JP6901341B2 - 浴槽用手摺り - Google Patents

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本発明は、押圧部のスムーズな移動が保証された、浴槽側壁に着脱自在に取り付けられる浴槽用手摺りに関し、特に浴槽側壁の上面に載置される固定フレームと、固定フレームの上にスライド可能に取り付けられた可動フレームとからなる浴槽用手摺りにおいて、可動フレームに対して移動可能に取り付けられた押圧部の回転を規制することにより、可動フレームの下面と固定フレームの端部により形成された段差での引っ掛かりが防止された浴槽用手摺りに関する。
従来より、高齢者等が浴槽に出入りする際に身体を容易に支持することができるように、浴槽側壁を洗い場側及び浴槽側からクランプすることによって着脱自在に取り付けることができる浴槽用手摺りが知られている。
また、これらの浴槽用手摺りの多くは、浴槽側壁の上面に載置される固定フレームと、固定フレームの上にスライド可能に取り付けられる可動フレームとから構成されており、さらに、浴槽側壁をクランプするために前進後退する押圧部は、例えば特開2015−173699号公報(特許文献1)に記載されているように固定フレームに取り付けられているタイプと、例えば特開2005−7011号公報(特許文献2)に記載されているように可動フレームに取り付けられているタイプとへ大別されることが知られている。
特許文献1に記載されているタイプの浴槽用手摺りの場合、固定フレームは浴槽側壁の上面に載置されるため、固定フレームに取り付けられた押圧部は、固定フレームの垂直部分と浴槽側壁との間を固定フレームの水平部分の平坦な下面に沿って移動することになる。
一方、これに対し特許文献2に記載されているタイプの浴槽用手摺りの場合、可動フレームは浴槽側壁の上面幅を超えて載置された固定フレームの上に取り付けられるため、可動フレームに取り付けられた押圧部は、可動フレームの垂直部分と浴槽側壁との間を可動フレームの水平部分とその下面に配置された固定フレームの水平部分に沿って移動することになる。また、このタイプの浴槽用手摺りの場合、可動フレームの水平部分の下面には固定フレームの水平部分の端部により段差が形成される。
ところで、一般的な押圧部の移動手段はボルト又はナットのいずれかを回動させてボルトを螺進退させるものであるため、ボルトに取り付けられた押圧部は可動フレームに対して可動フレームの何処かの部位と干渉するまで回転してしまうという特性がある。このため、特許文献2の浴槽用手摺りでは、押圧部は移動に際し可動フレームの下面と固定フレームの端部により形成された段差と干渉してしまい、スムーズに移動(特に前進)できないという問題があった。また、押圧部が可動フレームの段差に引っ掛からないように、押圧部の移動に際し使用者の手を介在させて移動中の押圧部の回転を制止させることもできるが、この場合、使用者の手が可動フレームや固定フレーム等に挟み込まれるリスクが高まり危険であるという問題もあった。
さらに、押圧部が可動フレームに取り付けられるタイプの浴槽用手摺りでは、可動フレームの水平部分の下面に形成される段差を解消するために、例えば特開2005−95492号公報(特許文献3)に記載されているように、固定フレームの水平部分を短くした上で、専用の連結プレートを用いて固定フレームと可動フレームの両水平部分を同じレベルで連結できるようにしたり、或いは固定フレーム及び可動フレームの水平部分を薄肉化した浴槽用手摺りが開発されている。
しかしながら、引用文献3に記載されたタイプの浴槽用手摺りにおいても、可動フレームの水平部分の下面に形成された段差の解消が十分ではなく、また専用の連結プレートを用いると、浴槽用手摺りの構造が複雑となり浴槽側壁への取り付けも煩雑となるという問題があった。さらに、固定フレーム及び可動フレームの水平部分を薄肉化すると、特に一部に強度部材を使用しないユニットバスに適合させることができるような十分な強度を有する浴槽用手摺りを得られないという問題があった。
特開2015−173699号公報 特開2005−7011号公報 特開2005−95492号公報
そこで、本発明は、浴槽側壁の上面に載置される固定フレームと、固定フレームの上にスライド可能に取り付けられた可動フレームとからなる浴槽用手摺りにおいて、可動フレームに対して移動可能に取り付けられた押圧部が、可動フレームの下面と固定フレームの端部により形成された段差での引っ掛かりが防止された浴槽用手摺りを提供することを目的とする。
本発明者等は、押圧部が、可動フレームの下面と固定フレームの端部により形成される段差に引っ掛かりを生じる原因等について鋭意検討を重ねた結果、ボルトとナットの組み合わせにおいて、押圧部を支承するボルト軸を回転させることなく螺進退させることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、浴槽側壁の一方の側面と当接する当接部を有し、そして浴槽側壁の上面に直置きされる固定フレームと、前記固定フレームの上にスライド可能に取り付けられる可動フレームとを備えた浴槽用手摺りにおいて、前記可動フレームは、浴槽側壁の一方の側面を押圧するために前記可動フレームに対して近接離反する押圧部と、前記押圧部を支持するボルトと、前記ボルトと螺合し且つ前記可動フレームに回動自在に取り付けられているナットと、前記ナットを回動するためのハンドルノブとを有しており、そして前記ボルトは、ボルト軸に沿って設けられた可動側係止部が前記可動フレームに取り付けられた固定側係止部と係合することにより前記可動フレームに対して回動不能である浴槽用手摺りが提供される。
本発明の浴槽用手摺りの基本形は、浴槽側壁の上面に載置される水平部分の載置部を備えた固定フレームと、固定フレームの載置部の上に取り付けられるスライド部を備えた可動フレームとを備えており、そして可動フレームの垂直部分を構成する垂直部には、浴槽側壁を押圧するために可動フレームの垂直部に対して前進後退する押圧部が装着されていることである。可動フレームのフレーム幅やスライド長には特に制限はないが、本発明の浴槽用手摺りでは、可動フレームのスライド部のフレーム幅を固定フレームの載置部のフレーム幅よりも幅狭とし、スライド長を長くすることで、軽量構造にて多様な厚みの浴槽側壁に適合できるようになっている。
本発明の浴槽用手摺りにおける押圧部の移動装置の基本形は、押圧部を支承するボルトと、ボルトと螺合し且つ可動フレームの垂直部へ回動自在に取り付けられたナットと、ナットを回動するために垂直部へ回動自在に取り付けられたハンドルノブとから構成されている。また、この構成により、ハンドルノブの位置は垂直部に対して変わることがないので、浴槽側でのハンドルノブの突出量を抑えることができ、使用者にとっても安全である。
本発明では、押圧部を支承するボルトにはボルト軸に沿って可動側係止部が設けられており、可動フレームの垂直部には固定側係止部が設けられている。そして本発明では、ボルト軸に沿って設けられた可動側係止部が可動フレームに取り付けられた固定側係止部とスライド可能に係合するので、ボルトは、ナットの回動によって螺進退されても可動フレームに対して回転することがない。このため、ボルトの先端部に該ボルトに対して回動不能に支承されている押圧部も、可動フレーム及び可動フレームが取り付けられている固定フレームに対して回転することがなくなり、押圧部を安定して螺進退等させることができるようになる。
すなわち、ボルト又はナットのいずれかを回動させてボルトを螺進退させるような押圧部の移動手段の場合、ボルトに取り付けられた押圧部は螺進退時に回転してしまうので、可動フレームの水平部分の下面と固定フレームの水平部分の端部により形成された段差に引っ掛かりを生じる。ところが、本発明では、ボルト及び該ボルトに取り付けられた押圧部は螺進退時に可動フレームや固定フレームに対して回転することがないので、可動フレームの水平部分の下面と固定フレームの水平部分の端部により形成された段差で引っ掛かりを生じることなくスムーズに移動することができる。
可動側係止部は、例えばボルト軸に沿ってボルトのネジ山の一部を削るように形成された平面部または凹部によって構成されている。このため、可動側係止部が形成されたボルトは、ボルト軸と直交する断面において、一部の円周部を欠いた半月のような形状を呈している。
また、可動側係止部は、ボルトの外周面より内側に設けられていることを特徴とする。本発明では、ボルトの外周をナットが回転するので、ボルト側に何らかの回転防止手段(可動側係止部)を設けるのであれば、回転防止手段はボルトの外周面より内側に設けなければ、ナットを回転させることができなくなるからである。なお、ボルトの外周面とは、一般的にボルトの雄ネジのネジ山の外径面を意味している。
一方、可動フレームの垂直部に設けられた固定側係止部は、例えばボルトの可動側係止部が、上述のようにボルト軸に沿ってボルトのネジ山の一部を削るように形成された平面部または凹部によって構成されている場合は、ボルトを受け入れることができ且つそれらの形状とスライド可能に係合する開口部を有している。このため、可動側係止部が形成された上述のボルトが、ボルト軸と直交する断面において、一部の円周部を欠いた半月のような形状を呈しているのであれば、固定側係止部の開口部も、また一部の円周部を欠いた半月のような形状を呈している。
本発明の浴槽用手摺りは、側面視において逆L字形状を有している固定フレームを浴槽側壁に直置きし、そして固定フレームの横部材を構成する載置部の上に逆L字形状を有している可動フレームを取り付けることにより、可動フレームに取り付けられた押圧部を浴槽側壁へ押し付けても固定フレームと浴槽側壁の上面との間に位置ズレや応力(摩擦力)を生じることなく、当接部と押圧部のクランプ力により浴槽側壁へ強固に取り付けることができることを特徴としている。
このため、本発明では、上記の特徴を最大限に活用するために、浴槽用側壁の上方であって固定フレームの上方に配置される手摺り本体は、浴槽側壁の上面との関係で位置ズレや応力(摩擦力)を生じることない固定フレーム側へ取り付けることが好ましい。
本発明の浴槽用手摺りによれば、押圧部を支承するボルトにはボルト軸に沿って設けられた可動側係止部が設けられており、可動フレームの垂直部には固定側係止部が設けられている。そして本発明では、ボルト軸に沿って設けられた可動側係止部が可動フレームに取り付けられた固定側係止部とスライド可能に係合するので、ボルト及び該ボルトに取り付けられた押圧部も螺進退時に可動フレームや固定フレームに対して回転することがないので、可動フレームの水平部分の下面と固定フレームの水平部分の端部により形成された段差で引っ掛かりを生じることなくスムーズに移動することができる。
本発明の浴槽用手摺りの浴槽用手摺りによれば、側面視において逆L字形状を有している固定フレームを浴槽側壁に直置きし、そして固定フレームの横部材を構成する載置部の上に逆L字形状を有している可動フレームを取り付けることにより、可動フレームに取り付けられた押圧部を浴槽側壁へ押し付けても固定フレームと浴槽側壁の上面との間に位置ズレや応力(摩擦力)を生じることなく、当接部と押圧部のクランプ力により浴槽側壁へ強固に取り付けることができる。
本発明の浴槽用手摺りの浴槽用手摺りによれば、可動フレームを介して浴槽側へ取り付けられる押圧部の移動手段は、押圧部を支持するボルトと、ボルトと螺合し且つ可動フレームの縦部材を構成する垂直部に回動自在に取り付けられているナットと、ナットを回動するためのハンドルノブとから構成することができるので、ハンドルノブを回転させても可動フレームに関する位置が変わらず、浴槽内への突出量も抑えられるので使用者にとって安全である。
本発明の浴槽用手摺りの全体概要図である。 図1に示される浴槽用手摺りの分解図である。 図1に示される浴槽用手摺りの固定フレームの背面図である。 図1に示される浴槽用手摺りをボルト軸に沿って切り取った断面図である。 図1に示される浴槽用手摺りの固定フレームの分解図である。 図1に示される浴槽用手摺りの可動フレームを、フレーム本体、移動装置(トルク伝達・遮断手段、トルク伝達ロック機構を含む)及び押圧部へ分解した状態を示した分解図である。 図1に示される浴槽用手摺りにおいて、押圧部を可動フレームに対して回動不能に取り付ける原理を示した説明図である。分解図である。 図1に示される浴槽用手摺りにおいて、固定フレームと可動フレームとを分離した状態を示した概要図である。
以下、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺りについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺り1の主な構成を説明する。図1には、本実施形態の浴槽用手摺り1全体概要が示されており、図2には、図1に示された実施形態のうち、第1の実施形態の浴槽用手摺り1を主な部品に分解した態様が示されている。
図1,2に示されているように、浴槽用手摺り1の基本的骨格は、浴槽側壁の上面へ直接載置される載置部21と、載置部21と連結しており浴槽側壁の一の側面に当接される当接基部22とを備えた倒L字形の固定フレーム2と、固定フレーム2の載置部21の上にスライド可能に取り付けられるスライド部31と、スライド部31と連結しており浴槽側壁の他の側面に当接される垂直部32とを備えた倒L字形の可動フレーム3とから構成される。
なお、可動フレーム3のフレーム幅やスライド長には特に制限はないが、本実施形態の浴槽用手摺り1では、可動フレーム3のスライド部31のフレーム幅を固定フレーム2の載置部21のフレーム幅よりも幅狭とし、スライド長を長くすることで、軽量構造にて多様な厚みの浴槽側壁に適合できるようになっている。
固定フレーム2の当接基部22の内側には、浴槽側壁の側面と当接する当接部23が取り付けられており、当接基部22の外側には、使用者の身体を支えるためのメイングリップ24と、浴槽用手摺り1の傾転を防止するための脚部25が取り付けられている。一方、可動フレーム3の垂直部32には、当接部23とは反対側の浴槽側壁の側面を押圧する押圧部5を前進及び後退させるための移動装置6と、浴槽内の使用者の動きを補助するためのサブグリップ33が取り付けられている。また、移動装置6はナット61を回転させるためのハンドルノブ62及びそのキャップ620を含んでおり、ナット61の回転により螺進退されるボルト63の先端には、矩形平面を有する板状の押圧部5が水平方向に首振り自在に取り付けられている。
また、本実施形態の浴槽用手摺り1では、着脱自在に装着可能な保護カバー26,34を用いて固定フレーム2の載置部21と可動フレーム3のスライド部31、及び可動フレーム3の垂直部32を覆うことにより、凹凸部などの危険箇所を減らしたり、通常は操作不要な部位の誤操作を防止したりすると共に、視覚的に見栄えを良くして清潔にしている(図2参照)。
メイングリップ24は、平面視が略矩形のリング状の上部グリップ240と、上部グリップ240と連結されており、複数の固定孔241が設けられている1対のグリップ支持部242とを含んでおり、メイングリップ24は、グリップ支持部242の固定孔241へ、後述する固定フレーム2の挿入・解除手段27の挿入ピン270を挿入することより任意の高さに調節可能に固定することができる。
脚部25は、ネジ250により固定フレーム2へネジ止めされる主脚部251と、主脚部251の内部に設けられた雌ネジ部と螺合する雄ネジ部が外周面に設けられた補助脚部252とから構成されている。脚部25は、主脚部251に対し補助脚部252を回転させることによりその長さを調節することができる。
図3には、本実施形態の浴槽用手摺り1の固定フレーム2の背面図が示されている。図3を参照して理解されるように、本実施形態の固定フレーム2の載置部21には、載置部21から後述する当接基部22に亘り連続して延びている2本の補強リブ20と、そして載置部21の幅方向において、グリップ支持部242よりも外側へ向けて延びた延出部28が設けられている。
延出部28は、浴槽側壁の長手方向に沿って水平方向の力がメイングリップ24へ加えられた時、浴槽側壁の上面と当接することによりメイングリップ24に働く回転モーメントに抗するようにメイングリップ24を支えるので、メイングリップ24が浴槽側壁の上面上で浴槽側壁の長手方向へ回転したり転倒したりするのを強力に阻止する。なお、「載置部21の幅方向」とは、固定フレーム2の載置部21において当接部23と押圧部5によって浴槽側壁をクランプする方向とは直交する方向の中の水平方向を意味し、浴槽用手摺り1を浴槽側壁へ取り付けた時、浴槽側壁の上面の長手方向と略一致する方向である。
一方、固定フレーム2の当接基部22には、1対のグリップ支持部242をスライド可能に受け入れるための円筒形のグリップ支持部収容部29が設けられている。また、1対のグリップ支持部収容部29の間には、1対の挿入ピン270と、挿入ピン270の後端部に取り付けられた1対のつまみ271と、挿入ピン270をグリップ支持部242へ向けて付勢する付勢手段272とからなる挿入・解除手段27が配設されている。
挿入ピン270は、グリップ支持部収容部29の貫通孔(図示せず)を通してグリップ支持部242の複数の固定孔241(図2)の少なくとも1つに抜き差し可能に挿入される。また、つる巻きバネ状の付勢手段272は、挿入ピン270をグリップ支持部収容部29の貫通孔の外側からグリップ支持部242の固定孔241へ向けて付勢する。つまみ271は、使用者が操作して付勢手段272による挿入ピン270の付勢の方向とは逆向きに付勢手段272に力を加えるためのものである。
このように、本実施形態の浴槽用手摺り1では、メイングリップ24のグリップ支持部242は、グリップ支持部収容部29と挿入解除機構27により固定フレーム2の当接基部22の背面に高さ調節自在に固定される。すなわち、挿入解除機構27の挿入ピン270をグリップ支持部242の固定孔241へ挿入した状態では、メイングリップ24は固定フレーム2へ連結及び固定され、一方、挿入ピン270をグリップ支持部242の固定孔241へ挿入していない状態では、メイングリップ24は固定フレーム2へ連結及び固定されない。
また、グリップ支持部収容部29は、その上部にグリップ支持部242のガタ付きを抑えて固定するための縮径部290及び縮径部290の外周面に螺合されるナット291を備えている。縮径部290は、グリップ支持部収容部29の上部に設けられたスリットである。また、縮径部290の外周面にはネジ山(ネジ溝)が設けられており、外周面は上方から下方へ向けて外径が徐々に大きくなるようにテーパーが付けられている。このため、縮径部290のネジ山(ネジ溝)へナット291を取り付け、ナット291を下方へ螺進するように回転させると、縮径部290はナット291によって縮径されるので、グリップ支持部242はグリップ支持部収容部29の中へガタ付くことなく固定される。
図4には、本実施形態に係る浴槽用手摺り1をボルト63の軸に沿って切り取った断面図が示されている。浴槽用手摺り1の固定フレーム2は、載置部21と、載置部21に連結されており浴槽側壁の一方の側面へ当接される当接部23を備えた当接基部22とを含んでおり、全体として倒L字形の断面形状を有している。また、固定フレーム2へスライド及び着脱自在に取り付けられる可動フレーム3は、スライド部31と、スライド部31に連結された垂直部32とを含んでおり、全体として下向きの略L字形の断面形状を有している。さらに、固定フレーム2の載置部21の内面及び当接部23の内面にはそれぞれ弾性を有する樹脂ラバー210、230が装着されており、浴槽側壁の傷付け防止及び滑り止めが施されている。
可動フレーム3の垂直部31には、移動装置6のナット61が回動自在に取り付けられており、ナット61の回転により螺進退されるボルト63の先端には、上述の当接部23が当接する浴槽側壁とは反対側の側面を押圧する押圧部5が水平方向に首振り自在に取り付けられている。また、ナット61は、後述するトルク伝達・遮断手段64を介してハンドルノブ62によって回転される。
図4及び図2に示されているように、固定フレーム2の載置部21の上面には、可動フレーム3のスライド方向に沿って等ピッチに配列された複数の固定用ネジ穴211と、固定用ネジ穴211の配列方向と直行する方向であって固定用ネジ穴211の配列に対して左右対称の位置に配置された1対のガイド用ネジ穴212が設けられている。
一方、可動フレーム3のスライド部31には、固定フレーム2の1対のガイド用ネジ穴212と整列し、互いに平行であって可動フレーム3のスライド方向へ延びている1対のスリット310が設けられている。また、スライド部31には、1対のスリット310の間で、可動フレーム3のスライド方向に沿って、固定フレーム2の固定用ネジ穴211と同じピッチで複数の貫通孔311が設けられている。貫通孔311は、固定フレーム2の固定用ネジ穴211の数よりも多く、且つ両端に配列された貫通孔間の距離がスリット310の長さよりも長くなるように配列されている。
このため、本実施形態に係る浴槽用手摺り1は、可動フレーム3の1対のスリット310のそれぞれへ、スリット310の幅よりも大きな直径の頭部を有するガイド用ネジ312をスリット310を通過させ、固定フレーム2のガイド用固定穴212に取り付けることにより、可動フレーム3を固定フレーム2に対し、固定フレーム2から離脱させることなくそのスライド方向が一方向へ規制されるように位置決めすることができる。また、固定フレーム2に対する可動フレーム3の位置を決めた後、可動フレーム3の貫通孔311を通過させて固定用ネジ313を固定フレーム2の固定用ネジ穴211へネジ止めすることにより、可動フレーム3を固定フレーム2の所望の位置にしっかりと固定することができる。
このように、本実施形態の浴槽用手摺り1は、浴槽側壁の厚みに合わせて、可動フレーム3の垂直部32を、予め可能な限り固定フレーム2の当接基部22及び当接部23へ近接させておくことができるので、浴槽側壁をクランプするために必要となる押圧部5の移動距離を必要最小限に抑えることができるようになる。そのため、押圧部5を当接部23へ向けて螺進退させるためのボルト63などを含む移動装置6をコンパクトに設計することができる。
本実施形態の浴槽用手摺り1は、浴槽側壁の上面に直置きされる固定フレーム2の中で、固定フレーム2の垂直部分(縦部材)を構成する当接基部22へ当接部23を有しているので、可動フレーム3に取り付けられた押圧部5を浴槽側壁を挟んで当接部23とは反対側から押し付けても、固定フレーム2と浴槽側壁の上面との間に位置ズレや応力(摩擦力)を生じることなく、当接部23と押圧部5のクランプ力により浴槽側壁へ強固に取り付けることができる。
図5には、図1に示される本実施形態の浴槽用手摺り1の固定フレーム2の分解図が示されている。
本実施形態の固定フレーム2は、浴槽側壁の上面へ載置される載置部21と、載置部21に連結されており浴槽側壁の一方の側面へ当接される当接部23が設けられている当接基部22から構成されており、当接基部22の背面にはメイングリップ24の1対のグリップ支持部242をスライド可能に収容するためのグリップ支持部収容部29が設けられている。また、グリップ支持部収容部29の上部には、メイングリップ24のグリップ支持部242をガタ付きなく固定するために、テーパー付きの縮径部290と、縮径部290のネジ山と螺合するナット291が設けられている。
固定フレーム2の載置部21には、載置部21から当接基部22にかけて連続して延びている2本の補強リブ20と、載置部21の幅方向において、グリップ支持部242よりも外側へ向けて延びた延出部28が設けられている。また、載置部21には、可動フレーム3を取付位置可変にネジ止めするために、可動フレーム3のスライド方向に沿って等ピッチに配列された複数の固定用ネジ穴211と、固定用ネジ穴211の配列方向と直行する方向であって固定用ネジ穴211の配列に対して左右対称の位置に配置された1対のガイド用ネジ穴212が設けられている。
固定フレーム2の載置部21の内面(裏側)及び当接部23の内面のそれぞれには、浴槽側壁への傷付け防止及び滑り止めを兼ねた弾性を有する樹脂ラバー210,230が装着されており、さらに当接基部22の内面であって当接部23の下部には、浴槽用手摺り1を取付ける時、当接部23が浴槽側壁の上面に乗り上げるのを防止するための案内部231が取り付けられている。なお、本実施形態では、当接部23及び案内部231は樹脂からできている。
図6には、図1に示される本実施形態の浴槽用手摺り1の可動フレーム3を、フレーム本体3、移動装置6(トルク伝達・遮断手段64を含む)及び押圧部5へ分解した状態の概要が示されている。
図6に示されているように、本実施形態の浴槽用手摺り1において、押圧部5の移動装置6の基本的骨格は、押圧部5を支承するボルト63と、ボルト63と螺合し且つ可動フレーム3の垂直部32へ回動自在に取り付けられたナット61と、ナット61を回動するために垂直部32へ回動自在に取り付けられたハンドルノブ62とから構成される。また、この構成により、ハンドルノブ62の位置は垂直部32に対して変わることがないので、浴槽側でのハンドルノブ62の突出量を抑えることができる。
本実施形態では、押圧部5を支承するボルト63にはボルト軸に沿って可動側係止部630が設けられており、可動フレーム3の垂直部32には固定側係止部700が形成された係止部カバー70が取り付けられている。
可動側係止部630は、ボルト軸に沿ってボルト63のネジ山の一部を削るように形成された平面部によって構成されている。このため、可動側係止部630が形成されたボルト63は、ボルト軸と直交する断面において、一部の円周部を欠いた半月のような形状を呈している。
また、可動側係止部630は、ボルト63の外周面より内側に設けられていることを特徴とする。本実施形態では、ボルト63の外周をナット61が回転するので、ボルト63側に回転防止手段としての可動側係止部630を設けるのであれば、可動側係止部630はボルト63の外周面より内側に設けなければ、ナット61を回転させることができなくなるからである。なお、ボルト63の外周面とは、一般的にボルトの雄ネジのネジ山の外径面を意味している。
一方、可動フレーム3の垂直部32に取り付けられた係止部カバー70に形成された固定側係止部700は、ボルト63の可動側係止部630が、上述のようにボルト軸に沿ってボルト63のネジ山の一部を削るように形成された平面部によって構成されているので、ボルト63を受け入れることができ且つその平面形状とスライド可能に係合する開口部を形成している。すなわち、本実施形態の固定側係止部700は、可動側係止部630を有するボルト63が、ボルト軸と直交する断面において一部の円周部を欠いた半月のような形状を呈しているので、該ボルトの断面形状と略相似形の、ボルト63をスライド可能に受け入れることができる且つ一部の円周部を欠いた半月のような開口部を形成している。
図7には、図1に示される本実施形態の浴槽用手摺り1において、押圧部5及びその移動装置6を可動フレーム3の垂直部へ取り付ける手順および取り付けた後の押圧部5が可動フレーム3に対して回動不能に取り付ける原理を示した説明図が示されている。また、図8には、図1に示される本実施形態の浴槽用手摺り1において、固定フレームと可動フレームとを分離した状態を示した概要図が示されている。
図7(a)には、移動装置6のボルト63を可動フレーム3の垂直部32の開口314へ挿通し、押圧部5の取付け側からワッシャー68、フランジ部材69及びそのカバー690をネジ691によって垂直部32へ取り付けた状態が示されている。図7(a)に示される状態では、ボルト63は垂直部32の開口314に対して抜き差し可能な状態にあり、そしてハンドルノブ62を介してナット61を回転させると、ボルト63も供回りする状態にある。
図7(b)には、移動装置6のボルト63を可動フレーム3の垂直部32の開口314へ挿通し、押圧部5の取付け側よりワッシャー68、フランジ部材69及びそのカバー690をネジ691によって垂直部32へ取り付けた後、さらに固定側係止部700を有する係止部カバー70をネジ701によって垂直部32へ取り付けた状態が示されている。図7(b)に示される状態では、ボルト63は垂直部32の開口314に対して抜き差し可能な状態にあるが、ボルト63は、ボルト63の可動側係止部630と可動フレーム3の固定側係止部700とが係合することによりその回転が拘束されているので、ハンドルノブ62を介してナット61を回転させても供回りすることがない。
図7(c)には、移動装置6のボルト63を図7(b)に示される状態にまでセットした後、押圧部5をボルト63の先端に回動不能に取り付けた状態が示されている。ボルト63の先端の断面は2つの平行する平面を有するように略矩形状に加工されており、押圧部5の固定穴501及び固定プレート52の開口もボルト63の先端の断面形状に対応して略同じ矩形形状となっている(図8参照)。また、押圧部5をボルト68の先端へ固定するための固定プレート52はその両側にさらに横に延びた羽部を有しており、押圧部5の固定穴501の周辺も前記固定プレート52と嵌合するように固定プレート52と略同形状の凹部を有している(図8)。
このため、図7(c)に示される状態では、ボルト63は垂直部32の開口314に対して抜き差し不可能であり且つハンドルノブ62を介してナット61を回転させても供回りすることがなく、さらに、ボルト63の先端に取り付けられている押圧部5もボルト63に対して回転することができない。
このように、本実施形態の浴槽用手摺り1では、ボルト軸に沿って設けられた可動側係止部630が、可動フレーム3に取り付けられた係止部カバー70の固定側係止部700とスライド可能に係合するので、ボルト63は、ナット61の回動によって螺進退されても可動フレーム3に対して回転することがない。このため、ボルト63の先端に該ボルト63に対して回動不能に支承された押圧部5も、可動フレーム3及び可動フレーム3が取り付けられた固定フレーム2に対して回転することがなくなるので、押圧部5を安定して螺進退等させることができるようになる。
別言すれば、ボルト又はナットのいずれかを回動させてボルトを螺進退させるような押圧部の移動手段の場合、ボルトに取り付けられた押圧部は螺進退時に回転してしまうので、可動フレーム3の水平部分(スライド部31)の下面と固定フレーム2の水平部分(載置部21)の端部により形成された段差に引っ掛かりを生じる。ところが、本実施形態の浴槽用手摺り1では、ボルト63及び該ボルト63に取り付けられた押圧部5は螺進退時に可動フレーム3や固定フレーム2に対して回転することがないので、可動フレーム3のスライド部31の下面と固定フレーム2の載置部21の端部により形成された段差で引っ掛かりを生じることなくスムーズに移動することができる。
なお、図6に示されているように、本実施形態の押圧部5は樹脂ラバー51を含んでおり、樹脂ラバー51は、その裏面に設けられた円形の凸部510を押圧部本体50の円形の凹部500へ嵌め込むことにより装着される。
また、押圧部本体50にはボルト63の先端部分と嵌合する固定穴501が設けられており、ボルト63の先端部分を固定穴501に挿通し、先端部分が露出した側からネジ502によりネジ止めすることにより、押圧部5がボルト63の先端部分へ取り付けられる。本実施形態では、押圧部本体50のボルト63の先端部分への取付け部分には遊びを設けているので、押圧部本体50はボルト63の先端部分に対して水平方向に首を振ることができる。このため、本実施形態の押圧部5は、曲面を有する浴槽側壁に対しても確実に押圧することができる。
本実施形態の押圧部5の移動装置6には、他にトルク伝達・遮断手段64等が含まれている。そこで、本実施形態の押圧部5の移動装置6について、図6を用いてさらに詳しく説明する。
本実施形態の浴槽用手摺り1では、押圧部5を当接部23へ向けて前進及び後退させるための移動装置6は、図6に示されているように可動フレーム3の垂直部32へ回動可能に取り付けられたナット61と、ナット61を回動するためのハンドルノブ62と、そして先端部が押圧部5に連結されており且つナット61に螺合するボルト63とから構成されており、さらに所定の力未満ではハンドルノブ62からナット61へ回動力を伝達し、そして、所定の力以上ではハンドルノブ62からナット61への回動力の伝達を遮断するトルク伝達・遮断手段64を含んでいる。
本実施形態では、移動装置6はナット61及びボルト63によって構成されているので、ボルト63の螺進退により押圧部5を当接部23に対して容易に近接又は離間させることができ、さらにその状態も確実に保持することができる。さらに、本実施形態では、ナット61は可動フレーム3の垂直部32へ回動可能に取り付けられており、ハンドルノブ62によってナット61を回転させることによりボルト63及びその先端に取り付けられた押圧部5が螺進退するので、ハンドルノブ62の位置は垂直部32に対して変わることがない。その結果、本実施形態では、浴槽用手摺り1からハンドルノブ62が突出するのを抑制できるので使用者にとって安全である。
また、本実施形態の移動装置6はトルク伝達・遮断手段64を備えているので、使用者がハンドルノブ62を回して押圧部5を当接部23へ向けて強力に押し込んでも浴槽側壁を破損することなく、本実施形態の浴槽用手摺り1を必要にして十分な押圧力(クランプ力)をもって浴槽側壁へ取り付けることができる。また、押圧部5の移動装置6へ上述のトルク伝達・遮断手段64を設けても、ハンドルノブ62の位置は可動フレーム3の垂直部32に対して変わることがない。
本実施形態のトルク伝達・遮断手段64は、ハンドルノブ62の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面650を備えており、そしてハンドルノブ62の回転と同調し且つハンドルノブ62の回転軸に沿ってスライド可能に内装される環状部材65と、トルク伝達面650に当接し且つナット61の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面660を備えた第2の環状部材66と、フランジ610を備えたナット61と、環状部材65のトルク伝達面650をナット81のトルク伝受面660へ向けて付勢する付勢手段67とから構成されており、そしてトルク伝達面650およびトルク伝受面660は、それぞれに伝達される回動力が所定の力未満ではトルク伝達面650とトルク伝受面660とを相互に係止し、且つ伝達される回動力が所定の力以上ではトルク伝達面650とトルク伝受面660との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含ませることにより構成されている。
トルク伝達・遮断手段64のトルク伝達面650の中心及びトルク伝受面660の中心は、ハンドルノブ62及びナット61の回転軸と同軸上に配置されている。またトルク伝達面650上及びトルク伝受面660上には、それぞれにトルク伝達面650又はトルク伝受面660から傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面650の傾斜面及びトルク伝受面660の傾斜面は、押圧部5を浴槽側壁へ押し込むようにハンドルノブ62を回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。
そして、トルク伝達面650を有する環状部材65はハンドルノブ62及びナット61の回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つ弾性体の付勢手段67によってトルク伝受面660に向けて付勢されている。付勢手段67は、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達面650の傾斜面とトルク伝受面660の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そしてハンドルノブ62からナット61へ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝達面650の傾斜面はトルク伝受面660の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そしてこの係合により、ハンドルノブ62のトルクがナット61へ伝達され、該ナット61と螺合するボルト63が可動フレーム3に取り付けられた押圧部5を浴槽側壁へ向けて押し付ける。
一方、ハンドルノブ62からナット61へ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝達面650の傾斜面はトルク伝受面660の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝達面650を備えた環状部材65は付勢手段67に抗して後退し、トルク伝達面650の傾斜面がトルク伝受面660の傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。このため、この状態でハンドルノブ62を回してもハンドルノブ62はナット61に対して空回りするのみであり、ハンドルノブ62からナット61へトルクが伝達されることはない。
また、トルク伝達面650の傾斜面の後端にはトルク伝達面650に略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面660の傾斜面の後端にはトルク伝受面660に略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面650の垂直面とトルク伝受面660の垂直面は、可動フレーム3の押圧部5を浴槽の側壁から離間させるようにハンドルノブ62を回す時、互いに当接し係合する。そのため、ハンドルノブ62を、押圧部5を浴槽の側壁から離間させるように回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にハンドルノブ62とナット61は同調して回転する。
このように、トルク伝達・遮断手段64において、ナット61の回転と同調して回動するトルク伝受面660は、ナット61の外周面に取り付けられている。このため、トルク伝達・遮断手段64は、ナット61本体と一部重複して配置することができるので、トルク伝達・遮断手段64及び該トルク伝達・遮断手段64を備えたハンドルノブ62の可動フレーム3からの突出長さを抑えることができる。
また、本実施形態では、消耗部品の交換を容易にすることでトルク伝達・遮断手段64のメンテナンス性を向上させるために、トルク伝受面660は、ナット61の回転と同調するようにナット61へ着脱自在に装着された第2の環状部材66上に形成されている。
さらに、可動フレーム3の垂直部32へのナット61の着脱を容易にすることでトルク伝達・遮断手段64のメンテナンス性を向上させるため、ナット61には可動フレーム3の垂直部32に設けられた開口314へ挿通される胴部612を設け、第2の環状部材66の外径は開口314より大きな外径とすることにより、装着時は、ナット61の胴部612を開口314へ挿通し、第2の環状部材66が当接する垂直部32の側面とは反対側の側面から、ネジ691により、開口314より大きな外径を有するフランジ部材69とカバー690を第2の環状部材66と連結することで、ナット81を垂直部32へ回転自在に取り付けられるようにしている。
また、第2の環状部材85やフランジ部材69の消耗を防ぎ、ナット61の回転を円滑にするため、可動フレーム3の垂直部32は、樹脂製のワッシャー68を介して第2の環状部材66及びフランジ部材69によって挟み込まれている。
さらに、本実施形態では、ハンドルノブ62の胴部の端部には、胴部よりも拡径された拡径部621が設けられている。そして、ハンドルノブ62は、トルク伝達面650を有する環状部材65と同調して回転させられると共に、ナット61から離脱しないように、拡径部621よりも小さな内径の開口を有する上下ハンドル固定カバー622によって可動フレーム3の垂直部32へ回転自在に取り付けられている。
なお、本実施形態のトルク伝達・遮断手段64では、ハンドルノブ62の内部に設けられており、突起と突起の間に形成された凹部等からなる第1の係止手段623と、ナット61の端部に設けた欠き等の凹部からなる第2の係止手段611とをピン等の係合手段(図示せず)によって連結することにより、所定の力以上でも、常にハンドルノブ62からナット61へ回動力を伝達できるようにすることができる。
本実施形態の浴槽用手摺り1は、側面視において逆L字形状を有している固定フレーム2を浴槽側壁に直置きし、そして固定フレーム2の横部材を構成する載置部21の上に逆L字形状を有している可動フレーム3を取り付けることにより、可動フレーム3に取り付けられた押圧部5を浴槽側壁へ押し付けても固定フレーム2と浴槽側壁の上面との間に位置ズレや応力(摩擦力)を生じることなく、当接部23と押圧部5のクランプ力により浴槽側壁へ強固に取り付けることができることを特徴としている。
このため、本実施形態では、上記の特徴を最大限に活用するために、浴槽用側壁の上方であって固定フレーム2の上方に配置されるメイングリップ24は、浴槽側壁の上面との関係で位置ズレや応力(摩擦力)を生じることない固定フレーム2側へ取り付けられている。また、本実施形態では、押圧部5及びその移動装置6は洗い場側ではなく浴槽側にセットされる可動フレーム3に取り付けられるので、押圧部5及び押圧部5を担持したボルト63を螺進退させるためのハンドルノブ62の浴槽内への突出量は極力抑えられている。
1・・・・・浴槽用手摺り
2・・・・・固定フレーム
20・・・・補強リブ
21・・・・載置部
210・・・樹脂ラバー
211・・・固定用ネジ穴
212・・・ガイド用ネジ穴
213・・・底面
22・・・・当接基部
23・・・・当接部
230・・・樹脂ラバー
231・・・案内部
24・・・・メイングリップ
240・・・上部グリップ
241・・・固定孔
242・・・グリップ支持部
25・・・・脚部
250・・・ネジ
251・・・主脚部
252・・・補助脚部
26・・・・保護カバー
27・・・・挿入・解除手段
270・・・挿入ピン
271・・・つまみ
272・・・付勢手段
28・・・・延出部
29・・・・グリップ支持部収容部
290・・・縮径部
291・・・ナット
3・・・・・可動フレーム
31・・・・スライド部
310・・・スリット
311・・・貫通孔
312・・・ガイド用ネジ
313・・・固定用ネジ
314・・・・・・開口
32・・・・垂直部
33・・・・サブグリップ
34・・・・保護カバー
5・・・・・押圧部
50・・・・押圧部本体
500・・・凹部
501・・・固定穴
502・・・ネジ
51・・・・樹脂ラバー
510・・・凸部
52・・・・固定プレート
6・・・・・移動装置
61・・・・ナット
610・・・フランジ
611・・・第2の係止手段(凹部)
612・・・胴部
62・・・・ハンドルノブ
620・・・キャップ
621・・・拡径部
622・・・上下ハンドル固定カバー
623・・・第1の係止手段(凹部)
63・・・・ボルト
630・・・可動側係止部
64・・・・トルク伝達・遮断手段
65・・・・環状部材
650・・・トルク伝達面
66・・・・第2の環状部材
660・・・トルク伝受面
67・・・・付勢手段
68・・・・ワッシャー
69・・・・フランジ部材
690・・・カバー
691・・・ネジ
70・・・・係止部カバー
700・・・固定側係止部
701・・・ネジ

Claims (5)

  1. 浴槽用手摺りであって、
    浴槽側壁の上面に直置きされる固定フレームと、
    前記固定フレームの上にスライド可能に取り付けられる可動フレームと、
    前記固定フレーム側に設けられた、浴槽側壁の一方の側面と当接する当接部と
    前記可動フレーム側に設けられ、浴槽側壁の一方の側面を押圧するために、前記可動フレームに対して近接離反する押圧部と、
    前記押圧部を支持するボルトと、前記ボルトと螺合し且つ前記可動フレームに回動自在に取り付けられているナットと、前記ナットを回動するためのハンドルノブを備える、前記押圧部を前記可動フレームに対して近接離間させるための移動手段とを含んでおり、そして
    前記ボルトは、ボルト軸に沿って設けられた可動側係止部が前記可動フレームに取り付けられた固定側係止部と係合することにより前記可動フレームに対して回動不能であることを特徴とする浴槽用手摺り。
  2. 前記可動側係止部は、ボルト軸に沿ってボルトのネジ山の一部を削るように前記ボルトに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用手摺り。
  3. 前記可動側係止部は、平面部または凹部によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽用手摺り。
  4. 前記押圧部は、前記ボルトに対して回動不能に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記の浴槽用手摺り。
  5. 前記固定フレームには、前記固定フレームの上方に配置される手摺り本体が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
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