JP6900613B2 - 振動測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、切削加工装置等に用いる回転工具の異常振動をリアルタイムで検出することができる振動測定装置に関するものである。
マシンニング切削加工装置等の加工装置において、被加工物の製品精度や製造効率、加工製品の歩留まりを考慮すると加工時の工具の状態の評価、例えば摩耗や疲労、破損、びびり等の評価することが要求される。従来、ツール評価は、装置メーカや工具メーカがその装置や工具ごとに一般化する評価基準や学術的に標準化された評価基準に基づいて行われていた。これに対して加工時における実際の工具についてのリアルタイム検証はできていなかった。
これに対して出願人は回転工具の加工中の温度測定、さらにこの測定結果に基づく異常予知技術について種々開発し、社会提供してきた(特許文献1、 特許文献2)。一方、工具の破損等の重要な要因として温度以外に振動があることも知られている。しかしながら、これを加工中にリアルタイム評価する具体的な方法が提供されておらず、各加工現場で熟練工の五感(目視等〉にゆだねられている現状があった。したがって、工具や装置に対して標準化された加工条件や熟練工の経験則に基づく加工条件が十分把握されてはおらず、必ずしも高速、高精度な加工が客観的に実現されているとは言えなかった。
国際公開公報WO2015−022967 国際公開公報WO2016−111336
本発明は、切削装置等の回転加工装置で用いる回転工具の異常振動をリアルタイムで検出することができ、工具破損等の予兆検出や加工精度の向上、加工期間の短期化を実行することができる振動測定装置を提供することを目的とする。
具体的に本発明は、主軸と連結され協働して軸回転するツールホルダに把持された回転工具の振動測定装置であって、回転工具の回転軸に対して水平面上に、回転軸に対称に装着された一対の加速度センサと、該加速度センサからの加速度情報を外部に無線送信する送信手段と、を備える。
また、本振動測定装置は、
前記水平面上で回転軸に対して前記一対の加速度センサに対して90°回転した位置に回転軸に対称に装着された一対の加速度センサと、をさらに備えることが好ましい。
上記本振動測定装置では、加速度センサを回転軸に対する水平な面をツールホルダや回転工具等の軸回転要素上に設け、その水平面上に加速度センサを回転軸に対称に配置することで、水平方向、回転方向の加速度を検出することができる。具体的には、回転方向の加速度については回転軸に対称な一対の加速度センサを配設すると測定することができ、水平方向(X,Y方向)の加速度については、これと90°回転した位置にさらに一対の加速度センサを配設すると測定できる。この構成を提供している点が大きく有利な点である。
本振動測定装置によれば、水平方向、回転方向の加速度を検出することができるので、
例えば切削加工時の異常振動をリアルタイムで検出することができ、従来、目視に頼らざるを得なかった工具破損前兆の所謂「びびり」や、タッピング加工時のスティックスリップ現象等の発生を検知することができる。さらに、本振動測定装置で回転速度・送り量・切込量の最適加工条件の探索をすることもでき、背反する事象である加工工程の迅速化、安全化(工具破損防止)を同時に達成・両立させることができる。
なお、ここで「外部に無線送信する」送信手段の「外部」とは、主軸の軸回転と協働して軸回転する部分以外の部分という意味であって、加工装置内であっても良い。望ましくは主軸近傍に送信手段を備え、「外部」の受信手段で、送信された加速度情報を受信し、この情報を外部の記憶・演算装置(パソコン等)で表示・分析する。
次に、本振動測定装置における回転工具の加工の具体的な配設位置例としては次の通りである。それぞれ工具の振動の発生部位に近い状況で振動を捕捉することと、配設し易い位置での振動増幅との両者の相関を加味して例示している。
第1例は、前記加速度センサを装着する水平面は、ツールホルダの下方又はツールホルダと回転工具との間の部材に設定される。
また、第2例は、前記ツールホルダの下方又はツールホルダと回転工具との間の部材に径を細くして上又は下方向に延びる片持ち梁を形成し、前記加速度センサを装着する水平面は、前記片持ち梁の上端に設定される。
第3例は、前記加速度センサを装着する水平面は、回転工具に設けた中空孔の下方に設定される。
第4例は、前記加速度センサを装着する水平面は、回転工具の上端に設定される。
第5例は、前記回転工具の上端に径を細くして上方に延びる片持ち梁を形成し、前記加速度センサを装着する水平面は、前記片持ち梁の上端に設定される。
また、本振動測定装置は、
前記送信手段から外部に送信された加速度情報を受信する外部装置を備え、
前記外部装置は、予め加速度の閾値又は加速度変化の閾値を設定し、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲内か否かを検出することもできる。
この振動測定装置によれば外部に送信された加速度情報を所定の閾値を用いて異常検出することとしている。無線式の外部装置で加速度情報を検出・分析できる点で複数の回転工具を一括管理することも可能である。具体的には、下記のように異常振動信号が検出されたときに装置の停止、警告発信、加工条件の再設定の少なくともいずれかが実行されることが好ましい。
第1の例では、前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、警告する。
第2の例では、前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、前記主軸の軸回転を停止する。
第3の例では,前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、前記主軸の作動条件を変更する。
また、上記振動測定装置は、切削装置の主軸と連結され協働して軸回転するツールホルダに把持された切削工具の振動測定装置であり、前記外部装置は、前記切削工具の被加工物への切込量を固定値に設定した状態で順次、回転数を上昇させながら前記加速度センサで加速度情報を検出し、回転数を上昇させる過程で、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出し,その後にさらに高い回転数で前記閾値の範囲内であることを検出した場合に、その時点での前記切削工具の回転数と切込量とを設定する第一工程と、前記切削工具の回転数を前記第一工程で設定された回転数を固定値に設定した状態で順次、前記切削工具の被加工物への切込量を増加させながら前記加速度センサで加速度情報を検出し、切込量を増加させる過程で、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、その前の時点での前記切削工具の回転数と切込量とを設定する第二工程と、により前記切削工具の最適な作動条件を設定する、こともできる。
従来は異常振動が発生するとその加工速度を緩やかにする方法が採用されており、加工時間と工具破損の安全とは背反する概念と考えられていたが、例えば切削工程において学究的には単に加工速度・切込量が大きくなるほど異常振動が発生するものではなく、両者の相関で決定されることがわかっている。本振動測定装置によれば、リアルタイムで加速度を検出できるため切削装置や被加工物ごとに最適条件を探索していくことを可能としている。
以上,本発明の振動測定装置によれば、回転加工装置で用いる回転工具の異常振動をリアルタイムで検出することができ、工具破損等の予兆検出や加工精度の向上、加工期間の短期化を実行することができる。
(a)には、マシニングセンタの回転主軸に本振動測定装置を備えたツールホルダユニットが把持された状態の写真図が示され、(b)には(a)のツールホルダユニットからのデータを受信し、分析する外部端末の例示写真が示されている。 ツールホルダユニットの縦断面図を示している。 加速度センサの6種類の配置位置を示す模式図である。 (a)にツールホルダユニットの斜視図、(b)に(a)の加速度センサの配設位置において軸垂直に沿った断面図上での加速度センサの配置位置を示している。 (a)に被加工物を切削していく際に発生する負荷と加速度との関係を示しており、(b)は工具から見た加速度を示す図を示している。 本振動測定装置において振動測定する様子を表すブロック図が示されている。 本振動測定装置により工具の振動の測定結果の活用例1(実施例1)を示すグラフ図である。 本振動測定装置を活用し、一般的な加工における異常振動の検出による加工停止フローが示されている。 本振動測定装置を活用し、複数穴連続タッピング加工におけるスティックスリップ検出による加工停止等フローが示されている。
《装置構成例》
図1(a)は、マシニングセンタの回転主軸2に本振動測定装置を備えたツールホルダユニット1が把持された状態の写真図を示している。このツールホルダユニット1は、通常のツールホルダと同様にその上部を回転主軸2に把持され、下部で工具を把持するものであり、通常のツールホルダと異なり、加工中の工具近傍の状態をリアルタイムに検出できる機能を有するユニットとして形成されている。
具体的には、加工中の工具の振動等を測定し、そのデータをデジタル化して外部に送信し、外部端末で受信し、分析する。
図1(b)は、図1(a)のツールホルダユニット1からのデータを受信し、分析する外部端末の例示写真である。レシーバ31はツールホルダユニット1からのデジタルデータを受信し、パソコン32に送信する。レシーバ31から送信されたデータを受信したパソコン32は内部の専用ソフトウェアで処理(又は演算)してディスプレイ上に表示している。
《ツールホルダユニットの構成及び加速度センサの搭載位置》
図2はツールホルダユニット1の縦断面図を示している。図2では紙面上方を回転主軸2側とし、下方が切削工具側とする。ツールホルダユニット1は、ツバ部3aより上方で回転主軸1に入れ子状に挿入・把持されて回転主軸1と協働回転する。また、内部は中空であり下部で工具を把持するチャック5が固定されている。チャック5の上方には部品配置用の空隙3cが設けられ、この空隙3cに電池4が配設されている。この電池4は充電式でもよい。各種センサからのデータは空隙3cに配設された制御基板9でA/D変換されて、貫通孔を介して接続しているツールホルダ本体3の外周部側の無線送信デバイス7から送信される。
なお、各種センサからのデータはツールホルダ本体3の外周部の制御基板でA/D変換されても良い。
各種センサについて、工具内配設の熱電対による温度計測例がすでに開発されてきたが、本発明の主題とする切削工具等の振動検出には加速度センサを用いる。この加速度センサの配設例について説明する。図2の例では切削点の振動をより的確に捉えるために空隙3cの最下端の位置に設けた例を示している。なお、ここで大容積の電池については加速度センサ6よりも回転主軸2(図2の紙面上側)側に収容する構成を一例として挙げておく。以下、加速度センサ6の配置位置例について説明する。
図3は加速度センサ6の6種類の配置位置例を示す模式図である。上述した図2の工具11の後端近傍に加速度センサ6を配置する例は図3(b)に示している。その他、工具振動を測る手法に近い例として図3(a)では工具11の中空内部の先端(下端)に加速度センサ6を装着しており、図3(c)では工具11の後端(上端)に加速度センサ6を装着している。また、図3(d)は工具11の後端(上端)に、振動振幅を増幅せるための片持ち梁11aを形成し、その先端(上端)に加速度センサ6を装着している。また、図3(e)では、工具のチャック5の先端(上端)に装着している。図3(f)では、ツールホルダ本体3内の空隙3cに振動振幅を増幅するための片持ち梁3e又はこれに類似する部品を形成し、その先端に加速度センサ6を装着する例が示されている。
《加速度検出の方向》
図4は(a)にツールホルダユニット1の斜視図が示されており、(b)に(a)の加速度センサ6の配設位置における軸垂直に沿った断面図上(参照番号6の位置)での加速度センサ6の配置関係を示している。図4においてX方向とはそれぞれ矢印xxに示すようにツールホルダユニット本体3に対して軸方向に垂直な任意の横方向の一つであり、Y方向とはそれぞれ矢印yyに示すように矢印xxから軸周りに90°回転した方向である。ここに示す加速度センサ6は圧電式加速度センサであり、回転軸Оを中心に対向する位置に2個で一対となって、それぞれX方向用、Y方向用に直交に二対配設される。
具体的には、図4(b)に示すように、加速度センサ6は、回転軸に水平(垂直)な同一平面上に少なくとも二対で4つ配設されている。一対の加速度センサ6aは軸線中心OにX方向(矢印xx方向)で対向して同距離の位置にそれぞれY方向に対して逆向きの感度を有するように配設されている。また、他の一対の加速度センサ6 b 2、6 b 2も同様に中心OからY方向(矢印yy方向〉で対向して同距離の位置にそれぞれX方向に対して逆向きの感度を有するように配設されている。
ここで二対の加速度センサ6 a、6 bの個々のセンサはそれぞれY1、Y2、X1、X2と図4 (b)では標記している。それぞれのセンサ6a (Y1)、6a(Y2)、6b(X1)、6b(X2)におけるY方向、X方向の加速度Ay1、Ay 2、Ax1、Ax 2 (矢印参照)から、加速度センサ6の配置位置でのチャック5のX方向の加速度Ax、Y方向の加速度Ay、接線方向の加速度Am'、接線方向の角加速度Amは、以下のように算出できる。
Ax = (Ax1-Ax2) /2
Ay = (Ay1-Ay2) / 2
Am' = (Ax1+Ax2) / 2
Am [rev./s2] = Am' [m/s2] / (直径[mm] × 1 0 -3×π) [m]
Am [rad/s2] =Am' [m/s2]/ (直径[mm] × 1 0-3/2) [m]
従って、加速度センサ6を回転軸Оに対称に配置すると、水平方向(x、y)と回転方向の両方の加速度を検出できることがわかる。
《加工と加速度の関係》
また、図5には(a)に被加工物(ワーク)12を切削していく際に発生する負荷と加速度との関係を示しており、(b)はカッター(工具)11から見た加速度を示す図を示している。図5 (a)に示すようにカッター11の回転方向Wに回転させながら紙面左方に進行させることでチップ13が被加工物12を切削研削している。このときチップ13aと被加工物12との接触点(切削点)では、図5 (a)に示すようにカッター11の後方(つまり接線の前方)に荷重が作用し、その接線方向の分力がFm、法線方向の分力がFrで示されている。さらに、分力Frに応じて動摩擦力が分力Fmと反対方向にMFmとして作用している。
このような力がチップ13に作用すると、カッター11、ひいてはツールホルダユニッ卜1(チャック5)に加速度が作用する。したがって、図4 (b)で上述したような加速度センサ6a、6bを設け、そのX、Y方向の加速度を測定すると、X方向、Y方向、回転方向にどれだけの加速度が作用しているかがわかる。その結果、振動測定も可能となる。
《振動計測信号の流れ》
図6に、本振動測定装置において振動測定する様子を表すブロック図が示されている。
まずツールホルダ本体3では上述した加速度センサ6a(y1)、6a (y2)、6b (x1)、6a(x2)からアナログ信号の振動情報が送信され、オペアンプ等の増幅回路15により、インピーダンスを整合し、電圧増幅し、後段の回路に応じたゲイン調整が行われる。また、増幅回路15からの出力信号は加速度センサ6の共振周波数の影響を避けるためにローパスフィルタ(ハイカットフィルタ)16により高周波数(ここでは10kHzで検証)をカットして信号出力することもできる。ローパスフィルタ16からの送信信号はオペアンプ等で構成される、減算回路(差動増幅回路)17、減算回路18、加算回路19で受信される。減算回路17では、加速度センサ6b(x1),6b(x2)からの電圧差の所定倍数の電圧を出力、すなわちX方向の並行振動信号を出力する。減算回路18では、加速度センサ6a(y1)、6a(y2)からの電圧差の所定倍数の電圧を出力、すなわちY方向の並行振動信号を出力する。また、加算回路19では、加速度センサ6b(x2)、6b(x2)からの電圧それぞれの所定倍数の和の電圧を出力、すなわち回転方向の振動信号を出力する。
減算回路17、減算回路18、加算回路19からの出力信号は、平均化処理回路20で受信される。平均化処理回路20では、振動の大きさを定最的に捉えるための処理が行われ、例えば、RMS (二乗平均平方根)による平均化処理をし、加速度の実効値を出力する。その後、A/D変換器21によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、マイコンで送信データを処理して無線送受信機22で外部送信される。無線送信された振動情報(振動データ)は、無線受信機31で受信されて、シリアルUSB変換器等を介して専用ソフトウェアをインストールしたパーソナルコンピュータ32で処理されてディスプレイ上に表示される。
《実施例1(最適加工条件の検索)》
本振動測定装置により加工中の工具11の異常振動を検出することができ、工具破断の深刻な予兆である切削加工時の不安定切削(所謂「びびり」)の発生についても検出することができる。従来は、この「びびり」の発生を目視や異音、装置の異常信号等で認識したときに、被加工物12への切込量や回転速度を小さくすることで対応していた。これに対して本振動測定装置を活用すれば、単に切込量や回転速度を小さくするのではなく、切込量や回転数が大きくなっても「びびり」が生じない領域を検知することも可能である。
図7は、本振動測定装置により工具11の振動の測定結果の活用例1を示すグラフ図である。図7では、縦軸は被加工物12への切込量(mm)、横軸を工具11の回転速度(rpm)として、不安定切削領域(白色領域A)と安定切削領域(グレー領域B)とが示されている。この不安定切削領域(白色領域A)と安定切削領域(グレー領域B)とは、工具11や被加工物12等の条件ごとに変化するものであり、学究的な例は存在するが実際の振動測定対象の個々の工具11において具体的に示されるようなものではなかった。
しかしながら、例えば、図7の黒丸印に示すように「びびり」が実際に検出されたときの回転速度が2500rpm、切込量が1mmであった場合は、安定切削領域Bでの工具11回転であることがわかる(実際に「びびり」が検出されているので)。この状態から矢印(1)に示すように、回転数をあげながら本振動測定装置で「びびり」発生の有無を検証すると、より高回転な加工条件でも「びびり」が発生しない条件を探索することができる。図7の例では、2700rpm前後で一度、「びびり」が消失し、再度「びびり」が発生した後、また5000rpm近傍で「びびり」が消失することが探索により検証されることが理解できるであろう。
また、その時点から、矢印(2)に示すように切込量を大きくしていき、本振動測定装置で「びびり」発生の有無を検証すると、より高い切り込みとなる加工条件でも「びびり」が発生しない限界点を探索することができる。図7の例では、切込量が3mm程度(上方の白丸印)が「びびり」が発生しない限界点であることが探索により検証されるであろう。このように本振動測定装置で加工中の複数点の振動異常を探索的に測定することで、従来、検証できなかったシビアな条件での安定切削領域Aを検出することができ、工具11の破断を回避しながら迅速な加工を容易に達成し得る。
《実施例2》
図8には本振動測定装置を活用し、一般的な加工における異常振動の検出による加工停止等フロー示されている。まず、加工が開始され、加速度センサ6による加速度測定が開始される(STEP1)。次に、工具11の位置決めを行い(STEP2)、研削加工等を行う(STEP3)。なお、加速度測定はSTEP2のとき、あるいはSTEP3のときから開始しても良い。加工中に異常振動の信号が検出されると(STEP4)、(1)機械(装置)の停止による加工中止、(2)回転速度や進行速度を減速する等の加工条件を変更、(3)警告音の発信や警告表示等、アラーム表示、のいずれかの措置を行う(STEP6)。STEP4の異常信号の検出・判定は、予め設定された加速度や加速度変化量の限界値を閾値として検出・判定することが例示される。異常振動の信号検出がされない限り、次の加工(STEP5)へ進み、次加工の有無の判定により、STEP2へ継続、あるいは、加工が終了(STEP7)する。
《実施例3》
図9には本振動測定装置を活用し、複数穴連統タッピング加工におけるスティックスリップ検出による加工停止等フローが示されている。まず、タップ加工が開始され、加速度センサ6による加速度測定が開始される(STEP11)。次に、タップ(工具)11の位置決めを行い(STEP12)、タップ加工を行う(STEP13)。なお、図8 (実施例2)と同様に加速度測定は、このSTEP12のとき、あるいはSTEP13のときから開始しても良い。加工中にスティックスリップ現象の信号が検出されると(STEP14)、(1)機械(装置)の停止による加工中止、(2)回転速度や進行速度を減速する等の加工条件を変更、(3)警告音の発信や警告表示等、アラーム表示、のいずれかの措置を行う(STEP16)。STEP14のスティックスリップ現象の信号(異常信号)の検出・判定は、予めスティックスリップ現象を生じるとして設定された加速度や加速度変化量の限界値を閾値として検出・判定することが例示される。スティックスリップ現象の信号検出がされない限り、次の加工(STEP15)へ進み、次加工の有無の判定により、STEP12へ継続、あるいは、加工が終了(STEP17)する。
1 ツールホルダユニット
2 回転主軸
3 ツールホルダ本体
3 a ツバ部
3 c 空隙
4 電池
5 チャック
6 加速度センサ
7 無線送信デバイス(アンテナ)
9 制御基板
11 工具(カッター)
11a 片持ち梁
12 被加工物(ワーク)
13 チップ(切れ刃)
15 増幅回路
16 ローパスフィルタ
17 減算回路
18 減算回路
19 加算回路
20 平均化処理回路
21 A/D変換器
22 無線送受信機
31 レシーバ
32 パソコン

Claims (12)

  1. 主軸と連結され協働して軸回転するツールホルダに把持された回転工具の振動測定装置であって、
    回転工具の回転軸に対する水平面上に回転軸に対称に装着された一対の加速度センサと該加速度センサからの加速度情報を外部に無線送信する送信手段と、を備える、振動測定装置。
  2. 前記水平面上で回転軸に対して前記一対の加速度センサに対して90°回転した位置に回転軸に対称に装着された一対の加速度センサと、をさらに備える、請求項1に記載の振動測定装置。
  3. 前記加速度センサを装着する水平面は、ツールホルダの下方又はツールホルダと回転工具との間の部材である、諸求項1又は2に記載の振動測定装置。
  4. 前記ツールホルダの下方又はツールホルダと回転工具との間の部材に径を細くして上又は下方向に延びる片持ち梁を形成し、前記加速度センサを装着する水平面は、前記片持ち梁の上端である、請求項3に記載の振動測定装置。
  5. 前記加速度センサを装着する水平面は、回転工具に設けた中空孔の下方である、請求項1又は2に記載の振動測定装置。
  6. 前記加速度センサを装着する水平面は、回転工具の上端である、請求項1又は2に記載の振動測定装置。
  7. 前記回転工具の上端に径を細くして上方に延びる片持ち梁を形成し、前記加速度センサを装着する水平面は、前記片持ち梁の上端である、請求項6に記載の振動測定装置。
  8. 前記送信手段から外部に送信された加速度情報を受信する外部装置を備え、
    前記外部装置は、予め加速度の閾値又は加速度変化の閾値を設定し、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲内か否かを検出する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動測定装置。
  9. 前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、警告する、請求項8に記載の振動測定装置。
  10. 前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、前記主軸の軸回転を停止する、請求項8に記載の振動測定装置。
  11. 前記外部装置は、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、前記主軸の作動条件を変更する、請求項8に記載の振動測定装置。
  12. 請求項8に記載の振動測定装置は、切削装置の主軸と連結され協働して軸回転するツールホルダに把持された切削工具の振動測定装置であり、
    前記外部装置は、
    前記切削工具の被加工物への切込量を固定値に設定した状態で順次、回転数を上昇させながら前記加速度センサで加速度情報を検出し、回転数を上昇させる過程で、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出し、その後にさらに高い回転数で前記閾値の範囲内であることを検出した場合に、その時点での前記切削工具の回転数と切込量とを設定する第一工程と、
    前記切削工具の回転数を前記第一工程で設定された回転数を固定値に設定した状態で順次、前記切削工具の被加工物への切込量を増加させながら前記加速度センサで加速度情報を検出し、切込量を増加させる過程で、前記送信手段からの加速度情報が設定された閾値の範囲外であることを検出した場合に、その前の時点での前記切削工具の回転数と切込量とを設定する第二工程と、により前記切削工具の最適な作動条件を設定する、振動測定装置。
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