JP6889750B2 - タービン用のディフューザダクト及びタービン - Google Patents
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Description
そのため、従来のタービンでは、排気ダクトにおいて下流側に向かうにつれて流路断面積が増加するような形状とすることで、圧力回復を大きくすることも行われることがある。
しかし、車両等に搭載される過給機では、過給機や排気ダクトの配置に対する制約から、タービンの近くで排気ダクトを比較的大きな角度で曲げなくてはならない場合もある(例えば特許文献1参照)。
タービンから排出される流体が流通可能な排気ダクトであって、
入口部と、
出口部と、
前記入口部と前記出口部との間に位置する流体の流路の曲がり部と、
を備え、
前記曲がり部は、前記曲がり部における前記排気ダクトの中心線の各々の流れ方向位置における曲率半径に沿った第1方向の寸法が下流側に向かうにつれて減少する流路高さ減少領域を含む。
したがって、上記(1)の構成によれば、流路高さ減少領域において上記第1方向の寸法が下流側に向かうにつれて減少するので、下流側に向かうにつれて内側壁面と外側壁面とが接近する。そのため、曲がり部において内側壁面からの排気ガスの流れの剥離が起こり難くなる。したがって、上記(1)の構成によれば、曲がり部の内側からの排気ガスの流れの剥離を抑制でき、実質的に有効となる流路断面積の減少を抑制できるので、排気ダクトにおける排気損失の増加を抑制できるとともに、圧力回復を大きくすることができる。
これに対し、上記(2)の構成によれば、曲がり部に流路高さ増加領域を含めることで、例えば下流側に向かって流路断面積が増加する領域において、下流側に向かうにつれて上述したような流路断面の偏平化が進行することを抑制できる。
前記曲がり部は、壁面のうち前記排気ダクトの前記中心線についての前記曲率半径の曲率中心に近い方の内側壁面に前記流路高さ減少領域と前記流路高さ増加領域とに跨って突出部が設けられており、
前記突出部は、前記出口部における前記排気ダクトの前記中心線を上流側に延長した直線との距離が極小となる部位を含む。
前記曲がり部は、流路断面積が前記下流側に向かうにつれて減少する流路断面積減少領域を含み、
前記流路高さ減少領域は、重複領域において少なくとも部分的に前記流路断面積減少領域と重複する。
これに対して、上記(7)の構成によれば、少なくとも重複領域において、壁面が楕円形状となるように流路の周方向に沿って滑らかに形成されるので、例えば矩形断面の流路における角部のように、異なる角度で2つの壁面が交差する部分がなく、実質的に有効となる流路断面積が減少してしまうおそれが少ない。
上記(8)の構成によれば、該角度が30度以上となる領域に流路高さ減少領域を設けたので、曲がり部の内側からの排気ガスの流れの剥離を効果的に抑制できる。
上記(9)の構成によれば、曲がり部における該角度が30度を超えるため内側壁面からの排気ガスの流れの剥離が起こり易くなるところ、上記(1)の構成を備えるので、曲がり部の内側からの排気ガスの流れの剥離を抑制できる。
タービンから排出される流体が流通可能な排気ダクトであって、
入口部と、
出口部と、
前記入口部と前記出口部との間に位置する曲がり部と、
を備え、
前記曲がり部は、下流側に向かって流れ方向位置が微小変化したときの各々の前記流れ方向位置における曲率半径に沿った第1方向の寸法の変化率が、前記流れ方向位置が微小変化したときの各々の前記流れ方向位置における流路断面積の平方根の変化率よりも小さい領域を有する。
上記(1)の構成において述べたように、上記(11)の構成においても、上記第1方向は曲がり部における排気ダクトの中心線の曲率半径に沿った方向である。したがって、曲がり部の壁面のうち、上記第1方向に沿って離間して互いに対向する一方の壁面(内側壁面)と他方の壁面(外側壁面)とは、内側壁面が上記中心線に対して上記曲率半径に関する内側に位置し、外側壁面が上記中心線に対して上記曲率半径に関する外側に位置することとなる。
したがって、上記(11)の構成によれば、下流側に向かうにつれて流路断面積が漸増する場合、該領域では、下流側に向かうにつれて、第1方向の寸法が第1方向に直交する方向の寸法に対して相対的に小さくなるように流路断面の扁平化が進行する。そのため、上記(11)の構成では、第1方向に直交する方向に離間して互いに対向する一対の壁面との離間距離に対する、内側壁面と外側壁面との離間距離は、下流側に向かうにつれて相対的に小さくなる。そのため、曲がり部において内側壁面からの排気ガスの流れの剥離が起こり難くなる。したがって、上記(11)の構成によれば、曲がり部の内側からの排気ガスの流れの剥離を抑制でき、実質的に有効となる流路断面積の減少を抑制できるので、排気ダクトにおける排気損失の増加を抑制できるとともに、圧力回復を大きくすることができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
幾つかの実施形態に係るターボチャージャ1は、例えば自動車などの車両に搭載されるエンジンの吸気を過給するための排気ターボ過給機である。
ターボチャージャ1は、ロータシャフト2を回転軸として連結されたタービンホイール(タービン動翼)3及び不図示のコンプレッサホイールと、タービン動翼3を回転自在に収容するケーシング(タービンハウジング)5と、コンプレッサホイールを回転自在に収容する不図示のコンプレッサハウジングとを有する。
幾つかの実施形態に係るタービン7は、タービン動翼3と、ケーシング5とを備える。
幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、排気ダクト100の出口側(下流側)の端部である出口フランジ103が排気ダクト100の下流の排気管21に接続されている。
なお、図1では、一実施形態に係る排気ダクト100の断面を模式的に示している。図2では、他の実施形態に係る排気ダクト100の断面を模式的に示している。図3では、さらに他の実施形態に係る排気ダクト100の断面を模式的に示している。
幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、排気ガスGの流れ方向に沿った位置(流れ方向位置P)のうち、排気ダクト100における曲がり始めの位置が入口部111の位置となり、排気ダクト100における曲がり終わりの位置が出口部113の位置となる。なお、幾つかの実施形態では、出口部113は、ディフューザダクトとしての役割を終えたところであってもよい。
幾つかの実施形態に係る排気ダクト100において、入口部111から出口部113までの区間を曲がり部110と呼ぶ。
以下の説明では、曲がり部110における角度に関し、曲がり部110における排気ダクト100の中心線AX1の接線L1とロータシャフト2の回転軸線AXrの延在方向とのなす角度θを用いて説明することとする。
なお、本稿において、無次元流路方向長さSとは、流れ方向位置Pを表すパラメータのことであり、入口フランジ101の位置を0とし、出口フランジ103の位置を1とする。
図1に示した排気ダクト100及び従来の排気ダクトでは、例えば入口部111における無次元流路方向長さSは0.05であり、出口部113における無次元流路方向長さSは0.67である。
したがって、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、流路高さ減少領域121において第1方向D1の寸法(流路高さH)が下流側に向かうにつれて減少するので、下流側に向かうにつれて内側壁面117と外側壁面118とが接近する。そのため、曲がり部110において内側壁面117からの排気ガスGの流れの剥離が起こり難くなる。したがって、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、曲がり部110の内側からの排気ガスGの流れの剥離を抑制でき、実質的に有効となる流路断面積の減少を抑制できるので、排気ダクト100における排気損失の増加を抑制できるとともに、圧力回復を大きくすることができる。
これに対し、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、例えば流路断面積増加領域133Aと流路高さ増加領域123Aとの重複領域142のように、曲がり部110に流路高さ増加領域123を含めることで、例えば流路断面積増加領域133において、下流側に向かうにつれて上述したような流路断面105の偏平化が進行することを抑制できる。
図2及び図3に示した実施形態に係る排気ダクト100では、突出部160は、出口部113における排気ダクト100の中心線AX1を上流側に延長した直線L3との距離aが極小となる部位(先端部)161を含む。
突出部160を設けることで、流路断面積Aを縮小させることができ、曲がり部110における排気ガスGの流速を局所的に増加させることができ、内側壁面117近傍の静圧を低下させることができる。これにより、曲がり部110の外側に偏った排気ガスGの流れを曲がり部110の内側に向かわせる効果が生じるので、曲がり部110の内側からの排気ガスGの流れの剥離を抑制できる。
したがって、図2に示した突出部160Aは、曲がり部110における突出部160Aよりも上流側及び下流側の内側壁面117よりも排気ダクト100の中心線AX1側に向かって突出することとなる。これにより、図2に示した突出部160Aによる流路断面積Aを縮小させる領域が局所的となり、排気ダクト100の損失増加を抑制できる。
なお、図2及び図3に示した突出部160における曲面163の曲率中心163aは、排気ダクト100の外部(曲がり部110の外部)に存在する。
これにより、少なくとも重複領域141において、流路高さHが流路幅Wよりも大きい場合と比べて、流路高さHを小さくできる。したがって、少なくとも重複領域141において、内側壁面117と外側壁面118とを接近させることができ、内側壁面117からの排気ガスGの流れの剥離が起こり難くなる。
これに対して、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、少なくとも重複領域141において、壁面116が楕円形状となるように流路の周方向に沿って滑らかに形成されるので、例えば矩形断面の流路における角部のように、異なる角度で2つの壁面が交差する部分がなく、実質的に有効となる流路断面積Aが減少してしまうおそれが少ない。
図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、角度θが30度以上となる領域に流路高さ減少領域121Bを設けたので、曲がり部110の内側からの排気ガスGの流れの剥離を効果的に抑制できる。
図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、曲がり部110における該角度が30度を超えるため内側壁面117からの排気ガスGの流れの剥離が起こり易くなるところ、上述したように曲がり部110が流路高さ減少領域121を含むので、曲がり部110の内側からの排気ガスGの流れの剥離を抑制できる。
これにより、外側壁面118と直線L3との距離bが下流側に向かうにつれて減少するような区間が存在する場合と比べて、排気ダクト100の損失を抑制できる。
なお、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、外側壁面118の内側の面118a、すなわち中心線AX1側を向いた面は、入口部111から出口部113にかけて滑らかな曲線で形成されている。また、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、外側壁面118の内側の面118aは、入口部111から出口部113にかけて突出部160のような突部が形成されていないことが望ましい。
図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、少なくとも流路断面積増加領域133Aと流路高さ減少領域121Aとの重複領域142において、上記変化率dH/dSが、上記変化率dA0.5/dSよりも小さい。
上述したように、流路高さH方向は曲がり部110における排気ダクト100の中心線AX1の曲率半径に沿った方向である。したがって、曲がり部110の壁面116のうち、内側壁面117が中心線AX1に対して上記曲率半径に関する内側に位置し、外側壁面118が中心線AX1に対して上記曲率半径に関する外側に位置することとなる。
したがって、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、下流側に向かうにつれて流路断面積Aが漸増する場合、上記変化率dH/dSが、上記変化率dA0.5/dSよりも小さくなる領域では、下流側に向かうにつれて、流路高さHが流路幅Wに対して相対的に小さくなるように流路断面105の扁平化が進行する。そのため、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、流路幅W方向に離間して互いに対向する一対の壁面との離間距離に対する、内側壁面117と外側壁面118との離間距離は、下流側に向かうにつれて相対的に小さくなる。そのため、曲がり部110において内側壁面117からの排気ガスGの流れの剥離が起こり難くなる。したがって、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係る排気ダクト100では、曲がり部110の内側からの排気ガスGの流れの剥離を抑制でき、実質的に有効となる流路断面積Aの減少を抑制できるので、排気ダクト100における排気損失の増加を抑制できるとともに、圧力回復を大きくすることができる。
例えば、図1から図3に示した幾つかの実施形態に係るタービン7は、ラジアルタービンであった。しかし、幾つかの実施形態に係るタービン7は、斜流タービンであってもよく、軸流タービンであってもよい。
7 タービン
100 排気ダクト
110 曲がり部
111 入口部
113 出口部
121 流路高さ減少領域
123 流路高さ増加領域
131 流路断面積減少領域
133 流路断面積増加領域
Claims (11)
- タービンから排出される流体が流通可能なディフューザダクトであって、
入口部と、
出口部と、
前記入口部と前記出口部との間に位置する流体の流路の曲がり部と、
を備え、
前記曲がり部は、
前記曲がり部における前記ディフューザダクトの中心線の各々の流れ方向位置における曲率半径に沿った第1方向の寸法が下流側に向かうにつれて減少する流路高さ減少領域と、
流路断面積が前記下流側に向かうにつれて増加する流路断面積増加領域とを含み、
前記流路高さ減少領域は、少なくとも部分的に前記流路断面積増加領域と重複する
タービン用のディフューザダクト。 - 前記曲がり部は、各々の前記流れ方向位置における前記第1方向の寸法が前記下流側に向かうにつれて増加する流路高さ増加領域を含む
請求項1に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記曲がり部は、壁面のうち前記ディフューザダクトの前記中心線についての前記曲率半径の曲率中心に近い方の内側壁面に前記流路高さ減少領域と前記流路高さ増加領域とに跨って突出部が設けられており、
前記突出部は、前記出口部における前記ディフューザダクトの前記中心線を上流側に延長した直線との距離が極小となる部位を含む
請求項2に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記突出部は、仮想的に前記突出部を除いた前記内側壁面の曲率半径よりも小さな曲率半径となる曲面を有する
請求項3に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記曲がり部は、流路断面積が前記下流側に向かうにつれて減少する流路断面積減少領域を含み、
前記流路高さ減少領域は、重複領域において少なくとも部分的に前記流路断面積減少領域と重複する
請求項1乃至4の何れか一項に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記流路断面積減少領域は、少なくとも前記重複領域において、各々の前記流れ方向位置における前記第1方向の寸法が前記第1方向と直交する第2方向の寸法よりも小さい
請求項5に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記流路断面積減少領域は、少なくとも前記重複領域において、流路断面が前記第1方向を短軸とし、前記第2方向を長軸とする楕円形状を有する
請求項6に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記流路高さ減少領域は、前記入口部における前記ディフューザダクトの前記中心線を前記下流側に延長した直線と前記曲がり部における前記ディフューザダクトの前記中心線についての接線とのなす角度が30度以上となる領域に存在する
請求項1乃至7の何れか一項に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記曲がり部は、前記曲がり部の上流側端部における前記ディフューザダクトの前記中心線と前記曲がり部の下流側端部における前記ディフューザダクトの中心線とのなす角度が30度を超えている
請求項1乃至8の何れか一項に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 前記曲がり部は、壁面のうち前記ディフューザダクトの前記中心線についての前記曲率半径の曲率中心から遠い方の外側壁面と前記出口部における前記ディフューザダクトの中心線を上流側に延長した直線との距離が前記下流側に向かうにつれて増加するように形成されている
請求項1乃至9の何れか一項に記載のタービン用のディフューザダクト。 - 請求項1乃至10の何れか一項に記載のディフューザダクトを備える
タービン。
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