JP6894248B2 - 回転角度算出装置、及び回転角度算出方法 - Google Patents
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同図の計測システム1は、3次元スキャナ10と、回転角度算出装置30と、三脚20とを備える。
三脚20は、三本の脚をもつ台である。本実施形態において、三脚20は、3次元スキャナ10を支えるための台として用いられる。
また、本実施形態において、3次元スキャナ10のセンサ12の中心位置を原点とする3次元直交座標系ξηζが用いられる。
図2は、トンネルTNの坑内において3次元スキャナ10を設置した場合の態様例を示す。図2においては、トンネルTNの坑内の延伸方向と平行な平面から見た図を示している。図2において、3次元スキャナ10は、三脚20の上に設置され、座標系ξηζにおけるξ軸およびζ軸の座標軸は、座標系xyzのおけるx軸およびz軸を反時計回りに回転させた方向に設置されている。この場合において、座標系xyzのx軸およびz軸の座標軸と、x軸およびz軸にそれぞれ対応する座標系ξηζのξ軸およびζ軸の座標軸とは、相対的に軸の方向がずれた関係となる。
図5は、座標テーブル311に記憶する情報の一例を示す図である。
座標テーブル311には、座標番号iおよび各座標軸の回転角度θとともに座標値(ξi,ξηζ、ηi,ξηζ、ζi,ξηζ)が記憶される。座標値(ξi,ξηζ、ηi,ξηζ、ζi,ξηζ)とは、3次元スキャナ10からの計測情報に基づく3次元座標群を、座標系ξηζにおけるξ軸、η軸およびζ軸のいずれか又は複数の座標軸周りに回転させた場合の座標値である。
η軸回転テーブル312には、面積Aηζが、η軸周りの回転角度θηと関連付けて記憶される。また、ζ軸回転テーブル313には、面積Aηζが、ζ軸周りの回転角度θζと関連付けて記憶される。ξ軸回転テーブル314には、差分面積Aηζ,dが、ξ軸周りの回転角度θξと関連付けて記憶される。なお、面積Aηζおよび差分面積Aηζ,dについては後で説明する。
投影算出部33は、参照した3次元座標群をηζ平面に投影させた場合のη軸における最大値ηmaxおよび最小値ηminを求める。また、投影算出部33は、参照した3次元座標群をηζ平面に投影させた場合のζ軸における最大値ζmaxおよび最小値ζminを求める。そして、投影算出部33は、求めたη軸における最大値ηmax、最小値ηmin、および、ζ軸における最大値ζmax、最小値ζminに基づいて、面積Aηζを算出する。投影算出部33は、算出した面積Aηζを、η軸周りの回転角度θηと関連付け、η軸回転テーブル312に、記憶させる。
図14は、η軸周りに回転させる前と後における座標点群をηζ平面に投影させた例を示す図である。図14(a)は、η軸周りに回転させる前において、座標点群をηζ平面に投影させた態様を示す図である。図14(b)は、14(a)に示す状態から、座標点群をηζ平面に投影させた態様を示す図である。
図14(a)に示すように、面積Aηζとは、η軸における座標値が最大値ηmaxであってζ軸と平行な直線L1と、η軸における座標値が最小値ηminであってζ軸と平行な直線L2と、ζ軸における座標値が最大値ζmaxであってη軸と平行な直線L3と、ζ軸における座標値が最小値ζminであってη軸と平行な直線L4と、で囲まれる方形の面積である。
このため、トンネルTNの底面における四隅の位置を示す座標F1、F2、E1、およびE2からなる平面、或いは、トンネルTNの上面における頂点の位置を示す座標F3、およびE3を結ぶ直線(x軸と平行な直線)に対する、η軸の回転角度が大きい程、上述したステップS14に示す処理において求められる面積Aηζが大きくなる。そして、図14(b)に示すように、x軸と平行な直線に対する、η軸の回転角度が小さい程、面積Aηζが小さくなると考えられる。
本実施形態では、η軸周りに所定の回転角度で回転させる度に面積Aηζを求め、求めた面積Aηζが最小となる回転角度θηを、y軸とη軸との間の相対的な回転角度として求める。
図16(a)に示すように、ζ軸周りに回転させながら求める面積Aηζは、η軸における座標値が最大値ηmaxであってζ軸と平行な直線L1と、η軸における座標値が最小値ηminであってζ軸と平行な直線L2と、ζ軸における座標値が最大値ζmaxであってη軸と平行な直線L3と、ζ軸における座標値が最小値ζminであってη軸と平行な直線L4と、で囲まれる方形の面積である。
図16(b)に示すように、面積Aηζが最小となる回転角度θζで3次元座標を回転させた際には、トンネルTNの底面における延伸方向を示す座標F1とE1を結ぶ直線、および座標F2とE2を結ぶ直線のη軸における長さが最短となる。図16(b)に示す例では、座標F1とE1のζ軸における座標値が一致し、また座標F2とE2のζ軸における座標が一致している、すなわち、x軸とξ軸との方向が一致している態様を示している。
本実施形態では、ζ軸周りに所定の回転角度で回転させる度に面積Aηζを求め、求めた面積Aηζが最小となる回転角度θζを、z軸とζ軸との間の相対的な回転角度として求める。
投影算出部33は、参照した3次元座標群をηζ平面に投影させた場合のη軸における座標値の最大値ηmaxと最小値ηminおよび平均値ηaveを求める。
投影算出部33は、参照した3次元座標群のうち、η軸における座標値が平均値ηave以上である座標群をηζ平面に投影させ、ζ軸における最大値ζmax,hおよび最小値ζmin,hを求める。また、投影算出部33は、η軸における座標値が平均値ηave未満である座標群をηζ平面に投影させ、ζ軸における最大値ζmax,lおよび最小値ζmin,hを求める。
投影算出部33は、求めた最大値ηmaxと、最大値ζmax,hと、最小値ζmin,hとに基づいて、面積Aηζ,hを算出する。また、投影算出部33は、求めた最小値ηminと、最大値ζmax,lと、最小値ζmin,lとに基づいて、面積Aηζ,lを算出する。そして、投影算出部33は、算出した面積Aηζ,hと面積Aηζ,lとの差分の絶対値である差分面積Aηζ、dを算出する。
投影算出部33は、算出した差分面積Aηζ,dを、ξ軸周りの回転角度θξと関連付け、ξ軸回転テーブル314に、記憶させる。
図18は、ξ軸周りに回転させる前と後における座標点群をηζ平面に投影させた例を示す図である。図18(a)は、η軸周りに回転角度θηで回転させた後、ζ軸周りに回転角度θζで回転させ、ξ軸周りに回転させる前において、座標点群をηζ平面に投影させた態様を示す図である。図18(b)は、図18(a)に示す状態から、さらにξ軸周りに回転させた後の座標点群をηζ平面に投影させた態様を示す図である。
また、図18(a)に示すように、面積Aηζ,lとは、η軸における座標値が最小値ηminであってζ軸と平行な直線L9と、η軸における座標値が平均値ηaveであってζ軸と平行な直線L6と、ζ軸における座標値が最大値ζmax,lであってη軸と平行な直線L10と、ζ軸における座標値が最小値ζmin,lであってη軸と平行な直線L11と、で囲まれる方形の面積である。
トンネルTNの鉛直平面における断面の形状が、トンネルTNの幅方向の中点に垂直な直線に対して対照な形状であることから、面積Aηζ,hと面積Aηζ,lとの差分である差分面積Aηζ,dが小さい程、トンネルTNの幅方向の中点に垂直な直線(z軸)とζ軸との間の回転角度が小さくなると考えられる。
本実施形態では、ξ軸周りに所定の回転角度で回転させる度に差分面積Aηζ,dを求め、求めた差分面積Aηζ,dが最小となる回転角度θξを、x軸とξ軸との間の相対的な回転角度として求める。
回転算出部34は、参照した3次元座標群の各々において、更にη軸周りに所定の角度回転させた場合の3次元座標を算出する。回転算出部34は、算出した各々の3次元座標を、η軸周りの回転角度θηとともに、座標テーブル311に、記憶させる。
また、判定部35は、ζ軸においても同様に、制御部32からの指示に基づいて、ζ軸回転テーブル313を参照し、ζ軸回転テーブル313に記憶されているζ軸周りの回転角度θζ、および面積Aηζを参照する。判定部35は、面積Aηζが最小となる回転角度θζを算出する。判定部35は、算出した回転角度θζを、制御部38に出力する。
判定部35は、制御部32からの指示に基づいて、ξ軸回転テーブル314を参照し、ξ軸回転テーブル314に記憶されているξ軸周りの回転角度θξ、および差分面積Aηζ,dを参照する。判定部35は、差分面積Aηζ,dが最小となる回転角度θξを算出する。判定部35は、算出した回転角度θξを、制御部38に出力する。
次に、制御部32は、3次元スキャナ10からの3次元座標群を、η軸周りに回転角度θη回転させた3次元座標群(以下、η軸周りに回転させた3次元座標群という)に基づいて、ζ軸における回転角度θζを算出する処理を行わせる(ステップS3)。そして、制御部32は、算出させた回転角度θζで、ζ軸を回転させる(ステップS4)。
さらに、制御部32は、η軸周りに回転させた3次元座標群を、ζ軸周りに回転角度θζ回転させた3次元座標群(以下、η軸およびζ軸周りに回転させた3次元座標群という)に基づいて、ξ軸における回転角度θξを算出する処理を行わせる(ステップS5)。そして、制御部32は、算出させた回転角度θξで、ξ軸を回転させる(ステップS6)。
図8は、図7のステップS1の処理の内容を示すフローチャートである。図9は、図7のステップS3の処理の内容を示すフローチャートである。図10は、図7のステップS5の処理の内容を示すフローチャートである。
η軸における回転角度θηを算出する処理について説明する。図8に示すように、まず、制御部32は、3次元スキャナ10からの3次元座標群を、入力部36を介して入力して座標テーブル311に記憶させる(ステップS10)。この際、座標テーブル311における回転角度θξ、回転角度θη、回転角度θζ、の各々の項目には、それぞれ0(ゼロ)が記憶される。
ζ軸における回転角度θζを算出する処理について説明する。図9は、図8におけるη軸をζ軸とし、図8における回転角度θηを回転角度θζとしている他は、図8に示すフローチャートと同様の処理の流れを示すフローチャートである。
図9におけるステップS20で行う処理は、図8におけるステップS10で行う処理と同様の処理であるが、制御部32は、図7のステップS2で示す3次元スキャナ10からの3次元座標群をη軸周りに回転角度θηで回転させる処理を行った後の3次元座標群を、座標テーブル311に記憶させる(ステップS20)。この際、座標テーブル311における回転角度θηの項目にはθηが記憶され、回転角度θξおよび回転角度θζの項目には、それぞれ0(ゼロ)が記憶される。
ξ軸における回転角度θηを算出する処理について、図10を用いて説明する。
図10におけるステップS30で行う処理は、図8におけるステップS10、および図9におけるステップS20において行う処理と同様の処理であるが、制御部32は、図7のステップS2で示す3次元スキャナ10からの3次元座標群をη軸周りに回転角度θηで回転させる処理、および、図7のステップS4で示す3次元スキャナ10からの3次元座標群をζ軸周りに回転角度θζで回転させる処理を行った後の3次元座標群を、座標テーブル311に記憶させる(ステップS30)。この際、座標テーブル311における回転角度θηの項目にはθηが記憶され、回転角度θζの項目にはθζが記憶され、回転角度θξの項目には、0(ゼロ)が記憶される。
また、投影算出部33は、ηζ平面に投影させた3次元座標点群に対し、η軸の座標値が平均値ηave未満である領域におけるζ軸の座標値が最大となる最大値ζmax,hおよび、ζ軸の座標値が最小となる最小値ζmin,lを求める。
また、投影算出部33は、図18(a)に示すように、η軸における座標値が最小値ηminであってζ軸と平行な直線L9と、η軸における座標値が平均値ηaveであってζ軸と平行な直線L6と、ζ軸における座標値が最大値ζmax,hであってη軸と平行な直線L10と、ζ軸における座標値が最小値ζmin,lであってη軸と平行な直線L11と、で囲まれる方形の面積Aηζ,lを算出する(ステップS34)。
図19(b)に示すように、η軸周りに回転角度θη、ζ軸周りに回転角度θζ、さらにξ軸周りに回転角度θξで回転させた後には、η軸とy軸の方向が一致している。また、η軸周りに回転角度θη、ζ軸周りに回転角度θζ、さらにξ軸周りに回転角度θξで回転させた後には、ζ軸とz軸の方向が一致している。
図19(c)に示すように、η軸周りに回転角度θη、ζ軸周りに回転角度θζ、さらにξ軸周りに回転角度θξで回転させた後には、ξ軸とx軸の方向が一致している。また、η軸周りに回転角度θη、ζ軸周りに回転角度θζ、さらにξ軸周りに回転角度θξで回転させた後には、ζ軸とz軸の方向が一致している。
すなわち、図19(a)から(c)に示すように、η軸周りに回転角度θη、ζ軸周りに回転角度θζ、さらにξ軸周りに回転角度θξで回転させた後には、3次元スキャナ10の座標系ξηζにおける各座標軸とトンネルTNの座標系xyzにおける各座標軸の方向が一致する。
Claims (5)
- 3次元空間の座標系xyzと、前記座標系xyzに対し任意の方向に設置された3次元スキャナの座標系ξηζとの相対的な回転角度を算出する回転角度算出装置であって、
前記3次元スキャナが計測した前記3次元空間における3次元形状を示す3次元座標群を、座標系ξηζにおける第1軸又は第2軸のいずれかである第1回転軸の軸周りに回転させた場合の座標を算出する回転算出部と、
前記回転算出部により前記3次元座標群が回転される度に、回転後の前記3次元座標群を前記第1軸および前記第2軸からなる平面に投影させた座標群が含まれる領域の面積を算出する投影算出部と、
前記投影算出部によって算出された面積のうち、最小となる面積が算出された場合における前記第1回転軸の軸周りに回転させた回転角度を、前記第1回転軸と前記座標系xyzにおける前記第1回転軸に対応する軸との相対的な回転角度である第1回転角度とする判定部と、
を備える回転角度算出装置。 - 前記座標群が含まれる領域の面積は、前記平面に投影させた座標群のうち、前記第1軸における最大値を通り前記第2軸に平行な直線と、前記第1軸における最小値を通り前記第2軸に平行な直線と、前記第2軸における最大値を通り前記第1軸に平行な直線と、前記第2軸における最小値を通り前記第1軸に平行な直線とで囲まれる方形の面積である、
請求項1に記載の回転角度算出装置。 - 前記回転算出部は、前記座標系ξηζにおける前記第1回転軸を前記第1回転角度にて回転させた後の座標系について、前記第1軸又は前記第2軸のうち前記第1回転軸とは異なる第2回転軸の軸周りに回転させた場合の座標を算出し、
前記前記投影算出部は、前記回転算出部により前記3次元座標群が回転される度に、回転後の前記3次元座標群を前記平面に投影させた座標群が含まれる領域の面積を算出し、
前記判定部は、前記投影算出部によって算出された面積のうち、最小となる面積が算出された場合における前記第2回転軸の軸周りに回転させた回転角度を、前記第2回転軸と前記座標系xyzにおける前記第2回転軸に対応する軸との相対的な回転角度である第2回転角度とし、
前記回転算出部は、前記座標系ξηζにおける前記第1回転軸を前記第1回転角度にて回転させると共に前記第2回転軸を前記第2回転角度にて回転させた後の座標系について、前記第1軸および前記第2軸とは異なる第3回転軸の軸周りに回転させた場合の座標を算出し、
前記前記投影算出部は、前記回転算出部により前記3次元座標群が回転される度に、回転後の前記3次元座標群を前記平面に投影させた座標群が含まれる領域の面積を境界線にて二つに分割した場合における一方の領域の面積である第1面積と、他方の領域の面積である第2面積との差分である差分面積を算出し、前記境界線は前記平面に投影させた座標群のうち前記第1軸における最大値と前記第1軸における最小値との平均である第1平均値を通り前記第2軸に平行な直線であり、
前記判定部は、前記投影算出部によって算出された前記差分面積のうち、最小となる前記差分面積が算出された場合における前記第3回転軸の軸周りに回転させた回転角度を、前記第3回転軸と前記座標系xyzにおける前記第3回転軸に対応する軸との相対的な回転角度である第3回転角度とする、
請求項1又は請求項2に記載の回転角度算出装置。 - 前記第1面積は、前記平面に投影させた座標群のうち、前記第1軸の値が前記第1平均値以上の座標点群における、前記第2軸における最大値を通り前記第1軸に平行な直線と、前記第2軸における最小値を通り前記第1軸に平行な直線と、前記第1軸における最大値を通り前記第2軸に平行な直線、及び前記第1平均値を通り前記第2軸に平行な直線で囲まれる方形の面積であり、
前記第2面積は、前記平面に投影させた座標群のうち、前記第1軸の値が前記第1平均値未満の座標点群における、前記第2軸における最大値を通り前記第1軸に平行な直線と、前記第2軸における最小値を通り前記第1軸に平行な直線と、前記第1軸における最小値を通り前記第2軸に平行な直線、及び前記第1平均値を通り前記第2軸に平行な直線で囲まれる方形の面積である、
請求項3に記載の回転角度算出装置。 - 3次元空間の座標系xyzと、前記座標系xyzに対し任意の方向に設置された3次元スキャナの座標系ξηζとの相対的な回転角度を算出する回転角度算出方法であって、
前記3次元スキャナが計測した前記3次元空間における3次元形状を示す3次元座標群を、座標系ξηζにおける第1軸又は第2軸のいずれかである第1回転軸の軸周りに回転させた場合の座標を算出する回転算出工程と、
前記回転算出工程により前記3次元座標群が回転される度に、回転後の前記3次元座標群を前記第1軸および前記第2軸からなる平面に投影させた座標群が含まれる領域の面積を算出する投影算出工程と、
前記投影算出工程において算出された面積のうち、最小となる面積が算出された場合における前記第1回転軸の軸周りに回転させた回転角度を、前記第1回転軸と前記座標系xyzにおける前記第1回転軸に対応する軸との相対的な回転角度である第1回転角度とする判定工程と、
を含む回転角度算出方法。
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