JP4233969B2 - オレフィン重合用固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン、α−オレフィンの単独重合体あるいはこれらの共重合体を製造するための固体状触媒成分、触媒および重合方法に関する。
従来より、エチレン、α−オレフィンの単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合物を含む触媒が知られている。
このようなオレフィン重合用触媒(以下、重合用触媒とは共重合用触媒を包含して用いることがある)としては、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物からなる触媒が知られている。
この触媒は、エチレンの重合と同様に、プロピレン、ブテン-1などのα−オレフィンの重合または共重合(以下、重合とは共重合を包含して用いることがある)においても高い活性を有し、また重合体(以下、重合体とは共重合体を包含して用いることがある)の立体特異性も高い。
これらの触媒の中で特に、フタル酸エステルを典型的な例とするカルボン酸エステルから選択される電子供与体が担持された固体状チタン触媒成分と、助触媒成分としてアルミニウム−アルキル化合物と、少なくとも一つのSi−OR(式中、Rは炭化水素基である)を有するケイ素化合物とを用いた場合に優れた性能を発現することが知られている。
また、このようなオレフィン重合用触媒の粒子径を大きくすることは、ブロック共重合体を製造する際、ゴム成分量を増やすために有効である。しかしながら、粒径が大きくなると粒子崩壊などが起こり、嵩密度の低下や微粉ポリマー量が増大する傾向にあった。
本発明者は、重合活性、立体規則性がより一層優れたオレフィン重合用触媒で且つ粒子崩壊のない良モルフォロジーな重合体を得ることを目的として研究を行った結果、マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物を用いた触媒、並びに、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物と、有機ケイ素化合物とからなる触媒が、本発明の目的を達成することを見出した。
本発明は、このような現状に鑑み成されたものであり、触媒活性、立体特異性が高く且つ良モルフォロジーなオレフィン(共)重合体を得られ、かつ特殊な電子供与体を用いて製造される触媒を得るためのオレフィン重合用固体状チタン触媒成分と、これを用いたオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法とを提供することを課題とする。
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供与体を含み、
i)平均粒子径dが25〜100μmであり、かつ
ii)粒子強度N(MPa)が、式
N>8000×d-2
を満たすことを特徴としている。
このような本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分は、不活性炭化水素溶媒で懸濁したマグネシウム化合物と電子供与体(a)とを接触させて得られた固体状付加物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体(b)とを接触させて得られる。
また、このような本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分では、電子供与体(b)が複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する一種以上の化合物と、一種以上のカルボン酸エステル化合物とを含む。
さらにこのような本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分では、前記カルボン酸エステル化合物が、下記式で示される多価カルボン酸エステルであることも好ましい;
Figure 0004233969
(上記式中、R1は置換または非置換の炭化水素基を示し、R2、R3 4 、それぞれ独立に、水素あるいは置換または非置換の炭化水素基であり、R3とR4は互いに連結されていてもよく、R1 4 が置換されている場合の置換基はヘテロ原子を含んでいてもよい。)。
またさらにこのような本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分では、前記複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物が、下記式で表されることも好ましい;
Figure 0004233969
(上記式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1〜R26は、それぞれ独立に、炭素、水
素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する原子もしくは基を表し、任意のR1〜R26は共同してベンゼン環以外
の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。)。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分と、周期律表の第I族〜第III族から選択される金属を含む有機金属化合物触媒成分と
を含むことを特徴としている。
本発明のオレフィンの重合方法は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを、上記本発明のオレフィン重合用触媒を用いて重合することを特徴としている。
本発明に係るオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を用いると、重合時に電子供与体を用いなくても、触媒活性が高く、かつ得られた重合体は、良モルフォロジー且つ立体特異性が高いオレフィン重合用触媒を得ることが可能であり、さらに重合時に二個以上のエーテル結合を有する化合物および他の電子供与体を用いることにより、一層触媒活性が高く、良モルフォロジーかつ立体特異性の高い重合体を得られるオレフィン重合用触媒を製造することができる。
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合方法によれば、触媒活性が高く効率よくオレフィンの重合反応を行える他、良モルフォロジー且つ立体特異性が高い重合体を得ることができる。
以下、本発明に係るオレフィン重合用固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
オレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供与体を含んでいる。このような本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)は、好ましくは、マグネシウム化合物および電子供与体(a)からなる固体状付加物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体(b)とを接触させることにより得ることができる。
<固体状付加物>
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)を調製する際に好ましく用いられる固体状付加物は、マグネシウム化合物および電子供与体(a)からなり、不活性炭化水素溶媒で懸濁したマグネシウム化合物と電子供与体(a)とを接触させて得られる。
(マグネシウム化合物)
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)を調製する際に好ましく用いられる固体状付加物は、マグネシウム化合物と電子供与体(a)とから形成される。
このようなマグネシウム化合物としては、具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウム、弗化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシ
ウム;
ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらのマグネシウム化合物は他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
これらの中ではハロゲン化マグネシウムが好ましく、特に塩化マグネシウムが好ましく用いられる。また、該マグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたものであってもよい。
(電子供与体(a))
固体状付加物を構成する電子供与体(a)としては、マグネシウム化合物可溶化能を有する化合物が用いられる。このようなマグネシウム化合物可溶化能を有する化合物としては、例えばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などを用いることが好ましく用いられる。
マグネシウム化合物可溶化能を有するアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルカルビトール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、テトラデシルアルコール、ウンデセノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールのような脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、α-メチルベンジルアルコー
ル、α,α-ジメチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、n-ブチルセルソルブ、1-ブトキシ-2-プロパノールなどのアルコキシ基を含んだ脂肪族アルコールなどを挙げる
ことができる。
カルボン酸としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸、ウンデシレニック酸、ウンデノイック酸、ノニリック酸、オクタノイック酸などの炭素数7以上の有機カルボン酸類を挙げることができる。アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、カプリルアルデヒド、ウンデシリックアルデヒドなどの炭素数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ウンデシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、などの炭素数6以上のアミン類を挙げることができる。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)の調製に用いられる固体状付加物は、上記したようなマグネシウム化合物と電子供与体(a)とを接触させることによって形成することがで
きる。
固体状付加物を製造する際、マグネシウム化合物および電子供与体(a)の使用量に付いては、その種類、接触条件などによって異なるが、マグネシウム化合物は、該液状の電子供与体(a)に対して0.1〜20モル/リットル、好ましくは、0.5〜10モル/リットルの量で用いられる。
このような固体状付加物は、マグネシウム化合物と、電子供与体(a)とを、不活性炭化水素溶媒中で接触させて調製するのが好ましく、たとえば、マグネシウム化合物を不活
性炭化水素溶媒に懸濁させ、これに電子供与体(a)を加えて攪拌することにより、マグネシウム化合物と電子供与体(a)との接触を行うことができる。
固体状付加物の調製に用いることのできる不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの 脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなど
の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることができ、灯油が好ましく用いられる。
<チタン化合物>
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)を調製する際に好ましく用いられる液状状態のチタン化合物としては、たとえば一般式、
Ti(OR)g4-g
(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である)で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3
Ti(OC25)Cl3
Ti(O-n-C49)Cl3
Ti(OC25)Br3
Ti(O-iso-C49)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2
Ti(OC25)2Cl2
Ti(O-n-C49)2Cl2
Ti(OC25)2Br2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、
Ti(OC25)3Cl、
Ti(O-n-C49)3Cl、
Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4
Ti(OC25)4
Ti(O-n-C49)4
Ti(O-iso-C49)4
Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタンなどを挙げることができる。
これらの中で好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いてもよく、混合物の形で用いてもよい。またこれらのチタン化合物は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
<電子供与体(b)>
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)は、上記固体状付加物緒、液状状態のチタン化合物と、電子供与体(b)とを接触させて調製するのが好ましい。電子供与体(b)としては、1種のみが用いられてもよいが、少なくとも2種の電子供与体を用いるのが好ましく、より好ましくは、電子供与体(b)が、複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(b1)と、これ以外の電子供与体(b2)とを含むのが好ましい。
(電子供与体(b1))
電子供与体(b1)は、電子供与体として作用する、複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物である。すなわち電子供与体(g1)は、少なくとも2個のエーテル結合(C−O−C)との間(C−O−CとC−O−Cとの間)に複数の原子が存在している化合物である。具体的には、少なくとも2個のエーテル結合(C−O−C)がその間を複数の原子を介在して繋がれており、この複数の原子が、炭素、ケイ素、酸素、イオウ、リン、ホウ素、あるいはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができる。
また、これらエーテル結合間を繋いでいる原子は、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基を有することができる。このうちエーテル結合間に存在する原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、エーテル結合間を繋ぐ原子に複数の炭素原子が含まれる化合物が好ましい。
このような2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、たとえば、以下の式で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0004233969
(上記式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1〜R26は、それぞれ独立に、炭素、水
素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する原子もしくは基を表し、任意のR1〜R26、好ましくはR1〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。)
上記のような2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、
2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-フェニルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(ジフェニルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(1-ナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(1-デカヒドロナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(p-t-ブチルフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、
2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-t-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-フェニル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,3-ジフェニル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,2-ジベンジル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、
2,2-ビス(p-メチルフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-クロロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-フルオロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、
2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン、
3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、
3-メトキシメチルジオキサン、
1,2-ジイソブトキシプロパン、
1,2-ジイソブトキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシプロパン、
1,3-ジイソネオペンチロキシエタン、
1,3-ジネオペンチロキシプロパン、
2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ヘキサメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
1,2-ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、
2,8-ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,7-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナン、
3,7-ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、
3,3-ジイソブチル-1,5-オキソノナン、
6,6-ジイソブチルジオキシヘプタン、
1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
1,1-ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、
メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラン、
ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、
メチルシクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、
ジ-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、
シクロヘキシル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、
i-プロピル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シランを例示することができる。
このうち、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
これらの電子供与体(b1)は、単独で用いてもよく、2種以上併用して用いてもよい。
(電子供与体(b2))
本発明の固体状チタン触媒成分(I)は、電子供与体(b2)を用いて調製されていてもよく、上記電子供与体(b1)とともに電子供与体(b2)を用いて調製されるのがより好ましい。電子供与体(b2)は、上記電子供与体(b1)以外の電子供与体である。
このような電子供与体(b2)としては、有機酸エステル、有機酸ハライド、有機酸無水物、エーテル、ケトン、アルデヒド、第三アミン、亜リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸アミド、カルボン酸アミド、ニトリルなどを例示でき、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフ
トアルデヒドなどの炭素原子数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル 、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタク
リル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素原子数2〜18の有機酸エステル類;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数2〜15の酸ハライド類;無水酢酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水トリメリット酸、無水テトラヒドロフタル酸などの酸無水物;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数2〜20のエーテル類;酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類;トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどの第三アミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどのニトリル類などを例示することができる。これらの内では芳香族カルボン酸エステルが好ましい。
これらの化合物を2種以上併用することもできる。
またさらに、有機酸エステルとしては、モノまたは多価カルボン酸エステルが好ましく、多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。このような多価カルボン酸エステルとしては、下記一般式で表される骨格を有する化合物を例示できる。
Figure 0004233969
上記式中、R1は置換または非置換の炭化水素基を示し、R2、R3 4 、それぞれ独立に、水素あるいは置換または非置換の炭化水素基であり、R3とR4は互いに連結されていてもよく、R1 4 が置換されている場合の置換基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ここで、好ましくは、R3、R4の少なくとも一方は置換または非置換の炭化水素基であり、R3とR4は互いに連結されていてもよく、炭化水素基R1 4 が置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、たとえば C−O−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N−C−、NH2などの基を有する。
このような、多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α-メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマ
ロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル、β-メチルグルタル酸ジイソプロ
ピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマル酸ジ-2-エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル
、シトラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル;1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルのような脂環族ポリカルボン酸エステル; フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn-プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ヘプチル、フタル酸ジ-2-
エチルヘキシル、フタル酸ジn-オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル;3,4-フランジカルボン酸などの異節環ポリカルボン酸エステルなどを好ましい例として挙げることができる。
また、多価カルボン酸エステルの他の例としては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジn-ブチル、セバシン酸ジn-オクチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシルなどの長鎖ジカルボン酸のエステルなどを挙げるこ
とができる。
これらの電子供与体(b2)の中では、モノまたは多価カルボン酸エステルを用いることが好ましく、多価カルボン酸エステルを用いるのがより好ましく、さらにフタル酸エステル類を用いることが好ましく、特にフタル酸ジエステルを用いるのが好ましい。
また、固体状チタン触媒成分の調製時に電子供与体(b)として、電子供与体(b1)と電子
供与体(b2)を混合使用してもよい。
<オレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)の調製>
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)は、上述した固体状付加物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体(b)とを接触させて調整するのが好ましい。
このようなオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)の調製方法としては、特に制限されるものではないが、例えば以下の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
(1)上記固体状付加物と、上記電子供与体(b)を接触させて得られる化合物に液状状態のチタン化合物を接触させて固体状チタン複合体を得る。
(2)上記固体状付加物と、上記液状状態のチタン化合物を接触させて得られた化合物に上記電子供与体(b)を接触させて固体状チタン複合体を得る。
(3)上記固体状付加物と、上記電子供与体(b)とハロゲン含有化合物およびまたは有機金属化合物を接触させて得られる化合物に上記液状状態のチタン化合物を接触させて固体状チタン複合体を得る。
(4)上記固体状付加物と、上記液状状態のチタン化合物を接触させて得られた化合物に上記電子供与体(b)上記2個以上のエーテル結合を有する化合物とハロゲン含有化合物および/または有機金属化合物とを接触させて固体状チタン複合体を得る。
ここで、電子供与体(b)として2種以上の電子供与体を用いるのが好ましいが、2種以上の電子供与体は混合して用いてもよく、同時に添加して用いてもよく、逐次的に用いてもよい。
このような方法によって、固体状チタン触媒成分(I)を製造する際、固体状付加物、液体状態のチタン化合物および電子供与体(b)の使用量については、その種類、接触条件、接触順序、接触回数などによって異なるが、マグネシウム化合物と電子供与体(a)からなる固体状付加物のマグネシウム1モルに対し、電子供与体(b)の総量は、0.0
1モル〜5モル、好ましくは、0.1モル〜2.0モル、より好ましくは、0.1モル〜
1.5モルの量で用いられる。また、液体状態のチタン化合物は、固体状付加物のマグネシウム1モルに対して0.1モル〜1000モル、特に好ましくは1モル〜200モルの
量で用いられる。調製において、液体状態のチタン化合物は一括して添加しても良いし、分割して添加してもよい。
本発明のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分(I)を調製する際、固体状付加物は、炭化水素溶媒に懸濁された状態で用いられることが好ましく、通常、その濃度(固体状付加物/炭化水素溶媒)は、1〜1000グラム/リットル、好ましくは、100〜500グラム/リットルである。
ここで用いられる炭化水素溶媒としては、たとえば後述する予備重合時に使用される溶媒を用いることができる。その中でも、脂肪族炭化水素であるヘプタン、オクタン、デカンが好ましい。
これらの化合物を接触させる際の温度は、通常−70℃〜200℃、好ましくは−25℃〜150℃である。このようにして得られる固体状チタン触媒成分前駆体は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンと、電子供与体(b)を含有している。
この固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜90であり、電子供与体(b)/チタン(モル比)は、0.01〜1
00、好ましくは0.2〜10であり、マグネシウム/チタン(原子比)は、2〜100
、好ましくは4〜50であることが望ましい。
この固体状チタン触媒成分の触媒粒径(平均粒子径d(μm))は、25〜100μm、好ましくは25〜80μmであることが望ましい。
また、本発明に係る固体状チタン触媒成分は、充分な粒子強度N(MPa)を有しており、式
N>8000×d-2
を満たし、好ましくは式
N>12000×d-2
を満たす。
ここで粒子強度とは、粒子に負荷を与え破壊(圧裂)したときの試験力(P)と粒子径(d)を用いて定義される。粒子強度Nの測定には、(株)島津製作所の微小圧縮試験機MCT−Wシリーズを使用している。試験条件は、試験力を45mNに固定し、負荷速度を4.46mN/secと設定し、粒子径は付属の顕微鏡を用いて計測している。粒子強度を求める演算式は
(粒子強度N)=2.8P/(π×d(粒子径)×d(粒子径))
で表される。
オレフィン重合用触媒
本発明のオレフィン重合触媒は、上述した発明に係る固体状チタン触媒成分と、周期律表の第I族〜第III族から選択される金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含む。
<有機金属化合物触媒成分(II)>
本発明のオレフィン重合用触媒を構成する有機金属化合物触媒成分(II)としては、たとえば、有機アルミニウム化合物、第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第II族金属の有機金属化合物などを用いることができる。
有機アルミニウム化合物としては、たとえば、Ra n AlX3-n(式中、Ra は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である)で示される有機アルミニウム化合物を例示することができる。この式において、Ra としては、たとえば、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基が挙げられるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には以下のような化合物が用いられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル ミニウ
ムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどである。
また有機アルミニウム化合物として、Ra nAlY3-n(式中Ra は上記と同様であり、
Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Re
水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである)で示される化合物を用いることもできる。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が用いられる。
(i)Ra nAl(ORb)3-n
で表される化合物、たとえば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
(ii)Ra nAl(OSiRc 3)3-n
で表される化合物、たとえば、Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)
(iso-Bu)2Al(OSiEt3)など。
(iii)Ra nAl(OAlRd 2)3-n
で表される化合物、たとえば、Et2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など。
(iv)Ra nAl(NRe 2)3-n
で表される化合物、たとえば、Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(Me3Si)2、(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2など。
(v)Ra nAl(SiRf 3)3-n
で表される化合物、たとえば、(iso-Bu)2AlSiMe3など、
(vi)Ra nAl(N(Rg)AlRh 2)3-n
で表される化合物、たとえば、Et2AlN(Me)AlEt2、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
なお、上記例示において、Etはエチル基、iso-Buはイソブチル基、Meはメチル基を
示す。
上記のような有機アルミニウム化合物として、Ra 3Al、Ra nAl(ORb)3-n 、Ra n
Al(OAlRd 2)3-nで表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げること
ができる。
第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物としては、一般式M1AlRj 4(但し、
1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である)で表される化合物を例示でき、具体的には、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4などを挙げる
ことができる。
第II族金属の有機金属化合物としては、一般式Rkl2
(但し、Rk、Rlは炭素原子数1〜15の炭化水素基あるいはハロゲンであり、互いに同一でも異なっていてもよいが、いずれもハロゲンである場合は除く。M2はMg、Zn
、Cdである)で表される化合物を例示でき、具体的には、ジエチル亜鉛、ジエチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどを挙げることができる。
これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
<有機ケイ素化合物(電子供与体(c))>
本発明のオレフィン重合用触媒の調製では、このような有機金属化合物触媒成分(II)と共に、必要に応じて上記二個以上のエーテル結合を有する化合物や有機ケイ素化合物を接触させてもよい。
このような有機ケイ素化合物としては、例えば下記一般式で表される様なものを例示できる。
nSi(OR’)4-n
(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4である)
上記のような一般式で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-クロル
プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルト
リエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキ
シシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス(β-メトキシエト
キシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン;シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン;ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビス(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン;トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランが用いられる。
このうちエチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、トリシクロ ペンチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシランな
どが好ましく用いられる。これらの有機ケイ素化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
オレフィンの重合方法
本発明に係るオレフィン重合方法では、上述した本発明に係わるオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合を行う。
<予備重合>
本発明に係るオレフィンの重合方法ではオレフィン重合用触媒にα−オレフィンを予備重合させておくこともできる。この予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り0.1〜1000g好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの量でα−オレフィンを予備重合させることにより行われる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも高い濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
有機金属化合物触媒成分(II)の量は、固体状チタン触媒成分(I)1g当り0.1〜
1000g、好ましくは0.3〜500gの重合体が生成するような量であればよく、固
体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、通常約0.1〜300モル、好ましくは約0.5〜100モル、特に好ましくは1〜50モルの量であることが望ましい。
予備重合では、必要に応じて電子供与体(b1)ないし電子供与体(c) の有機ケイ素化合物を用いることもでき、この際これらの成分は、固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは
1〜10モルの量で用いられる。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことができる。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの 脂肪族炭化
水素;
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
これらの不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。このように、不活性炭化水素媒体を用いる場合、予備重合はバッチ式で行うことが好ましい。
一方、オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできるし、また実質的に溶媒のない状態で予備重合することもできる。この場合には、予備重合を連続的に行うのが好ましい。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても、異なっていてもよく、具体的には、プロピレンであることが好ましい。
予備重合の際の反応温度は、通常約−20〜+100℃、好ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲であることが望ましい。
なお、予備重合においては、水素のような分子量調節剤を用いることもできる。
予備重合は、上記のように、固体状チタン触媒成分(I)1g当り約0.1〜1000
g、好ましくは約0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの重合体が生成するよ
うに行うことが望ましい。予備重合量をあまり多くすると、オレフィン重合体の生産効率が低下することがある。
このような予備重合は回分式あるいは連続式で行うことができる。
<重合>
本発明の重合方法において、重合(本重合)に使用することができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素原子数が3〜20のα- オレフィン、たとえば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどを挙げることができる。
本発明の重合方法においては、これらのオレフィンを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。 さらに、スチレン、アリルベンゼ ン等の芳香族ビニル化合物;
ビニルシクロヘキサンなどの脂環族ビニル化合物;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8- ジ
メタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン;6-メチル1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1
,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン類などの共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物をエチレン、α-オレフィンとともに重合原料として用いることもできる。
本発明では、重合は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、上述の不活性炭化水素を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
本発明の重合方法においては、固体状チタン触媒成分(I)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは約0.00
1〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、有機金属化合物(II)は、重合系中の予備
重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。
本重合時に、水素を用いれば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
本発明において、オレフィンの重合温度は、通常、約20〜100℃、好ましくは約5
0〜90℃に、圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2に設定される。本発明の重合方法においては、重合を、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。
このようにして得られたオレフィンの重合体は、単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体などのいずれであってもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合、特にプロピレンの重合を行うと、沸騰ヘプタン抽出残渣で示されるアイソタクチックインデックス(I.I.)が70%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは95%以上であるプロピレン系重合体が得られる。この際上記2個以上のエーテル結合を有する化合物もしくは電子供与体の量を調節することによって、立体規則性を容易に制御することができる。
また、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により測定した分子量分布の指標Mw/Mn値が、従来の方法で得られた重合体のそれに比べて小さく、一般には5以下の重合体が得られる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にも、オレフィン重合に有用な他の成分を含むことができる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、重合体の嵩比重、メルトフローレート、固体状チタン触媒成分の粒径、粒子強度並びに微粉量は、それぞれ下記の方法によって測定した。
(1)嵩比重:JIS K−6721で測定。
(2)メルトフローレート(MFR):ASTM D1238Eに準拠し、190℃で測定。
(3)固体状チタン触媒成分の粒径測定:HORIBA製CAPA−300 PARTICLE ANALYZERを用いた遠心沈降法で分析。
(4)粒子強度Nの測定:(株)島津製作所製微小圧縮試験機MCT−Wシリーズを用いて分析。試験条件は、試験力を45mNに固定し、負荷速度を4.46mN/secと設定し、粒子径は付属の顕微鏡を用いて計測する。粒子強度を求める演算式は(粒子強度)=2.8P/(π×d(粒子径)×d(粒子径))で表される。
(5)微粉量の測定:(株)タナカテック製振動篩機を用いて100μm以下の微粉量
を分析。
(固体状チタン触媒成分の調製)
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後精製灯油700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名エマゾール320(花王アトラス(株)製ソルビタンジステアレート)3gをいれ、系を撹拌下に昇温し、120℃にて800rpmで30分撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。精製固体を濾過により精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
デカン30mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところでジイソブチルフタレートを1.6g添加した後、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン1.4gを添加し、40分間で120℃まで昇温した。温度を120℃で90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。
反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分はデカンスラリ−として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分の組成はチタン2.0重量%,マグネシウム19重量%,ジイソブチルフタレート7.0重量%、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン6.1重量%であった。
触媒成分の平均粒子径は40μmで、この触媒成分の40μmでの粒子強度は、12MP
aであった。
(重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた
後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.002ミリモルを加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で1時間重合した後少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパ−ジした。
得られたポリマ−の収量は194gで、見かけ嵩比重は0.48g/ml、微粉量は0.2重量%、MFRは6.8dg/min、I.I.は、97.9%であり、活性は97kg-PP/ミリモルTiであった。
(固体状チタン触媒成分の調製)
2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン0.9gを使用する以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分の調製を行った。触媒成分の平均粒子径は38μmで、この触媒成分の40μmでの粒子強度は、11.6MPaであった。
(重合)
得られた固体状触媒成分を用い、この触媒成分をチタン原子換算で0.004ミリモル使用した以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。
得られたポリマ−の収量は260gで、見かけ嵩比重は0.48g/ml、微粉量は0.3重量%、MFRは6.7dg/min、I.I.は、98.1%であり、活性は65kg-PP/ミリモルTiであった。
比較例1
(固体状チタン触媒成分の調製)
実施例1で調製した固体状付加物を流動乾燥させ、エタノールが塩化マグネシウム1モルに対して2.2モルに達するまで脱アルコール処理を行った。この固体状付加物をデカン30mlで懸濁状にし、マグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところでジイソブチルフタレート1.6gを添加し、40分間で120℃まで昇温した。温度を120℃に90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温し130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。
反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調整した固体状チタン触媒成分はデカンスラリ−として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分の組成はチタン2.7重量%,マグネシウム18重量%,2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン15.6重量%およびエタノール残基0.7重量%であった。触媒成分の平均粒子径は36μmで、この触媒の40μmでの粒子強度は、3.2MPaであった。
(重合)
得られた固体状チタン触媒成分を用いたこと以外は、実施例2と同様にプロピレンの重合を行った。
得られたポリマ−の収量は238gで、見かけ嵩比重は0.41g/ml、微粉量は0.6重量%、MFRは12dg/min、I.I.は、95.8%であり、活性は59kg-PP
/ミリモルTiであった。
比較例2
(固体状チタン触媒成分の調製)
比較例1で調製した固体状付加物をマグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところでジイソブチルフタレート1.6gを添加し、40分間で120℃まで昇温した。温度を120℃に90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温し130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。
反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分はデカンスラリ−として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分の組成はチタン3.1重量%,マグネシウム17重量%,DIBP13.6重量%およびエタノール残基0.6重量%であった。触媒成分の平均粒子径は36μmで、この触媒成分の40μmでの粒子強度は、2.9MPaであった。
(重合)
得られた固体状チタン触媒成分を用いたこと以外は実施例2と同様の重合を行った。
得られたポリマ−の収量は163gで、見かけ嵩比重は0.43g/ml、微粉量は0.4重量%、MFRは6.0dg/min、I.I.は、97.4%であり、活性は41kg-PP/ミリモルTiであった。

Claims (5)

  1. 不活性炭化水素溶媒で懸濁したマグネシウム化合物と電子供与体(a)とを接触させて得られた固体状付加物と、
    液状状態のチタン化合物と、
    複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する一種以上の化合物と、一種以上のカルボン酸エステル化合物とを含む電子供与体(b)と
    を接触させて得られ、
    チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供与体を含み、
    i)平均粒子径dが25〜100μmであり、かつ
    ii)粒子強度N(MPa)が、式
    N>8000×d-2
    を満たすことを特徴とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分。
  2. 前記カルボン酸エステル化合物が、下記式で示される多価カルボン酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分;
    Figure 0004233969
    (上記式中、R1は置換または非置換の炭化水素基を示し、R2、R3 4 、それぞれ独立に、水素あるいは置換または非置換の炭化水素基であり、R3とR4は互いに連結されていてもよく、R1 4 が置換されている場合の置換基はヘテロ原子を含んでいてもよい。)。
  3. 前記複数の炭素原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物が、下記式で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分;
    Figure 0004233969
    (上記式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1〜R26は、それぞれ独立に、炭素、水
    素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する原子もしくは基を表し、任意のR1〜R26は共同してベンゼン環以外
    の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。)。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分と、周期律表の第I族〜第III族から選択される金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含むことを特
    徴とするオレフィン重合用触媒。
  5. エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを、請求項4に記載のオレフィン重合用触媒を用いて重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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