JP6891751B2 - 薄片試料の作製方法および分析方法 - Google Patents
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Description
そして、異常部を有する被解析対象物を断面加工し、当該異常部の断面を露出させ、当該異常部に存在する空隙を予め樹脂で埋めた後、FIBやCP、等を用いて当該異常部を摘出し薄片試料とする構成、そして当該薄片試料をTEMや電子線回折法、等により解析する分析方法に想到した。
異常部を有する被解析対象物を断面加工して、前記異常部の断面を露出させる工程と、
前記断面加工された被解析対象物を樹脂で包埋して、前記異常部の断面に存在する空隙を前記樹脂で埋めた後、前記樹脂を硬化する工程と、
被解析対象物から前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部を摘出し薄片試料とする工程とを、有することを特徴とする薄片試料の作製方法である。
第2の発明は、
前記異常部の断面に存在する空隙を前記樹脂で埋めた後、前記硬化した樹脂を、当該樹脂で包埋された被解析対象物から削除して、前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部の断面を露出させる工程を、有することを特徴とする第1の発明に記載の薄片試料の作製方法である。
第3の発明は、
FIBまたはクロスポリッシャーを用いて、前記被解析対象物から前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部を摘出し薄片試料とすることを特徴とする第1または第2の発明に記載の薄片試料の作製方法である。
第4の発明は、
異常部を有する被解析対象物を断面加工して、前記異常部の断面を露出させる工程と、
前記断面加工された被解析対象物を樹脂で包埋して、前記異常部の断面に存在する空隙を前記樹脂で埋めた後、前記樹脂を硬化する工程と、
前記樹脂で包埋された被解析対象物から前記樹脂を削除して、前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部の断面を露出させる工程と、
被解析対象物から前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部を摘出し、FIBを用いて薄片試料とする工程とを、有することを特徴とするTEM解析用薄片試料の作製方法である。
第5の発明は、
前記異常部の断面に存在する空隙をSEMの二次電子像によって確認する工程を、有することを特徴とする第1から第4の発明のいずれかに記載の薄片試料の作製方法である。
第6の発明は、
前記被解析対象物の断面加工、および、前記樹脂で包埋された被解析対象物からの前記樹脂の削除を、ミクロトームを用いて行うことを特徴とする第2から第5の発明のいずれかに記載の薄片試料の作製方法である。
第7の発明は、
前記樹脂として熱硬化性樹脂を用いることを特徴とする第1から第6の発明のいずれかに記載の薄片試料の作製方法である。
第8の発明は、
第1から第7の発明のいずれかで作製された薄片試料における前記異常部を、TEMを用いて解析することを特徴とする分析方法である。
第9の発明は、
第1から第7の発明のいずれかで作製された薄片試料における前記異常部へ、電子線を照射し電子線回折法により解析することを特徴とする分析方法である。
被解析対象物としては、電子デバイス材料等の各種エレクトロニクス材料、めっき材料といった、金属または金属を含有する化合物であることが好ましい。
例えば、図10の(イ)に示す被解析対象物Sは、金属層aの上に、当該金属層aと異なる種類の金属層bが施されたものである。そして、当該金属層bには異常部cの存在が観察された。当該被解析対象物Sを、金属層b方向から見た場合の異常部cの光学顕微鏡観察像を図1に示す。
被解析対象物Sをミクロトーム等の切削装置に設置し、図10の(イ)に示すA−A面まで切削を行って(ロ)に示す状態として異常部cの断面を露出させる断面加工を行った。当該切削の際、切削する厚みと試料を送り出す速度とを制御して、異常部cが損傷するのを回避した。
一方、図3は、後述する実施例1に係る被解析対象物Sの異常部cの断面の二次電子像であるが、当該異常部cにおいては、金属層bが金属層aから浮き上がり空隙が存在していることが理解出来る。
従来の技術ではFIB、等を用い、図10の(ハ)に示す被解析対象物Sの異常部cを含む部分を摘出していた。
ところが本発明者らの検討によると、例えばFIBを用いて被解析対象物Sから当該異常部cを含む試料を摘出する際、FIBから照射されるGa等のイオンビームによって、当該空隙周囲の金属層aや金属層bから叩きだされた物質によって、当該空隙がリデポジションされ、埋められてしまうことが知見された。
図9から理解できるように金属層aから浮き上がった金属層bの内側表面にはリデポジション膜が生成し堆積していた。さらに、金属層bとリデポジション膜との界面には、何らかの反応が起きた跡も見える。
これでは、TEM等の解析方法を用いて当該試料における異常部cの状態を解析しても、金属層bの状態に関する正しい情報を得ることは困難である。
そして、当該観測結果より、被解析対象物Sに対し本発明を適用するか否かを判断することが出来る。尚、観測できる情報量の豊富さの観点より、SEMによる観測が好ましい。
「3.従来の技術に係る薄片試料の作製」にて説明したように従来の技術では、異常部cの状態に関する正しい情報を得ることは困難であった。
そこで本発明では、断面加工を行った被解析対象物Sを切削装置から外し、異常部cが露出した断面へ樹脂を滴下して被解析対象物の樹脂包埋処理し、異常部cに存在する空隙を樹脂dで埋めた。そして樹脂を硬化させ、図10の(ニ)に示すように被解析対象物を樹脂包埋した。
上述した樹脂包埋された被解析対象物Sを再度切削装置に設置し、切削加工を行って不要な樹脂を切削して被解析対象物Sから削除し、図10の(ホ)に示すように異常部cの断面を露出させることが好ましい。この場合、金属層bの上部および下部は樹脂dで充填されている。このときも、切削する厚みと試料を送り出す速度とを制御して異常部cが損傷するのを回避する。
断面加工された被解析対象物Sを切削装置から外し、例えばFIB装置またはCP装置内に設置し、当該異常部試料の薄片加工を施し、本発明に係る薄片試料を得る為の被解析対象物の加工を行う。
以下、当該加工についてFIB装置を用い、得られた薄片試料をTEMを用いて解析した場合を例として説明する。
FIB装置付属の走査イオン顕微鏡によるSIM像観察により、異常部cの位置を特定した。次に、マイクロサンプリング法により、被解析対象物Sから当該異常部cを所望のサイズにて摘出し、異常部試料を得た。当該異常部試料の模式図を図10(ヘ)に示す。
得られた薄片試料をFIBから取り出してTEMに設置し、図8に示す、後述する実施例1に係る異常部のTEM像を得た。
図8より、異常部cの空隙部は樹脂dで充填され、リデポジションは発生していないことが確認された。
さらに、被解析対象物Sを構成するのは重元素である金属であるのに対し、樹脂は軽元素であるため、TEMを用いて当該TEM解析用薄片試料における異常部cの状態を解析する際に互いに干渉することがなく、両者のコントラストは明確である。従って、当該樹脂は、異常部cのTEM解析の際にも除去する必要がない。この結果、異常部cの状態が保全されると伴に高い作業性を発揮するものである。
配線材料を被解析対象物Sとし、当該配線材料を構成する金属層aと当該金属層a上にけられた異なる種類の金属の金属層bにおいて、金属層bの一部が膨れ上がった異常部cが発生したものである。
上述した図10(イ)に示す被解析対象物Sを金属層b方向から見た場合の異常部cの光学顕微鏡観察像である図1から、金属層bが膨れ上がっている異常部の位置を特定し、被解析対象物Sの端から金属層bが膨れ上がっている箇所までの距離を計測した。
次に、被解析対象物Sをミクロトーム装置に設置し、ダイヤモンドナイフを用いて、上記計測した距離をもとに被解析対象物Sを断面加工し、異常部を露出させた。この時、ダイヤモンドナイフの取り付け角度を6°とし、切削速度は3〜50mm/sec、切削厚みは0.1〜0.5μmの範囲で適宜調整し切削を行った。図5に、ミクロトーム加工後の被解析対象物Sを、A−A面方向から見た異常部断面の光学顕微鏡像を示す。図5は上述した図10(ホ)の側面図に相当する。
図8より、異常部における空隙は樹脂で埋まっており、リデポジション膜が生成していないことが確認できた。
上述した実施例1と同様の異常部cを有する配線材料である被解析対象物Sから、FIBを用いGaイオンビームによるマイクロサンプリング法により、当該異常部cを摘出し、厚みをおよそ0.1μmまで薄くした薄片試料を得た。得られた薄片試料をFIBから取り出し、TEMに設置して異常部におけるTEM像観察した結果を図9に示す。
b:金属層b
c:異常部
d:樹脂
r:リデポジション膜
S:被解析対象物
Claims (6)
- 異常部を有する被解析対象物を断面加工して、前記異常部の断面を露出させる工程と、
前記断面加工された被解析対象物を樹脂で包埋して、前記異常部の断面に存在する空隙を前記樹脂で埋めた後、前記樹脂を硬化する工程と、
硬化した前記樹脂を、当該樹脂で包埋された被解析対象物から削除して、前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部の断面を露出させる工程と、
被解析対象物から前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部を摘出し薄片試料とする工程とを有し
前記被解析対象物の断面加工、および、前記樹脂で包埋された被解析対象物からの前記樹脂の削除を、ミクロトームを用いて行うことを特徴とする薄片試料の作製方法。 - FIBまたはクロスポリッシャーを用いて、前記被解析対象物から前記空隙が前記樹脂で埋められた異常部を摘出し薄片試料とすることを特徴とする請求項1に記載の薄片試料の作製方法。
- 前記異常部の断面に存在する空隙をSEMの二次電子像によって確認する工程を、有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄片試料の作製方法。
- 前記樹脂として熱硬化性樹脂を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薄片試料の作製方法。
- 請求項1から4のいずれかで作製された薄片試料における前記異常部を、TEMを用いて解析することを特徴とする分析方法。
- 請求項1から4のいずれかで作製された薄片試料における前記異常部へ、電子線を照射し電子線回折法により解析することを特徴とする分析方法。
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