JP6890970B2 - インスリン抵抗性を処置するためのhip/papタンパク質又はその誘導体の1種を含む組成物 - Google Patents

インスリン抵抗性を処置するためのhip/papタンパク質又はその誘導体の1種を含む組成物 Download PDF

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Description

先行技術
本発明は、インスリン抵抗性を軽減するため又はその発生を予防するためのHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の使用に関する。本発明は、特に、非インスリン依存型患者に向けたものである。
インスリン抵抗性は、インスリン感受性組織(骨格筋、白色脂肪組織、肝臓)に及ぼすインスリンの代謝作用における減少によって定義される。実際には、インスリンが(糖新生又はグリコーゲン分解の阻害を介して)肝臓のグルコース産生を阻害することができないことによって、筋肉組織がグルコースを取り込む能力、ついてはグルコースを利用する能力が減少することによって、及び白色脂肪組織の脂肪分解が激化して遊離脂肪酸の血漿中濃度の上昇に繋がることによって、インスリン抵抗性(IR)は顕在化する。
インスリンの分泌と併せて、インスリン感受性(又は逆にインスリン抵抗性)は、血糖ホメオスタシスを維持するように協調して相互作用する2つの従属変数である。血糖の任意の修正は、血中インスリン(insulinemia)の修正に繋がり、逆の場合も同様である。その結果、正常な血糖(正常血糖)を維持するため、又は高血糖への進行を制限するために(すなわち、正常な耐糖能が、中等度の空腹時血糖又は耐糖能障害に向かって病理学的に激化するのを回避するために)、インスリン抵抗性における任意の増加は、インスリン分泌が同時に増加することによって代償される(そのとき代償的な高い血中インスリンが観察される)。ある一定の閾値から出発して、IRの進行は、膵臓β細胞のインスリン分泌機能の消耗のせいでエスケープ現象に至り、その基礎となるメカニズムは、依然として複雑である(ミトコンドリアの機能の機能的及び構造的喪失並びに/又は特に糖毒性に関連する膵臓β細胞のアポトーシス)。次に、血糖における明らかな増加があり(空腹時血糖≧1.26g/l、すなわち7mM)、糖尿病という用語が用いられる。静脈血試料に関して血糖がこの空腹時閾値7mMを2回超えたときにII型糖尿病が確立したと見なされる。これは、インスリン分泌によるIRの非代償を反映しており、「相対的な」インスリン欠乏の存在を証明している、この段階で、健康及び食事対策、又は薬理学的処置によりIRを処置する補足としてインスリン療法を開始することが必要であり得る。進行期では、グルコース依存型のインスリン分泌が低くなりすぎる(又は事実上ゼロにまでなる)ので、多回注射インスリン療法を設定することが不可避になる(Silvio E et al., Diabetes Care 35:1364-1379, 2012; Management of Hyperglycemia in Type 2 Diabetes: A Patient-Centered Approach. Position Statement of the American Diabetes Association (ADA) and the European Association for the Study of Diabetes (EASD)を参照されたい)。
インスリンは、ヒトにおいて放射免疫学的方法、すなわちELISA法を用いて、空腹状態で血漿又は血清に関してアッセイされる。正常な(空腹時)基礎値は、3.2〜16.3mIU/lの範囲であり、次に経口グルコース負荷75gの20分後になるや否や最大40mIU/lに増加し、グルコース摂取の2時間後に基礎値に戻る。血糖の測定と組み合わされたこの測定は、インスリンが組織グルコースの取り込みを促進する能力を、ゆえに正常な炭水化物ホメオスタシスを維持する能力を推定可能にする。
インスリン感受性は(それと相関関係にある膵臓β細胞分泌機能も)、HOMA2(Homeostatic Model Assessment)に最近改良されたHOMAカルキュレーターソフトウェア(v. 2.2.2, Diabetes trials Unit, University of Oxford、以下のアドレスからダウンロード可能:http://www.dtu.ox.ac.uk/homacalculator/download.php)を用いて推定され得る。HOMA2モデル(Levy JC et al., Diabetes Care, 1998; 21: 2191-2192、Wallace TM, Levy JC, Matthews DR. Diabetes Care, 2004; 27(6): 1487-95も参照されたい)は、構造コンピューターモデルであって、そのカルキュレーターは、グルコース/インスリン調節ループに基づき、グルコース及びインスリン(又はCペプチド)の空腹時血漿中濃度の測定から個体の膵臓β細胞の機能(%β、すなわちHOMA B)及びインスリン感受性(%S)を決定可能にする。それは、%β及び%Sの各組み合わせについて、対応するグルコース及びインスリン/Cペプチドの組み合わせが1つだけあるからである。このカルキュレーターの検証は、研究のために確保された観血的方法(高インスリン正常血糖クランプ法又は高血糖クランプ法)を用いてインスリン感受性及びインスリン分泌を直接測定することによって得られた値に用いられた式を比較することによって実施されている。このカルキュレーターは、空腹時血液試料によりインスリン感受性及びインスリン分泌の両方を推定することを可能にする。
正常な炭水化物耐性及び多様な程度の肥満又はインスリン抵抗性を有する対象において、β細胞分泌機能はインスリン感受性によって量的に様々であることが示されている(Kahn SE et al., Diabetes 1993)。実際、インスリン感受性(S)とβ細胞機能(β)との間に双曲線関係がある。y軸の値(β)とx軸の値Sとの積は一定であり、対象の炭水化物耐性に相当する。
したがって、次式:[(空腹時血中インスリン(μU/ml)×空腹時血糖(mM))/22.5]に従ってHOMA−IR指数(Matthews et al., 1985)を計算することによってインスリン抵抗性を推定することが可能である。健康な非インスリン抵抗性の対象において、空腹時HOMA−IR指数は一般に1に近い。
最終的に、体重に対して計算された即効性インスリンの1回量(一般に0.75IU/kg体重)を(腹腔、静脈内又は皮下)注射した後に血糖をモニタリングすることにあるインスリン負荷試験(ITT)を行うことが可能である。この技法は、特に動物において実施される。ヒトでは、低血糖に関連する困難及びリスクを免除するために、改変インスリン負荷試験又は短時間静脈試験(short intravenous test)を定義して、いくつかの調整が提案されている。解釈は、試験の最初の15分の経過にわたる血糖減少速度だけに関係し、[(基礎血糖G0−15分での血糖G15)/G0]比が決定される。この比は、健康な非インスリン抵抗性患者において通常は0.5未満である。
血清Cペプチド濃度は、インスリン分泌のマークであって、膵臓β細胞がインスリンを産生する能力を反映している。ヒトにおける空腹時の正常値は、0.27〜1.43nmol/l(又は0.8〜4.2ng/ml)の範囲である。I型糖尿病又は膵臓細胞に波及したII型糖尿病を有する対象において、Cペプチドレベルは減少している。内因性高インスリン血症に関連するインスリン抵抗性を有する患者において、このレベルは正常よりも増加している。
インスリン抵抗性の多数の可能な病因があり、それらは、いくつかの、可能性があることには複合した異常:腹部過体重、又は内臓肥満、長時間座っている性質又は身体的不活動、インスリンの受容体後シグナル伝達カスケードタンパク質の機能に影響する遺伝子異常又は後天性異常、対抗制御ホルモンの過剰、卵巣機能不全、様々な医薬品(例えばコルチコ療法(corticotherapy)、性ステロイドの乱用)、妊娠、異化亢進状態、栄養不良、サイズに対して低い出生児体重及び/又は致死的栄養失調に起因する。特に、肥満はIRの主要因であること、及び体格指数(BMI)が増加すると後者が増加することが示されている。特に、BMIが40kg/m2を超えると事実上IRが確実である(Mericq et al.)。加えて、過剰な体脂肪量(fat body mass)の分布もIRの樹立に役割を果たすことが示されている。実際に、腹部(又は体幹若しくは内臓)肥満は、全身規模でのIRの生理病理に最も重要であると認識されている。これは、過剰な体脂肪量が腹部にある場合、対象において40kg/m2よりもずっと低いBMIに対して、又は過体重の値であっても、インスリン抵抗性の可能性があることを説明している。心血管イベント(心筋梗塞、虚血性脳卒中、下肢動脈疾患)を経験し、それが、それまでずっと分かっていなかったインスリン抵抗性状態の発見に繋がる患者がこの範疇に入る。実際、インスリン抵抗性を患うこれらの集団は、従来の危険因子(高いLDLコレステロール、喫煙、動脈高血圧、2型糖尿病)とは無関係に心血管イベントが発生するリスクが高い。この集団に心血管イベントが発生すると、それを治療的に処置するためにインスリン抵抗性の診断がされなければならない。インスリン抵抗性が存在する大部分の状況は、共通して体脂肪量の貯蔵分布の改変を有する。脂肪組織は、実際、脂肪酸の形態の食物由来過剰エネルギーの貯蔵に重要な役割を果たしている。肥満において脂肪組織の質量が増加すると、グルコース取り込みが低下し、脂肪分解が増加する。IRの素因のある対象において、腹内脂肪組織の発生が観察される。該組織は、それ自体、インスリンによる脂肪分解阻害効果に関して皮下脂肪組織よりも感受性が低い。その結果、内臓脂肪組織は、増大した脂肪分解能を有する。過剰に、あまり調節されずに放出された脂肪酸は、腹膜循環の次に門脈、その次に肝臓によって回収される。これらの脂肪酸流入は、インスリン抵抗性の対象における非アルコール性脂肪肝の生理病理に大きく関与する。脂肪肝は、貯蔵された脂質をトリグリセリド(VLDL−トリグリセリド粒子)の形態で血流中に部分的に搬出する。次に、これらのトリグリセリドは、内皮リポタンパク質リパーゼ(LPL)によって加水分解され、それによって骨格筋及び膵島がこれらの脂肪酸を取り込むことが可能になり得る。このように、それ自体インスリンの効果の減少及び/又はインスリン分泌の減少に関与する異所性脂質の多組織沈着物が出現する。
したがって、IRは、脂質異常症及び/又は動脈性高血圧などの様々な病態に関連する。ゆえに、IRに関連する表現型は、アテローム性心血管疾患の発生における主役と見なされる。
インスリン抵抗性は、現在、それ自体で治療標的である。ゆえに、心血管イベントの発生リスクに関連して、従来の心血管因子(動脈性高血圧、アテローム性脂質異常症、喫煙、2型糖尿病)を管理することが推奨されるものの、インスリン抵抗性に直接介入することも、さらなる必要が示されている。
加えて、IRによって引き起こされる慢性高インスリン症が細胞の有糸分裂誘発を促進し得ると現在見なされており、それは、インスリン抵抗性集団においてガンが発生するリスクが極度に高いことを説明している。
したがって、具体的には、特にII型糖尿病の上流で患者を処置するために、より詳細には非インスリン依存型患者を処置するために、インスリン減少症及び/又は機能性膵臓β細胞欠乏症ではなくインスリン抵抗性を標的化することを可能にする治療ツールを開発することが重要と思われる。
血糖降下性スルファミド又はスルホニル尿素及びグリニド(glinide)などの公知の経口抗糖尿病薬は、インスリン分泌を刺激することによって膵内分泌部のβ細胞に独占的に作用するが、それらは、インスリン感受性に直接的な効果は有さない。
脂肪及び肝臓のインスリン抵抗性にそれぞれ作用する、チアゾリジンジオンすなわちグリタゾン、又はより少ない程度に他の化合物、メトホルミンなどの、(インスリン分泌に作用せずに)インスリン抵抗性を軽減可能にする化合物が現在のところ公知である。それにもかかわらず、かなりの副作用、又は特定の患者(消化不耐性、妊娠、腎不全又は心不全又は肝不全など)にそれらを使用する困難のせいで、それらの使用は困難である。
したがって、非インスリン依存型患者又は非インスリン欠乏性患者におけるインスリン抵抗性を処置、低下又は予防するための新規な化合物の必要性がある。グリタゾンのクラスがフランスでもはや販売されておらず、インスリン感受性血糖降下薬のクラスがメトホルミンだけに縮小しているので、このことは、なおさらである。
本出願者は、驚くことに、HIP/PAPタンパク質がインスリン抵抗性を特異的に低下可能にすることを実証した。したがって、HIP/PAPタンパク質は、特に非インスリン依存型患者において、IR並びに関連する症状及び障害を治療、制限又は予防するために有利に使用され得る。
HIP/PAPタンパク質は、肝細胞に対するその抗アポトーシス及び分裂促進活性で公知である(US13/032,521、国際公開公報第2004/112824号、Simon et al., FASEB J. 2003 Aug;17(11):1441-50)。
RegIIIaファミリー由来のアミノ酸15個のペプチド(HIP/PAP)、HIP(ヒト膵島促進ペプチド(Human proIslet Peptide))ペプチドが、膵島に対して再生活性を有し、ゆえにインスリン産生を刺激する(US2010/0093605)ことも示されている。これらの結果に基づき、該ペプチド及びRegIIIaファミリーのタンパク質の誘導体を、厳密にインスリン依存型の患者(I型糖尿病を患う又は非代償性II型糖尿病を有する)を治療するために使用することが示唆されている。
出願者の知るところでは、先行技術の文書はどれも、非インスリン依存型対象におけるその使用のための、インスリン抵抗性に及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果を記載していない。
発明の概要
ゆえに、本発明は、非インスリン依存性対象におけるその使用のための、インスリン抵抗性を治療若しくは予防するための、特にインスリン抵抗性を制限及び/若しくは軽減するための、又はリスクのある集団におけるその出現を予防するための、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種に関する。したがって、本発明の対象は、特に、非インスリン依存性対象におけるその使用のための、末梢組織のインスリン抵抗性を治療又は予防するための、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種である。
様々な態様によると、本発明の標的対象は、HOMA2モデルに基づき推定された、60%以上の膵臓β細胞機能(%β、すなわちHOMA B)及び/又は6未満のHOMA−IRを有する。特に、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、125mg/dl未満、特に120mg/dl未満、より詳細には110mg/dl未満の空腹時血糖を有する対象に向けたものであり得る。
特定の実施態様では、対象は、経口糖負荷試験の2時間後に200mg/dl未満、特に180mg/dl未満、より詳細には140mg/dl未満の血糖を有する。特定の実施態様では、対象は、正常な炭水化物耐性を有し、かつ/又は正常な空腹時血糖を有する。
本発明は、また、筋肉の発達を増加させ、除脂肪量の増加を刺激し、筋肉の異化及びタンパク質性栄養不良を予防又は制限するため、脂質異常症、特に高コレステロール血症を予防又は治療するため、並びにアテローム性動脈硬化症、特に冠動脈疾患又は脳動脈疾患、及び下肢動脈疾患を予防又は治療するために応用される。
したがって本発明は、有利には、内臓過体重、肥満、メタボリック症候群、多嚢胞性卵巣症候群、摂食障害、C型肝炎、肝臓脂肪症及び筋肉減少症より選択される障害の少なくとも1つを有する対象、より詳細には内臓過体重、肥満、アンドロゲン過剰症、摂食障害、筋肉減少症、異化亢進及び栄養不良からなる群より選択される少なくとも1つの障害を有する対象にも向けたものである。
本発明によるHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、また、加齢に関連するインスリン抵抗性の処置に向けたものである。したがって、本発明の特定の実施態様では、非インスリン依存型対象は高齢の対象である。
特定の実施態様では、HIP/PAPタンパク質の誘導体は、配列番号1〜4の配列より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする。該誘導体の配列は、配列番号4の配列と少なくとも1個のアミノ酸が異なる。
最終的に、本発明は、非インスリン依存型対象におけるインスリン抵抗性を治療又は予防するためのその使用のための、本発明により定義されるHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の有効量を、少なくとも1種の生理学的に許容し得る賦形剤との混合物として含む組成物に関する。
本発明による組成物は、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の有効量を、血糖ホメオスタシスを調節するための別の活性薬剤と組み合わせて含み得る。
本発明の様々な態様は、場合により、相互に組み合わせて取り入れられ得る。
発明の詳細な説明
本出願者は、非インスリン依存型であるが炭水化物ホメオスタシス障害を有する対象へのHIP/PAPタンパク質の投与が、HOMA−IR指数の非常に顕著な減少及び外因性インスリンの血糖降下作用における増加にも繋がることによって、インスリン負荷試験(すなわちITT)時に即効型インスリンの腹腔内投与後に血糖におけるより大きな降下を招くことを実証した。この作用は、HIP/PAPタンパク質の投与が、インスリン抵抗性における特異的低下に繋がることを示唆している。これらの作用は、基礎レベルでもOGTT試験の途中でもインスリン分泌における増加を伴わない。ゆえに、これらの結果は、インスリン分泌に対してではなく、インスリン抵抗性における低下に(又はインスリン感受性における増加に)対するHIP/PAPタンパク質の特異的効果を例示するものである。
本発明の対象となる範疇及び治療応用:
本発明は、非インスリン依存型対象においてインスリン抵抗性及び末梢組織の抵抗性を治療若しくは軽減するため、又はそれらの発生を予防、制限若しくは予防するため(そして逆にインスリン感受性を増加させるため、又はインスリン感受性における減少を制限若しくは予防するため)のその使用のためのHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種に関する。有利には、HIP/PAPタンパク質は、また、標的組織によるグルコースの組織同化を刺激又は増加させるために使用される。
本発明によると、対象は、哺乳類、特にヒト、家畜及び農用動物及び動物園の動物、並びにまた、イヌ、ネコ、ウマ、子ウシ、雌ウシ、去勢雄ウシ、ブタ、ウサギなどのスポーツに関与する動物からなる。より詳細には、本発明は、ヒトに向けたものである。本出願の様々なパラメーターの定義として本出願中に示された値は、健康状態が良好なヒトに見られる平均値に関して提供されるものである。
「インスリン非依存型対象」という用語は、血糖ホメオスタシスの維持がインスリンの投与を必要としない対象を意味することを意図している。より詳細には、インスリン非依存型患者は、インスリン分泌薬(insulin-secretor)ファミリーの経口抗糖尿病薬を用いた任意の処置を受けていない。例として、インスリン分泌薬は、特に血糖降下スルファミド又はスルホニル尿素及びグリニドを含む。そのような患者では、実際に、膵β細胞分泌機能が維持される(内因性インスリン減少症の不在)ことにより、外因性インスリン療法は施されない。
本発明は、下に定義されるいくつかの実施態様を含み、それらは、相互に組み合わせて取り入れられ得る。特に、本発明は、HOMA2モデルに基づき推定された、60%以上、特に70%以上、75%以上、又は80%以上の膵臓β細胞機能(%β;すなわちHOMA B)を有する対象に向けたものである。この値は、100%を超えない場合がある。そのような対象は、また、6未満、より詳細には5以下、特に4.5以下のHOMA−IRを有する。本発明によると、HOMA−IR指数は、また、0.8以上、特に0.9以上である。例えば、HIP/PAPタンパク質は、0.8〜5、又はさもなければ0.9〜4.5、より詳細には0.9〜3の範囲のHOMA−IR指数を有する対象に投与され得る。
ゆえに本発明は、126mg/dl未満の様々な空腹時血糖を有する個体に適用され得る。特に、本発明は、糖尿病に向けたものではない。したがって、本発明の対象は、正常な血糖(正常な空腹時血糖を有する対象)、すなわち空腹時110mg/dl未満、好ましくは100mg/dl以下、特に80から100mg/dlの間の範囲、又はさもなければ95mg/dl以下、特に空腹時80〜95mg/dlの範囲を有し得る。本発明の対象は、別の態様によると、空腹時125mg/dl未満、特に120mg/dl以下、特に110〜125mg/dlの範囲、より詳細には空腹時110〜120mg/dlの中等度の空腹時高血糖を有する。
特定の実施態様では、中等度の空腹時高血糖を有する本発明の対象は、また、グルコース不耐性の場合があり、ゆえに、経口グルコース負荷75gの2時間目に、200mg/dl未満、特に140から200mg/dlの間の血糖を有し得る。経口グルコース負荷75gの2時間目に140mg/dl未満の値については、一般に、炭水化物耐性が正常であると見なされる。
本発明によるその使用のためのHIP/PAPタンパク質は、また、特にインスリン抵抗性を発生するリスクがあると、すなわち例えばインスリン抵抗性の発生に好都合な以下の病態の少なくとも1つを有するリスクがあると定義される対象に向けたものである:過体重、特に内臓過体重又は肥満(特に内臓肥満)、後天性又は先天性、部分的又は全身性の脂肪萎縮症のような体脂肪分布異常、後天性又は先天性、部分型又は全体型脂肪肥大症、遺伝的IR症候群(ダンニガン症候群、コベリング症候群、バラケル-ジーモンス症候群、ラウンシオス-ベンソード(Launsois-Bensaude)症候群又は近位型対称性脂肪腫症、ラブソン-メンデンホール症候群)の部分である体脂肪量分布異常、アンドロゲン過剰症、摂食障害、筋肉の量及び強度の減少(言い換えると筋肉減少症)、長時間座っている性質又は身体的不活動、インスリンの受容体後シグナル伝達カスケードのタンパク質の機能に影響する遺伝的又は後天性異常、対抗制御ホルモンの過剰、卵巣機能不全、様々な医薬品(例えばコルチコ療法又は内因性コルチゾール分泌の妨害、性ステロイドの乱用、抗レトロウイルス薬)、インスリン抵抗性を明らかにする心血管イベント、異化亢進状態、サイズに対して低い出生児体重及び/又は致死的栄養失調。
内臓腹部過体重は、過剰な脂肪が腹部器官のレベルに、腹壁上に、そして時に上背上に位置する、男性型の分布を表す。過体重(又は過体重であること)及び肥満は、通常、後者の太り方(corpulence)を分類するために対象の体重及び身長を考慮する体格指数(BMI)によって定義される。kg/m2単位で表されたBMIは、体重を身長の2乗で割ったものに対応する。WHOの基準によると、成人ヒトについて、18.5から25kg/m2の間のBMIが「正常な」太り方、すなわち罹患の苦しみ(健康への有害作用)における増加に関連しない太り方に対応する。過体重は、25から30kg/m2の間のBMIによって、肥満は、30kg/m2を超えるBMIによって特徴付けられる。
本発明の好ましい一実施態様によると、HIP/PAPタンパク質は、非インスリン不足性及び/又はグルコース不耐性及び/又は血糖正常の対象におけるインスリン抵抗性の発生を予防するため、特に軽減又は制限するために使用される。そのような対象は、上に報告されたリスク因子の少なくとも1つを有し得る。
本出願者は、また、HIP/PAPタンパク質が脂質異常症に顕著な効果を有し、正常な対象又は体重が正常よりも大きな(過体重若しくは肥満の)対象において、特に血清コレステロール及び/又はトリグリセリド濃度を低下可能にすることを実証した。ゆえに、HIP/PAPタンパク質は、脂質異常症、特に高コレステロール血症(血清コレステロールレベルが2g/l以上)及び/又は高トリグリセリド血症(血清トリグリセリドレベルが2.3mmol/l以上)を示している対象に有利に使用される。本発明によると、HIP/PAPタンパク質は、また、心血管イベントを経験した患者又はアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患及び/若しくは下肢動脈疾患を有する患者に使用される。
ゆえに、特定の実施態様によると、本発明によるHIP/PAPタンパク質は、高脂血症、特に高コレステロール血症を治療若しくは軽減するため、又はそれらの発生を予防若しくは制限するために使用される。より詳細には、本発明によるHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の使用は、血清LDL−コレステロールレベルを低下させること、又はそれにおける増加を制限、軽減若しくは予防することを可能にする。本発明のHIP/PAPタンパク質は、また、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患及び下肢動脈疾患などの随伴する病態の治療及び予防に適している。
最終的に本出願者は、過体重の対象及び/又は高脂肪食を摂取している対象のように正常な対象において、HIP/PAPタンパク質が、体脂肪量/除脂肪量比の減少に繋がることを実証した。より詳細には、HIP/PAPタンパク質を用いた処置は、過体重の個体及び/又は高脂肪食を摂取している個体において、除脂肪量の増加傾向に伴う体脂肪量における顕著な減少に繋がる。正常な対象では、HIP/PAPの投与は、体脂肪量の減少傾向に伴う除脂肪量における顕著な増加に繋がる。この効果は、体重減少を伴わない。これらの結果は、HIP/PAPがエネルギー代謝に影響し、過体重の対象のように正常な対象において体脂肪量/除脂肪量比を減少させることによって体組成を改変することを実証している。最終的に、特に高脂肪食を摂取する対象及び/又は過体重である対象において、HIP/PAPタンパク質が、骨格筋によるグルコース同化を特異的に増加させることが示された。
本発明の組成物は、また、末梢組織のインスリン抵抗性を治療又は予防するために特に有用である。「末梢組織」という用語は、肝臓、脂肪組織及び骨格筋組織を意味することを意図している。これらの組織のインスリン感受性における増加は、とりわけ、それらがグルコースを同化する能力の改善を招く。
筋肉におけるグルコース同化を増加させることは、筋肉の発達を促進する。加えて、体脂肪量/除脂肪量比における減少が、メタボリック症候群、グルコース不耐性、多嚢胞性卵巣症候群、アンドロゲン過剰症又は糖尿病などのエネルギー代謝の病態の進行に好都合に影響することが公知である。ゆえに本発明は、また、体脂肪量/除脂肪量比を減少させるためのHIP/PAPタンパク質の使用に関し;それは、特に、高齢の対象並びに/又はエネルギー代謝障害を患う対象並びに/又は栄養不良の対象並びに/又は筋肉減少症及び/若しくは異化亢進を有する対象並びに/又は顕著な手術歴を有する対象(肥満外科手術及び/若しくは腸バイパス形成術及び/若しくは膵臓からの外分泌における術後低下及び/若しくは腸切除及び/若しくは人工栄養サポートによる供給の術後必要性など)にあてはまる。「高齢の対象」という用語は、特に年齢が60歳を超える対象、特に年齢が70歳を超える対象、より詳細には年齢が75歳以上の対象を意味することを意図している。これらの対象において、HIP/PAPタンパク質は、また、同化及び筋肉の発達を増加させるため、栄養不良、特にタンパク質の栄養不良を予防又は治療するため、除脂肪量における増加を刺激するため、並びに特に高齢の対象における筋肉の異化又は筋肉減少症を予防及び/又は制限するために有用である。有利には、本発明によるHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、高齢の対象における加齢又はタンパク質性栄養不良に伴う筋消耗又は筋肉減少症を処置、軽減又は制限するために使用される。
HIP/PAPタンパク質は、また、栄養不良又は異化亢進を治療又は予防するために有利に使用される。例えば、HIP/PAPタンパク質は、栄養不良の対象において、又は異化亢進状態にある患者若しくはそのリスクがある患者において、対象のBMIとは無関係に、すなわち正常な体重を有する対象又は過体重若しくは肥満を表している対象において、投与され得る。実際に栄養不良は、過体重又は肥満の対象にも影響する。
したがって本発明は、また、加齢に関連するインスリン抵抗性を処置するためのその使用のために関心対象である。ゆえに、本発明によるHIP/PAPタンパク質は、特に高齢の対象において、かつ/あるいは筋肉の発達を増加させるため、並びに/又は除脂肪量における増加を刺激するため、並びに/又は筋肉の異化及び栄養不良、特にタンパク質性栄養不良を予防及び/若しくは制限するために、有利に使用される。
HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、また、該タンパク質又はその誘導体の1種の有効量、及び少なくとも1種の生理学的に許容し得る賦形剤を含む組成物の形態で使用され得る。
本発明の特定の実施態様によると、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、インスリン抵抗性又は関連障害を処置するための少なくとも1種の他の治療用化合物と組み合わせて投与され得る。
本発明は、また、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の投与を含む、インスリン非依存型対象におけるインスリン抵抗性を処置するための方法に関する。
最終的に、本発明は、インスリン非依存型対象におけるインスリン抵抗性を処置するための医薬を製造するための、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の使用に関する。
本発明によるHIP/PAPタンパク質及び誘導体:
本発明によるHIP/PAPタンパク質は、配列番号4の配列のタンパク質からなる。
本発明によるHIP/PAPタンパク質の誘導体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む又はそれからなるタンパク質を含む。配列番号1のアミノ酸配列は、配列番号4の配列のHIP/PAPタンパク質のN末端のアミノ酸26個のシグナルペプチドが除去されたタンパク質に対応する。
本発明の別の実施態様によると、HIP/PAPタンパク質の誘導体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号2のアミノ酸配列からなる。配列番号2のアミノ酸配列は、HIP/PAPタンパク質の短縮型に対応し、配列番号1のアミノ酸配列に比べて、N末端位にあるアミノ酸11個のプロペプチドが除去されている。
代替的な一実施態様において、HIP/PAPタンパク質の誘導体は、配列番号3の配列を含む又はそれからなる。配列番号3の配列は、N末端位にメチオニンが付加された配列番号1の配列に対応する。配列番号3の配列のHIP/PAP誘導体は、より詳細には実施例に例示され、rcHIP/PAP又はALF5755とも呼ばれる。この誘導体は、特に大腸菌(E. Coli)細胞において組み換え産生されうる。HIP/PAPタンパク質の短鎖型(配列番号2)を得るために、アミノ酸12個のN末端プロペプチド(アミノ酸11個のプロペプチドにメチオニンを追加)は、切断され得る。本発明によると、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の短鎖型又は長鎖型は、差別せずに使用され得る。
「HIP/PAPタンパク質の誘導体」という用語は、また、配列番号4の配列のHIP/PAPタンパク質の生物学的に活性な誘導体化型、又はそれぞれ配列番号1若しくは2の配列の、シグナルペプチドが除去された型若しくは短鎖型を意味することを意図している。「生物学的に活性な」という用語は、HIP/PAPタンパク質の誘導体がHIP/PAPタンパク質又は配列番号1若しくは2の配列の型と同じ生物学的活性を有することを意味することを意図している。
例として、HIP/PAPタンパク質の生物学的に活性な誘導体は、有効量で投与された場合に(実験の部に定義されたプロトコールを参照されたい)、以下の活性の少なくとも1つを有する:
− ob/obマウス又は実施例に定義された高脂肪食に従ったマウスにおけるOGTT試験時のHOMA−IR指数における減少。
− 対照動物に関する糖負荷試験時の血糖における減少。
− 体脂肪量における減少及び/又は除脂肪量における増加。
− グルコースの筋肉吸収における増加。
本発明は、また、配列番号1〜4のアミノ酸配列によって形成される群より選択されるタンパク質と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質に対応する、本発明によるHIP/PAPタンパク質の誘導体に関する。参照タンパク質と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質は、該参照タンパク質と少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%のアミノ酸同一性を有することが了解されている。
本発明の必要のために2つのアミノ酸配列の同一率を決定するために、最適な比較をさせるようにそれらの配列がアライメントされる。最適なアライメントを可能にするために、アライメントされるべき配列の一方又は他方にギャップを導入してもよく、非相同配列を比較から無視することができる。比較される2つのアミノ酸配列の同一率は、D. Voet及びJ.G. Voetによる書物Biochimie(2nd Edition, De Boeck & Larcier, 2005, section 7.4, paragraph B)に記載されているように得られ得る。アライメントは、CLUSTAL Wソフトウェア(バージョン1.82)で以下のパラメーターを用いて実施される:(1)CPU MODE=ClustalW mp;(2)ALIGNMENT=「full」;(3)OUTPUT FORMAT=「aln w/numbers」;(4)OUTPUT ORDER=「aligned」;(5)COLOR ALIGNMENT=「no」;(6)KTUP(ワードサイズ)=「default」;(7)WINDOW LENGTH=「default」;(8)SCORE TYPE=「percent」;(9)TOPDIAG=「default」;(10)PAIRGAP=「default」;(11)PHYLOGENETIC TREE/TREE TYPE=「none」;(12)MATRIX=「default」;(13)GAP OPEN=「default」;(14)END GAPS=「default」;(15)GAP EXTENSION=「default」;(16)GAP DISTANCES=「default」;(17)TREE TYPE=「cladogram」及び(18)TREE GRAPH DISTANCES=「hide」。
HIP/PAPタンパク質の生物学的に活性な誘導体は、HIP/PAPタンパク質、又は配列番号1〜4のアミノ酸配列の1つに十分に相同なアミノ酸配列(対応する参照配列と同じ数のアミノ酸を含み、同じ生物学的活性を有する)を含むペプチドを含む。
HIP/PAPタンパク質の生物学的に活性な誘導体は、また、HIP/PAPタンパク質、又は配列番号1〜4のアミノ酸配列の1つに十分に相同なアミノ酸配列(対応する参照配列よりも大きな数のアミノ酸を含み、同じ生物学的活性を有する)を含むペプチドを含む。
当業者は、哺乳類において存在するHIP/PAPタンパク質の生物学的に活性な部分の天然アレル変異体に加えて、該変異体の生物学的活性を改変しない追加的な変化が、配列番号1〜4の配列への突然変異により導入され得ることを了解している。特に、可欠アミノ酸の置換が、HIP/PAPタンパク質又は配列番号1〜3の配列の誘導体に対応する配列に導入され得る。「可欠」アミノ酸は、参照配列に対して、特に野生型HIP/PAPタンパク質(配列番号4の配列)に対して変化されたときに、生物学的活性を改変しないアミノ酸である。対照的に、「必須」アミノ酸は、変化された場合に、タンパク質又は派生ペプチドの生物学的活性を改変するアミノ酸からなる。
特定の実施態様では、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、非HIP/PAP部分との非共有結合によって結合又は化合され得る。例えば、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、リポソーム粒子と結合させることもできる。リポソームの種類又は製造工程に応じて、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体は、リポソームの表面に結合されるか、該リポソームの内部に封入され得る。
HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、また、共有結合によって非HIP/PAP部分と結合させることもできる。そのような非HIP/PAP部分は、タンパク質又は非タンパク質性化合物、例えば結果としてペグ化HIP/PAP誘導体を形成するポリエチレングリコールより選択され得る。
本発明によるHIP/PAPタンパク質の誘導体は、また、患者に投与されたときにだけ生物学的に活性になる誘導体を含む。最終的に、HIP/PAPタンパク質の誘導体は、また、キメラタンパク質又は融合タンパク質を含む。そのようなタンパク質は、非HIP/PAPポリペプチドと融合される。後者は、N末端部分又はC末端部分と融合され得る。典型的には、組み換えタンパク質の精製を容易にするために、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、それらのC末端部分のレベルでGST配列と融合され得る。
本発明の特定の実施態様では、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、当業者に公知の技法により、細菌細胞又は昆虫及び哺乳動物細胞を含めた動物細胞において組み換え産生される。他の実施態様では、上記のHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種は、公知の精製技法により細胞又は組織から単離され得る。HIP/PAPタンパク質及びその誘導体は、また、化学合成によって産生され得る。本文の残りにおける「HIP/PAPタンパク質」という用語は、HIP/PAPタンパク質自体及び上記のその誘導体も包含する。
本発明による組成物:
本発明は、また、インスリン非依存型患者においてインスリン抵抗性の発生を治療、軽減、制限又は予防するためのその使用のための前記のHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種を含む組成物に関する。そのような組成物は、また、エネルギー代謝障害を有する患者において除脂肪量/体脂肪量比を増加させるために使用され得る。様々な実施態様によると、本発明は、前に定義された対象を処置するために特に有利である。
そのような組成物は、HIP/PAPタンパク質の有効量及び少なくとも1種の生理学的に許容し得る賦形剤、特に薬学的に許容し得る賦形剤を含む。「生理学的に許容し得る賦形剤」という用語は、それが投与される対象に対して、使用される用量及び濃度で無毒である賦形剤を意味することを意図している。薬学的に許容し得る賦形剤は、医薬品に関連して当業者によって慣例的に使用される賦形剤に相当する。賦形剤は、医薬剤形及び所望の投与様式に応じて、当業者に公知の通常の賦形剤より選択される(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A ed., 1980を参照されたい)。例として、本発明による組成物は、治療の適応及びHIP/PAPタンパク質又はその誘導体に応じて:
a)HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種;
b)優先的に1〜9、より詳細には4〜8、いっそうより詳細には6〜7.5の最大安定性範囲内にpHを維持する能力がある緩衝液;
c)撹拌によって誘発される凝集からタンパク質又はポリペプチドを安定化する洗剤又は界面活性剤;
d)等張化剤(isotonic)、
e)例えばフェノール、ベンジルアルコール、ハロゲン化ベンゾセリウム(benzothelium)、及び塩化物からなる群より選択される保存料;
f)水
を含み得る。
使用される洗剤又は界面活性剤が非イオン性ならば、それは、ポリソルベート、PLURONIC(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)又はポロキサマーより選択され得る。等張化剤は、組成物の等張を維持することを可能にし、典型的には、単独又は組み合わせて使用される、グリセロール、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールなどのポリアルコールを含む。あるいは、塩化ナトリウム及び/又は任意の他の無機塩が等張化剤として使用され得る。
緩衝剤は、所望のpHに応じて、例えば酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩緩衝液又は任意の他の無機緩衝液であり得る。
フェノール、ベンジルアルコール、ハロゲン化ベンゾセリウム及び塩化物型の保存料は、公知の抗菌剤である。典型的な保存料は、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、フェノール、ブチルアルコール又はベンジルアルコール、メチルパラベン又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール及びm−クレゾールを含む。追加的な賦形剤は、また、アスコルビン酸及びメチオニンなどの抗酸化剤、EDTAなどのキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖、その他を含み得る。
HIP/PAPタンパク質又はその誘導体は、薬学的に許容し得る塩の形態であり得る。これは、有機及び無機の塩及び酸を含む、薬学的に許容し得る無毒の酸又は薬学的に許容し得る無毒の塩基から調製される塩を意味することを意図している。例として、アルカリ金属塩(ナトリウム及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(カルシウム及びマグネシウム塩)、アンモニウム塩、有機塩基の塩(ピリジン又はトリエチルアミンの塩)、無機酸の塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩)及び有機酸の塩(酢酸塩、シュウ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩)が挙げられ得る。
HIP/PAPタンパク質の投与様式:
好ましい一実施態様によると、HIP/PAPタンパク質は、有効量で、すなわち本発明の予想される効果を得るために必要な量で投与される。HIP/PAPタンパク質のそのような量は、標的化された病態及び処置されるべき対象に応じて一般的に経験に基づき決定される。有効量は、また、構想された投与様式、投与される化合物(HIP/PAPタンパク質又は誘導体)、及びその製剤に依存する。最大の治療効果を得るための有効量を決定するために必要な調整は、臨床家に日常的な技法に対応する。
実施例に例示された結果から開始して、HIP/PAPタンパク質の有効量は、0.1μg/日/kg体重から約100mg/日/kg体重の間である。特定の実施態様では、HIP/PAPタンパク質の有効量は、10mg/kg超に達する場合があるものの、本発明によるHIP/PAPタンパク質の有効量は、一般に、5mg/kg体重未満であり、それは、4.5mg/kg、4mg/kg、3.5mg/kg、3mg/kg、2.5mg/kg又は2000μg/kg未満の量を含む。より詳細には、本発明によるHIP/PAPタンパク質の有効量は、体重に関して少なくとも1μg/kg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、100μg/kg、150μg/kg、200μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、450μg/kg、500μg/kg、600μg/kg、700μg/kg、800μg/kg、900μg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg又はそれを超える量を含む。
特定の実施態様によると、HIP/PAPタンパク質は、10から5000μg/kgの間、優先的には100から2000μg/kgの間の投薬量により投与される。
マウスにおいて、実験的に決定された典型的な有効用量は、10から2000μg/kg体重の間、より詳細には150から1500μg/kg体重の間である。種間の投薬量の適応は、先行技術から公知の方法により、例えばMordenti et al., Pharmaceut. Res. 8, p. 1351 (1991)による論文に記載されているように実施され得る。慣例的に、正常な体重の成マウスにおいて、有効用量は1から100μg/日の間である。慣例的に、ヒトにおいて、HIP/PAPタンパク質の有効用量は、体重約70kgの患者において約3mg、すなわち約40μg/kg体重から開始する。
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部(local)、気管内、鼻腔内、経皮又は直腸投与用の本発明の医薬組成物において、活性成分(HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種)は、インスリン抵抗性を予防又は治療するために、動物及びヒトの、上記及び/又は従来型などの医薬賦形剤との混合物としての単位投与形態で投与され得る。好ましい投与様式は、経腸、特に経口、及び静脈内経路である。例として、本発明の組成物は、連続的に、若しくはボーラスで静脈内に投与されるか、又は毎日経口投与されうる。
有利には、本発明による組み合わせ製品は、経口投与される。経口投与に適切な形態は、例えば錠剤、ゲルカプセル剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、凍結乾燥剤(lyophilisate)、経口用溶質及びシロップ剤である。錠剤、散剤、顆粒剤、凍結乾燥剤、経口用溶質及びシロップ剤は、現在好ましい経口投与に適した医薬剤形又は化粧品剤形を構成する。錠剤又はゲルカプセル剤は、様々な性質、即時放出、徐放又は遅延放出、場合により、発泡又は口腔分散(orodispersible)形態であり得る。ゲルカプセル剤としての製剤は、活性成分(i)又は(ii)と希釈剤とを混合し、得られた混合物を軟又は硬ゲルカプセル中に注入することによって得られる。ゲルカプセル剤又は錠剤などの経口投与用の形態は、本発明の有利な一実施態様である。より詳細には、ゲルカプセル剤、錠剤、サシェ(sachet)又は経口懸濁剤用のアンプルなどのHIP/PAPタンパク質の単位投与剤形は、典型的には、0.1〜200mg、より詳細には50〜100mgの範囲の量のHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の任意の1種を含む。
シロップ又はエリキシル形態での製剤は、例えば、HIP/PAPを適切な甘味料、防腐剤、保存料、香料又は着色料と一緒に含有し得る。水分散性の散剤、凍結乾燥剤又は顆粒剤は、HIP/PAPを分散剤又は湿潤剤又は懸濁化剤との、そして同様に風味強化剤(flavor enhancer)又は甘味料との混合物として含有し得る。
本発明によると、経口摂取に適した形態のHIP/PAPタンパク質は、また、栄養補助食品としての使用に向けたものであり得る。そのような製剤は、リスクのある対象及び/又は異化亢進状態を示す、若しくは筋肉減少症を有する栄養不良の患者におけるインスリン抵抗性を予防する状況での使用に特に適している。そのような製剤は、個体の除脂肪量/体脂肪量比を増加させることを目指したHIP/PAPの使用にも適している。
HIP/PAPタンパク質は、インビボ投与の前に滅菌され得る。滅菌は、凍結乾燥又は再構成の前又は後に無菌濾過膜で濾過することによって得られ得る。全身投与されたHIP/PAPタンパク質は、有利には凍結乾燥してもよいし、又は溶液として保存してもよい。凍結乾燥された形態で、HIP/PAPタンパク質は、一般に、使用時に適切な希釈剤を用いて再構成することを可能にする賦形剤と組み合わせて製剤化される。
HIP/PAPタンパク質は、所望の治療効果が得られるまで、1日1回の摂取で、又は分割して(例えば1日2〜3回)投与され得る。それは、また、例えばインスリン抵抗性の発生に好都合な生理学的状態及び/又は病態を有する、リスクのある対象におけるインスリン抵抗性の発生を予防又は制限するために、慢性的に投与され得る。
HIP/PAPタンパク質は、また、クールの形態で、例えば場合により所定の用量及び時間間隔で1〜6回繰り返される15日〜3ヶ月の範囲のクールで投与され得る。これらの投与様式は、リスクのある対象及び/又は異化亢進状態を示す、若しくは筋肉減少症を有する栄養不良の患者におけるインスリン抵抗性を予防する状況で特に指示される。
本発明によるHIP/PAPタンパク質は、また、インスリン抵抗性又は脂質異常症若しくはアテローム性動脈硬化症などの関連状態を処置するための、他の化合物との多剤療法の状況で組み合わされ得る。
本発明によるHIP/PAPタンパク質は、また、低カロリー及び/又は低脂肪食並びに身体活動の増加などの健康及び食事対策と組み合わせて投与され得る。
本発明による使用:
本発明は、また、前記の様々な実施態様において定義されたインスリン非依存型対象におけるインスリン抵抗性の発生を治療、軽減、制限又は予防するための、前記のHIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の使用に関する。
本発明の特定の実施態様によると、HIP/PAPタンパク質は、前記の対象に使用される。本発明の特定の実施態様では、HIP/PAPタンパク質の誘導体は、配列番号1又は配列番号2の配列より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする。
インスリン抵抗性に及ぼす、プラセボ(●)に比べたALF5755処置(■)の効果を示す図である。図1A:2週間処置後のob/obマウスにおけるインスリン負荷試験(ITT)時の血糖(mg/dl)の変化。図1B〜C:4週間処置後のHFDマウスにおけるOGTT時の血中インスリン(ng/ml)(B)及びHOMA−IR指数(C)における変化。図1D:ALF5755(白棒線)又はプラセボ(黒棒線)で4週間処置されたマウスにおけるグルコースの筋肉取り込み。 A:除脂肪量(図2B及び2D)並びに体脂肪量(図2A及び2C)に及ぼす、プラセボに比べたALF5755処置の効果を示す図である。マウスは、HFD食(2A、2C)及び対照食(2B、2D)に従った。図2E〜F:HFD食(2E)又は対照食(2F)に従ったマウスにおける[体脂肪量/除脂肪量]比。 HFD食(3A)又は対照食(3B)に従ったマウスにおける血清脂質プロファイルに及ぼすプラセボ(黒棒線)に比べたALF5755処置(白棒線)の効果を示す図である。図3C:HFD食に従ったマウスにおける血清の肝臓評価。
実施例
材料及び方法:
動物モデル
インスリン抵抗性及び糖尿病の2つの異なるモデル、すなわちob/obモデル及び高脂肪食(HFD)モデルを使用した。ob/obモデルは、レプチン遺伝子におけるナンセンス突然変異によって引き起こされるII型糖尿病の遺伝的モデルであって、これらの動物におけるレプチンの不在を招く。このマウスは、高インスリン血症、肥満、高血糖及び高脂血症を有するインスリン抵抗性症候群を示す(Pelleymounter MA, Cullen MJ, Baker MB, Hecht R, Winters D, Boone T, et al. Effects of the obese gene product on body weight regulation in ob/ob mice. Science 1995; 269: 540-3)。ob/obマウスは、慣例的に記載されているように、高血糖(248±14mg/dl)及びまた大きな高インスリン血症(9.5±0.9ng/ml)を示す。
HFDモデルは、食事の脂質強化によって引き起こされるII型糖尿病のモデルである。従来食(対照食=CTD)では、カロリー摂取は3200kcal/kgである(タンパク質21.4%、脂質5.1%、炭水化物47.1%)。HFD食について、カロリー摂取は4655kcal/kgである(タンパク質17%、脂質27.5%、炭水化物37.5%)。HFD動物の体重は徐々に増加し、4週間からは対照食を与えられた動物の体重と有意に異なるようになる。10週間のHFD後に、動物の平均体重は、対照食の動物の体重よりも約30%大きい。HFDマウスは、高インスリン血症、肥満、高血糖及び高脂血症を有するインスリン抵抗性症候群を示す(Migrenne S, Lacombe A, Lefevre AL, Pruniaux MP, Guillot E, Galzin AM, Magnan C. Adiponectin is required to mediate rimonabant-induced improvement of insulin sensitivity but not body weight loss in diet-induced obese mice. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2009 296(4):929-35)。
10週間のHFD食は、対照食に比べて基礎血糖(220.6±3.7mg/dl;片側t検定、P=0.0001、****)及び基礎血中インスリン(0.51±0.06ng/ml;片側t検定、P=0.0069、**)における有意な増加に繋がる。
普通の対照食を与えられたマウスは、基礎血糖(190.4±6.9mg/dl)及び基礎血中インスリン(0.29±0.04ng/ml)、並びに正常で、10から14週間の間のALF−5755の投与によって影響されていない血糖及び血中インスリンをOGTT試験中に示す。全ての実験について、12時間の照明(7am〜7pm)を含む昼夜サイクルを守ることによってマウスを動物舎内に順応させた。
処置
Ob/Obモデル:
動物29匹を3群に分けた:動物10匹にプラセボ(生理食塩水)を入れ、動物9匹に9μg/日 ALF5755を送達するポンプを入れ、動物10匹に43μg/日 ALF5755を4週間入れた。動物の背部皮下に埋め込まれ、流速0.25μl/時間で皮下に一定体積を送達しているAlzetポンプ(Alzet #2004)からの拡散によって送達を実施した。処置薬は血流中に通過し、ALF5755の平均血清中濃度(血中hipレベル)を得ることを可能にする。平均血清中濃度は、プラセボ群についてゼロであり、9μg/日 ALF5755を入れられている群について102.7±28.6ng/mlであり、43μg/日 ALF5755を入れられている群について229.5±44.9ng/mlである。9μg/日 ALF5755の群の動物3匹及び43μg/日の群の動物3匹については、ALF5755の送達が起こらず、処置の終わりに血中hipレベルはゼロであった。これらの動物を分析から除外した。対照群のマウス1匹及びALF5755 43μg/日の群のマウス1匹の動物2匹が実験の途中に死亡した。したがって、各群について保持された数は:プラセボがn=9;ALF5755 9μg/日がn=6;ALF5755 43μg/日がn=6である。
HFDモデル
HFD及び対照食を摂取している動物をプラセボ(生理食塩水、CTD群についてn=5、HFD群についてn=9)又は43μg/日 ALF5755(CTD群についてn=5、HFD群についてn=9)で4週間処置する。動物の背部皮下に埋め込まれ、流速0.25μl/時間で皮下に一定体積を送達しているAlzetポンプ(Alzet #2004)からの拡散によって送達を実施する。処置薬は血流中に通過し、ALF5755の平均血清中濃度(血中hipレベル)を得ることを可能にする。平均血清中濃度は、プラセボ群についてゼロであり、43μg/日 ALF5755を入れられている2群についてD17に309ng/mlである。D27(ポンプによる送達の最終日)に、血中hipレベルは、CTD群の動物について369.3ng/ml及びHFD群について334.8ng/mlであることから、処置の間にALF5755が正確に送達されたことが確認される。
組織感受性についてのHFDモデル(炭素14標識グルコース)
前記と同じ処置により、HFD及び対照食を摂取している動物を、プラセボ(生理食塩水、CTD群についてn=4、HFD群についてn=6)又は43μg/日のALF5755(CTD群についてn=4、HFD群についてn=6)で4週間処置する。ALF5755の平均血清中濃度(血中hipレベル)はプラセボ群についてゼロ、CTD群の動物について673ng/ml及びHFD群について784ng/mlであり、ゆえに、処置にわたりALF5755が正確に送達されていることを確認している。
検討された変数
体重
食餌に関連する体重増加を検証し、この変数に及ぼすALF5755の任意の効果を評価するために、HDF実験の動物の体重測定は、モデルの設定の間及びその後の4週間の処置の間にも毎週行う。ob/ob動物に関しては、4週間の処置の間に1週間に約1回体重測定する。
HFD実験についての食物摂取
提供された食物及び残った食物を1週間に3回重量測定することによって食物摂取を測定する。次に、それを1日摂取量に換算する(related back)(g/日の単位)。
HFD実験についてのカロリー摂取
カロリー摂取を、摂取された食物の量(g)及び食餌に応じた食用ペレットのグラムあたりのエネルギー値から直接計算する。
基礎血糖
様々な測定の前に動物を18時間絶食させる。血中の血糖を測定するためのリーダー及び反応性ストリップ(Glucofix(登録商標)mio reader及びGlucofix(登録商標)sensor strips, A. Menarini diagnostics)を使用して基礎血糖を測定する。この測定には血液1滴で十分である;それは、尾の末端から血液試料を採取することによって得られる。ポンプの留置前、約2週間の処置後、及び次に処置の終了時に、基礎血糖を採取する。
基礎血中インスリン
基礎血糖の測定後に、基礎血中インスリンをアッセイするために、3.75IU/本(Hirschmann Laborgeraete)のヘパリンナトリウムで処理されたヘマトクリット用毛細管を使用して最大の血液試料75μlを採取する。血液のチューブを14000rpmで3分間遠心分離し、次に上清を取り出し、製造業者の使用推奨に従ってELISA(Ultra Sensitive Mouse Insulin ELISA Kit, Crystal Chem Inc, #90080)によりインスリンをアッセイするために−20℃で保存する。
経口糖負荷試験:OGTT
18時間絶食後に、動物を体重測定し、次に基礎血糖及び基礎血中インスリンを測定する。次に、30%グルコース溶液(CDM Lavoisier、注射用1Lボトル)を2g/kgマウスの比率で胃内強制投与する。
所定の時間経過(グルコース強制投与の5分後から90又は120分後の間)の途中に、基礎血糖と同じ方法で血糖を測定する。基礎血中インスリンをアッセイするために使用された手順と同一の手順を用いて血中インスリンをアッセイするために、15及び30分に血液75μlも採集する。
グルコースの投与前のT0、15分後及び30分後の血糖及び血中インスリンの値からHOMA−IR指数を計算する。HOMA−IR指数を、次式に従って計算する:
[(血中インスリン(mU/l)×血糖)/22.5](血糖をモル濃度の単位(mmol/l)で表現するとき)又は[(血中インスリン(mU/l)×血糖)/405](血糖を質量の単位(mg/dl)で表現するとき)
皮下インスリン負荷試験:ITT
ob/obマウスを18時間絶食させる。100IU/ml原液(Novorapid Flexpen 100 IU/ml, NovoNordisk A/S)から生理食塩水中に0.15IU/mlになるように希釈したインスリン溶液を、0.75IU/kgマウスの比率で皮下注射する。所定の時間経過中(インスリン注射の5分後から120分後の間)に前記と同じ方法で血糖を測定する。
グルコースに対する組織感受性
様々な組織のインスリン感受性に及ぼすALF5755の影響を知るために、8μCi 2−デオキシグルコース14C(2DG 14C)を腹腔内注射する。これは、代謝されないグルコース類似体である(グルコキナーゼによるリン酸化段階だけを受ける)ことにより、組織中に蓄積することが可能である。血中の2DGにおける減少を推定するために、t0に、それから10分毎に最小60分間、血液25μlを採取する。ペントバルビタールの致死的注射によりマウスを屠殺し、次に、取り込まれた2DG14Cの放射能をカウントするために組織を取り出す。水酸化ナトリウム中で組織を60℃で16時間消化し、次にこの溶液を中和する。一方で非リン酸化2DGの量を、他方で2DGの合計量を知るために、試料はいくつかの定量段階を経る。組織に実際に透過した2DGの量を、これらの2変数の引き算(合計2DG−非リン酸化2DG)によって計算する。次に、組織重量あたりに換算されたこの値を、血中に循環している量を考慮するために血中14Cの比放射能の時間積分値で割り算する。この方法は、器官内のグルコース輸送に及ぼすインスリンの特異的効果を実証可能にし、この組織のインスリン感受性を反映している。
体脂肪量/除脂肪量の決定のためのMRI:
MRIスキャンは、マウスを重量測定し、次にマウスをチューブの中に導き、マウスをプッシャーできっちりと閉じ込め続けることにある。供給業者によって規定された容積を含有するマウス固有の対照チューブで予備較正されたEchoMRIスキャナーに、このチューブを挿入する。3分で体脂肪量、除脂肪量、生体液及び身体の総自由水が定量される。
肝臓評価(ALAT、ASAT、クレアチニン、総ビリルビン):
血清の肝臓評価を、Olympus AU 400自動化装置を使用して測光呈色により実施する。
脂質評価(コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、中性脂質:
血清及び肝臓の脂質評価を、HPLCクロマトグラフィーによって実施する。
結果:
炭水化物ホメオスタシスに及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果:
HIP/PAPの投与は、プラセボマウス(処置の25日目に約28%減少;処置マウス228.2±14.7 vs プラセボマウス316.3±32.2、P<0.05、)に比べてHFDマウス(処置の25日目に約15%減少;処置マウス188.9±10.8 vs プラセボマウス222.4±8.5、P<0.001、**;二元配置ANOVA、処置の効果:F(16.1)=12.76、P=0.0025、**)、及びob/obマウスにおける基礎血糖(18時間絶食後)を有意に減少させる。同様に、HIP/PAPタンパク質を用いた処置も、OGTT試験時の高血糖を、ob/obモデルについて早くも2週間(二元配置ANOVA、処置効果:F(133.1)=13.09、P=0.0018、**)で有意に軽減可能にし、4週間目もこれを維持する(二元配置ANOVA、処置効果:F(133.1)=5.78、P=0.027、)。HFD食が与えられ、HIP/PAPで処置されたマウスについては、対照食に従ったマウスで観察されたレベルに類似のレベルに高血糖曲線を戻す、改善傾向が観察される。
HIP/PAPタンパク質を用いた処置も、ITT試験時に、ob/obモデルについて2週間の時点で高血糖を有意に軽減可能にし(二元配置ANOVA、処置効果:F(133.1)=4.71、P=0.043、、図1A参照)、4週間の時点でも傾向は維持され、インスリン感受性における有意で特異的な改善を反映している。実際に、ITT試験は、外因性インスリンを注射することによって血糖を低下させることにある。同用量のインスリンについて応答する血糖の低下が大きいほど、インスリン感受性は大きくなる(そして逆にインスリン抵抗性は小さくなる)。図1Aに示すように、プラセボ処置を受けたob/obマウスにおいて、インスリン注射は、事実上血糖の減少を生じない(少なくとも最初の30分間)。そのような効果は、大きなインスリン抵抗性を反映している。逆に、ALF5755で処置されたob/obマウスでは、インスリンの注射は血糖のかなりの減少に繋がり、ゆえにインスリン抵抗性におけるかなりの減少を反映している(すなわちインスリン感受性の改善)。
1ヶ月処置後の血中インスリン及びHOMA−IR指数に及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果:
プラセボ処置を受けたマウスに比べて、ALF−5755で処置されたHFDマウスにおいてOGTT試験時に高インスリン血症の減少が観察される(15分での高インスリン血症のピークの低下:処置マウスでは基礎レベルの3.75倍 vs プラセボマウスでは7.61倍、P<0.0001、****、及び30分:処置マウスでは基礎レベルの2.31倍 vs プラセボマウスでは3.7倍、P<0.05、)。これらの改変は、HFDモデルにおけるHOMA−IR指数の正常化を伴う:二元配置ANOVA、処置効果:F(32.1)=16.77、P=0.0003、***、図1B〜C参照。ob/obマウスにおいても、OGTT試験時に高インスリン血症の改善が観察される:二元配置ANOVA、処置効果:F(34.1)=5.84、P=0.027、。これらの改変は、HOMA−IR指数の正常化傾向を伴う:15及び30分で統計的に有意ではない指数の減少。これらのデータの全ては、ALF5755を用いた処置によるOGTT試験時の基礎血糖及び血糖可動域の正常化が、インスリン分泌促進効果(insulin-secretagogue effect)ではなく、インスリン抵抗性の軽減に起因することを確認するものである。
組織インスリン抵抗性に及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果:
ALF−5755で処置後の様々なインスリン感受性組織(肝臓、筋肉及び脂肪組織)によるグルコース取り込みの調節を、HFDモデルで炭素14標識2DGの取り込みによって測定した。図1Dに、ALF5755を用いた処置が筋肉によるグルコース取り込みの増加に繋がることを示す(脛骨筋;21.7μM±6.3に対して51.9μM±12.8;両側マンホイットニー、P=0.04、)。肝臓又は脂肪組織では増加が観察されなかった。
体脂肪量及び除脂肪量のパーセンテージに及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果:
14週間のHFD食は、体脂肪量のパーセンテージにかなりの増加を誘導する(図2A及びC:32%に対して15%(対照食のプラセボ群))。ALF−5755を用いた処置は、HFDを与えられた動物において観察された体脂肪量増加を有意に縮小させる(図2A:32.1%±1.7%に対して26.7%±2.0%;片側マンホイットニー検定:P=0.039、)。類似の傾向が、対照処置方式に供されたマウスについて観察される。同様に、対照食に比べてHFDを与えられた動物群で除脂肪量の減少が観察される(図2B及びD:49.8%に対して61.2%(対照食のプラセボ群))。ALF−5755を用いた処置は、CTDを与えられた動物において観察された除脂肪量のパーセンテージを有意に増加させる(図2D:61.2%±0.4%に対して63.5%±0.6%;片側マンホイットニー検定:P=0.008、**)。HFD食を与えられたマウスについて類似の傾向が観察される。体脂肪量/除脂肪量比の解析から、HFD食に従ったマウスにおいて、プラセボ処置を受けたマウスに比べてALF−5755を用いた処置により体脂肪量/除脂肪量比が少なくとも20%(21%)有意に減少するに至り(マンホイットニー片側検定、P=0.047)、対照食を与えられたマウスにおいても、少なくとも10%(10.1%)減少する傾向があることが示される。
血清及び肝臓の脂質プロファイルに及ぼすHIP/PAPタンパク質の効果:
HFD動物の群において(図3A参照)、ALF−5755がコレステロールレベル(913.0μM±28.2に対して647.1μM±32.9;両側マンホイットニー、P<0.0001、****)、コレステロールエステルレベル(1760.6μM±65.8に対して1390.3μM±96.7;両側マンホイットニーホイットニー、P=0.011、)、及び総中性脂質レベル(2834.9μM±95.9に対して2168.6μM±118.5;両側マンホイットニー、P=0.0005、***)における統計的に有意な減少に繋がることが観察され、トリグリセリドレベルにおける減少傾向(161.3μM±15.0に対して131.2μM±24.1)も観察される。対照食においてALF−5755で処置された場合、コレステロール(526.6μM±35.9に対して376.9μM±43.9;両側マンホイットニー、P=0.032、)、及びトリグリセリド(323.2μM±72.6に対して143.0μM±31.5;両側マンホイットニー、P=0.016、)に関して、類似の統計的に有意な効果が観察される(図3B)。ob/obモデル(図3C)では、ALF−5755はコレステロール(763.0μM±58.5に対して532.5μM±29.0;両側マンホイットニー、P=0.002、**)を減少させ、トリグリセリドレベルにおける減少傾向が観察される(651.7μM±168.6に対して271.8μM±44.6)。ALF−5755で処置されたHFDマウスでは、ASATにおける減少傾向及びALATにおける統計的に有意な減少も観察される(132.7μM±19.3に対して77.2μM±12.7;両側マンホイットニー、P=0.032、、図3C参照)。さらに、対照食及びob/obマウスモデルにおいて類似の傾向が観察される。

Claims (12)

  1. インスリン非依存型対象の末梢組織におけるインスリン抵抗性を治療又は予防する医薬の製造のための、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の使用であって、該末梢組織が、脂肪組織及び骨格筋組織からなる群より選択され、
    該HIP/PAPタンパク質の誘導体が、そのアミノ酸配列が配列番号1〜4から選択されるアミノ酸からなるポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有することを特徴とする、使用。
  2. 対象が、60%以上のHOMA−B値及び/又は6未満のHOMA−IR指数を有することを特徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 対象が、125mg/dl未満の空腹時血糖、より詳細には110mg/dl未満の空腹時血糖を有することを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項記載の使用。
  4. 対象が、経口糖負荷試験の2時間後に200mg/dl未満、より詳細には140mg/dl未満の血糖を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
  5. 対象が、正常な炭水化物耐性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
  6. 対象が、正常な空腹時血糖を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用。
  7. 対象が、内臓過体重、肥満、アンドロゲン過剰症、摂食障害、筋肉減少症、異化亢進、栄養不良からなる群より選択される障害の少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用。
  8. 対象が、加齢に関連するインスリン抵抗性を患らっていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の使用。
  9. 対象が、筋肉の発達増加を必要とすることを特徴する、増加した除脂肪量刺激を必要とすることを特徴とする、並びに対象が、筋肉の異化及びタンパク質性栄養不良を有するか、又はそのリスクが存在することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用。
  10. 対象が、脂質異常症、特に高コレステロール血症を有するか、又はそのリスクが存在することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の使用。
  11. 対象が、アテローム性動脈硬化症、特に冠動脈疾患及び下肢動脈疾患を有するか、又はそのリスクが存在することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の使用。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項記載の、HIP/PAPタンパク質又はその誘導体の1種の有効量を、少なくとも1種の生理学的に許容し得る賦形剤との混合物として含み、末梢組織が、脂肪組織及び骨格筋組織からなる群より選択される、インスリン非依存型対象の末梢組織におけるインスリン抵抗性を治療又は予防するための組成物。
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