JP6894625B2 - 耐火木造防災シェルター - Google Patents

耐火木造防災シェルター Download PDF

Info

Publication number
JP6894625B2
JP6894625B2 JP2017129628A JP2017129628A JP6894625B2 JP 6894625 B2 JP6894625 B2 JP 6894625B2 JP 2017129628 A JP2017129628 A JP 2017129628A JP 2017129628 A JP2017129628 A JP 2017129628A JP 6894625 B2 JP6894625 B2 JP 6894625B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall portion
disaster prevention
prevention shelter
wooden
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017129628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019011639A (ja
Inventor
浅野 成昭
成昭 浅野
Original Assignee
株式会社森は宝
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社森は宝 filed Critical 株式会社森は宝
Priority to JP2017129628A priority Critical patent/JP6894625B2/ja
Publication of JP2019011639A publication Critical patent/JP2019011639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6894625B2 publication Critical patent/JP6894625B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、耐火木造防災シェルターに関し、更に詳しくは、防火性能及び耐震性能に優れる耐火木造防災シェルターに関する。
木材は、調湿性や断熱性に優れ、しかもリサイクル可能な資源である。このため、構造耐力上主要な部分に木材を用いた木造建築物は、環境に優しい建築物として、普及が進められている。
近年、地震、火災等の災害が世界各地で増加しており、防災の観点から、あらゆる防災技術が開発されている。
例えば、地震に対しては、「耐震」、「制震」、「免震」等の技術が知られており、火災に対しては、いわゆる「耐火建築物」等の技術が知られている。
ところで、新たに建築物を建造するにおいては、これらの技術を採用することが可能であるが、様々な構造を有する既存の建築物に対しては、これらの技術を付加することは困難である。
それに対し、既存建築物の屋内に設置可能な耐震シェルターが開発されている。
例えば、既存木造建築物内の部屋の内部で耐震補強木造部材を組立でき、部屋の大きさに合わせて部屋全体を耐震補強化させる屋内木造耐震シェルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、既存の該戸建住宅の一室を利用して設置され、剛構造の簡易木造軸組釘打ち工法よりなり、少なくとも土台、ベタコンクリート打ち上に床束、大引、柱、間柱、梁等の骨組と、該骨組に取付けられた床板、壁板、天井板等の面板と、を備えた木質耐震シェルターが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−156174号公報 特開2013−181347号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の耐震シェルターは、震害を減らすという観点では一定の効果を有するものの、防火という観点では十分な効果があるとはいえない。
すなわち、地震の際には、同時に火災が発生する可能性が高いところ、これらの耐震シェルターは、いずれも、木造であるため、火災により燃える可能性がある。そのため、地震の際に、これらの耐震シェルターを利用しても安心することができないという欠点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、防火性能及び耐震性能に優れる耐火木造防災シェルターを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、基礎の上にコンクリート層を設け、その上に底壁部、側壁部及び天井壁部を設け、更に、それらの外側に、不燃材料からなる外壁部を取り付けることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)既存建築物の屋内に設置可能な耐火木造防災シェルターであって、既存建築物の基礎の上に設けられたコンクリート層と、該コンクリート層の上に、間隔をおいて複数配置された支持具を介して設置された底壁部、該底壁部の周縁から起立するように設けられた側壁部、及び、該側壁部の上面に設けられ、該側壁部で囲まれた内部領域を封鎖する天井壁部、からなるハウジング部と、を備え、底壁部、側壁部及び天井壁部が、いずれも、複数の柱部と、該柱部同士の間に配設されるブロック部とからなるものであり、該ブロック部が、基部と、該基部に内設された断熱部とを有し、底壁部、側壁部及び天井壁部の外側には、不燃材料からなる外壁部が取り付けられている耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(2)断熱部が不燃化された不燃断熱材からなる上記(1)記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(3)角に位置する柱部の外側には、断面視L字状の不燃材料からなる角外壁部が配置されており、角外壁部が外壁部に連設され、底壁部、側壁部及び天井壁部が、外壁部又は角外壁部により被覆されている上記(1)又は(2)に記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(4)角外壁部と外壁部との間には、0.1〜1mmの隙間が設けられている上記(3)記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(5)側壁部には、ドア部が設けられており、該ドア部がブロック部からなる上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(6)支持具が免震ゴムである上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(7)底壁部の上には、床部が設けられており、該床部には吸排気口が設けられ、底壁部には該底壁部を貫通する貫通孔が設けられている上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明は、(8)不燃材料が、不燃液が付与された単板を互いに貼り合わせた不燃単板積層材からなる上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の耐火木造防災シェルターに存する。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、既存建築物の基礎の上にコンクリート層を設け、その上に支持具を介して、ハウジング部が設けられるので、地震の際に、ハウジング部が下方に大きく落下する等の事態が生じることを防止することができる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、火災の際に、底壁部、側壁部及び天井壁部の外側に、不燃材料からなる外壁部が取り付けられているため、燃焼することを防止することができる。
なお、本明細書において、「不燃」とは、接炎した際に着火しないもの、又は、建築基準法施行令第108条の二で定める不燃性能を意味する。
このとき、底壁部、側壁部及び天井壁部を構成するブロック部には断熱部が設けられているので、側壁部に囲まれた内部領域の温度上昇も抑制できる。
また、火災は一般に下方から燃え広がるところ、上記耐火木造防災シェルターにおいては、底壁部外側の外壁部の下方には、コンクリート層と、間隔をおいて配置された支持具としか有していないため、仮に、耐火木造防災シェルターの周囲で火災が発生したとしても、ハウジング部に燃え広がることを防止することができる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、底壁部、側壁部及び天井壁部が、いずれも、複数の柱部と、該柱部同士の間に配設されるブロック部とからなるものであるため、比較的容易に組み立てることができる。これにより、既存建築物の屋内であっても設置が可能となる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、断熱部が不燃化された不燃断熱材からなる場合、防火性能をより向上させることができる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、底壁部、側壁部及び天井壁部の全体を、不燃材料からなる、外壁部又は角外壁部で被覆することにより、防火性能をより向上させることができると共に、耐火時間をより長時間とすることができる。
このとき、連設された角外壁部と外壁部との間には、0.1〜1mmの隙間が設けられていることが好ましい。この場合、角外壁部又は外壁部が動きの自由度を有することになるため、地震の際の振動による衝撃を吸収することが可能となる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、側壁部に、ブロック部からなるドア部を設けることにより、断熱性が維持されると共に、比較的容易に取り付けることができる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、支持具を免震ゴムとすることにより、耐震性能をより向上させることができる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、床部に吸排気口を設け、底壁部に該底壁部を貫通する貫通孔を設けることにより、側壁部に囲まれた内部領域を換気することが可能となる。
本発明の耐火木造防災シェルターにおいては、不燃材料が、不燃液が付与された単板を互いに貼り合わせた不燃単板積層材からなるものである場合、サイズを自在に調整することができる。
また、防火性能をより向上させることができると共に、十分な強度を有するものとすることができる。
図1は、本発明に係る耐火木造防災シェルターの一実施形態を示す模式図である。 図2の(a)は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターを鉛直面で切断した断面図である。 図2の(b)は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターを水平面で切断した断面図である。 図3は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターにおいて柱部及びブロック部からなるユニットを示す拡大断面図である。 図4は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターの外壁部を示す拡大断面図である。 図5は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターの角外壁部を示す拡大断面図である。 図6は、実施例で用いたブロック部のサンプルを示す斜視図である。 図7は、実施例においてサンプルの評価試験で得られた温度グラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明に係る耐火木造防災シェルターの一実施形態を示す模式図である。
図1に示すように、耐火木造防災シェルターXは、中空四角柱状のハウジング部3を備え、既存建築物Hの屋内に設置される。なお、かかる既存建築物Hは、木質構造(木造)であっても、鉄骨構造であってもよい。
かかる耐火木造防災シェルターXのハウジング部3は、既存建築物Hの1階の部屋に、後述する柱部及びブロック部を持ち込んで、組み立てることにより、設置される。なお、設置方法の詳細については後述する。
図2の(a)は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターを鉛直面で切断した断面図であり、(b)は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターを水平面で切断した断面図である。
図2の(a)に示すように、耐火木造防災シェルターXは、地面Gに設置された既存建築物の基礎Kの上に設けられたコンクリート層1と、該コンクリート層1の上に、間隔をおいて複数配置された支持具2と、該支持具2を介して設置されたハウジング部3とを備える。
また、ハウジング部3は、矩形状の底壁部31と、該底壁部31の周縁から起立するように設けられた4面の側壁部32と、これらの側壁部32の上面に設けられ、これらの側壁部32で囲まれた内部領域Sを封鎖する天井壁部33とからなる。
コンクリート層1は、既存建築物の基礎Kの上に、表面が平坦であり且つ上面視で矩形状となるように、層状に設けられる。これにより、コンクリート層1は、基礎Kと一体化される。
耐火木造防災シェルター1においては、底壁部31と基礎Kとの間に、コンクリート層1を設けることにより、底壁部31と基礎Kとの間の隙間を極力小さくしている。これにより、地震の際に、ハウジング部3が下方に大きく落下する等の事態が生じることを防止することができ、火災の際には、火の侵入を抑制することができる。
支持具2は、コンクリート層1の上に載置される。なお、支持具2の上にはハウジング部3が載置されるため、支持具2は、コンクリート層1とハウジング部3とに挟まれた状態となっている。
かかる支持具2は、後述する底壁部31の各柱部3aの直下にそれぞれ配置される。
また、支持具2は、柱部3aの長さ方向に沿って複数配置される。なお、隣合う支持具2同士の間隔は、極力、等間隔とすることが好ましい。
かかる支持具2としては、免震機能を有するものであることが好ましい。具体的には、免震(防振)ゴム、免震(防振)パッド、スプリング等が挙げられる。
支持具2が免震機能を有するものである場合、地震の際に、振動がハウジング部3に伝達されるのを抑制することができる。
また、これらの中でも、支持具2は、免震ゴムであることが好ましい。この場合、設置が容易であり、免震効果も十分に発揮することができる。
これに加え、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、ハウジング部3と既存建築物の部屋の壁Wとの間にも支持具2が設けられている。このため、耐火木造防災シェルターXにおいては、縦揺れだけでなく、横揺れに対しても振動が伝達されるのを抑制することが可能となっている。
図2の(a)及び 図2の(b)に示すように、ハウジング部3は、底壁部31、側壁部32及び天井壁部33が、いずれも、複数の柱部3aと、該柱部3a同士の間に配設されたブロック部3bとからなる。
具体的には、底壁部31、側壁部32及び天井壁部33は、複数の柱部3aが、互いに平行となるように、等間隔で複数配置され、その柱部3a同士の間にブロック部3bが配設された構成となっている。このため、耐火木造防災シェルターXは、比較的容易に組み立てることができる。これにより、既存建築物の屋内であっても設置が可能となる。
図3は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターにおいて柱部及びブロック部からなるユニットを示す拡大断面図である。なお、図3においては、ユニットの柱部及びブロック部を実線で示し、その余を鎖線で示している。
図3に示すように、ユニットUは、柱部3aと、該柱部3aに取り付けられたブロック部3bとからなる。
なお、ブロック部3bと、その両側の柱部3aとは、互いに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されている。
また、図示していないが、柱部3a及びブロック部3bの長さは、同一となっており、両端面は面一となっている。
柱部3aは、四角柱状のいわゆる角材からなる。
柱部3aの材質としては、特に限定されず、赤松、檜、唐松、杉、檜葉、栗、米栂、スプルース、米ヒバ、米松等の一般的な木材を採用することができる。
また、柱部3aとしては、調湿性の観点から、丸太から切り出した木材である、いわゆる無垢材を採用することが好ましい。
ブロック部3bは、複数のブロック用板状体4を互いに貼り合わせた基部3b1と、該基部3b1に内設された断熱部3b2と、断熱部3b2両側に設けられた間柱4aとを有している。
具体的には、ブロック部3bは、柱部3aの間で、外側に配置されるブロック用板状体4と、その内側に配置されるブロック用板状体4と、間柱4aに挟持された断熱部3bとが、積層された3層構造となっている。
なお、ブロック部3bにおいて、ブロック用板状体4同士は、互いに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されており、ブロック用板状体4及び間柱4aも同様に、互いに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されている。
このように、耐火木造防災シェルターXにおいては、ブロック部3bに断熱部3b2が設けられているので、側壁部32に囲まれた内部領域Sの温度上昇も抑制することができる。
これに加え、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、ブロック部3bの内側、すなわち、断熱部3b2の内側に、内壁部5が設けられている。したがって、断熱部3bは、幅方向が一対の幅小のブロック用板状体4に挟まれ、厚さ方向が幅広のブロック用板状体4及び内壁部5に挟まれている。
なお、内壁部5は、柱部3a及び間柱4aに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されている。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、間柱4aとして、四角柱状のいわゆる角材が用いられる。
間柱4aの材質としては、特に限定されず、赤松、檜、唐松、杉、檜葉、栗、米栂、スプルース、米ヒバ、米松等の一般的な木材を採用することができる。
また、間柱4aとしては、調湿性の観点から、丸太から切り出した木材である、いわゆる無垢材を採用することが好ましい。
なお、間柱4aは、無垢材の代わりに、合板、合成木材、不燃木材、単板積層材(LVL)、板状の集成材等を採用することも可能である。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、ブロック用板状体4及び内壁部5として、合板が用いられる。
なお、ブロック用板状体4及び内壁部5は、合板の代わりに、木材(無垢材)、合成木材、不燃木材、単板積層材(LVL)、板状の集成材等を採用することも可能である。また、幅広のブロック用板状体4と、幅小のブロック用板状体4と、内壁部5とは、これらの範囲内で、同じものを採用してもよく、異なるものを採用してもよい。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、断熱部3b2として、不燃化された不燃断熱材が用いられる。これにより、耐火木造防災シェルターXは、防火性能をより向上させることができる。
不燃化された断熱材としては、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、EPS(ビーズ法ポリスチレン)、XPS(押し出し法ポリスチレン)等の発泡系断熱材を、不燃液で処理したものが挙げられる。
これらの中でも、不燃効果、断熱効果及び汎用性の観点から、不燃断熱材は、不燃化したEPSであることが好ましい。
不燃液としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等のホウ素化合物、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン等のリン酸化合物、窒素化合物、臭化アンモニウム等のハロゲン化合物、シリコン化合物等の水溶液が挙げられる。なお、当該不燃液には公知の添加剤が含まれていてもよい。
また、例えば、特許第3485914号に記載の不燃処理液を採用することも可能である。
不燃液を付与する方法としては、特に限定されず、不燃液を吹き付ける吹付け法、乾燥した断熱材を不燃液に浸漬することにより、不燃液を付与する浸漬法等が挙げられる。
図4は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターの外壁部を示す拡大断面図である。なお、図4においては、外壁部を実線で示し、その余を鎖線で示している。
図4に示すように、外壁部6は、柱部3a及びブロック部3bの外側に取り付けられる。
なお、外壁部6と、柱部3a及びブロック部3bとは、互いに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されている。
また、図示していないが、外壁部6、柱部3a及びブロック部3bの長さは、同一となっており、両端面は面一となっている。
外壁部6は、不燃材料からなる。すなわち、底壁部31、側壁部32及び天井壁部33の外側には、不燃木材からなる外壁部6が取り付けられている。
これにより、耐火木造防災シェルターXにおいては、火災の際に、ハウジング部3が燃焼することを防止することができる。
具体的には、外壁部6は、不燃液が付与された単板6aを互いに貼り合わせた不燃単板積層材からなる。
なお、外壁部6としては、不燃単板積層材の代わりに、木材(無垢材)、合成木材、合板、板状の集成材等の材料を不燃液で処理したものを採用することも可能である。
また、かかる不燃液は上述したものと同じである。
図2の(a)に戻り、耐火木造防災シェルターXにおいては、底壁部31と側壁部32とがなす角、隣合う側壁部32同士がなす角、及び、側壁部32と天井壁部33とがなす角、に位置する柱部3aの外側には、断面視L字状の不燃材料からなる角外壁部7が配置されている。
そして、角外壁部7は、外面が面一となるように、外壁部6に連設されている。
すなわち、耐火木造防災シェルターXは、底壁部31、側壁部32及び天井壁部33が、外壁部6又は角外壁部7により被覆された構造となっている。これにより、耐火木造防災シェルターXは、防火性能がより向上し、耐火時間もより長時間とる。
図5は、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターの角外壁部を示す拡大断面図である。
角外壁部7は、不燃材料からなる。
具体的には、角外壁部7は、不燃液が付与された単板を互いに貼り合わせた不燃単板積層材からなる。
なお、角外壁部7としては、不燃単板積層材の代わりに、木材(無垢材)、合成木材、合板、板状の集成材等の材料を不燃液で処理したものを採用することも可能である。
また、かかる不燃液は上述したものと同じである。
ここで、図5に示すように、角外壁部7と外壁部6との間には、0.1〜1mmの隙間Dが設けられていることが好ましい。この場合、角外壁部7又は外壁部6が動きの自由度を有することになるため、地震の際の振動による衝撃を吸収することが可能となる。
また、角外壁部7又は外壁部6が木質のものである場合は、含水量等に起因する木質特有の伸縮を吸収することができる。
図2の(a)に戻り、耐火木造防災シェルターXにおいて、底壁部31の上には、支柱8aを介して、床部8が設けられている。なお、床部8は、後述するドア部の下端に対応する位置に設けられている。
また、床部8には、吸排気口9aが設けられており、底壁部31には該底壁部31を貫通する貫通孔9bが設けられている。このため、側壁部32に囲まれた床部8の上の内部領域Sは、吸排気口9aを介して、床部8と底壁部31との間の空間に通じ、該空間は、貫通孔9bを介して、底壁部31とコンクリート層2との間から外気に通じることになる。
このため、内部領域Sを換気することが可能となる。
図2の(a)及び 図2の(b)に示すように、耐火木造防災シェルターXにおいては、対向する側壁部32に、それぞれ、ドア部10が設けられている。なお、両方のドア部10は、構造が同じとなっている。
ドア部10は、一対の合板10aと、合板10a同士の間に取り付けられたブロック部3bと、一方の合板10aに取り付けられた回転軸体10bとからなる。
したがって、ドア部10は、回転軸体10bを中心に回動することにより、開閉可能となっている。
また、ドア部10においては、ブロック部3bの内側に内壁部5が設けられ、ブロック部3bの外側に外壁部6が設けられている。
なお、ブロック部3b、内壁部5及び外壁部6の構造は、上述したものと同じであるので説明を省略する。
このように、ドア部10は、ブロック部3bを有するので、断熱性が維持されると共に、比較的容易に取り付けることが可能となっている。
また、ドア部10には、不燃材料からなる外壁部6が取り付けられているので、防火性能にも優れる。
次に、本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXの設置方法について説明する。
耐火木造防災シェルターXは、上述したように、既存建築物の基礎を利用するため、1階に設けられる。
また、仮に、既存建築物の基礎の上に、床等が設置されている場合は、予めそれを取り除く。
まず、基礎の上に、コンクリート層1を敷設する。このとき、コンクリート層1の表面は平坦とする。
次に、コンクリート層2の上に、支持具2を配置する。具体的には、支持具2は、次に設置される予定の底壁部31の柱部3aの位置に対応する位置に配置する。
そして、搬入された柱部3aとブロック部3bとを組み立て、底壁部31、ドア部10を含む側壁部32及び天井壁部33を形成する。
次に、床部8を設置し、底壁部31、ドア部10を含む側壁部32及び天井壁部33に、内壁部5及び外壁部6を設けることにより、耐火木造防災シェルターXが設置される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいて、ハウジング部3は、中空四角柱状となっているが、これに限定されず、中空多角柱状やドーム状であってもよい。なお、この場合、既存建築物の基礎Kの上に設けるコンクリート層も、ハウジング部3の形状に対応させて多角形状としてもよい。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいて、支持具2は、単に、コンクリート層1とハウジング部3とに挟まれた状態となっているが、これらに、接着剤により、及び/又は、ビス、ネジ、ボルト等の留め具により、固定されていてもよい。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、ブロック用板状体4及び内壁部5として、合板が用いられているが、不燃液で処理した合板を用いてもよい。
同様に、合板の代わりに、不燃液で処理した、木材(無垢材)、合成木材、不燃木材、単板積層材(LVL)、板状の集成材等を採用してもよい。
なお、かかる不燃液は上述したものと同じである。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、断熱部3b2として、不燃化された不燃断熱材が用いられているが、不燃化されていなくてもよい。
また、断熱材として、発泡系断熱材の代わりに、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材等の繊維系断熱材を採用することも可能である。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、外壁部6、角外壁部7、断熱部3b2等、不燃液で処理することにより不燃化しているが、不燃化する方法はこれに限定されない。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、底壁部31の上に、支柱8aを介して、床部8が設けられているが、必ずしも必須ではない。すなわち、支柱を介さずに床部を設けてもよく、底壁部自体を床部としてもよい。
本実施形態に係る耐火木造防災シェルターXにおいては、対向する側壁部32に、それぞれ、ドア部10が設けられているが、ドア部10を設ける位置は特に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明に係る耐火木造防災シェルターの耐火性を確認するため、ブロック部の小型サンプル(300×300mm)を作製した。
図6は、実施例で用いたブロック部のサンプルを示す斜視図である。
図6に示すように、サンプル3b’は、内壁部5からなる層と、断熱部3b2及び断熱部3b2両側に設けられた間柱4aからなる層と、1枚のブロック用板状体4からなる層と、外壁部6からなる2層とがこの順序で積層された構造となっている。
サンプル3b’において、内壁部5及びブロック用板状体4としては合板を用い、断熱部3b2としては不燃化されたEPSを用い、間柱4aとしては杉の無垢材を用い、外壁部6としては不燃化された不燃単板積層材を用いている。
なお、これらは、互いに、接着剤及びビスにより固定されている。
そして、各層の間、すなわち、図6に示すCH1、CH2、CH3、CH4及びCH5に熱電対を挿入し、国土交通省大臣認定の耐火構造認定における1時間耐火(壁炉)の評価試験方法に準じて、1時間耐火試験を行った。
すなわち、標準加熱時間−温度曲線が規定されたISO834加熱曲線に沿った加熱を1時間行い、加熱終了後に加熱の3倍以上の時間(180分間)の冷却を行った。
得られた温度グラフを図7に示す。
図7に示すように、本発明に係る耐火木造防災シェルターのブロック部は、CH1、CH2、CH3、CH4及びCH5のいずれもが最高温度260℃以下であり、炭化は認められなかった。
このことから、本発明に係る耐火木造防災シェルターが、防火性能に優れることがわかった。
本発明に係る耐火木造防災シェルターXは、既存建築物の屋内に設置可能であり、災害時に、避難するためのシェルターとして用いられる。
本発明に係る耐火木造防災シェルターXは、耐震性能だけでなく、防火性能にも優れるものである。
1・・・コンクリート層
10・・・ドア部
10a・・・合板
10b・・・回転軸体
2・・・支持具
3・・・ハウジング部
31・・・底壁部
32・・・側壁部
33・・・天井壁部
3a・・・柱部
3b・・・ブロック部
3b1・・・基部
3b2・・・断熱部
4・・・ブロック用板状体
4a・・・間柱
5・・・内壁部
6・・・外壁部
7・・・角外壁部
8・・・床部
8a・・・支柱
9a・・・吸排気口
9b・・・貫通孔
G・・・地面
H・・・既存建築物
K・・・基礎
S・・・内部領域
U・・・ユニット
W・・・壁
X・・・耐火木造防災シェルター

Claims (8)

  1. 既存建築物の屋内に設置可能な耐火木造防災シェルターであって、
    前記既存建築物の基礎の上に設けられたコンクリート層と、
    該コンクリート層の上に、間隔をおいて複数配置された支持具を介して設置された底壁部、該底壁部の周縁から起立するように設けられた側壁部、及び、該側壁部の上面に設けられ、該側壁部で囲まれた内部領域を封鎖する天井壁部、からなるハウジング部と、
    を備え、
    前記底壁部、前記側壁部及び前記天井壁部が、いずれも、複数の柱部と、該柱部同士の間に配設されるブロック部とからなるものであり、
    該ブロック部が、基部と、該基部に内設された断熱部とを有し、
    前記底壁部、前記側壁部及び前記天井壁部の外側には、不燃材料からなる外壁部が取り付けられている耐火木造防災シェルター。
  2. 前記断熱部が不燃化された不燃断熱材からなる請求項1記載の耐火木造防災シェルター。
  3. 角に位置する柱部の外側には、断面視L字状の不燃材料からなる角外壁部が配置されており、
    前記角外壁部が前記外壁部に連設され、
    前記底壁部、前記側壁部及び前記天井壁部が、前記外壁部又は前記角外壁部により被覆されている請求項1又は2に記載の耐火木造防災シェルター。
  4. 前記角外壁部と前記外壁部との間には、0.1〜1mmの隙間が設けられている請求項3記載の耐火木造防災シェルター。
  5. 前記側壁部には、ドア部が設けられており、
    該ドア部が前記ブロック部からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火木造防災シェルター。
  6. 前記支持具が免震ゴムである請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐火木造防災シェルター。
  7. 前記底壁部の上には、床部が設けられており、
    該床部には吸排気口が設けられ、前記底壁部には該底壁部を貫通する貫通孔が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐火木造防災シェルター。
  8. 前記不燃材料が、不燃液が付与された単板を互いに貼り合わせた不燃単板積層材からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐火木造防災シェルター。
JP2017129628A 2017-06-30 2017-06-30 耐火木造防災シェルター Active JP6894625B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017129628A JP6894625B2 (ja) 2017-06-30 2017-06-30 耐火木造防災シェルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017129628A JP6894625B2 (ja) 2017-06-30 2017-06-30 耐火木造防災シェルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019011639A JP2019011639A (ja) 2019-01-24
JP6894625B2 true JP6894625B2 (ja) 2021-06-30

Family

ID=65227798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017129628A Active JP6894625B2 (ja) 2017-06-30 2017-06-30 耐火木造防災シェルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6894625B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019011639A (ja) 2019-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Frangi et al. Natural full-scale fire test on a 3 storey XLam timber building
JP2005299194A (ja) 木造建築物の外壁構造
Smolka et al. Semi-natural test methods to evaluate fire safety of wall claddings
JP2005036456A (ja) 構造材および建築物
JP4065416B2 (ja) 構造材および建築物
JP6978741B2 (ja) 耐火構造物
JP6894625B2 (ja) 耐火木造防災シェルター
JP4314081B2 (ja) 複合木質構造材の製造方法および接合方法
JP2019002144A (ja) 耐火主要構造部
JP2011026953A (ja) 防火区画壁
KR20190136376A (ko) 불연성 복합 단열판
JP6908354B2 (ja) 木質耐火構造の接合部
US3872640A (en) Prefabricated structural unit body and structures thereof
JP7174514B2 (ja) 木質耐火部材
JP2002356943A (ja) 外壁構造
JP6308980B2 (ja) 耐火柱及び耐火梁
JP2017190644A (ja) 耐火構造物
CA2888793A1 (en) Insulated battens for installation of exterior wall insulation at corners and architectural trim
JP2003155790A (ja) 木造軸組外断熱工法
JP7152788B2 (ja) 耐火構造物の施工方法
US20180298604A1 (en) Building element and associated reinforcing device
KR20050021084A (ko) 칸막이용 패널 및 이 패널을 이용한 칸막이 조립구조
KR101362251B1 (ko) 단열 하니콤
JP2020101021A (ja) 耐火集成材
JP7210145B2 (ja) 耐火構造及び建築物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20190731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190731

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6894625

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350