以下、本発明の一実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、体育館やホールなどの天井の高い建物に設置される高天井用の照明器具である。照明器具1は、図1〜図6に示すように、光源ユニット2と、光源ユニット2を点灯させる電源装置3と、光源ユニット2及び電源装置3を保持する器具本体10と、支持部材であるアーム15と、遠隔制御ユニット4とを備えている。ただし、以下の説明においては、図1において照明器具1の上下、左右、前後の各方向を規定する。
光源ユニット2は、LEDモジュール20と、ユニットカバー21と、放熱部材22と、レンズユニット23とを有している(図1及び図6参照)。LEDモジュール20は、矩形の基板200の下面に複数個のLED(Light Emitting Diode)が実装されて構成されている。これら複数個のLEDは、例えば、照明用白色LEDであることが好ましい。
放熱部材22は、ベース板220と、複数の放熱板221とで構成される(図6参照)。なお、ベース板220及び複数の放熱板221は、アルミ又はアミル合金の板材で形成されることが好ましい。ベース板220は矩形の板状に形成されている。ベース板220の下面に、LEDモジュール20が取り付けられている。LEDモジュール20の基板200は、複数個のLEDが実装されている実装面(下面)を下に向けてベース板220にねじ止めされている(図6参照)。複数の放熱板221は、ベース板220の上面に、前後方向及び左右方向に並べて取り付けられている。すなわち、複数個のLEDが発する熱は、ベース板220から複数の放熱板221に伝導され、複数の放熱板221から大気中に放熱される。
レンズユニット23は、複数(LEDの個数と同数)のレンズと、複数のレンズ同士を結合する結合部とを有している。複数のレンズと結合部とは、透光性を有する合成樹脂(例えばアクリル樹脂)で一体に成形されることによって構成されることが好ましい。レンズユニット23は、LEDモジュール20を覆うようにベース板220の下面に取り付けられる(図6参照)。つまり、各LEDから放射される光は、レンズユニット23の各レンズで集光又は拡散される。
ユニットカバー21は、透光性を有する合成樹脂(ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂など)により、扁平な矩形の箱状に形成される。ユニットカバー21は、レンズユニット23を覆い隠すようにベース板220の下面に取り付けられる(図6参照)。
器具本体10は、図1〜図6に示すように、取付板11と、一対の側板12と、一対の連結板13とを有している。取付板11は、亜鉛鋼板などの金属板によって矩形に形成されている。一対の側板12のそれぞれは、前後方向から見て台形状に形成されている(図4参照)。ただし、各側板12には、2つの通気孔120が設けられている。各側板12の厚み方向に貫通する2つの通気孔120の間に、アーム取付部121が設けられている。一対の連結板13のそれぞれは、前後方向に長尺であり、前後方向から見た形状がL字形に形成されている(図1参照)。なお、一対の側板12と一対の連結板13とは、いずれも亜鉛鋼板などの金属板で形成されることが好ましい。一対の側板12では、長い方の底辺(下辺)の長手方向の両端に連結板13が1つずつ固定される。つまり、一対の側板12は、一対の連結板13により、長い方の底辺の長手方向の両端で互いに連結されている。また、一対の側板12は、短い方の底辺(上辺)の上に取付板11が固定されている。つまり、器具本体10は、取付板11、一対の側板12並びに一対の連結板13により、下面及び左右両面が開放された四角錐台形状に形成されている。光源ユニット2は、器具本体10の内部に収容され、一対の側板12のそれぞれの下辺から突出する支持片122、並びに一対の連結板13のそれぞれの下側の支持片130の上に、ベース板220を載せるようにして器具本体10に支持される(図3〜図6参照)。ここで、光源ユニット2のユニットカバー21は、器具本体10の下面の開口14を通して器具本体10の下面から下向きに突出する(図1及び図2参照)。
アーム15は、一対の取付部16と、長尺の矩形板状である固定部17と、一対の連結部18とを有している(図1及び図5参照)。一対の連結部18のうちの一方の連結部18は、固定部17の長手方向の一端と一対の取付部16のうちの一方の取付部16とを連結するように構成されている。一対の連結部18のうちの他方の連結部18は、固定部17の長手方向の他端と一対の取付部16のうちの他方の取付部16とを連結するように構成されている。すなわち、アーム15は、亜鉛鋼板などの金属板によってU字形状に形成されている(図1及び図5参照)。各取付部16には、それぞれ一対のボルト挿通孔160が貫通している。上側のボルト挿通孔は円形に形成され、下側のボルト挿通孔160は円弧状の長円形に形成されている(図4参照)。アーム15は、上側のボルト挿通孔に挿通される第1ボルト161により、第1ボルト161を回転軸として、器具本体10の各側板12が有するアーム取付部121に回転可能に取り付けられる。ただし、アーム15の回転範囲は、下側のボルト挿通孔160に挿通される第2ボルト162がボルト挿通孔160内を移動可能な範囲に限定されている。
電源装置3は、図8に示すように点灯回路部320、第1制御部321及び第1記憶部322を有している。点灯回路部320は、交流電源7から供給される交流電力を直流電力に変換して光源ユニット2に供給することで光源ユニット2を点灯するように構成されている。第1記憶部322は、フラッシュメモリなどの電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリで構成されることが好ましい。第1制御部321は、マイクロコントローラなどで構成されることが好ましい。第1制御部321は、点灯回路部320を制御して光源ユニット2を点滅及び調光するように構成されている。
電源装置3は、図3〜図6に示すように、ケース30、カバー31、回路ブロック32、端子台33などを備えている。回路ブロック32は、図6に示すように、プリント配線板323の表面(下面)に多数の回路部品324が実装されることにより、点灯回路部320、第1制御部321及び第1記憶部322などを構成している。また、回路ブロック32は、光源ユニット2に直流電力を供給するための出力ケーブル325と、遠隔制御ユニット4から制御信号を受け取るための信号ケーブル326とを有している。出力ケーブル325は、器具本体10の取付板11を上下方向に貫通している挿通孔110(図6参照)を通してケース30の外に引き出され、光源ユニット2のLEDモジュール20と電気的に接続される。信号ケーブル326は、ケース30の側面から引き出されて遠隔制御ユニット4と電気的に接続される。
ケース30は、亜鉛鋼板などの金属板により、下面が開放された長尺の箱状に形成されている。ケース30は、四辺形状(例えば、長方形状)の天板300と、天板300の4つの辺から下向きに突出する4つの側板とを有している。ここで、天板300の2つの短辺のうちの右側の短辺から突出する側板を第1の側板301と呼ぶ場合がある。天板300の左側の短辺から突出する側板を第2の側板302と呼ぶ場合がある。また、天板300の前側の長辺から突出する側板を第3の側板303と呼ぶ場合がある。さらに、天板300の後側の長辺から突出する側板を第4の側板304と呼ぶ場合がある。ケース30の4つの側板301〜304は、天板300の4つの辺と繋がった矩形の板材が下向きにほぼ直角に曲げ起こされることで天板300と一体に形成されている(図6参照)。天板300の下面に回路ブロック32が取り付けられている。端子台33は、第2の側板302に取り付けられている。端子台33は電源線用の端子台である。なお、ケース30は、その下面の開口が取付板11で塞がれるようにして取付板11の上面にねじ止めして取り付けられる。
カバー31は、亜鉛鋼板などの金属板により、複数の側壁(第1側壁310、第2側壁311、第3側壁312、第4側壁313)を有する箱形に形成されている(図3〜図5参照)。第2側壁311は、ケース30の第1の側板301とほぼ同寸法の矩形状に形成されている。第1側壁310は、長尺の矩形状に形成され、第2側壁311の長手方向(前後方向)に沿って第2側壁311の上辺から横向き(左向き)に突出している。第3側壁312は、第2側壁311の短手方向(上下方向)に沿って第2側壁311の前辺から横向き(左向き)に突出している。第4側壁313は、第2側壁311の短手方向(上下方向)に沿って第2側壁311の後辺から横向き(左向き)に突出している。第3側壁312の右端にねじ挿通溝が貫通している。このねじ挿通溝には、固定ねじ36のねじ部が前から後に向かって挿通される。そして、固定ねじ36のねじ部は、ケース30の第3の側板303に設けられているねじ孔にねじ込まれる。なお、固定ねじ36の頭部360は、指で摘まんで回しやすいように刻み付き(ローレット目付き)の頭部であることが好ましい。
第3側壁312には、長円形の窓3120が設けられている。さらに、第3側壁312及び第4側壁313には、上下方向を長手方向とする長円形の長孔からなる軸孔3121が貫通している(図4参照)。第3側壁312の軸孔3121に挿通された取付ねじ35が、ケース30の第3の側板303の右上隅に設けられているねじ孔にねじ込まれる。ただし、取付ねじ35の円筒部(頭部とねじ部の間でねじ山を有しない部分)の長さは、カバー31を形成する金属板の板厚よりも長い。そして、第4側壁313の軸孔に挿通された取付ねじ35が、ケース30の第4の側板304の右上隅に設けられているねじ孔にねじ込まれる。このとき、各取付ねじ35の頭部と、対応する側壁(第3側壁312又は第4側壁313)との間に円筒部による隙間が形成される。その結果、カバー31は、2本の取付ねじ35の円筒部を回転軸として回転可能にケース30に取り付けられる。さらに、軸孔3121が長円形の長孔であるので、カバー31は、軸孔3121の長手方向に沿ってケース30に対してスライド可能である。
遠隔制御ユニット4は、図7に示すように、無線通信部40と、赤外線通信部43と、筐体44と、固定板45とを有している。無線通信部40は、無線通信回路41と、無線通信回路41を収容するハウジング42とを有している。無線通信回路41は、無線通信用のアンテナ410、並びに無線通信用の集積回路などが実装された回路基板を有している。
無線通信回路41は、アンテナ410で受信する無線信号、例えば、920MHz帯の電波を媒体とする無線信号を受信し、当該無線信号から制御指令を取得するように構成されている。なお、無線信号は、後述する送信機5及び制御装置6から送信され、照明器具1を遠隔から制御(点滅及び調光)するための制御指令を伝送している。さらに、無線通信回路41は、無線信号から取得した制御指令を伝送するための制御信号を、信号ケーブル326を介して回路ブロック32の第1制御部321に伝送するように構成されている(図1及び図6参照)。
ハウジング42は、図7に示すように、ボディ420とカバー421を備えている。ボディ420は、一面(下面)が開放された箱状の合成樹脂成形体で構成されている。カバー421は、おおよそ矩形板状の蓋体422と、直方体状のアンテナ収容部423とを有している。アンテナ収容部423は蓋体422の下面から下向きに突出し、蓋体422の上面に開口するように蓋体422と一体に形成されている。なお、蓋体422の前端には、L字形の引掛片424が設けられている。この引掛片424は、蓋体422の前端から上向きに突出している。また、蓋体422の後端における左右両端のそれぞれに貫通孔4220が設けられている。
赤外線通信部43は、赤外線(例えば、900nm帯の赤外線)を媒体とする赤外線信号を受信し、当該赤外線信号からベースバンド信号を復調するように構成されている。なお、赤外線信号は、送信機5から送信され、例えば、照明器具1(実際には遠隔制御ユニット4)と制御装置6とのペアリングに関する設定情報を伝送している。ただし、赤外線信号で伝送される情報は設定情報に限定されず、例えば、遠隔制御のための制御指令を含んでいてもよい。
赤外線通信部43は、赤外線信号を受信(受光)する受光素子430と、受光素子430から出力されるベースバンド信号を無線通信部40に出力するための第1コネクタ431と、第2コネクタ432と、プリント配線板433とを有している。無線通信部40の無線通信回路41は、第1コネクタ431を通して受け取るベースバンド信号から設定情報を復号する。第2コネクタ432は、無線通信部40の無線通信回路41と信号ケーブル326を電気的に接続するように構成されている。つまり、無線通信回路41は、無線信号から取得した制御指令と、赤外線通信部43から受け取る設定情報とを伝送するための制御信号を、赤外線通信部43の第2コネクタ432から信号ケーブル326を介して回路ブロック32の第1制御部321に伝送している。プリント配線板433は長方形の平板状に形成されている。プリント配線板433の下面に受光素子430、第1コネクタ431及び第2コネクタ432が実装されている。なお、受光素子430は、受光部4300を下に向けるようにプリント配線板433の下面に実装されている。
固定板45は、矩形板状の主片450と、主片450の4つの角のうちで対角の位置にある2つの角のそれぞれから下向きに突出する一対の脚片451とを有している。主片450には、一対のねじ孔4500が設けられている。各脚片451はL字形に形成されている。プリント配線板433は、一対の脚片451の下端にねじ止めされている。
筐体44は、上板440、下板441、前板442、左側板443、右側板444、固定片445を有している。上板440は矩形の平板状に形成されている。上板440には2つのねじ挿通孔4400が設けられている。下板441は、一部分が矩形に切り欠かれることで概ねU字形状に形成されている。下板441には、切欠446を挟んで対向する位置に、一対のねじ孔4410及び一対のねじ挿通孔4411がそれぞれ設けられている。また、下板441の前端近くに円形の透光孔447が設けられている。前板442は矩形の平板状に形成され、上板440の前端と下板441の前端を繋いでいる。左側板443及び右側板444は矩形の平板状に形成されている。左側板443は、上板440、下板441及び前板442のそれぞれの左端と繋がっている。右側板444は、上板440、下板441及び前板442のそれぞれの右端と繋がっている。なお、右側板444の後端には、半円形状の溝4440が形成されている。固定片445は矩形の板状に形成されている。固定片445は、上板440の後端から上向きに立ち上がるように形成されている。固定片445の長手方向(左右方向)の両端近くに、円形の取付孔4450がそれぞれ設けられている。つまり、筐体44は、前後方向に沿って前板442と対向する面(後面)が開放された箱状に形成されている。なお、筐体44は金属板で形成されることが好ましい。
無線通信部40のボディ420は、無線通信回路41を収容した状態で筐体44内に収容される。ボディ420は、各ねじ挿通孔4411に挿通される2本のねじ425によって筐体44の下板441にねじ止めされる。ただし、無線通信回路41のアンテナ410は、切欠446を通して筐体44の外(下)に突出している。カバー421の引掛片424が下板441における切欠446の前端に引っ掛けられた状態で、蓋体422の各貫通孔4220に挿通されるねじ46が下板441の各ねじ孔4410にねじ込まれることにより、カバー421が下板441に取り付けられる。このとき、切欠446から筐体44の外に突出しているアンテナ410は、カバー421のアンテナ収容部423内に収容される。
上板440の各ねじ挿通孔4400に挿通されるねじ47が固定板45の主片450の各ねじ孔4500にねじ込まれることにより、固定板45が筐体44の上板440にねじ止めされる。つまり、筐体44内において、赤外線通信部43は固定板45によって上板440に固定される。このとき、受光素子430の受光部4300と下板441の透光孔447とが下板441の厚み方向(上下方向)に沿って対向している(図6参照)。つまり、受光素子430の受光部4300は、下板441の透光孔447を通して赤外線信号を受信することができる。
筐体44は、アーム15の連結部18に取り付けられる。すなわち、固定片445の各取付孔4450に挿通される取付ねじ48が、前方の連結部18に設けられている一対のねじ孔のうちの対応するねじ孔にねじ込まれることにより、筐体44が連結部18に取り付けられる(図4参照)。
照明器具1は、一対の電源線70によって交流電源7に電気的に接続される(図8参照)。一対の電源線70には、複数台の照明器具1が電気的に並列接続されることが好ましい。ただし、交流電源7から各照明器具1への給電路となる一対の電源線70は、スイッチ装置8によって断路可能に構成されることが好ましい。スイッチ装置8は、操作部80が操作される毎に給電路を断路する状態(オフ状態)と、給電路を断路しない状態(オン状態)とに切り替えるように構成されている。そして、スイッチ装置8がオン状態のときに各照明器具1が点灯し(あるいは点灯可能な状態となり)、スイッチ装置8がオフ状態のときに各照明器具1が消灯する。
制御装置6は、図8に示すように、無線通信部60と、第2制御部61と、第2記憶部62と、操作入力部63と、表示部64と、電源部65とを備えることが好ましい。無線通信部60は、第2制御部61から与えられる指令(コマンド)や識別情報(IDデータ)を含む送信フレームで無線信号の搬送波を変調し、変調後の搬送波をアンテナから無線信号として送信するように構成されている。無線通信部60は、例えば、920MHz帯の電波を媒体(搬送波)として無線信号を送信するように構成されることが好ましい。第2制御部61は、例えば、マイクロコントローラと、マイクロコントローラで実行されるプログラムとを有している。電源部65は、外部の電源(交流電源7)から供給される交流電力を直流電力に電力変換することで無線通信部60、第2制御部61などの各部の動作用電源を生成している。
操作入力部63は、押釦スイッチやタッチセンサなどの入力デバイスを有している。操作入力部63は、押釦スイッチやタッチセンサで操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力に対応した操作信号を第2制御部61に出力する。表示部64は、発光ダイオードや液晶ディスプレイなどの表示デバイスを有している。表示部64は、第2制御部61に駆動されることで種々の情報、例えば、第2制御部61の動作モードなどを表示するように構成されている。第2記憶部62は、第1記憶部322と同じく、フラッシュメモリやEEPROMなどの電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリで構成されている。第2記憶部62は、例えば、自己の識別情報(IDデータ)などを記憶している。
制御装置6は、図9に示すように、合成樹脂製の本体66を有している。本体66は、扁平な矩形の箱状に形成されている。本体66は、無線通信部60、第2制御部61、第2記憶部62、操作入力部63、表示部64、電源部65を内部に収容している。本体66の下面から電源ケーブル67が引き出されている。電源ケーブル67の先端に電源プラグ68が設けられている。電源部65は、電源プラグ68がコンセントに差し込み接続されることにより、電源プラグ68及び電源ケーブル67を介して交流電源7から給電される。本体66の前面に、第1操作部材630、第2操作部材631及び第3操作部材632が上下方向に並べて配置されている。第1操作部材630、第2操作部材631及び第3操作部材632のそれぞれは、本体66の前面に対して押操作可能に構成されている。そして、一番下に配置されている第1操作部材630が押操作されると、操作入力部63が有する複数の押釦スイッチのうちで第1操作部材630に対応した押釦スイッチがオンされる。操作入力部63は、第1操作部材630によって押釦スイッチがオンされると、照明器具1の状態(点灯状態と消灯状態)を切り替えるための操作信号(第1操作信号)を第2制御部61へ出力する。また、一番上に配置されている第2操作部材631が押操作されると、操作入力部63が有する複数の押釦スイッチのうちで第2操作部材631に対応した押釦スイッチがオンされる。操作入力部63は、第2操作部材631によって押釦スイッチがオンされると、照明器具1の調光レベルを上げる(明るくする)ための操作信号(第2操作信号)を第2制御部61へ出力する。さらに、中央に配置されている第3操作部材632が押操作されると、操作入力部63が有する複数の押釦スイッチのうちで第3操作部材632に対応した押釦スイッチがオンされる。操作入力部63は、第3操作部材632によって押釦スイッチがオンされると、照明器具1の調光レベルを下げる(暗くする)ための操作信号(第3操作信号)を第2制御部61へ出力する。本体66の前面における第2操作部材631及び第3操作部材632の隣に、表示部64の表示素子(発光ダイオード)が発する光を透過させるための窓660が設けられている。この窓660は、上下方向を長手方向とする矩形に形成されている。
第2制御部61は、第1操作信号、第2操作信号及び第3操作信号のそれぞれに対応した制御指令と、制御装置6に固有の識別情報を含む送信フレームを生成し、生成した送信フレームを無線通信部60に渡す。無線通信部60は、第2制御部61から与えられる送信フレームを変調し、変調後の送信フレームをアンテナから無線信号として送信する。
次に、図8を参照して、送信機5及び制御装置6により、体育館などの天井に設置された照明器具1が遠隔制御される手順を説明する。
まず、送信機5により、照明器具1と制御装置6のペアリングが行われる。送信機5の操作ボタン50が押操作されると、送信機5からペアリングのための設定情報を含む赤外線信号が送信される。なお、設定情報とは、例えば、無線信号の送信元である制御装置6に割り当てられている識別情報である。遠隔制御ユニット4では、赤外線通信部43が赤外線信号を受信して設定情報を取得し、無線通信部40の無線通信回路41が赤外線通信部43から受け取った設定情報をメモリ(例えば、電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリ)に記憶する。無線通信回路41が設定情報をメモリに記憶することにより、照明器具1と制御装置6とのペアリングが完了する。
遠隔制御ユニット4の無線通信回路41は、制御装置6から送信される無線信号を受信して送信フレームを取得する。無線通信回路41は、当該送信フレームに含まれる識別情報をメモリに記憶している設定情報と照合し、識別情報が設定情報と一致すれば、当該送信フレームに含まれる制御指令に対応した制御信号を生成する。無線通信回路41は、生成した制御信号を信号ケーブル326を介して回路ブロック32の第1制御部321に伝送する。第1制御部321は、無線通信回路41から受け取る制御信号に基づき、点灯回路部320を制御して光源ユニット2を点滅及び調光する。
一方、無線通信回路41は、送信フレームに含まれる識別情報がメモリに記憶されている識別情報と一致しなければ、当該送信フレームを破棄して制御信号を生成しない。つまり、無線通信回路41は、複数の制御装置から無線信号を受信可能であっても、ペアリングされている制御装置6から送信される送信フレーム(制御指令)だけを受け入れるように構成されている。なお、無線通信回路41は、送信機5から送信される赤外線信号に制御指令が含まれている場合、当該赤外線信号に含まれる制御指令に対応した制御信号を生成して第1制御部321に伝送してもよい。
ここで、照明器具1では、遠隔制御ユニット4が器具本体10ではなくアーム15の連結部18に取り付けられている。照明器具1は、アーム15の固定部17で造営物(例えば、体育館の天井)に固定されれば、遠隔制御ユニット4の無線通信部40で無線信号を受信し、かつ赤外線通信部43で赤外線信号を受信することができる。つまり、照明器具1は、特許文献1記載の従来例とは異なり、遠隔制御ユニット4に対する作業なしで施工可能である。そのため、照明器具1は、特許文献1記載の従来例と比較して、遠隔制御を可能としつつ施工作業の作業性の向上を図ることができる。なお、遠隔制御ユニット4による遠隔制御の内容は光源ユニット2の点滅及び調光に限定されない。例えば、器具本体10にアーム15の取付部16をモータで回転させる機構が設けられ、遠隔制御ユニット4が当該モータの回転量を調整することにより、アーム15に対する器具本体10の姿勢を遠隔制御しても構わない。
また、アーム15の連結部18に取り付けられた遠隔制御ユニット4は、器具本体10の下に取り付けられている光源ユニット2よりも上方に位置することにより、光源ユニット2の照明光を筐体44の透光孔447から筐体44内に入り難くしている。そのため、照明器具1は、光源ユニット2を点灯させている状態であっても送信機5から送信される赤外線信号を受光素子430で受光することができる。その結果、照明器具1は、赤外線通信部43における赤外線通信の通信精度の向上を図ることができる。
さらに、照明器具1では、遠隔制御ユニット4の後方にアーム15の連結部18が配置されている(図1参照)。このため、第1の照明器具1の後方に設置されている第2の照明器具1に向けて送信された赤外線信号が、第1の照明器具1におけるアーム15の連結部18に遮られ易くなる。その結果、第2の照明器具1に向けて送信された赤外線信号を第1の照明器具1の遠隔制御ユニット4が過って受信する可能性を低くすることができる。
また、照明器具1は、連結部18からみて器具本体10の外側に配置されるように筐体44が連結部18に取り付けられるので、連結部18からみて器具本体10の内側に配置される場合よりも赤外線信号の受信感度の向上を図ることができる。
ところで、電源装置3は2つの連結部18の間、すなわち、器具本体10の上に配置されることが好ましい。このように電源装置3が2つの連結部18の間に配置されれば、連結部18からみて器具本体10の外側に取り付けられた遠隔制御ユニット4の筐体44と電源装置3とを離して配置することができる。遠隔制御ユニット4は、電源装置3との距離を大きくするほど、電源装置3で発生するノイズ(不要輻射)や熱の影響を受け難くなる。
また、照明器具1において、無線通信部40が赤外線通信部43とともに筐体44に収容されている。そのため、照明器具1は、無線通信部40が電源装置3のケース30に収容される場合と比較して、アンテナ410で電波を捉えることのできる範囲が広くなるので、無線信号の受信感度の向上を図ることができる。
さらに、無線通信部40は、器具本体10と電源装置3との距離よりも器具本体10と無線通信部40との距離が大きくなる位置に配置されることが好ましい。具体的には、器具本体10からみて、筐体44の下面から突出しているアンテナ収容部423の底面が、ケース30の天板300の上面よりも上になように遠隔制御ユニット4がアーム15に取り付けられてもよい。この場合、金属製のケース30で無線信号が遮蔽されにくくなるので、制御装置6から送信される無線信号を無線通信回路41で受信し易くなる。
ここで、照明器具1では、支持部材であるアーム15が、取付部16を長手方向の両端に有するU字形状に形成されている。ただし、照明器具1は2つの支持部材(アーム)を備えてもよい。2つのアームは、それぞれL字形に形成されることが好ましい。各アームの固定部は、連結部の上端から外向き(器具本体10から離れる向き)に突出することが好ましい。遠隔制御ユニット4の筐体44は、2つのアームのうちの一方のアームに取り付けられることが好ましい。
上述のように照明器具1は、光源(光源ユニット2)と、光源ユニット2を点灯させる電源装置3と、光源ユニット2及び電源装置3を保持する器具本体10と、器具本体10を支持する支持部材(アーム15)とを備える。照明器具1は、電源装置3を遠隔制御するための制御指令を受け取る遠隔制御ユニット4を備える。1つ以上のアーム15は、器具本体10の側面に取り付けられる取付部16と、造営物に固定される固定部17と、取付部16と固定部17を連結する連結部18とを有している。遠隔制御ユニット4は、無線通信を行う無線通信部40と、赤外線通信を行う赤外線通信部43と、赤外線通信部43を収容する筐体44とを有している。筐体44は、連結部18に取り付けられている。
照明器具1は、アーム15の固定部17で造営物に固定されれば、遠隔制御ユニット4の無線通信部40で無線信号を受信し、かつ赤外線通信部43で赤外線信号を受信することができる。つまり、照明器具1は、特許文献1記載の従来例とは異なり、遠隔制御ユニット4に対する作業なしで施工可能である。そのため、照明器具1は、特許文献1記載の従来例と比較して、遠隔制御を可能としつつ施工作業の作業性の向上を図ることができる。
照明器具1において、筐体44は、連結部18からみて器具本体10の外側に配置されるように連結部18に取り付けられていることが好ましい。
照明器具1は上述のように構成されることにより、連結部18からみて器具本体10の内側に配置される場合よりも赤外線信号の受信感度の向上を図ることができる。
照明器具1において、アーム15は、取付部16と連結部18を2つずつ有することが好ましい。電源装置3は、2つの連結部18の間に配置されていることが好ましい。
照明器具1は上述のように構成されることにより、連結部18からみて器具本体10の外側に取り付けられた遠隔制御ユニット4の筐体44と電源装置3とを離して配置することができる。そのため、照明器具1は、遠隔制御ユニット4と電源装置3との距離を大きくするほど、電源装置3で発生するノイズ(不要輻射)や熱の影響を遠隔制御ユニット4に及ぼし難くできる。
照明器具1において、無線通信部40は筐体44に収容されていることが好ましい。
照明器具1は上述のように構成されることにより、無線通信部40が電源装置3のケース30に収容される場合と比較して、無線通信部40で電波を捉えることのできる範囲が広くなるので、無線信号の受信感度の向上を図ることができる。
照明器具1において、無線通信部40は、器具本体10と電源装置3との距離よりも器具本体10と無線通信部40との距離が大きくなる位置に配置されていることが好ましい。
照明器具1は上述のように構成されることにより、電源装置3で無線信号が遮蔽されにくくなるので、無線信号の受信感度の向上を図ることができる。
照明器具1において、アーム15は、取付部16を長手方向の両端に有するU字形状に形成されていることが好ましい。
照明器具1は上述のように構成されることにより、1つの支持部材(アーム15)で器具本体10を造営物に取り付けることができて部品点数の削減を図ることができる。