JP6891615B2 - 汽水域アマモ場の造成方法、並びに汽水域でのアマモの育成方法。 - Google Patents

汽水域アマモ場の造成方法、並びに汽水域でのアマモの育成方法。 Download PDF

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この発明は、河川の河口近傍の水域、深く入り込んだ内湾水域、干潟の陸よりの水域等において、海水と淡水とが混ざり合う汽水域でのアマモ場の造成方法、並びに汽水域でのアマモの育成方法に関する。
海中で生育する植物として、陸上植物と同様に、種子によって増殖し、砂質又は砂泥質中に根を伸ばし、この根から栄養塩類を摂取して成長するアマモ科等の海草類があり、この海草類が群生する区域を海草藻場と呼ぶ。海草類は、国内で16種が確認されているが、群落を形成するのはアマモであるため、総じてアマモ場と称されている。そして、陸地と海との境目の沿岸にこのアマモ場が形成されると、生物の多様性がもたらされ、葉には珪藻や動物プランクトンが付着して魚介類の産卵場や餌場になり、豊かな生態系が形づくられるだけでなく、水質浄化の機能も果たすようになる。
しかしながら、近年、湾岸域での埋立やコンクリート化等による海砂の流失や、工場排水等による底質のヘドロ化等が発生し、アマモ場の減少が極度に進んだことから、湾岸域での環境改善の動きが始まり、これに伴ってアマモ場を造成して復元する試みも行われている。
そして、このような湾岸域でのアマモ場の造成に際しては、造成区域に敷設する多量の造成資材が必要になるが、この造成資材としては、施工現場やその近隣で採取された現地盤の土砂、天然石、天然砂(海砂や山砂)等を利用することが理想ではあるが、施工箇所の水深、環境等の要因から困難な場合が多く、また、施工現場やその近隣の採取場所で新たな環境問題を招来する虞もある。
そこで、アマモ場の造成に際して、造成資材としてリサイクル材の活用が検討されているが、特に大量かつ安価に調達可能なものとして、製鉄プロセスで副生する鉄鋼スラグの利用も提案されている。
例えば、特許文献1においては、沈設初期に発生するスラグ粒子からの硫黄の溶出や周辺の水のpH上昇という問題を解決するために、スラグ粒子表面を炭酸化させてスラグ粒子表面を予め炭酸カルシウム皮膜で被覆した高炉風砕スラグをアマモ場造成材として使用することが提案されている。
また、特許文献2においては、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを水底に構築する潜堤の資材として用いることが提案されており、また、潜堤の資材として用いられる製鋼スラグには海藻類が付着することが記載されている。そして、特許文献3においては、スラグ内部からのミネラル分の溶出と周辺の水に溶け込んだ硫化水素やリンに対する固定化能を確保するために、表面に炭酸塩膜のない炭酸化処理済の鉄鋼スラグを水域環境保全材料の一部又は全部として使用することが提案されている。
更に、特許文献4においては、高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグと他の基板用材料との混合物を敷設して造成され、高炉水砕スラグの潜在水硬作用により固結すると共に、例えば高炉水砕スラグの粒度をD20=0.15〜1.2mm及びD50=0.6〜1.9mm程度にすることによって、山中式表面硬度計(標準型)で測定される基板表面硬度が平均値で3〜20mmであり、海岸に面した浅海域の浅場や干潟においてアマモ場等の藻場の造成に適した人工水底基板が提案されている。また、特許文献5においては、浚渫土と遊離CaO含有量0.5質量%以上の鉄鋼スラグとの混合材料を中詰材として用いて造成された人工浅場又は干潟が提案されている。
そして、特許文献6においては、例えば0.075mm以下の粒径が10質量%以下であって26.5mm以上の粒径が5質量%以下の粒径分布を有し、かつ、50%粒径(粒子全体の50%の粒径)が5mm以上15mm以下であるような製鋼スラグを、浚渫土砂中に混合して得られる改質土であって、山中式硬度計で測定される硬度が、前記混合後30日目で20kPa以上500kPa以下に達し、かつ、前記混合後30日目以降も20kPa以上500kPa以下の範囲内である改質土を用い、この改質土を海底に敷設して海草類を育成するアマモ場の造成方法が提案されている。
特開2004-236,546号公報 特開2005-256,497号公報 特開2005-320,230号公報 特開2006-288,323号公報 特開2011-208,365号公報 特許第6,048,088号公報
ところで、本発明者らは、特許文献6に記載の方法に基づいて、浚渫土砂と製鋼スラグとを混合して改質土を調製し、得られた改質土を用いて海水域でのアマモ場の造成を行い、この造成されたアマモ場でアマモの育成を行うことについて、これまでに一定の成果を得てきた。そこで、浚渫土砂と製鋼スラグとを混合して得られた特許文献6記載の改質土と同じ改質土を用いて、汽水域でのアマモ場の造成を試みたところ、意外なことには、海水域で得られたような成果が得られず、汽水域では改質土がアマモの生育に好ましくない程まで土壌pHが上昇してしまうことが判明した。
ここで、本発明における汽水域とは、広義には海水の塩分濃度未満であるが、狭義にはアマモの生育可能な塩分濃度である1.5〜3質量%の水域を意味する。
そこで、本発明者らは、この原因について更に検討を進めた結果、汽水域においては、汽水の塩分濃度が海水よりも低くて緩衝能が海水よりも弱く、また、汽水の塩分濃度が低くなるとそれに応じて緩衝能も低くなることを突き止め、また、アマモの生育には藻場のpH値を9.0未満の弱アルカリ域にする必要があることを明らかにし、汽水域においてアマモ場を造成するのに適した改質土の開発を検討することとした。
そして、造成したアマモ場でのpHを上昇させないためには、製鋼スラグを炭酸化処理してスラグ表面に炭酸塩の皮膜を形成させた炭酸化製鋼スラグの使用も検討されたが、この炭酸化製鋼スラグでは特許文献3に記載されているように、スラグ内部から外部へミネラル成分の溶出が抑制され、また、周辺の硫化水素やリンの固定化能が損なわれて水質改善としての機能も抑制されてしまうのであまり好ましくなく、更に、この特許文献3で提案された“表面が炭酸塩の皮膜で被覆されていない炭酸化製鋼スラグ”を用いることについても、その製造に比較的大きな手間とコストを要して大量調達が難しいという問題がある。
本発明者らは、このような背景の下で、容易にかつ安価に調製することができて大量調達が可能であり、しかも、製鋼スラグのもつミネラル成分の供給及び水質改善の機能を損なうことなく、汽水域でのアマモ場の造成に適した改質土の開発について更に検討を進める中で、以下の知見を得た。すなわち、製鋼スラグを浚渫土砂に混合した場合、細粒分が土砂中の水分を吸着すると同時に、スラグ表面の遊離CaOと間隙水中のSiイオンとの水和反応で固化が始まり、しかも、この際に間隙水のpH値がpH9.0を超えて上昇することを突き止めた。また、製鋼スラグから細粒分を除去すること、具体的には分級処理により細粒分を除去することにより、製鋼スラグから表面積の大きい細粒分が取り除かれて、及び/又は、洗浄処理により残された製鋼スラグの表面に纏わりついている微粒分まで取り除かれて、スラグ表面でのアルカリ溶出反応が穏やかになることも突き止めた。そして、細粒分が除去された細粒分除去製鋼スラグと浚渫土砂とを混合して調製された改質土を用いることにより、汽水域でアマモ場を造成した場合においても、土壌の固化は発現せず、また、pHの上昇も可及的に抑制できることを確認し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、汽水域で用いられても藻場の固化やpHの上昇を可及的に抑制することができ、アマモの育成に適したアマモ場を造成することができるアマモ場造成用の改質土を開発し、このアマモ場造成用の改質土を用いて、汽水域でのアマモ場を造成する方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、上記のアマモ場造成用の改質土を用いて汽水域にアマモ場を造成し、汽水域でアマモを育成する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 浚渫土砂と、鉄鋼スラグ中の細粒分が除去された細粒分除去鉄鋼スラグとの混合物からなることを特徴とする汽水域で用いるための汽水域アマモ場造成用改質土。
(2) 前記細粒分除去鉄鋼スラグは、粒径2mm以下の細粒分が除去された鉄鋼スラグであることを特徴とする前記(1)に記載の汽水域アマモ場造成用改質土。
(3) 前記細粒分除去鉄鋼スラグは、粒径5mm以下の細粒分が除去された鉄鋼スラグであることを特徴とする前記(1)に記載の汽水域アマモ場造成用改質土。
(4) 前記細粒分除去鉄鋼スラグは、製鋼スラグ及び/又は高炉徐冷スラグ中の細粒分が除去された製鋼スラグ及び/又は高炉徐冷スラグであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の汽水域アマモ場造成用改質土。
(5) 前記改質土中のpH値が9.0未満にあることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の汽水域アマモ場造成用改質土。
(6) 汽水域の底質に改質土を敷設して汽水域にアマモ場を造成するに際し、
鉄鋼スラグ中の細粒分を除去して細粒分除去鉄鋼スラグを調製し、この調製された細粒分除去鉄鋼スラグと浚渫土砂とを混合して改質土を調製し、得られた改質土を汽水域の底質に敷設してアマモ場を造成することを特徴とする汽水域アマモ場の造成方法。
(7) 前記改質土を汽水域の底質に敷設する前に前記底質に盛り土を行い、この盛り土の上に改質土を敷設することを特徴とする前記(6)に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(8) 前記盛り土は、水深が5m以下になるように敷設されることを特徴とする前記(7)に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(9) 前記細粒分除去鉄鋼スラグを調製するに際し、汽水域におけるアマモ場造成区域の汽水塩分濃度を測定し、この汽水塩分濃度に応じて前記鉄鋼スラグ中から除去すべき細粒分の粒子径を決定し、この決定された粒子径の細粒分を鉄鋼スラグ中から除去することを特徴とする前記(6)〜(8)のいずれかに記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(10) 前記鉄鋼スラグ中から除去すべき細粒分の粒子径は、予め作成された塩分濃度−改質土pH値の検量線に基づいて、汽水域の汽水塩分濃度から改質土のpH値が9.0未満の弱アルカリ域になるように決定することを特徴とする前記(9)に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(11) 前記細粒分除去鉄鋼スラグの調製は、鉄鋼スラグの分級処理及び/又は洗浄処理により行うことを特徴とする前記(6)〜(10)のいずれかに記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(12) 前記改質土中に予め海草類の種子を混合し、得られた種子入り改質土を汽水域の底質に敷設することを特徴とする前記(6)〜(11)のいずれかに記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(13) 前記改質土を汽水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、種子が播種された改質土を前記育成容器と共に汽水域の底質に配設することを特徴とする前記(6)〜(12)のいずれかに記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(14) 前記海草類の種子は、改質土の表面から深さ1〜2cmまでの間に播種されることを特徴とする前記(13)に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(15) 前記改質土を汽水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、育成して発芽した苗を前記改質土及び育成容器と共に汽水域の底質に移植することを特徴とする前記(13)又は(14)に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
(16) 前記(6)〜(15)のいずれかに記載の造成方法で造成されたアマモ場を用いて、アマモ及び/又はコアマモを育成することを特徴とする汽水域でのアマモの育成方法。
本発明の汽水域アマモ場造成用改質土によれば、汽水域において、藻場の固化やpHの上昇を可及的に抑制し、アマモの育成に適したアマモ場を造成することができる。
また、本発明の汽水域アマモ場の造成方法によれば、汽水域において、アマモの育成に適したアマモ場を容易に造成することができる。
更に、本発明の汽水域でのアマモの育成方法によれば、汽水域において、アマモを容易に育成することができる。
図1は、鉄鋼スラグとして製鋼スラグ(0〜25mm)を用い、この製鋼スラグから除去される細粒分と、海水を希釈して調製した模擬汽水の塩分濃度と、細粒分を除去して得られた細粒分除去製鋼スラグを浚渫土砂中に20体積%で混合して得られた改質土中のpH値との関係を調べた際に得られた、細粒分−塩分濃度−pH値のグラフ図である。 図2は、アマモの発芽・生育試験における開始日から終了日までのpH値の変化を示すグラフ図である。 図3は、アマモの発芽・生育試験における開始日から終了日までのアマモの発芽率(子葉出現率)を示すグラフ図である。 図4は、アマモの発芽・生育試験における開始日から終了日までのアマモ発芽後の成長(平均子葉長)を示すグラフ図である。
以下、本発明の汽水域アマモ場造成用改質土、及びこれを用いた汽水域アマモ場の造成方法、並びに汽水域でのアマモの育成方法について、詳細に説明する。
本発明の汽水域アマモ場造成用改質土は、海域の浚渫工事で発生する窒素、リン等の栄養源に富む浚渫土砂と、製鉄プロセスで副生する鉄鋼スラグ中の細粒分が除去された細粒分除去鉄鋼スラグとの混合物からなり、汽水域でのアマモ場造成用に適した改質土である。
本発明において使用される鉄鋼スラグは、安価で安定供給が可能な資材であり、転炉や電気炉等を用いた製鋼工程で副生する転炉スラグ、電気炉スラグ等の製鋼スラグや、高炉を用いた銑鉄製造工程で副生する高炉徐冷スラグを挙げることができ、好ましくは製鋼スラグである。この鉄鋼スラグは、その主成分がカルシウムシリケート化合物であって、長期間に亘ってカルシウムイオンを供給することが可能であり、また、比重も2.8〜3.0kg/Lであって砂(2.3〜2.5kg/L)よりもかなり高く、浚渫土砂と混合することによって流失し難い安定した基盤材として利用可能な改質土を調製することができる。また、この鉄鋼スラグの粒径についてみると、製鋼スラグは、粒径が通常0〜25mmの範囲であって、粒径分布が通常2.36mm以下が35%、2.36mm超4.75mm以下が15%、4.75mm超13.2mm以下が30%、13.2mm超26.5mm以下が20%であり、また、高炉徐冷スラグは、粒径が通常0〜25mmの範囲であって、粒径分布は上記製鋼スラグとほぼ同様である。
ここで、鉄鋼スラグのうちの例えば製鋼スラグについてみると、その化学成分については、特に制限されるものではないが、CaO含有量20〜60質量%、f-CaO含有量0.2〜20質量%、及びSiO2含有量5〜25質量%のものであることが好ましく、また、粒径分布については、0.075mm以下の粒径が10質量%以下、及び26.5mm超の粒径が5質量%以下であることが望ましく(JIS Z 8801に規定する網ふるいの呼び寸法で規定)、更に、50%粒径(粒子全体の50%の粒径)が5mm以上15mm以下であることが望ましい。50%粒径が5〜15mm程度であると、アマモ等の海草類が根を絡めながら伸長させることができ、造成されたアマモ場においてその安定性が向上し、一般に生育困難であるとされている流速60cm/sの汽水域においても流失することなく、アマモ場を造成することが可能になる(アンカー効果)。
本発明において、浚渫土砂に混合される細粒分除去鉄鋼スラグは鉄鋼スラグから細粒分が除去されたスラグであり、鉄鋼スラグから除去されるべき細粒分については、使用される鉄鋼スラグの種類、アマモ場が造成される汽水域の汽水塩分濃度等により異なるが、通常、粒径2mm以下の細粒分を除去して得られた粒径2mm超の鉄鋼スラグであり、好ましくは粒径5mm以下の細粒分を除去して得られた粒径5mm超の鉄鋼スラグであり、より好ましくは土壌洗浄分級装置等を用いた洗浄分級処理により所定の細粒分を除去して得られた洗浄鉄鋼スラグである。特に、洗浄分級処理により得られた洗浄鉄鋼スラグであると、その表面に纏わりついていた粒径がμm単位あるいはそれ以下の微粒分まで取り除かれ、スラグ表面でのアルカリ溶出反応がより穏やかになる。
そして、鉄鋼スラグから除去されるべき細粒分を決定するに際しては、得られた細粒分除去鉄鋼スラグを浚渫土砂中に混合して調製された改質土について、その間隙水を採取して測定された改質土のpH値が9.0未満、好ましくは7.4以上9.0未満の弱アルカリ域にあればよく、特に制限されるものではないが、例えば、土壌のpHを直接測る方法、間隙水を収集して測る方法等の方法を例示することができ、好ましくは、汽水域におけるアマモ場造成区域の汽水塩分濃度を測定し、この汽水塩分濃度に応じて鉄鋼スラグ中から除去すべき細粒分の粒子径を決定するのがよく、更には、使用予定の鉄鋼スラグについて異なる細粒分が除去された複数の細粒分除去鉄鋼スラグを調製し、これら各細粒分除去鉄鋼スラグを浚渫土砂中に混合して複数の改質土を調製し、得られた各改質土を複数の塩分濃度に調整された複数の模擬汽水中に入れて各改質土のpH値を測定し、前記模擬汽水の塩分濃度と測定された各改質土のpH値について塩分濃度−改質土pH値の検量線を作成し、汽水域の汽水塩分濃度から改質土のpH値が目標の9.0未満の弱アルカリ域となるように決定するのがよい。
ここで、鉄鋼スラグから細粒分を除去して得られた細粒分除去鉄鋼スラグについて、鉄鋼スラグが製鋼スラグである場合には細粒分除去製鋼スラグ又は洗浄製鋼スラグ等といい、また、鉄鋼スラグが高炉徐冷スラグである場合には細粒分除去高炉徐冷スラグ又は洗浄高炉徐冷スラグ等という。
本発明において、改質土中における細粒分除去鉄鋼スラグの混合割合については、鉄鋼スラグの種類やアマモ場造成区域の汽水塩分濃度等によっても異なるが、好ましくは、10質量%以上30質量%以下であるのがよく、特に製鋼スラグの場合には10質量%以上20質量%以下であるのがよい。この細粒分除去鉄鋼スラグの混合割合が10質量%以下であるとアンカー効果が不足する虞が生じ、反対に、30質量%を超えると土壌pHが9.0を超える虞が生じる。
本発明の改質土を汽水域のアマモ場造成区域の底質に敷設し、この改質土で海草類を育成してアマモ場を造成するに際しては、より具体的には以下の第1〜第3の方法が採用される。
すなわち、第1の方法は、前記改質土中に予め海草類の種子を混合し、得られた種子入り改質土を汽水域のアマモ場造成区域の底質に敷設する方法である。この第1の方法において、浚渫土砂に細粒分除去製鋼スラグ及びアマモ等の海草類の種子を混合した改質土から、海草類の種子が流失せず、かつ、効率良く発芽できるように、好ましくは敷設する改質土の厚みを3〜5cmとするのが望ましい。アマモ等の海草類の種子は、表面から数cmの深さであれば容易に発芽することができる。また、発芽後、深さ5cm程度で2次元的に地下茎を伸長させ、分枝しながら、個体数を増やしていくため、海草類の種子を混合させた改質土を3〜5cmの厚みで敷設することによって、効率的にアマモ等の海草類の発芽及び生長促進を促すことができる。また、5cmよりも厚く敷設すると、5cmより深い場所に存在する種子は発芽し難くなり易く、アマモ場の造成効率が低下する可能性がある。
そして、第2の方法は、前記改質土を汽水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、種子が播種された改質土を育成容器と共に汽水域の底質に敷設する方法であり、更に、第3の方法は、前記改質土を海水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、育成して発芽した苗を前記改質土及び育成容器と共に汽水域の底質に移植する方法である。これら第2及び第3の方法において、前記改質土に海草類の種子を播種する際の播種深さについては、改質土の表面から1〜2cmであるのがよく、これより深いと発芽率が低下し、また、これより浅いと発芽しても改質土から脱落する虞がある。
更に、本発明において、アマモ場を造成する予定のアマモ場造成区域が、アマモ等の海草類の生育に適さない水深5mを超える場合、盛り土をして生育に適した水深に調整することが好ましい。この場合、盛り土の種類には特に制限はなく、土質、砂質であってもよい。また、アマモ場造成区域における底質が極めて軟弱である場合には、硬い盛り土をしてから改質土を敷設することが好ましい。硬い盛り土として、例えば高炉スラグや、浚渫土と鉄鋼スラグを混合したものなどが挙げられる。後者の場合、浚渫土砂に鉄鋼スラグを30質量%超混合し、固化させた盛り土でマウンドを作製すれば、その上にアマモ場造成用改質土を敷設することができる。
更に、浚渫土砂と細粒分除去鉄鋼スラグとを混合した改質土は、これまで広く用いられてきた山砂と腐植土の混合土よりも窒素及びリンが多量に含まれていて栄養塩を豊富に含むため、アマモ等の海草類の種子の発芽及び苗の生長をより促進することができる。
なお、本発明者らは、これら栄養塩の供給がスラグの混合によって阻害されないことも確認している。また、浚渫土砂が汚濁の進んでいない汽水域のもので砂分が多い場合等、浚渫土砂の間隙水中の窒素、リン等が少ない場合には、浚渫土砂及び細粒分除去鉄鋼スラグの他に、腐植土等を加えてもよい。このような腐植土の添加量は、例えば間隙水中の窒素、リン等の濃度が水産用水基準で示されたノリの養殖の海水基準値(窒素:0.1mg/L、リン:0.014mg/L)の10倍濃度以上(希釈を考慮)、即ち、窒素濃度が1mg/L以上、リン濃度が0.14mg/L以上となるように添加してもよい。
第2及び第3の方法において、アマモ等の海草類の苗を陸上において育苗する場合、本発明の改質土を用いることによって、アマモ等の海草類の苗の生長を促進することができる。上記方法によって作製した浚渫土砂及び細粒分除去鉄鋼スラグを含む改質土を育成容器(例えば、バットやカップ等)中に通常3cm以上15cm以下、好ましくは6cm以上10cm以下の厚さで敷設し、そこにアマモ種子を表面から1〜2cm程度の深さに播種する。播種した育成容器は、遮光をして、できるだけ15℃以下になるように静置する。種子の発芽を確認した後、育成容器を明条件に移し、苗の生長を促す。種子の播種の際、改質土(スラグ混合土)を予めプラスチック製のカップや生分解性プラスチック製カップや薄鉄板製カップ等の海水中分解可能なカップ等に入れて、苗を育苗してもよい。それによって、苗を汽水域のアマモ場造成区域に移植する際に、水中でカップを外してから、若しくはカップを付けたままで、容易に移植することができるため、簡便にかつアマモ苗にダメージを与えることなく移植でき、効率的にアマモ場の造成を進めることができる。
実汽水域におけるアマモ等の海草類の種子の発芽率は、通常60%未満とされており、また、天然アマモ場の密生域では、生育密度が30株/m2以上である。したがって、アマモ場造成時の播種密度は、50〜1000粒/m2であることが好ましい。
本発明により造成されたアマモ場においては、土壌中のpHを9.0未満に保つことが可能となり、アマモを正常に発芽させ、安定して育成することが可能である。また、浚渫土砂のみであるとアマモが播種されても種が流失したり、発芽しても根付きが悪くて流失する等の問題があったが、鉄鋼スラグを含有することで、これら流失等の問題が抑制される。
〔検証実験:除去細粒分−塩分濃度−pH値の関係の検証〕
浚渫土砂としては三重県志摩市の汽水域で採取したものを使用した。また、鉄鋼スラグとしては、粒度分布が0.075mm以下10質量%以下、26.5mm超5質量%以下、及び50%粒径が5mm以上15mm以下の製鋼スラグ(0-25mm)を用いた。更に、上記の製鋼スラグを用い、篩分けによりそれぞれ2mm以下、5mm以下、又は10mm以下の細粒分を除去して得られた3種の細粒分除去製鋼スラグ(2-25mm)、(5-25mm)、(10-25mm)を調製した。
上記の浚渫土砂中に、細粒分除去製鋼スラグの混合割合が20体積%となるように、上記の3種類の細粒分除去製鋼スラグを均一に混合し、3種の改質土A(浚渫土砂+細粒分除去製鋼スラグ(2-25mm))、改質土B(浚渫土砂+細粒分除去製鋼スラグ(5-25mm))、及び改質土C(浚渫土砂+細粒分除去製鋼スラグ(10-25mm))を調製した。
また、塩分濃度3.2質量%の海水を用い、この海水を純水中に20体積%、50体積%、及び80体積%の割合で混合してそれぞれ塩分濃度が0.64質量%、1.6質量%、及び2.56質量%の3種の模擬汽水を調製し、3つの6リットル(L)タンク中にそれぞれ上記3種の模擬汽水をそれぞれ5Lずつ入れて汽水タンクを準備した。
次に、直径約15cm×深さ約20cmの大きさの1リットル(L)ディスポカップ9個を用意し、上記各改質土A〜Cをそれぞれ3個ずつ合計9個のディスポカップ中に1Lずつ入れて、それぞれ1Lの改質土Aが入ったディスポカップ3個(A群)、それぞれ1Lの改質土Bが入ったディスポカップ3個(B群)、及びそれぞれ1Lの改質土Cが入ったディスポカップ3個(C群)を準備した。
以上のようにして準備した上記3種の模擬汽水が入った各汽水タンク中に、上記のA群、B群、及びC群の各ディスポカップをそれぞれ1つずつ入れて、各ディスポカップを各汽水タンク中の模擬汽水内に沈設し、そのまま14日間経過した後に、各ディスポカップ内の改質土についてpH値と硬度とを調べた。この際のpH値の測定は、各汽水タンクから各ディスポカップを引き上げ、各ディスポカップについて上澄み液を除去した後、各ディスポカップ中の改質土に直径2cm×深さ3cmの大きさの穴を形成し、この穴内に浸み出してきた間隙水のpHを測定することにより行い、また、固化の現象の有無を確認する硬度の測定は、上澄み液を除去した後の各ディスポカップ中の改質土の3点について山中式硬度計を用いて行った。なお、改質土のpH値及び硬度の測定は3回繰り返して行い、その平均値を求めて測定値とした。
この除去細粒分−塩分濃度−pH値の関係を調べた検証実験で得られた結果は図1に示す通りであった。
この図1から明らかなように、14日間経過後の各改質土において、塩分の低下に伴ってpHが上昇する傾向が見られた。また、塩分濃度2.56質量%の模擬汽水では改質土A〜Cの全ての検証区分でpHが9未満であり、また、塩分濃度1.6%質量%の模擬汽水では、改質土Aの検証区分でpHが9.3であったのに対して改質土B及び改質土Cの検証区分でpHが9未満であり、更に、塩分濃度0.64質量%の模擬汽水では改質土A〜Cの全ての検証区分でpHが9以上であった。
なお、模擬汽水中14日間沈設経過後の改質土の硬度については、改質土A〜Cの全ての検証区分において、山中式硬度計で計測されるほどの固化は発現していなかった。
〔実施例1及び2、並びに比較例1及び2〕
1.汽水域アマモ場造成用の改質土の調製
浚渫土砂については三重県の汽水域で採取したものを使用した。また、鉄鋼スラグとして上記の検証実験で用いた製鋼スラグを用いた。更に、この製鋼スラグについて、バケツに製鋼スラグを入れて、そこに体積比10倍以上となるように水道水を入れて、2mm以下の細粒分を流水中で洗浄して除去し、洗浄製鋼スラグ(2-25mm)を調製した。
上記の浚渫土砂中に上記の洗浄製鋼スラグを10体積%及び20体積%の割合で均一に混合し、実施例1の改質土(洗浄製鋼スラグ10)及び実施例2の改質土(洗浄製鋼スラグ20)を調製した。
また、上記の浚渫土砂中に上記の未処理の製鋼スラグを10体積%及び20体積%の割合で均一に混合し、比較例1の改質土(製鋼スラグ10)及び比較例2の改質土(製鋼スラグ20)を調製した。
更に、対照区として、アマモ苗の作成に用いられる培養土60体積%及び牡蠣殻40体積%からなる混合土〔対照区1の改質土(対照区)〕と、上記の浚渫土砂のみ〔対照区2の改質土(底泥区)〕とを用意し、また、参考例として、上記の浚渫土砂中に粒径0〜25mmの天然石を10体積%及び20体積%の割合で均一に混合して得られた参考例1の改質土(天然石10)及び参考例2の改質土(天然石20)を用いた。
以上の対照区、実施例、比較例、及び参考例で調製されたアマモ場造成用の改質土を表1に示す。
Figure 0006891615
2.汽水条件下でのアマモの発芽・生育試験
上記各対照区、実施例、比較例、及び参考例で調製された各改質土を用いて、以下のアマモの発芽・生育試験を実施した。なお、アマモの発芽・生育試験に用いたアマモの種子については、浚渫土砂の採取場所の近隣にある天然のアマモ場から採取した。
約4Lの各改質土を長さ272mm×幅188mm×深さ79mmの大きさのプラスチック製籠の中に充填し、その表層から深さ2cmの位置に互いに等間隔になるように、アマモの種子を30粒ずつ播種した。
このようにして準備された籠を400LのFRP製水槽の底に並べ、この水槽中には、神奈川県葉山地先で採取した海水を希釈して塩分濃度2.2質量%から開始して徐々に低くし、塩分濃度1.5質量%まで低下させることにより、汽水条件を創出すると共に、水温10〜12℃、光量50〜100μmol/m2/s、及び12時間明暗周期の条件で培養を開始し、開始日から6〜14日毎に118日目の終了日まで、各改質土の硬度をクラスト硬度計(大起理化工業製DIK−5561)で計測し、また、各改質土の間隙水を採取してpHを測定し、更に、アマモの発芽率、及び発芽後の成長(草体長)を測定した。
各改質土の硬度については、実験終了時において、比較例2の改質土(未処理製鋼スラグ20体積%混合)で約14kPaとなり、若干の固化が認められたが、それ以外の改質土においては検出限界以下となり、ほとんど固化しないことが示された。
また、各改質土のpH値について、測定された結果を図2に示す。この図2から明らかなように、比較例1及び2においては、改質土のpHが9以上で推移したのに対し、それ以外の実施例1及び2、対照区1及び2、並びに参考例1及び2においては、水槽中のpHとほぼ同程度の8前後で推移していた。
そして、実験期間中における各改質土でのアマモの発芽率(子葉出現率)を図3に示し、また、アマモの発芽後の成長(平均子葉長)の変化を図4に示す。
播種30日後から発芽が起こり、その後子葉が観察されるようなった。35日目には、対照区2、実施例1及び2、並びに参考例1及び2においては、発芽率が90%以上となったが、未処理製鋼スラグ10体積%の比較例1では57%であり、また、未処理製鋼スラグ20体積%の比較例2では17%に過ぎず、明らかに低下しており、改質土中のpHが影響していることが判明した。対照区1は、土中のpHが9未満であったにもかかわらず、発芽率が60%であったことについては、土中の栄養塩濃度(窒素、リン)が低かったことが、実験終了後の分析によって推察された。
また、発芽後の成長に関しては、図3の発芽率と同様に、対照区2、実施例1及び2、並びに参考例1及び2においてはいずれも順調に推移したが、未処理製鋼スラグ10体積%の比較例1、及び未処理製鋼スラグ20体積%の比較例2では顕著に成長が停滞した。対照区1の停滞については、発芽率の低下と同様の理由が考えられる。
なお、本試験は、流水環境での実験ではないので、浚渫土砂のみを用いた対照区2の場合と洗浄製鋼スラグ10体積%の実施例1及び洗浄製鋼スラグ20体積%の実施例2の場合とが同程度の発芽率及び成長(草体長)を示したが、波浪がある実環境では、浚渫土砂のみで形成されるアマモ場の不安定さから、対照区2の出芽率及び成長(草体長)は実施例1及び2の結果を下回るものと思われる。
以上の結果から、実施例1及び2の改質土によれば、浚渫土砂中に混合される製鋼スラグの粒径が適度に改善され、これによって汽水域において改質土の間隙水のpH値が9未満のアルカリ域に維持され、アマモの発芽、成長に適した安定したアマモ場を造成できることが判明した。
〔実施例3:実汽水域での試験〕
三重県志摩市の汽水域で採取した浚渫土に製鋼スラグ(0-25mm)を40質量%の割合で混合し、盛り土用材を調製した。この盛り土用材を三重県志摩市の汽水域の内湾に水深5mとなるように敷設した(面積3m×3m)。この盛り土の上に、表1に示した各試験土壌(対照区2、実施例1、比較例1)を用い、厚さ5cmになるように覆土した(各試験土壌につき面積0.5m×0.5m)。それぞれの試験土壌には50粒/m2となるように予めアマモ種子を混合した。
施工から3ヵ月後に、対照区2、及び実施例1においては播種した種子の8割に当たる10株の発芽が確認された。これに対し、比較例1では1株(0.8割)しか確認できなかった。
潜水調査時に覆土(各試験土壌)の一部を持ち帰り、実験室内で覆土中のpHを測定した結果、対照区2では7.6で、実施例1では8.3で、また、比較例1では9.8であった。対照区2、及び実施例1では、盛り土からのpHの影響はなく、9未満に維持されていた。一方、比較例1では、9以上となり、混合した製鋼スラグによるアルカリ影響が確認された。
盛り土周辺の水中pHは、7.8で盛り土中の製鋼スラグによるアルカリ影響が確認されなかった。また、盛り土は十分に固化しており、波浪等による損壊等は見られなかった。

Claims (10)

  1. 鉄鋼スラグ中の細粒分を除去して細粒分除去鉄鋼スラグを調製し、この調製された細粒分除去鉄鋼スラグと浚渫土砂とを混合して改質土を調製し、得られた改質土を汽水域の底質に敷設してアマモ場を造成する汽水域アマモ場の造成方法であり、
    前記細粒分除去鉄鋼スラグを調製するに際して、汽水域におけるアマモ場造成区域の汽水塩分濃度を測定し、この汽水塩分濃度に応じて前記鉄鋼スラグ中から除去すべき細粒分の粒子径を決定し、この決定された粒子径の細粒分を鉄鋼スラグ中から除去することを特徴とする汽水域アマモ場の造成方法。
  2. 前記改質土を汽水域の底質に敷設する前に、前記底質に盛り土を行い、この盛り土の上に改質土を敷設することを特徴とする請求項1に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  3. 前記盛り土は、水深が5m以下になるように敷設されることを特徴とする請求項2に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  4. 前記鉄鋼スラグ中から除去すべき細粒分の粒子径は、予め作成された塩分濃度−改質土pH値の検量線に基づいて、汽水域の汽水塩分濃度から改質土のpH値が9.0未満の弱アルカリ域になるように決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  5. 前記細粒分除去鉄鋼スラグの調製は、鉄鋼スラグの分級処理及び/又は洗浄処理により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  6. 前記改質土中に予め海草類の種子を混合し、得られた種子入り改質土を汽水域の底質に敷設することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  7. 前記改質土を汽水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、種子が播種された改質土を前記育成容器と共に汽水域の底質に配設することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  8. 前記海草類の種子は、改質土の表面から深さ1〜2cmまでの間に播種されることを特徴とする請求項7に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  9. 前記改質土を汽水中分解可能な育成容器に入れてこの改質土に海草類の種子を播種し、育成して発芽した苗を前記改質土及び育成容器と共に汽水域の底質に移植することを特徴とする請求項7又は8に記載の汽水域アマモ場の造成方法。
  10. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の造成方法で造成されたアマモ場を用いて、アマモ及び/又はコアマモを育成することを特徴とする汽水域でのアマモの育成方法。
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