JP6890138B2 - Msc成長予測因子アッセイ - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月21日に提出された米国仮特許出願第62/365,313号の利益を主張する。米国仮特許出願第62/365,313号の全開示(本文、図、写真)は、あらゆる目的のために、本明細書において参照によって援用される。
連邦政府の支援に関する記載
該当せず。
分野
本開示は、幹細胞の分野、幹細胞の増殖のための方法、及び骨髄から得られる幹細胞の様々なバッチの増殖能力を決定するための方法に関する。
背景
間葉系間質細胞(MSC)は、接着クローン線維芽細胞コロニーを形成し、20回を超える集団倍加を受けることができた細胞として骨髄(BM)培養物において最初に検出され、よって、それらは、コロニー形成単位線維芽細胞(CFU−f)と命名された。Friedenstein et al. (1970) Cell Tissue Kinet 3:393-403;Friedenstein et al. (1976) Exp. Hematol. 5:267-274。培養によって増やされたこれらの細胞が、骨、軟骨、細網組織、及び脂肪組織に分化する並びに造血微小環境を変える(Friedenstein et al. (1974) Exp. Hematol. 2:83-92;Owen & Friedenstein (1988) Ciba Found. Symp. 136:42-60)能力は、それらの有力なセクレトーム(たとえばPaul & Anisimov (2013) Biochimie 95:2246-2256)及び免疫調節特性(たとえばMenard & Tarte (2013) Stem Cell Res. Ther. 4:64-69)と共に、これらの細胞を細胞治療事業の最前線に立たせた。350を超える臨床試験が、現在、骨髄又は他の供給源から増やした間葉系間質細胞を様々な骨格障害、変性障害、及び免疫障害の有望な治療として使用している。
同種異系MSCの大量の細胞ロットを、多くの患者に「既製品として」使用するために製造することができる。しかしながら、大量のBM MSCロットの製造は、様々なBMドナーに由来するMSCの成長性におけるばらつきが激しいために、時に、困難になり得る。Zhukareva et al. (2010) Cytokine 50:317-321;Wegmeyer et al. (2013) Stem Cells Dev. 22:2606-2618;DiGirolamo et al. (1999) Br. J. Haematol. 107:275-281。そのため、MSC培養結果を予測し、それによって、製造業者が製造プロセスの初期に失敗のロットを終了させるのを可能にする方法を有することは有利であろう。
BM MSCを特徴付けるための基本的なアッセイは、CFUfアッセイであり、これは、BM調製物内のクローン化可能接着細胞(CFUf)の数を決定する。低BM細胞平板培養密度では、それは、平板培養された細胞及び結果として生じるコロニーの数の間の線形性を確実にするが、コロニー形成効率(CFE;たとえば、10平板培養細胞当たりのコロニーの数)は、ドナー、BM試料を回収する方法、細胞単離ステップ(たとえば洗浄)、及び培養プロトコールに依存する。Kuznetsov et al. (1997) Br. J. Haematol. 97:561-570;Latsinik et al. (1990) Biull. Eksp. Biol. Med. 110:519-522;Mannello & Tonti (2007) Stem Cells 25:1603-1609。平板培養の7〜10日後、培養物は、サイズが非常に異なるコロニーを含有する。CFUfは、幹細胞、中間前駆細胞、及びコミット前駆細胞の混合物に相当し、細胞は、1、2、又は3系譜間葉系分化を受けるそれらのコロニーの潜在能力に基づいて典型的に区別される。一般に、培養中、幹細胞は、中間前駆細胞及びコミット前駆細胞の両方よりも豊富であるが、コミット前駆細胞よりもBM外移植後の遅延期間(それらが分裂し始める前の)が長いと考えられている。Cordeiro-Spinetti et al. (2014) Front. Cell Dev. Biol. 2:7-15。分裂が始まる平板培養後の時間及び分裂の速度(ともに最終的な増殖力を決定する)の間の、幹細胞及びより分化した細胞の間のこれらの差異を考慮して、多くのアッセイが、MSC成長性の予測因子として提唱されてきた。これらには、コロニーの3系譜分化能(すなわち軟骨細胞、脂肪細胞、及び骨細胞への)(Russell et al. (2011) Biotechnol. Bioeng. 108:2716-2726;Bertolo et al. (2016) J. Tissue Eng. Regen. Med. 10:149-161);第1の継代後のコロニー形成効率(DiGirolamo et al. (1999)前掲)、初期の継代での増殖及び生存率の度合い(Deskins et al. (2013) Stem Cells Transl. Med. 2:151-158);並びに多分化能(幹)細胞のマーカーとしての細胞運動性(Bertolo et al. (2015) Stem Cells Transl. Med. 4:84-90)を含む。しかしながら、これらのアプローチは、複数回の継代のためにMSCを培養することを必要とし、骨が折れ、これにより、アプローチを、細胞製造のための迅速で単純な成長予測因子として実用的ではないものにしてしまう。
概要
間葉系間質細胞の産生プロセスの初期に(すなわちコロニー形成段階で)間葉系間質細胞の成長性(すなわち増殖力)を予測するための迅速で信頼できる方法が本明細書において開示される。方法は、軽く固定され且つ、透過処理された細胞における、同じ細胞コロニーにおける、分化及び細胞数のアッセイを利用する。ある実施形態では、アルファ−平滑筋アクチン(α−SMA)のレベルは、分化の程度についての測定値を提供し、より低いα−SMAレベルは、それほど分化していない細胞型と相関する。ある実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性は、細胞数についての測定値を提供し、より高いLDH活性は、より高い細胞数と相関する。
MSCが多くの治療用細胞型の製造において使用されており、MSCの成長がロット毎に様々なので、本明細書において提供される方法は、細胞療法で使用するためのMSCの治療用誘導体の製造に最も適したMSCロットの好都合な選択を可能にする。さらなる利点は、細胞の初めの培養の直後に選択をし、それによって、ロットが製造目的に適しているかどうかを決定するのに必要とされる時間を低下させることができるということである。
したがって、骨髄懸濁液の複数のロットの中から、高い増殖力(又は高い成長性)を有する間葉系間質細胞(MSC)のロットを選択するための方法であって、(a)低密度で、骨髄懸濁液のそれぞれのロット由来の細胞のサンプルを別々に平板培養すること;(b)単一コロニーを形成させるために、別々に平板培養された細胞を培養すること;(c)培養MSCのそれぞれのロットについて、(i)コロニーにおける細胞の分化の程度及び(ii)それぞれの培養物中の大きなコロニーのパーセンテージを測定すること;並びに(d)培養物が(i)他のロットと比較して低い程度の分化及び(ii)他のロットと比較して高いパーセンテージの大きなコロニーを表すロットを選択することを含み、培養物が、試験されている他のロットと比較して、低い程度の分化及び高いパーセンテージの大きなコロニーを有する前記ロットは、高い増殖力又は高い成長性を有する、方法が、本明細書において提供される。
骨髄細胞のロットを試験するために、骨髄ロット由来の細胞は、プレート中のすべてのウェルがコロニーを含有しているとは限らないほどの十分に低い密度で培養され(たとえばマイクロタイタープレートにおいて)、コロニーを含有するどのウェルも単一のコロニーしか含有しない可能性を強める。次いで、ウェルの内容物は、細胞分化の程度及びコロニーサイズの両方についてアッセイされる。コロニーを含有していないウェルは、バックグラウンド決定のためにソートされる。コロニーサイズについての所定の閾値(本明細書において別記される)を使用して、培養物中の大きなコロニーの数が決定される。培養物中の細胞の分化の平均の程度についての値及び培養物中の大きなコロニーのパーセンテージは、次いで、最も高い増殖力又は成長性を有するロットを選択するために使用される。
ある実施形態では、測定される分化の程度は、筋線維芽細胞分化の程度である。
さらなる実施形態では、分化の程度は、アルファ−平滑筋アクチン(αSMA)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)、及び/又はフィブロネクチンのED−Aドメインのレベルを測定することによって決定され、より低いαSMA、TGF−β、及び/又はED−Aドメインのレベルは、より低い程度の分化と正相関する。
一実施形態では、分化の程度は、アルファ−平滑筋アクチン(αSMA)のレベルを測定することによって決定される。αSMAレベルは、コロニーを抗αSMA抗体と接触させ、抗体によりコロニーの免疫活性を測定することによって決定することができ、αSMAレベルは、たとえば、反応を示す抗αSMA抗体の濃度(たとえばng/mlでの)として表現することができる。ある実施形態では、コロニーにおけるαSMAのレベルは、コロニーにおける細胞の数に対して標準化される。
ある実施形態では、コロニーの細胞の数は、コロニーにおけるLDH活性のレベルに相当する。0.4mU/mlを超えるLDH活性のレベルを有するコロニーは、本開示の目的のために、大きなコロニーと考えられる。
ある実施形態では、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージは、培養物中に存在するコロニーにおける乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の量を測定することによって決定され、0.4mUnits/mlを超えるLDHレベルを有するコロニーは、大きなコロニーと考えられる。さらなる実施形態では、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージは、培養物中に存在するコロニーにおける細胞の数を数えることによって決定され、1,000又はそれ以上の細胞を有するコロニーは、大きなコロニーと考えられる。
ある実施形態では、大きなコロニーだけが、分析に選択される。これらの実施形態では、大きな(すなわち>0.4mU/mlのLDH活性レベルを有するコロニー)が同定され、大きなコロニーにおけるαSMAレベルが決定される。大きなコロニーにおける平均αSMAレベル(たとえば、反応を示す抗体のng/mlとして表現される)は、大きなコロニーにおける平均LDH活性レベル(1ml当たりのmU LDH活性として表現される)に対して標準化され、この値(Av(αSMA/LDH)LC)は、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として表現される。低いAv(αSMA/LDH)LC値(たとえば<100ng/mlの反応を示す抗体)及び高いパーセンテージの大きなコロニー(たとえば≧40%)の組み合わせを有する培養物は、高い増殖力を有する細胞サンプルに由来するとして同定される。
ある実施形態では、コロニーの分化の程度及び大きなコロニーのパーセンテージの測定は、細胞の平板培養の10日後に行われる。
前に述べられるように、MSCは、多くの異なる治療用細胞型の製造において使用される。したがって、ある実施形態では、高い増殖力又は高い成長性について選択された骨髄細胞(たとえばMSC)のロットは、MSCの治療用誘導体を製造するためのプロセスにおいて使用される。ある製造プロセスは、大量の細胞を必要とする。したがって、ある実施形態では、高い増殖力を有するMSCを含有する、骨髄の選択されたロット由来の細胞は、大量培養で成長させる。
さらなる実施形態では、大量培養で成長している、選択されたロット由来の細胞は、外因性の核酸によりトランスフェクトされる。ある実施形態では、外因性の核酸は、Notch細胞内ドメインをコードする配列を含むポリヌクレオチドであり、ポリヌクレオチドは、完全長Notchタンパク質をコードしない。
高い増殖力を有する間葉系間質細胞(MSC)のロットを同定するための方法であって、(a)低密度でMSCのサンプルを平板培養すること;(b)単一のコロニーが形成されるようにMSCを培養すること;(c)それぞれのコロニーにおけるαSMAレベルを測定すること;(d)それぞれのコロニーにおけるLDH活性を測定すること;(e)培養物中の大きなコロニーの数を決定すること;(f)大きなコロニーについての平均αSMA/LDH値を得るために、大きなコロニーにおいてLDH活性のレベルに対してαSMAのレベルを標準化すること;並びに(g)培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として、大きなコロニーについての平均αSMA/LDH値を表現することを含み、低い平均αSMA/LDH値(たとえば<100ng/mlの反応を示す抗体)及び高いパーセンテージの大きなコロニー(たとえば≧40%)によって特徴付けられる培養物を提供するMSCのロットは、高い増殖力を有するロットである、方法も又、本明細書において提供される。
細胞数及び細胞マーカーのレベルについての、細胞の集団における同時のアッセイのための方法であって、(a)細胞を固定すること;(b)固定細胞を透過処理すること;(c)固定細胞中のLDH活性のレベルを検出すること;及び(d)固定細胞中のマーカーのレベルを検出することを含む方法も又、本明細書において提供される。
ある実施形態では、細胞は、パラホルムアルデヒドにより固定される。さらなる実施形態では、パラホルムアルデヒドによる固定は、20分間行われる。
ある実施形態では、細胞は、Triton-X100により透過処理される。さらなる実施形態では、透過処理は、20分間行われる。
本明細書において開示されるアッセイのいくつかにおいて、LDHレベルは、細胞数についての代用マーカーとして使用される。いくつかの実施形態では、LDH活性は、乳酸のピルビン酸への変換から結果として生じるNADHの形成によって測定される。ある実施形態では、NADHの形成は、テトラゾリウム化合物のホルマザン化合物への変換につながる。テトラゾリウム化合物は、たとえば、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム(INT)とすることができる。
細胞マーカーは、核酸(DNA又はRNA)、タンパク質、リン脂質、糖タンパク質などを含むが、これらに限定されない任意の分子とすることができる。ある実施形態では、マーカーは、タンパク質であり、さらなる実施形態では、タンパク質は、アルファ−平滑筋アクチン(αSMA)である。マーカーの検出は、当技術分野において知られている任意の方法、たとえば、核酸に対するハイブリダイゼーション;タンパク質、リン脂質、糖タンパク質についての免疫学的検出などによるものとすることができる。ある実施形態では、マーカーは、ポリペプチド又はタンパク質(たとえばαSMA)であり、マーカーのレベルは、免疫学的に検出される。本明細書において記載されるアッセイのいくつかの実施形態では、抗体は、免疫学的検出に使用される。さらなる実施形態では、抗体は、検出成分にコンジュゲートされる。ある実施形態では、検出成分は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)である。HRPコンジュゲート抗体が免疫学的検出に使用される実施形態では、HRPは、HRP基質3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して検出することができる。
図面の簡単な説明
図1Aは、培養骨髄細胞の2つのロット(AC12及びAC13)における最も高い(黒色のバー)及び最も低い(灰色のバー)パーセンテージのEDU陽性細胞を含有するMSCコロニーにおけるα−SMA免疫活性のレベル(平均蛍光強度として示す)を示す図である。エラーバーは、グループ当たりの3〜4コロニーの間の標準偏差を示す。 図1Bは、様々なレベルのα−SMA発現を表すコロニーの2つの領域において、EDUについて強く染色された核のパーセンテージを示す図であり、一方の領域は、α−SMAが高く(αSMAエリア、黒色のバー)、一方の領域は、α−SMAが低い(αSMAエリア、灰色のバー)。エラーバーは、2つの領域について得られた値の間の標準偏差を示す。 図2Aは、20分間(点描されたバー)又は40分間(白色のバー)、ホルマリンにより固定し、次いで、20分間、Triton X-100により透過処理した、3つの異なる密度(0.4、1.3、及び4.0×10細胞/ウェル)で平板培養した培養MSCにおけるLDH活性のレベルを示す図である。 図2Bは、20分間、ホルマリンにより固定し、次いで、透過処理せずに(たたき塗りされたバー)又は20分間(網かけのバー)若しくは40分間(白色のバー)、Triton X-100により透過処理してアッセイした、3つの異なる密度(0.4、1.3、及び4.0×10細胞/ウェル)で平板培養した培養MSCにおけるLDH活性のレベルを示す図である。 図2Cは、20分間の固定及び20分間の透過処理後の異なる濃度の培養MSCについてのαSMA免疫活性(HRP活性)のレベルを示す図である。線は、データを線形回帰フィットしたものに相当する。 図2Dは、20分間の固定、20分間の透過処理、及びHRPコンジュゲート抗αSMAとの1時間のインキュベーション後の異なる濃度の培養MSCについてのLDH活性のレベルを示す図である。線は、データを線形回帰フィットしたものに相当する。 図2Eは、様々な濃度の培養MSCについての、LDH活性値(図2Dから得た)に対して標準化したαSMA発現値(図2Cから得た)を示す図である。線は、ウェル当たり250を超える細胞を有するウェルについてのデータを線形回帰フィットしたものに相当する。 図2Fは、10日目のCFU−fコロニーにおける、細胞密度(LDH活性に相当する)及び核の観察数(Hoechst染色によって検出される)の間の関係を示す図である。<0.5mUnits/ml(黒色の丸)及び>0.5mUnits/ml(白色の正方形)のLDH活性を有するコロニーについての値を強調する。 図3Aは、2人の異なるドナーから得た細胞:AC12(点線で囲われた丸)及びD127(閉じた丸)によって生成された個々のコロニーについて、コロニーのサイズ(LDH活性に相当する)に対してプロットした標準化αSMA値(αSMA/LDH)を示す図である。それぞれの丸は、個々のコロニーに相当する。点線は、ドナーAC12から得た細胞によって生成されたコロニーについて線形回帰フィットしたものに相当する。実線は、ドナーD127から得た細胞によって生成されたコロニーについて線形回帰フィットしたものに相当する。破線の垂直線は、0.4mU/ml LDH活性の大きなコロニーについての任意選択閾値に相当する。 図3Bは、2人のドナー(AC12及びD127)から得たMSCコロニーについてのLDH値の箱ひげ図を示す図である。両方のロットについてのすべてのコロニー(All)及び>0.4mU/mlを有するコロニー(Large)についての値を提供する。 図3Cは、2人のドナー(AC12及びD127)から得たMSCコロニーについてのαSMA/LDH値の箱ひげ図を示す図である。両方のロットについてのすべてのコロニー(All)及び>0.4mU/ml LDHを有するコロニー(Large)についての値を提供する。 図4は、培養骨髄細胞の10ロットについてのコロニー形成効率(CFUf頻度)を示す図である。CFEは、6.6×10細胞/mlの濃度で平板培養した10白血球等価物当たりのコロニーの数として表現される。 図5は、培養骨髄細胞の10ロットについての大きなコロニー(すなわち、LDHレベル≧0.4mU/mlを有するコロニー)のパーセンテージを示す図である。 図6は、培養骨髄細胞の10ロットについてのLDHレベル(細胞サイズについての代用マーカー)を箱ひげ図で示す図である。 図7は、培養骨髄細胞の10ロットについてのαSMA/LDH値を箱ひげ図で示す図である。 図8Aは、3つの継代(継代M1、継代M2、及び継代M3)で判断した、培養MSCの10ロットについての成長速度(実施例6において記載されるように計算)を示す図である。 図8Bは、成長が遅い培養物(GR≦1、左のバー)及び成長が速い培養物(GR>1、右のバー)についての第3の継代(M3)での成長速度の比較を示す図である。 図8Cは、平板培養の10日後の、成長が遅い培養物(GR≦1、左のバー)及び成長が速い培養物(GR>1、右のバー)についての標準化αSMA値(すなわちAv(αSMA/LDH)LC)を示す図である。 図9Aは、培養骨髄細胞の10の異なるロットについての大きなコロニーのパーセンテージの関数としての大きなコロニーにおける標準化αSMA値(すなわちαSMA/LDH)を示す図である。 図9Bは、3つの継代(M1、M2、及びM3)で判断した、図9Aに示す同じ10の細胞培養物についての倍加時間を示す図である。
詳細な説明
本開示の実施は、別段の指示がない限り、当技術分野の技術の範囲内にある、細胞生物学、毒性学、分子生物学、生化学、細胞培養、免疫学、腫瘍学、組換えDNAの分野、及び関係する分野における標準的な方法及び従来の技術を用いる。そのような技術は、文献において記載されており、それによって、当業者らに入手可能である。たとえばAlberts, B. et al., “Molecular Biology of the Cell,” 5th edition, Garland Science, New York, NY, 2008;Voet, D. et al. “Fundamentals of Biochemistry: Life at the Molecular Level,” 3rd edition, John Wiley & Sons, Hoboken, NJ, 2008;Sambrook, J. et al., “Molecular Cloning: A Laboratory Manual,” 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001;Ausubel, F. et al., “Current Protocols in Molecular Biology,” John Wiley & Sons, New York, 1987及び定期的な最新情報;Freshney, R.I., “Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique,” 4th edition, John Wiley & Sons, Somerset, NJ, 2000;及びthe series “Methods in Enzymology,” Academic Press, San Diego, CAを参照。
本開示の目的のために、用語:「成長性」及び「増殖力」は、細胞(たとえばMSC)の特定のロットに起源を持つ培養物における細胞成長の予測速度を指すために区別なく使用される。高い成長性又は高い増殖力を有するロットでは、細胞は、短い倍加時間で、速やかに成長する。低い成長性又は低い増殖力を有するロットでは、細胞は、より長い倍加時間で、よりゆっくりと成長する。
したがって、高い増殖力を有する細胞は、たとえば、4日間、3.5日間、3日間、2.5日間、48時間、36時間、24時間、18時間、12時間、6時間、又はその間の任意の値の倍加時間を有することができる。
用語「標準化αSMA」は、コロニーのLDHレベル(細胞数についての代用物)で割った細胞コロニーにおけるαSMAの量を指し、αSMAの量は、イムノアッセイにおいてコロニーに結合する抗αSMA抗体のng/mlとして表現され、LDHレベルは、LDH Cytotoxicity Detectionアッセイ(Clontech Laboratories、Mountain View、CA)において定義されるようにmUnits/mlとして表現される。標準化αSMA値は、所定のコロニーについての細胞当たりの平均αSMAレベルの代用物である。
用語「Av(αSMA/LDH)LC」は、MSCの培養物において大きなコロニー(LDH>0.4mU/ml)について得られた標準化αSMA値の平均(すなわち平均αSMA/LDH)を指す。
本開示の目的のために、「大きなコロニー」は、コロニーにおける細胞のすべてを細胞内LDH活性についてアッセイした場合に、コロニーにおける細胞の細胞内LDH活性値の合計が、LDH Cytotoxicity Detectionキット(Clontech Laboratories、Mountain View、CA)によって定義されるように1ミリリッター当たり0.4milliUnitsを超える細胞コロニーである。
培養物中の大きなコロニーのパーセンテージは、0.4milliUnits/mlを超えるLDH活性値を有するコロニーのパーセンテージである。
「間葉系間質細胞」(「MSC」)は、骨髄から得られた接着非造血多能性細胞を指す。これらの細胞は、間葉系幹細胞、間葉系間質細胞、骨髄接着間質細胞、骨髄接着幹細胞、及び骨髄間質細胞として様々に知られている。MSCは又、たとえば臍帯血、脂肪組織、歯髄、ホウォートンゼリー、及び様々なタイプの結合組織から得ることもできる。
MSCの例示的な開示は、米国特許出願公開第2003/0003090号;Prockop (1997) Science 276:71-74、及びJiang (2002) Nature 418:41-49において提供される。MSCの単離及び精製のための方法は、たとえば米国特許第5,486,359号;Pittenger et al. (1999) Science 284:143-147、及びDezawa et al. (2001) Eur. J. Neurosci. 14:1771-1776において見つけることができる。ヒトMSCは、市販で入手可能である(たとえばBioWhittaker、Walkersville、MD)又はたとえば骨髄吸引、その後に続く接着骨髄細胞の選択によってドナーから得ることができる。たとえば国際公開第2005/100552号を参照。
MSCは又、臍帯血から単離することもできる。たとえばCampagnoli et al. (2001) Blood 98:2396-2402;Erices et al. (2000) Br. J. Haematol. 109:235-242、及びHou et al. (2003) Int. J. Hematol. 78:256-261を参照。MSCのさらなる供給源は、たとえば経血及び胎盤を含む。
細胞培養及びトランスフェクション
細胞培養のための標準的な方法は、当技術分野において知られている。たとえばR. I. Freshney “Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique,” Fifth Edition, Wiley, New York, 2005を参照。
細胞の中への外因性のDNAの導入のための方法(すなわちトランスフェクション)及び外因性のDNAを含む細胞の選択のための方法も又、当技術分野においてよく知られている。たとえばSambrook et al. “Molecular Cloning: A Laboratory Manual,” Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001;Ausubel et al., “Current Protocols in Molecular Biology,”John Wiley & Sons, New York, 1987、及び定期的な最新情報を参照。
本開示のある実施形態では、本明細書において開示される方法によって同定される高い増殖力を有する細胞のロットは、たとえばMSCの治療用誘導体の製造において、大量培養で培養される。ある実施形態では、本明細書において開示される高い成長性について選択された大量培養中の細胞は、外因性のDNAによりトランスフェクトされる。ある実施態様では、培養において成長している高い増殖力を有する細胞は、たとえば米国特許第7,682,825号(その中で「神経前駆体細胞」を指す細胞の調製のための);米国特許第8,945,919号(その中で「神経再生細胞」を指す細胞の調製のための);米国特許出願公開第2010/0310529号(その中で「分化制限細胞」を指す細胞の調製のための);及び国際公開第2016/161290号(その中で「NICD一時的トランスフェクトMSCの子孫」又は「DNTT−MSC」を指す細胞の調製のための)において開示されるように、Notch細胞内ドメインをコードする(完全長Notchタンパク質をコードしない)配列によりトランスフェクトされる。
分化マーカー
本発明者らは、より低い程度の分化を有するMSC培養物が、より高い増殖力を有し、そのため、MSCの培養物中の細胞の分化の程度を、培養物が由来する細胞ロットの増殖力を予測するために使用することができることを見出した。したがって、本明細書において開示される方法の一部として、MSCの培養物中の細胞の分化の程度が、決定される。MSC分化の任意のマーカーを、当技術分野において知られているように、使用することができる。ある実施形態では、筋線維芽細胞分化のマーカーを、使用することができる。たとえば、アルファ−平滑筋アクチン(αSMA)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)、及び/又はフィブロネクチンのED−Aドメインを、分化マーカーとして使用することができ、より低いαSMA、TGF−β、及び/又はED−Aドメインのレベルは、より低い程度の分化と正相関する。
ある実施形態では、アルファ平滑筋アクチン(αSMA)は、MSC分化マーカーとして使用される。αSMAは、収縮性アクチンアイソフォームであり、組織傷害及び修復に応じて多くの間葉細胞型から分化する血管平滑筋細胞及び筋線維芽細胞の特徴である。Hinz (2007) J. Investig. Dermatol. 127:526-537。創傷において、筋線維芽細胞は、細胞外マトリックスを産生し、このマトリックスを再編成し、収縮し、硬化し、これは、次に、さらなるαSMA発現を誘発する。したがって、αSMA発現は、筋線維芽細胞が成長している土台の硬さの増加によって刺激される。培養MSCにおいて、αSMAは、培養の間にこれらの細胞において典型的に生じるストレスファイバーと共存する。Charbord et al. (1990) Exp. Hematol. 18:276-282。
細胞サイズ(小さな及び大きな細胞集団)によって継代MSCをソートすることにより、同時に、αSMAの発現(それに応じて低い及び高い)によって並びにクローン能及び分化能(それに応じて高い及び低い)によって、それらをソートする。さらに、αSMA発現のノックダウン又は柔軟な表面上への細胞の平板培養は、クローン形成能及び分化能を回復させる。Talele et al. (2015) Stem Cell Reports 4:1016-1030。したがって、ある程度まで、初期MSC培養物中のαSMA発現は、硬いプラスチック表面上でのこれらの機械感受性細胞の培養の結果と見なすことができる。Hinz (2010) J. Biomech. 43:146-55。
当技術分野において知られている任意の方法は、培養中のMSCのコロニーにおけるαSMAの(又は任意の他のMSC分化マーカーの)レベルを測定するために使用することができる。たとえば、αSMA mRNAのレベルは、ハイブリダイゼーション又はPCRベースの方法によって決定することができる。αSMAポリペプチドのレベルは、免疫学的に決定することができる。免疫学的タンパク質検出方法は、当技術分野においてよく知られている。ある実施形態では、αSMAタンパク質のレベルは、検出成分にコンジュゲートされた抗αSMA抗体を使用して、単離されたコロニーにおいてその場で検出される。検出成分は、当技術分野において知られているように、放射性、比色定量、蛍光などであってもよい。その代わりに、たとえばビオチンなどのようなリガンドを、検出成分として使用することができる。
ある実施形態では、αSMAレベルは、抗αSMA抗体を使用して、MSCコロニーにおいてその場で検出される。ある実施形態では、αSMAレベルは、検出成分にコンジュゲートされた抗αSMA抗体を使用して、MSCコロニーにおいてその場で検出される。免疫組織化学的手順で使用するための検出成分は、当技術分野において知られている。ある実施形態では、αSMAレベルは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートされた抗αSMA抗体を使用して、MSCコロニーにおいてその場で検出される。HRPによって有色産物に変換される様々なHRP基質は、当技術分野において知られている。ある実施形態では、αSMA免疫活性は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して検出され、これは、HRPによって青色の産物に変換される。
αSMA又は任意の他の検出マーカーのレベルは、たとえば、コロニーにおける細胞と反応する抗体の濃度などのような任意の好都合な単位で表現することができる。ある実施形態では、αSMAレベルは、反応を示す抗体のng/mlとして表現される。
任意の他の分化マーカーは、たとえば、当技術分野において知られている任意の検出成分に任意選択でコンジュゲートされた、その分化マーカーに特異的な抗体を使用して、検出し、定量化することができることは明らかである。
細胞数及び大きなコロニーのパーセンテージの決定
本明細書において開示される方法において、MSCの培養物中の大きなコロニーの数は、培養物が得られた細胞ロットの成長性(すなわち増殖力)を決定するために使用される因子のうちの1つである。したがって、本開示は、細胞数を決定し、細胞ロットの成長性を予測するプロセスにおいて前記決定を使用するための方法を提供する。
細胞数を決定するための当技術分野において知られている任意の方法を、本明細書において記載される方法において使用することができる。例示的な方法は、たとえば、位相差顕微鏡又は核に特異的な色素(たとえばHoechst 33342)を使用することによって、コロニーにおける細胞の数を数えること及びコロニーにおける又は培養物中の核の数を数えることを含む。
ある実施形態では、細胞内乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性は、細胞数の指標として使用される。細胞内LDHを決定する方法は、当技術分野において知られており、たとえば、LDH Cytotoxicity Detectionキット(Clontech Laboratories、Mountain View、CA)を使用することができる。発明者らは、0.4mU/mlの値の細胞内LDH活性を有するコロニーがおよそ1,000個の細胞を含有することを決定し、本明細書において記載される方法において使用するための「大きなコロニー」として細胞コロニーを特徴付けるための閾値として、これらの値(0.4mU/ml細胞内LDH活性又は1×10細胞)を選択した。特に、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージが、決定され、大きなコロニーにおける標準化αSMAレベルが、MSCのロットの成長性を予測するための方法の一部として計算される。
αSMAレベルの標準化
本明細書において記載される方法の予測値を向上させるために、コロニーにおけるαSMAレベルは、細胞当たりのαSMAレベルについての代用値を提供するために、そのコロニーにおける細胞内LDH活性の値に対して標準化した。細胞当たりのこの標準化αSMA値を得るための一実施形態では、αSMAレベルは、コロニーに結合した抗αSMA抗体のng/mlとして表現され、LDHレベルは、mU/ml LDH活性として表現される(Unitsは、LDH Cytotoxicity Detectionキット(Clontech Laboratories、Mountain View、CA)によって定義される)。
ある実施形態では、この標準化αSMA/LDH値は、Av(αSMA/LDH)LC値を提供するために、培養物中の大きなコロニー(本明細書において記載されるように定義される)についてのみ得られる。このAv(αSMA/LDH)LC値は、次いで、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として表現される。大きなコロニーの高いパーセンテージ及び低Av(αSMA/LDH)LC値を有する培養物は、培養物が由来した細胞ロットが高い増殖力又は成長性を有することを示す。たとえば、高い増殖力を有する細胞ロットは、50%又はそれ以上の大きなコロニーを有する培養物を生成するであろう。ある実施形態では、高い増殖力を有する細胞ロットは、55%若しくはそれ以上、60%若しくはそれ以上、65%若しくはそれ以上、70%若しくはそれ以上、75%若しくはそれ以上、80%若しくはそれ以上、85%若しくはそれ以上、90%若しくはそれ以上、95%若しくはそれ以上、又は98%若しくはそれ以上の大きなコロニーを有する培養物を生成するであろう。
ある実施形態では、Av(αSMA/LDH)LC値は、大きなコロニーにおける反応を示す抗αSMA抗体ng/mlを同じ大きなコロニーにおける細胞内LDH活性mU/mlによって割り、培養物中のすべての大きなコロニーについてのその商の平均を得ることによって得られる任意の数量である。これらの実施形態では、高い増殖力(又は高い成長性)を有する細胞ロットは、125又はそれ以下のAv(αSMA/LDH)LC値を有する。さらなる実施形態では、高い増殖力(又は高い成長性)を有する細胞ロットは、120若しくはそれ以下、110若しくはそれ以下、100若しくはそれ以下、90若しくはそれ以下、80若しくはそれ以下、70若しくはそれ以下、60若しくはそれ以下、又は50若しくはそれ以下のAv(αSMA/LDH)LC値を有する。
ある実施形態では、2つのパラメーター(Av(αSMA/LDH)LC値又は大きなコロニーのパーセンテージ)のうちの1つだけが、細胞ロットの増殖力を予測するために使用される。しかしながら、最適の予測値は、両方のパラメーターが使用される場合に得られる。
同じコロニーにおける細胞数及び分化マーカーのアッセイ(「ALC」アッセイ)
高い増殖力(又は高い成長性)を有する細胞ロットを同定するために、本開示は、細胞培養物中の細胞数及びマーカーのレベルの両方をアッセイするための方法を提供する。特に、分散した単一コロニーが平板培養細胞から成長するように、培養物は、低密度で平板培養される(たとえば培養皿において又はマイクロタイタープレートのウェルにおいて)。任意の個々のコロニーについて、本明細書において開示されるアッセイは、コロニーにおける細胞の数及びコロニーにおけるマーカー分子のレベルの両方を測定することができる。
マーカー分子は、細胞中に存在する又は特定の細胞型の特徴である任意の分子とすることができ、たとえば、核酸(DNA若しくはRNA)又はポリペプチド(すなわちタンパク質)とすることができる。ある実施形態では、マーカーは、細胞の分化の程度を示す(すなわち分化マーカー)。マーカーは、当技術分野において知られている任意の方法、たとえば、核酸の検出のためのハイブリダイゼーション又はPCRベースの方法及びタンパク質の検出のための免疫学的方法によって検出することができる。本明細書において開示される方法のある実施形態では、アルファ平滑筋アクチン(αSMA)は、MSCの分化の程度についてのマーカーとして使用され、より高いαSMAレベルは、より高度に分化した細胞を示す。
細胞数を決定する方法は、当技術分野において知られており、たとえば、単純な細胞のカウント、核のカウント、フローサイトメトリー、DNA濃度の測定、及び代謝活性の測定を含む。ある実施形態では、コロニーにおける乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性のレベルは、コロニーにおける細胞の数の代用物として使用される。LDH活性の測定のための方法は、当技術分野において知られている。ある実施形態では、LDH活性は、乳酸のピルビン酸への変換から結果として生じるNADHの形成によって測定され、NADHの形成は、第1の無色の化合物の、測光法で又は蛍光定量的に検出することができる化合物への変換につながる。ある実施形態では、第1の化合物は、テトラゾリウム化合物である。ある実施形態では、テトラゾリウム化合物は、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム(INT)である。
細胞数及びマーカー分子のレベルの両方について、同じコロニーの細胞において決定するための方法が、本明細書において提供される。方法は、分散した単一コロニーが生成されるように、低密度で細胞を培養すること、培養細胞を固定すること、固定細胞を透過処理すること、細胞数を測定すること(又はコロニーにおける細胞の細胞内LDH活性などのような、細胞数についての代用物を測定すること)、及びマーカー分子のレベルを検出することを含む。
同じコロニーにおける細胞数及びマーカー分子のレベルの両方の決定を可能にするために、固定及び透過処理についてのパラメーターが、本明細書において提供される。ある実施形態では、細胞は、パラホルムアルデヒドにより固定される。固定のために使用されるパラホルムアルデヒドの濃度は、たとえば、細胞型及び培養条件に依存して、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、又はその間の任意の値であり得る。ある実施形態では、細胞は、Triton-X100により透過処理される。透過処理のために使用されるTriton-X100の濃度は、たとえば、細胞型及び培養条件に依存して、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、又はその間の任意の値であり得る。
ある実施形態では、細胞は、室温で20分間、4%パラホルムアルデヒドにより固定され、続いて、室温で20分間、0.2% Triton-X100により透過処理される。固定液及び/又は透過処理剤の濃度並びに固定及び透過処理の時間は、細胞型及び他の適切な考慮に依存して、必要に応じて変動させることができる。たとえば、細胞は、5、10、15、20、25、30、40、45、50、又は60分間、固定することができ、5、10、15、20、25、30、40、45、50、又は60分間、透過処理することができる。パラホルムアルデヒド以外の固定液(当技術分野において知られている)及びTriton以外の透過処理剤(当技術分野において知られている)は、本明細書において開示される方法において使用することができる。他の固定液及び透過処理剤についての適切な固定及び透過処理の時間を定義することは、当技術分野の技術の範囲内にある。
細胞のコロニーにおける細胞数及び分化マーカーのレベルの測定は、コロニーを生じた細胞の平板培養後にいつでも行うことができる。たとえば、測定は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、5日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、20日、25日、30日、又はその間の任意の期間で行うことができる。ある実施形態では、細胞のコロニーにおける細胞数及び分化マーカーのレベルの測定は、細胞が平板培養された10日後に行われる。
製造プロセス
本明細書において開示される方法の目的のうちの1つは、骨髄細胞を培養するプロセスの初期に、MSCの治療用誘導体の製造のために、高い成長性及び/又は高い増殖力を有する骨髄細胞のロットの選択を可能にすることである。1つのそのような治療用誘導体は、Notch細胞内ドメイン(NICD)をコードする核酸により培養MSCをトランスフェクトすることによって製造される。たとえば米国特許第7,682,825号(その中で「神経前駆体細胞」を指す細胞の調製のための);米国特許第8,945,919号(その中で「神経再生細胞」を指す細胞の調製のための);米国特許出願公開第2010/0310529号(その中で「分化制限細胞」を指す細胞の調製のための);及び国際公開第2016/161290号(その中で「NICD一時的トランスフェクトMSCの子孫」又は「DNTT−MSC」を指す細胞の調製のための)を参照されたい。これらの開示は、細胞療法で使用するためのNICDトランスフェクトMSCを製造するためのプロセスを説明する目的のために本明細書において参照によって援用される。
したがって、ある実施形態では、高い増殖力を有するMSCを含有する選択された骨髄のロット由来の細胞は、大量培養物中で成長させ、外因性の核酸によりトランスフェクトされる。ある実施形態では、外因性の核酸は、Notch細胞内ドメインをコードする配列を含むポリヌクレオチドであり、ポリヌクレオチドは、完全長Notchタンパク質をコードしない。
実施例
実施例1:骨髄間質細胞の調製及び培養
健康なヒトドナー由来の骨髄穿刺液を、Lonza(Allendale、NJ)又はAllCells(Alameda、CA)から購入し、冷たい容器で夜のうちに配達してもらった。穿刺液サンプル(1〜3ml)を、10%ウシ胎児血清(HyClone、Logan、UT、MSC成長のために選択したロット)、GlutaMAX(Invitrogen、Carlsbad、CA)、及びペニシリン/ストレプトマイシンを補足したMSC成長培地(アルファ最小必須培地(αMEM、Mediatech、Tewksbury、MA))において3倍に希釈し、8分間1200rpmで遠心分離した。上清を、注意深く除去し、ペレットを、遠心分離前の容量と等しい容量で再懸濁した。一定分量を取り出し、白血球(WBC)カウントのためにErythrocyte Lysis Reagent(Sigma、St.Louis、MO)中に希釈した。これらの洗浄した骨髄細胞を、マイクロタイターアッセイにおいて使用するために(実施例4及び5)並びに大量培養物を生成するために培養した(実施例6)。
CFUfコロニーの分析のために、洗浄した骨髄細胞(前の段落に記載されるように得られた)を、6.6×10WBC/mlの濃度で再懸濁し、透明な底を有する96ウェル黒色マイクロプレート(Costar(登録商標))の中に平板培養し(ウェル当たり100μlの細胞懸濁液)、2列を、標準物質及びコントロール用に空にしておいた。この細胞濃度での平板培養は、ウェルの30%未満においてコロニーの成長をもたらし、したがって、ウェル当たり1つを超えるコロニーを有する可能性が低いことを確実にした。平板培養後10日目に、ALCアッセイを、96ウェルマイクロプレート中で成長させた細胞に対して行った。
大量培養物を生成するために、上に記載されるように得、且つ処理した骨髄細胞を、再懸濁し、T75フラスコの中におよそ2〜4×10WBCs/cmで平板培養した。平板培養後第3日目に、培地を交換し、大部分の非接着細胞を除去した。その後、培地を、2〜3日毎に交換し、細胞を、継代前の10〜14日間、培養した。継代のために、細胞を、0.25%トリプシン/EDTAで剥がし、トリパンブルーを使用して数え、約0.5〜1×10細胞/cmで再度平板培養した。その後の継代(3回まで)は、培養物が70〜80%コンフルエンスに達したら実行し、70〜80%コンフルエンスは、再度平板培養した後の4〜7日以内に起こった。
実施例2:MSC培養物におけるアルファ平滑筋アクチン(αSMA)の発現及び細胞増殖の間の相関性
αSMA発現及びコロニー成長の間の関係を解明し、それによって、α−SMAレベルの測定を、増殖力を予測するための方法の一部として使用することができるかどうかを決定するために、細胞増殖速度及びα−SMAレベルを、平板培養の10日後に骨髄細胞のコロニーにおいて測定した。
細胞増殖アッセイは、メーカーのプロトコールに従って、Click-iT(登録商標)Plus EDU Alexa Fluor 594 Imagingキット(Life Technologies、Carlsbad、CA)を使用し、コロニーに対して行った。細胞は、5時間、5−エチニル−2’−デオキシウリジン(EDU)により標識した。EDU検出後、コロニーを、0.3%Normal Donkey血清によりブロックし、1時間、FITCコンジュゲート抗αSMAモノクローナル抗体(Sigma、St.Louis、MO)によりプローブし、その後、洗浄した。核は、Hoechst 33342を使用して対比染色した。
EDU陽性の核のパーセンテージを定量化するために、コロニーの画像を、1.25×倍率でCytation 5プレート読み取り装置を使用して取得し、Gen5ソフトウェア(BioTek Instruments、Winooski、VT)を使用して分析した。次いで、コロニーについてのデータをExcelでソートした。最も高い及び最も低いEDUの組み込みを表すコロニー(3〜4コロニー/グループ)を、ImageJを使用して視覚化し、且つ対応するバックグラウンドを引き算した平均グレー値(mean gray value)としてαSMA平均蛍光強度を定量化するために、4×倍率下で選択し、取得した。単一コロニーにおけるαSMA及びEDUの分布の分析のために、コロニーの画像を、デジタル技術で拡大し、αSMA陽性のエリアを選択し、次いで、等しいサイズのエリアを、コロニーのαSMA陰性の領域において選択した。全部の核及びEDU陽性の核を、これらのエリアにおいて手作業で数えた。
コロニーの間で様々なαSMA発現によって特徴付けられた細胞ロットを評価した。顕微鏡観察は、非常に増殖性のコロニー(すなわち、高いパーセンテージのEDU陽性の核を有するコロニー)が、より低いパーセンテージのEDU陽性の核を有するコロニーよりも低いレベルのαSMA発現を表したことを示した。2ロットの細胞(AC12及びAC13)において、最も高いパーセンテージのEDU陽性の核(AC12については>39%及びAC13については>28%)並びに最も低いパーセンテージのEDU陽性の核(AC12については<18%及びAC13については<15%)を有するコロニーは、αSMAについて、それに応じて低い及び高い平均蛍光強度を表した(図1A)。さらに、様々なレベルのαSMA発現を有したコロニー内で、αSMA発現のレベル及び明るいEDU染色を有する核のパーセントの間に負の相関があった(図1B)。αSMA陰性ではなく、αSMA陽性のエリアは又、明るく染色された核に加えて、EDUのレベルが非常に低い核を含有した。まとめると、これらの観察は、EDUの組み込みのプロセスが、αSMA陽性の細胞においてより遅いことを示した。したがって、αSMA発現は、コロニーの全体的な増殖速度及びコロニー内の増殖ステータスの両方と負に相関する。
実施例3:LDH活性の検出に対する固定及び透過処理の影響
MSCコロニーにおけるαSMA発現がロット成長性に関係するかどうかを決定するために、コロニーにおけるαSMAを測定し、コロニーにおける細胞の数に対してその発現を標準化するロバスト性のある(robust)アッセイを、継代MSCを使用して開発した。細胞内LDH活性についての比色定量アッセイを、細胞数についての代用物として選んだ。先の観察は、ホルマリンにより軽く固定された細胞が、実質的な割合の細胞内LDH活性を保持することを示唆した。Baba et al. (1971) J. Cell. Biol. 51:621-635も又参照されたい。したがって、LDH検出に対する固定及び透過処理の条件の影響を、継代2及び4の間で継代MSCにおいて検査した。これらの研究のために、MSCを数え、4、1.3、及び0.4×10細胞/ウェルで96ウェルプレートの中に平板培養した。翌日、培養物を20又は40分間固定し、次いで、20分間、透過処理し、洗浄した。実験の別のセットにおいて、細胞は、20分間固定し、20、40、又は60分間、透過処理し、次いで、洗浄した。残存LDH活性は、下記に記載されるように決定した。細胞数は、培養物のトリパンブルー染色を使用して決定した。
これらの実験の結果は、標準的な20分間の固定で、LDH活性が細胞数に比例したことを示し、さらに、40分間まで固定時間を増加させても、LDH活性に対する有意な有害な影響はなかった(図2A)。20分間ホルマリン中で固定した細胞を、様々な時間、Triton-X100によりさらに透過処理した場合、透過処理後に検出されたLDH活性は、透過処理期間の長さに依存して、わずかに低下し、0〜40分間の透過処理の20分毎に、およそ10〜15%低下した(図2B)。
実施例4:同じコロニーにおけるLDH活性及びαSMAレベルの検出並びに細胞数との相関性
固定後にLDH活性の保持が観察されたことに基づいて(実施例3)、選択した固定及び透過処理の時間を使用して、αSMAの細胞内免疫細胞化学的検出のために細胞を処理し、その後、同じ細胞においてLDH活性を検出することが可能であると考えられた。この考えを確認するために、継代2〜4のMSCを、様々な細胞密度で96ウェルマイクロタイタープレート中で平板培養した。1日後、細胞を20分間固定し、20分間、透過処理し、1時間、HRPコンジュゲート抗αSMA抗体と反応させた。抗体が結合した後、細胞内LDH活性を検出し、その後、HRP活性の比色定量検出を続けた。これらの条件下で、LDH及びαSMAの値は、平板培養細胞数に比例した(図2C及び2D)。次いで、αSMA発現値は、「αSMA/細胞」値を得るために対応するLDH活性値に対して標準化した。細胞濃度>250細胞/ウェルについては、標準化は、予想通り、ある一定の値を提供し、250細胞/ウェルの濃度以下では、標準化は、様々な結果をもたらした(図2E)。
上記に記載される、継代MSCを使用する初めのアッセイ開発の後に、アッセイを、CFUfコロニーにおいてさらに特徴付けた。骨髄細胞の平板培養後10日目に、コロニーにおけるLDH活性を測定し、コロニー当たりの核の数は、4倍の倍率のCytation 5マルチモードプレート読み取り装置(BioTek、Winooski、VT)及びGen5ソフトウェア(BioTek)を使用して、Hoechst 33342(Molecular Probes、Eugene、OR)により染色したコロニーの画像解析によって定量化した。
2500までの核を含有するコロニーについては、LDH値及び核の数の間の線形の関係が観察された。しかしながら、2500(約0.5mU/ml LDHに対応する)又はそれ以上の核を含有するコロニーについては、いくつかのコロニーは、線形回帰に基づいて予想されるよりも少ない核を有するように思われた(図2F)。顕微鏡検査は、>2500細胞を有するコロニーが、顕微鏡視野の死角(マイクロタイターウェルの約20%)に部分的に位置する確率が高いことを示した。したがって、核について観察された数は、おそらく、大きなコロニーにおける細胞の数を少なく見積もっており、LDH活性は、細胞数について、より正確な指標となるように思われた。図2F中に示すデータに基づくと、0.4mU/mlのLDH活性は、約1,000細胞のコロニーに相当した。この値を、大きなコロニーについての任意の閾値として選んだ。
実施例5:αSMA及びLDHについての複数のコロニーのアッセイ(ALCアッセイ)
方法
上記に記載される結果に基づいて、2つの比色定量アッセイプロトコール−残存LDH活性及びαSMAタンパク質発現検出−を、同じマイクロタイタープレート上で成長している複数のコロニーをアッセイするために使用する単一のプロトコールの中に組み込んだ。これらの実験のために、洗浄した骨髄細胞(実施例1において記載されるように得た)を、6.6×10WBCs/mlの濃度で再懸濁し、透明な底を有する96ウェル黒色マイクロプレート(Costar(登録商標))の中に平板培養した(ウェル当たり100μlの細胞懸濁液)。α−SMA標準物質及びLDH標準物質用に並びにホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コントロール用に指定したウェルは、下記のプロトコールに示されるまで未使用のままにした。この密度での平板培養は、ウェルの30%未満においてコロニーの成長をもたらし、したがって、ウェル当たり1つを超えるコロニーを有する可能性が低いことを確実にした。
平板培養の9日後、マイクロタイタープレートは、位相差を使用して、顕微鏡で検査し、コロニーを有するウェルにマークした。10日目に、プレートをPBSにより洗浄し、20分間、4%パラホルムアルデヒド(PFA)により固定し、次いで、固定液をPBSと取り替えた。一方、代用αSMA標準物質は、PBSにおいてAffiniPure Donkey Anti-Mouse IgG(Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)を段階希釈し、1時間、指定のウェルにこの溶液を吸着させることによって調製し、次いで、これらのウェルをMSC成長培地によりブロックした。すべてのウェル(LDH標準物質及びαSMA標準物質並びにHRPコントロールに指定したウェルを除いて)を、次いで、PBSにより1回洗浄し、20分間、PBSにおいて0.2%Triton X-100と共にインキュベートし、その後、30分間0.5%Normal Donkey Serum(Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)においてブロックした。ウェル(LDH標準物質及びHRPコントロールに指定したウェルを除いて)は、次いで、1時間、HRPコンジュゲートモノクローナル抗αSMA抗体(1/1000希釈液;Abcam、Cambridge、MA)と共にインキュベートし、PBSにより3回洗浄した。
次いで、LDHアッセイを実行した。最初に、LDH標準物質を、ウシLDH(Sigma)を段階希釈することによって、指定のウェルにおいて調製した。次いで、LDH Cytotoxicity Detectionキット(Clontech Laboratories、Mountain View、CA)のCatalyst/Dye(0.25ml/11ml)混合物を、細胞を平板培養したすべてのウェル及びLDH標準物質を含有するウェルに追加した。プレートを、7〜10分間、室温でインキュベートした。シグナルは、650nmでの補正と共に490nmで読み取り、測光値は、SoftMAXProソフトウェアを使用して、1ml当たりのLDH活性milliUnitsに変換した。
LDH検出後、プレートは、PBSにより1回洗浄し、HRP検出のために調製した。すべてのプレートに対する読み取りが、異なる実験の間で比較可能となることを確実にするために、非常に安定化されたHRP(Sigma)から調製したHRPコントロールを、それぞれのプレートに対して使用した。細胞を平板培養したウェル、代用αSMA標準物質及びHRPコントロールを含有するウェルに、HRP基質3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB、eBioscience)を充填した。吸光度を、492nmでの補正と共に370nmで測定し、測光値を、結合抗体のng/mlに変換した。LDHシグナル及びHRPシグナルの両方は、SoftMax Pro(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で生成した検量線を使用して定量化した。LDH活性をmU/mlで表現した。αSMA発現は、抗αSMA抗体の対応する濃度としてng/mlで表現した。
データ処理
ALCアッセイデータの処理は、プログラムしたExcelテンプレートを使用して行った。HRPコントロールデータは、必要であれば、異なるプレート及び実験の間で調整するために使用した。次いで、それぞれのプレートについて、両方の測定パラメーターについてのバックグラウンド値:LDHについては、コロニーなしのすべてのウェルの平均+1標準偏差(SD)、HRPについては、コロニーなしのすべてのウェルの平均として計算した。次いで、バックグラウンドを、対応するデータセットから引き算した。この方法は、さらなる計算から、50個未満の細胞を有するウェルの排除を可能にし、同時に、HRPシグナルについてそれほどストリンジェントではない条件は、非常に低いレベルのαSMA発現を有するコロニーの排除を予防した。次いで、αSMA発現は、同じウェルからの対応するLDHシグナルに対して標準化した(αSMA/細胞についての代用物)。コロニーデータはすべて、高い〜低いLDHレベルにソートし、LDH≧0.4mU/mlを有するコロニー(「大きなコロニー」)のパーセンテージを決定した。この閾値は、典型的に、BMロットにおける大きなコロニーとして15%以上のコロニーを分類した。これらの大きなコロニーにおいて、標準化αSMA発現を平均した。したがって、それぞれのBMロットは、大きなコロニーの細胞における平均αSMAレベル(本明細書でAv(αSMA/LDH)LCとして称される)及び大きなコロニーのパーセンテージによって特徴付けられた。
統計
統計分析(対応又は独立t検定及び線形回帰分析)並びに図示は、Prism 6ソフトウェア(GraphPad、San Diego、CA)を使用して行った。p<0.05は、統計的に有意と見なした。
結果
ロット当たり34〜89コロニー(中央値52)を産生する10のBM MSCロットを、平板培養の10日間後(10日目)に分析した。10のロットのうちの9つのロットについて、それぞれのコロニーについてのLDH値(細胞数についての代用物)をその対応する標準化αSMA/LDH値(細胞当たりのαSMAの平均量についての代用物)に対してプロットすることにより、それぞれのコロニーのサイズ及びそのαSMA/細胞の間に負の相関がもたらされた(p<0.05)。さらに、LDH対αSMA/LDH値の分布は、細胞のそれぞれのロットについて特徴的であり、したがって、この分布は、異なるロットを区別するために使用することができる。細胞の2つのロット(ドナーAC12及びD127から得た)からの例示的なデータを、図3Aに示す。
細胞成長の指数関数的な性質により、たとえすべてのコロニーが同じ速度で成長していたとしても、大量培養物中の細胞数への大きなコロニーの寄与は、実質的により大きく、小さなコロニーの寄与は、本質的にごくわずかである。そのため、本発明は、大きなコロニーを、10日目にLDH値≧0.4mU/mlを有するものとして定義する(すなわち、およそ1,000個の細胞を含有し、それらのCFUf前駆細胞が、10日間で約10回の細胞倍加を受けたことを意味するコロニー)。
細胞の2つのロット(AC12及びD127)についてのLDH値及びαSMA/LDH値の分析を、図3B及び3Cに示す。値は、すべてのコロニーについて及び上記に定義されるような大きなコロニーについてのみ得た。予想通り、大きなコロニーは、平均して、細胞集団全体よりも高いLDHレベルを含有する(図3B)。そのうえ、大きなコロニーについてのαSMA/LDH値は、培養物全体についての値よりも分布が狭く、2人のドナー由来の培養物を区別するのを可能にする(図3C)。
実施例6:10日目のALCアッセイ結果と大量細胞培養物の成長性との相関性
MSCの10のロットを、3継代、大量培養で成長させた。これらのロットのそれぞれについて、CFUfコロニー形成率(図4)、大きなコロニーのパーセント(LDH>0.4mU/mlを有するものとして定義される、図5)、サイズによる大きなコロニーの分布(LDH、図6)、及びそれぞれのコロニーにおける標準化αSMA(αSMA/LDH、図7)を決定した。
10のロットのそれぞれにおける細胞の成長速度(GR)も又、下記の計算を使用して決定した:
GRn=dH/dWBC×dH/dP×...×dH/dP
ここで、dHは、継代nの収集時の細胞密度であり、dPは、継代nの平板培養時の細胞密度であり、dWBCは、初めのBM平板培養時の細胞密度である。成長速度の分析は、MSCロットを、継代3でのその累積的な成長速度(GR)に基づいて、成長が遅い(GR≦1)又は成長が速い(GR>1)と分類することができたことを明らかにした。図8Aを参照。
第3の継代時の成長速度の分析は、成長が速い培養物についての閾値として>1の成長速度を使用すると、成長が遅い及び成長が速い培養物の間の成長速度における差異が、統計的に有意であったことを明らかにした(図8B)。MSC成長データを、CFE、又は大きな(LDH≧0.4mU/ml)コロニーのパーセント、及びAv(αSMA/LDH)LCと比較した。相関性は、CFE又は大きなコロニーのパーセンテージ及び大量培養成長の間で検出されなかった。しかしながら、成長が遅いロット(GR<1)は、成長が速いロットよりも、有意に高いAv(αSMA/LDH)LCを有した(図8C)。大きなコロニーをLDH≧0.4を有するものとして定義する場合、成長が遅いロット及び成長が速いロットの間のAv(αSMA/LDH)LC値における統計的な差異は、p<0.005及びR=0.71であった。
大量培養物の成長速度をそれらのAv(αSMA/LDH)LC値に対してプロットした場合、有意な線形相関が、観察された(p<0.02で傾き0以外、R=0.514)。大きなコロニーのパーセンテージをAv(αSMA/LDH)LCに対してプロットした場合、データポイントはすべて、2つのグループに分かれ、一方は、すべて遅い成長を表した細胞の4つのロットからなり、他方は、5つの成長が速いロットをすべて含有した(及びおそらく2継代目に偶然成長し過ぎた、成長が遅いロット)。これらの初めのデータは、Av(αSMA/LDH)LC値>100が、100%陽性的中率及び80%陰性的中率で且つ100%特異度及び83%感度で、大量培養物のその後の遅い成長を予測することを示唆した。
上記に記載される結果に基づいて、MSCの所定のロットについてのALCデータ及び成長性の間の最も有効な相関性を提供するために、それぞれのロット由来のコロニーについて得たALCデータを、2つの代表的な機能的パラメーターに整理した:(1)大きなコロニーのパーセンテージ及び(2)これらの大きなコロニーの平均αSMA/LDH値。データ整理のためにこの方法を使用して、10のロット由来のコロニーデータをプロットし、培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として、大きなコロニーにおけるAv(αSMA/LDH)LC(すなわち平均標準化αSMA)値を示す「Predictor Plot」上で比較した(図9A)。より高い成長性を有する細胞ロットは、大きなコロニーの高いパーセンテージ及び低いαSMA/LDH値を有することが予想され、したがって、Av(αSMA/LDH)LCが大きなコロニーのパーセンテージに対してプロットされる場合、値は、Predictor Plotの右下の領域にクラスター形成することが予想される。反対に、初期の成長が減速傾向にあるロットは、プロットの左上のエリアに位置する値を有することが予想される。
Av(αSMA/LDH)LCの予測値対大きなコロニーのパーセンテージのプロットについて試験するために、MSCの10のロットを3継代目まで大量培養で成長させ、αSMA、LDH、及び大きなコロニー(つまり、LDH値≧0.4mU/mlを有するコロニー)のパーセンテージを、それぞれのロットについて得た。次いで、Av(αSMA/LDH)LC値を、ロットのそれぞれについてLDH値に対してプロットした(図9A)。倍加時間を、10の大量培養物のそれぞれについて計算し、これらを図9Bに示す。
それぞれのロットについてのAv(αSMA/LDH)LC対大きなコロニーのパーセンテージ値を、その成長速度と比較した場合、結果は、Av(αSMA/LDH)LC対大きなコロニーのパーセンテージ値が、MSC細胞ロットの成長性を予測することを示した。たとえば、Av(αSMA/LDH)LC対大きなコロニーのパーセンテージ値が、図9Aにおけるプロットの左上の領域の最も近くにクラスター形成したMSCの3つのロット(ロットAC13、AC14、及びD122)は、最長の倍加時間を有するロットの中に入っていた(>4日間、図9B)。反対に、Av(αSMA/LDH)LC対大きなコロニーのパーセンテージ値が、図9Aにおけるプロットの右下の領域にクラスター形成したロットD121、D123、D127、及びD128は、最短の倍加時間を有するロットの中に入っていた(図9B)。

Claims (13)

  1. 骨髄懸濁液の複数のロットの中から、高い増殖力を有する間葉系間質細胞(MSC)のロットを選択するための方法であって、
    (A)低密度で、骨髄懸濁液のそれぞれのロット由来の細胞のサンプルを別々に平板培養すること;
    (B)単一コロニーを形成させるために、前記別々に平板培養された細胞を培養すること;
    (C)MSCのそれぞれのロットについて、
    (i)アルファ−平滑筋アクチン(αSMA)のレベル;及び
    (ii)それぞれの培養物中の大きなコロニーのパーセンテージ;ここで、前記大きなコロニーは:
    (a)4.0milliUnits/ml又はそれ以上のLDH活性のレベル有するか、又は
    (b)少なくとも1,000個の細胞を含有する、
    コロニーである;
    を測定すること;並びに
    (D)培養物が
    (i)他のロットと比較して低いレベルのαSMA及び
    (ii)他のロットと比較して高いパーセンテージの大きなコロニー
    を表す1又は複数のロットを選択すること、
    を含み、
    培養物が、試験されている他のロットと比較して、低いレベルのαSMA及び高いパーセンテージの大きなコロニーを有する前記1又は複数のロットは、高い増殖力を有する、方法。
  2. αSMAレベルは、コロニーを抗αSMA抗体と接触させ、前記抗体により前記コロニーの免疫活性を測定することによって決定される、請求項に記載の方法。
  3. αSMAレベルは、反応を示す抗αSMA抗体のng/mlとして表現される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. コロニーにおけるαSMAのレベルを前記コロニーの細胞の数に対して標準化することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記コロニーにおける細胞の数は、前記コロニーのLDH活性のレベルに相当する、請 求項に記載の方法。
  6. αSMAのレベルが大きなコロニーにおいて測定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記大きなコロニーについての標準化αSMA/LDH値は、前記培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として表現される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 100未満である大きなコロニーについての標準化αSMA/LDH値及び40%を超える大きなコロニーのパーセンテージを有する培養物は、高い増殖力を有するMSCのロットに相当する、請求項に記載の方法。
  9. ステップ(C)の測定は、ステップ(A)において前記細胞を平板培養した10日後に行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 高い増殖力を有する前記1又は複数のロットは、MSCの治療用誘導体を製造するためのプロセスにおいて使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 大量培養で高い増殖力を有する細胞を成長させることをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. Notch細胞内ドメインをコードする配列を含むポリヌクレオチドにより大量培養中の前記MSCをトランスフェクトすることをさらに含み、前記ポリヌクレオチドは、完全長Notchタンパク質をコードしない、請求項11に記載の方法。
  13. 高い増殖力を有する間葉系間質細胞(MSC)のロットを同定するための方法であって、
    (a)低密度でMSCのサンプルを平板培養すること;
    (b)単一のコロニーが形成されるようにMSCを培養すること;
    (c)それぞれのコロニーにおけるαSMAレベルを測定すること;
    (d)それぞれのコロニーにおけるLDH活性を測定すること;
    (e)大きなコロニーの数を決定すること;ここで、前記大きなコロニーは:
    (a)4.0milliUnits/ml又はそれ以上のLDH活性のレベル有するか、又は
    (b)少なくとも1,000個の細胞を含有する、
    コロニーである;
    (f)前記大きなコロニーについての平均αSMA/LDH値を得るために、前記大きなコロニーにおいてLDH活性のレベルに対してαSMAのレベルを標準化すること;及び
    (g)培養物中の大きなコロニーのパーセンテージの関数として、前記大きなコロニーについての平均αSMA/LDH値を表現することを含み、 低い平均αSMA/LDH値及び高いパーセンテージの大きなコロニーによって特徴付けられる培養物を提供するMSCのロットは、高い増殖力を有するロットである、方法。
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