JP6900775B2 - 車両の自動運転制御システム - Google Patents

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本発明は、車両の自動運転制御システムに関する。
特許文献1には、車両の自動運転システムが開示されている。このシステムでは、(a)自動運転中にドライバが所定の運転操作を行った場合には、自動運転から手動運転に切り替えられ、(b)その後、ドライバの自動運転切替操作が無くとも、制御部により手動運転から自動運転に再度切り替えられる。この自動運転システムによれば、上記(a)の切り替えを行うので、自動運転システムが認知することができない障害物(例えば小動物の飛び出し)をドライバが発見した場合、ドライバは自動運転中であっても障害物を回避する運転操作ができる。加えて、上記(b)の切り替えにより、ドライバーは自動運転切替操作をしなくて済む為、ドライバの利便性を向上できる。
特開2016−133985号公報
しかしながら、従来の自動運転システムでは、後方から他の車両に追突される場合については十分な工夫がなされていないのが実情であった。一般的に、自車両の後方に対するドライバーの状況認知能力は、進行方向に対する状況認知能力に比べて劣る。また、自車両が徐行中や一時停止中(例えば左側通行における右折待ち等)に後方から他の車両に追突された場合、自車両は、追突された方向や自車両の操舵角によっては、対向車線に押し出される可能性がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、自車両(50)を走行予定経路に沿って走行させる自動運転を実行する自動運転制御システム(100)が提供される。この自動運転制御システムは、前記自車両の車輪(52)の操舵角を制御する操舵角制御部(330)と、前記走行予定経路における前記自車両の状況を認知可能な状況認知部(220)と、前記操舵角制御部に対し操舵角を指示し前記自動運転の制御を行う自動運転制御部(210)と、を備える。前記自動運転制御部は、前記自動運転中において、前記状況認知部が前記自車両の速度が所定値以下であること、という条件が成立することを含む予め定められた操舵角変更状況を認知した場合に、前記操舵角制御部に対し指示する前記操舵角を、前記走行予定経路に沿った第1操舵角(θ1)から前記第1操舵角と異なる第2操舵角(θ2)に変更する。
第1の形態では、前記状況認知部は、更に、前記自車両の後方を走行する後方車両(61)の近接状況を認知可能であり、前記操舵角変更状況は、更に、前記後方車両の近接状況が予め設定された後方衝突条件を満たすことを含み、前記自動運転制御システムは、更に、前記自車両のドライバの状態を検出するドライバ状態検出部(510)を備え、前記ドライバ状態検出部によって検出された前記ドライバの状態が、前記後方車両による前記自車両への衝突に備えた操作を前記ドライバが行うことが可能な状態である場合には、前記状況認知部が前記後方衝突条件が成立しないものと判定するとともに、前記自動運転制御部が前記自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能を前記ドライバに委譲する。
第2の形態では、前記状況認知部は、更に、前記自車両の後方を走行する後方車両(61)の近接状況を認知可能であり、前記操舵角変更状況は、更に、前記後方車両の近接状況が予め設定された後方衝突条件を満たすことを含み、前記状況認知部は、更に、前記自車両の前方にある前方物体(62)を認知可能であり、前記操舵角変更状況は、更に、前記自車両が前記後方車両の追突を受けて前記前方物体と衝突する可能性があることを示す前方衝突条件を満たすことを含み、前記状況認知部が前記前方物体を認識せず前記前方衝突条件が成立しない場合には、前記操舵角の変更を行わない。第2の形態の自動運転制御システムは、更に、前記自車両のドライバの状態を検出するドライバ状態検出部(510)を備え、前記ドライバ状態検出部によって検出された前記ドライバの状態が、前記後方車両による前記自車両への衝突に備えた操作を前記ドライバが行うことが可能な状態である場合には、前記状況認知部が前記後方衝突条件が成立しないものと判定するとともに、前記自動運転制御部が前記自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能を前記ドライバに委譲する。
第3の形態では、前記自車両が位置する第1車線(DL1)と合流する第2車線(DL2)が存在し、前記第2車線が本線で前記第1車線が側線であり、前記自車両の現在位置が前記第1車線と前記第2車線の合流の手前の位置である場合に、前記状況認知部は、更に、前記第2車線を走行する他の車両(63)の走行状況の認知を行うことが可能であり、前記操舵角変更状況は、更に、前記自車両が追突を受けて前記他の車両と衝突する可能性があることを示す合流衝突条件を満たすことを含む。
第4の形態では、前記自車両の現在位置が、車両の走行のための車線から非車線スペースに移動する手前の位置である場合に、前記状況認知部は、更に、前記自車両が前記車線から前記非車線スペースに移動する経路に進行可能な他の物体(64)を認知可能であり、前記操舵角変更状況は、更に、前記自車両が追突を受けて前記他の物体と衝突する可能性があることを示す衝突条件を満たすことを含み、前記状況認知部が前記他の物体を認識せず前記衝突条件が成立しない場合には、前記操舵角の変更を行わない。
この形態の自動運転制御システムによれば、自車両の速度が所定値以下であることという条件が成立することを含む操舵角変更状況を状況認知部が認知した場合に、走行予定経路に沿った第1操舵角を第2操舵角に変更するので、自車両の停止中や徐行中に後方から他の車両に追突された場合にも第1操舵角に従った方向にそのまま押し出される可能性を低減できる。この結果、追突による影響を緩和することが可能である。
第1実施形態としての自動運転制御システムの構成を示す説明図。 第1実施形態における操舵角変更処理の手順を示すフローチャート。 第1実施形態における操舵角変更状況の判定手順を示すフローチャート。 交差点における操舵角変更の効果を示す概念図。 車両の操舵角変更の様子を示す概念図。 第2実施形態における操舵角変更状況の判定手順を示すフローチャート。 第2実施形態における後方衝突条件の判定手順を示すフローチャート。 第3実施形態における操舵角変更状況の判定手順を示すフローチャート。 第3実施形態における前方衝突条件の判定手順を示すフローチャート。 後方衝突による飛び出しエリアの一例を示す説明図。 後方衝突により前方衝突が発生する様子を示す説明図。 前方衝突の衝突可能性の説明図。 第4実施形態における後方衝突条件の判定手順を示すフローチャート。 第5実施形態における合流衝突の様子を示す説明図。 第5実施形態における操舵角変更状況の判定手順を示すフローチャート。 第6実施形態における衝突の様子を示す説明図。 第6実施形態における操舵角変更状況の判定手順を示すフローチャート。 隣の車線を走行する後方車両による衝突の例を示す説明図。 隣の車線を走行する後方車両による衝突の他の例を示す説明図。 隣の車線を走行する後方車両による衝突の更に他の例を示す説明図。
A. 第1実施形態:
図1に示すように、第1実施形態の車両50は、自動運転制御システム100を備える。自動運転制御システム100は、自動運転ECU200(Electronic Control Unit)と、車両制御部300と、支援情報取得部400と、ドライバ警告部500とを備える。なお、本明細書において、車両50を「自車両50」とも呼ぶ。
自動運転ECU200は、CPUとメモリとを含む回路である。自動運転ECU200は、不揮発性記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって、車両50の自動運転の制御を行う自動運転制御部210,及び、車両50に関する状況を認知する状況認知部220として機能する。状況認知部220の機能については後述する。
車両制御部300は、車両50の運転のための各種の制御を実行する部分であり、自動運転と手動運転のいずれの場合にも利用される。車両制御部300は、駆動部制御装置310と、ブレーキ制御装置320と、操舵角制御装置330と、一般センサ類340とを含む。駆動部制御装置310は、車両50の車輪を駆動する駆動部(図示せず)を制御する機能を有する。車輪の駆動部としては、内燃機関と電動モータのうちの1つ以上の原動機を使用可能である。ブレーキ制御装置320は、車両50のブレーキ制御を実行する。ブレーキ制御装置320は、例えば電子制御ブレーキシステム(ECB)として構成される。操舵角制御装置330は、車両50の車輪の操舵角を制御する。なお、第1実施形態において「操舵角」とは、車両50の2つの前輪の平均操舵角を意味する。操舵角制御装置330は、例えば電動パワーステアリングシステム(EPS)として構成される。一般センサ類340は、車速センサ342と操舵角センサ344を含んでおり、車両50の運転に必要とされる一般的なセンサ類である。一般センサ類340は、自動運転と手動運転のいずれの場合にも利用されるセンサを含んでいる。
支援情報取得部400は、自動運転のための各種の支援情報を取得する。支援情報取得部400は、前方検出装置410と、後方検出装置420と、GPS装置430と、ナビゲーション装置440と、無線通信装置450とを含んでいる。ナビゲーション装置440は、目的地とGPS装置430で検出される自車位置とに基づいて、自動運転における走行予定経路を決定する機能を有する。走行予定経路の決定や修正のために、GPS装置430に加えて、ジャイロ等の他のセンサを利用してもよい。前方検出装置410は、自車両50の前方に存在する物体や道路設備(車線、交差点、信号機等)の状況に関する情報を取得する。後方検出装置420は、自車両50の後方に存在する物体や道路設備に関する情報を取得する。前方検出装置410と後方検出装置420のそれぞれは、例えば、カメラや、レーザーレーダー、ミリ波レーダーなどの各種の検出器から選ばれた1つ以上の検出器を用いて実現可能である。無線通信装置450は、高度道路交通システム70(Intelligent Transport System)との無線通信によって自車両50の状況や周囲の状況に関する状況情報を交換することが可能であり、また、他車両60との車車間通信や、道路設備に設置された路側無線機との路車間通信を行って状況情報を交換することも可能である。支援情報取得部400は、このような無線通信を介して得られる状況情報を利用して、自車の走行状況に関する情報と、自車両50の前方の状況に関する情報と、自車両50の後方の状況に関する情報と、の一部を取得するようにしてもよい。支援情報取得部400によって取得された各種の支援情報は、自動運転ECU200に送信される。
本明細書において「自動運転」とは、ドライバ(運転者)が運転操作を行うことなく、駆動部制御とブレーキ制御と操舵角制御のすべてを自動で実行する運転を意味する。従って、自動運転では、駆動部の動作状態と、ブレーキ機構の動作状態と、車輪の操舵角が、自動的に決定される。「手動運転」とは、駆動部制御のための操作(アクセルペダルの踏込)と、ブレーキ制御のための操作(ブレーキベダルの踏込)と、操舵角制御のための操作(ステアリングホイールの回転)を、ドライバが実行する運転を意味する。
自動運転制御部210は、ナビゲーション装置440から与えられた走行予定経路と、状況認知部220で認知された各種の状況とに基づいて、自動運転を制御する。具体的には、自動運転制御部210は、駆動部(エンジンやモータ)の動作状態を示す駆動指示値を駆動部制御装置310に送信し、ブレーキ機構の動作状態を示すブレーキ指示値をブレーキ制御装置320に送信し、車輪の操舵角を示す操舵角指示値を操舵角制御装置330に送信する。各制御装置310,320,330は、与えられた指示値に従ってそれぞれの制御対象機構の制御を実行する。なお、自動運転制御部210の各種の機能は、例えばディープラーニングなどの学習アルゴリズムを利用した人工知能により実現可能である。
ドライバ警告部500は、ドライバ状態検出部510と、警告装置520とを含んでいる。ドライバ状態検出部510は、カメラ等の検出器(図示省略)を含んでおり、自車両50のドライバの顔や頭の状態等を検出することによって、ドライバがどのような状態にあるかを検出する機能を有する。警告装置520は、車両50の状況やドライバ状態検出部510の検出結果に応じて、ドライバに警告を発生する装置である。警告装置520は、例えば、音声発生装置(スピーカー)や、画像表示装置、車室内の物体(例えばステアリングホイール)に振動を発生させる振動発生装置などの1つ以上の装置を用いて構成することが可能である。なお、ドライバ警告部500を省略してもよい。
自動運転ECU200で実現される状況認知部220は、走行状況認知部222と、前方認知部224と、後方認知部226とを含んでいる。走行状況認知部222は、支援情報取得部400及び一般センサ類340から提供される各種の情報や検出値を利用して、自車両50の走行状況を認知する機能を有する。前方認知部224は、前方検出装置410から提供される情報を利用して、自車両50の前方の物体や道路設備(車線、交差点、信号機等)の状況を認知する。後方認知部226は、自車両50の後方の物体や道路設備に関する状況を認知する。例えば、前方認知部224や後方認知部226は、他の物体が自車両50に近接する近接状況を認知可能である。なお、状況認知部220の機能の一部又は全部を、自動運転ECU200とは別個の1つ以上のECUによって実現するようにしてもよい。
自動運転制御システム100は、自動運転ECU200を含む多数の電子機器を有している。これらの複数の電子機器は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークを介して互いに接続されている。なお、図1に示す自動運転制御システム100の構成は、後述する他の実施形態においても使用可能である。
以下に説明するように、第1実施形態において自動運転制御部210は、自車両50が交差点の中央付近で一時停止中又は徐行中の際に、状況認知部220が予め定められた操舵角変更状況を認知すると、走行予定経路に沿った第1操舵角(自動運転の操舵角指示値で指示された第1操舵角)をこれと異なる第2操舵角に変更することによって、自車両50の後方から他の車両に追突される場合の影響を緩和する。なお、実際の操舵角の変更は、自動運転制御部210が操舵角制御装置330に操舵角を変更させることによって行なわれる。
図2に示すフローは、自動運転制御部210及び状況認知部220によって車両50の動作中に定期的に繰り返し実行される。まず、ステップS110では、自動運転中か否かが判定される。自動運転中で無ければ図2の処理を終了し、自動運転中であればステップS120以降の処理に進む。ステップS120では、状況認知部220が予め定められた操舵角変更状況を認知したか否かが判断される。状況認知部220が操舵角変更状況を認知した場合には、ステップS130において、車両50の操舵角が、走行予定経路に沿った第1操舵角から第2操舵角に変更され、操舵角変更状況が認知されない場合には第1操舵角がそのまま維持されて図2の処理を終了する。第1実施形態におけるステップS120の詳細手順の一例は図3に示されている。
図3に示すように、操舵角変更状況の判定処理のステップS200,S210,S220では、以下の3つの条件がすべて成立するか否かが判断される。
<条件1>自車両50の車速が所定値以下である。
<条件2>自車両50が交差点の中央から所定の範囲内に存在する。
<条件3>自車両50の前輪の方向が、交差点における車線直進方向と平行で無い。
条件1における車速の「所定値」は、自車両50がほとんど停止していると評価できる程度の車速であり、例えば2km/時以下の値に設定される。なお、「所定値」をゼロとして、自車両50が停止しているときにのみ条件1が成立するものとしてもよい。条件2の「交差点の中央から所定の範囲」は、交差点の大きさや道路幅等に応じて適宜予め設定される。条件3の「交差点における車線直進方向」とは、自車両50が交差点に進入する前に走行していた車線の直進方向を意味する。
上述の条件1〜3がすべて成立する場合には、ステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、条件1〜3の少なくとも一つが成立しない場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。なお、条件1〜3は、いずれも自車両50の走行状況に関する条件なので、これらを「走行状況条件」とも呼ぶ。
上述した走行状況条件のうち、条件2,3は省略してもよく、走行状況条件としては、少なくとも上記条件1を含むものを採用することが好ましい。条件2と条件3に関しては、例えば、自車両50が交差点付近で無い他の位置に存在する場合には、その位置に応じて適宜変更される。このような例については他の実施形態で説明する。また、操舵角変更状況の認知の条件としては、自車両50の走行状況条件以外に、自車両50の後方の状況に関する条件や、前方の状況に関する条件を追加することも可能である。この点についても他の実施形態で説明する。
図4は、図3の処理フローに従って操舵角変更状況が認知される場合の様子を示している。図4の上部では、自車両50が走行予定経路PR1に従って交差点CSで右折するために、交差点CSの中央CCS付近に停車している状態を示している。自車両50の後方からは、他の車両(「後方車両61」と呼ぶ)が接近している。後方車両61とは、本実施形態では、自車両50と同じ車線を走行する車両である。このように、自車両50が交差点CSで曲がるために一時停止又は徐行している場合には、後方車両61に追突されると自車両50が対向車線に飛び出してしまい、他の物体(車両や人など)に衝突してしまう可能性がある。そこで、仮に追突されたと仮定しても、走行予定経路PR1に従って飛び出すことがないように操舵角を変更することが好ましい。
自車両50の前輪52の第1操舵角θ1は、走行予定経路PR1に従って進行するために自動運転の操舵角指示値で指示された角度である。交差点CSにおいて自車両50が曲がる場合に、通常は、第1操舵角θ1による前輪52の方向は、交差点CSにおける車線直進方向DRsとは異なる方向である。また、第1操舵角θ1による前輪52の方向は、操舵角がゼロであるニュートラル方向(自車両50の前後方向に平行な方向)と異なる方向であることが多い。なお、交差点CSで曲がる方法には、右折と,左折と、Uターンとがある。図4の例では、第1操舵角θ1は、右折のために前輪52を右方向に向けた角度である。この第1操舵角θ1による走行予定経路PR1は、実線の矢印で示されるように右折経路である。この状態で、図3のステップS200〜S220の条件1〜3がいずれも成立すると、図4の下部に示すように第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更される。この例では、第2操舵角θ2は、前輪52を車線直進方向DRsと平行な方向に向ける角度としている。このように、操舵角変更状況(ステップS200〜S220)が認知されたときに、走行予定経路に沿った第1操舵角θ1をこれと異なる第2操舵角θ2に変更するようにすれば、仮に、交差点CSの中央CCS付近において一時停止又は徐行しているときに後方車両61に追突された場合にも、前輪52の操舵角が第2操舵角θ2になっているので、第1操舵角θ1に沿って対向車線に押し出されることがなく、つまり、第2操舵角θ2に沿って自車両50が押し出される。その結果、自車両50が対向車線に押し出されることがない。つまり、対向車との正面衝突を避けることができる。一方、後方車両61が激しく衝突した際は、前輪52が回ることなく対向車線へ押し出されてしまうことも想定される。その場合においても、本実施形態の構成によれば、前輪52が第2操舵角θ2となっているので、当該前輪52が地面と摩擦してストッパとして機能し、自車両50の飛び出し距離を短くすることができる。その結果、対向車線へ押し出される影響を低減することができる。
図5に示すように、操舵角変更状況が認知されたときに採用される第2操舵角θ2は、第1操舵角θ1よりも前輪52の方向を車線直進方向DRsに近い方向に変更する角度とすることが好ましい。なお、自車両50が交差点CSにおいて曲がるために一時停止又は徐行しているときには、図5の例のように、自車両50の前後方向が車線直進方向DRsから傾いている場合が多い。このような場合を考慮すると、変更後の第2操舵角θ2は、前輪52の方向を、自車両50の前後方向に平行な方向(「ニュートラル方向Dn」と呼ぶ)とする角度、又は、ニュートラル方向Dnを挟んで第1操舵角θ1が示す方向D1とは反対側の方向D2とする角度であることが好ましい。図5の例では、第1操舵角θ1は、進行方向を右に曲げる操舵角であり、第2操舵角θ2は、前輪52の方向を車線直進方向DRsに向ける操舵角である。なお、第2操舵角θ2による前輪52の方向は、車線直進方向DRsに近いことが好ましく、例えば、車線直進方向DRsと成す角度が±10度程度の範囲の方向とすることが好ましい。こうすれば、自車両50が後方から他車両に追突された場合にも、第1操舵角θ1に従って対向車線に押し出される可能性を更に低減できる。なお、第2操舵角θ2の値は、交差点の大きさや、道路幅、自車両50の車速、及び、後方車両61の車速等の1つ以上のパラメータに応じて適宜決定可能である。
図2に戻り、ステップS120において操舵角変更状況が認知されると、ステップS130において第1操舵角θ1が第2操舵角θ2に変更される。次のステップS140では、自車両50が進行を開始するか否かが判断される。この判断は、例えば、交差点CSにおいて後方車両61に追突される可能性が無く、かつ、周囲の交通状況の変化に応じて自車両50の進行を開始できるようになった場合に肯定される。なお、自車両50が「進行を開始する」とは、図2のステップS200における車速の値を超えることを意味する。例えば、ステップS200において自車両50が停止していた場合には、「進行を開始する」ことは、車速を0でない値にすることを意味する。また、ステップS200において自車両が所定速度以下で徐行していた場合には、「進行を開始する」ことは、その徐行速度を超える車速にすることを意味する。ステップS140は、その判断が肯定されるまで所定時間毎に繰り返される。
ステップS140の判断が肯定されると、ステップS150において、自動運転制御部210は、自車両50の車輪に駆動力を付与するように駆動部制御装置310に指示を送信する。その後、ステップS160において、自動運転制御部210は、第2操舵角θ2を元の第1操舵角θ1に戻すように操舵角制御装置330に指示を送信する。このように、第1実施形態では、ステップS150において自車両50の車輪に駆動力が付与されるまで第2操舵角θ2が保持される。こうすれば、車輪が動き始めてから操舵角を変更するので、車輪への損傷を抑制することができ、また、操舵角制御装置330の消費電力も抑制できる。但し、ステップS150とステップS160の実行順序を逆にしてもよい。こうすれば、自動運転の元の走行予定経路PR1により近い経路に沿って自車両50を走行させることができる。
以上のように、第1実施形態では、自車両50の速度が所定値以下であること、という条件1を含む予め定められた操舵角変更状況が状況認知部220によって認知された場合に、走行予定経路に沿った第1操舵角θ1を第2操舵角θ2に変更するので、自車両50の停止中や徐行中に後方から他の車両に追突された場合にも第1操舵角θ1に従って対向車線に押し出される可能性を低減できる。この結果、追突による影響を緩和することが可能である。
B. 第2実施形態:
図6に示すように、第2実施形態では、ステップS120(図2)の操舵角変更状況の判定の詳細手順が第1実施形態(図3)と異なるが、図2に示した操舵角変更処理の全体の手順は、第1実施形態と同じである。すなわち、第2実施形態では、図2の手順で操舵角変更処理の全体が実行され、図2のステップS120の判定が図6の詳細手順で実行される。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。この点は、後述する他の実施形態も同様である。
図6が図3と異なる点は、ステップS220とステップS230の間に、ステップS300が追加されている点である。ステップS300では、予め定められた後方衝突条件が成立するか否かが判断される。後方衝突条件が成立する場合には、ステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、後方衝突条件が成立しない場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。後方衝突条件の判断手順の一例は、図7に示されている。
図7に示すように、ステップS310では、後方車両61の車速が予め定められた閾値以上であり、かつ、自車両50と後方車両61との間の距離が所定値以下である、という条件が成立するか否かが判断される。後方車両61が存在するか否かと、後方車両61の車速及び距離とを含む後方状況は、後方検出装置420(図1)から提供される情報に従って後方認知部226によって認知される。ステップS310の判断が肯定される場合には、後方車両61から追突される可能性があるので、ステップS320において後方衝突条件が成立するものと判定される。一方、ステップS310の判断が否定される場合には、ステップS330において後方衝突条件が不成立と判定される。
後方衝突条件が成立した場合には、図6のステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、後方衝突条件が不成立の場合には、図6のステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。この後の処理手順は、第1実施形態における図2のステップS130以降と同様である。
以上のように、第2実施形態では、操舵角変更状況として、自車両50の走行条件に関する走行状況条件が成立することに加えて、後方車両の状況に関する後方衝突条件が成立することを含む操舵角変更状況を採用するので、後方衝突の可能性がある場合にのみ、第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更する。この結果、不要な操舵角の変更を行わないので、ドライバに不安感を与えることを抑制できる。
C. 第3実施形態:
図8に示すように、第8実施形態では、ステップS120(図2)の操舵角変更状況の判定の詳細手順が第1実施形態(図3)や第2実施形態(図6)と異なる。図2に示した操舵角変更処理の全体の手順は、第1実施形態と同じである。また、ステップS300の後方衝突条件の詳細手順は、第2実施形態の図7と同じである。すなわち、第3実施形態では、図2の手順で操舵角変更処理の全体が実行され、図2のステップS120の判定が図8の詳細手順で実行される。また、図8のステップS300の判定は、第2実施形態と同じ図7の詳細手順で実行される。
図8が図6と異なる点は、ステップS300とステップS230の間に、ステップS400が追加されている点である。ステップS400では、予め定められた前方衝突条件が成立するか否かが判断される。前方衝突条件が成立する場合には、ステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、前方衝突条件が成立しない場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。前方衝突条件の判断手順の一例は、図9に示されている。
図9に示すように、ステップS410では、自車両50が第1操舵角θ1の状態で追突を受けたと仮定した場合に、追突により前方に飛び出した自車両50が通過する領域(以下、「飛び出しエリアFA」と呼ぶ)が算出される。
図10に示すように、飛び出しエリアFAは、自車両50が追突を受けたときに、旋回中心CCを中心とした円RCに沿って自車両50の車幅が描く領域として計算可能である。旋回円RCの半径Rは、例えば以下の式で算出できる。
R=L/sin(θ1) …(1)
ここで、Lは自車両50のホイールベースである。
飛び出しエリアFAの幅Wfaは、半径Rに沿って自車両50の車幅が描く領域の幅である。飛び出しエリアFAの長さLfaは、飛び出しエリアFAの中心が辿る曲線の長さであり、追突によって自車両50が進行して停止するまでの距離である。
飛び出しエリアFAの半径Rは、上記(1)式で求めた値を基準として、第1操舵角θ1やその他のパラメータ(例えば後方車両61の車速や重量、自車両50の重量)を考慮して、実験的・経験的に補正した値に設定してもよい。飛び出しエリアFAの幅Wfaや、飛び出しエリアFAの長さLfaも同様である。なお、飛び出しエリアFAの長さLfaは、後方車両61の車速が高いほど大きく設定することが好ましい。飛び出しエリアFAの長さLfaは、交差点CSの歩道の端に達する位置までとしてもよい。
飛び出しエリアFAの半径Rと幅Wfaと長さLfaは、後方車両61の車速や重量、及び、自車両50の重量や第1操舵角θ1等の1つ以上のパラメータを入力とし、飛び出しエリアFAの半径Rと幅Wfaと長さLfaを出力とするマップやルックアップテーブルとして予め作成し、図示しない不揮発性メモリに格納しておくようにしてもよい。なお、飛び出しエリアFAの算出に使用する各種のパラメータは、支援情報取得部400の機能を利用して取得可能である。例えば、後方車両61の車速や重量は、車車間通信によって後方車両61から直接取得することが可能である。
図9のステップS420では、飛び出しエリアFA内で自車両50が他の物体と衝突する可能性があるか否かが判断される。衝突する可能性がある場合には、ステップS430において前方衝突条件が成立したものと判定される。一方、衝突する可能性が無い場合には、ステップS440において前方衝突条件が成立しないものと判定される。前方衝突の状況の一例は、図11に示されている。
図11に示すように、自車両50の一時停止中に、前方から他の車両(「前方車両62」と呼ぶ)が交差点CSに近づきつつある状態を考える。図11において、
X1は、現在時刻(T=0)における後方車両61から自車両50までの距離、
V1は、後方車両61の車速、
X2は、現在時刻(T=0)における前方車両62から飛び出しエリアFAの外縁までの距離、
V2は、前方車両62の車速、
X3は、追突されてから前方車両62に衝突するまでの自車両50の推定移動距離である。
このとき、例えば、以下の(2)式が成立する場合に、ステップS420の判断が肯定される。
−α<T2−(T1+T3)<β …(2)
ここで、
α,βは所定の時間マージン、
T1は、後方車両61による追突までの時間(T1=X1/V1)、
T2は、前方車両62が飛び出しエリアFAに到達するまでの時間(T2=X2/V2)、
T3は、自車両50が追突されてから前方車両62に衝突するまでの推定時間(T3=X3/(k×V2))、である。
なお、時間T3の算出に用いる係数kは、1未満の係数である。この係数kは、例えば自車両50の重量と、後方車両61の車速及び重量とのうちの1つ以上のパラメータに応じて決定されるようにしてもよく、あるいは、所定の一定値に設定してもよい。
図12は、上記(2)式の意味を示している。ここでは、現在時刻(T=0)から時間T1経過後の時刻T1において自車両50に追突が発生し、更に時間T3経過後の時刻(T1+T3)に、飛び出しエリアFA内の地点PP(図11)に自車両50が到達すると推定される。この地点PPは、例えば、飛び出しエリアFAの中央を通る旋回円RCと、前方車両62の直進進路との交点位置である。一方、前方車両62は、現在時刻(T=0)から時間T2経過後の時刻T2に、飛び出しエリアFAに到達すると推定される。このとき、自車両50が地点PPに到達する時刻(T1+T3)と、前方車両62が飛び出しエリアFAに到達する時刻T2との差が所定の範囲内にあるときには、自車両50と前方車両62が衝突する可能性が高い。上述した(2)式は、このような衝突可能性の高い関係を示している。なお、αは、前方車両62が自車両50よりも先に飛び出しエリアFAを通り抜けるための時間マージンであり、βは、前方車両62が飛び出しエリアFAに到着するよりも先に自車両50が飛び出しエリアFAを通り抜けるための時間マージンである。時間マージンα,βは、いずれも正の値であり、例えば2〜3秒の範囲、又は5〜10秒の範囲の値に設定可能である。前方衝突が発生する可能性を安全側に見積もりたい場合には、時間マージンα,βが大きな値(例えば5〜10秒の範囲)に設定される。
なお、図11の判定において、飛び出しエリアFA内で自車両50と衝突する可能性のある他の物体(前方車両62や人など)が停止している場合には、その速度V2はゼロである。この場合には、時間T2をゼロとして上記(2)式の判定を実行することができる。この際、他の物体が飛び出しエリアFA内に存在する場合にのみ、前方衝突条件が成立するものと判定するようにしても良い。
ステップS420で使用される各種のパラメータは、必要に応じて支援情報取得部400によって取得される。ステップS420で考慮される「他の物体」としては、車両や、歩行者、道路設備(信号機や道路標識)等が考慮される。なお、衝突可能性のある物体が歩行者や車両の場合には、衝突を避ける必要性がより高いので、ステップS420において歩行者又は車両のみを「他の物体」として考慮するようにしてもよい。
図9に戻り、ステップS420の判断が肯定される場合には、前方の物体と衝突する可能性があるので、ステップS430において前方衝突条件が成立するものと判定される。一方、ステップS420の判断が否定される場合には、ステップS440において前方衝突条件が成立しないものと判定される。
前方衝突条件が成立した場合には、図8のステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、前方衝突条件が不成立の場合には、図6のステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。この後の処理手順は、第1実施形態における図2のステップS130以降と同様である。
なお、図8の手順において、ステップS300を省略し、ステップS220の後に直ちにステップS400における前方衝突条件の成立の有無を判断してもよい。この場合には、図10〜図12で説明した計算や予測において、後方車両61に関するパラメータ(速度や重量、距離)は、予め設定したデフォールト値を使用することが可能である。また、図8の手順において、ステップS300とステップS400の実行順序を入れ替えて、ステップS400をステップS300の前に実行するようにしてもよい。但し、図8に示すように、ステップS300の後にステップS400を実行するようにすれば、後方車両61に関するパラメータ(車速等)をステップS400の判定に利用できるので、飛び出しエリアFAをより精度良く計算することができるという利点がある。
以上のように、第3実施形態では、操舵角変更状況として、自車両50の走行条件に関する走行状況条件が成立することに加えて、後方車両に関する後方衝突条件が成立することと、前方の物体に関する前方衝突条件が成立することと、を含む操舵角変更状況を採用するので、後方衝突に起因する前方衝突の可能性がある場合にのみ、第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更する。この結果、不要な操舵角の変更を行う可能性が第2実施形態よりも低下し、ドライバに不安感を与えることを更に抑制できる。
D. 第4実施形態:
図13に示すように、第4実施形態は、第2実施形態の図7に示した後方衝突条件の詳細手順を変更したものである。第4実施形態では、後方衝突条件の判定手順が第2実施形態の手順(図7)と異なるが、図6で説明した操舵角変更処理の処理手順は第2実施形態と同じである。すなわち、第4実施形態では、図2の手順で操舵角変更処理の全体が実行され、図2のステップS120の判定が図6の詳細手順で実行され、図6のステップS300の判定が図13の詳細手順で実行される。なお、第4実施形態において、図2のステップS120の詳細手順として、図6で説明した第2実施形態の手順の代わりに、図8で説明した第3実施形態の手順を使用してもよい。
図13が図7と異なる点は、ステップS310とステップS320の間に、ステップS311〜S315が追加されている点である。ステップS310では、後方車両61の車速が予め定められた閾値以上であり、かつ、自車両50と後方車両61との間の距離が第1所定値以下である、という条件が成立するか否かが判断される。このステップS310は、図7で説明したステップS310における「所定値」を「第1所定値」に変更したものであり、実質的に図7のステップS310と同じである。ステップS310の判断が否定される場合には、ステップS330において後方衝突条件が不成立と判定される。このときには、図6のステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されず、図2の処理も終了する。一方、ステップS310の判断が肯定される場合には、ステップS311に進む。
ステップS311では、自動運転制御部210は、ドライバ警告部500に、後方車両61が自車両50に接近していることをドライバに警告させる。この警告は、例えば、警告音声の発生や、警告画像の表示によって行うことが可能である。このとき、後方車両61の車速が所定車速以上であることや、追突までの予想時間などの他の情報を併せて警告してもよい。
ステップS312では、自動運転制御部210は、ドライバ状態検出部510に、ドライバ(運転者)の状態を判定させる。具体的には、例えば、車内カメラ(図示省略)を用いてドライバの顔面を撮影し、撮影画面を分析してドライバの目、鼻、口の位置を特定する。次に、ドライバの目、鼻、口の位置に基づき、ドライバの焦点方向を特定する。ここで、「ドライバの焦点方向」とは、ドライバの注意が向いている方向を意味する。なお、焦点方向の特定のために、顔面認識を利用してドライバを識別し、予め設定されたドライバ固有の設定値を利用して焦点方向を決定してもよい。ドライバ状態検出部510は、ドライバの焦点方向を利用して、ドライバの注意深さ(注意散漫か否か)を判定することが可能である。また、ドライバ状態検出部510は、瞬目率(目の開閉の頻度)や、頭部の動きを注意深さの判定に利用しても良い。
ステップS313では、後方車両61の車速が予め定められた閾値以上であり、かつ、自車両50と後方車両61との間の距離が第2所定値以下である、という条件が成立するか否かが判断される。ステップS313で用いる距離の第2所定値は、ステップS311で用いた第1所定値よりも小さな値である。なお、車速の閾値はステップS311と同じ値を使用可能であるが、ステップS311と異なる値を使用してもよい。ステップS313の判断が否定される場合には、ステップS330において後方衝突条件が成立しないものと判定される。このときには、図6のステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されず、図2の処理も終了する。一方、ステップS313の判断が肯定される場合には、後方車両61に追突される可能性があるため、ステップS314に進む。
なお、ステップS313を省略して、ステップS312の後に直ちにステップS314を実行するようにしてもよい。また、ステップS312とステップS313の実行順序を逆にしてもよい。但し、ステップS312の後にステップS313を実行するようにすれば、後方車両61による追突に備えてより迅速な対応を行うことが可能である。一方、ステップS312の前にステップS313を実行するようにすれば、ステップS313の判断が否定されたときにドライバ状態の判定を行うことなく処理が終了するので、自動運転ECU200における演算負荷を低減できる。
ステップS314では、ドライバ状態検出部510によって検出されたドライバの状態が、ドライバが追突に対応可能な状態であるか否か、具体的には、後方車両61による自車両50への衝突に備えた操作をドライバが行うことが可能な状態であるか否か、が判断される。この判断は、ステップS312で検出されたドライバの状態を表す各種のパラメータ(ドライバの焦点方向や注意深さ)に基づいて総合的に行うことが可能である。ドライバが追突に対応可能な状態に無いと判定される場合には、ステップS320において、後方衝突条件が成立するものと判定される。一方、ドライバが追突に対応可能な状態であると判定される場合には、ステップS315に進む。
ステップS315では、自動運転制御部210が、自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能をドライバに委譲する。自動運転の制御機能の主なものは、駆動部制御機能と、ブレーキ制御機能と、操舵角制御機能の3つである。すなわち、「自動運転の制御機能」とは、各制御装置310,320,330(図1)に指示値を送信して制御動作を行わせる機能である。追突の可能性がある場合に、ドライバの操作によって追突による被害を減少させるためには、前輪の方向を変更するための操舵角制御が重要であると考えられる。そこで、ステップS315では、自動運転の制御機能のうち、少なくとも操舵角制御機能をドライバに委譲することが好ましい。なお、ステップS315では、操舵角制御機能に加えて、駆動部制御機能とブレーキ制御機能の一方又は両方をドライバに委譲するようにしても良い。制御機能を委譲すると、ステップS330に進み、後方衝突条件が成立しないものと判定される。
後方衝突条件が成立した場合には、図6のステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、後方衝突条件が不成立の場合には、図6のステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。この後の処理手順は、第1実施形態における図2のステップS130以降と同様である。
以上のように、第4実施形態では、自動運転制御部210は、ドライバ状態検出部510によって検出されたドライバの状態が、後方車両61による自車両50への衝突に備えた操作をドライバが行うことが可能な状態である場合には、後方衝突条件が成立しないものと判定する。また、自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能をドライバに委譲する。従って、ドライバが追突に対応可能な場合には、ドライバの操作によって追突による被害を減少させることができる。
E. 第5実施形態:
図14に示すように、第5実施形態では、第1車線DL1を走行してきた自車両50が、第1車線DL1と合流する第2車線DL2に進入する状態を想定する。ここでは、自車両50の現在位置は、第1車線DL1と第2車線DL2の合流の手前の位置であり、自車両50は一時停止中又は徐行中である。自車両50の後方には、後方車両61が接近してくる可能性がある。また、第2車線DL2では、他の車両63が合流地点に向かって走行中である。このような他の車両63の走行状況は、例えば高度道路交通システム70や車車間通信を利用して他の車両63に関する情報を取得し、この情報を利用して状況認知部220が認知することが可能である。このような状況下では、自車両50が後方車両61に追突されると、第2車線DL2を走行する他の車両63と衝突する可能性がある。図15に示す操舵角変更状況の判定手順は、このような状況において衝突の影響を低減するために実行される。
図15に示すように、第5実施形態では、ステップS120(図2)の操舵角変更状況の判定の詳細手順が第1実施形態(図3)と異なるが、図2に示した操舵角変更処理の全体の手順は、第1実施形態と同じである。すなわち、第5実施形態では、図2の手順で操舵角変更処理の全体が実行され、図2のステップS120の判定が図15の詳細手順で実行される。
図15が図3と異なる点は、図3のステップS210,S220が省略されて、ステップS200とステップS230の間に、ステップS215,S300,S500が追加されている点である。ステップS215では、自車両50が第1車線DL1と第2車線DL2の合流の手前の位置であるか否かが判断される。この判断は、例えば、自車両50の現在位置が、車線の合流地点から所定の範囲内にあるか否かによって行われる。ステップS215の判断が否定されると、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。一方、ステップS215の判断が肯定されると、ステップS300において、後方衝突条件が成立するか否かが判断される。このステップS300は、第2実施形態で説明した図7の手順、又は、第4実施形態で説明した図13の手順で実行される。後方衝突条件が不成立の場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。一方、後方衝突条件が成立する場合には、ステップS500において、予め定められた合流衝突条件が成立するか否かが判断される。
ステップS500における合流衝突条件の判断は、例えば、自車両50が第1操舵角θ1の状態で追突を受けたと仮定した場合に、追突により前方に飛び出した自車両50が通過する領域を飛び出しエリアとして算出し、その飛び出しエリア内で自車両50が第2車線DL2を走行してくる他の車両63と衝突する可能性があるか否か、を決定することによって判断される。この判断は、第3実施形態において図10〜図12を用いて説明した手法に準じて行うことが可能なので、ここではその詳細な説明は省略する。
合流衝突条件が成立する場合には、ステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、合流衝突条件が成立しない場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。なお、図15の手順において、ステップS300を省略し、ステップS215の後に直ちにステップS500における合流衝突条件の成立の有無を判断してもよい。
なお、第5実施形態において、操舵角変更状況が認知された場合に採用される第2操舵角θ2は、図14に例示するように、第1操舵角θ1よりも、自車両50が第2車線DL2から遠ざかる方向に進行するように設定されることが好ましい。こうすれば、合流時の衝突の可能性を更に低減できる。
以上のように、第5実施形態では、自車両50の現在位置が第1車線DL1と第2車線DL2の合流の手前の位置である場合に、自車両50が追突を受けて他の車両63と衝突する可能性があることを示す合流衝突条件を満たした場合に、自車両50の操舵角を走行予定経路に沿った第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更する。従って、自車両50が第1車線DL1と第2車線DL2の合流の手前の位置において一時停止中又は徐行中であるときに追突された場合にも、第1操舵角θ1に従って第2車線DL2に押し出される可能性を低減できる。この結果、追突による影響を緩和することが可能である。
F. 第6実施形態:
図16に示すように、第6実施形態では、第1車線DL1を走行してきた自車両50が、車両の走行のための道路(車線)では無いスペース(「非車線スペース」と呼ぶ)に移動する状態を想定する。この例では、非車線スペースは、店舗STの前の歩道PLである。なお、非車線スペースとしては、歩道の他に、駐車場などの各種のスペースを想定可能である。自車両50の現在位置は、第1車線DL1から非車線スペースとしての歩道PLに移動する手前の位置であり、自車両50は一時停止中又は徐行中である。自車両50の後方には、後方車両61が接近してくる可能性がある。また、歩道PLには、人や自転車のような他の物体64が存在する可能性がある。この物体64は、自車両50が第1車線DL1から非車線スペースとしての歩道PLに移動する経路に進行可能である。このような他の物体64の状況は、例えば前方検出装置410を用いて検出し、その検出結果を利用して前方認知部224が認知することが可能である。このような状況下では、自車両50が後方車両61に追突されると、歩道PLにいる他の物体64と衝突する可能性がある。図17に示す操舵角変更状況の判定手順は、このような状況において衝突の影響を低減するために実行される。
図17に示す第6実施形態における操舵角変更状況の判定手順は、図15に示した第5実施形態のステップS215とステップS500を、ステップS216とステップS600にそれぞれ置き換えたものに相当する。図2に示した操舵角変更処理の全体の手順は、第1実施形態と同じである。すなわち、第6実施形態では、図2の手順で操舵角変更処理の全体が実行され、図2のステップS120の判定が図17の詳細手順で実行される。
ステップS216では、自車両50の現在位置が、非車線スペースへの移動の手前の位置であるか否かが判断される。ステップS216の判断が否定されると、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。一方、ステップS216の判断が肯定されると、ステップS300において、後方衝突条件が成立するか否かが判断される。このステップS300は、第2実施形態で説明した図7の手順、又は、第4実施形態で説明した図13の手順で実行される。後方衝突条件が不成立の場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。一方、後方衝突条件が成立する場合には、ステップS600において、予め定められた衝突条件が成立するか否かが判断される。
ステップS600における衝突条件の判断は、例えば、自車両50が第1操舵角θ1の状態で追突を受けたと仮定した場合に、追突により前方に飛び出した自車両50が通過する領域を飛び出しエリアとして算出し、その飛び出しエリア内で自車両50が他の物体64と衝突する可能性があるか否か、を決定することによって判断される。この判断は、第3実施形態において図10〜図12を用いて説明した手法に準じて行うことが可能なので、ここではその詳細な説明は省略する。
衝突条件が成立する場合には、ステップS230に進み、状況認知部220によって操舵角変更状況が認知される。一方、衝突条件が成立しない場合には、ステップS240に進み、操舵角変更状況は認知されない。なお、図17の手順において、ステップS300を省略し、ステップS216の後に直ちにステップS600における衝突条件の成立の有無を判断してもよい。
なお、第6実施形態において、操舵角変更状況が認知された場合に採用される第2操舵角θ2は、図16に例示するように、第2操舵角θ2で示される前輪の方向が、第1操舵角θ1で示される方向よりも、第1車線DL1の車線直進方向DRsに近づくように設定されることが好ましい。こうすれば、他の物体64との衝突の可能性を更に低減できる。
以上のように、第6実施形態では、自車両50の現在位置が、車両の走行のための車線から非車線スペースに移動する手前の位置であり、かつ、自車両50が追突を受けて他の物体64と衝突する可能性があることを示す衝突条件を満たした場合に、走行予定経路に沿った第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更する。従って、自車両50が非車線スペースに移動する手前の位置において一時停止中又は徐行中であるときに追突された場合にも、第1操舵角θ1に従って自車両50が飛び出すことによって、他の物体64と衝突する可能性を低減できる。この結果、追突による影響を緩和することが可能である。
G. 変形例
本発明は上述した実施形態やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記第1〜第4実施形態では、後方車両61は自車両50と同じ車線を走行する車両であったが、後方車両61が隣の車線を走行する車両であっても良い。図18〜図20には、自車両50の車線DLaの隣の車線DLbを走行する後方車両61が自車両50に衝突する例を示している。図18は、隣の車線DLbを直進する後方車両61がその車線DLbをはみ出して走行して、自車両50に衝突してしまう例である。図19は、自車両50がその車線DLaからはみ出した状態で一時停止している場合に、隣の車線DLbを直進する後方車両61が自車両50に衝突してしまう例である。図20は、自車両50が少し旋回し、その左側後方部が隣の車線DLbにはみ出した状態で停止している場合に、隣の車線DLbを直進する後方車両61が自車両50に衝突してしまう例である。これらの場合にも、自車両50の操舵角を、走行予定経路PR1に沿った第1操舵角θ1からこれとは異なる第2操舵角θ2にしておくことで、自車両50が対向車線側へ押し出されることを抑制できる。
なお、図18及び図19の例に示すように、交差点CS内にいる自車両50は傾いていない場合もある。そして、自車両50は、まだハンドルを切る前の状態である場合がある。この場合には、第1操舵角θ1は、車線DLaの直進方向に沿った操舵角となり、ニュートラルな状態にある。その場合においても、隣の車線DLbを走行する後方車両61の部分衝突による対向車線への押し出しに備えて、車輪の方向を、ニュートラル方向を挟んで第1操舵角θ1が示す方向とは反対側の方向となるように第2操舵角θ2を設定すれば、対向車線への押し出しを抑制することができる。
(2)上記各実施形態では、前輪をステアリング操作している車両について説明したが、後輪をステアリング操作する車両にも、本発明は適用できる。
(3)上記各実施形態で説明したステップの一部を適宜省略したり、実行順序を変更したりすることが可能である。また、各実施形態を任意に組み合わせることが可能である。例えば、第1〜第4実施形態で説明した交差点における処理のいずれか一つと、第5実施形態で説明した合流地点における処理と、第6実施形態で説明した非車線スペースへの進入時における処理と、のうちの任意の2つ以上の処理を、同一の自動運転制御システムで実現するようにしてもよい。
50…自車両、52…前輪、60…他車両、61…後方車両、62…前方車両、63…他車両、64…物体、70…高度道路交通システム、100…自動運転制御システム、200…自動運転ECU、210…自動運転制御部、220…状況認知部、222…走行状況認知部、224…前方認知部、226…後方認知部、300…車両制御部、310…駆動部制御装置、320…ブレーキ制御装置、330…操舵角制御装置(操舵角制御部)、340…一般センサ類、342…車速センサ、344…操舵角センサ、400…支援情報取得部、410…前方検出装置、420…後方検出装置、430…GPS装置、440…ナビゲーション装置、450…無線通信装置、500…ドライバ警告部、510…ドライバ状態検出部、520…警告装置

Claims (8)

  1. 自車両(50)を走行予定経路に沿って走行させる自動運転を実行する自動運転制御システム(100)であって、
    前記自車両の車輪(52)の操舵角を制御する操舵角制御部(330)と、
    前記走行予定経路における前記自車両の状況を認知可能な状況認知部(220)と、
    前記操舵角制御部に対し操舵角を指示し前記自動運転の制御を行う自動運転制御部(210)と、
    を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動運転中において、前記状況認知部が前記自車両の速度が所定値以下であること、という条件が成立することを含む予め定められた操舵角変更状況を認知した場合に、前記操舵角制御部に対し指示する前記操舵角を、前記走行予定経路に沿った第1操舵角(θ1)から前記第1操舵角と異なる第2操舵角(θ2)に変更し、
    前記状況認知部は、更に、前記自車両の後方を走行する後方車両(61)の近接状況を認知可能であり、
    前記操舵角変更状況は、更に、前記後方車両の近接状況が予め設定された後方衝突条件を満たすことを含み、
    前記自動運転制御システムは、更に、
    前記自車両のドライバの状態を検出するドライバ状態検出部(510)を備え、
    前記ドライバ状態検出部によって検出された前記ドライバの状態が、前記後方車両による前記自車両への衝突に備えた操作を前記ドライバが行うことが可能な状態である場合には、前記状況認知部が前記後方衝突条件が成立しないものと判定するとともに、前記自動運転制御部が前記自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能を前記ドライバに委譲する、
    自動運転制御システム。
  2. 請求項1に記載の自動運転制御システムにおいて、
    前記操舵角変更状況は、更に、前記自車両の現在位置が交差点の中央から所定の範囲内に存在すること、という条件が成立することを含む、自動運転制御システム。
  3. 請求項2に記載の自動運転制御システムにおいて、
    前記第1操舵角は、前記自車両の車輪の方向を前記交差点における車線直進方向と異なる方向に向ける角度であり、
    前記第2操舵角は、前記第1操舵角よりも前記車輪の方向を前記車線直進方向に近い方向に変更する角度である、自動運転制御システム。
  4. 請求項3に記載の自動運転制御システムにおいて、
    前記第2操舵角は、前記車輪の方向を、前記自車両の前後方向に平行なニュートラル方向とする角度、又は、前記ニュートラル方向を挟んで前記第1操舵角が示す方向とは反対側の方向とする角度である、自動運転制御システム。
  5. 自車両(50)を走行予定経路に沿って走行させる自動運転を実行する自動運転制御システム(100)であって、
    前記自車両の車輪(52)の操舵角を制御する操舵角制御部(330)と、
    前記走行予定経路における前記自車両の状況を認知可能な状況認知部(220)と、
    前記操舵角制御部に対し操舵角を指示し前記自動運転の制御を行う自動運転制御部(210)と、
    を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動運転中において、前記状況認知部が前記自車両の速度が所定値以下であること、という条件が成立することを含む予め定められた操舵角変更状況を認知した場合に、前記操舵角制御部に対し指示する前記操舵角を、前記走行予定経路に沿った第1操舵角(θ1)から前記第1操舵角と異なる第2操舵角(θ2)に変更し、
    前記状況認知部は、更に、前記自車両の後方を走行する後方車両(61)の近接状況を認知可能であり、
    前記操舵角変更状況は、更に、前記後方車両の近接状況が予め設定された後方衝突条件を満たすことを含み、
    前記状況認知部は、更に、前記自車両の前方にある前方物体(62)を認知可能であり、
    前記操舵角変更状況は、更に、
    前記自車両が前記後方車両の追突を受けて前記前方物体と衝突する可能性があることを示す前方衝突条件を満たすことを含み、前記状況認知部が前記前方物体を認識せず前記前方衝突条件が成立しない場合には、前記操舵角の変更を行わず、
    前記自動運転制御システムは、更に、
    前記自車両のドライバの状態を検出するドライバ状態検出部(510)を備え、
    前記ドライバ状態検出部によって検出された前記ドライバの状態が、前記後方車両による前記自車両への衝突に備えた操作を前記ドライバが行うことが可能な状態である場合には、前記状況認知部が前記後方衝突条件が成立しないものと判定するとともに、前記自動運転制御部が前記自動運転の制御機能のうちの操舵角制御機能を含む少なくとも一部の制御機能を前記ドライバに委譲する、自動運転制御システム。
  6. 自車両(50)を走行予定経路に沿って走行させる自動運転を実行する自動運転制御システム(100)であって、
    前記自車両の車輪(52)の操舵角を制御する操舵角制御部(330)と、
    前記走行予定経路における前記自車両の状況を認知可能な状況認知部(220)と、
    前記操舵角制御部に対し操舵角を指示し前記自動運転の制御を行う自動運転制御部(210)と、
    を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動運転中において、前記状況認知部が前記自車両の速度が所定値以下であること、という条件が成立することを含む予め定められた操舵角変更状況を認知した場合に、前記操舵角制御部に対し指示する前記操舵角を、前記走行予定経路に沿った第1操舵角(θ1)から前記第1操舵角と異なる第2操舵角(θ2)に変更し、
    前記自車両が位置する第1車線(DL1)と合流する第2車線(DL2)が存在し、前記第2車線が本線で前記第1車線が側線であり、前記自車両の現在位置が前記第1車線と前記第2車線の合流の手前の位置である場合に、
    前記状況認知部は、更に、前記第2車線を走行する他の車両(63)の走行状況の認知を行うことが可能であり、
    前記操舵角変更状況は、更に、
    前記自車両が追突を受けて前記他の車両と衝突する可能性があることを示す合流衝突条件を満たすことを含む、自動運転制御システム。
  7. 自車両(50)を走行予定経路に沿って走行させる自動運転を実行する自動運転制御システム(100)であって、
    前記自車両の車輪(52)の操舵角を制御する操舵角制御部(330)と、
    前記走行予定経路における前記自車両の状況を認知可能な状況認知部(220)と、
    前記操舵角制御部に対し操舵角を指示し前記自動運転の制御を行う自動運転制御部(210)と、
    を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動運転中において、前記状況認知部が前記自車両の速度が所定値以下であること、という条件が成立することを含む予め定められた操舵角変更状況を認知した場合に、前記操舵角制御部に対し指示する前記操舵角を、前記走行予定経路に沿った第1操舵角(θ1)から前記第1操舵角と異なる第2操舵角(θ2)に変更し、
    前記自車両の現在位置が、車両の走行のための車線から非車線スペースに移動する手前の位置である場合に、
    前記状況認知部は、更に、前記自車両が前記車線から前記非車線スペースに移動する経路に進行可能な他の物体(64)を認知可能であり、
    前記操舵角変更状況は、更に、
    前記自車両が追突を受けて前記他の物体と衝突する可能性があることを示す衝突条件を満たすことを含み、前記状況認知部が前記他の物体を認識せず前記衝突条件が成立しない場合には、前記操舵角の変更を行わない、自動運転制御システム。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の自動運転制御システムにおいて、
    前記自動運転制御部は、前記自車両の停止中に前記操舵角制御部に前記第1操舵角から前記第2操舵角への変更を行わせた場合に、前記自車両の走行を開始する際に前記自車両の車輪に駆動力が付与されるまで前記操舵角制御部に前記第2操舵角を保持させる、自動運転制御システム。
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