JP5548835B2 - 浴槽用手摺り - Google Patents

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Description

本発明は、浴槽の側壁へ着脱自在に取り付けられる浴槽用手摺りであって、押圧板を支承し且つナットと螺合したボルト軸を螺進退させるためのトルク伝達ハンドルの構造に関する。特に本発明は、ボルト軸を螺進退させても浴槽用手摺り本体に対するハンドルの位置が変わらず、且つハンドルから伝達されるトルクが所定の値未満である時はノブからナットへトルクを伝達し、伝達されるトルクが所定の値以上になった時は該トルクの伝達を遮断するトルク伝達機構を備えたトルク伝達ハンドルに関する。
従来より、高齢者等が浴槽に出入りする際に身体を容易に支持することができるように、浴槽の側壁へ着脱自在に取り付けることができる浴槽用手摺りが提供されている。浴槽用手摺りは、使用者によって使用者の全体重を預けられる場合があるので、浴槽の側壁に強固に取り付けられなければならない。このため、一般に浴槽用手摺りは、ハンドル又はノブを回転することによってナットと螺合したボルト軸を螺進退させ、該ボルト軸に支承された押圧板を浴槽の側壁へ強力に押し付けることができる押圧機構を備えている。
しかしながら、上述のタイプの浴槽用手摺りは、使用者がハンドル又はノブを回して押圧板を螺進退させることにより、浴槽用手摺りを浴槽の側壁へ直接取り付けるものである。そのため、押圧板の締付け力(又は押付け力)が強過ぎると浴槽の側壁が壊れ、逆に押圧板の締付け力が不十分であると、浴槽用手摺りが浴槽の側壁から脱離してしまうという問題があった。そこで、上記問題を解消するため、例えば特開2012−24592号公報(特許文献1)に記載されているように、押圧板を螺進退させるハンドル又はノブへ回動伝達遮断機構(定トルク伝達機構)を配置し、押圧板によって一定以上の押付け力が浴槽の側壁へ伝達されないようにした浴槽用手摺りが開発されている。
特許文献1に記載された浴槽用手摺りは、ナットを浴槽用手摺りへ回動不能に固定し、そしてノブによりナットと螺合したボルト軸を直接回動することによって、押圧板を支承したボルト軸を螺進退させるものである。このため、特許文献1に記載された浴槽用手摺りでは、ノブからボルト軸へ一定以上の回動力が伝わらないように、ノブとボルト軸の間に回動伝達遮断機構が取り付けられている。
ところが、特許文献1に記載されたタイプの浴槽用手摺りでは、ノブを回動してボルト軸を後退させると、ボルト軸の後端に取り付けられたノブが浴槽用手摺り本体から外方へ突出するので、使用者にとって危険であり邪魔となる。そのため、特開2002−209781号公報(特許文献2)、特開2003−125967号公報(特許文献3)および特開2005−7011号公報(特許文献4)に記載されているように、ナットを浴槽用手摺りへ回動自在に固定し、そしてノブによりナットを回動することによって、押圧板を支承したボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りが開発されている。このタイプの浴槽用手摺りでは、ノブはナットに固定されるので、ノブが浴槽用手摺り本体から外方へ突出するのが抑制される。
しかしながら、ナットを回動することによってボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りでは、特許文献1に記載された浴槽用手摺りのような回動伝達遮断機構を備えた浴槽用手摺りは開発されていない。
なぜなら、ナットに螺合されたボルト軸を直接回動することによってボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りの場合、回動伝達遮断機構は、特に取付け構造や取付けスペースにおいて制限を受けることなく、単にボルト軸の後端とノブとの間に配設することができる。しかしながら、ナットを回動することによってボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りの場合は、ナットの端面の面積が狭く、ナットの外周面の形状は曲面であるため、単純にナットとノブとの間に回動伝達遮断機構を配設することができないからである。また、ナットの外部領域もノブによって囲まれるため、回動伝達遮断機構を取り付けるためのスペースも極めて限られているという問題もあるからである。
このため、ノブによりナットを回動することによってボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りでは、押圧板の締付け力が強過ぎると浴槽の側壁が壊れ、逆に押圧板の締付け力が不足すると浴槽の側壁から脱離してしまうという問題が依然として残っていた。
特開2012−24592号公報 特開2002−209781号公報 特開2003−125967号公報 特開2005−7011号公報
そこで、本発明は、浴槽用手摺りを浴槽の側壁へ安全且つ確実に着脱自在に取り付けるため、ノブによりナットを回動することによって押圧板を支承したボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りにおいて、ボルト軸を螺進退させても浴槽用手摺り本体に対するノブの位置が変わらず、且つノブから伝達されるトルクが所定の値未満である時はノブからナットへトルクを伝達し、伝達されるトルクが所定の値以上になった時は該トルクの伝達を遮断するトルク伝達機構を備えた浴槽用手摺りを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成するため、ノブによりナットを回動することによって、押圧板が支承されたボルト軸を螺進退させるタイプの浴槽用手摺りにおいて、ノブの形状、ナットの形状、トルク伝達機構の取付け位置や取付け構造などについて鋭意検討を重ねた結果、ノブの内部には、本体フレームから突出したボルト軸を収容するための室(空洞)を設け、そしてノブからナットへのトルク伝達経路には、伝達されるトルクが所定の値未満である時はトルクを伝達し、伝達されるトルクが所定の値となった時はトルクの伝達を遮断するトルク伝達機構を設けることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、少なくとも浴槽側壁の側面と略平行に配置される垂直部を備えており、そして浴槽側壁に配置される本体フレームと、本体フレームを浴槽側壁へ固定するために該浴槽側壁を押し付ける押圧板と、そして押圧板を前記本体フレームに対し螺進退させるためのトルク伝達ハンドルとからなる浴槽用手摺りにおいて、トルク伝達ハンドルは、押圧板を支承するボルト軸と、ボルト軸と螺合し且つ本体フレームの垂直部に回転自在に取り付けられるナットと、ナットに対し回動自在に外装されるノブであって、該ノブの内部には、押圧板を最も本体フレームの垂直部へ近づけた時、本体フレームの垂直部の反対側で、該垂直部から外方へ向けて突出したボルト軸を収容するための室が設けられている前記ノブと、そして伝達されるトルクが所定の値未満では、ノブからナットへトルクを伝達し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、ノブからナットへのトルクの伝達を遮断するトルク伝達機構とを備えていることを特徴とする浴槽用手摺りが提供される。
本発明のトルク伝達機構は、ノブによりナットを回動することによって押圧板を支承したボルト軸を螺進退させるものであるため、ナットは本体フレームの垂直部に回転自在に取り付けられている。このため、ナットは、回動させても本体フレームの垂直部から軸方向へ移動することがなく、ボルト軸のみが螺進退する。
ナットを回動するためのノブは、ナットに対し回動自在に外装されており、好ましくは、ナットと同様に本体フレームの垂直部に回転自在に取り付けられる。そしてノブとナットとの間には、後述するトルク伝達機構が配設される。
また、ノブの内部には、押圧板を最も本体フレームの垂直部へ近づけた時、本体フレームの垂直部の反対側で、該垂直部から外方へ向けて突出したボルト軸を収容するための室が設けられている。このため、本発明の浴槽用手摺りでは、ノブによりナットを回動させても、ボルト軸が本体フレームから外方へ突出して露出することがない。また、ボルト軸を螺進退させても、本体フレームに対するノブの相対位置が変わることもない。さらに、本発明のトルク伝達ハンドルでは、ノブはナットを介してボルト軸の後端部分を覆うように配置されるため、ボルト軸の後端に直列的に配置されている特許文献1に記載されたタイプのトルク伝達ハンドルよりも、ノブが本体フレームから外方へ突出する部分の長さが短く且つコンパクトにできるという利点がある。
このように、本発明によれば、押圧板を螺進退させるボルト軸の露出が防止され、ナットを回動させるノブが本体フレームから外方へ突出する長さが抑制されているので、使用者にとって邪魔であり危険な障害物が排除された安全な浴槽用手摺りを提供することができる。
さらに、本発明の浴槽用手摺りは、ノブからナットへトルクを伝達する経路の途中に、伝達されるトルクが所定の値未満では、ノブからナットへトルクを伝達し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、ノブからナットへのトルクの伝達を遮断するトルク伝達機構が設けられている。
このため、本発明の浴槽用手摺りでは、ノブを回転することにより押圧板を螺進退させて浴槽の側壁へ押し付けても、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値以上に到達した時、換言すれば、浴槽の側壁に対する押圧板の押付け力(又は締付け力)が所定の値以上に到達した時は、ノブからナットへのトルクの伝達が遮断される。その結果、押圧板は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板の押付け力が強過ぎることによって浴槽の側壁を破壊することも防止される。
本発明によれば、略円筒形の形状を有するナットへの適用に適しており、ノブからナットへトルクを確実に伝達または遮断することができるトルク伝達機構が提供される。
第1の態様のトルク伝達機構は、ノブの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面を備えており、そしてノブの回転と同調し且つノブの回転軸に沿ってスライド可能に内装される環状部材と、トルク伝達面に当接し且つナットの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面を備えたナットと、環状部材のトルク伝達面をナットのトルク伝受面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そしてトルク伝達面およびトルク伝受面は、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達面とトルク伝受面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達面とトルク伝受面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とするものである。
第1の態様のトルク伝達機構では、トルク伝達面の中心およびトルク伝受面の中心は、共通するノブおよびナットの回転軸上に配置されている。また、トルク伝達面上およびトルク伝受面上には、それぞれにトルク伝達面またはトルク伝受面から傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面の傾斜面およびトルク伝受面の傾斜面は、押圧板が浴槽の側壁へ向かって前進するようにノブを回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。そしてトルク伝達面を有する環状部材は、ノブの内周面とナットの外周面との間でノブの回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つ弾性体によってトルク伝受面に向けて付勢されている。なお、弾性体は、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達面の傾斜面とトルク伝受面の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝達面の傾斜面はトルク伝受面の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブのトルクがナットへ伝達され、該ナットと螺合しているボルト軸が螺進退される。
一方、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝達面の傾斜面はトルク伝受面の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝達面を有する環状部材は弾性体に抗して後退し、トルク伝達面の傾斜面がトルク伝受面の傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。そのため、この状態でノブを回してもノブはナットの周りで空回りするのみであり、ノブからナットへトルクが伝達されることはない。
また、トルク伝達面の傾斜面の後端にはトルク伝達面に略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面の傾斜面の後端にはトルク伝受面に略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面の垂直面とトルク伝受面の垂直面は、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブとナットは同調して回転する。
このように、第1の態様のトルク伝達機構は、ナットの回転軸に対して直交するナットの端面をトルク伝受面として利用するものであるが、例えば、該ナットの端面の面積が狭い場合であっても、ノブからナットへのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第1の態様のトルク伝達機構では、ナットに設けられるトルク伝受面を、ナットの外周面に設けられた段差(外径差)に形成したことにより、本来のナットの端面よりより一層大きな面積を有する第2の端部(トルク伝受面)をナットの外周面に設けることができたからである。なお、ナットの端部の肉厚(外形寸法)を増大させてナットの端面の面積を広くし、トルク伝受面をナットの外周面ではなくナットの本来の端面であるナットの側端面に設けることで、ノブからナットへのトルクを伝受または遮断することもできる。
トルク伝受面は、ナットへ着脱自在に装着できる第2の環状部材上に形成してもよい。特にトルク伝受面の凹部または凸部は、長期間使用した時に磨耗することがあるので、ナット本体とは別体の第2の環状部材上にトルク伝受面を形成しておくと、トルク伝受面が磨耗した時に第2の環状部材を容易に交換することが可能となり便利である。
また、ナット本体とは別体の第2の環状部材上にトルク伝受面を形成しておくと、本体フレームの垂直部へのナットの取り付けが容易となる。具体的には、ナットを、本体フレームの垂直部に設けられた貫通口へ挿通される胴部と、該貫通口より大きく且つ胴部から放射方向に延びたフランジとから構成する。そしてナットの胴部を貫通口へ挿通し、フランジが本体フレームの垂直部へ当接する側の反対側から、貫通口より大きな外径を有する第2の環状部材をナットへ固定することにより、ナットを本体フレームの垂直部へ容易且つ回転自在に取り付けることができるようになる。
さらに、樹脂製のワッシャーを介して、本体フレームの垂直部をナットのフランジおよび第2の環状部材によって挟み込むとガタ付きが減少し、本体フレームの垂直部に対するナットの回転をより一層円滑にすることができる。
第1の態様のトルク伝達機構は、トルク伝達面が形成された環状部材と、トルク伝受面が形成されたナットの配列を軸方向に入れ換え、且つ弾性体の位置も変更することにより、環状部材のトルク伝達面が、第1の態様のトルク伝達面とは反対向きにナットのトルク伝受面を付勢するように小変更した、第2の態様のトルク伝達機構として構成することもできる。この場合、第2の態様のトルク伝達機構は、ノブと同調する環状部材のトルク伝達面がナットのトルク伝受面を付勢することに変わりがないので、上述した第1の態様のトルク伝達機構と同じ機構によって機能し、同じ作用効果を奏することができる。
次に、本発明により提供される第3の態様のトルク伝達機構について説明する。第3の態様のトルク伝達機構は、第1の態様のトルク伝達機構において、環状部材のトルク伝達面が弾性体によってナットのトルク伝受面を付勢していたものを、トルク伝達面とトルク伝受面の配列を軸方向に入れ換えることにより、ナットと同調する環状部材に形成されたトルク伝受面が、弾性体によってノブのトルク伝達面を付勢するように変更したものである
具体的には、第3の態様のトルク伝達機構は、ノブの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面を有するノブと、トルク伝達面に当接し且つナットの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面を備えており、そしてナットの回転と同調し且つナットの回転軸に沿ってスライド可能に外装される環状部材と、環状部材のトルク伝受面をノブのトルク伝達面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そしてトルク伝達面およびトルク伝受面は、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達面とトルク伝受面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達面とトルク伝受面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とするものである。
第3の態様のトルク伝達機構では、トルク伝達面の中心およびトルク伝受面の中心は、共通するノブおよびナットの回転軸上に配置されている。また、トルク伝達面上およびトルク伝受面上には、それぞれにトルク伝達面またはトルク伝受面から傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面の傾斜面およびトルク伝受面の傾斜面は、押圧板が浴槽の側壁へ向かって前進するようにノブを回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。そしてトルク伝受面を有する環状部材は、ノブの内周面とナット外周面の間でナットの回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つ弾性体によってトルク伝達面に向けて付勢されている。なお、弾性体は、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達面の傾斜面とトルク伝受面の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝受面の傾斜面はトルク伝達面の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブのトルクがナットへ伝達され、該ナットと螺合しているボルト軸が螺進退される。
一方、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝受面の傾斜面はトルク伝達面の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝受面を有する環状部材は弾性体に抗して後退し、トルク伝受面の傾斜面がトルク伝達面の傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。そのため、この状態でノブを回してもノブはナットの周りで空回りするのみであり、ノブからナットへトルクが伝達されることはない。
また、トルク伝達面の傾斜面の後端にはトルク伝達面に略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面の傾斜面の後端にはトルク伝受面に略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面の垂直面とトルク伝受面の垂直面は、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブとナットは同調して回転する。
このように、第3の態様のトルク伝達機構は、ナットの回転軸に対して直交するナットの端面をトルク伝受面として利用するものであるが、例えば、該ナットの端面の面積が狭い場合であっても、ノブからナットへトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第3の態様のトルク伝達機構では、ナットに設けられるトルク伝受面を、ナットの外周面にスライド可能に配設された環状部材に形成したことにより、本来のナットの端面よりより一層大きな面積を有する第2の端部(トルク伝受面)をナットの外周面に設けることができたからである。
トルク伝達面は、ノブへ着脱自在に装着できる第3の環状部材上に形成してもよい。特にトルク伝達面の凹部または凸部は、長期間使用した時に磨耗することがあるので、ノブ本体とは別体の第3の環状部材上にトルク伝達面を形成しておくと、トルク伝達面が磨耗した時に第3の環状部材を容易に交換することが可能となり便利である。
また、第1および第3の態様のトルク制御機構では、環状部材を付勢する側とは反対側の弾性体の端部を固定するためのストッパーをナットに設けることにより、トルク伝達機構をコンパクトにすることができる。また、ストッパーをナットへ着脱自在に装着することにより、弾性体の弾性力の調整や交換を容易化することができ、第1および第3の態様のトルク制御機構のメンテナンス性が向上する。
さらに、本発明により提供される第4の態様のトルク伝達機構について説明する。第4の態様のトルク伝達機構は、トルク伝達面およびトルク伝受面がノブおよびナットの回転軸に対して直交するように配置された第1〜第3の態様のトルク伝達機構とは大きく異なる。第4の態様のトルク伝達機構では、トルク伝達面はノブの内周面上に設けられ(以下、「トルク伝達内周面」という)、トルク伝受面はナットの外周面上に設けられる(以下、「トルク伝受外周面」という)。また、第4の態様のトルク伝達機構では、第1〜第3の態様のトルク伝達機構の環状部材は、ナットの外周面上に形成されたキー溝の中に、ナットの回転軸に対して放射方向に移動可能なキーとして置換されている。
具体的には、第4の態様のトルク伝達機構は、ノブの回転軸に対して平行な略円筒形のトルク伝達内周面を有するノブと、トルク伝達内周面に摺接し且つナットの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面と、外周面上であってナットの回転軸に対して平行に配設されたキー溝と、トルク伝達内周面に当接するトルク伝受外周面を備えており且つナットの回転軸に対して放射方向に移動可能にキー溝の中に配置されたキーと、そしてキーのトルク伝受外周面をノブのトルク伝達内周面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そしてトルク伝達内周面およびキーのトルク伝受外周面は、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達内周面とトルク伝受外周面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達内周面とトルク伝受外周面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とするものである。
第4の態様のトルク伝達機構では、トルク伝達内周面の回転軸およびトルク伝受外周面の回転軸は、共通するノブおよびナットの回転軸上に配置されている。また、ノブのトルク伝達内周面上には、円筒状のトルク伝達内周面からさらに内側に傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。一方、ナットのトルク伝受外周面上には、ナットの回転軸に対して平行に配設されたキー溝が形成されており、そしてキー溝の中には、ナットの回転軸に対して放射方向に移動可能なキーが配置されている。キーのトルク伝受外周面上には傾斜面を含む凹部/凸部が形成されており、キーは弾性体によってトルク伝達内周面に向けて付勢されている。なお、弾性体は、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達内周面の傾斜面と、キーのトルク伝受外周面の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、キーのトルク伝受外周面の傾斜面はノブのトルク伝達内周面の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブのトルクがナットへ伝達され、該ナットと螺合しているボルト軸が螺進退される。
一方、ノブからナットへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、ナットのトルク伝受外周面の傾斜面はノブのトルク伝達内周面の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、傾斜面を有するキーは弾性体に抗して後退し、キーのトルク伝受外周面の傾斜面がノブのトルク伝達内周面の傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。そのため、この状態でノブを回してもノブはナットの周りで空回りするのみであり、ノブからナットへトルクが伝達されることはない。
また、ノブのトルク伝達内周面の傾斜面の後端にはトルク伝達内周面に略直交する垂直面が形成されている。また、キーの幅方向の断面は略台形の形状を呈しているので、キーのトルク伝受外周面の傾斜面の後端にはキーの傾斜面に略直交する垂直面が形成されている。ノブのトルク伝達内周面の垂直面とキーのトルク伝受外周面の垂直面は、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブとナットは同調して回転する。
このように、第4の態様のトルク伝達機構はナットの端面ではなく、ナットの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面をトルク伝受外周面として利用するものであるが、該ナットの外周面の形状が曲面であっても、ナットの外部領域がノブによって囲まれて狭小であっても、ノブからナットへのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第4の態様のトルク伝達機構では、ナットから独立したキーの外周面上に傾斜面を形成し、該キーをナットの外周面上に設けたキー溝の中に配置したので、ノブの内周面とナットの外周面が近接している場合においても、ナットの回転軸に対し放射方向に移動して係合/解除可能な傾斜面をナットの外周面に設けることができたからである。
トルク伝達内周面は、ノブの内周面へ着脱自在に嵌合される筒状部材上に形成してもよい。特にトルク伝達内周面の凹部または凸部は、長期間使用した時に磨耗することがあるので、ノブ本体とは別体の筒状部材上にトルク伝達内周面を形成しておくと、トルク伝達内周面が磨耗した時に筒状部材を容易に交換することが可能となり便利である。またノブ本体を、耐摩耗性を考慮した筒状部材とは無関係な軽量プラスチック材料などから作ることもできるという利点もある。
また、第1〜第4の態様のトルク伝達機構では、ナットに、本体フレームの垂直部に設けられた貫通口へ挿通される胴部と、貫通口より大きな外径を有し且つ胴部から放射方向に延びたフランジを設けてもよい。この場合、胴部を前記貫通口へ挿通し、フランジが本体フレームの垂直部へ当接する側の反対側から、貫通口の直径より大きな外径を有する固定リングをナットへ固定することにより、ナットを本体フレームの垂直部へ容易且つ回転自在に取り付けることができるようになる。
さらに、樹脂製のワッシャーを介して、本体フレームの垂直部をナットのフランジおよび固定リングによって挟み込むとガタ付きが減少し、本体フレームの垂直部に対するナットの回転をより一層円滑にすることができる。
第1、第2および第3のトルク伝達機構では、ナットまたはナットに固定された部品に係合孔を設け、そしてノブには、該係合孔と連通することができる貫通孔を設けることが好ましい。
本発明により提供されるトルク伝達機構は、押圧板が浴槽の側壁から後退するようにノブを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブとナットは同調して回転するように設計されている。このため、使用者が不注意等で、押圧板が本体フレームの垂直部と当接した後もノブを過剰に回してしまうと、ナットと軸方向に引張り応力が生じたボルト軸との間で大きな摩擦力を生じることがある。ところが、本発明のトルク伝達機構では、伝達されるトルクが所定の値以上となるとトルクの伝達が遮断されるので、前記摩擦力が過大であると、ノブを回してもノブはナットの周りで空回りするのみで、押圧板を支承したボルト軸を前進させることができなくなる場合がある。
そのため、第1、第2および第3のトルク伝達機構では、ナットまたはナットに固定された部品に係合孔を設け、そしてノブには、該係合孔と連通することができる貫通孔を設けることにより、押圧板を前進させることができなくなった時、ノブの貫通孔からナットまたはナットに固定された部品の係合孔へ連結ピンなどの棒状部品を差し込んで一時的にノブとナットを連結できるようにし、ノブとナットの同調を保証することによって上記の問題を解決している。
本発明によれば、ノブの内部には、押圧板を最も本体フレームの垂直部へ近づけた時、本体フレームの垂直部の反対側で、該垂直部から外方へ向けて突出したボルト軸を収容するための室が設けられている。このため、本発明の浴槽用手摺りでは、ノブによりナットを回動しても、ボルト軸が本体フレームから外方へ突出して露出することがなく、本体フレームに対するノブの位置が変わることもない。その結果、押圧板を螺進退させるボルト軸の露出が防止され、ナットを回動させるノブが本体フレームから外方へ突出する長さが抑制された、使用者にとって安全な浴槽用手摺りが提供される。
さらに、本発明によれば、ノブからナットへトルクを伝達する経路の途中にトルク伝達機構が設けられている。このため、本発明の浴槽用手摺りでは、押圧板は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板の押付け力が強過ぎることによって浴槽側壁の破壊を防止することもできる。
本発明の浴槽用手摺りの概要図である。 図1に示される浴槽用手摺りの化粧カバーおよび上部グリップを外した状態の概要図である。 第1の態様のトルク伝達機構を備えた浴槽用手摺りをボルト軸の軸芯に沿って切り取った断面図である。 図3に示される浴槽用手摺りのトルク伝達ハンドルを部分的に拡大した断面図である。 図4に示されるトルク伝達ハンドルの分解した状態を模式的に示す分解図である。 トルク伝受面に対し、環状部材及び弾性体の配置を軸方向に入れ換えた、第2の態様のトルク伝達機構を備えた浴槽用手摺りのトルク伝達ハンドルをボルト軸の軸芯に沿って切り取った断面図である。 第3の態様のトルク伝達機構を備えた浴槽用手摺りのトルク伝達ハンドルをボルト軸の軸芯に沿って切り取った断面図である。 第4の態様のトルク伝達機構を備えた浴槽用手摺りのトルク伝達ハンドルをボルト軸の軸芯に沿って切り取った断面図である。 図8aに示されるトルク伝達ハンドルをX−X断面で切り取った断面図である。 図8a,8bに示されるトルク伝達ハンドルの分解した状態を模式的に示す分解図である。 第4の態様のトルク伝達機構で使用されるナットの斜視図である。 図10aに示されるナットをA−A断面で切り取った断面図である。 第4の態様のトルク伝達機構で使用され且つノブの内周面へ嵌合される筒状部材の斜視図である。 図11aに示される筒状部材の端面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺りについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
図1及び図2を用いて、本実施例の浴槽用手摺り1の主な構成を説明する。図1には、本実施例の浴槽用手摺り1の全体が示されている。また、図2には、図1に示された浴槽用手摺り1の化粧カバー113,114および上部グリップ13を取り外した状態の全体が示されている。
図1及び図2を参照して理解されるように、浴槽用手摺り1は、略L字型の本体フレーム11と、略L字型の可動フレーム12とから構成されている。本体フレーム11は垂直部111と水平部112を有し、浴槽の側壁(図示せず)へ配置される。一方、可動フレーム12は水平部分と垂直部分を有し、本体フレーム11の水平部112へスライド可能に取り付けられる。また、浴槽用手摺り1は、主に浴槽への出入りを補助するために浴槽側壁の上方に配置される上部グリップ13と、浴槽からの出浴を補助するために浴槽側(浴槽内)に配置される側部グリップ14とを備えている。上部グリップ13は本体フレーム11へ2本の脚131を利用して昇降可能に取り付けられており、側部グリップ14は可動フレーム12へ着脱可能に取り付けられている。
本実施例の浴槽用手摺り1は、浴槽用手摺り1を浴槽側壁に固定するために、浴槽側壁を洗い場側から挟み込むための第1の押圧板15と、第1の押圧板15と対向し且つ浴槽側壁を浴槽側から挟み込むための第2の押圧板16とを備えている。
図3には、本実施例の浴槽用手摺り1を、ボルト軸2の軸芯に沿って切り取った断面図が示されている。
図3を参照して理解されるように、第1の押圧板15はボルト軸2によって支承されており、ボルト軸2は本体フレーム11の垂直部111に回転自在に固定されているナット3と螺合され、支承されている。また、ナット3の外側には、ナットにトルク(回動力)を伝達するためのノブ4が回転自在に外装されている。さらに、ナット3の外側であって且つノブ4の内側には、ノブ4からナット3へ伝達されるトルクが所定の値未満ではノブ4からナット3へトルクを伝達し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上ではノブ4からナット3へのトルクの伝達を遮断する、トルク伝達機構5が取り付けられている。従って、押圧板15は、ボルト軸2と、ナット3と、ノブ4と、そしてトルク伝達機構5からなるトルク伝達ハンドル6によって本体フレーム11に対し螺進退させることができる。
浴槽用手摺り1のトルク伝達機構5は、ノブ4によりナット3を回動することによって押圧板15を支承したボルト軸2を螺進退させるものであるため、ナット3は本体フレーム11の垂直部111に回転自在に取り付けられている。このため、ナット3は、回動させても本体フレーム11の垂直部111から軸方向へ移動することがなく、ボルト軸2のみが螺進退する。
ナット3を回動するためのノブ4は、ナット3に対し回動自在に外装されており、ナット3と同様に本体フレーム11の垂直部111に回転自在に取り付けられている。本実施例の浴槽用手摺り1の場合、ノブ4の胴部の付け根には拡径したフランジ部41が設けられており、ノブ4は、ノブ4のフランジ部41を、フランジ部41より小さな径の開口部115を有する化粧カバー113で覆うことにより、本体フレーム11に回動自在に取り付けられている。
ノブ4の内部には、押圧板15を最も本体フレーム11の垂直部111へ近づけた時、本体フレーム11の垂直部111の反対側で、該垂直部111から外方へ向けて突出したボルト軸2を収容するための室42が設けられている。このため、本実施例の浴槽用手摺り1では、ノブ4によりナット3を回動させても、ボルト軸2が本体フレーム11から外方へ突出して露出することがない。また、ボルト軸2を螺進退させても、本体フレーム11に対するノブ4の相対位置が変わることもない。さらに、第1の態様のトルク伝達ハンドル6では、ノブ4はナット3を介してボルト軸2の後端部分を覆うように配置されるため、ノブ4がボルト軸2の後端に直列的に配置される他のタイプのトルク伝達ハンドルよりも、ノブ4が本体フレーム11から外方へ突出する部分の長さが短く且つコンパクトにすることができる。
このように、本実施例の浴槽用手摺り1によれば、押圧板15を螺進退させるボルト軸2の露出が防止され、ナット3を回動させるノブ4が本体フレーム11から外方へ突出する長さが抑制されているので、使用者にとって邪魔であり危険な障害物が排除された安全な浴槽用手摺り1を提供することができる。
さらに、本実施例の浴槽用手摺り1は、ノブ4からナット3へトルクを伝達する経路の途中に、伝達されるトルクが所定の値未満では、ノブ4からナット3へトルクを伝達し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、ノブ4からナット3へのトルクの伝達を遮断するトルク伝達機構5が設けられている。
このため、本実施例の浴槽用手摺り1では、ノブ4を回転することにより押圧板15を螺進退させて浴槽の側壁へ押し付けても、ノブ4からナット3へ伝達されるトルクが所定の値以上に到達した時、換言すれば、浴槽の側壁に対する押圧板15の押付け力(又は締付け力)が所定の値以上に到達した時は、ノブ4からナット3へのトルクの伝達が遮断される。その結果、押圧板15は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板15の押付け力が強過ぎることによって浴槽の側壁を破壊することも防止される。
以下に、図4〜図11bを参照して、本実施例の浴槽用手摺り1で使用される特徴のある第1,第2,第3のトルク伝達機構5,5a,5bを備えたトルク伝達ハンドル6,6a,6bについて、さらに詳しく説明する。
図4には、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6をボルト軸2の軸芯に沿って切り取った断面図が示されている。また、図5には、図4に示されるトルク伝達ハンドル6を軸方向に分解した状態が模式的に示されている。
図4及び図5を参照して理解されるように、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6は、押圧板15を支承するボルト軸2と、ボルト軸2と螺合するナット3と、ナット3に外装されるノブ4と、ナット3とノブ4の間に配設されるトルク伝達機構5から構成されている。
ナット3は、本体フレーム11の垂直部111に設けられた貫通口へ挿通される胴部31と、該貫通口より大きく且つ胴部31から放射方向に延びたフランジ32を備えている。そしてナット3の胴部31を貫通口へ挿通し、フランジ32が本体フレーム11の垂直部111へ当接する側の反対側から、貫通口より大きな外径を有する第2の環状部材8をネジ33によってフランジ32へネジ止めすることにより、ナット3は本体フレーム11の垂直部111へ回転自在に取り付けられている(図3,5参照)。
また、ナット3は、樹脂製のワッシャー34を介して本体フレーム11の垂直部111へ取り付けられているので、ナット3のガタ付きの少ない円滑な回転が強化されている。
第1の態様のトルク伝達機構5は、ノブ4の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面71を備えており、そしてノブ4の回転と同調し且つノブ4の回転軸に沿ってスライド可能に内装される環状部材7と、トルク伝達面71に当接し、そしてナット3の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面81を備え且つナット3へ着脱自在に装着されている第2の環状部材8と、環状部材7のトルク伝達面71を第2の環状部材8のトルク伝受面81へ向けて付勢するコイルバネ10を備えている。また、コイルバネ10の端部は、ネジ35によってナット3の端部に装着されるストッパー36によって固定されている。
そしてトルク伝達面71およびトルク伝受面81は、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達面71とトルク伝受面81とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達面71とトルク伝受面81との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部711,811を含んでいる。
図5に示されているように、ノブ4と環状部材7との同調は、ノブ4の中に環状部材7を装着した時、ノブ4の内周面上に形成された複数の凹凸(図示せず)が、環状部材7の外周面上に形成された凹凸72と嵌合することによって保証される。また、第2の環状部材8とナット3との同調は、ナット3へ第2の環状部材8を装着した時、ナット3の外周面上に形成された複数の凹凸38が、第2の環状部材8の内周面上に形成された凹凸82と嵌合することによって保証される。
図4に示されているように、第1の態様のトルク伝達機構5では、トルク伝達面71の中心およびトルク伝受面81の中心は、共通するノブ4およびナット3の回転軸上に配置されている。また、トルク伝達面71上およびトルク伝受面81上には、それぞれにトルク伝達面71またはトルク伝受面81から傾斜した斜面を含む凹部/凸部711,811が形成されている。トルク伝達面71の傾斜面およびトルク伝受面81の傾斜面は、押圧板15が浴槽の側壁へ向かって前進するようにノブ4を回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。そしてトルク伝達面71を有する環状部材7は、ノブ4の内周面とナット3の外周面との間でノブ4の回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つコイルバネ10によってトルク伝受面81に向けて付勢されている。
このため、トルク伝達面71の傾斜面とトルク伝受面81の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブ4からナット3へ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝達面71の傾斜面はトルク伝受面81の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブ4のトルクがナット3へ伝達され、該ナット3と螺合しているボルト軸2が螺進退される。
一方、ノブ4からナット3へ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝達面71の傾斜面はトルク伝受面81の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝達面71を有する環状部材7はコイルバネ10に抗して後退し、トルク伝達面71の傾斜面がトルク伝受面81の傾斜面を乗り越えることによって両者71,81の係合が解除される。そのため、この状態でノブ4を回してもノブ4はナット3の周りで空回りするのみであり、ノブ4からナット3へトルクが伝達されることはない。
また、トルク伝達面71の傾斜面の後端にはトルク伝達面71に略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面81の傾斜面の後端にはトルク伝受面81に略直交する垂直面が形成されている(図5参照)。トルク伝達面71の垂直面とトルク伝受面81の垂直面は、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブ4とナット3は同調して回転する。
このように、第1の態様のトルク伝達機構5は、ナット3の回転軸に対して直交するナット3の端面をトルク伝受面81として利用するものであるが、ノブ4からナット3へのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第1の態様のトルク伝達機構5では、ナット3に設けられるトルク伝受面81を、ナット3の外周面に装着される第2の環状部材8に形成したことにより、本来のナット3の端面よりより一層大きな面積を有するトルク伝受面81をナット3の外周面に設けることができたからである。なお、ナット3の端部の肉厚(外形寸法)を増大させてナット3の端面の面積を広くし、トルク伝受面81をナット3の外周面ではなくナット3の本来の端面であるナット3の側端面に設けることで、ノブ4からナット3へのトルクを伝受または遮断することもできる。この場合には、ナット3の側端面と対向するようにトルク伝達面71を有する環状部材7を配置し、環状部材7のトルク伝達面71をナット3の側端面に設けたトルク伝受面81に向けて付勢するように、コイルバネ10を配置する。
次に、図6を用いて、第2の態様のトルク伝達機構5aを備えたトルク伝達ハンドル6aについて説明する。図6には、第2の態様のトルク伝達機構5aを備えたトルク伝達ハンドル6aをボルト軸2の軸芯に沿って切り取った断面図が示されている。
第2の態様のトルク伝達機構5aは、第1の態様(図4)において、トルク伝達面71が形成された環状部材7と、トルク伝受面81が形成されたナット3の配列を軸方向に入れ換え、且つコイルバネ10の位置及び形状も変更することにより、環状部材7aのトルク伝達面71aが、皿バネ10aによってナット3aのトルク伝受面81aを付勢するように小変更したものである。
図6を参照して理解されるように、第2の態様のトルク伝達機構5aを備えたトルク伝達ハンドル6aは、押圧板15を支承するボルト軸2と、ボルト軸2と螺合するナット3aと、ナット3aに外装されるノブ4と、ナット3aとノブ4の間に配設されるトルク伝達機構5aから構成されている。
ナット3aは、本体フレーム11の垂直部111に設けられた貫通口へ挿通される胴部31aと、該貫通口より大きく且つ胴部31aから放射方向に延びたフランジ32aを備えている。そしてナット3aの胴部31aを貫通口へ挿通し、フランジ32aが本体フレーム11の垂直部111へ当接する側の反対側から、貫通口より大きな外径を有する固定リング9をネジ33によってナット3aへネジ止めすることにより、ナット3aは本体フレーム11の垂直部111へ回転自在に取り付けられている。
また、ナット3aは、樹脂製のワッシャー34を介して本体フレーム11の垂直部111へ取り付けられているので、ナット3aのガタ付きの少ない円滑な回転が強化されている。
第2の態様のトルク伝達機構5aは、ノブ4の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面71aを備えており、そしてノブ4の回転と同調し且つノブ4の回転軸に沿ってスライド可能に内装される環状部材7aと、トルク伝達面71aに当接し、そしてナット3aの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面81aを備え且つナット3aへ着脱自在に装着されている第2の環状部材8aと、環状部材7aのトルク伝達面71aを第2の環状部材8aのトルク伝受面81aへ向けて付勢するコイルバネ10を備えている。また、コイルバネ10の端部は、ネジ35によってナット3の端部に装着されるストッパー36によって固定されている。また、ナット3aの端部には、ノブ4の中でのナット3aのガタ付きを減少させるため、ネジ35によってストッパー36が取り付けられている。
そしてトルク伝達面71aおよびトルク伝受面81aは、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達面71aとトルク伝受面81aとを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達面71aとトルク伝受面81aとの間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいる。
図示しないが、ノブ4と環状部材7aとの同調は、ノブ4の中に環状部材7aを装着した時、ノブ4の内周面上に形成された複数の凹凸が、環状部材7aの外周面上に形成された凹凸と嵌合することによって保証される。また、第2の環状部材8aとナット3aとの同調は、ナット3aへ第2の環状部材8aを装着した時、ナット3aの外周面上に形成された複数の凹凸が、第2の環状部材8aの内周面上に形成された凹凸と嵌合することによって保証される。なお、各部品の同調は、図示しないが、環状部材7aの内周面とナット3aの外周面に凹凸を設けることにより、環状部材7aとナット3aとを同調させ、第2の環状部材8aの外周面とノブ4の内周面に凹凸を設けることにより、第2の環状部材8aとノブ4とを同調させる組み合せとしてもよい。
図6に示されているように、第2の態様のトルク伝達機構5aでは、トルク伝達面71aの中心およびトルク伝受面81aの中心は、共通するノブ4およびナット3aの回転軸上に配置されている。また、トルク伝達面71a上およびトルク伝受面81a上には、それぞれにトルク伝達面71aまたはトルク伝受面81aから傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面71aの傾斜面およびトルク伝受面81aの傾斜面は、押圧板15が浴槽の側壁へ向かって前進するようにノブ4を回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。そしてトルク伝達面71aを有する環状部材7aは、ノブ4の内周面とナット3の外周面との間でノブ4の回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つ皿バネ10aによってトルク伝受面81aに向けて付勢されている。
このため、トルク伝達面71aの傾斜面とトルク伝受面81aの傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブ4からナット3aへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝達面71aの傾斜面はトルク伝受面81aの傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブ4のトルクがナット3aへ伝達され、該ナット3aと螺合しているボルト軸2が螺進退される。
一方、ノブ4からナット3aへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝達面71aの傾斜面はトルク伝受面81aの傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝達面71aを有する環状部材7aは皿バネ10aに抗して後退し、トルク伝達面71aの傾斜面がトルク伝受面81aの傾斜面を乗り越えることによって両者71a,81aの係合が解除される。そのため、この状態でノブ4を回してもノブ4はナット3aの周りで空回りするのみであり、ノブ4からナット3aへトルクが伝達されることはない。
また、図示しないが、トルク伝達面71aの傾斜面の後端にはトルク伝達面71aに略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面81aの傾斜面の後端にはトルク伝受面81aに略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面71aの垂直面とトルク伝受面81aの垂直面は、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブ4とナット3aは同調して回転する。
このように、第2の態様のトルク伝達機構5aは、ナット3aの回転軸に対して直交するナット3aの端面をトルク伝受面81aとして利用するものであるが、ノブ4からナット3aへのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第2の態様のトルク伝達機構5aでは、ナット3aに設けられるトルク伝受面81aを、ナット3aの外周面に装着される第2の環状部材8aに形成したことにより、本来のナット3aの端面よりより一層大きな面積を有するトルク伝受面81aをナット3aの外周面に設けることができたからである。
なお、詳述しないが、第2の態様のトルク伝達機構5aを備えたトルク伝達ハンドル6aにおいて、ノブ4の中に室42及びフランジ部41を設けたことにより、押圧板15を螺進退させるボルト軸2の露出が防止され、ナット3aを回動させるノブ4が本体フレーム11から外方へ突出する長さが抑制される効果は、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。
また、第2の態様のトルク伝達機構5aを設けたことにより、押圧板15は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板15の押付け力が強過ぎることによって浴槽の側壁を破壊することも防止される効果も、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。
次に、図7を用いて、第3の態様のトルク伝達機構5cを備えたトルク伝達ハンドル6cについて説明する。図7には、第3の態様のトルク伝達機構5cを備えたトルク伝達ハンドル6cをボルト軸2の軸芯に沿って切り取った断面図が示されている。
第3の態様のトルク伝達機構5cは、第1の態様のトルク伝達機構5において、環状部材7のトルク伝達面71がコイルバネ10によってナット3のトルク伝受面81を付勢していたもの(図4)を、トルク伝達面とトルク伝受面の配列を軸方向に入れ換えることにより、ナット3cと同調する環状部材8cに形成されたトルク伝受面が、コイルバネ10によってノブ4のトルク伝達面71cを付勢するように変更したものである。
図7を参照して理解されるように、第3の態様のトルク伝達機構5cを備えたトルク伝達ハンドル6cは、押圧板15を支承するボルト軸2と、ボルト軸2と螺合するナット3cと、ナット3cに外装されるノブ4と、ナット3cとノブ4の間に配設されるトルク伝達機構5cから構成されている。
ナット3cは、本体フレーム11の垂直部111に設けられた貫通口へ挿通される胴部31cと、該貫通口より大きく且つ胴部31cから放射方向に延びたフランジ32cを備えている。そしてナット3cの胴部31cを貫通口へ挿通し、フランジ32cが本体フレーム11の垂直部111へ当接する側の反対側から、貫通口より大きな外径を有する固定リング9をネジ33によってナット3cへネジ止めすることにより、ナット3cは本体フレーム11の垂直部111へ回転自在に取り付けられている。
また、ナット3cは、樹脂製のワッシャー34を介して本体フレーム11の垂直部111へ取り付けられているので、ナット3cのガタ付きの少ない円滑な回転が強化されている。
第3の態様のトルク伝達機構5cは、ノブ4の回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面71cを備え且つノブ4へ着脱自在に装着されている第3の環状部材7cと、トルク伝達面71cに当接し且つナット3cの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面81cを備えており、そしてナット3cの回転と同調し且つナット3cの回転軸に沿ってスライド可能に外装される環状部材8cと、環状部材8cのトルク伝受面81cをノブ4のトルク伝達面71cへ向けて付勢するコイルバネ10を備えている。また、コイルバネ10の端部は、ネジ35によってナット3cの端部に装着されるストッパー36によって固定されている。
そしてトルク伝達面71cおよびトルク伝受面81cは、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達面71cとトルク伝受面81cとを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達面71cとトルク伝受面81cとの間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいる。
図示しないが、ノブ4と第3の環状部材7cとの同調は、ノブ4の中に第3の環状部材7cを装着した時、ノブ4の内周面上に形成された複数の凹凸が、第3の環状部材7cの外周面上に形成された凹凸と嵌合することによって保証される。また、環状部材8cとナット3cとの同調は、ナット3cへ環状部材8cを装着した時、ナット3cの外周面上に形成された複数の凹凸が、環状部材8cの内周面上に形成された凹凸と嵌合することによって保証される。なお、各部品の同調は、図示しないが、第3の環状部材7cの内周面とナット3cの外周面に凹凸を設けることにより、第3の環状部材7cとナット3cとを同調させ、環状部材8cの外周面とノブ4の内周面に凹凸を設けることにより、環状部材8cとノブ4とを同調させる組み合せとしてもよい。
図7に示されているように、第3の態様のトルク伝達機構5cでは、トルク伝達面71cの中心およびトルク伝受面81cの中心は、共通するノブ4およびナット3cの回転軸上に配置されている。また、トルク伝達面71c上およびトルク伝受面81c上には、それぞれにトルク伝達面71cまたはトルク伝受面81cから傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面71cの傾斜面およびトルク伝受面81cの傾斜面は、押圧板15が浴槽の側壁へ向かって前進するようにノブ4を回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。そしてトルク伝受面81cを有する環状部材8cは、ノブ4の内周面とナット3cの外周面との間でナット3cの回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つコイルバネ10によってトルク伝達面71cに向けて付勢されている。
このため、トルク伝達面71cの傾斜面とトルク伝受面81cの傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブ4からナット3cへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝受面81cの傾斜面はトルク伝達面71cの傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブ4のトルクがナット3cへ伝達され、該ナット3cと螺合しているボルト軸2が螺進退される。
一方、ノブ4からナット3cへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝受面81cの傾斜面はトルク伝達面71cの傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝受面81cを有する環状部材8cはコイルバネ10に抗して後退し、トルク伝受面81cの傾斜面がトルク伝達面71cの傾斜面を乗り越えることによって両者71c,81cの係合が解除される。そのため、この状態でノブ4を回してもノブ4はナット3cの周りで空回りするのみであり、ノブ4からナット3cへトルクが伝達されることはない。
また、図示しないが、トルク伝達面71cの傾斜面の後端にはトルク伝達面71cに略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面81cの傾斜面の後端にはトルク伝受面81cに略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面71cの垂直面とトルク伝受面81cの垂直面は、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4を回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブ4とナット3cは同調して回転する。
このように、第3の態様のトルク伝達機構5cは、ナット3cの回転軸に対して直交するナット3cの端面をトルク伝受面81cとして利用するものであるが、ノブ4からナット3cへのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第3の態様のトルク伝達機構5cでは、ナット3cに設けられるトルク伝受面81cを、ナット3cの外周面にスライド可能に配設された環状部材8cに形成したことにより、本来のナット3cの端面よりより一層大きな面積を有するトルク伝受面81cをナット3cの外周面に設けることができたからである。
なお、詳述しないが、第3の態様のトルク伝達機構5cを備えたトルク伝達ハンドル6cにおいて、ノブ4の中に室42及びフランジ部41を設けたことにより、押圧板15を螺進退させるボルト軸2の露出が防止され、ナット3cを回動させるノブ4が本体フレーム11から外方へ突出する長さが抑制される効果は、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。
また、第3の態様のトルク伝達機構5cを設けたことにより、押圧板15は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板15の押付け力が強過ぎることによって浴槽の側壁を破壊することも防止される効果も、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。
次に、図8a〜図11bを用いて、第4の態様のトルク伝達機構5bを備えたトルク伝達ハンドル6bについて説明する。図8aには、第4の態様のトルク伝達機構5bを備えたトルク伝達ハンドル6bをボルト軸2の軸芯に沿って切り取った断面図が示されている。また、図8bには、図8aに示されるトルク伝達ハンドル6bをX−X断面で切り取った断面図が示されている。
図9には、図8a,8bに示されるトルク伝達ハンドル6bの分解した状態が模式的に示されている。
図10aには、第4の態様のトルク伝達機構5bで使用されるナット3bの斜視図が示されている。また、図10bには、図10aに示されるナット3bをA−A断面で切り取った断面図が示されている。
図11aには、第4の態様のトルク伝達機構5bで使用され、ノブ4bの内周面へ嵌合される筒状部材7bが示されている。また、図11bには、図11aに示される筒状部材7bの端面図が示されている。
第4の態様のトルク伝達機構5bは、トルク伝達面71,71a,71cおよびトルク伝受面81,81a,81cがノブ4およびナット3,3a,3cの回転軸に対して直交するように配置された第1〜第3の態様のトルク伝達機構5,5a,5cとは大きく異なる。第4の態様のトルク伝達機構5bでは、トルク伝達面はノブ4bの内周面上に設けられ(以下、「トルク伝達内周面71b」という)、トルク伝受面はナット3bの外周面上に設けられる(以下、「トルク伝受外周面81b」という)。また、第4の態様のトルク伝達機構5bでは、第1〜第3の態様のトルク伝達機構5,5a,5cの環状部材7,7a,7cは、ナット3bの外周面上に形成されたキー溝38bの中に、ナット3bの回転軸に対して放射方向に移動可能なキー8bとして置換されている。
図8a及び図9を参照して理解されるように、第4の態様のトルク伝達機構5bを備えたトルク伝達ハンドル6bは、押圧板15を支承するボルト軸2と、ボルト軸2と螺合するナット3bと、ナット3bに外装されるノブ4bと、ナット3bとノブ4bの間に配設されるトルク伝達機構5bから構成されている。
ナット3bは、本体フレーム11の垂直部111に設けられた貫通口へ挿通される胴部31bと、該貫通口より大きく且つ胴部31bから放射方向に延びたフランジ32bを備えている。そしてナット3bの胴部31bを貫通口へ挿通し、フランジ32bが本体フレーム11の垂直部111へ当接する側の反対側から、貫通口より大きな外径を有する固定リング9をネジ33によってナット3bへネジ止めすることにより、ナット3bは本体フレーム11の垂直部111へ回転自在に取り付けられている。
また、ナット3bは、樹脂製のワッシャー34を介して本体フレーム11の垂直部111へ取り付けられているので、ナット3bのガタ付きの少ない円滑な回転が強化されている。
第4の態様のトルク伝達機構5bは、ノブ4bの回転軸に対して平行な略円筒形のトルク伝達内周面71bを備え且つノブ4bの内周面へ着脱自在に嵌合されている筒状部材7bと、トルク伝達内周面71bに摺接し且つナット3bの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面39bと、外周面39b上であってナット3bの回転軸に対して平行に配設されたキー溝38bと、トルク伝達内周面71bに当接するトルク伝受外周面81bを備えており且つナット3bの回転軸に対して放射方向に移動可能にキー溝38bの中に配置されたキー8bと、そしてキー8bのトルク伝受外周面81bをノブ4bのトルク伝達内周面71bへ向けて付勢するコイルバネ10bを備えている。
そしてトルク伝達内周面71bおよびキー8bのトルク伝受外周面81bは、それぞれに伝達されるトルクが所定の値未満では、トルク伝達内周面71bとトルク伝受外周面81bとを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、トルク伝達内周面71bとトルク伝受外周面81bとの間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部711b,811bを含んでいる(図10a,10b及び図11a,11b参照)。
図8b及び図11a,11bに示されているように、ノブ4bと筒状部材7bとの同調は、ノブ4bの中に筒状部材7bを装着した時、ノブ4bの内周面上に形成された複数の凹凸(図示せず)が、筒状部材7bの外周面上に形成された凹凸72bと嵌合することによって保証される。
図8a,8bに示されているように、第4の態様のトルク伝達機構5bでは、トルク伝達内周面71bの回転軸およびトルク伝受外周面81bの回転軸は、共通するノブ4bおよびナット3bの回転軸上に配置されている。また、ノブ4bのトルク伝達内周面71b上には、円筒状のトルク伝達内周面71bからさらに内側に傾斜した斜面を含む凹部/凸部711bが形成されている。一方、ナット3bのトルク伝受外周面81b上には、ナット3bの回転軸に対して平行に配設されたキー溝38bが形成されており、そしてキー溝38bの中には、ナット3bの回転軸に対して放射方向に移動可能なキー8bが配置されている。キー8bのトルク伝受外周面81b上には傾斜面を含む凹部/凸部811bが形成されており、キー8bはコイルバネ10bによってトルク伝達内周面71bに向けて付勢されている。
このため、トルク伝達内周面71bの傾斜面と、キー8bのトルク伝受外周面81bの傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ノブ4bからナット3bへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、キー8bのトルク伝受外周面81bの傾斜面はノブ4bのトルク伝達内周面71bの傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そして、この係合によりノブ4bのトルクがナット3bへ伝達され、該ナット3bと螺合しているボルト軸2が螺進退される。
一方、ノブ4bからナット3bへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、キー8bのトルク伝受外周面81bの傾斜面はノブ4bのトルク伝達内周面71bの傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、傾斜面を有するキー8bはコイルバネ10bに抗して後退し、キー8bのトルク伝受外周面81bの傾斜面がノブ4bのトルク伝達内周面71bの傾斜面を乗り越えることによって両者71b,81bの係合が解除される。そのため、この状態でノブ4bを回してもノブ4bはナット3bの周りで空回りするのみであり、ノブ4bからナット3bへトルクが伝達されることはない。
また、図10a及び図11aを参照して理解されるように、ノブ4bのトルク伝達内周面71bの傾斜面の後端にはトルク伝達内周面71bに略直交する垂直面712bが形成されている。また、キー8bの幅方向の断面は略台形の形状を呈しているので、キー8bのトルク伝受外周面81bの傾斜面の後端にはキー8bの傾斜面に略直交する垂直面812bが形成されている。ノブ4bのトルク伝達内周面71bの垂直面712bとキー8bのトルク伝受外周面81bの垂直面812bは、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4bを回した時、互いに当接し係合する。そのため、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4bを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブ4bとナット3bは同調して回転する。
このように、第4の態様のトルク伝達機構5bは、ナット3bの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面39bをトルク伝受外周面81bとして利用するものであるが、ノブ4bからナット3bへのトルクを確実に伝受または遮断することができる。なぜなら、第4の態様のトルク伝達機構5bでは、ナット3bから独立したキー8bの外周面上に傾斜面を形成し、該キー8bをナット3bの外周面39b上に設けたキー溝38bの中に配置したので、ノブ4bの内周面とナット3bの外周面39bが近接している場合においても、ナット3bの回転軸に対し放射方向に移動して係合/解除可能な傾斜面をナット3bの外周面39bに設けることができたからである。
なお、詳述しないが、第4の態様のトルク伝達機構5bを備えたトルク伝達ハンドル6bにおいて、ノブ4bの中に室42b及びフランジ部41bを設けたことにより、押圧板15を螺進退させるボルト軸2の露出が防止され、ナット3bを回動させるノブ4bが本体フレーム11から外方へ突出する長さが抑制される効果は、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。
また、第4の態様のトルク伝達機構5bを設けたことにより、押圧板15は、所定の押付け力で浴槽の側壁を確実にグリップすることができ、そして押圧板15の押付け力が強過ぎることによって浴槽の側壁を破壊することも防止される効果も、第1の態様のトルク伝達機構5を備えたトルク伝達ハンドル6の場合と同じ効果が得られる。さらに、第4の態様のトルク伝達機構5bでは、図示しないが、筒状部材7bの内周面上にキー溝およびトルク伝達内周面を備えたキーを配設し、ナット3bの外周面上に外側に傾斜した斜面を含む凹部/凸部を備えたトルク伝受外周面を形成することによっても、図8a〜図11bに示される第4の態様のトルク伝達機構5bと同じ機能を発揮し、同じ効果が得られる。
第1〜第4の態様のトルク伝達機構5,5a,5c,5bでは、ナット3,3a,3c,3bまたはナットに固定された部品8,36に係合孔(図示せず)を設け、そしてノブ4,4bには、該係合孔と連通することができる貫通孔43(図1参照)が設けられている。
本実施例のトルク伝達機構5,5a,5c,5bは、押圧板15が浴槽の側壁から後退するようにノブ4,4bを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にノブ4,4bとナット3,3a,3c,3bは同調して回転するように設計されている。このため、使用者が不注意等で、押圧板15が本体フレーム11の垂直部111と当接した後もノブ4,4bを過剰に回してしまうと、ナット3,3a,3c,3bと、軸方向に引張り応力が生じたボルト軸2との間で大きな摩擦力を生じることがある。ところが、本実施例のトルク伝達機構5,5a,5c,5bでは、伝達されるトルクが所定の値以上となるとトルクの伝達が遮断されるので、前記摩擦力が過大であると、ノブ4,4bを回してもノブ4,4bはナット3,3a,3c,3bの周りで空回りするのみで、押圧板15を支承したボルト軸2を前進させることができなくなる場合がある。
そのため、本実施例のトルク伝達機構5,5a,5c,5bでは、ナット3,3a,3c,3bまたはナットに固定された部品8,36に係合孔を設け、そしてノブ4,4bには、該係合孔と連通することができる貫通孔43を設けることにより、押圧板15を前進させることができなくなった時、ノブ4,4bの貫通孔43からナット3,3a,3c,3bまたはナットに固定された部品8,36の係合孔へ連結ピンなどの棒状部品(図示せず)を差し込んで一時的にノブ4,4bとナット3,3a,3c,3bを連結できるようにし、ノブ4,4bとナット3,3a,3c,3bの同調を保証することによって上記の問題を解決している。
1 ・・・・・・ 浴槽用手摺り
2 ・・・・・・ ボルト軸
3,3a,3b,3c・・ナット
4,4b・・・・ ノブ
42,42b・・ 室
43・・・・・・ 貫通孔
5,5a,5b,5c・・トルク伝達機構
6,6a,6b,6c・・トルク伝達ハンドル
7,7a,8c・・環状部材
7c・・・・・・ 第3の環状部材
7b・・・・・・ 筒状部材
71,71a,71c・・トルク伝達面
71b・・・・・ トルク伝達内周面
8,8a・・・・ 第2の環状部材
8b・・・・・・ キー
81,81a,81c・・トルク伝受面
81b・・・・・ トルク伝受外周面
9 ・・・・・・ 固定リング
10,10b・・ コイルバネ
10a・・・・・ 皿バネ
11・・・・・・ 本体フレーム
111・・・・・ 垂直部
112・・・・・ 水平部
113,114・・化粧カバー
12・・・・・・ 可動フレーム
13・・・・・・ 上部グリップ
14・・・・・・ 側部グリップ
15,16・・・ 押圧板
33,35・・・ ネジ
34・・・・・・ 樹脂製ワッシャー

Claims (14)

  1. 少なくとも浴槽側壁の側面と略平行に配置される垂直部を備えており、そして浴槽側壁に配置される本体フレームと、
    前記本体フレームを浴槽側壁へ固定するために該浴槽側壁を押し付ける押圧板と、そして
    前記押圧板を前記本体フレームに対し螺進退させるためのトルク伝達ハンドルと、からなる浴槽用手摺りにおいて、
    前記トルク伝達ハンドルは、
    前記押圧板を支承するボルト軸と、
    前記ボルト軸と螺合し、且つ前記本体フレームの前記垂直部に回転自在に取り付けられるナットと、
    前記ナットに対し回動自在に外装されるノブであって、該ノブの内部には、前記押圧板を最も前記本体フレームの垂直部へ近づけた時、前記本体フレームの垂直部の反対側で、該垂直部から外方へ向けて突出した前記ボルト軸を収容するための室が設けられている前記ノブと、そして
    伝達されるトルクが所定の値未満では、前記ノブから前記ナットへトルクを伝達し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、前記ノブから前記ナットへのトルクの伝達を遮断するトルク伝達機構と、を備えていることを特徴とする浴槽用手摺り。
  2. 前記トルク伝達機構は、
    前記ノブの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面を備えており、そして前記ノブの回転と同調し、且つ前記ノブの回転軸に沿ってスライド可能に内装される環状部材と、
    前記トルク伝達面に当接し、且つ前記ナットの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面を備えた前記ナットと、
    前記環状部材のトルク伝達面を前記ナットのトルク伝受面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そして
    前記トルク伝達面および前記トルク伝受面は、それぞれに、伝達されるトルクが所定の値未満では、前記トルク伝達面と前記トルク伝受面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、前記トルク伝達面と前記トルク伝受面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用手摺り。
  3. 前記トルク伝受面は、前記ナットへ着脱自在に装着された第2の環状部材上に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の浴槽用手摺り。
  4. 前記ナットは、前記本体フレームの垂直部に設けられた貫通口へ挿通される胴部と、前記貫通口より大きく且つ前記胴部から放射方向に延びたフランジを備えており、そして前記胴部を前記貫通口へ挿通し、前記フランジが前記本体フレームの垂直部へ当接する側の反対側から、前記貫通口より大きな外径を有する前記第2の環状部材を前記ナットへ固定することにより、前記ナットは前記本体フレームの垂直部に回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の浴槽用手摺り。
  5. 前記本体フレームの垂直部は、樹脂製のワッシャーを介して前記ナットのフランジおよび前記第2の環状部材によって挟み込まれていることを特徴とする請求項4に記載の浴槽用手摺り。
  6. 前記トルク伝達機構は、
    前記ノブの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝達面を有する前記ノブと、
    前記トルク伝達面に当接し、且つ前記ナットの回転軸に対して直交する略円形のトルク伝受面を備えており、そして前記ナットの回転と同調し、且つ前記ナットの回転軸に沿ってスライド可能に外装される環状部材と、
    前記環状部材のトルク伝受面を前記ノブのトルク伝達面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そして
    前記トルク伝達面および前記トルク伝受面は、それぞれに、伝達されるトルクが所定の値未満では、前記トルク伝達面と前記トルク伝受面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、前記トルク伝達面と前記トルク伝受面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用手摺り。
  7. 前記トルク伝達面は、前記ノブへ着脱自在に装着された第3の環状部材上に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の浴槽用手摺り。
  8. 前記ナットは、前記弾性体の端部を固定するためのストッパーを備えていることを特徴とする請求項2又は6に記載の浴槽用手摺り。
  9. 前記ストッパーは、前記ナットへ着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項8に記載の浴槽用手摺り。
  10. 前記トルク伝達機構は、
    前記ノブの回転軸に対して平行な略円筒形のトルク伝達内周面を有する前記ノブと、
    前記トルク伝達内周面に摺接し、且つ前記ナットの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面と、前記外周面上であって前記ナットの回転軸に対して平行に配設されたキー溝と、前記トルク伝達内周面に当接するトルク伝受外周面を備えており、且つ前記ナットの回転軸に対して放射方向に移動可能に前記キー溝の中に配置されたキーと、
    そして前記キーのトルク伝受外周面を、前記ノブのトルク伝達内周面へ向けて付勢する弾性体とからなり、そして
    前記トルク伝達内周面および前記キーのトルク伝受外周面は、それぞれに、伝達されるトルクが所定の値未満では、前記トルク伝達内周面と前記トルク伝受外周面とを相互に係止し、且つ伝達されるトルクが所定の値以上では、前記トルク伝達内周面と前記トルク伝受外周面との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用手摺り。
  11. 前記トルク伝達内周面は、前記ノブの内周面へ着脱自在に嵌合される筒状部材上に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の浴槽用手摺り。
  12. 前記ナットは、前記本体フレームの垂直部に設けられた貫通口へ挿通される胴部と、前記貫通口より大きく且つ前記胴部から放射方向に延びたフランジを備えており、そして前記胴部を前記貫通口へ挿通し、前記フランジが前記本体フレームの垂直部へ当接する側の反対側から、前記貫通口より大きな外径を有する固定リングを前記ナットへ固定することにより、前記ナットは前記本体フレームの垂直部に回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2又は6又は10に記載の浴槽用手摺り。
  13. 前記本体フレームの垂直部は、樹脂製のワッシャーを介して前記ナットのフランジおよび前記固定リングによって挟み込まれていることを特徴とする請求項12に記載の浴槽用手摺り。
  14. 前記ノブは、前記ナットまたは前記ナットに固定された部品に設けられた係合孔と連通可能な貫通孔を備えていることを特徴とする請求項2又は6又は10に記載の浴槽用手摺り。
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