JP6891028B2 - 流体減震装置 - Google Patents

流体減震装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6891028B2
JP6891028B2 JP2017076298A JP2017076298A JP6891028B2 JP 6891028 B2 JP6891028 B2 JP 6891028B2 JP 2017076298 A JP2017076298 A JP 2017076298A JP 2017076298 A JP2017076298 A JP 2017076298A JP 6891028 B2 JP6891028 B2 JP 6891028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
fluid
isolation device
container
rigid body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017076298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018179070A (ja
Inventor
彰 寺村
彰 寺村
岡本 興三
興三 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokkyokiki Corp
Original Assignee
Tokkyokiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokkyokiki Corp filed Critical Tokkyokiki Corp
Priority to JP2017076298A priority Critical patent/JP6891028B2/ja
Publication of JP2018179070A publication Critical patent/JP2018179070A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6891028B2 publication Critical patent/JP6891028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は流体減震装置に関する。さらに詳しくは、この発明は防振架台の減震ストッパとして機能する、地震による大きな力を受けて防振架台の上部架台が一定以上の変形及び傾斜することを防止する流体減震装置に関する。
防振架台は、上部架台と、下部架台と、両架台間に介装された防振部材を備え、上部架台の上に例えば空調機の室外機などの負荷が設置され、負荷の稼働により発生する振動を防振部材で吸収し、下部架台の設置面に負荷の振動が伝わらないようにしている。
地震や強風などが発生した場合、負荷が所定以上の振幅で揺れ、転倒する危険性がある。特許文献1によれば、防振台の上部架台から垂設したストッパボルトを下部架台に設けられた耐震枠の貫通孔に挿通し、耐震枠に耐震用弾性部材を配設し、耐震枠の貫通孔と耐震用弾性部材、の円筒部との間に隙間を形成した耐震ストッパが設けられ、大きな揺れが発生すると、耐震用弾性部材が耐震枠と衝突し、その弾性緩衝効果によって上部架台が傾くことが防止される。
特許文献1の場合、M7を超すような大きな地震では、この揺れが長時間続き、耐震枠が繰り返し耐震用弾性部材と衝突する。この衝突は水平方向、上下方向、回転方向の力が加わって耐震用弾性部材には圧縮に加え、こじり、こすりなどの複雑な力が加わった結果、ゴム材やスポンジ材等からなる耐震用弾性部材は、長時間にわたり圧縮、こじり、こすりなどの複雑な力を繰り返し受けて破損し、耐震性を維持することができなかった。
特許文献2の発明は、特許文献1の問題を解決し、大きな地震によって負荷に外力が加わり、上部架台が傾き、長時間防振架台が耐震用弾性部材に衝突しても、容易に破損しない減震ストッパを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、特許文献2の防振架台の減震ストッパは、基礎に固定される下部架台と、負荷が載置される上部架台と、上記下部架台と上部架台との間に介装され、上部架台を弾性支持する複数の防振部材とを備えた防振架台に適用される減震ストッパであって、上記上部架台または下部架台の何れか一方に設けられた貫通孔と、上記上部架台または下部架台の何れか他方に一端が固定されると共に、他端が上記貫通孔内に挿通されるストッパ部材と、上記ストッパ部材に挿通された減震用弾性部材と、この減震用弾性部材の外周面と上記貫通孔との間に形成された間隙とを備え、上記減震用弾性部材が、滑り材よりなる外側層と、減衰材よりなる内側層からなる二層構造を備えている。
特許文献2の防振架台の減震ストッパは、減震用弾性部材が滑り材よりなる外側層と減衰材よりなる内側層を備えているため、地震による振動を受けた際に、まず貫通孔の縁部は外側層に衝突し、その滑り効果によって、こじりやこすれの力が分散されると共に、内側層に対する圧縮力が緩和されるので、ゴムやスポンジ等の減衰材よりなる内側層の劣化が抑えられ、その寿命特性を向上させることが可能となる。
特許文献2では、減震材料として高減衰・低反発の乾式材料が用いられていた。本発明者は、減震材料を高粘性流体系材料に置き換えることにより加速度・変位抑制効果が向上するという知見を有していたが、高粘性流体の分子構造は一般のオイルより微細であるため、漏れに対するシーリング効果をより一層完全にする必要があった。
特許文献3の免震装置(101)は、建造物等の上部構造体(50)と、基礎等の下部構造体(51)との間の免震層に設置される(図20参照)。特許文献3の免震装置(101)は、支持部材(102)と、粘性体(103)を収容する収容部(110)と湾曲部材(104)とを備えており、当該粘性体(103)は、高粘度の高分子材料で構成され、その粘性抵抗力は速度依存性を有している。
支持部材(102)は上部構造体(50)の下側に配置され、支持部(102A)とすべり部(102B)を備えている。支持部材(102)の支持部(102A)は鋼材等により構成され、上部構造体(50)にボルト等により固定されている。滑り部(102B)は支持部(102A)の下端に設けられ、一定の曲率を有する曲面状の当接面(102c)を有している。滑り部(102B)は黒鉛等を含む固体潤滑剤や油を含む樹脂又は金属材料で構成されている。
収容部(110)(図21参照)は、支持部材(102)の下側に位置づけられた下部構造体(51)の上側に配置され、ベースプレート(111)と、筒状部材(112)とを備えている。
ベースプレート(111)は、下部構造体(51)上に配置され、鋼材等により構成され、円盤状を呈しており、下部構造体(51)にボルト等により固定されている。
筒状部材(112)は、ゴム等の伸縮性を有する材料により構成され、円筒状を呈しており、ベースプレート(111)の外径とほぼ同じ内径を有している。
筒状部材(112)は、上端部(112A)と下端部(112B)とを有し、下端部(112B)はベースプレート(111)の外周縁(111A)に接着剤等により密着して接続されている。
ベースプレート(111)と筒状部材(112)により、粘性体(103)を収容可能な凹部状の収容部(110)が構成される。
湾曲部材(104)は、支持部材(102)と収容部(110)との間に配置され、鋼材等により構成されており、円形皿状をなし、上面(104A)と下面(104B)とを有する。上面(104A)は、湾曲凹部状をなし、滑り部(102B)の当接面(102c)と略等しい曲率を有する。摺動面となる上面(104A)に対しては、潤滑被膜の有無を問わず、潤滑被膜する場合は黒鉛等が含まれた固体潤滑剤がコーティングされている。
滑り部(102B)の当接面(102c)は、上面(104A)に対し面接触する。なお、上面(104A)のうち滑り部(102B)の当接面(102c)が接触する部分には、建造物等の上部構造体(50)の重量がかかる。
下面(104B)は、上面(104A)に対応する湾曲形状を有している。湾曲部材(104)の外周縁(104C)には、筒状部材(112)の上端部(112A)が接着剤等により接続されている。
粘性体(103)は、湾曲部材(104)の下面(104B)に接触し、ベースプレート(111)と湾曲部材(104)との間に介在し、筒状部材(112)により密封されている。
地震が発生すると、振動が下部構造体(51)に伝わり、下部構造体(51)が水平方向に移動すると、ベースプレート(111)、筒状部材(112)、粘性体(103)、および湾曲部材(104)が水平方向に移動し、支持部材(102)の滑り部(102B)が、相対的に湾曲部材(104)の上面(104A)上を摺動しつつ移動する。
図21を参照すると、支持部材(102)が移動した側に位置する湾曲部材(104)は、ベースプレート(111)に近接するように転動すると、筒状部材(112)は収縮する。
支持部材(102)が移動した側と反対側に位置する湾曲部材(104)は、ベースプレート(111)から離間するように転動し、筒状部材(112)は伸びた状態になり、滑り部(102B)の当接面(102c)と湾曲部材(104)の上面(104A)との間に生じる摩擦抵抗力と、湾曲部材(104)の転動による粘性体(103)の粘性抵抗力とにより、振動が減衰される。
特許文献3には、鋼材により構成され上側が開口した有底筒状の収容桶(31)と、円盤状の袋状部材(32)を備えた免震装置(201)が開示されている(図22参照)。袋状部材(32)は収容桶(31)内に配置され、ゴム等の柔軟性を有する材料により構成され、内部に粘性体(103)を収容している。
袋状部材(32)の上側部(32A)に対して湾曲部材(104)が載置されている。
図22に開示された免震装置(201)にも、上述した、滑り部(102B)の当接面(102c)と湾曲部材(104)の上面(104A)との間に生じる摩擦抵抗力と、湾曲部材(104)の転動による粘性体(103)の粘性抵抗力とにより、振動が減衰される原理が適用される。
特許文献3の免震装置の場合、滑り部(102B)の当接面(102c)と湾曲部材(104)の上面(104A)との間に生じる摩擦抵抗力と、湾曲部材(104)の転動による粘性体(103)の粘性抵抗力とにより、振動が減衰されるという原理に基づいている。滑り部(102B)が湾曲部材(104)の上面を摺動することで湾曲部材(104)自体を水平移動させる必要があるので、湾曲部材(104)の水平方向の移動速度は湾曲部材(104)の湾曲面の曲率に依存する。特許文献3はかかる湾曲部材を必須構成要件としているので、構成が複雑であるという問題がある。
特開平7−208542号公報 特開2013−53653号公報 特開2016−23713号公報
本発明は、滑り部の当接面と湾曲部材の上面との間に生じる摩擦抵抗力と、湾曲部材の転動による粘性体の粘性抵抗力とにより、振動が減衰されるという原理によらず、かつ湾曲部材を必要としない流体減震装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る袋体は、引張強度を有し、変形自在な材料から形成された1以上のチャンバーからなる袋体であって、
前記1以上のチャンバー内に高粘性流体系材料が封入され、
前記1以上のチャンバーが互いに連通されてなる
ことを特徴とする流体減震装置に関する。
本発明の第2の態様に係る流体減震装置は、1以上のチャンバーが振動伝達体によって水平方向に押圧される第1チャンバー及び/又は上下方向に押圧される第2チャンバーからなり、前記第1チャンバーが、少なくとも底部を備えた容器の側部内面に沿って位置づけられ、前記振動伝達体が前記容器の蓋の開口部を挿通する、負荷を支承する軸と、該軸の一部と該軸の一端に設けられた剛体とからなり、第1の態様に記載の袋体を備えたことを特徴とする体減震装置に関する。
本発明の第3の態様に係る流体減震装置は、前記1以上のチャンバーが円盤状の中空体である、第2の態様に係る流体減震装置に関する。
本発明の第4の態様に係る流体減震装置は、前記1以上のチャンバーが中空の球体である、第2の態様に係る流体減震装置に関する。
本発明の第5の態様に係る流体減震装置は、前記1以上のチャンバーが1以上の中空の第1直方体と、該中空の第1直方体の4つの側面のそれぞれと前記第1直方体が連通する中空直方体を有してなる請求項1に記載の袋体を備えてなる、第2の態様に係る流体減震装置に関する。
本発明の第6の態様に係る流体減震装置は、前記容器が円筒、四角筒、多角筒及び中空球体からなる群から選択される1種である第2乃至第4のいずれか一つの態様に係る流体減震装置に関する。
本発明の第7の態様に係る流体減震装置は、少なくとも底を備えた容器内に位置づけられた第3チャンバーを備え、振動伝達体が前記第3チャンバー内に、前記容器の蓋の開口部を挿通する、負荷を支承する軸の一部と当該軸の一端に設けられた剛体が上下に移動自在に受入られ、前記第3チャンバー内に高粘性流体系材料が充填され、
前記第3チャンバーの開口部が前記容器の蓋の開口部を挿通して前記容器の外に延び、
前記第3チャンバーの開口部が前記軸に封止されてなる第1の態様に係る袋体を備えたことを特徴とする流体減震装置に関する。
本発明の請求項1に係る袋体によれば、引張強度を有し、変形自在な材料から形成された1以上のチャンバーからなる袋体であって、
前記1以上のチャンバー内に高粘性流体系材料が封入され、
前記1以上のチャンバーが互いに連通されてなることを必須構成要件としているので、容器内に移動自在に設けられた剛体を取り囲むように配された流体減震装置に適用すれば、地震により剛体が水平方向に移動すると、当該剛体を挟んで容器内のチャンバーの一方の側部に位置づけられた部分が圧縮され、その結果、圧縮された部分の高粘性流体系材料が、当該剛体を挟んで容器内の第1袋体の他方の側部に位置づけられた部分へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器側と剛体側のせん断抵抗力も生じる。この移動抵抗力とせん断抵抗力との和が、水平方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する。
本発明の請求項2に係る流体減震装置は、1以上のチャンバーが振動伝達体によって水平方向に押圧される第1チャンバー及び/又は上下方向に押圧される第2チャンバーからなり、前記第1チャンバーが、少なくとも底部を備えた容器の側部内面に沿って位置づけられ、前記振動達体が前記容器の蓋の開口部を挿通する、負荷を支承する軸と、該軸の一部と該軸の一端に設けられた剛体とからなり、請求項1に記載の袋体を備えたことを構成要件としているので、振動伝達体が器内に移動自在に設けられた剛体を備え、容器内に該剛体を取り囲むように配された流体減震装置に適用すれば、地震により剛体が水平方向に移動すると、当該剛体を挟んで容器内のチャンバーの一方の側部に位置づけられた部分が圧縮され、その結果、圧縮された部分の高粘性流体系材料が、当該剛体を挟んで容器内の第1袋体の他方の側部に位置づけられた部分へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器側と剛体側のせん断抵抗力も生じる。この移動抵抗力とせん断抵抗力との和が、水平方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する。地震により剛体が垂直方向に上昇移動すると、当該剛体を挟んで容器内の第1及び2袋体の上部に位置づけられた部分が圧縮され、その結果、圧縮された部分の高粘性流体系材料が、当該剛体を挟んで容器内の第1及び第2袋体の下部に位置づけられた部分へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器側と剛体側のせん断抵抗力も生じるので、水平方向の震動と垂直方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する。
本発明の請求項3に係る流体減震装置によれば、前記1以上のチャンバーが円盤状の中空体であることを構成要件としているので、振動伝達体が器内に移動自在に設けられた剛体を備え、容器内に該剛体を容易に取り囲むことがきる。ゆえに、水平方向の加速度成分により剛体の移動に伴って袋体の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料が圧縮されない部分に移動することにより、粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
本発明の請求項4に係る流体減震装置によれば、前記1以上のチャンバーが中空の球体であることを構成要件としているので、振動伝達体が器内に移動自在に設けられた剛体を備え、容器内に該剛体を容易に取り囲むことがきる。ゆえに、水平方向の加速度成分により剛体の移動に伴って袋体の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料が圧縮されない部分に移動することにより、粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
本発明の請求項5に係る流体減震装置によれば、前記1以上のチャンバーが1以上の中空の第1直方体と、該中空の第1直方体の4つの側面のそれぞれと前記第1直方体が連通する中空直方体を有してなる請求項1に記載の袋体を備えてなることを構成要件としているので、振動伝達体が器内に移動自在に設けられた剛体を備え、容器内に該剛体を容易に取り囲むことができる。ゆえに、水平方向の加速度成分により剛体の移動に伴って袋体の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料が圧縮されない部分に移動することにより、粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
請求項6に係る流体減震装置によれば、前記容器が円筒、四角筒、多角筒及び中空球体からなる群から選択される1種であることを構成要件としているので、振動伝達体が器内に移動自在に設けられた剛体を備え、容器内に該剛体を容易に取り囲むことができる。ゆえに、水平方向の加速度成分により剛体の移動に伴って袋体の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料が圧縮されない部分に移動することにより、粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
請求項7に係る流体減震装置によれば、少なくとも底を備えた容器内に位置づけられた第3チャンバーを備え、振動伝達体が前記第3チャンバー内に、前記容器の蓋の開口部を挿通する、負荷を支承する軸の一部と当該軸の一端に設けられた剛体が上下に移動自在に受入られ、前記第3チャンバー内に高粘性流体系材料が充填され、
前記第3チャンバーの開口部が前記容器の蓋の開口部を挿通して前記容器の外に延び、前記第3チャンバーの開口部が前記軸に封止されてなる請求項1に記載の袋体を備えたことを構成要件としているので、振動伝達体が第3チャンバー内に移動自在に設けられた剛体を備え、第3チャンバー内の高粘性流体系材料によって剛体が取り囲まれている。ゆえに、水平方向及び/又は上下方向の加速度成分による剛体の移動に伴って第3チャンバー内の高粘性流体系材料の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料が圧縮されない部分に移動することにより、粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
図1の(a)は本発明の一実施形態に係る流体減震装置の平面図であり、(b)は(a)の断面説明図である。 図2は本発明の他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図3は図2の流体減震装置の実施形態を示す断面説明図である。 図4の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の一例を示す平面図、(b)は(a)のA−A線断面説明図、(c)は展開した状態を示す平面説明図である。 図5の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の他の例を示す斜視図、(b)及び(c)は袋体の容器への嵌入手順を示す断面説明図である。 図6の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の他の例を示す斜視図、(b)及び(c)は袋体の容器への嵌入手順を示す断面説明図である。 図7は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。 図8は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。 図9は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。 図10は、設備機械の底部と床との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。 図11は、免震ビルの下部側面と擁壁との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。 図12は本発明の流体減震装置の作用効果を示す断面説明図である。 図13は本発明の他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図14は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図15は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図16は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図17は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。 図18は図14及び15の流体減震装置が取り付けられる下部架台の一例を示す平面説明図である。 図19は図18のA−A断面図である。 図20は従来技術に係る減震装置の一例を示す断面説明図である。 図21は図20の減震装置の下部構造体が水平方向に移動した時の減震装置の断面説明図である。 図21の減震装置の他の例を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る流体減震装置について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
図1の(a)は本発明の一実施形態に係る流体減震装置の平面図であり、(b)は(a)の断面説明図である。図2は本発明の他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図3は図2の流体減震装置の実施形態を示す断面説明図である。図4の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の一例を示す平面図、(b)は(a)のA−A線断面説明図、(c)は展開した状態を示す平面説明図である。図5の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の他の例を示す斜視図、(b)及び(c)は袋体の容器への嵌入手順を示す断面説明図である。図6の(a)は本発明の流体減震装置を構成する袋体の他の例を示す斜視図、(b)及び(c)は袋体の容器への嵌入手順を示す断面説明図である。図7は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。図8は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。図9は本発明の流体減震装置の上部架台と下部架台の間への取り付け方法を示す断面説明図である。図10は、設備機械の底部と床との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。図11は、免震ビルの下部側面と擁壁との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。図12は本発明の流体減震装置の作用効果を示す断面説明図である。図13は本発明の他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図14は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図15は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図16は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図17は本発明のさらに他の実施形態に係る流体減震装置の断面説明図である。図18は図14及び15の流体減震装置が取り付けられる下部架台の一例を示す平面説明図である。図19は図18のA−A断面図である。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る流体減震装置(1)は、筒状を呈する容器(2)の側部(2S)の内面に沿って位置づけられるドーナッツ状の形状を呈した第1チャンバー(3a)を備えている。第1チャンバー(3a)は天然ゴムやCRゴム或いは繊維入り樹脂から構成されたもので、引張強度を有し、変形自在な材料が好適に採用される。第1チャンバー(3a)には高粘性流体系材料(6)が封入されている。
高粘性流体系材料(6)としては従来公知のアマニ油、大豆油、なたね油、オリーブ油、ひまし油等の植物油系軟化剤;アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等の鉱物油系軟化剤;シリコン油等の低分子量オイル;液ゴム等の低分子ゴムなどが採用され得る。さらに可塑剤として、DHP、DOP、DNPなどのエステル、滑剤として流動パラフィン、フルオロカルボン、ポリグリコール、脂肪酸ポリグリコールエステルなどを適量添加することで粘性流体の粘性や滑性、剛性などを調整して減衰効果をより向上させることも可能である。粘性流体の物性変化を抑えるために、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤などを混入することも可能である。
本実施形態において容器(2)は底部(2B)と側部(2S)と蓋(2L)から構成され、蓋(2L)には開口部(H)が設けられ、底部(2B)の上面には滑り材(SL)が、例えば溶接や螺着になど従来から知られた固着手段により固着されている。滑り材(SL)としては例えばステンレス鋼材が好適に採用される。また剛体(R)の下面には摩擦抵抗の少ないふっ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の板材(Rs)が貼り付けられている。容器(2)は鋼材や合成樹脂など当業者に自明な材料から形成される。振動伝達体は、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)を支承する軸(AX)と、該軸の一部と当該軸(AX)の一端に設けられた剛体(R)から構成され、剛体(R)が第1チャンバー(3a)に取り囲まれている。なお、軸(AX)は容器(2)の蓋(2L)の開口部(H)を挿通している。図1に示された実施形態の場合、かかる構成により、水平方向の加速度成分により剛体(R)が滑らかに移動することができ、剛体(R)の移動に伴って袋体(3)の一部が圧縮されることにより、この部分の高粘性流体系材料(6)が圧縮されない部分に移動することにより、後述する粘性抵抗力と剪断抵抗力が生じ減震効果を奏する。
本実施形態について、図2−6を参照して説明する。本実施形態の流体減震装置(1)は上述の第1チャンバー(3a)に加えて、容器(2)の底部(2B)上に位置づけられる上部(3t)と下部(3b)から構成される第2チャンバー(B)を備えており、第1チャンバー(3a)と第2チャンバー(B)とは連通している。第2チャンバー(B)の材料として、天然ゴムやCRゴム或いは繊維入り樹脂から構成されたもので、引張強度を有し、変形自在な材料が好適に採用される。
本発明において、「チャンバー」とはベローズ(蛇腹状の部材)を含む概念である。したがって第1チャンバー(3a)及び第2チャンバー(B)をベローズで構成した場合には、第1チャンバー(3b)と第2チャンバー(B)とは、例えば天然ゴムやCRゴム或いは繊維入り樹脂から構成されたもので、引張強度を有し、変形自在な材料から形成されたチューブを介して連通される。
図2を参照すると本実施形態の振動伝達体は、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)を支承する軸(AX)と、該軸(AX)の一部と当該軸(AX)の一端に設けられた剛体(R)から構成され、剛体(R)が前記第1チャンバー(3a)及び第2チャンバー(B)の両方に取り囲まれている。また、本実施形態の流体減震装置(1)は下部構造体(LC)上に設置される。軸(AX)の他端には支持板(SP)が設けられている。
したがって、図2に示された実施形態では、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)は、支持板(SP)と軸(AX)を介して下部構造体(LC)上に設置された流体減震装置(1)によって支承される。
図2を参照すると、ドーナツ状の補助プレート(P)が軸(AX)に差し込まれており、地震発生に伴い剛体(R)が上昇した時の第2チャンバー(B)の上部(3t)の圧縮力の受圧体として機能する。
限定されないが、本実施形態の流体減震装置(1)の容器の寸法は、設備機器1トン当たりを想定すると、縦100mm×横100mm×高さ50mm程度、第1及び第2チャンバー(3a、B)の厚さは1mm程度である。しかし、本実施形態に係る流体の減震装置(1)の適用対象となる機器類の重量や地震時の許容変位が異なる場合は、基本構造・原理は同じで、形状・寸法を変えて対応することができる。
図2を参照すると本実施形態の機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)を支承する軸(AX)の一部と当該軸(AX)の一端に設けられた剛体(R)とが前記第1チャンバー(3a)及び第2チャンバー(B)の両方に取り囲まれている。また、本実施形態の流体減震装置(1)は下部構造体(LC)上に設置される。軸(AX)の他端には支持板(SP)が設けられている。
したがって、図2に示された実施形態では、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)は、支持板(SP)と軸(AX)を介して下部構造体(LC)上に設置された流体減震装置(1)によって支承される。
図2を参照すると、ワッシャー(ドーナツ状の補助プレート)(P)が軸(AX)に差し込まれており、地震発生に伴い剛体(R)が上昇した時の第2チャンバー(B)の上部(3t)の圧縮力の受圧体として機能する。
図3を参照すると本実施形態の振動伝達体は、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)を支承する軸(AX)と、該軸(AX)の一部と当該軸(AX)の一端に設けられた剛体(R)から構成され、剛体(R)が前記第1チャンバー(3a)及び第2チャンバー(B)の両方に取り囲まれている。また、本実施形態の流体減震装置(1)は下部構造体(LC)上に設置される。軸(AX)の他端には支持板(SP)が設けられている。軸(AX)としてナットが採用され、支持板(SP)にはナット部(SPn)が固着され、ナット部(SPn)と軸(AX)とが螺合している。
したがって、図3に示された実施形態では、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)は、高さ調整自在に支持板(SP)と軸(AX)を介して下部構造体(LC)上に設置された流体減震装置(1)によって支承される。
図3を参照すると、本実施形態においてもワッシャー(ドーナツ状の補助プレート)(Pチャンバー)が軸(AX)に差し込まれており、地震発生に伴い剛体(R)が上昇した時の第2チャンバー(B)の上部(3t)の圧縮力の受圧体として機能する。
本実施形態に係る流体減震装置(1)の第1チャンバー(3a)と第2チャンバー(B)は、限定されないが、一体的に形成されたものが好適に採用される。その一例として、例えば図4には、略正四角筒状に形成された第1及び第2チャンバー(3a、B)を採用することができる(図4の(c)参照)。図4の(c)に示された略正四角筒状に形成された第1及び第2チャンバー(3a、B)を図4の(c)に示された第1チャンバー(3a)と、上部(3t)と下部(3b)を破線L1及びL2に沿って折り曲げて図4の(a)及び(b)に示された通りにし、図2の容器(2)内に配置する。第1チャンバー(3a)と第2チャンバー(B)内には、高粘性流体系材料が封入されている。高粘性流体系材料(6)としては従来公知のアマニ油、大豆油、なたね油、オリーブ油、ひまし油等の植物油系軟化剤;アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等の鉱物油系軟化剤;シリコン油等の低分子量オイル;液ゴム等の低分子ゴムなどが採用され得る。さらに可塑剤として、DHP、DOP、DNPなどのエステル、滑剤として流動パラフィン、フルオロカルボン、ポリグリコール、脂肪酸ポリグリコールエステルなどを適量添加することで粘性流体の粘性や滑性、剛性などを調整して減衰効果をより向上させることも可能である。粘性流体の物性変化を抑えるために、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤などを混入することも可能である。
図5に示されるような円盤状に形成された第1及び第2チャンバー(3a、B)も採用することができる(図5の(a)参照)。この場合、図5の(b)に示されるように、まず円盤状に形成された第1及び第2チャンバー(3a、B)を容器(2)に押し込み、ついで軸(AX)及び剛体(R)を嵌入し、ドーナツ状の補助プレート(P)を軸(AX)に差し込み、次いで蓋(2L)を軸(AX)に差し込んで、蓋(2L)を容器に螺着する。図5の(b)、(c)に示されるとおり、蓋(2L)には雌ねじ(Thf)が形成され、容器(2)の側部(2S)には雄ねじ(Thm)が形成されている。第1チャンバー(3a)と第2チャンバー(B)内には、高粘性流体系材料が封入されている。高粘性流体系材料(6)としては従来公知のアマニ油、大豆油、なたね油、オリーブ油、ひまし油等の植物油系軟化剤;アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等の鉱物油系軟化剤;シリコン油等の低分子量オイル;液ゴム等の低分子ゴムなどが採用され得る。さらに可塑剤として、DHP、DOP、DNPなどのエステル、滑剤として流動パラフィン、フルオロカルボン、ポリグリコール、脂肪酸ポリグリコールエステルなどを適量添加することで粘性流体の粘性や滑性、剛性などを調整して減衰効果をより向上させることも可能である。粘性流体の物性変化を抑えるために、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤などを混入することも可能である。
図6の(a)に示されるような略球状に形成された第1及び第2袋体(3a、B)も採用することができる。この場合、図6の(b)に示されるように、まず球状に形成された第1及び第2チャンバー(3a、B)を容器(2)に押し込み、ついで軸(AX)及び剛体(R)を嵌入し、ドーナツ状の補助プレート(P)を軸(AX)に差し込み、次いで蓋(2L)を軸(AX)に差し込んで、蓋(2L)を容器に螺着する。図6の(b)、(c)に示されるとおり、蓋(2L)には雌ねじ(Thf)が形成され、容器(2)の側部(2S)には雄ねじ(Thm)が形成されている。略球形状の第1及び第2チャンバー(3a、B)内には、高粘性流体系材料(6)が封入されている。高粘性流体系材料としては従来公知のアマニ油、大豆油、なたね油、オリーブ油、ひまし油等の植物油系軟化剤;アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等の鉱物油系軟化剤;シリコン油等の低分子量オイル;液ゴム等の低分子ゴムなどが採用され得る。さらに可塑剤として、DHP、DOP、DNPなどのエステル、滑剤として流動パラフィン、フルオロカルボン、ポリグリコール、脂肪酸ポリグリコールエステルなどを適量添加することで粘性流体の粘性や滑性、剛性などを調整して減衰効果をより向上させることも可能である。粘性流体の物性変化を抑えるために、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤などを混入することも可能である。
図7−9を参照して、本実施形態に係る流体減震装置(1)の取り付け方法を説明する。下架台(LPF)と上架台(UPF)への流体減震装置(1)の取り付け方法として、ボルト接合、溶接接合、接着接合があり、強度的信頼性の観点からはボルト接合、溶接接合が好ましい。しかし、既存の建造物への後付けの場合には、機器類の運転中の状況下での制約条件がある。すなわち、火気禁止で電気溶接の使用不可、運転中の機器類の近くには人は長時間立ち入れず穴あけ作業ができない、上部架台に設備機器が搭載されている場合には穴あけ工事そのものができない、穴あけが架台の断面損傷で耐力減少などの条件である。
これらの制約条件から、通常、図7及び8に示されるような、接着剤(AD)或いは接着シートの張りつけによる下架台(LPF)と上架台(UPF)への流体減震装置(1)の取り付け、若しくは図9に示されるような接着剤(AD)或いは接着シートの張りつけによる下架台への流体減震装置(1)の取り付けと、ボルト(BL)及びナット(N)による上架台への流体減震装置(1)の取り付けが採用される。なお、図7と図8の相違点は、図8の場合ブラケット(SPb)付きの支持板(SP)を採用しているのに対して、図7の場合ブラケットなしの支持板(SP)を採用している点である。
図1乃至9に示された流体減震装置(1)は容器(2)が下部架台(LPF)に固着され、軸(AX)は上部架台(UPF)に固着することが図示されているが、容器(2)を上部架台(UPF)に固着し、軸(AX)を下部架台(LPF)に固着してもよい。
図10は、設備機械の底部と床との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。図11は、免震ビルの下部側面と擁壁との間への本発明の流体減震装置の設置例を示す断面説明図である。
図10を参照すると、大型設備機械(WT)が、大型設備機械(WT)と床(FL)との間に防振パッド(IP)を介して鋼材(C)が設けられ、鋼材(C)が床(FL)に設けられた穴にコンクリート(CE)を打設し、コンクリート(CE)に植え込みボルト(BL)を固着することで支持されている。
図10に示された設置例では、この鋼材(C)に外付け金物(4)の支持部(4S)がボルト・ナット(BL)によって固着されている。外付け金物(4)の水平方向に延びている部分(4H)のブラケット部(4b)に支持板(SP)を介して本発明の流体減震装置(1)の軸(AX)が取り付けられている。
このように既設の大型設備機械(WT)に本発明の流体減震装置(1)を適用することで、震度6、7を震度5程度に低減することができ、変位量が10mm程度の流体減震装置(1)により、従来免震構造で実用化されなかった機器類や構築物などへの適用範囲が大幅に広がる。
図11を参照すると、免震装置(BIs)を備えた免震ビル(BId)が、免震装置(BIs)を介して耐圧盤状に構築され、免震装置(BIs)の下部側面と擁壁(RW)との間に本発明の流体減震装置(1)が設置されている。
このように既設の免震装置(BIs)を備えた免震ビル(BId)に本発明の流体減震装置(1)を適用することで、震度6、7を震度5程度に低減することができる。
[実施形態2]
図13を参照すると、本発明の実施形態2に係る流体減震装置(1)は、有底筒状の容器(2)内に位置づけられた第3チャンバー(5)内に、該容器(2)の蓋(2L)の開口部(H)を挿通する、機械装置や建造物の重量物などの負荷(WT)を支承する軸(AX)の一部と当該軸(AX)の一端に設けられた剛体(R)が上下に移動自在に受入られている。
前記第3チャンバー(5)内に高粘性流体系材料(6)が充填され、第3チャンバー(5)の開口部(5H)が容器(2)の蓋(2L)の開口部(H)を挿通して前記容器(2)の外に延び、第3チャンバー(5)の開口部(5H)が軸(AX)に紐などで固縛することによって封止されている。
[実施形態3]
図14乃至17を参照して、本発明の実施形態3に係る流体減震装置について説明する。本実施形態に係る流体減震装置は中空球体(2)内に移動自在に設けられた略ドーナツ状(乃至円盤状)の剛体(R)(図14参照)と、剛体(R)に一端が固着され、中空球体(2)外に延びる軸(AX)を取り囲む袋体(3)とから構成され、袋体(3)内に高粘性流体系材料が封入されている。高粘性流体系材料としては、従来公知のアマニ油、大豆油、なたね油、オリーブ油、ひまし油等の植物油系軟化剤;アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等の鉱物油系軟化剤;シリコン油等の低分子量オイル;液ゴム等の低分子ゴムなどが採用され得る。さらに可塑剤として、DHP、DOP、DNPなどのエステル、滑剤として流動パラフィン、フルオロカルボン、ポリグリコール、脂肪酸ポリグリコールエステルなどを適量添加することで粘性流体の粘性や滑性、剛性などを調整して減衰効果をより向上させることも可能である。粘性流体の物性変化を抑えるために、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤などを混入することも可能である。本実施形態の流体減震装置では、中空球体(2)は下部架台(LPF)の凹所(CC)にスポット溶接等により固着される(図14、15、18、19参照)。そして軸(AX)を上部架台(UPF)に固着する。
本実施形態の流体減震装置は図15に示されるように図14の実施形態に採用されているドーナツ状の剛体(R)の代わりに球形状の剛体(R)を採用することも可能である。また、図16及び17に示されるように中空球体を上部架台(UPF)に固着し、軸(AX)を下部架台(LPF)に固着してもよい。
図12を参照すると、本発明の請求項1に係る袋体によれば、引張強度を有し、変形自在な材料から形成された1以上のチャンバーからなる袋体であって、前記1以上のチャンバー内に高粘性流体系材料が封入され、前記1以上のチャンバーが互いに連通されてなることを必須構成要件としているので、容器内に移動自在に設けられた剛体を取り囲むように配された流体減震装置に適用することができる。
請求項1に係る袋体をかかる流体減震装置に適用すれば、地震により剛体が水平方向に移動すると、当該剛体を挟んで容器内のチャンバーの一方の側部に位置づけられた部分が圧縮され、その結果、圧縮された部分の高粘性流体系材料が、当該剛体を挟んで容器内の第1袋体の他方の側部に位置づけられた部分へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器側と剛体側のせん断抵抗力も生じる。この移動抵抗力とせん断抵抗力との和が、水平方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する(図12の(a)参照)。
本発明の請求項2−3に係る流体減震装置(1)は、地震により剛体(R)が垂直方向に上昇移動すると、当該剛体(R)を挟んで容器(2)内の第1及び第2チャンバーの上部に位置づけられた部分(3t)が圧縮され、その結果、圧縮された部分(3t)の高粘性流体系材料が、当該剛体(R)を挟んで容器(2)内の第1及び第2チャンバーの下部に位置づけられた部分(3b)へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力(MR)を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器(2)側と剛体(R)側のせん断抵抗力(SR)も生じるので、水平方向の震動と垂直方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する(図12の(a)(b)参照)。
本発明の請求項4に係る流体減震装置(1)によれば、地震により剛体(R)が水平方向に移動すると、当該剛体(R)を挟んで容器内の第3チャンバーの一方の側部に位置づけられた部分が圧縮され、その結果、圧縮された部分(3a1)の高粘性流体系材料が、当該剛体(R)を挟んで容器(2)内の第3チャンバーの他方の側部に位置づけられた部分(3a2)へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力(MR)を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器側と剛体側のせん断抵抗力(SR)も生じる。この移動抵抗力(MR)とせん断抵抗力(SR)との和が、水平方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する。
地震により剛体が垂直方向に上昇移動すると、当該剛体(R)を挟んで容器内の第3チャンバーの上部に位置づけられた部分(3t)が圧縮され、その結果、圧縮された部分(3t)の高粘性流体系材料が、当該剛体(R)を挟んで容器(2)内の第3チャンバーの下部に位置づけられた部分(3b)へと流れる。この流れの強制的な移動は大きな粘性抵抗力(MR)を生じる。同時に、高粘性流体系材料が流れる過程で容器(2)側と剛体(R)側のせん断抵抗力(SR)も生じるので、水平方向の震動と垂直方向の震動に対する減衰抵抗力になるという作用効果を奏する(図12の(a)(b)参照)。
1 流体減震装置
2 容器
2B 側部
2L 蓋
2S 底部
3 袋体
3a 第1チャンバー
3b 第2チャンバーの下部
3t 第2チャンバーの上部
4 外付金物
4H 水平方向に延びている部分
4S 支持部
5 第3チャンバー
6 高粘性流体系材料
AD 接着剤
AX 軸
B 第2チャンバー
Bld ビルディング
BIs 免震装置
C1、C2、C3、C4 孔
CC 凹所
CE コンクリート
BL ボルト
FL 床
GR 地盤
H 開口部
LC 下部構造物
LPF 下部架台
N ナット
P 補助板(ワッシャー)
R 剛体
Rs 滑り樹脂
RW 擁壁
SL 滑り材
SP 支持板
SPb 支持板のブラケット
Thf 雌ねじ
Thm 雄ねじ
UPF 上部架台
WT 重量物

Claims (3)

  1. 引張強度を有し、変形自在な材料から形成された1以上のチャンバーからなる袋体であって、
    前記1以上のチャンバー内に高粘性流体系材料が封入され、
    前記1以上のチャンバーが互いに連通された袋体と、
    底部と側部とを有する容器とを備え、
    前記袋体は、前記容器内に移動自在に設けられた前記剛体を取り囲むように配され、
    前記1以上のチャンバーが振動伝達体によって水平方向に押圧される第1チャンバー及び上下方向に押圧される第2チャンバーとを有し、
    前記第1チャンバーが、少なくとも底部を備えた容器の側部内面に沿って位置づけられ、
    前記振動伝達体が前記容器の蓋の開口部を挿通する、負荷を支承する軸と、該軸の一部と該軸の一端に設けられた剛体とからなり、
    地震により前記剛体が垂直方向に上昇移動すると、前記剛体を挟んで前記容器内の第1及び第2チャンバーの上部に位置づけられた部分が圧縮され、
    第1及び第2チャンバーの前記圧縮がされた部分の前記高粘性流体系材料が、前記剛体を挟んで前記容器内の第1及び第2チャンバーの下部に位置づけられた部分へ移動する、
    流体減震装置。
  2. 前記1以上のチャンバーが略球状略球状に形成された略球状に形成された略球状である、請求項1に記載の流体減震装置。
  3. 前記1以上のチャンバーが1以上の中空の第1直方体と、該中空の第1直方体の4つの側面のそれぞれと前記第1直方体が連通する中空直方体を有してなる請求項1に記載の袋体を備えてなる、請求項1に記載の流体減震装置。
JP2017076298A 2017-04-06 2017-04-06 流体減震装置 Active JP6891028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076298A JP6891028B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 流体減震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076298A JP6891028B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 流体減震装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018179070A JP2018179070A (ja) 2018-11-15
JP6891028B2 true JP6891028B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=64281564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017076298A Active JP6891028B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 流体減震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6891028B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4531747Y1 (ja) * 1966-11-15 1970-12-04
JPS6335837U (ja) * 1986-08-22 1988-03-08
JPS6349076U (ja) * 1986-09-18 1988-04-02
JPH0531754Y2 (ja) * 1987-04-13 1993-08-16
JPH05266644A (ja) * 1992-03-18 1993-10-15 Sony Corp 振動吸収装置
JP3652379B2 (ja) * 1992-09-30 2005-05-25 東海ゴム工業株式会社 粘性流体封入ダンパー
JPH0831163A (ja) * 1994-07-18 1996-02-02 Funai Electric Co Ltd 車載用ディスクプレーヤーの制振装置
JP2013234724A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Nippon Lock:Kk 制振ユニット及びこの制振ユニットを使用したレバースイッチ用レバー制振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018179070A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4644714A (en) Earthquake protective column support
US9829063B2 (en) Seismic isolator utilizing wedge
CA2672314A1 (en) Seismic controller for friction bearing isolated structures
KR101836164B1 (ko) 수직 진동 저감 성능을 갖춘 3차원 면진장치
JP2010007859A (ja) 隔離プラットホーム
JP2015508880A (ja) 振動絶縁装置および振動絶縁システム
JP6372034B2 (ja) 防振減震装置
KR20210087530A (ko) 구조물의 감쇠 진동용 매스 댐퍼, 이러한 매스 댐퍼를 갖는 구조물, 및 매스 댐퍼의 고유 진동수를 조정하는 방법
JP6902191B2 (ja) 減衰装置、及び、免震構造
CN110835886A (zh) 桥墩减震装置
US10619700B2 (en) Seismic isolation apparatus
US8789320B1 (en) Large displacement isolation bearing
US20160290429A1 (en) Bearing with spherical rotational damping
JP6891028B2 (ja) 流体減震装置
JP6463137B2 (ja) 減震装置
JP4432208B2 (ja) ダンパ及びこれを用いた建築物
JPH0562179B2 (ja)
JP2020109246A (ja) 橋梁耐震装置
JP7003514B2 (ja) 免震構造
JP2007120756A (ja) 振動低減装置
US6126137A (en) Vibration isolation system
WO2005111345A1 (ja) 免震構造
JP4066490B2 (ja) 油圧支持装置
AU2021104588A4 (en) A method to suppress Vibration in a Civil Engineering Structure using a 3-Dimensional Isolator.
JP7451448B2 (ja) 粘性系の振動減衰装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210506

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6891028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150