するのに適したリンカーは、上記に記載されている。第2の分子は、VHとVLの間の間接的連結を提供する。各VL及びVHは、VHドメイン及びVLドメインを標的抗原に協同作用的に結合させるために、適切な位置で第2の分子に連結される。VHドメイン及びVLドメインは、ペプチド結合又はペプチドリンカーにより互いに直接的に連結されない。
この態様において、第2の分子は、好ましくは、二価、三価又は四価の抗体を形成するための第2抗体又はその結合断片である。一実施形態において、VHドメイン及びVLドメインは、完全抗体又はFab、改変Fab、Fab’、改変Fab’又はF(ab’)2を介して間接的に連結される。例えば、第2抗体がFabである場合、VHドメインは、第2抗体のCH1などの重鎖定常領域のC末端に融合されていてもよく、VL単一ドメイン抗体は、第2抗体の軽鎖定常領域のC末端(Cカッパ又はCラムダ)に融合されていてもよく、それによりFab−dsFvが形成される。Fab−dsFv抗体は、参照によって本明細書に援用されるWO2010/035012及びWO2011/036460に詳細に開示されている。
抗体は、さらなる結合ドメイン、例えば、WO2011/117653に開示されているジスルフィド安定化DVD−Ig分子、又はWO2011/030107に開示されている、いわゆる(FabFv)Fcなどを含んでいてもよい。なお、前記の各文献は参照により本明細書に援用される。したがって、本明細書で使用される抗体には、二価、三価又は四価の抗体が含まれる。
本発明の方法において使用され得る他の適切な抗体フォーマットは、それぞれ参照により本明細書に援用される、FabFvFc及び(FabFv)Fc抗体を開示するWO2011/030107、PEGにコンジュゲートされているFab−dsFv抗体を開示するWO2011/061492、及びFab−dsFv−dsFvを開示するWO2011/086091に開示されており、この場合、ジスルフィド結合がFv又はscFvに用いられている。
単量体収率を改善するために本発明の方法で使用され得る他の適切な抗体フォーマットは、参照により本明細書に援用されるWO2015/197772に開示されており、これは、
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;及び、
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖;
(式中、
は、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えばそのドメイン1を表し;
Xは、結合又はリンカーを表し;
Yは、結合又はリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、scFv又はdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、軽鎖定常領域由来のドメイン、例えばCカッパを表し;
は、dsFv、sdAb、scFv又はdsscFvを表し、
ここで、V1及びV2の少なくとも1つはdsscFvである)
を含むか、又はこれらからなる多重特異性抗体分子を開示している。
本明細書で使用される「単鎖可変断片」又は「scFv」とは、V可変ドメイン及びV可変ドメイン間のペプチドリンカーによって安定化される、重鎖可変ドメイン(V)及び軽鎖可変ドメイン(V)を含むか、又はこれらからなる単鎖可変断片を意味する。V可変ドメイン及びV可変ドメインは、任意の適切な配向性であり得る。例えば、VのC末端は、VのN末端に連結されてもよく、又は、VのC末端はVのN末端に連結されてもよい。
本明細書で使用される「ジスルフィド安定化単鎖可変断片」又は「dsscFv」とは、V可変ドメイン及びV可変ドメイン間のペプチドリンカーによって安定化され、またVとVの間のドメイン間ジスルフィド結合を含む単鎖可変断片を意味する。本明細書で使用される「ジスルフィド安定化可変断片」又は「dsFv」とは、V可変ドメインとV可変ドメインの間のペプチドリンカーは含まず、その代りに、VとVの間のドメイン間ジスルフィド結合によって安定化される、単鎖可変断片を意味する。
本明細書で使用される「単一ドメイン抗体」又は「sdAb」とは、V又はV又はVHHなどの単一の単量体可変抗体ドメインからなる抗体断片を意味する。
抗体フォーマットの例を図28に示す。一実施形態において、V1及びV2は両方ともdsscFvであり、この抗体フォーマットは、本明細書ではFab−2xdsscFvとも呼ばれる。V可変ドメイン及びV可変ドメインは、任意の適切な配向性であり得る。例えば、VのC末端は、VのN末端に連結されてもよく、又は、VのC末端はVのN末端に連結されてもよい。
単量体収率を改善するための本発明の方法で使用され得る他の適切な抗体フォーマットは、参照により本明細書に援用されるWO2013/068571の実施例4に開示されており、これはFab−dsscFv抗体フォーマットを開示している。抗体フォーマットの例を図29に示す。
一実施形態において、抗体はC2及び/又はC3ドメインを含まない。
一実施形態において、抗体断片は、例えば、それぞれ参照によって本明細書に援用されるWO2010/035012及びWO2011/036460に開示されている、いわゆるFab−dsFvフォーマットである。
一実施形態において、抗体は、WO2011/117648に開示されているジスルフィド安定化Fabである。一実施形態において、抗体は、WO2011/117648に開示されているジスルフィド安定化Fabではない。
一実施形態において、抗体は、OX40に特異的な結合ドメインを含む。
一実施形態において、抗体は、血清アルブミンに特異的な結合ドメインを含む。
一実施形態において、抗体は、OX40に特異的な結合ドメイン及び血清アルブミンに特異的な結合ドメイン、特に、例えば血清アルブミン結合ドメインがFv部分である、Fab−dsFvフォーマットを含み、特に、参照によって本明細書に援用されるW02013/068563に開示されているOX40及びヒト血清アルブミンに特異的な二重特異性構築物である。
本開示は、
第1の重鎖可変ドメイン(V1)、C1ドメイン及び第2の重鎖可変ドメイン(V2)をN末端から順に含む重鎖、
第1の軽鎖可変ドメイン(V1)、Cドメイン及び第2の軽鎖可変ドメイン(V2)をN末端から順に含む軽鎖
を含む、ヒトOX40及びヒト血清アルブミンに結合する二重特異性抗体融合タンパク質であって、
前記重鎖及び軽鎖は、V1及びV1が第1の抗原結合部位を形成し、V2及びV2が第2の抗原結合部位を形成するように整列されており、
第1の抗原結合部位によって結合される抗原はヒトOX40であり、第2の抗原結合部位によって結合される抗原はヒト血清アルブミンであり、特に、
重鎖の第1の可変ドメイン(V1)は、CDR−H1に関する配列番号1に示した配列、CDR−H2に関する配列番号2に示した配列、及びCDR−H3に関する配列番号3に示した配列を含み、軽鎖の第1の可変ドメイン(V1)は、CDR−L1に関する配列番号4に示した配列、CDR−L2に関する配列番号5に示した配列、及びCDR−L3に関する配列番号6に示した配列を含み、
第2の重鎖可変ドメイン(V2)は、配列番号11に示した配列を有し、第2の軽鎖可変ドメイン(V2)は、配列番号12に示した配列を有し、第2の重鎖可変ドメイン(V2)及び第2の軽鎖可変ドメイン(V2)は、ジスルフィド結合によって連結されている、上記二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
一実施形態において、CH1ドメインと第2の重鎖可変ドメイン(VH2)の間にペプチドリンカーが存在する。一実施形態において、CLドメインと第2の軽鎖可変ドメイン(VL1)の間にペプチドリンカーが存在する。一実施形態において、第1重鎖可変ドメイン(VH1)は、配列番号8に示した配列を含む。一実施形態において第1の軽鎖可変ドメイン(VL1)は、配列番号7に示した配列を含む。一実施形態において、重鎖は、配列番号15に示した配列に含むか、又はこれらからなる。一実施形態において、軽鎖は、配列番号16に示した配列を含むか、又はこれらかなる。
一実施形態において、抗体分子は、血清アルブミン結合ドメイン、例えば、配列番号29又は30に示した可変領域由来の1、2又は3つの重鎖CDR、及び配列番号31又は32に示した可変領域由来の1、2又は3つの軽鎖CDR、特に、CDRH1に対するCDRH1、CDH2に対するCDRH2、CDH3に対するCDRH3などの配列番号29又は30に示した可変領域由来の3つの重鎖CDR、及びCDRL1に対するCDRL1、CDL2に対するCDRL2、CDL3に対するCDRL3などの配列番号31又は32に示した可変領域由来の3つの軽鎖CDRを含む。
一実施形態において、抗体分子は、配列番号30に示した重鎖可変領域を含む。一実施形態において、抗体分子は、配列番号32に示した軽鎖可変領域を含む。一実施形態において、抗体分子は、配列番号30に示した重鎖可変領域、及び配列番号32に示した軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、重鎖は、配列番号15又は19を含むか、又はこれらからなる。一実施形態において、軽鎖は、配列番号16又は20を含むか、又はこれらからなる。一実施形態において、結合断片抗体分子は、配列番号15及び16、15及び20、16及び19、又は19及び20を含む。したがって、一実施形態において、配列番号15に示した配列を含む重鎖、及び配列番号16に示した配列を含む軽鎖を有する、ヒトOX40及びヒト血清アルブミンに結合する二重特異性抗体融合タンパク質が提供される。
一実施形態において、Fab−dsFvフォーマットなどの抗体分子は、参照により本明細書に援用されるWO2014/019727に開示されているものである。
一実施形態において、抗体分子は、特に、参照により本明細書に援用されるWO2013/068571に開示されているCDR又は可変領域を有する、ヒト血清アルブミンに特異的な結合ドメインを含む。
一実施形態において、本開示による抗体又は断片は、モノクローナルである。モノクローナル抗体は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein, Nature, 1975, 256, 495-497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al., Immunology Today, 1983, 4, 72)、及びEBVハイブリドーマ技術(Cole et al., "Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy", pp. 77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)などによって調製することができる。
本開示の方法で使用される抗体分子はまた、例えば、Babcook, J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1996, 93(15), 7843-7848、WO92/02551、WO2004/051268及びWO2004/106377に開示されている方法によって、特異的抗体を産生するために選択された単一リンパ球から生成された免疫グロブリン可変領域cDNAをクローニングし発現させることによる単一リンパ球抗体法を使用して産生することができる。
ヒト化抗体分子は、非ヒト種由来の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)及び非ヒト種由来の1つ又は複数のドナー残基を任意選択的に含むヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する非ヒト種由来の抗体分子である(例えば、米国特許第5,585,089号を参照)。一実施形態において、本開示の方法に供される抗体又は結合断片は、ヒト化される。
本発明の方法で使用される抗体はまた、当技術分野で公知の様々なファージディスプレイ法を使用して産生することができ、Brinkman et al., J. Immunol. Methods, 1995, 182, 41-50;Ames et al., J. Immunol. Methods, 1995, 184, 177-186;Kettleborough et al. Eur. J. Immunol., 1994, 24, 952-958;Persic et al., Gene, 1997 187, 9-18;及びBurton et al., Advances in Immunology, 1994, 57, 191-280;WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;及びWO95/20401;並びに米国特許第5,698,426号;米国特許第5,223,409号;米国特許第5,403,484号;米国特許第5,580,717号;米国特許第5,427,908号;米国特許第5,750,753号;米国特許第5,821,047号;米国特許第5,571,698号;米国特許第5,427,908号;米国特許第5,516,637号;米国特許第5,780,225号;米国特許第5,658,727号;米国特許第5,733,743号;及び米国特許第5,969,108号によって開示されているものが挙げられる。
トランスジェニックマウス、又は他の哺乳動物を含む他の生物も、例えばファージ技術を使用してヒト化抗体を産生するために使用することができる。
完全ヒト抗体は、重鎖及び軽鎖両方の可変領域及び定常領域(存在する場合)が、すべてヒト起源である、又は必ずしも同一抗体由来ではないヒト起源の配列に実質的に同一であるそれらの抗体である。完全ヒト化抗体の例としては、例えば、上記のファージディスプレイ法により産生される抗体、並びに、例えば、欧州特許第0546073号、米国特許第5,545,806号、米国特許第5,569,825号、米国特許第5,625,126号、米国特許第5,633,425号、米国特許第5,661,016号、米国特許第5,770,429号、欧州特許第0438474号、及び欧州特許第0463151号において一般用語で記載されているように、マウス免疫グロブリン可変領域遺伝子及び/又は定常領域遺伝子がそのヒト相当物によって置き換えられているマウスにより産生される抗体が挙げられる。
本発明の方法で使用するための抗体物質は、抗体可変領域及び定常領域(単数又は複数)をコードするDNAの操作及び再発現を含む組換えDNA技術を使用することによって調製することができる。標準的な分子生物学技術を使用して、所望のアミノ酸又はドメインを修飾、付加又は欠失させることができる。可変領域又は定常領域への任意の改変は、本明細書で使用される用語「可変」領域及び「定常」領域によりさらに包含される。
抗体出発物質は、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、ラクダ、ラマ、ヤギ又はヒトを含む任意の種から得ることができる。抗体の一部は、2つ以上の種から得ることができ、例えば、抗体はキメラであってもよい。一例において、定常領域は1つの種に由来し、可変領域は別の種に由来する。また抗体出発物質は、改変されていてもよい。別の例において、抗体の可変領域は、組換えDNA操作技術を使用して作製された。このような操作されたバージョンは、例えば、天然抗体のアミノ酸配列における挿入、欠失又は変化によって、天然抗体可変領域から作製されたものを含む。このタイプの特定の例は、少なくとも1つのCDRを含有し、任意選択的に、1つの抗体に由来する1つ又は複数のフレームワークアミノ酸、及び第2抗体由来の可変領域ドメインの残りを含有する操作された可変領域ドメインを含む。これらの抗体を作製し製造する方法は、当技術分野で周知である(例えば、Bossら、米国特許第4,816,397号;Cabillyら、米国特許第6,331,415号;Shraderら、WO92/02551;Ward et al., 1989, Nature, 341, 544; Orlandi et al., 1989, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 86, 3833; Riechmann et al., 1988, Nature, 322, 323;Bird et al, 1988, Science, 242, 423; Queenら、米国特許第5,585,089号;Adair、WO91/09967; Mountain and Adair, 1992, Biotechnol. Genet. Eng. Rev, 10, 1-142;Verma et al., 1998, Journal of Immunological Methods, 216, 165-181を参照)。
一実施形態において、抗体は、同族対である結合ドメインを形成する可変ドメイン対を含む。本明細書で使用される同族対は、可変ドメインの天然の対、すなわち、単一抗体又は抗体発現細胞から単離されたものを意味するものとする。可変ドメインは、最適化及び/又はヒト化されていてもよい。同族対に由来する最適化/ヒト化可変ドメインは、最適化/ヒト化後も依然として同族対と考えられる。
したがって、本開示は、ヒト抗体分子、ヒト化抗体分子又はキメラ抗体分子を本明細書に開示の方法に供することにまで及ぶ。
抗体は、任意の標的抗原に特異的であり得る。抗原は、細胞関連タンパク質、例えば細胞上、例えば、細菌細胞、酵母細胞、T細胞、内皮細胞又は腫瘍細胞上の細胞表面タンパク質であってもよく、又は、可溶性タンパク質であってもよい。また目的の抗原は、任意の医学上の関連タンパク質、例えば疾患又は感染中にアップレギュレートされるタンパク質、例えば、受容体及び/又はそれらの対応するリガンドであってもよい。細胞表面タンパク質の特定の例としては、接着分子、例えばβ1インテグリンなどのインテグリン、例えば、VLA−4、E−セレクチン、Pセレクチン又はL−セレクチン、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD11a、CD11b、CD18、CD19、CD20、CD23、CD25、CD33、CD38、CD40、CD40L、CD45、CDW52、CD69、CD134(OX40)、ICOS、BCMP7、CD137、CD27L、CDCP1、CSF1、又はCSF1−受容体、DPCR1、DPCR1、dudulin2、FLJ20584、FLJ40787、HEK2、KIAA0634、KIAA0659、KIAA1246、KIAA1455、LTBP2、LTK、MAL2、MRP2、ネクチン様2、NKCC1、PTK7、RAIG1、TCAM1、SC6、BCMP101、BCMP84、BCMP11、DTD、癌胎児抗原(CEA)、ヒト乳脂肪グロブリン(HMFG1及び2)、MHCクラスI抗原及びMHCクラスII抗原、KDR及びVEGF、PD−1、DC−SIGN、TL1A、DR3、IL−7受容体A、並びに必要に応じて、それらの受容体が挙げられる。
可溶性抗原としては、インターロイキン、例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−12、IL−13、IL−14、IL−16又はIL−17、例えばIL17A及び/又はIL17F、ウイルス抗原、例えば呼吸器系合胞体ウイルス又はサイトメガロウイルス抗原、免疫グロブリン、例えばIgE、インターフェロン、例えばインターフェロンα、インターフェロンβ又はインターフェロンγ、腫瘍壊死要因TNF(以前は腫瘍壊死因子−αとして知られていたもの、本明細書ではTNF又はTNFαとも呼ばれる)、腫瘍壊死因子−β、コロニー刺激因子、例えばG−CSF又はGM−CSF、及び血小板由来増殖因子、例えばPDGF−α、及びPDGF−β、WISP−1、並びに必要に応じて、それらの受容体が挙げられる。他の抗原としては、細菌細胞表面抗原、細菌毒素、ウイルス、例えばインフルエンザ、EBV、HepA、HepB及びHepC、バイオテロ剤、放射性核種及び重金属、並びにヘビ毒及びクモ毒及び毒素が挙げられる。
一実施形態において、本方法は、ヒトへの投与に適した基準まで抗体分子を精製し、次いで、それを製剤化するさらなるステップを含む。
本明細書に記載の方法を使用して精製した抗体分子は、高い結合親和性、特にナノモル又はピコモルを有する。
親和性は、BIAcore(商標)を含む、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して測定することができる。一実施形態において、抗体又は結合断片は、約100pM以上、例えば約50pM以上、例えば約40pM以上、特に30pM以上の結合親和性を有する。一実施形態において、抗体又は結合断片は完全にヒトであるかヒト化されており、約100pM以上の結合親和性を有する。
本明細書で使用される天然に存在するドメインの誘導体は、天然に存在する配列中の1、2、3、4又は5個のアミノ酸が、例えば、望ましくない特性を排除するが、ドメインを特徴付ける機能(単数及び複数)は保持されるように置換又は欠失され、ドメインの特性を最適化することを意味するものとする。
抗体が様々な翻訳後修飾を受け得ることも、当業者には理解されよう。これらの修飾の種類及び程度は、多くの場合、分子を発現するために使用される宿主細胞系、並びに培養条件に依存する。このような修飾は、グリコシル化、メチオニン酸化、ジケトピペラジン形成、アスパラギン酸異性化及びアスパラギン脱アミド化におけるバリエーション変異体を含み得る。最も一般的な修飾は、カルボキシペプチダーゼの作用によるカルボキシ末端塩基性残基(例えばリシン又はアルギニンなど)の欠失である(Harris, RJ. Journal of Chromatography 705:129-134, 1995に開示されている)。これらの翻訳後の変化は、分子の特性に影響を及ぼし、したがって下流プロセシングに影響を与える可能性がある。
一実施形態において、本開示の方法で使用される抗体組成物は、酢酸ナトリウムを例えば25mMの濃度で含まない。一実施形態において、本開示の方法で使用される抗体組成物は、塩化ナトリウムを例えば25mMの濃度で含まない。
疎水性アミノ酸の例としては、アラニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、プロリン、グリシン、例えばアラニン、プロリン又はグリシンが挙げられる。極性アミノ酸の例としては、アスパラギン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、メチオニン及びトリプトファン、例えばセリンが挙げられる。荷電アミノ酸の例としては、アルギニン、リシン、アスパラギン酸及びグルタミン酸、例えばアルギニン又はリシン、特にリシンが挙げられる。
クエン酸塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム、例えばナトリウム又はカリウム、特にナトリウムが挙げられる。硫酸塩の例としては、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム、例えばアンモニウムが挙げられる。炭酸塩(重炭酸塩を含む)の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及び対応するそれら重炭酸塩形態が挙げられる。
一実施形態において、塩は0.5〜5mMの濃度、例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5mMである。一実施形態において、硫酸アンモニウムは、4mMの濃度である。一実施形態において、クエン酸ナトリウムは、1.5mMの濃度である。
一実施形態において、本開示による熱変換ステップは、清澄化された上清に対して行われる。上清は、任意の適切な手段、例えば、遠心分離、濾過等によっても清澄化することができる。一実施形態において、上清は0.22ミクロンの濾過を使用して清澄化される。
一実施形態において、プロテインAクロマトグラフィーのステップは、熱変換ステップ前に、上清に対して行われる。プロテインA精製は、この技術が多量体を単量体から分離させることができるので、本明細書に開示の抗体分子のタイプ(特にC2C3ドメインを含まないもの)の論旨において特に有利である。
プロテインAクロマトグラフィーの使用は、単量体形態にFc領域を含まないヒトVH3ドメイン含有抗体を回収するために使用することができる。結合活性効果がヒトVH3ドメインとプロテインAとの結合間で観察されている。Fc領域とプロテインAの間の相互作用については開示されておらず、抗体の単量体形態及び多量体形態を含有する混合物から単量体ヒトVH3ドメイン含有抗体を回収することができることを示したこの知見は驚くべきことである。
したがって、プロテインA精製のステップは、a)単量体形態及び多量体形態のヒトVH3ドメイン含有抗体を含む混合物を、ドメインD及び/又はドメインEを含むプロテインAクロマトグラフィー材料に、前記抗体をプロテインAに結合させる条件下で供するステップと、b)ヒトVH3ドメイン含有抗体がFc領域を含有していない、単量体形態のヒトVH3ドメイン含有抗体を回収するステップとを含み得る。或いは、プロテインA精製のステップは、a)単量体形態及び多量体形態のヒトVH3ドメイン含有抗体を含む混合物を、ドメインD及び/又はドメインEを含む前記プロテインAクロマトグラフィー材料に供するステップと、b)前記抗体をプロテインAに結合させるステップと、c)単量体形態の抗体の結合を選択的に破壊する溶出バッファーを適用するステップと、d)得られた溶出液を回収するステップと、任意選択的で、e)多量体形態の抗体の結合を破壊する第2の溶出バッファーを適用し、この第2の溶出液を回収するステップとを含み、ここで、ヒトVH3ドメイン含有抗体はFc領域を含有しない。抗体がOX40に特異的な抗体A26Fab−645dsFv及びW02013/068563に開示されているヒト血清アルブミンである一実施形態において、プロテインA精製が上記のように実施されるが、その場合、ステップc)では、単量体の結合を破壊するための溶出バッファーがpH3.5〜pH4.2、好ましくはpH3.6〜pH4.1、pH3.7〜pH4.0、好ましくはpH3.8〜pH3.9又はpH3を有し、任意選択のステップe)では、多量体形態の抗体の結合を破壊する溶出バッファーが3.5未満のpH、好ましくは3.4未満のpH、好ましくはpH2.8〜pH3.2、好ましくはpH2.9〜pH3.1、好ましくはpH3.0を有する。
或いは、プロテインA精製のステップは、a)単量体形態及び多量体形態のヒトVH3ドメイン含有抗体を含む混合物を、ドメインD及び/又はドメインEを含む前記プロテインAクロマトグラフィー材料に供するステップと、b)多量体形態の抗体を結合させるステップと、c)流出液中の単量体形態の抗体を回収するステップと、任意選択的で、d)多量体形態の抗体の結合を選択的に破壊する溶出バッファーを適用するステップと、e)d)によって得られた溶出液を回収するステップとを含み、ここで、ヒトVH3ドメイン含有抗体はFc領域を含有しない。
別の実施形態において、プロテインAクロマトグラフィーは、熱変換ステップ前に実施されない。
一実施形態において、本方法は、さらなる下流処理ステップを含む。一実施形態において、本方法は、下流精製のさらなるステップを含み、例えば、下流処理はクロマトグラフィーステップ、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィー又はイオン交換クロマトグラフィーなどを含む。
本明細書で使用される下流処理ステップは、抗体をさらに精製するためのステップa)に続いて使用される少なくとも1つのステップを意味する。下流処理の例としては、1つ又は複数のクロマトグラフィーステップ、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー及び/又は陽イオン交換クロマトグラフィー)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、例えばプロテインAクロマトグラフィー(MabSelectカラムなど)が挙げられる。ポリペプチド及びタンパク質の下流処理において使用される技術は、当業者には周知である。
一実施形態において、下流処理は、少なくとも1つのクロマトグラフィーステップ、特にイオン交換クロマトグラフィーを含む。一実施形態において、本方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーステップ、続いて陽イオン交換クロマトグラフィーステップを含み、又はその逆も含む。一実施形態において、疎水性相互作用クロマトグラフィーが使用される。一実施形態において、混合モードクロマトグラフィーが使用される。一実施形態において、複数のクロマトグラフィーステップが使用される。
一実施形態において、本方法は、ウイルスの不活性化ステップ、例えば定義した期間、定義したpHで、例えば低いpHでタンパク質含有組成物を保持することを含む。
一実施形態において、最終の下流処理ステップは、タンパク質に対する最終保存バッファー及び濃度を得るためのダイアフィルトレーションステップ及びバッファー交換である。
一実施形態において、熱変換ステップに続く下流処理は、熱変換ステップ前に、上述したようなプロテインA(例えばMabSelectカラム)精製を含む。
一実施形態において、下流処理は、ウイルス不活性化ステップ、続いて限外濾過及びバッファー交換、次に続いて陰イオン交換クロマトグラフィー及びその後の陽イオン交換クロマトグラフィー、及びウイルス濾過ステップをさらに含む。
一実施形態において、熱変換ステップに続く下流処理は、ウイルス不活性化ステップ、続いて限外濾過及びバッファー交換、次に続いて陰イオン交換クロマトグラフィー及びその後の陽イオン交換クロマトグラフィー、及びウイルス濾過ステップを含む。
一実施形態において、下流処理は、ウイルス不活性化ステップ、続いて限外濾過及びバッファー交換、次に続いて陽イオン交換クロマトグラフィー及びその後の陰イオン交換クロマトグラフィー、及びウイルス濾過ステップをさらに含む。
一実施形態において、熱変換ステップに続く下流処理は、ウイルス不活性化ステップ、続いて限外濾過及びバッファー交換、次に続いて陽イオン交換クロマトグラフィー及びその後の陰イオン交換クロマトグラフィー、及びウイルス濾過ステップを含む。
他の下流処理ステップとしては、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)又は混合モードクロマトグラフィーが挙げられる。
一実施形態において、最終の下流処理ステップは、タンパク質に対する最終保存バッファー及び濃度を得るためのダイアフィルトレーションステップ及びバッファー交換である。
一実施形態において、本明細書に開示された方法は、精製された単量体抗体分子を1つ又は複数のエフェクター分子にコンジュゲートさせる、さらなるステップを提供した。エフェクター分子は、単一のエフェクター分子又は抗体分子に結合させることができる単一の部分を形成するように連結された2つ以上のこのような分子を含み得る。
エフェクター分子に連結された抗体を得ることが望ましい場合、これは、抗体が直接的に又はカップリング剤を介してエフェクター分子に連結される標準的な化学的又は組換えDNA手順によって調製することができる。このようなエフェクター分子を抗体にコンジュゲートさせる技術は、当技術分野で周知である(Hellstrom et al., Controlled Drug Delivery, 2nd Ed., Robinson et al., eds., 1987, pp. 623-53; Thorpe et al., 1982 , Immunol. Rev., 62:119-58、及びDubowchik et al., 1999, Pharmacology and Therapeutics, 83, 67-123を参照)。特定の化学的手順は、例えば、WO93/06231、WO92/22583、WO89/00195、WO89/01476及びWO03031581に開示されているものが挙げられる。或いは、エフェクター分子がタンパク質又はポリペプチドである場合、連結は、例えば、WO86/01533及びEP0392745に開示されている組換えDNA手順を使用して達成することができる。
本明細書で使用される用語のエフェクター分子としては、例えば、抗腫瘍剤、薬物、毒素、生物学的に活性のあるタンパク質、例えば酵素、他の抗体又は抗体断片、合成の若しくは天然の高分子、核酸及びそれらの断片、例えばDNA、RNA及びそれらの断片、放射性核種、特に放射性ヨウ化物、放射性同位元素、キレート金属、ナノ粒子及びレポーター基、例えば蛍光性化合物又はNMR若しくはESR分光法によって検出され得る化合物が挙げられる。
エフェクター分子の例はとしては、細胞に有害な(例えば、死滅させる)薬剤を含む、細胞毒又は細胞傷害性剤を挙げることができる。例としては、コンブレタスタチン(combrestatins)、ドラスチン、エポチロン、スタウロスポリン、メイタンシノイド、スポンジスタチン、リゾキシン、ハリコンドリン、ロリジン、ヘミアステリン、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピューロマイシン、並びにそれらの類似体又は相同体が挙げられる。
またエフェクター分子としては、限定するものではないが、抗代謝剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルマスティン(BSNU)及びロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトチン、マイトマイシンC、及びシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アンスラマイシン(AMC)、カリケアマイシン又はデュオカルマイシン)、並びに抗有系分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)が挙げられる。
他のエフェクター分子としては、キレート放射性核種、例えば111In及び90Y、Lu177、ビスマス213、カルホルニウム252、イリジウム192並びにタングステン188/レニウム188;又は、限定するものではないが、アルキルホスホコリン、トポイソメラーゼI阻害剤、タキソイド及びスラミンなどの薬物を挙げることができる。
他のエフェクター分子としては、タンパク質、ペプチド及び酵素が挙げられる。目的の酵素としては、限定するものではないが、タンパク質分解酵素、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼが挙げられる。目的のタンパク質、ポリペプチド及びペプチドとしては、限定するものではないが、免疫グロブリン、毒素、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素又はジフテリア毒素、タンパク質、例えばインスリン、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来増殖因子若しくは組織プラスミノーゲン活性化因子、血栓症薬又は抗血管新生薬、例えばアンギオスタチン若しくはエンドスタチン、又は生体応答調整物質、例えばリンホカイン、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、神経成長因子(NGF)又は他の成長因子及び免疫グロブリンが挙げられる。
他のエフェクター分子としては、例えば、診断に有用な検出可能物質を挙げることができる。検出可能物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性核種、ポジトロン放出金属(ポジトロン放出断層撮影で使用するためのもの)、及び非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。診断として使用するための抗体にコンジュゲートすることができる金属イオンについては、一般的に、米国特許第4,741,900号を参照されたい。適切な酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族としては、ストレプトアビジン、アビジン及びビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド及びフィコエリトリンが挙げられる;適切な発光物質としては、ルミノールが挙げられる;適切な生物発光物質としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンが挙げられる;適切な放射性核種としては、125I、131I、111In及び99Tcが挙げられる。
別の例においては、エフェクター分子は、in vivoでの抗体の半減期を延長し、及び/又は抗体の免疫原性を低下させ、及び/又は上皮関門を横切る免疫系までの抗体の送達を増強し得る。このタイプの適切なエフェクター分子の例としては、ポリマー、アルブミン、アルブミン結合タンパク質、又はWO05/117984に開示されているようなアルブミン結合化合物が挙げられる。
エフェクター分子がポリマーである場合、それは一般に、合成ポリマー若しくは天然ポリマー、例えば、任意に置換されている直鎖又は分枝鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレン若しくはポリオキシアルキレンポリマー、又は分枝若しくは非分枝状ポリサッカライド、例えば、ホモ−若しくはヘテロ−ポリサッカライドであり得る。
上記合成ポリマー上に存在し得る特定の任意の置換基としては、1つ又は複数個のヒドロキシ基、メチル基又はメトキシ基が挙げられる。
合成ポリマーの特定の例としては、任意に置換されている直鎖又は分枝鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)、又はそれらの誘導体、特に、任意に置換されているポリ(エチレングリコール)、例えばメトキシポリ(エチレングリコール)又はそれらの誘導体などが挙げられる。特定の天然ポリマーとしては、ラクトース、アミロース、デキストラン、グリコーゲン又はそれらの誘導体が挙げられる。
本明細書で使用される「誘導体」には、例えば、マレイミド等のチオール選択性反応基等の反応性誘導体を含むものとする。反応基は、直接的に、又はリンカーセグメントを介してポリマーに連結され得る。このような基の残基は、ある場合には、開示の抗体とポリマーの間の連結基として生成物の一部を形成することは理解されよう。
ポリマーのサイズは、所望に応じて変えることができるが、一般に、500Da〜50000Da、例えば5000〜40000Da、例えば20000〜40000Daなどの平均分子量の範囲である。ポリマーのサイズは、特に、生成物の意図した使用、例えば、腫瘍等のある種の組織へと局在化する能力、又は循環半減期を延長する能力に基づいて選択することができる(総説については、Chapman, 2002, Advanced Drug Delivery Reviews, 54, 531-545を参照)。例えば、したがって、生成物が、例えば腫瘍の処置において使用するために循環を離れ、組織に透過することを意図する場合、例えば約5000Daの分子量を有する低分子量のポリマーを使用することが有利であり得る。生成物が循環中に留まる適用においては、例えば20000Da〜40000Daの範囲の分子量を有する、高分子量のポリマーを使用することが有利であり得る。
適切なポリマーとしては、ポリアルキレンポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)、とりわけ、メトキシポリ(エチレングリコール)若しくはそれらの誘導体が挙げられ、とりわけ、約15000Da〜約40000Daの範囲の分子量を有するポリアルキレンポリマーが挙げられる。
一例において、本発明で使用される抗体は、ポリ(エチレングリコール(PEG)部分に結合される。特定の一例において、PEG分子は、抗体内に配置されている任意の結合可能なアミノ酸側鎖又は末端アミノ酸官能基、例えば、任意の遊離アミノ基、イミノ基、チオール基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基を介して結合させることができる。このようなアミノ酸は、抗体中に天然で存在していてもよく、又は組換えDNA法を使用して抗体へと操作されてもよい(例えば、米国特許第5,219,996号;米国特許第5,667,425号;WO98/25971を参照)。一例において、本発明の分子は、改変が、エフェクター分子を結合させるためのその重鎖のC末端への1つ又は複数のアミノ酸の付加である、改変抗体である。複数の部位を使用して、2つ以上のPEG分子を結合させることができる。一実施形態において、PEG分子は、軽鎖中のシステイン171に連結されるが、例えば、参照によって本明細書に援用されるWO2008/038024を参照されたい。
適切には、PEG分子は、抗体内に配置されている少なくとも1個のシステイン残基のチオール基によって共有結合で連結される。改変抗体に結合される高分子はそれぞれ、抗体内に配置されているシステイン残基の硫黄原子に共有結合で連結され得る。共有結合による連結は、一般に、ジスルフィド結合、特に硫黄−炭素結合である。チオール基が結合点として使用される場合、適切に活性化されたエフェクター分子、例えばチオール選択性誘導体、例えばマレイミド及びシステイン誘導体を使用することができる。活性化ポリマーは、上記に記載したポリマー改変抗体の調製において出発材料として使用することができる。活性化ポリマーは、α−ハロカルボン酸又はエステルなどのチオール反応基を含有する任意のポリマー、例えばヨードアセトアミド、イミド、例えばマレイミド、ビニルスルホン又はジスルフィドであってもよい。このような出発材料は購入することができ(例えば、Nektar,元Shearwater Polymers Inc., Huntsville, AL, USAから)、又は、従来の化学的手順を使用して、市販の出発材料から調製することができる。特定のPEG分子としては、20Kメトキシ−PEG−アミン(Nektar、元Shearwater;Rapp Polymere;及びSunBioから入手可能)、並びにM−PEG−SPA(Nektar、元Shearwaterから入手可能)が挙げられる。
一実施形態において、本方法は、ヒトにおける使用に適した医薬製剤として、そのコンジュゲートされたバージョンを含む、抗体又は結合断片を製剤化するさらなるステップを含む。
したがって、本開示はまた、本開示の方法から得られた抗体分子を、1つ又は複数の医薬として許容可能な賦形剤、希釈剤又は担体と共に添加及び混合するステップを含む、医薬用組成物又は診断用組成物を調製するための方法ステップを提供する。
抗体分子は、医薬用組成物若しくは診断用組成物中の唯一の活性成分であってもよく、又は他の抗体成分を含む他の活性成分、例えば、抗TNF、抗IL−1β、抗T細胞、抗IFN若しくは抗LPS抗体、又はキサンチンなどの非抗体成分を伴っていてもよい。他の適切な活性成分としては、耐性を誘導することができる抗体、例えば抗CD3抗体又は抗CD4抗体が挙げられる。
さらなる実施形態において、本開示に記載の抗体分子又は組成物は、さらなる医薬的に活性な薬剤、例えば、コルチコステロイド(例えばプロピオン酸フルチカゾン)及び/若しくはベータ−2−アゴニスト(例えばサルブタモール、サルメテロール、若しくはフォルモテロール)、又は細胞成長及び細胞増殖の阻害剤(例えばラパマイシン、シクロホスファミド、メトトレキサート)、又は、代替的なCD28及び/若しくはCD40阻害剤と組み合わせて使用される。一実施形態において、阻害剤は低分子である。別の実施形態において、阻害剤は標的に特異的な抗体である。
本医薬組成物は、治療有効量の抗体分子を適切に含む。本明細書で使用される用語「治療有効量」とは、標的とされる疾患又は症状を処置、改善若しくは予防するために必要とされる治療剤の量、又は検出可能な治療効果若しくは予防効果を示すのに必要とされる治療剤の量を意味する。治療有効量はまず、細胞培養アッセイ、又は動物モデル、通常、齧歯類、ウサギ、イヌ、ブタ若しくは霊長類において推測することができる。また動物モデルを用いて、適切な濃度範囲及び投与経路を決定することができる。次いで、このような情報を使用し、ヒトにおいて投与するための有用な用量及び経路を決定することができる。
ヒト対象に対する正確な治療有効量は、病態の重症度、対象の一般的健康、対象の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ(単数又は複数)、反応感受性及び治療に対する耐性/応答に依存する。この量は、日常的な実験によって決定することができ、臨床医の判断内である。一般に、治療有効量は0.01mg/kg〜50mg/kg、例えば0.1mg/kg〜20mg/kgである。医薬組成物は、用量当たり所定量の本発明の活性剤を含有する単位投与用量の形態で都合よく提示することができる。
組成物は、患者に個別に投与することができ、又は、他の薬剤、薬物又はホルモンと組み合わせて(例えば、同時に、逐次的に又は別々に)投与することができる。
抗体分子が投与される用量は、処置しようとする病状の性質、例えば、存在する疾患/炎症の程度に依存し、また分子が予防的に使用されるのか、現にある病状を処置するのかに依存する。
投与の頻度は、抗体分子の半減期及びその効果の期間に依存する。抗体が短い半減期を有する場合(例えば2〜10時間)、1日当たり1回又は複数回の投与を行う必要があり得る。或いは、抗体が長い半減期を有する場合(例えば2〜15日)、投与は1日当たり1回、週当たり1回、又は1若しくは2か月毎に1回だけが必要であり得る。
医薬として許容可能な担体は、それ自体、組成物を受ける個体に有害な抗体の産生を誘導すべきでなく、また毒性であってはならない。適切な担体は、大型でゆっくりと代謝される高分子、例えば、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、及び不活性ウイルス粒子などであってよい。
医薬として許容可能な塩は、例えば、鉱酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩及び硫酸塩、又は有機酸の塩、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩及び安息香酸塩等を使用することができる。
治療用組成物中の医薬として許容可能な担体は、液体、例えば、水、生理食塩水、グリセロール及びエタノール等をさらに含有していてもよい。加えて、補助物質、例えば、浸潤剤又は乳化剤又はpH緩衝物質等をこのような組成物中に存在させることができる。このような担体は、患者による服用のため、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液体、ゲル剤、シロップ剤、スラリー及び懸濁液として医薬組成物を製剤化することができる。
投与に適した形態としては、例えば注射又は注入による、例えばボーラス注射又は持続注入による非経口投与に適した形態を挙げることができる。生成物が注射用又は注入用である場合、それは、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンの形態をとることができ、また製剤化剤、例えば、懸濁剤、保存剤、安定化剤、及び/又は分散剤を含有していてもよい。或いは、本開示の分子は、適切な滅菌液体を用いる使用前の再構成向けの乾燥形態であってもよい。
製剤化されたならば、本発明の組成物は、対象に直接投与することができる。処置される対象は、動物であり得る。しかし、1つ又は複数の実施形態において、本組成物はヒト対象への投与に適している。
適切には、本開示に記載の製剤において、最終製剤のpHは、抗体の等電点の値と同じではない。例えば、製剤のpHが7である場合、8〜9又はそれ以上のpIが適切であり得る。理論に束縛されることは望まないが、これは最終製剤に改善された安定性を付与することができると考えられ、例えば、抗体が溶液中に留まる。
本開示の医薬組成物は、限定するものではないが、経口経路、静注経路、筋肉内経路、動脈内経路、髄内経路、髄腔内経路、脳室内経路、経皮的経路(transdermal route)、経皮経路(transcutaneous route)(例えば、WO98/20734を参照)、皮下経路、腹腔内経路、鼻腔内経路、経腸経路、局所経路、舌下経路、膣内経路又は直腸内経路を含む任意の数の経路によって投与することができる。またハイポスプレーも、本発明の医薬組成物の投与に使用することができる。典型的には、治療用組成物は、液体溶液又は懸濁液のいずれかの注射可能物質として調製することができる。また、注射前に液状ビヒクル中の溶液又は懸濁液に適した固体形態も調製することができる。
本組成物の直接送達は、一般に、注射、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射若しくは筋内注射によって達成されるか、又は組織の間質腔に送達される。また、本組成物は病変へ投与することもできる。投与処置は、単回投与スケジュール又は複数回投与スケジュールであってよい。
本組成物中の活性成分が抗体分子であることは理解されよう。このような場合、それは消化管内で分解を受けやすい。したがって、本組成物が消化管を使用する経路によって投与される場合、本組成物は、抗体分子を分解から保護するが、消化管から吸収されたら抗体を放出する薬剤を含有する必要がある。
医薬として許容可能な担体の完全な考察は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company, N.J. 1991)において参照することができる。
一実施形態において、製剤は、吸入を含む局所投与用製剤として提供される。
適切な吸入可能な調製物は、吸入可能な粉末、噴射ガスを含有する定量型エアロゾル又は噴射ガスを含まない吸入用溶液を含む。活性物質を含有する本開示に記載の吸入可能な粉末は、単独の上述の活性物質、又は上述の活性物質と生理学的に許容可能な賦形剤の混合物からなり得る。
これらの吸入可能な粉末としては、単糖類(例えばグルコース又はアラビノース)、二糖類(例えばラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖(例えばデキストラン)、ポリアルコール(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、又はこれらの相互の混合物が挙げられる。単糖類又は二糖類は適切に使用され、ラクトース又はグルコースは、特に、しかし排他するものではないが、それらの水和物の形で使用される。
肺内に沈着させるための粒子は、10ミクロン未満、例えば1〜9ミクロン、例えば0.1〜5μm、特に1〜5μm等の粒子サイズが必要である。活性成分(例えば抗体)の粒子サイズは、極めて重要である。
吸入可能なエアロゾルの調製に使用することができる噴射ガスは、当技術分野で公知である。適切な噴射ガスは、炭化水素、例えばn−プロパン、n−ブタン又はイソブタン、及びハロ炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの塩素化及び/又はフッ素化誘導体の中から選択される。上述の噴射ガスは、それ単独で使用することができ、又はそれらの混合物で使用することができる。
特に適切な噴射ガスは、TG11、TG12、TG134a及びTG227の中から選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。上述のハロゲン化炭化水素のうち、TG134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)及びTG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、並びにそれらの混合物が特に適切である。
噴射ガス含有の吸入可能エアロゾルはまた、他の成分、例えば共溶媒、安定剤、表面活性剤(界面活性剤)、抗酸化剤、滑沢剤及びpH調整手段などを含有していてもよい。これらの成分はすべて、当技術分野で公知である。
本発明による噴射ガス含有の吸入可能なエアロゾルは、最高5重量%の活性物質を含有し得る。本発明によるエアロゾルは、例えば、0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%、又は0.5〜1重量%の活性成分を含有する。
或いは、肺への局所投与はまた、例えば、ネブライザー等の装置、例えば、圧縮器に接続されたネブライザー(例えば、Pari Respiratory Equipment, Inc., Richmond, Va製のPari Master(登録商標)圧縮器に接続されたPari LC−Jet Plus(登録商標)ネブライザー)を使用する、液体溶液製剤又は懸濁液製剤の投与によってなされ得る。
本明細書の方法からに得られる抗体又は結合断片は、溶媒中に、例えば、溶液又は懸濁液の形態中に分散させて送達することができる。これは適切な生理学的溶液、例えば生理食塩水、又は他の医薬として許容可能な溶媒若しくはバッファー中に懸濁させることができる。当技術分野で公知のバッファーは、水1ml当たり、0.05mg〜0.15mgのエデト酸二ナトリウム、8.0mg〜9.0mgのNaCl、0.15mmg〜0.25mgのポリソルベート、0.25mg〜0.30mgの無水クエン酸、及び0.45mg〜0.55mgのクエン酸ナトリウムを含むことができ、それにより約4.0〜5.0のpHが達成される。懸濁液は、例えば、凍結乾燥された分子を使用することができる。
治療用懸濁液又は溶液製剤はまた、1つ又は複数の賦形剤を含有し得る。賦形剤は当技術分野で周知であり、バッファー(例えば、クエン酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー及び重炭酸バッファー)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質(例えば血清アルブミン)、EDTA、塩化ナトリウム、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、及びグリセロールが挙げられる。溶液又は懸濁液は、リポソーム又は生物分解性ミクロスフェアに封入することができる。製剤は、一般的に、滅菌製造方法を使用して実質的に滅菌の形態で提供される。
これには、製剤に使用される緩衝溶媒/溶液の濾過による生成物及び滅菌物、滅菌緩衝化溶剤溶液中の分子の無菌懸濁液、及び当業者によく知られている方法による滅菌容器への製剤分配が含まれ得る。
本開示に記載の噴霧可能な製剤は、例えば、箔製薬袋中にパックされた単回用量単位(例えば、密閉プラスチック容器又はバイアル)として提供することができる。各バイアルは、溶媒/溶液バッファーの体積、例えば2mL中に単位投与用量を含有する。
本明細書の文脈に含まれることは、包含することを意味するものとする。技術的に適切な場合、本発明の実施形態は組み合わせることができる。本明細書において明確に列挙された任意の実施形態は、否定的な免責事項の根拠として使用することができる。
本発明をここで以下の実施例を参照して説明するが、これらは単なる例示であって、決して本発明の範囲の限定するものとして解釈されるべきではない。
(例1)
プロテインA精製Fab−dsFv多量体種の熱変換
A26Fab−dsFvのCHO発現及び清澄化
ヒトOX40と軽鎖配列A26 Fab軽鎖−(3xG4S)−645dsFv(gL4)(配列番号16)及び重鎖配列A26 Fab重鎖−(G4S,G4T,G4S)−645dsFv(gH5)(配列番号15)を有する血清アルブミンを結合する構築物を、安定なジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)欠損チャイニーズハムスター卵巣細胞系(CHO DG44)において発現させた。これは、選択可能マーカーとしてのDHFRに関する遺伝子及び生成物をコードする遺伝子の両方を含有するプラスミドベクターを用いて、メーカーの使用説明書に従いNuclefector(Lonza)を使用するトランスフェクションにより生成した。トランスフェクト細胞は、ヒポキサンチン及びチミジン欠失培地で、DHFR阻害剤メトトレキサートの存在下において選択した。
細胞系は、接種段階を通じて、20nMメトトレキサートを含有する培地で培養した。次いで、細胞をメトトレキサートの非存在下で培養する。最終培養ステップについては、細胞を、メトトレキサートの非存在下の培地中で14日間、80Lのステンレス鋼バイオリアクターにおいて培養した。上清の清澄化は遠心分離によって行い(4000×g、室温で60分)、続いて深層及び濾過滅菌法を行った。
哺乳動物発現されたA26Fab−645dsFvのプロテインA精製
清澄化したCHO上清を、Delbeccosリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4で平衡化した9.4mlのHiScreen(系列中2カラム)MabSelect(GE Healthcare)カラムにアプライした。カラムをPBSで洗浄し、結合物質を0.1Mのクエン酸塩pH3.5で溶出させた。回収した溶出ピークを、2MのTris/HCl、pH8.5を用いて〜pH7に調整した。pH調整した溶出液を、10kDa分子量カットオフ遠心分離機を使用してPBS pH7.4にバッファー交換した。
A26Fab−645dsFvの非還元SDS−PAGE分析を用いる一般的方法
試料を、50μlの最終容量で必要とされる1.0mg/mlに希釈し、次いで、100mMのNEM 5μlを添加した。次いで、試料をNovexトリス−グリシンSDSサンプルバッファー50μlで希釈し(2×)、ボルテックス処理してから、3分間95℃でインキュベートした。調製した試料を、4〜20%のアクリルアミントリス/グリシンSDSゲル上に1ウェル当たり5μgでロードし、150Vの定電圧で120分間、泳動させた。
A26Fab−645dsFvの還元SDS−PAGE分析を用いる一般的方法
試料を、還元剤50μlの最終容量で必要とされる1.0mg/mlに希釈した。次いで、試料をNovexトリス−グリシンSDSサンプルバッファー50μlで希釈し(2×)、ボルテックス処理してから、3分間95℃でインキュベートした。調製した試料を、4〜20%のアクリルアミントリス/グリシンSDSゲル上に1ウェル当たりタンパク質5μgでロードし、150Vの定電圧で120分間、泳動させた。ゲルは、クーマシーブルータンパク質染色液で染色した。図2及び図12を参照されたい。
A26Fab−645dsFvのG3000 SEC−HPLC解析の一般的方法
試料50μgをTSK Gel G3000SWXL、7.8×300mmカラム(Tosoh)上に注入し、1ml/分で200mMリン酸塩pH7.0を均一濃度勾配で展開した。シグナル検出は、280nmの吸光度で行った。図9、図10、図13及び図14を参照されたい。SEC−HPLC解析を使用して、単量体%(A26Fab−645dsFv単量体は約9分の保持時間を有する)、並びに変換プロセスの収率の推定方法の両方を決定した。変換プロセスに関する推定収率は、任意の特定の時点での全ピーク面積をT=0での全ピーク面積のパーセンテージとして表すことにより計算した。
一定の還元剤濃度でのプロテインA精製A26Fab−645dsFvの熱変換
〜5mg/mlのプロテインA精製A26Fab−645dsFvを、PBS/100mM bMEA(β−メルカプトエチルアミン)の変換バッファー中で1:1希釈し、50mMの最終bMEA濃度を得た。希釈後、試料を所定の温度でインキュベートした。時間経過中に得た試料を氷上に置いて温度を下げ、変換プロセスを停止させた後、分析した。分析はSEC−HPLCにより行い、単量体のレベル及び推定収率を決定した。
単量体のレベルは、評価したすべての温度で増加が見られたが、変換速度は高い温度で有意に速かった。反対に、温度の上昇に伴い、推定収率は減少することが確認された。単量体の全収率(正味回収率)を計算するには、単量体レベルのパーセンテージを100で割り、推定収率を掛けた。データを図3、図4及び図5、及び表1〜表3にまとめる。
インキュベーション温度≧55℃では、正味回収率は、比較的短いインキュベーション時間後に減少する。≦50℃では、正味回収率は、評価したすべての時間経過にわたって増加し続ける。正味回収率は45〜50℃で有意に高く、50mM bMEAでは50℃が最適と思われる。
Figure 0006901402

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一定温度でのプロテインA精製A26Fab−645dsFvの熱変換
〜5mg/mlのプロテインA精製A26Fab−645dsFvを、PBS中の所定bMEA濃度(1、5、10、20及び50mM)の2×ストックである変換バッファー中で、1:1希釈した。希釈後、試料を50℃でインキュベートした。時間経過中に得た試料を氷上に置いて温度を下げ、変換プロセスを停止させた後、分析した。分析はSEC−HPLCにより行い、単量体のレベル及び推定収率を決定した。データを図6、図7及び図8、並びに表4、表5及び表6にまとめる。
変換の速度はbMEA濃度の増加とともに増大した。正味回収率は、≧20時間で、〜65%単量体の安定水準に達した。bMEAの濃度が低下すると、単量体のレベルは穏やかに増加するのが確認され、1mM bMEAでは時間経過に伴う増加はほとんど又は全く確認されなかった。
Figure 0006901402

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(例2)
清澄化した哺乳動物細胞培養上清中のFab−dsFv多量体種の熱変換
哺乳動物細胞培養上清中のA26Fab−645dsFvの熱変換
清澄化した細胞培養上清は、10kDa分子量カットオフ遠心分離機を使用し、原容量の半分まで濃縮した。次いで、濃縮上清を、PBS/100mM bMEAを使用して原容量に希釈し、50mMの最終bMEA濃度を得た。次いで、上清を50℃で一晩(14.5時間)インキュベートした。インキュベーション後、上清を氷上に置き、温度を低下させ、変換プロセスを停止させた。
熱変換後の哺乳動物細胞培養上清由来A26Fab−645dsFvのプロテインA精製
熱変換したCHO上清を、Delbeccosリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4で平衡化した9.4mlのHiScreen(系列中2カラム)MabSelect(GE Healthcare)カラムにアプライした。カラムをPBSで洗浄し、結合物質を0.1Mのクエン酸塩pH3.5で溶出させた。溶出ピークを回収し、2MのTris/HCl、pH8.5を用いて〜pH7に調整した。精製は、無変換CHOを使用した対照で繰り返した。pHを中和したプロテインA溶出液は、G3000 SEC−HPLC(表7)、並びに非還元条件及び還元条件下のSDS−PAGE(図11及び図12)により解析した。多量体種のカラムへの結合が保持されている間、FabFv単量体を溶出させる溶出pHが確認された。上清の変換プロセスを繰り返し、9.4mlのHiScreenカラムにアプライし、溶出条件(0.1Mクエン酸塩pH3.8)を用いて溶出させた。同一のローティング能力でロードした無変換上清の対照実験も行った。溶出ピークを回収し、2MのTris/HCl、pH8.5を用いて〜pH7にpHを調整した。pHを中和したプロテインA溶出液は、G3000 SEC−HPLC(図13及び図14)解析、並びにA280(表8)により解析した。pH3.5で溶出した場合、有意に高い単量体レベルが、同等の回収率で、変換物質から観察された。SEC−HPLCにより解析した場合、変換の有無にかかわらず両上清からの生成物の品質は、pH3.8溶出液に匹敵したが、変換後にタンパク質量の有意な増加が確認された。
Figure 0006901402

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(例3)
様々なパラメーターの効果についての試験
この実験に使用した供給抗体は、A26Fab−645dsFvであった。すべての実験は、プロテインA精製物質に対して実施した。A26Fab−645dsFv細胞培養液は、プロテインAカラム(MabSelect,GE Heathcare)を使用して精製した。物質をpH7.4でロードしたところ、標的分子は結合されていたが、ほとんどの不純物はカラムを通って流出した。次いで、カラムは、クエン酸ナトリウムバッファーを使用して、pH3.4で溶出させた。これにより、単量体種が多量体種と共に溶出した。溶出プールを13g/Lまで濃縮し、pH7.4のPBSバッファーにダイアフィルトレーションした。供給抗体A26Fab−645dsFvは、変換前に約15%の単量体を含有していた。抗体の濃度(供給濃度g/L)、pH、bMEA還元剤濃度、変換ステップの温度、及び混合速度について、以下の表9に示したようにすべて評価した。単量体、二量体、三量体、四量体及びHMWS%は、BEH200 SEC 1.7μmカラムを使用し、Walters製の装置を使用してSE−UPLCにより0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7及び23時間で測定した。5時間について表10に示す。
Figure 0006901402

Figure 0006901402
変換ステップの目的は、単量体のパーセンテージ(%)を最大にすることである。調査した範囲にわたり、単量体%のモデルにおける最も重要な因子は還元剤濃度及び温度である。高い還元剤濃度、及び高い温度で、単量体%が増加した。
温度の上昇と沈降の程度の間に相関がある傾向が確認された。
(例4)
様々な賦形剤の効果についての試験
実験で試験した賦形剤及び濃度を下記の表11に記載する:
Figure 0006901402
濃度は、v/vのパーセンテージとして示すポリソルベート20及びポリソルベート80を除き、mMで表示している。実験は2mLのディープウェルプレートで実施し、二連で行った。使用した条件は、0.5g/L A26Fab−dsFv、100mM β−mea、表11に記載した賦形剤、及び温度55℃であった。0.5g/L A26Fab−dsFv、100mM β−mea、55℃を使用し、賦形剤を使用しない10対照試料も実施した。A26Fab−dsFv 0.5g/L、温度55℃を使用し、還元剤及び賦形剤を使用しない6対照もさらに実施した。
時間経過による試料は等間隔で得た。Bradfordアッセイを使用して収率をモニターした。Bradfordタンパク質アッセイは、溶液中のタンパク質濃度を測定するために使用される分析手順である。β−meaは595nmで吸収しなかったことが分かった。したがって、この方法を使用して総タンパク質濃度を測定し、それによりステップ収率を決定した。総タンパク質濃度は、Tecan Freedom EVO 200(Tecan,Reading,UK)液体ハンドリングロボットを使用して実施する液体移動を行う96ウェルフォーマットのBradfordタンパク質アッセイキットを使用することにより決定した。アッセイは、精製A26Fab−645dsFv物質を用いて較正し、A280nmにより直交的に試験した。試料を調製し、メーカーの使用説明書に従って解析した。次いで、未知の濃度は、直線回帰によって曲線から補間により決定した。
引き続き、高収率の任意の実験をSE−UPLC及びSDS PAGEによって解析した。アミノ酸は、対照に比べ収率を増加させるので、沈降を低下させるように見えた。ポリソルベートについては、SDS PAGEによるさらなる分析を実施してそれらの効果を解析した(図15)。試料は、供給0.5g/L、55℃での100mM βMEA、5時間後の第2のスクリーニングから得た。図16a及び図16bは、異なる条件下における様々な賦形剤に関するサイズ排除データを示す。
(例5)
リシンと組み合わせたパラメーターの試験
抗体供給濃度g/L、bMEA濃度及び温度パラメーターを、0.7Mリシンの存在下及びリシンの非存在下において試験した。実験は2mLのディープウェルプレートにおいて実施し、二連で行った。2mLのエッペンドルフチューブを使用し、各変換ステップを水浴中で5時間実施した。
Figure 0006901402

Figure 0006901402

Figure 0006901402

0.7Mのリシンが存在する場合、温度は単量体%に対して最も顕著な効果を有し、高い温度ほどより効果が認められた。
(例6)
異なる還元剤の試験
最初の還元剤スクリーニング実験については、本発明者らは50℃の温度を使用し、分子をオープンアップした。供給は、精製A26Fab−dsFv、濃度1g/L及び15%単量体であった。実験は、Eppendorfsで供給量1mLにて実施した。スクリーニングした還元剤濃度は、10、50及び100mMであった(表15)。試料を加熱し、Thermo Scientific製のVortemp装置を使用して混合した。サンプリングは、加熱前の還元剤を添加した後、及び50℃で2時間加熱した後に実施した。この実験の対照還元剤としてはβ−meaを使用した。
Figure 0006901402
収率は、SE UPLCアッセイでのピーク面積を使用して計算した。試料の総ピーク面積を供給物質の総ピーク面積で割った。単量体収率は、単量体のパーセンテージに全収率を掛けることにより計算した。図17aは、処理を室温で実施した場合の単量体%を示し、図17bは、50℃で実施した対応実験に関する2時間後の結果を示す。
図18a及び図18bは、SE−HPLCによって実施した対応分析の結果を示す。
(例7)
2Lスケールでの変換
2Lスケール実験に対する供給としての清澄化培養液を提供するため、A26Fab−645dsFvのCHO発現及び清澄化を実施例1と同様に実施した。熱変換実験は、2Lの変換量を使用し、2Lの発酵容器中で実施した。実験の供給は清澄化した細胞培養液(CCF)であり、生成物の濃度は2.2g/Lで、その30%が単量体であった。実験条件を表16に示す。変換ステップは、すべての実験において17時間実施した。試料はSE UPLCによって分析した。
Figure 0006901402

Figure 0006901402
製造規模で使用されるものの代表的な容器において、変換ステップを2Lスケールにスケールアップすることが可能であった。ステップにわたって単量体の量を有意に増加させることが可能であった。

Claims (21)

  1. 組換え発現された抗体分子の組成物中の単量体のパーセンテージを増加させる方法であって、前記抗体分子が、1つのVH及び1つのVLを含む目的の抗原に対する特異性を有する少なくとも1つのFvを含み、前記VH及びVLが1つ又は複数のリンカーを介して直接的又は間接的に結合されており、かつそれらの間のジスルフィド結合によって安定化されており、前記抗体分子が、Fab−dsFv、Fab−dsscFv、及びFab−2xdsscFvからなる群から選択され、
    前記方法が、
    a)抗体分子を含む組成物を45℃〜55℃の範囲の温度で少なくとも1時間の期間保持する熱変換のステップ
    を含み、
    b)ステップa)が還元剤の存在下で、又は還元剤による処置後かつ還元剤の存在下で実施され、該還元剤は2−メルカプトエチルアミン(BMEA)である、上記方法。
  2. 温度が50℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 還元剤の濃度が1mM〜100mMの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 期間が1〜70時間の範囲である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップa)が45〜55℃の温度の範囲で4〜6時間の期間実施され、及びステップb)において、還元剤が60〜90mMの範囲の濃度である、請求項4に記載の方法。
  6. ステップa)が50℃の温度で5時間の期間実施され、及びステップb)において、還元剤が70〜80mMの範囲の濃度である、請求項5に記載の方法。
  7. 還元剤がアミノ酸の存在下で使用される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. アミノ酸がアルギニン、リシン及びプロリンから選択される、請求項7に記載の方法。
  9. アミノ酸の濃度が0.01〜1.0Mの範囲である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 抗体分子が組成物中0.5g/L〜5g/Lの範囲の濃度である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 変換のステップが同時撹拌の存在下で実施される、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 撹拌が100〜1200rpmの範囲である、請求項11に記載の方法。
  13. 温度が45〜55℃の範囲に上昇する前に、還元剤が抗体分子を含む組成物に添加される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 抗体分子を含む組成物の温度が45〜55℃の範囲まで上昇した後に、還元剤が抗体分子を含む組成物に添加される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 下流精製のさらなるステップを含む、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 下流処理がクロマトグラフィーのステップを含む、請求項15に記載の方法。
  17. クロマトグラフィーが疎水性相互作用クロマトグラフィーである、請求項16に記載の方法。
  18. クロマトグラフィーがイオン交換クロマトグラフィーである、請求項16に記載の方法。
  19. 抗体分子がFab−dsFvである、請求項1〜18までのいずれか一項に記載の方法。
  20. 抗体分子が、
    第1の重鎖可変ドメイン(V1)、C1ドメイン及び第2の重鎖可変ドメイン(V2)をN末端から順に含む重鎖、
    第1の軽鎖可変ドメイン(V1)、Cドメイン及び第2の軽鎖可変ドメイン(V2)をN末端から順に含む軽鎖
    を含む、ヒトOX40及びヒト血清アルブミンに結合する二重特異性抗体融合タンパク質であり、
    前記重鎖及び軽鎖は、V1及びV1が第1の抗原結合部位を形成し、かつ2及びV2が第2の抗原結合部位を形成するように整列されており、
    第1の抗原結合部位によって結合される抗原はヒトOX40であり、かつ第2の抗原結合部位によって結合される抗原はヒト血清アルブミンである、請求項19に記載の方法。
  21. 重鎖の第1の可変ドメイン(V1)が、CDR−H1に関する配列番号1に示した配列、CDR−H2に関する配列番号2に示した配列、及びCDR−H3に関する配列番号3に示した配列を含み、かつ軽鎖の第1の可変ドメイン(V1)が、CDR−L1に関する配列番号4に示した配列、CDR−L2に関する配列番号5に示した配列、及びCDR−L3に関する配列番号6に示した配列を含み、
    第2の重鎖可変ドメイン(V2)が配列番号11に示した配列を有し、及び第2の軽鎖可変ドメイン(V2)が配列番号12に示した配列を有し、並びに
    第2の重鎖可変ドメイン(V2)及び第2の軽鎖可変ドメイン(V2)がジスルフィド結合によって連結されている、請求項20に記載の方法。
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