JP6900969B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

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Description

本技術は、固体撮像装置に関し、特にはトレンチ素子分離を有する固体撮像装置に関する。
固体撮像装置は、半導体基板の受光面側に沿って配列された複数の画素を有する。各画素は、半導体基板内に設けられた光電変換部と、半導体基板の上方に設けられたカラーフィルタ及びオンチップレンズを備えている。
このような構成の固体撮像装置においては、受光面に対して斜め方向から入射した光が隣接する画素の光電変換部に漏れ込むと、この光漏れが混色および色シェーディングを引き起こす要因となる。
そこで、半導体基板内の受光面側に各画素の光電変換部を分離するトレンチ素子分離を形成し、この内部に遮光膜を設けることにより、隣接する画素間での光漏れを防止する構成が提案されている。このような構成においては、トレンチの形状を受光面側の浅い位置で開口幅を広くし、浅い位置のトレンチ内のみに遮光膜を埋め込むようにすることで、ボイドを発生させること無く遮光膜を形成することができ、効果的に画素間の遮光が行われるとしている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2012−178457号公報
しかしながら、半導体基板内にトレンチ素子分離を設けた構成の固体撮像装置であっても、受光目的とする波長および受光光の入射角度に依存する色バランスの崩れが発生し、これが色付きを引き起こす要因となっている。
そこで本技術は、色バランスが良好で色つきの無い固体撮像装置を提供すること、およびこの固体撮像装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本技術の固体撮像装置は、一主面側を受光面とし、当該受光面に沿って複数の画素が設定された半導体層と、前記画素毎に前記半導体層内に設けられた光電変換部とを備えている。また、前記半導体層の受光面側に形成された溝パターン内に絶縁層を設けて構成され、前記画素と画素との間の画素境界に対してずれた位置に設けられた溝型素子分離とを備えている。
このような構成の固体撮像装置では、画素境界に対して溝型素子分離をずらした構成である。このため、溝型素子分離のずれる方向を、各画素において受光目的とする光の波長に依存した方向とすることで、溝型素子分離が設けられる受光面側の光電変換部の体積および位置を、受光目的とする光の波長に依存させた構成とすることができる。これにより、溝型素子分離が設けられた受光面側の領域において光電変換される短波長の光と、これよりも深い領域において光電変換される長波長の光との色バランスの向上が図られる。
この結果、本技術によれば、色バランスが良好で色つきの無い撮像を行うことが可能になり、撮像特性の向上を図ることが可能である。
本技術が適用される固体撮像装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態の固体撮像装置における要部の平面図である。 第1実施形態の固体撮像装置における要部の断面図であり図2のA−A断面に相当する断面図である。 各光電変換部で受光される各色光に対する相対出力を示すグラフである。 半導体層(Si)の受光面からの深さに対する青色光の吸収量を示すグラフである。 第1実施形態の固体撮像装置の製造工程図である。 入射角度に対する規格化感度のグラフである。 入射角度に対する絶対感度のグラフである。 第2実施形態の固体撮像装置の要部の構成を示す断面図である。 第3実施形態の固体撮像装置の要部の構成を示す断面図である。 第4実施形態の固体撮像装置の要部の構成を示す断面図である。 第5実施形態の固体撮像装置の要部の平面図である。 第5実施形態の固体撮像装置の要部の断面図であり図12のA−A断面に相当する断面図である。 入射角度に対する隣接画素への混色量を示すグラフである。 本技術を適用した固体撮像素子を有する第6実施形態の電子機器の構成図である。
以下、本技術の実施の形態を、図面に基づいて次に示す順に説明する。
1.実施形態の固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施形態(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第1の例)
3.第2実施形態(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第2の例)
4.第3実施形態(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第3の例)
5.第4実施形態(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第4の例)
6.第5実施形態(溝型素子分離を短波長の画素側にずらした例)
7.第6実施形態(固体撮像装置を用いた電子機器)
≪1.実施形態の固体撮像装置の概略構成例≫
図1に、本技術の固体撮像装置の一例として、MOS型の固体撮像装置を用いた固体撮像装置の概略構成を示す。
この図に示す固体撮像装置1は、支持基板2の一面上に光電変換領域を含む複数の画素3が2次元的に配列された画素領域4を有している。画素領域4に配列された各画素3には、光電変換領域と、フローティングディフュージョンと、読出ゲートと、その他の複数のトランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)および容量素子等で構成された画素回路とが設けられている。尚、複数の画素3で画素回路の一部を共有している場合もある。
以上のような画素領域4の周辺部分には、垂直駆動回路5、カラム信号処理回路6、水平駆動回路7、およびシステム制御回路8などの周辺回路が設けられている。
垂直駆動回路5は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動線9を選択し、選択された画素駆動線9に画素3を駆動するためのパルスを供給し、画素領域4に配列された画素3を行単位で駆動する。すなわち、垂直駆動回路5は、画素領域4に配列された各画素3を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、画素駆動線9に対して垂直に配線された垂直駆動線10を通して、各画素3において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号をカラム信号処理回路6に供給する。
カラム信号処理回路6は、画素3の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素3から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路6は、画素固有の固定パターンノイズを除去するための相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double sampling)や、信号増幅、アナログ/デジタル変換(AD:Analog/Digital Conversion)等の信号処理を行う。
水平駆動回路7は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路6の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路6の各々から画素信号を出力させる。
システム制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置1の内部情報などのデータを出力する。すなわち、システム制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路5、カラム信号処理回路6、および水平駆動回路7などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路5、カラム信号処理回路6、および水平駆動回路7等に入力する。
以上のような各周辺回路5〜8と、画素領域4に設けられた画素回路とで、各画素3を駆動する駆動回路が構成されている。尚、周辺回路5〜8は、画素領域4に積層される位置に配置されていても良い。
≪2.第1実施形態≫
(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第1の例)
本第1実施形態においては、第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成、固体撮像装置1-1の製造方法、第1実施形態の効果の順に説明を行う。
<固体撮像装置1-1の構成>
図2は、第1実施形態の固体撮像装置1-1における要部の平面図であり、画素領域4の半導体層20部分を受光面側から平面視的に見た場合についての12画素分の平面図である。また図3は、第1実施形態の固体撮像装置1-1における要部の断面図であり、図2のA−A断面に相当する。以下、これらの図面に基づいて第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成を説明する。
第1実施形態の固体撮像装置1-1は、ここでの図示を省略した支持基板上に貼り合わせた半導体層20を有し、この半導体層20の一主面を受光面Sとし、受光面Sとは逆側にここでの図示を省略したトランジスタや配線層を設けた裏面照射型の撮像装置である。
半導体層20の内部には、不純物の拡散による分離領域21が設けられ、これによって分離された各画素3に光電変換部23が設けられている。また半導体層20の受光面S側には、本実施形態において特徴的に配置された溝型素子分離25が設けられている。また半導体層20の受光面S上には、保護絶縁層31、絶縁層33、および遮光膜35がこの順に設けられ、さらに平坦化絶縁膜37を介してカラーフィルタ39およびオンチップレンズ41が積層されている。
以下、半導体層20、半導体層20に設けられた溝型素子分離25、および半導体層20の受光面S上に積層された各層の構成を、順に説明する。
[半導体層20]
半導体層20は、例えばn型の単結晶または多結晶シリコンで構成された層であり、一例としてn型の単結晶シリコンからなる半導体基板を薄型化して構成されたものである。この半導体層20は、一主面側を受光面Sとし、この受光面Sに沿って複数の画素3が設定されている。各画素3は、赤色光を受光するための赤色画素3R、緑色光を受光するための緑色画素3G、青色光を受光するための青色画素3Bとして配列されている。ここでは一例として、各色の画素3がベイヤー配列で二次元的に配置されている場合を図示している。
ベイヤー配列された各色の画素3R,3G,3Bは、受光する光の波長によらずに受光面Sに対して同一形状で配置されている。例えば、画素3と画素3との間の境界を画素境界3aとした場合、受光面Sにおいて画素境界3aで囲まれた各画素3は、均等な大きさの略正方形の平面形状を有していることとする。
このような半導体層20の内部には、p型不純物の拡散領域として構成された分離領域21が設けられている。この分離領域21は、半導体層20内において、画素境界3aを中心とし、この画素境界3aに沿って受光面Sとは逆側の面から受光面S側に向かって延設されている。
また、半導体層20の内部には、画素3毎にn型の光電変換部23が設けられている。n型の光電変換部23は、半導体層20内において、分離領域21と後に説明する溝型素子分離25とで分離されたn型の領域で構成されている。これらの光電変換部23は、p型の分離領域21と共にフォトダイオードを構成しており、各画素3において光電変換された電荷の蓄積領域となっている。
尚、半導体層20内には、分離領域21および光電変換部23の他にも、通常の裏面照射型の固体撮像装置に配置されるトランジスタのソース/ドレインや表面拡散層等、各種の不純物領域が設けられているが、ここでの図示および説明は省略する。
[溝型素子分離25]
溝型素子分離25は、半導体層20の受光面S側に設けられた溝パターン20a内に、保護絶縁層31および絶縁層33を設け、さらにこれらを介して遮光膜35を設けて構成されている。このような構成の溝型素子分離25は、受光面Sにおいて画素境界3aの中心からずれた位置に設けられているところが特徴的である。画素境界3aに対する溝型素子分離25のずれ方向は、溝型素子分離25によって分離されている2つの画素3−画素3において、受光目的とする光の波長に依存する。
特に本第1実施形態においては、隣接して配置された2つの画素3のうち受光目的とする光の波長が長い画素の方向に、溝型素子分離25がずれて設けられている。すなわち、各色画素3R,3G,3Bがベイヤー配列された構成であれば、緑色画素3Gと青色画素3Bとの間の溝型素子分離25は、緑色画素3G側にずれた位置に設けられている。また、緑色画素3Gと赤色画素3Rとの間の溝型素子分離25は、赤色画素3R側にずれた位置に設けられている。
ここで、「溝型素子分離25が画素境界3aの中心からずれた位置に設けられる」とは、溝型素子分離25を受光面S側から見た場合の幅方向の中心、すなわち溝パターン20aの開口幅の中心が、画素境界3aに対してずれていることを示す。したがって、溝型素子分離25が、画素境界3a上に配置されていても良い。
このような構成においては、溝型素子分離25を受光面S側から見た場合の幅、すなわち溝パターン20aの開口幅は、受光面S内において一定であって良い。
これにより、半導体層20内において、溝型素子分離25が設けられた深さ領域においては、各色画素3R,3G,3Bの配列方向における光電変換部23の幅が、受光目的とする光の波長が長い画素の方が大きい構成となっている。例えば、緑色画素3Gと青色画素3Bとが隣接する方向では、溝型素子分離25が設けられた深さ領域において、緑色画素3Gにおける光電変換部23の幅wGと青色画素3Bにおける光電変換部23の幅wBとは、wG<wBである。また緑色画素3Gと赤色画素3Rとが隣接する方向では、溝型素子分離25が設けられた深さ領域において、緑色画素3Gにおける光電変換部23の幅wGと赤色画素3Rにおける光電変換部23の幅wRとは、wR<wGである。
したがって、溝型素子分離25が設けられている領域、すなわち受光面Sに近い表面領域であって、短い波長の光が光電変換される領域においては、各色画素3R,3G,3Bにおける光電変換部23の体積は、受光目的とする光の波長が短い画素ほど程大きくなる。
一方、半導体層20内において、溝型素子分離25が設けられていない深さ領域、すなわち受光面Sから遠い領域であって、長い波長の光が光電変換される領域においては、各色画素3R,3G,3Bの光電変換部23の幅は、画素の配列方向においてほぼ同一である。したがって、各色画素3R,3G,3Bにおける光電変換部23の体積は均一である。
また受光面Sからの溝型素子分離25の深さdは、各画素3において受光目的とする波長の光のうち、最も短い波長の光がほぼ100%吸収される深さであれば良い。例えば、図4には、以降に説明する各色のカラーフィルタを通過して各光電変換部で受光される波長に対する相対出力を示すグラフである。このグラフに示すように、光電変換部で受光される各波長光において、その80%が光電変換部で変換されて出力される波長範囲を、受光目的とする各色光として設定する。これにより、青色光hBの波長範囲を規定する。そして、図5に示すように、規定された波長範囲の青色光hBが、ほぼ100%吸収される受光面Sからの深さD(ここではD=2300nm)を最大値とし、溝型素子分離の深さdを、この深さDの範囲内に設定する。
例えば図5は、半導体層20が単結晶シリコンである場合の青色光hBの吸収量を示している。この場合受光面Sから2300nm程度の深さで、青色光hBがほぼ100%吸収される。したがって、溝型素子分離25の深さdは、d≦D=2300nmに設定される。
以上のように配置された溝型素子分離25は、半導体層20の受光面S上に設けられた保護絶縁層31および絶縁層33によって、溝パターン20aの内壁が覆われている。さらに溝パターン20aの中央には、これらの保護絶縁層31および絶縁層33を介して遮光膜35が埋め込まれた構成となっている。
このうち保護絶縁層31は、負電荷を蓄積する金属酸化物で構成された層であり、半導体層20の界面にホール蓄積層を形成する。このような保護絶縁層31は、例えばハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)等の酸化物で構成された層である。また絶縁層33は、酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)で構成された層である。
[遮光膜35]
遮光膜35は、保護絶縁層31および絶縁層33を介して受光面Sの上部にパターン形成された層である。この遮光膜35は、溝型素子分離25の溝パターン20a内に埋め込まれて溝型素子分離25の一部を構成している。また遮光膜35は、受光面Sの上部においては、光電変換部23の上部に開口部35aを有するようにパターニングされている。この開口部35aは、各色画素3R,3G,3Bにおいて同一形状であって良く、各開口部35aの中心は、画素中心φと一致している。
また、遮光膜35は、受光面Sの上方において、画素境界3aを中心とした線幅にパターン形成されている。この線幅は一定であって良く、線幅の中心が画素境界3aと一致していて良い。例えば、受光面S側から平面視的に見た場合に溝型素子分離25を覆う線幅を有している。
以上のような遮光膜35は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、チタン(Ti)等の遮光性を有する金属材料で構成される。
また以上のようにパターニングされた遮光膜35は平坦化絶縁膜37で覆われている。
[カラーフィルタ39]
カラーフィルタ39は、平坦化絶縁膜37上に設けられた層であり、画素3毎にパターニングされた各色のカラーフィルタによって構成されている。パターニングされた各カラーフィルタ39は、各色画素3R,3G,3Bにおいて受光目的とする波長範囲の光を通過させる構成である。これらのカラーフィルタ39は、各色画素3R,3G,3Bにおいて同一形状であって良く、各カラーフィルタ39の中心は、画素中心φと一致していて良い。
[オンチップレンズ41]
オンチップレンズ41は、カラーフィルタ39上において画素3毎に配置されたものであり、ここでは例えば光入射方向に対して凸となる凸型のレンズであることとする。このようなオンチップレンズ41は、各色画素3R,3G,3Bにおいて同一形状であり、各オンチップレンズ41の中心が画素中心φと一致していることが好ましい。
<固体撮像装置1-1の製造方法>
図6は、第1実施形態の固体撮像装置の製造手順を示す断面工程図である。以下、図6に従って、図2および図3に示した第1実施形態の固体撮像装置の製造方法を説明する。
[図6A]
先ず図6Aに示すように、例えばn型の単結晶シリコンからなる半導体層20において、受光面Sと逆側の面からの不純物の拡散によってp型の分離領域21を形成する。この分離領域21は、半導体層20の受光面Sに対して二次元に均等配置された画素3間の境界(画素境界3a)を中心とし、一定の幅で形成される。
またここでの図示は省略したが、半導体層20内に、必要に応じた不純物拡散層を形成し、その後半導体層20の受光面Sとは逆側の面上に配線層を形成し、これを絶縁膜で覆って支持基板を貼り合わせる。その後、半導体層20を受光面S側から研磨して必要膜厚とする。
次に、半導体層20の受光面S側に溝パターン20aを形成する。この溝パターン20aは、画素境界3aに対して幅方向の中心をずらした位置において、画素境界3aに沿って受光面Sから分離領域21に達する深さdで形成される。画素境界3aに対する溝パターン20aのずれおよび深さdは、先に図3を用いて説明した溝型素子分離のずれおよび深さdと同様である。このような溝パターン20aの形成は、リソグラフィー法を適用して受光面S上にマスクパターンを形成し、マスクパターン上から半導体層20をエッチングすることによって行われる。
これにより、n型の単結晶シリコンからなる半導体層20を、p型の分離領域21と溝パターン20aとで分離し、分離した各部分をn型の光電変換部23とする。各画素3の光電変換部23は、溝パターン20aが設けられた深さ領域、すなわち受光面Sに近い表面領域においては、各色画素3R,3G,3Bの配列方向における幅および体積が、受光目的とする光の波長が短い画素の方が大きい構成となっている。一方、溝パターン20aが設けられていない深さ領域、すなわち受光面Sから遠い領域においては、各色画素3R,3G,3Bの光電変換部23の幅および体積は均一である。
[図6B]
次に図6Bに示すように、溝パターン20aの内壁を覆う状態で、半導体層20の受光面S上に保護絶縁層31および絶縁層33を順に成膜する。この際、例えば、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition:ALD法)によって、金属酸化物で構成された保護絶縁層31を成膜する。次いで、プラズマCVD法によって、酸化シリコンまたは窒化シリコンで構成された絶縁層33を成膜する。またここでは、溝パターン20aが埋め込まれることのない膜厚で、保護絶縁層31と絶縁層33とを成膜する。
その後は、溝パターン20aの内部が埋め込まれると共に遮光に十分な膜厚で、絶縁層33上に遮光膜35を成膜する。この際、例えば、スパッタ法によって、金属材料で構成された遮光膜35を成膜する。
以上により、半導体層20に形成した溝パターン20aに、保護絶縁層31、絶縁層33、および遮光膜35で埋め込んで構成された溝型素子分離25を得る。
[図6C]
次に図6Cに示すように、絶縁層33の上部において遮光膜35をパターニングし、光電変換部23の上部に開口部35aを形成する。この際、各開口部35aは、各色画素3R,3G,3Bにおいて同一形状であって良く、各開口部35aの中心を画素中心φと一致させる。また、開口部35aを形成した状態においての遮光膜35の線幅の中心を、画素境界3aを中心と一致させ、受光面S側から平面視的に見た場合に遮光膜35で溝型素子分離25が覆われるようにパターニングを行う。
[図3]
その後は図3に示すように、パターニングされた遮光膜35を覆う状態で、絶縁層33上に平坦化絶縁膜37を形成する。次いで平坦化絶縁膜37上の各画素3に各色のカラーフィルタ39をパターン形成し、さらにカラーフィルタ39上にオンチップレンズ41をパターン形成する。カラーフィルタ39およびオンチップレンズ41は、先に説明したように各色画素3R,3G,3Bにおいて同一形状であって良く、これらの中心を画素中心φと一致させる。
以上のようにして、固体撮像装置1-1を完成させる。
<第1実施形態の効果>
以上説明した固体撮像装置1-1は、半導体層20の受光面S側に形成される溝型素子分離25を、受光目的とする波長に依存する方向にずらして設けた。これにより、短い波長の光が光電変換される領域においては、受光目的とする光の波長が短い画素ほど程大きい体積を確保しつつ、長い波長の光が光電変換される領域においては、各色画素3R,3G,3Bの体積を均一とした構成となっている。
したがって、溝型素子分離25による受光面S側の体積減少に起因して、青色光hBの受光感度が低下することを防止でき、青色画素3Bにおける感度シェーディングを改善することができる。これにより、図7Aに示すように、受光面Sおいての光の入射角度に対する規格化感度を、赤色光hR、緑色光hG、青色光hBで一致させることが可能になる。この結果、感度入射角依存の色バランスが向上し、色付きを防止することが可能となる。
尚、溝型素子分離25の配置を画素境界3aに対してずらしていない従来構成では、図7Bに示すように、青色光hBの感度シェーディングが、赤色光hRおよび緑色光hGと比較して大きかった。このため、感度入射角依存の色バランスが崩れ、色付きが発生していたのである。
また本第1実施形態の構成においては、遮光膜35は各色画素3R,3G,3B間で共通であり、遮光膜35の位置は画素境界3aと一致している。このため、遮光膜35においての入射光の蹴られは、各色画素3R,3G,3Bで共通である。したがって、図8Aに示すように、入射角度0°における絶対感度の低下を引き起こすことなく、感度シェーディングの均一化を図ることができる。
これに対して、溝型素子分離25の配置を画素境界3aに対してずらしていない従来構成では、図8Bに示すように、絶対感度には関わりなく青色光hBの感度シェーディングが、赤色光hRおよび緑色光hGと比較して大きく劣化する。また青色光hBの感度シェーディングを防止するために、遮光膜35を長波長の画素側にずらした構成では、図8Cに示すように、感度シェーディングの色依存性は改善されるものの、短波長の青色画素3Bにおいての絶対感度の低下が引き起こされるのである。
しかしながら、本第1実施形態の構成においては、絶対感度の低下を引き起こすこともなく、感度入射角依存の色バランスの向上を図ることで色付きを防止することが可能となるため、撮像特性の向上を図ることができる。
また第1実施形態の構成では溝型素子分離25が、溝パターン20aの内部に遮光膜35を配置した構成である。このため、受光面Sと遮光膜35との間の絶縁層33を介しての、隣接する画素3からの光の漏れ込みが防止される。これにより、混色を防止することも可能である。
尚、以上の第1実施形態においては、各色画素3R,3G,3Bがベイヤー配列された構成を例示して説明を行った。しかしながら本技術の固体撮像装置は、このような構成への適用に限定されることはない。例えば、カラーフィルタとして、シアンおよびイエローの補色系を用いた構成であれば、シアンの画素とイエローの画素との画素境界3aに対して、シアンの画素側に溝型素子分離をずらして設ける。また、白色画素を用いた構成であれば、各色画素と白色画素との画素境界3aに対して、白色画素側に溝型素子分離をずらして設ける。これにより同様の効果を得ることが可能である。
≪3.第2実施形態≫
(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第2の例)
<固体撮像装置1-2の構成>
図9は、第2実施形態の固体撮像装置1-2の要部の構成を示す断面図である。この図に示す第2実施形態の固体撮像装置1-2が、第1実施形態の固体撮像装置と異なるところは、遮光膜35が溝型素子分離45に埋め込まれていないところにあり、他の構成は同様であることとする。このため、第1実施形態と同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
すなわち溝型素子分離45は、半導体層20の受光面S側に形成された溝パターン20a内に、保護絶縁層31を介して絶縁層33が埋め込まれた構成である。画素境界3aに対する溝パターン20aの配置状態は、第1実施形態と同様である。保護絶縁層31および絶縁層33の構成は、第1実施形態と同様であり、これらの膜厚のみが溝パターン20a内を埋め込む膜厚である点で第1実施形態とは異なる。また遮光膜35は、絶縁層33上において第1実施形態と同様にパターニングされており、その膜厚が遮光に十分な膜厚であれば良いことにおいて第1実施形態とは異なる。
<固体撮像装置1-2の製造方法>
以上のような構成の固体撮像装置1-2の製造は、第1実施形態の固体撮像装置の製造において、図6Bを用いて説明した保護絶縁層31および絶縁層33を成膜する際、これらの保護絶縁層31および絶縁層33によって溝パターン20aを完全に埋め込めば良い。
他の工程は、第1実施形態と同様であって良い。
<第2実施形態の効果>
以上のような構成の第2実施形態の固体撮像装置1-2であっても、各色画素3R,3G,3Bに対しての、溝型素子分離45、遮光膜35、およびオンチップレンズ41の配置状態は第1実施形態と同一である。このため、第1実施形態と同様に、絶対感度の低下を引き起こすことなく、感度入射角依存の色バランスの向上を図ることで色付きを防止することが可能となるため、撮像特性の向上を図ることができる。
≪4.第3実施形態≫
(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第3の例)
<固体撮像装置1-3の構成>
図10は、第3実施形態の固体撮像装置1-3の要部の構成を示す断面図である。この図に示す第3実施形態の固体撮像装置1-3が、第1実施形態の固体撮像装置と異なるところは、溝型素子分離47のパターン幅が深さ方向に段階的に形成されているところにあり、他の構成は同様であることとする。このため、第1実施形態と同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
すなわち溝型素子分離47のパターン幅は、受光面S側で広く、半導体層20の深い位置で狭く構成された2段階の大きさを有している。このような溝型素子分離47は、受光面S側のパターン幅が広い部分において、画素境界3aに対してずれて設けられている。一方、溝型素子分離47において受光面Sから離れたパターン幅が狭い部分は、画素境界3aに対してパターン幅の中央が一致していて良い。
このような溝型素子分離47は、パターン幅の広い部分の深さが、先の第1実施形態で説明した深さdに設定されていることとする。
またこの溝型素子分離47においては、パターン幅の広い部分にのみ、遮光膜35が埋め込まれていて良く、これによりボイドの発生無く遮光膜35を埋め込むことが可能な構成となっている。
<固体撮像装置1-3の製造方法>
以上のような構成の固体撮像装置1-3の製造は、第1実施形態の固体撮像装置の製造において、図6Aを用いて説明した溝パターン20aを形成する際、2枚毎のマスクを用いた2回のエッチングにより、2段階の開口幅で溝パターン20aを形成すれば良い。他の工程は、第1実施形態と同様であって良い。
<第3実施形態の効果>
以上のような構成の第3実施形態の固体撮像装置1-3であっても、各色画素3R,3G,3Bに対しての、溝型素子分離47、遮光膜35、およびオンチップレンズ41の配置状態は第1実施形態と同一である。このため、第1実施形態と同様に、絶対感度の低下を引き起こすことなく、感度入射角依存の色バランスの向上を図ることで色付きを防止することが可能となるため、撮像特性の向上を図ることができる。また、溝型素子分離47は、溝パターン20aの内部に遮光膜35を配置した構成である。このため、第1実施形態と同様に、隣接する画素3間での光の漏れ込みが防止され、混色を防止することも可能である。
≪5.第4実施形態≫
(溝型素子分離を長波長の画素側にずらした第4の例)
<固体撮像装置1-4の構成>
図11は、第4実施形態の固体撮像装置1-4の要部の構成を示す断面図である。この図に示す第4実施形態は、第3実施形態の変形例である。この固体撮像装置1-4が、第1実施形態の固体撮像装置と異なるところは、溝型素子分離49のパターン幅が深さ方向に段階的に形成されているところにあり、他の構成は同様であることとする。このため、第1実施形態と同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
すなわち溝型素子分離49のパターン幅は、受光面S側で広く、半導体層20の深い位置で狭く構成された2段階の大きさを有している。このような溝型素子分離49は、受光面S側のパターン幅が広い部分および狭い部分において、画素境界3aに対してずれて設けられている。つまり、溝型素子分離49を構成する溝パターン20aは、受光面S側に形成された幅の広い開口部分の底部中央から、幅の狭い開口部分が掘り下げられた形状である。
このような溝型素子分離49は、パターン幅の広い部分と狭い部分を含めた全体の深さが、先の第1実施形態で説明した深さdに設定されていることとする。
またこの溝型素子分離49においては、パターン幅の広い部分にのみ、遮光膜35が埋め込まれていて良く、これによりボイドの発生無く遮光膜35を埋め込むことが可能な構成となっている。
<固体撮像装置1-4の製造方法>
以上のような構成の固体撮像装置1-4の製造は、第1実施形態の固体撮像装置の製造において、図6Aを用いて説明した溝パターン20aを形成する際、先ず、マスクを用いたエッチングによって溝パターン20aにおける受光面S側の開口幅の広い部分を形成する。次に、溝パターン20aの側壁にサイドウォールを形成し、溝パターン20aの底部中央をさらにエッチングすることで、段階的に開口幅を狭めた溝パターン20aを形成すれば良い。他の工程は、第1実施形態と同様であって良い。
<第4実施形態の効果> 以上のような構成の第4実施形態の固体撮像装置1-4であっても、各色画素3R,3G,3Bに対しての、溝型素子分離49、遮光膜35、およびオンチップレンズ41の配置状態は第1実施形態と同一である。このため、第1実施形態と同様に、絶対感度の低下を引き起こすことなく、感度入射角依存の色バランスの向上を図ることで色付きを防止することが可能となるため、撮像特性の向上を図ることができる。また、溝型素子分離49は、溝パターン20aの内部に遮光膜35を配置した構成である。このため、第1実施形態と同様に、隣接する画素3間での光の漏れ込みが防止され、混色を防止することも可能である。
≪6.第5実施形態≫
(溝型素子分離を短波長の画素側にずらした例)
<固体撮像装置1-5の構成>
図12は、第5実施形態の固体撮像装置1-5における要部の平面図であり、画素領域4の半導体層部分を受光面側から平面視的に見た場合についての12画素分の平面図である。また図13は、第5実施形態の固体撮像装置1-5における要部の断面図であり、図12のA−A断面に相当する。以下、これらの図面に基づいて第5実施形態の固体撮像装置1-5の構成を説明する。
これらの図に示す第5実施形態の固体撮像装置1-5が、第1実施形態の固体撮像装置と異なるところは、画素境界3aに対する溝型素子分離51のずらし方向、および溝型素子分離51に遮光膜35が埋め込まれていないところにある。他の構成は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
すなわち溝型素子分離51は、溝パターン20a内に、保護絶縁層31および絶縁層33を埋め込んだ構成である。このような構成の溝型素子分離51は、受光面Sにおいて画素境界3aの中心からずれた位置に設けられており、そのずれ方向は溝型素子分離51によって分離されている2つの画素3−画素3において、受光目的とする光の波長に依存する。
特に本第5実施形態においては、隣接して配置された2つの画素3のうち受光目的とする光の波長が短い画素の方向に、溝型素子分離51がずれて設けられている。すなわち、各色の画素3R,3G,3Bがベイヤー配列された構成であれば、緑色画素3Gと赤色画素3Rとの間の溝型素子分離51は、緑色画素3G側にずれた位置に設けられている。また、緑色画素3Gと青色画素3Bとの間の溝型素子分離51は、青色画素3B側にずれた位置に設けられている。
ここで、「溝型素子分離51が画素境界3aの中心からずれた位置に設けられる」とは、溝型素子分離51を受光面S側から見た場合の幅方向の中心、すなわち溝パターン20aの開口幅の中心が、画素境界3aに対してずれていることを示す。したがって、溝型素子分離51が、画素境界3a上に配置されていても良い。
このような構成においては、溝型素子分離51を受光面S側から見た場合の幅、すなわち溝パターン20aの開口幅は、受光面S内において一定であって良い。
これにより、半導体層20内において、溝型素子分離51が設けられた深さ領域、すなわち受光面Sに近い表面領域においては、受光目的とする光の波長が短い画素の方が、隣接する画素における遮光膜35の開口部35aから遠く離れた構成となっている。例えば、緑色画素3Gと赤色画素3Rとが隣接する方向においては、溝型素子分離51が緑色画素3G側にずれて配置されたことにより、赤色画素3Rにおける遮光膜35の開口部35aから、緑色画素3Gの受光面Sが離れて配置される。
一方、半導体層20内において、溝型素子分離51が設けられていない深さ領域においては、各色画素3R,3G,3Bの光電変換部23の幅は2つの配列方向においてほぼ同一であり、各色画素3R,3G,3Bにおける光電変換部23の体積は均一である。
<固体撮像装置1-5の製造方法>
以上のような構成の固体撮像装置1-5の製造は、第1実施形態の固体撮像装置の製造において、図6Aを用いて説明した溝パターン20aを形成する際、溝パターン20aの形成位置を、受光目的とする波長範囲が短い画素側にずらして形成する。また、図6Bを用いて説明した保護絶縁層31および絶縁層33を成膜する際、これらの保護絶縁層31および絶縁層33によって溝パターン20aを完全に埋め込めば良い。他の工程は、第1実施形態と同様であって良い。
<第5実施形態の効果>
以上説明した第5実施形態の固体撮像装置1-5は、半導体層20の受光面S側に形成される溝型素子分離51を、画素境界3aに対して、受光目的とする波長に依存する方向にずらして設けた。これにより、溝型素子分離51が設けられた受光面S側の領域では、受光目的とする光の波長が短い画素を、隣接する画素における遮光膜35の開口部35aから遠く離れて配置しつつ、これよりも深い領域においては各色画素3R,3G,3Bの体積を均一とした構成となっている。
したがって、赤色画素3Rの遮光膜35の開口部35aから、隣接する緑色画素3Gの光電変換部23を遠ざけたことによる、赤色光hRの回折による光漏れと、これによる混色の発生を防止することができる。これにより、図14Aに示すように、入射角度に対する隣接画素への混色量を、赤色光hR、緑色光hG、青色光hBで一致させることが可能になる。この結果、感度入射角依存の色バランスが向上し、色付きを防止することが可能となる。
尚、溝型素子分離の配置を画素境界に対してずらしていない従来構成では、図14Bに示すように、赤色光hRの隣接画素への漏れ込み量が、青色光hBおよび緑色光hGと比較して大きくなる。このため、感度入射角依存の色バランスが崩れ、色付きが発生し易い構成であった。
また本第5実施形態の構成においては、遮光膜35は各色画素3R,3G,3B間で共通であり、遮光膜35の位置は画素境界3aと一致している。このため、遮光膜35においての入射光の蹴られは各色画素3R,3G,3Bで共通であり、入射角度0°における絶対感度の低下が引き起こされることはない。
以上の結果本第5実施形態の固体撮像装置によれば、入射角依存の混色を防止して色付きを防止することが可能となるため、撮像特性の向上を図ることができる。
≪7.第6実施形態≫
(固体撮像装置を用いた電子機器)
上述した第1実施形態〜第5実施形態で説明した本技術に係る各構成の固体撮像装置は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステム、さらには撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器などの電子機器用の固体撮像装置に設けることができる。
図15は、本技術に係る電子機器の一例として、固体撮像装置を用いたカメラの構成図を示す。本実施形態例に係るカメラは、静止画像又は動画撮影可能なビデオカメラを例としたものである。このカメラ91は、固体撮像装置1と、固体撮像装置1の受光センサ部に入射光を導く光学系93と、シャッタ装置94と、固体撮像装置1を駆動する駆動回路95と、固体撮像装置1の出力信号を処理する信号処理回路96とを有する。
固体撮像装置1は、上述した第1実施形態〜第5実施形態で説明した構成の固体撮像装置である。光学系(光学レンズ)93は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の撮像面上に結像させる。この撮像面には、複数の画素が配列され、この画素を構成する固体撮像装置の光電変換領域に対して、光学系93からの入射光が導かれる。これにより、固体撮像装置1の光電変換領域内に、一定期間信号電荷が蓄積される。このような光学系93は、複数の光学レンズから構成された光学レンズ系としても良い。シャッタ装置94は、固体撮像装置1への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路95は、固体撮像装置1及びシャッタ装置94に駆動信号を供給し、供給した駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置1の信号処理回路96への信号出力動作の制御、およびシャッタ装置94のシャッタ動作を制御する。すなわち、駆動回路95は、駆動信号(タイミング信号)の供給により、固体撮像装置1から信号処理回路96への信号転送動作を行う。信号処理回路96は、固体撮像装置1から転送された信号に対して、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、あるいは、モニタに出力される。
以上説明した本実施形態に係る電子機器によれば、上述した各実施形態で説明した撮像特性の良好な固体撮像装置を備えたことにより、撮像機能を有する電子機器における高精彩な撮像を達成することが可能になる。
尚、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
一主面側を受光面とし、当該受光面に沿って複数の画素が設定された半導体層と、
前記画素毎に前記半導体層内に設けられた光電変換部と、
前記半導体層の受光面側に形成された溝パターン内に絶縁層を設けて構成され、前記画素と画素との間の画素境界に対してずれた位置に設けられた溝型素子分離とを備えた
固体撮像装置。
(2)
前記画素境界に対する前記溝型素子分離のずれる方向は、前記各画素において受光目的とする光の波長に依存する
上記(1)記載の固体撮像装置。
(3)
前記半導体層における受光面の上方には、前記光電変換部の上方を開口する開口部を有し、前記画素境界を中心とした線幅にパターン形成された遮光膜が設けられた
上記(1)または(2)記載の固体撮像装置。
(4)
前記溝型素子分離は、前記遮光膜で覆われている
上記(3)記載の固体撮像装置。
(5)
前記半導体層における受光面の上方には、中心を前記画素の中心に対して一致させてパターン形成された各色のカラーフィルタが設けられた 上記(1)〜(4)の何れかに記載の固体撮像装置。
(6)
前記半導体層における受光面の上方には、中心を前記画素の中心に対して一致させてパターン形成されたオンチップレンズが設けられた
上記(1)〜(5)の何れかに記載の固体撮像装置。
(7)
前記溝型素子分離は、隣接して配置された前記画素のうち、受光目的とする光の波長が長い画素の方向にずれて設けられた
上記(1)〜(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
(8)
前記溝型素子分離は、前記溝パターンの中央に遮光膜が埋め込まれた
上記(7)記載の固体撮像装置。
(9)
前記溝型素子分離は、パターン幅が前記受光面側で大きくなるように多段階に形成された
上記(1)〜(8)の何れかに記載の固体撮像装置。
(10)
前記溝型素子分離は、少なくとも前記受光面側の部分が前記画素境界に対してずれている
上記(9)記載の固体撮像装置。
(11)
前記溝型素子分離は、隣接して配置された前記画素のうち、受光目的とする光の波長が短い画素の方向にずれて設けられた
上記(1)〜(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
(12)
前記半導体層内には、前記受光面と逆側の面から前記溝型素子分離にまで達する前記画素境界上に、不純物領域で構成された分離領域を備えた
上記(1)〜(11)の何れかに記載の固体撮像装置。
(13)
一主面側を受光面とし、当該受光面に沿って複数の画素が設定された半導体層と、
前記画素毎に前記半導体層内に設けられた光電変換部と、
前記半導体層の受光面側に形成された溝パターン内に絶縁層を設けて構成され、前記画素と画素との間の画素境界に対してずれた位置に設けられた溝型素子分離と、
前記光電変換部に入射光を導く光学系とを備えた
電子機器。
1-1,1-2,1-3,1-4,1-5…固体撮像装置、3…画素、3a…画素境界、20…半導体層、20a…溝パターン、21…分離領域、23…光電変換部、25,45,47,49,51…溝型素子分離、31…保護絶縁層、33…絶縁層、35…遮光膜、35a…開口部、39…カラーフィルタ、41…オンチップレンズ、91…カメラ(電子機器)、93…光学系、S…受光面、φ…画素中心

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板内に形成され、ある断面視において第1の溝部、第2の溝部、第3の溝部の順に第1の方向に形成された溝部領域と、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部の間に設けられ、ある平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第1の受光部と、
    前記第2の溝部と前記第3の溝部の間に設けられ、前記平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第2の受光部と、
    前記半導体基板における光入射面側の上部に設けられた遮光部とを有し、
    前記第1の溝部の中心から前記第2の溝部の中心までの第1の距離と前記第2の溝部の中心から前記第3の溝部の中心までの第2の距離とは前記第1の方向に延びており、
    前記第1の受光部は、前記第2の受光部よりも波長が短い光を受光し、
    前記第1の距離は、前記第2の距離よりも大きく、
    前記半導体基板における前記第1の受光部と前記第2の受光部との間に配置された分離領域をさらに備え
    前記遮光部は、断面視において、前記溝部領域の中心に対してずれた位置に中心が配置され、前記分離領域の中心に対して一致した位置に中心が配置された
    固体撮像装置。
  2. 半導体基板と、
    前記半導体基板内に形成され、ある断面視において第1の溝部、第2の溝部、第3の溝部の順に第1の方向に形成された溝部領域と、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部の間に設けられ、ある平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第1の受光部と、
    前記第2の溝部と前記第3の溝部の間に設けられ、前記平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第2の受光部と、
    前記半導体基板における光入射面側の上部に設けられた遮光部とを有し、
    前記第1の溝部の中心から前記第2の溝部の中心までの第1の距離と前記第2の溝部の中心から前記第3の溝部の中心までの第2の距離とは前記第1の方向に延びており、
    前記第1の受光部は、前記第2の受光部よりも波長が短い光を受光し、
    前記第1の距離は、前記第2の距離よりも大きく、
    前記半導体基板における前記第1の受光部と前記第2の受光部との間に配置された分離領域をさらに備え
    前記分離領域は、前記断面視において、前記溝部領域の中心に対してずれた位置に中心が配置されている
    固体撮像装置。
  3. 半導体基板と、
    前記半導体基板内に形成され、ある断面視において第1の溝部、第2の溝部、第3の溝部の順に第1の方向に形成された溝部領域と、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部の間に設けられ、ある平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第1の受光部と、
    前記第2の溝部と前記第3の溝部の間に設けられ、前記平面視において前記溝部領域に囲まれるように形成された第2の受光部と、
    前記半導体基板における光入射面側の上部に設けられた遮光部とを有し、
    前記第1の溝部の中心から前記第2の溝部の中心までの第1の距離と前記第2の溝部の中心から前記第3の溝部の中心までの第2の距離とは前記第1の方向に延びており、
    前記第1の受光部は、前記第2の受光部よりも波長が短い光を受光し、
    前記第1の距離は、前記第2の距離よりも大きく、
    前記半導体基板における前記第1の受光部と前記第2の受光部との間に配置された分離領域をさらに備え
    前記断面視において、前記第2の溝部の中心は、前記分離領域の中心から前記第1の方向にずれており、
    前記第1の方向は、前記半導体基板の深さ方向に対して垂直である
    固体撮像装置。
  4. 受光面としての第1面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第1面に形成された溝部領域と、
    前記半導体基板の第2面側に形成された分離領域と、
    前記半導体基板の前記第1面の上部に形成された遮光部と、
    前記遮光部を介して前記半導体基板の前記第1面上に形成された第1の色に対応する第1のカラーフィルタと、
    前記遮光部を介して前記半導体基板の前記第1面上に形成された第2の色に対応する第2のカラーフィルタとを有し、
    前記半導体基板の第1領域は、少なくとも第1の光電変換部の一部を有し、ある平面視において前記第1面で前記溝部領域に囲まれ、前記第2面側で前記分離領域に囲まれ、かつ、前記第1のカラーフィルタと前記半導体基板の深さ方向に揃うように形成され、
    前記半導体基板の第2領域は、少なくとも第2の光電変換部の一部を有し、前記平面視において前記第1面で前記溝部領域に囲まれ、前記第2面側で前記分離領域に囲まれ、かつ、前記第2のカラーフィルタと前記半導体基板の深さ方向に揃うように形成され、
    前記遮光部は、ある断面視において、前記溝部領域の中心に対してずれた位置に中心が配置され、
    前記第1面の前記平面視における前記第1領域の第1の面積は、前記第1面の前記平面視における前記第2領域の第2の面積より大きく、
    前記第1のカラーフィルタは前記第2のカラーフィルタよりも短い波長帯域を透過し、
    前記遮光部は、前記分離領域の中心に対して一致した位置に中心が配置された
    固体撮像装置。
  5. 前記平面視の第1面において、前記溝部領域は、前記第1領域を第1の矩形形状に囲み
    前記平面視の第1面において、前記溝部領域は、前記第2領域を第2の矩形形状に囲む
    請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記平面視において、前記第1の矩形形状の第1の辺と前記第2の矩形形状の第1の辺とは同じ長さであり、前記第1の矩形形状の第2の辺と前記第2の矩形形状の第2の辺とは異なる長さである
    請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記平面視において、前記第1の矩形形状の一辺は、前記第2の矩形形状の一辺と同じ長さであり、前記第1の矩形形状の面積は、前記第2の矩形形状の面積よりも大きい
    請求項5に記載の固体撮像装置。
  8. 受光面としての第1面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第1面に形成された溝部領域と、
    前記半導体基板の第2面側に形成された分離領域と、
    前記半導体基板の前記第1面の上部に形成された遮光部と、
    前記遮光部を介して前記半導体基板の前記第1面上に形成された第1の色に対応する第1のカラーフィルタと、
    前記遮光部を介して前記半導体基板の前記第1面上に形成された第2の色に対応する第2のカラーフィルタとを有し、
    前記半導体基板の第1領域は、少なくとも第1の光電変換部の一部を有し、ある平面視において前記第1面で前記溝部領域に囲まれ、前記第2面側で前記分離領域に囲まれ、かつ、前記第1のカラーフィルタと前記半導体基板の深さ方向に揃うように形成され、
    前記半導体基板の第2領域は、少なくとも第2の光電変換部の一部を有し、前記平面視において前記第1面で前記溝部領域に囲まれ、前記第2面側で前記分離領域に囲まれ、かつ、前記第2のカラーフィルタと前記半導体基板の深さ方向に揃うように形成され、
    前記遮光部は、ある断面視において、前記溝部領域の中心に対してずれた位置に中心が配置され、
    前記第1面の前記平面視における前記第1領域の第1の面積は、前記第1面の前記平面視における前記第2領域の第2の面積より大きく、
    前記第1のカラーフィルタは前記第2のカラーフィルタよりも短い波長帯域を透過し、
    前記半導体基板における前記第1領域と前記第2領域との間に配置された前記分離領域は、前記断面視において、前記溝部領域の中心に対してずれた位置に中心が配置されている
    固体撮像装置。
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