JP6898107B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、オレフィン重合用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
従来、オレフィン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合物を含む触媒が知られている。このようなオレフィン重合用触媒としては、チーグラー-ナッタ触媒と称される、四塩化チタンまたは三塩化チタンを含む触媒、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物とを含む触媒などが広く知られている。
後者の触媒はα−オレフィンの重合に高い活性を示し、この触媒を用いて製造されるα−オレフィン重合体は高い立体規則性を有することがある。たとえば特開昭57−63310号公報(特許文献1)等では、フタル酸エステルを典型例とするカルボン酸エステルから選択される電子供与体が担持された固体状チタン触媒成分と、助触媒成分としてのアルミニウム−アルキル化合物と、Si−OR(Rは炭化水素基である)等を有する有機ケイ素化合物とからなる触媒を用いることで、高い重合活性および立体規則性が発現されることが報告されている。
その後も立体規則性のより高いオレフィン重合体を製造するための触媒が種々提案されており、たとえば特開2008−56724号公報(特許文献2)では、上記のような固体状チタン触媒成分および有機アルミニウム化合物に加えて、複数の原子を介し、少なくとも2個の二級アミノ結合を有するか、または1個の二級アミノ結合とエーテル結合を有するアミノ化合物を含む触媒を用いることにより、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持でき、かつ良好な水素レスポンスが実現できることが報告されている。
特開昭57−63310号公報 特開2008−56724号公報
立体規則性の高いオレフィン重合体は高い結晶化温度を有する傾向を有するものの、従来の技術には、立体規則性を過度に高めることなく結晶化温度の高いオレフィン重合体を製造するという観点において、さらなる改善の余地があった。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、固体状チタン触媒成分、有機金属化合物および外部電子供与体を含むオレフィン重合体用触媒において、外部電子供与体として特定の化合物を用いることにより、立体規則性を過度に高めることなく結晶化温度の高いオレフィン重合体を製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する固体状チタン触媒成分、
(B)有機金属化合物、ならびに
(C)下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される化合物
を含有するオレフィン重合用触媒。
Figure 0006898107
(式(1)〜(4)において、
Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または−NR5−を示し、
Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示し、
−NZは、−NR1314、−N=C(R15)R16または−N=NR17を示し、
1〜R17は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 0006898107
(式(5)および(6)において、
Qは、窒素原子または−C(R22)=を示し、
Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子または−NR26−を示し、
21〜R26は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
[2]
前記化合物(C)が下記一般式(2−1)または(6−1)で表される化合物群から選択される上記[1]のオレフィン重合用触媒。
Figure 0006898107
(式中、R4は炭化水素基であり、R6はアルキル基であり、R13は一般式(2)中のR13と同義である。)
Figure 0006898107
(式中、R21は一般式(6)中のR21と同義であり、R25はアルキル基であり、R30は水素原子または炭化水素基である。)
[3]
上記[1]または[2]のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
[4]
前記オレフィンがプロピレンを含む1種または2種以上のオレフィンである上記[3]のオレフィン重合体の製造方法。
本発明の製造方法によれば、立体規則性を過度に高めることなく結晶化温度の高いオレフィン重合体を製造することができる。
図1は、実施例および比較例で得られた重合体のメソペンダット分率(mmmm)と結晶化温度(Tc)との関係を示す。
以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒等をさらに詳細に説明する。
[オレフィン重合用触媒]
本発明のオレフィン重合用触媒は、固体状チタン触媒成分(A)、有機金属化合物(B)および特定の化合物(C)を含有する。
<固体状チタン成分(A)>
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する前記固体状チタン触媒成分(A)は、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を常法により接触させることにより調製される。
(a)マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知のマグネシウム化合物を使用することができ、たとえば、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩
などが挙げられる。
これらのマグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
これらの中ではハロゲンを含有するマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムがより好ましい。また、エトキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウムも好ましい。
マグネシウム化合物(a)は、他の物質から誘導されたもの、たとえばグリニャール試薬のような有機マグネシウム化合物とハロゲン化チタンやハロゲン化珪素、ハロゲン化アルコールなどとを接触させて得られるものであってもよい。
これらのマグネシウム化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(b)チタン化合物
チタン化合物としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知のチタン化合物を使用することができ、たとえば一般式;
Ti(OR)g4-g
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3、Ti(O-n-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、Ti(O-isoC49)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC25)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O-n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(OC49)4、Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタン
などを挙げることができる。
これらの中でもテトラハロゲン化チタンが好ましく、四塩化チタンが特に好ましい。これらのチタン化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(c)電子供与体
電子供与体(c)としては、固体状チタン触媒成分の調製に使用される従来公知の内部電子供与体を使用することができる。
電子供与体(c)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸ハライド、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素原子数1〜18のアルコール類;
トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数1〜18のハロゲン含有アルコール類;
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数6〜20のフェノール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数3〜15のケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素原子数2〜15のアルデヒド類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸ジメチル、炭酸エチルなどの炭素原子数2〜30の有機酸エステル類;
アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数2〜15の酸ハライド類;
メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数2〜20のエーテル類;
酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物、ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピロール類;
ピロリン、ピロリジン、ンドール、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、塩化ピリジンなどのピリジン類;
ピペリジン類、キノリン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;
テトラヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジヒドロピランなどの環状含酸素化合物などが挙げられる。
また電子供与体(c)として、1-メトキシエタノール、2-メトキシエタノール、4-メトキシブタノール、2-ブトキシエタノールなどの多価ヒドロキシ化合物エーテルを特に好ましい例として挙げることができる。
また上記の有機酸エステルとして、下記一般式で表される骨格を有する多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。
Figure 0006898107
上記式中、R1は置換または非置換の炭化水素基、R2、R5およびR6は、水素または置換もしくは非置換の炭化水素基、R3およびR4は、水素または置換もしくは非置換の炭化水素基であり、好ましくはその少なくとも一方は置換または非置換の炭化水素基である。またR3とR4とは互いに連結されて環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R1〜R6は一般的に1〜15の炭素原子を有し、これらが置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、例えばC−O−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N−C−、NH2などの基を有する。
また本発明では、電子供与体(c)として、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「ポリエーテル」ともいう。)を用いることもできる。このポリエーテルとしては、エーテル結合間に存在する原子が、炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、イオウまたはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができる。このうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の炭素原子が含まれた化合物が好ましく、例えば下記式で示されるポリエーテルが好ましい。
Figure 0006898107
(式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基であり、任意のR1〜R26、好ましくはR1〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。)
これらのうち、1,3-ジエーテル類が好ましく用いられ、特に、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンなどが好ましく用いられる。
さらにこの電子供与体(c)として、後述するような少なくとも1個のアルコキシ基を有する有機シラン化合物、水、またはアニオン系、カチオン系、非イオン系の界面活性剤などを用いることもできる。
電子供与体(c)として、上記化合物の中でもカルボン酸エステルが好ましく、特に多価カルボン酸エステル類、多価ヒドロキシ化合物エステル類、とりわけフタル酸エステル類、脂肪族多価ヒドロキシ化合物エーテルおよび酸無水物が好ましく、フタル酸ジエステル類が特に好ましい。
フタル酸ジエステル類としては、たとえばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−イソプロピル, フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸エチルメチル、フタル酸メチルイソプロピル、フタル酸エチル(n−プロピル)、フタル酸エフタル酸チル(n−ブチル)、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジイソペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−n−ノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ビス(2、2−ジメチルヘプチル)、フタル酸n−ブチル(イソヘキシル)、フタル酸n−ブチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸n−ペンチル(ヘキシル)、フタル酸n−ペンチル(イソヘキシル)、フタル酸イソペンチル(ヘプチル)、フタル酸n−ペンチル(2−エチルヘシル)、フタル酸n−ペンチル(イソノニル)、フタル酸イソペンチル(n−デシル)、フタル酸n−ペンチル(ウンデシル)、フタル酸イソペンチル(イソヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(イソノニル)、フタル酸n−ヘキシル(n−デシル)、フタル酸n−ヘプチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸n−ヘプチル(イソノニル)、フタル酸n−ヘプチル(neo−デシル)、フタル酸2−エチルヘキシル(イソノニル)が挙げられる。
これらの電子供与体化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<有機金属化合物(B)>
有機金属化合物(B)としては、周期表第1、2族および第13族から選ばれる金属を含むものが好ましく、具体的には、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、第2族金属の有機金属化合物などが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
a nAlX3-n
式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル、フェニル、トリルなどである。
Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
このような有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としては、さらに下記式で示される化合物が挙げられる。
a nAlY3-n
式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基(以下「Me」とも記載する。)、エチル基(以下「Et」とも記載する。)、イソプロピル基、イソブチル基(以下「iso-Bu」とも記載する。)、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
(i) Ra nAl(ORb)3-nで表される化合物(例:ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、およびジイソブチルアルミニウムメトキシド)
(ii) Ra nAl(OSiRc)3-nで表される化合物(例:Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、および(iso-Bu)2Al(OSiEt3))
(iii) Ra nAl(OAlRd 2)3-nEt2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など。
(iv) Ra nAl(NRe 2)3-nで表される化合物(例:Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(Me3Si)2、および(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2
(v) Ra nAl(SiRf 3)3-nで表される化合物(例:(iso-Bu)2AlSiMe3
(vi) Ra nAl〔N(Rg)−AlRh 23-nで表される化合物(例:Et2AlN(Me)−AlEt2(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2
さらにこれに類似した化合物、例えば酸素原子、窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物を挙げることもできる。
より具体的には、(C25)2AlOAl(C25)2、(C49)2AlOAl(C49)2、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2、など、さらにメチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類を挙げることができる。
上記のような有機アルミニウム化合物のうちでも、Ra 3Al、Ra nAl(ORb)3-n、Ra nAl(OAlRd 2)3-nで表される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
また第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物は、下記一般式で示される。
1AlRj 4
式中、M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。
具体的には、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4 などが挙げられる。
第2族金属の有機金属化合物は、下記一般式で示される。
kl2
式中、Rk、Rlは炭素原子数1〜15の炭化水素基またはハロゲンであり、互いに同一でも異なっていてもよいが、いずれもハロゲンである場合は除く。M2はMg、ZnまたはCdである。
具体的には、ジエチル亜鉛、ジエチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。
これらの有機金属化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<化合物(C)>
(化合物(C1))
化合物(C)としては、まず下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物(C1)が挙げられる。
Figure 0006898107
式中、Aは、酸素原子(−O−)、イオウ原子(−S−)、セレン原子(−Se−)、または結合基R5を有する窒素原子(−N(R5)−)を示す。
Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)−が特に好ましい。
−NZは、−NR1314、−N=C(R15)R16または−N=NR17を示す。(ここで「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表す。)
1〜R17は、互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。なお、式(1)においてはR13またはR14は水素原子以外のものであることが好ましく、式(2)においてはR6は水素原子以外のものであることが好ましく、式(4)においてはR6、R13またはR14のいずれか1つは水素原子以外のものであることが好ましい。
なお、上記一般式(1)〜(4)が表す範囲には重複があるが、重複を避ける必要があるならば、式(1)においてR13およびR14を水素原子以外のものから選択し、式(2)においてR6を水素原子以外のものから選択し、式(4)においてR6、R13およびR14を水素原子以外のものから選択すればよい。
1〜R17は、互いに同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基であることが好ましい。より具体的には、R1〜R17が水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミニウム含有基またはヒドロキシ基であることが好ましい。但し、R13またはR14は水素原子以外のものであることが好ましい。R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基または炭化水素置換シロキシ基であることが好ましく、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基または炭化水素置換シリル基であることが特に好ましい。また、R5 〜R17は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルミニウム含有基であることが好ましく、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニウム含有基であることが特に好ましい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-ブロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル(allyl)、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール(aryl)基;トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、水素原子が他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n-ブロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基等が好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
1〜R17として示される酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記炭化水素基に含まれていてもよい置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
ホウ素含有基としては、上記炭化水素基に含まれていてもよい置換基として例示したものと同様のもののほか、アルキル基置換ホウ素、アリール基置換ホウ素、ハロゲン化ホウ素、アルキル基置換ハロゲン化ホウ素等の基が挙げられる。アルキル基置換ホウ素としては、(Et)2B−、(iPr)2B−、(iBu)2B−、(Et)3B、(iPr)3B、(iBu)3B;アリール基置換ホウ素としては、(C65)2B−、(C65)3B、(C65)3B、(3,5-(CF3)263)3B;ハロゲン化ホウ素としては、BCl2−、BCl3;アルキル基置換ハロゲン化ホウ素としては、(Et)BCl−、(iBu)BCl−、(C65)2BClなどが挙げられる。このうち三置換のホウ素については、配位結合した状態であることがある。ここで、Etはエチル基、iPrはイソプロピル基、iBuはイソブチル基を表す。
アルミニウム含有基としては、アルキル基置換アルミニウム、アリール基置換アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、アルキル基置換ハロゲン化アルミニウム等の基が挙げられる。アルキル基置換アルミニウムとしては、(Et)2Al−、(iPr)2Al−、(iBu)2Al−、(Et)3Al、(iPr)3Al、(iBu)3Al;アリール基置換アルミニウムとしては、(C65)2Al−;ハロゲン化アルミニウムとしては、AlCl2−、AlCl3;アルキル基置換ハロゲン化アルミニウムとしては、(Et)AlCl−、(iBu)AlCl−などが挙げられる。このうち三置換のアルミニウムについては、配位結合した状態であることがある。ここで、Etはエチル基、iPrはイソプロピル基、iBuはイソブチル基を表す。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられる。このうち炭化水素置換シリル基として具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明したR1〜R17の例について、より具体的に説明する。
酸素含有基のうち、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-ブロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、 tert-ブトキシなどが、アリーロキシ基としては、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基などが、エステル基としては、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが好ましく例示される。
窒素含有基のうち、アミド基としては、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどが、アミノ基としては、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフェニルアミノなどが、イミド基としては、アセトイミド、ベンズイミドなどが、イミノ基としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが好ましく例示される。
イオウ含有基のうち、アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ等が、アリールチオ基としては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオ等が、チオエステル基としては、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが、スルホンエステル基としては、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが、スルホンアミド基としては、フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンスルホンアミドなどが好ましく挙げられる。
1〜R17は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
1、R2およびR3は水素原子であることが好ましい。
4は水素以外の置換基であることが好ましい。すなわち、R4はハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、アミノ基、イミド基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であることが好ましい。
4として好ましい炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げられる。
4として好ましい炭化水素置換シリル基としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチルフェニル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。
4としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−、−S−のいずれかを示す。−C(R7)(R8)−の好ましい例としては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2-エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2-エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素数1から20の2価の炭化水素基が挙げられる。これらの中ではメチレンが特に好ましい。
−Si(R9)(R10)−の好ましい例としては、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-ブロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-ジシリレンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基が挙げられる。
11としては、酸素含有基であることも好ましく、この場合アルコキシ基、アリーロキシ基、アリールアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、フェノキシ基などが好ましい。
上記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物(C1)の具体例としては、特開2000−336110号公報の18〜43頁に記載された構造式における遷移金属原子の配位子(配位子同士が結合しているものを除く。)において、遷移金属原子との結合(実線で描かれたもの)を水素原子との結合に置き換えてなる化合物、が挙げられる。
上記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物(C1)の好ましい例としては、上記一般式(2)で表される化合物に包含される、下記一般式(2−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
(式中、R4は炭化水素基であり、R6はアルキル基(好ましくはメチル基)であり、R13は一般式(2)中のR13と同義である。)
その具体例としては、下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
(式中、Meはメチル基を表す。)
上記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物(C1)は、たとえば特開2000−336110号公報の[0284]〜[0294]に記載された方法で製造することができる。
(化合物(C2))
化合物(C)としては、さらに下記一般式(5)〜(6)のいずれかで表される化合物(C2)が挙げられる。
Figure 0006898107
式中、Aは、酸素原子(−O−)、イオウ原子(−S−)、セレン原子(−Se−)、または置換基R26を有する窒素原子(−N(R26)−)を示す。
Qは、窒素原子(−N=)または置換基R22を有する炭素原子(−C(R22)=)を示す。(ここで「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表す。)
21〜R26は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
なお、上記一般式(5)〜(6)が表す範囲には重複があるが、重複を避ける必要があるならば、式(6)においてR25を水素原子以外のものから選択すればよい。
ここでR21〜R26としては、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミニウム含有基またはヒドロキシ基を好ましい基として挙げられる。
21〜R26としてのハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基の具体例、好ましい態様等は、上述した式(1)〜(4)におけるR1〜R17としてのハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基の具体例、好ましい態様等と同様である。
21〜R26は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
化合物(C)は、上記一般式(5)で表され、かつQが置換基R22を有する炭素原子である場合には、下記一般式(5a)で表される。
Figure 0006898107
(式中、A、R21〜R24およびR26は、それぞれ上記一般式(5)中のA、R21〜R24およびR26と同義である。)
上記一般式(5a)で表される化合物において、R21〜R24およびR26のうちの2つ以上の基が結合して環構造を形成していてもよい。R21〜R24およびR26のうちの2つ以上の基、たとえばR23とR24とが結合して芳香環を形成している化合物としては、下記一般式(5b)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
(式中、A、R21、R22およびR26は、それぞれ上記一般式(5)中のA、R21、R22およびR26と同義である。)
27〜R30は、上記一般式(5)中のR21〜R26と同義である。R27、R28およびR29としては水素原子が好ましい。
21、R22およびR26〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
また化合物(C)は、上記一般式(5)で表され、かつQが窒素原子であり、R23とR24とが結合して芳香環を形成している場合には、下記一般式(5c)で表される。
Figure 0006898107
(式中、A、R21およびR26は、それぞれ上記一般式(5)中のA、R21およびR26と同義である。)
27〜R30は、上記一般式(5)中のR21〜R26と同義である。R27、R28およびR29としては水素原子が好ましい。
21およびR26〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
上記一般式(5)で表される化合物の具体例としては、国際公開99/54364号の66〜72頁、77〜106頁および112〜128頁に記載された構造式における遷移金属原子Mの配位子(配位子同士が結合しているものを除く。)において、遷移金属原子Mとの結合(実線で描かれたもの)を水素原子との結合に置き換えてなる化合物、が挙げられる。
上記一般式(5)で表される化合物は、たとえば国際公開99/54364号の72〜73頁、107〜108頁および128頁に記載された方法で製造することができる。
化合物(C)は、上記一般式(6)で表され、かつQが置換基R22を有する炭素原子である場合には、下記一般式(6a)で表される。
Figure 0006898107
(式中、A、R21〜R26は、それぞれ上記一般式(6)中のA、R21〜R26と同義である。)
上記一般式(6a)で表される化合物において、R21〜R26のうちの2つ以上の基が結合して環構造を形成していてもよい。R21〜R26のうちの2つ以上の基、たとえばR23とR24とが結合して芳香環を形成している化合物としては、下記一般式(6b)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
(式中、A、R21、R22、R25およびR26は、それぞれ上記一般式(6)中のA、R21、R22、R25およびR26と同義である。)
27〜R30は、上記一般式(6)中のR21〜R26と同義である。R27、R28およびR29としては水素原子が好ましい。
21、R22およびR25〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
また化合物(C)は、上記一般式(6)で表され、かつQが窒素原子であり、R23とR24とが結合して芳香環を形成している場合には、下記一般式(6c)で表される。
Figure 0006898107
(式中、A、R21、R25およびR26は、それぞれ上記一般式(6)中のA、R21、R25およびR26と同義である。)
27〜R30は、上記一般式(6)中のR21〜R26と同義である。R27、R28およびR29としては水素原子が好ましい。
21およびR25〜R30は、互いに同一でも異なっていてもよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
上記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、国際公開99/54364号の29〜43頁および49〜58頁に記載された構造式における遷移金属原子Mの配位子(配位子同士が結合しているものを除く。)が挙げられる。
下式で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(5)〜(6)のいずれかで表される化合物(C2)の好ましい例としては、上記一般式(6)で表される化合物に包含される、下記一般式(6−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
(式中、R21は一般式(6)中のR21と同義であり、R25はアルキル基(好ましくはメチル基)であり、R30は水素原子または炭化水素基である。)
その具体例としては、下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006898107
上記一般式(6)で表される化合物は、たとえば国際公開99/54364号の46頁および59頁に記載された方法で製造することができる。
<任意成分>
本発明のオレフィン重合用触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記化合物(C)に加えて従来公知の電子供与体を含んでいてもよい。
このような電子供与体の例としては、有機ケイ素化合物、複数個の電子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物が挙げられる。
有機ケイ素化合物の例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
nSi(OR')4-n
(式中、RおよびR'は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは1、2または3である。)
その具体例としては、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ-tert-アミルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、t−ブチル(メチル)ジメトキシシラン、t−ブチル(エチル)ジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン、シクロペンチル(メチル)ジエトキシシラン、シクロペンチル(エチル)ジメトキシシラン、シクロペンチル(シクロヘキシル)ジメトキシシラン、3−メチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−n−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジシクロペンチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(イソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(キノリノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−n−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルイソブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(イソブチル−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルシクロペンチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(ジイソプロピルアミノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(イソキノリノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(イソキノリノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(イソキノリノ)ジメトキシシラン、n−ブチル(イソキノリノ)ジメトキシシラン、エチル(キノリノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(キノリノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(キノリノ)ジメトキシシラン、n−ブチル(キノリノ)ジメトキシシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−n−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジシクロペンチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジイソキノリノ)ジエトキシシラン、ビス(ジキノリノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−n−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−イソブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(イソブチル−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルシクロペンチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(ジイソプロピルアミノ)ジエトキシシラン、エチル(イソキノリノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(イソキノリノ)ジエトキシシラン、イソプロピル(イソキノリノ)ジエトキシシラン、n−ブチル(イソキノリノ)ジエトキシシラン、エチル(キノリノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(キノリノ)ジエトキシシラン、イソプロピル(キノリノ)ジエトキシシラン、n−ブチル(キノリノ)ジエトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリメトキシシラン、ジ−n−ブチルアミノトリメトキシシラン、ジ−t−ブチルアミノトリメトキシシラン、ジシクロペンチルアミノトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、イソキノリノトリメトキシシラン、キノリノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、ジ−n−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチル−t−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチル−sec−ブチルアミノトリエトキシシラン、ジシクロペンチルアミノトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルアミノトリエトキシシラン、ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノトリエトキシシラン、イソキノリノトリエトキシシラン、キノリノトリエトキシシラン、ビス(t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシランなどの特開2005−187550号公報の[0078]〜[0088]に記載された有機シラン化合物(C)、特開2008−56724号公報の[0064]に記載された有機ケイ素化合物(D)が挙げられる。
複数個の電子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、前記固体状チタン触媒成分(A)中に前記電子供与体(c)として含まれてもよい成分として説明されたポリエーテルが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記各成分以外にも、オレフィンの重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。
<オレフィン重合用触媒の製造方法>
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記固体状チタン触媒成分(A)、前記有機金属化合物(B)および前記化合物(C)、ならびに必要に応じて前記任意成分を接触させることにより製造することができる。
また、上記の各成分から予備重合触媒を形成してもよい。予備重合触媒は、前記固体状チタン触媒成分(A)、前記有機金属化合物(B)および前記化合物(C)、ならびに必要に応じて用いられることのある前記任意成分の存在下に、オレフィンを予備重合させることにより形成される。
[オレフィン重合体の製造方法]
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、本発明のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンの重合を行うものである。
前記オレフィンとしては、炭素原子数が2〜20のα-オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの直鎖状オレフィン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン等の分岐状オレフィン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンを挙げることができ、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、が好ましく、プロピレンが特に好ましい。
また、オレフィンと共に少量のビニル化合物またはジエン化合物を共重合させてもよい。
ビニル化合物の例としては、スチレン、ジメチルスチレン、アリルナフタレン、アリルノルボルナン、ビニルナフタレン、アリルトルエン、アリルベンゼン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、およびアリルトリアルキルシラン類が挙げられる。
ジエン化合物の例としては、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、イソプレン、ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンおよびジシクロペンタジエンが挙げられる。
重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施することができる。重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、不活性有機溶媒を用いてもよく、反応温度において液状のオレフィンを用いてもよい。
不活性有機溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
シクロヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、4-シクロヘプタン、4-シクロヘプタン、メチル4-シクロヘプタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
重合に際して、固体状チタン触媒成分(A)または予備重合触媒は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約1×10-5〜1ミリモル、好ましくは約1×10-4〜0.1ミリモルの量で用いられる。
有機金属化合物(B)は、該化合物(B)中の金属原子が重合系中のチタン原子1モルに対し通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような量で用いられる。
化合物(C)は、有機金属化合物(B)の金属原子1モルに対し、通常約0.001モル〜10モル、好ましくは0.01モル〜5モルの量で用いられる。
オレフィンの種類、重合の形態などによっても異なるが、重合は、通常約20〜150℃、好ましくは約50〜100℃の温度で、また常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行ってもよい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法により、オレフィンの単独重合体を製造してもよく、また2種以上のオレフィンからランダム共重合体またはブロック共重合体などを製造してもよく、好ましくはプロピレンの単独重合体またはプロピレンを50モル%以上(好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)含むプロピレン共重合体が製造される。
本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、立体規則性の高いオレフィン重合体を製造することができ、たとえば、プロピレン単独重合体を製造する場合であれば、後述する条件で測定されるメソペンタッド分率(mmmm)が90%以上、好ましくは92%以上(上限は、たとえば100%または98%)のプロピレン単独重合体を製造することができる。
さらに、本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、立体規則性を過度に高めることなく結晶化温度の高いオレフィン重合体を製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[各種物性の測定]
〔メソペンダット分率(mmmm)〕
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。
13C−NMRスペクトルは、Burker BioSpin Corp.製AVANCEIIIC"yo-500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度50mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は45゜(5.00 μ秒)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は5,000回、21.59 ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
〔極限粘度([η])〕
重合体粒子をデカリンに溶解させ、温度135℃のデカリン中で常法に従い測定した。
〔重合体の結晶化温度(Tc)〕
重合体の結晶化温度(Tc)の測定には、示差走査熱量計(DSC)として日立ハイテクサイエンス社製DSC7020を使用した。試料4〜6mgをアルミニウムパン中に密封し、30℃から昇温速度100℃/分で200℃まで加熱した。加熱後された試料を、全ての結晶を完全融解させるために200℃で5分間保持し、次いで降温速度10℃/分で30℃まで冷却した。この冷却の際に観測された発熱ピーク温度を結晶化温度(Tc)として採用した。
[調製例1]
(固体状チタン触媒成分の調製)
充分に窒素置換した内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業(株)製)に、精製灯油700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名エマゾール320(花王アトラス(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、系を撹拌下に昇温し、120℃にて800rpmで30分撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルが張り込まれた内容積2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。生成固体をろ過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウムに対してエタノールが配位した固体状付加物を得た。デカン548mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して825ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン2.2リットル中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5.5時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート33.0mlを添加した。引き続き1.5時間、110℃で攪拌した。1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、濾液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄し、固体成分(i)を得た。
充分に窒素置換された6リットルのガラス製反応器にパラキシレン4.1リットル、四塩化チタン123.6ml(1124.8ミリモル)及びジイソブチルフタレート15.1ml(56.4ミリモル)を入れ、次いで得られた固体成分(i)を133.7g挿入した。その後、反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌した。1時間の接触処理の後、熱濾過により固体部を採取し、この固体部を4.1リットルのパラキシレンに再懸濁させ、更に四塩化チタン123.6ml(1124.8ミリモル)及びジイソブチルフタレート15.1ml(56.4ミリモル)を添加した。その後、昇温し130℃に達したところで、1時間攪拌しながら保持した。
反応終了後、再び熱濾過にて固液分離を行い、得られた固体部を100℃のデカン及び室温のヘキサンによって触媒中のパラキシレンが1重量%以下となるまで洗浄した。その結果、チタンを1.3重量%、マグネシウムを20重量%、ジイソブチルフタレートを14.7重量%含有する固体状チタン触媒成分を得た。電子供与体/チタン(重量比)は、11.3であった。
[実施例1]
充分に窒素置換した内容積1リットルの重合器に、精製ヘプタン400 mLを装入し、60℃、プロピレン雰囲気下、トリエチルアルミニウムを0.4ミリモル、外部電子供与体として下記式(ex 1)で表される化合物を0.4ミリモル、および調製例1で得られた固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.008ミリモル装入した。
Figure 0006898107
水素200mlを導入し、70℃に昇温した後、この温度を1時間保持してプロピレンを重合させた。重合中、圧力は0.5MPaに保った。重合終了後、生成重合体(固体)を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部とに分離した。得られた重合体のメソペンダット分率(mmmm)、極限粘度(η)および結晶化温度(Tc)を表2に示す。
[実施例2〜12、比較例1〜5]
外部電子供与体として使用される化合物を以下の表1−1〜1−4に示すものに変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体を製造した。
なお、実施例8のみ、触媒成分の量をトリエチルアルミニウム0.2ミリモル、外部電子供与体0.2ミリモル、固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.004ミリモルとした。また、比較例5では外部電子供与体を使用しなかった。
得られた重合体のメソペンダット分率(mmmm)、極限粘度(η)およ結晶化温度(Tc)を表2に示す。
Figure 0006898107
Figure 0006898107
Figure 0006898107
Figure 0006898107
(上記構造式において、MeおよびEtは、それぞれメチル基およびエチル基を表す。)
Figure 0006898107
さらに、実施例および比較例で得られた重合体の(mmmm)と結晶化温度(Tc)との関係を図1に示す。

Claims (7)

  1. (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(c)を含有する固体状チタン触媒成分、
    (B)有機金属化合物、ならびに
    (C)外部電子供与体としての、下記一般式(2−1)または(6−1)で表される化合物群から選択される化合物
    を含有する
    オレフィン重合用触媒。
    Figure 0006898107
    (式中、R 4 は炭化水素基であり、R 6 はアルキル基であり、R 13 は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。)
    Figure 0006898107
    (式中、R 21 は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基であり、R 25 はアルキル基であり、R 30 は水素原子または炭化水素基である。)
  2. 前記化合物(C)の量が前記有機金属化合物(B)の金属原子1モルに対し0.001〜10モルである請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  3. 前記有機金属化合物(B)中の金属原子の量が、重合系中のチタン原子1モルに対し1〜2000モルである請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 立体規則性オレフィン重合体製造用である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
  6. 請求項4に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合する立体規則性オレフィン重合体の製造方法。
  7. 前記オレフィンがプロピレンを含む1種または2種以上のオレフィンである請求項5または6に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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