JP6898107B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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[1]
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する固体状チタン触媒成分、
(B)有機金属化合物、ならびに
(C)下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される化合物
を含有するオレフィン重合用触媒。
Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または−NR5−を示し、
Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示し、
−NZは、−NR13R14、−N=C(R15)R16または−N=NR17を示し、
R1〜R17は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
Qは、窒素原子または−C(R22)=を示し、
Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子または−NR26−を示し、
R21〜R26は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
前記化合物(C)が下記一般式(2−1)または(6−1)で表される化合物群から選択される上記[1]のオレフィン重合用触媒。
上記[1]または[2]のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
前記オレフィンがプロピレンを含む1種または2種以上のオレフィンである上記[3]のオレフィン重合体の製造方法。
[オレフィン重合用触媒]
本発明のオレフィン重合用触媒は、固体状チタン触媒成分(A)、有機金属化合物(B)および特定の化合物(C)を含有する。
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する前記固体状チタン触媒成分(A)は、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を常法により接触させることにより調製される。
マグネシウム化合物としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知のマグネシウム化合物を使用することができ、たとえば、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩
などが挙げられる。
これらの中ではハロゲンを含有するマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムがより好ましい。また、エトキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウムも好ましい。
これらのマグネシウム化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
チタン化合物としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知のチタン化合物を使用することができ、たとえば一般式;
Ti(OR)gX4-g
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(O-n-C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(O-isoC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O-n-C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC4H9)4、Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタン
などを挙げることができる。
これらの中でもテトラハロゲン化チタンが好ましく、四塩化チタンが特に好ましい。これらのチタン化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
電子供与体(c)としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知の内部電子供与体を使用することができる。
電子供与体(c)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸ハライド、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数1〜18のハロゲン含有アルコール類;
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数6〜20のフェノール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数3〜15のケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素原子数2〜15のアルデヒド類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸ジメチル、炭酸エチルなどの炭素原子数2〜30の有機酸エステル類;
アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数2〜15の酸ハライド類;
メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数2〜20のエーテル類;
酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物、ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピロール類;
ピロリン、ピロリジン、ンドール、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、塩化ピリジンなどのピリジン類;
ピペリジン類、キノリン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;
テトラヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジヒドロピランなどの環状含酸素化合物などが挙げられる。
これらの電子供与体化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機金属化合物(B)としては、周期表第1、2族および第13族から選ばれる金属を含むものが好ましく、具体的には、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、第2族金属の有機金属化合物などが挙げられる。
Ra nAlX3-n
式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル、フェニル、トリルなどである。
このような有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが挙げられる。
Ra nAlY3-n
式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基(以下「Me」とも記載する。)、エチル基(以下「Et」とも記載する。)、イソプロピル基、イソブチル基(以下「iso-Bu」とも記載する。)、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
(i) Ra nAl(ORb)3-nで表される化合物(例:ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、およびジイソブチルアルミニウムメトキシド)
(ii) Ra nAl(OSiRc)3-nで表される化合物(例:Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、および(iso-Bu)2Al(OSiEt3))
(iii) Ra nAl(OAlRd 2)3-nEt2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など。
(iv) Ra nAl(NRe 2)3-nで表される化合物(例:Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(Me3Si)2、および(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2)
(v) Ra nAl(SiRf 3)3-nで表される化合物(例:(iso-Bu)2AlSiMe3)
(vi) Ra nAl〔N(Rg)−AlRh 2〕3-nで表される化合物(例:Et2AlN(Me)−AlEt2(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2)
さらにこれに類似した化合物、例えば酸素原子、窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物を挙げることもできる。
また第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物は、下記一般式で示される。
式中、M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。
具体的には、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4 などが挙げられる。
RkRlM2
式中、Rk、Rlは炭素原子数1〜15の炭化水素基またはハロゲンであり、互いに同一でも異なっていてもよいが、いずれもハロゲンである場合は除く。M2はMg、ZnまたはCdである。
これらの有機金属化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(化合物(C1))
化合物(C)としては、まず下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物(C1)が挙げられる。
−NZは、−NR13R14、−N=C(R15)R16または−N=NR17を示す。(ここで「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表す。)
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-ブロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル(allyl)、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール(aryl)基;トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
次に上記で説明したR1〜R17の例について、より具体的に説明する。
R4は水素以外の置換基であることが好ましい。すなわち、R4はハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、アミノ基、イミド基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であることが好ましい。
化合物(C)としては、さらに下記一般式(5)〜(6)のいずれかで表される化合物(C2)が挙げられる。
Qは、窒素原子(−N=)または置換基R22を有する炭素原子(−C(R22)=)を示す。(ここで「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表す。)
ここでR21〜R26としては、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミニウム含有基またはヒドロキシ基を好ましい基として挙げられる。
R21、R22およびR26〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
また化合物(C)は、上記一般式(5)で表され、かつQが窒素原子であり、R23とR24とが結合して芳香環を形成している場合には、下記一般式(5c)で表される。
R21およびR26〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
化合物(C)は、上記一般式(6)で表され、かつQが置換基R22を有する炭素原子である場合には、下記一般式(6a)で表される。
R21、R22およびR25〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
また化合物(C)は、上記一般式(6)で表され、かつQが窒素原子であり、R23とR24とが結合して芳香環を形成している場合には、下記一般式(6c)で表される。
R21およびR25〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
下式で表される化合物が挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記化合物(C)に加えて従来公知の電子供与体を含んでいてもよい。
有機ケイ素化合物の例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
RnSi(OR')4-n
(式中、RおよびR'は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは1、2または3である。)
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記各成分以外にも、オレフィンの重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記固体状チタン触媒成分(A)、前記有機金属化合物(B)および前記化合物(C)、ならびに必要に応じて前記任意成分を接触させることにより製造することができる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、本発明のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンの重合を行うものである。
前記オレフィンとしては、炭素原子数が2〜20のα-オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの直鎖状オレフィン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン等の分岐状オレフィン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンを挙げることができ、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、が好ましく、プロピレンが特に好ましい。
ビニル化合物の例としては、スチレン、ジメチルスチレン、アリルナフタレン、アリルノルボルナン、ビニルナフタレン、アリルトルエン、アリルベンゼン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、およびアリルトリアルキルシラン類が挙げられる。
シクロヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、4-シクロヘプタン、4-シクロヘプタン、メチル4-シクロヘプタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
オレフィンの種類、重合の形態などによっても異なるが、重合は、通常約20〜150℃、好ましくは約50〜100℃の温度で、また常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法により、オレフィンの単独重合体を製造してもよく、また2種以上のオレフィンからランダム共重合体またはブロック共重合体などを製造してもよく、好ましくはプロピレンの単独重合体またはプロピレンを50モル%以上(好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)含むプロピレン共重合体が製造される。
さらに、本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、立体規則性を過度に高めることなく結晶化温度の高いオレフィン重合体を製造することができる。
[各種物性の測定]
〔メソペンダット分率(mmmm)〕
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。
重合体粒子をデカリンに溶解させ、温度135℃のデカリン中で常法に従い測定した。
〔重合体の結晶化温度(Tc)〕
重合体の結晶化温度(Tc)の測定には、示差走査熱量計(DSC)として日立ハイテクサイエンス社製DSC7020を使用した。試料4〜6mgをアルミニウムパン中に密封し、30℃から昇温速度100℃/分で200℃まで加熱した。加熱後された試料を、全ての結晶を完全融解させるために200℃で5分間保持し、次いで降温速度10℃/分で30℃まで冷却した。この冷却の際に観測された発熱ピーク温度を結晶化温度(Tc)として採用した。
(固体状チタン触媒成分の調製)
充分に窒素置換した内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業(株)製)に、精製灯油700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名エマゾール320(花王アトラス(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、系を撹拌下に昇温し、120℃にて800rpmで30分撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルが張り込まれた内容積2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。生成固体をろ過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウムに対してエタノールが配位した固体状付加物を得た。デカン548mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して825ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン2.2リットル中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5.5時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート33.0mlを添加した。引き続き1.5時間、110℃で攪拌した。1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、濾液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄し、固体成分(i)を得た。
充分に窒素置換した内容積1リットルの重合器に、精製ヘプタン400 mLを装入し、60℃、プロピレン雰囲気下、トリエチルアルミニウムを0.4ミリモル、外部電子供与体として下記式(ex 1)で表される化合物を0.4ミリモル、および調製例1で得られた固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.008ミリモル装入した。
外部電子供与体として使用される化合物を以下の表1−1〜1−4に示すものに変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体を製造した。
得られた重合体のメソペンダット分率(mmmm)、極限粘度(η)およ結晶化温度(Tc)を表2に示す。
Claims (7)
- (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する固体状チタン触媒成分、
(B)有機金属化合物、ならびに
(C)外部電子供与体としての、下記一般式(2−1)または(6−1)で表される化合物群から選択される化合物
を含有する
オレフィン重合用触媒。
- 前記化合物(C)の量が前記有機金属化合物(B)の金属原子1モルに対し0.001〜10モルである請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
- 前記有機金属化合物(B)中の金属原子の量が、重合系中のチタン原子1モルに対し1〜2000モルである請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
- 立体規則性オレフィン重合体製造用である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
- 請求項4に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合する立体規則性オレフィン重合体の製造方法。
- 前記オレフィンがプロピレンを含む1種または2種以上のオレフィンである請求項5または6に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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