以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子時計1の外観の一例を示す平面図である。本実施形態に係る電子時計1は、いわゆるアナログ腕時計の外観を有し、複数の電子機器である第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32と近距離無線通信を行う。近距離無線通信を行うための通信回路やアンテナは、外装(時計ケース)である胴内に納められている。近距離無線通信の規格は特に限定されず、公知のいかなるものであってもよいが、本実施形態ではBLEを用いる。そして、電子時計1は、近距離無線通信におけるブロードキャスタ(アドバタイザ)として機能する。電子時計1は、時刻針の時刻合わせや機能の使用に用いる竜頭2と、プッシュボタン4を有する。
電子時計1は、外装(時計ケース)である胴内に文字板10を有する。文字板10上には、電子時計1が第1携帯端末30等との接続を確立する処理を行っていることを表す接続処理表示11と、第1携帯端末30等との接続が切断されたことを表すリンクロス表示12と、第1携帯端末30等に電子メールの受信があったことを通知する電子メール受信表示13と、第1携帯端末30等に電話の着信があったことを通知する電話着信表示14とを有する。電子時計1は、接続処理表示11、リンクロス表示12、電子メール受信表示13及び電話着信表示14のいずれかを後述する秒針22により指し示すことで、ユーザに対しそれぞれの情報を表示する。
電子時計1は、第1副針15を有し、第1副針15により現在時刻を24時制で示す24時間表示15aを有する。また、電子時計1は、第2副針16を有し、第2副針16により二次電池の充電残量を「0」〜「3」の4段階で示す充電残量表示16aと、第2副針16により現在の曜日を「日」〜「土」で示す曜日表示16bと、第2副針16によりアラーム機能の設定を「ON」又は「OFF」で示すアラーム設定表示16cと、第2副針16により第1携帯端末30等との近距離無線通信による接続状態を「ON」又は「OFF」で示す接続状態表示16dと、を有する。また、電子時計1は、第3副針17を有し、第3副針17で「TME」を指すことにより現在時刻表示機能が設定されていることを示し、第3副針17で「CHR」を指すことによりクロノグラフ機能が設定されていることを示し、第3副針17で「ALM」を指すことによりアラーム機能の設定状態にあることを示し、第3副針17で「L−TM」を指すことによりローカル時刻表示機能が設定されていることを示す、機能設定表示17aを有する。
電子時計1は、動力源により駆動される複数の時刻針を有する。具体的には、電子時計1は、時刻針として、ステッピングモータにより駆動される時針20、分針21及び秒針22を有する。もっとも、電子時計1は、これら以外の指針を時刻針として有してもよい。また、時刻針は何らかの時刻を指し示すためのアナログ表示部材であり、代表的なものは指針であるが、特殊なものとして、回転円板や、レトログラードなども時刻針に含まれ得る。
電子時計1には、文字板10を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防が胴に取り付けられている。また、風防の反対側においては裏蓋が胴に取り付けられている。本明細書では、以降、電子時計1の風防が配置される方向(図1における紙面手前方向)を表側、裏蓋が配置される方向(図1における紙面奥方向)を裏側と呼ぶ。
図1に示した電子時計1のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭2やプッシュボタン4の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針20、分針21、秒針22、第1副針15、第2副針16及び第3副針17の計6本としているが、これに限定されず、各種の表示を行う指針を追加又は削除してもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信制御システム100の機能ブロック図である。通信制御システム100は、電子時計1と、第1携帯端末30と、第2携帯端末31と、第3携帯端末32と、を含み、電子時計1と第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32との通信の制御を行うシステムである。なお、本実施形態では、通信制御システム100に含まれる複数の電子機器として、第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32の3台の携帯端末を例示するが、通信制御システム100に含まれる電子機器の台数は3台に限られず、任意の台数でよい。ただし、電子機器が1台のみの場合には、本実施形態の構成は必ずしも必要ではないため、本実施形態に係る通信制御システム100は、電子機器が2台以上存在する場合に有用である。また、本明細書において、電子機器とは、電子時計1と近距離無線通信により情報通信を行うことができる機器を指しており、その携帯の有無は問題ではない。また、電子機器は通常、コンピュータとしての基本的な構成を有しているものと考えられるが、その外観や機能が必ずしも一般的なコンピュータ様のものである必要はない。一般的な携帯端末であるスマートフォンやタブレット端末、携帯電話や、通常のパーソナルコンピュータは電子機器足り得る。そして、電子機器は、近距離無線通信におけるオブザーバ(スキャナ)として機能する。以下では、第1携帯端末30の機能ブロックについて説明し、第1携帯端末30と同様の構成を有する第2携帯端末31及び第3携帯端末32の機能ブロックの説明は省略する。
第1携帯端末30は、入力部50と、表示部51と、端末制御部52と、対応関係記憶部53aと、端末通信部54と、を有する。入力部50は、第1携帯端末30のユーザの操作を受け付けて、第1携帯端末30の端末制御部52に入力を行うものであり、例えばタッチパネルである。表示部51は、ユーザに種々の情報を表示するものであり、例えば液晶表示装置である。
端末制御部52は、CPU(Central Processing Unit)を含み、第1携帯端末30全体を制御する。端末制御部52は、対応判定部52aと、非対応判定部52bと、対応関係更新部52cと、対応関係表示部52dと、対応関係編集部52eと、を含む。対応判定部52aは、電子時計1から送信されたブロードキャストメッセージに含まれる一の時計識別子と自機の機器識別子が対応付けられている場合に対応と判定する。ここで、時計識別子とは、互いに区別可能な符号であり、本実施形態では複数の異なる数である。また、機器識別子とは、電子機器に固有の識別子であり、本実施形態では複数の異なる文字列である。非対応判定部52bは、複数の時計識別子のいずれにも自機の機器識別子が対応付けられておらず、且つブロードキャストメッセージに含まれる一の時計識別子に機器識別子が対応付けられていない場合に非対応と判定する。対応関係更新部52cは、非対応判定部52bが非対応と判定した場合に接続が確立された場合に、一の時計識別子と自機の機器識別子とを対応づけて対応関係を更新し、対応関係記憶部53aに記憶する。また、対応関係更新部52cは、ブロードキャストメッセージに含まれる対応関係により、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を更新する。対応関係表示部52dは、複数の時計識別子と、それぞれの時計識別子に対応づけられた機器との対応関係を表示部51に表示させる。対応関係編集部52eは、入力部50からの入力に応じて、対応関係を編集する。
対応関係記憶部53aは、少なくとも一の時計識別子と、少なくとも自機の機器識別子との対応関係を記憶する。また、対応関係記憶部53aは、一の時計識別子と、自機の機器識別子との対応関係に加え、複数の時計識別子と、他機の機器識別子との対応関係を記憶する。具体的には、対応関係記憶部53aは、複数の時計識別子と第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32それぞれの機器識別子との対応関係を記憶する。なお、第1携帯端末30は対応関係記憶部53aを有し、第2携帯端末31は対応関係記憶部53bを有し、第3携帯端末32は対応関係記憶部53cを有する。
端末通信部54は、受信部54aと、接続確立部54bと、対応関係送信部54cと、を含む。受信部54aは、電子時計1から送信されたブロードキャストメッセージを受信する。接続確立部54bは、対応判定部52aが対応と判定した場合に、電子時計1との接続を確立する。また、接続確立部54bは、さらに非対応判定部52bが非対応と判定した場合に、電子時計1との接続を確立する。対応関係送信部54cは、少なくとも対応関係更新部52cにより対応関係が更新された場合に、当該対応関係を電子時計1に送信する。対応関係送信部54cは、さらに対応関係編集部52eにより対応関係が編集された場合にも当該対応関係を電子時計1に送信する。
電子時計1は、竜頭2及びプッシュボタン4と、時計識別子記憶部60と、時計制御部61と、時針20、分針21及び秒針22と、時計通信部62と、時計側対応関係記憶部63と、を含む。時計識別子記憶部60は、互いに異なる複数の時計識別子を記憶する。
時計制御部61は、時計識別子表示部61aと、時計識別子選択部61bと、を含む。時計識別子表示部61aは、時針20、分針21及び秒針22の少なくともいずれかによって、時計識別子選択部61bにより選択された一の時計識別子を表示する。時計識別子選択部61bは、複数の時計識別子のうち一の時計識別子を選択する。
時計通信部62は、送信部62aと、対応関係受信部62bと、を含む。送信部62aは、選択された時計識別子を含むブロードキャストメッセージを送信する。また、送信部62aは、時計側対応関係記憶部63に記憶された対応関係をさらに含むブロードキャストメッセージを送信する。対応関係受信部62bは、電子機器から送信された対応関係を受信する。
時計側対応関係記憶部63は、電子機器から送信された対応関係を記憶する。第1携帯端末30の対応関係記憶部53a、第2携帯端末31の対応関係記憶部53b、第3携帯端末32の対応関係記憶部53c及び時計側対応関係記憶部63に記憶される情報の内容については、次図を用いて詳しく説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第1の例を示す図である。本例で示す時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53b及び第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。通信制御システム100の記憶部がこのような状態にある場合に、電子時計1と第1携帯端末30との接続がどのように確立されるかについて、次図を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る通信制御システム100における電子時計1と第1携帯端末30の接続のフローチャートである。同図に示すフローチャートは、通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係が、図3に示す第1の例の場合に行なわれるものである。電子時計1の時計識別子選択部61bは、ユーザによる竜頭2及びプッシュボタン4の操作に基づいて、時計識別子記憶部60に記憶された複数の識別子(本実施形態の場合、第1時計識別子〜第3時計識別子)のうち一の時計識別子を選択する(S1)。ここでは、仮に第1時計識別子が選択されたものとする。送信部62aは、選択された第1時計識別子を含むブロードキャストメッセージを送信する(S2)。ここで、送信部62aによる送信は、送信先を限定しないブロードキャスト(アドバタイジング)により行う。
第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32は、電子時計1により送信されたブロードキャストメッセージを受信する。ここでは、第1携帯端末30の受信部54aによりブロードキャストメッセージが受信された場合に着目する(S3)。
第1携帯端末30の対応判定部52aは、ブロードキャストメッセージに含まれる第1時計識別子が第1携帯端末30の機器識別子に対応付けられているか判定する(S4)。本例の場合、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係が記憶されているから、対応判定部52aは、ブロードキャストメッセージに含まれる第1時計識別子と自機の機器識別子に対応付けられていると判定し(S4:Y)、接続確立部54bにより電子時計1に接続要求を送信する(S5)。電子時計1は、接続要求を受信して(S6)、第1携帯端末30との接続を確立する(S7)。なお、ここでいう接続の確立とは、2つの通信機器間で、互いに通信相手を特定した状態で情報のやり取りを行うことを指している。本実施形態に係る通信制御システム100のように、BLEを使用している場合、以降の通信を、第1携帯端末30をセントラルとし、電子時計1をペリフェラルとして行う場合は接続が確立された場合に該当する。あるいは、第1携帯端末30が電子時計1の第1時計識別子を指定して情報送信し、それに対して、電子時計1が引き続き第1時計識別子によるブロードキャストメッセージを用いて必要な通信情報を第1携帯端末30に返信する場合もまた、ここでいう接続が確立された場合に相当する。
本実施形態に係る通信制御システム100によれば、電子時計1に複数の時計識別子が記憶されることで、ある時計識別子とある電子機器との対応関係が確立された場合であっても、当該対応関係を維持したまま、他の時計識別子と他の電子機器との対応関係を確立することができる。例えば、本例の場合、電子時計1に第1時計識別子と第1携帯端末30との対応関係が記憶されているが、第2時計識別子及び第3時計識別子と他の電子機器との対応関係を独立して記憶することができる。また、複数の電子機器がそれぞれ対応判定部52aを有することで、電子時計1側で選択された時計識別子に対応する電子機器のみが電子時計に対して接続要求を送信することとなり、その他の電子機器は時計識別子を受信したとしても電子時計に対して接続要求を送信しない。本例の場合、電子時計1で第1時計識別子が選択され、第1時計識別子が第2携帯端末31及び第3携帯端末32により受信された場合、第2携帯端末31及び第3携帯端末32は第1時計識別子が自機に対応するものでないと判定して、電子時計1に対して接続要求を送信しない。以上のように、本実施形態に係る通信制御システム100によれば、ユーザは、電子時計1側で接続対象とする電子機器を選択できる。
本実施形態に係る通信制御システム100によれば、電子機器の対応関係記憶部に自機の機器識別子に関する対応関係だけでなく、他機の機器識別子に関する対応関係が記憶されることで、電子時計1との接続対象として他機が選択されている場合に、自機が接続対象となっていないことを明確に判定できる。これにより、複数の電子機器が同一のブロードキャストメッセージを受信した場合であっても、接続対象とされた電子機器のみが接続を確立することができる。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る通信制御システム100における新規接続のフローチャートである。同図に示すフローチャートは、通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係が、図3に示す第1の例の場合に行なわれるものである。電子時計1の時計識別子選択部61bは、ユーザによる竜頭2及びプッシュボタン4の操作に基づいて、第2時計識別子を選択する(S8)。送信部62aは、選択された第2時計識別子を含むブロードキャストメッセージを送信する(S9)。ここで、ブロードキャストメッセージは、選択されていない第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係を含んでよい。
第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32は、電子時計1により送信されたブロードキャストメッセージを受信する。ここでは、第2携帯端末31の受信部54aによりブロードキャストメッセージが受信された場合に着目する(S10)。
第2携帯端末31の非対応判定部52bは、第1〜3時計識別子のいずれにも自機の機器識別子が対応付けられておらず、且つブロードキャストメッセージに含まれる第2時計識別子に機器識別子が対応付けられていないか判定する(S11)。本例の場合、第2携帯端末31の機器識別子は、いずれの時計識別子にも対応付けられておらず、且つ第2時計識別子はいずれの機器識別子にも対応付けられていない。よって、非対応判定部52bは、非対応と判定する(S11:Y)。
第2携帯端末31の接続確立部54bは、非対応判定部52bにより非対応と判定された場合、電子時計1との接続を確立すべく、接続要求を送信する(S12)。電子時計1は、接続要求を受信して(S13)、第2携帯端末31との接続を確立する(S14)。なお、この例で、先の第1携帯端末30もまたブロードキャストメッセージを受信していたとしても、第1携帯端末30の非対応判定部52bは、第1時計識別子に既に自機の機器識別子が対応付けられていることから、非対応と判定しない(S11:N)。そのため、第1携帯端末30の接続確立部54bは接続要求を行わず、かかるブロードキャストメッセージには特段の応答はしない。したがって、第1携帯端末30と第2携帯端末31による2重接続がなされることはない。
第2携帯端末31の対応関係更新部52cは、非対応判定部52bが非対応と判定し、電子時計1との接続が確立された場合に、選択された第2時計識別子と自機の機器識別子とを対応づけて対応関係を更新し、対応関係記憶部53bに記憶する(S15)。そして、第2携帯端末31の対応関係送信部54cは、対応関係更新部52cにより対応関係が更新された場合に、当該対応関係を電子時計1に送信する(S16)。その後、図中「A」で示す処理がなされてもよく、当該処理については後に詳細に説明する。
電子時計1は、対応関係受信部62bにより更新された対応関係を第2携帯端末31から受信し(S17)、時計側対応関係記憶部63に記憶された対応関係を更新する(S18)。
図6は、本発明の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第2の例を示す図である。本例で示す記憶部の状態は、図5のフローチャートで示す処理が行なわれた後の状態であり、電子時計1と第2携帯端末31との接続が確立されており、電子時計1と第1携帯端末30との接続及び電子時計1と第3携帯端末32との接続は確立されていない状態である。同図に破線で示す両矢印は、電子時計1と第2携帯端末31(対応関係記憶部53bを有する電子機器)との接続を示している。
本例の時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53bには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。
本実施形態に係る通信制御システム100によれば、電子時計1と電子機器の接続が新たに確立された場合に、電子時計1側で当該電子機器を接続対象として選択できるようになる。例えば、本例の場合、電子時計1と第2携帯端末31との接続が新たに確立されたことにより、時計側対応関係記憶部63に第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子との対応関係が新たに記憶され、第2携帯端末31との接続を選択できるようになる。
また、本実施形態に係る通信制御システム100によれば、電子時計1によって、複数の時計識別子と複数の機器識別子との対応関係を一括して管理できる。例えば、本例の場合、電子時計1と第1携帯端末30との接続が確立された後、電子時計1と第2携帯端末31との接続が新たに確立されたことにより、時計側対応関係記憶部63に第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係に加えて、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子との対応関係が新たに記憶された。このように、新規に接続が確立された場合、時計側対応関係記憶部63には、最新の対応関係が記憶されこととなり、電子時計1によって、複数の時計識別子と複数の機器識別子との対応関係が一括管理される。
また、本実施形態に係る通信制御システム100によれば、電子時計1によって、選択された識別子だけでなく、選択されていない1又は複数の識別子と複数の電子機器との対応関係をもブロードキャストメッセージに含めることで、接続対象としていない電子機器に対して、接続対象となっていないことを明確に通知できる。例えば、本例の場合、電子時計1は、選択された第2時計識別子をブロードキャストメッセージに含めるとともに、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係をもブロードキャストメッセージに含めることができる。第1携帯端末30が当該ブロードキャストメッセージを受信した場合、選択された第2時計識別子が自機に対応するものでないと判定することに加えて、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係が送信されていることから、自機が接続対象とされていないことを明確に判定することができる。
また、本実施形態に係る通信制御システム100によれば、複数の電子機器がそれぞれ対応関係を記憶することで、電子時計1で選択された識別子がいずれの電子機器に対応するものかが複数の電子機器それぞれで独立に判定され、自機以外のいずれの電子機器が接続対象となっているかが判定される。例えば、本例の場合、電子時計1は、選択された第2識別子をブロードキャストメッセージに含めるとともに、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係をもブロードキャストメッセージに含めて、第2携帯端末31は、第2時計識別子と自機の機器識別子との対応関係の他、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係を記憶する。そのため、仮に電子時計1によって第1時計識別子が選択されてブロードキャストメッセージが送信され、第2携帯端末31が当該メッセージを受信した場合であっても、第2携帯端末31は第1時計識別子が第1携帯端末30の機器識別子に対応するものであると判定し、電子時計1に対して接続要求を送信することはない。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100の機能ブロック図である。本実施形態に係る通信制御システム100は、電子時計1と、第1携帯端末30と、第2携帯端末31と、第3携帯端末32と、通信管理サーバ40と、を含み、電子時計1と第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32との通信の制御を行うシステムである。本実施形態に係る通信制御システム100は、通信管理サーバ40を含む点で第1の実施形態に係る通信制御システム100と相違する。また、本実施形態に係る第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32の構成の一部は、第1の実施形態の場合と相違する。以下では、第1の実施形態の場合との相違点について詳しく説明し、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略する。
第1携帯端末30の端末制御部52は、対応関係削除部52fを含む。対応関係削除部52fは、通信管理サーバ40から送信された削除通知を受信した場合に、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を削除する。
第1携帯端末30の端末通信部54は、削除通知受信部54eを含む。削除通知受信部54eは、通信管理サーバ40から送信された削除通知を受信する。また、対応関係送信部54cは、少なくとも対応関係更新部52cにより対応関係が更新された場合に、当該対応関係を通信管理サーバ40に送信する。また、対応関係受信部54dは、通信管理サーバ40から送信される対応関係を受信する。また、対応関係更新部52cは、さらに、対応関係受信部54dにより受信した対応関係により、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を更新する。
本実施形態に係る電子時計1は、図1に示す外観を有し、第1の実施形態の場合と同様の構成を有する。
通信管理サーバ40は、サーバ側対応関係受信部41と、サーバ側対応関係送信部42と、削除通知送信部43と、サーバ側対応関係記憶部44と、を有する。サーバ側対応関係受信部41は、電子機器から対応関係を受信する。サーバ側対応関係送信部42は、少なくとも、対応関係が更新された場合に、対応関係に含まれる電子機器に対し、更新後の対応関係を送信する。削除通知送信部43は、対応関係が更新された場合に、当該対応関係から削除された機器識別子を有する電子機器に対し、同機器が当該対応関係から削除されたことを示す削除通知を送信する。サーバ側対応関係記憶部44は、対応関係を記憶する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第1の例を示す図である。本例で示す記憶部の状態は、電子時計1及び第2携帯端末31について図5のフローチャートで示す新規接続処理が行なわれた後の状態であり、電子時計1と第2携帯端末31との接続が確立されており、電子時計1と第2携帯端末31との接続及び電子時計1と第3携帯端末32との接続は確立されていない状態である。同図に破線で示す両矢印は、電子時計1と第2携帯端末31(対応関係記憶部53bを有する電子機器)との接続を示している。
本例の時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53bには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。また、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44には、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100における対応関係の同期処理を示す第1のフローチャートである。本フローチャートで示される処理は、図5に示すフローチャートの「A」以降に行なわれる処理である。ただし、本フローチャートで示される処理は、独立に行なわれてもよい。
第2携帯端末31の対応関係送信部54cは、少なくとも対応関係更新部52cにより対応関係が更新された場合に、当該対応関係を通信管理サーバ40に送信する(S19)。本例の場合、対応関係更新部52cにより第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子との対応関係が新たに加えられたため、対応関係送信部54cは、当該対応関係を通信管理サーバ40に送信する。
通信管理サーバ40のサーバ側対応関係受信部41は、第2携帯端末31から送信された対応関係を受信する(S20)。また、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44は、受信した対応関係送を記憶する(S21)。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第2の例を示す図である。本例で示す記憶部の状態は、図9のフローチャートで示す同期処理が行なわれた後の状態である。同図に破線で示す片矢印は、第2携帯端末31から通信管理サーバ40に対応関係が送信されたことを示している。なお、本例において、電子時計1と第2携帯端末31との接続が確立されており、電子時計1と第2携帯端末31との接続及び電子時計1と第3携帯端末32との接続は確立されていない。また、同図に破線で示す両矢印は、電子時計1と第2携帯端末31(対応関係記憶部53bを有する電子機器)との接続を示している。
本例の時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53bには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。また、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44には、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子いずれについても対応する機器識別子が記憶されていない。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システムにおける対応関係の同期処理を示す第2のフローチャートである。同図で示す処理は、通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶された対応関係が、図10で示す第2の例である場合に行なわれる処理である。
通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子との対応関係及び第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子との対応関係が記憶されており、サーバ側対応関係送信部42は、当該対応関係を第1携帯端末30に送信する(S30)。同様に、サーバ側対応関係送信部42は、対応関係を第2携帯端末31に送信し(S31)、対応関係を第3携帯端末32に送信する(S32)。第1携帯端末30は、通信管理サーバ40から対応関係を受信して(S33)、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を更新する(S34)。同様に、第2携帯端末31は、通信管理サーバ40から対応関係を受信して(S35)、対応関係記憶部53bに記憶された対応関係を更新する(S36)。また、第3携帯端末32は、通信管理サーバ40から対応関係を受信して(S37)、対応関係記憶部53cに記憶された対応関係を更新する(S38)。このような処理が行なわれた後の各記憶部の内容を図12に示す。なお、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係送信部42は、少なくとも、対応関係が更新された場合に、対応関係に含まれる電子機器に対し、更新後の前記対応関係を送信するが、対応関係が更新されていない場合であっても、最新の対応関係を電子機器に対し送信してもよい。サーバ側対応関係送信部42は、例えば、定期的に対応関係を電子機器に対し送信してもよい。また、サーバ側対応関係送信部42は、対応関係に含まれない電子機器に対し、最新の対応関係を送信してもよい。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第3の例を示す図である。本例で示す記憶部の状態は、図11のフローチャートで示す同期処理が行なわれた後の状態である。同図に破線で示す3つの片矢印は、通信管理サーバ40から第1携帯端末30、第2携帯端末31及び第3携帯端末32それぞれへ対応関係が送信されたことを示している。なお、本例において、電子時計1と第2携帯端末31との接続が確立されており、電子時計1と第1携帯端末30との接続及び電子時計1と第3携帯端末32との接続は確立されていない。また、同図に破線で示す両矢印は、電子時計1と第2携帯端末31(対応関係記憶部53bを有する電子機器)との接続を示している。
本例の時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53bには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子と第2携帯端末31の機器識別子の対応関係が記憶されており、第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。
本実施形態に係る通信制御システム100によれば、通信管理サーバ40が複数の電子機器から対応関係を受信し、対応関係を記憶し、複数の電子機器に対応関係を送信することで、複数の電子機器に記憶される対応関係を同期することができる。これにより、電子時計と接続実績の無い電子機器であっても、電子時計からブロードキャストメッセージを受信した場合に、自機が接続対象とされているか否かを判定できる。
図13は、本発明の実施形態に係る第1携帯端末30の表示部51に表示される画面例である。同図に示す画面例は、対応関係51aと、削除ボタン51bと、選択ガイドライン51cと、を含む。第1携帯端末30は、対応関係表示部52dにより、複数の識別子ごとに対応関係51aを表示部51に表示させる。表示部51に表示された対応関係51aは、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係の内容を表しており、第1時計識別子について対応する機器識別子が第1携帯端末30と表示され、第2時計識別子について対応する機器識別子が第2携帯端末31と表示され、第3時計識別子について対応する機器識別子が表示されていない。機器識別子の表示欄には、それぞれ削除ボタン51bが表示されている。
第1携帯端末30の対応関係編集部52eは、入力部50からの入力に応じて、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を編集する。ユーザは、タッチパネル等の入力部50を用いて、例えば第3時計識別子に対応する機器識別子として第3携帯端末32を設定することができる。また、対応関係削除部52fは、選択された対応関係を対応関係記憶部53aから削除する。対応関係の選択は、削除ボタン51bの押下により行なわれてよく、図13では、第2時計識別子の削除ボタン51bが押下された場合を示している。削除ボタン51bが押下されて、第2時計識別子に対応する機器識別子が第2携帯端末31であるという対応関係が対応関係記憶部53aから削除された場合の処理については、図14及び図15を用いて詳細に説明する。
図13に示す画面例には、複数の時計識別子の選択ガイドライン51cが含まれる。電子時計1のユーザは、複数の時計識別子のうち一の時計識別子を竜頭2及びプッシュボタン4を用いて選択するが、その際、時計識別子表示部61aは、秒針22により、一時方向、二時方向及び三時方向のいずれかを指し、選択中の時計識別子を目視できるようにする。選択ガイドライン51cは、一時方向が第1時計識別子の選択に対応し、二時方向が第2時計識別子の選択に対応し、三時方向が第3時計識別子の選択に対応することを表している。もっとも、時計識別子表示部61aは、分針21や第1副針15等、秒針22以外の指針により選択中の識別子を表示してもよいし、指針の指示方向と複数の識別子の対応はここに示したもの以外であってもよい。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る通信制御システム100における対応関係の削除処理のフローチャートである。同図で示す処理は、通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶された対応関係が、図12で示す第3の例である場合に行なわれる処理であり、第1携帯端末30の表示部51に表示された削除ボタン51bが押下されて、第2時計識別子に関する対応関係の削除が指示された場合に行なわれる処理である。
第1携帯端末30の対応関係削除部52fは、選択された対応関係を対応関係記憶部53aから削除する(S40)。ここで、選択された対応関係とは、削除ボタン51bの押下により選択された第2時計識別子に関する対応関係である。
第1携帯端末30は、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を電子時計1に送信する(S41)。ここで、送信される対応関係は、第1時計識別子に対応する機器識別子が第1携帯端末30であること、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は設定されていないこと、である。
電子時計1は、第1携帯端末30から対応関係を受信し(S42)、時計側対応関係記憶部63に対応関係を更新する(S43)。また、第1携帯端末30は、対応関係記憶部53aに記憶された対応関係を通信管理サーバ40に送信する(S44)。ここで送信される対応関係は、第1時計識別子に対応する機器識別子が第1携帯端末30であること、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は設定されていないこと、である。
通信管理サーバ40は、第1携帯端末30から対応関係を受信し(S45)、受信した対応関係に基づいてサーバ側対応関係記憶部44に記憶された対応関係を更新する(S46)。具体的には、通信管理サーバ40は、第1携帯端末30により削除対象として選択された第2時計識別子に関する対応関係をサーバ側対応関係記憶部44から削除する。
通信管理サーバ40の削除通知送信部43は、対応関係が更新された場合に、当該対応関係から削除された機器識別子を有する電子機器に対し、同機器が当該対応関係から削除されたことを示す削除通知を送信する(S47)。ここで、対応関係から削除された機器識別子を有する電子機器とは、削除ボタン51bの押下により選択された第2時計識別子に対応する第2携帯端末31である。
第2携帯端末31は、通信管理サーバ40から削除通知を受信する(S48)。第2携帯端末31の対応関係削除部52fは、削除通知に基づいて、対応関係記憶部53bに記憶された全ての対応関係を削除する(S49)。具体的には、第2携帯端末31は、対応関係記憶部53bに記憶された全ての対応関係を削除し、第1時計識別子〜第3時計識別子に対応する機器識別子が記憶されていない状態とする。なお、本例の削除通知は、第2時計識別子に対応付けられた機器識別子の削除を通知するものだが、対応関係削除部52fは、自機の機器識別子が含まれない対応関係を受信した場合に、当該対応関係を削除通知と判断して、対応関係を削除することとしてもよい。
また、通信管理サーバ40は、サーバ側対応関係記憶部44に記憶された対応関係を、第3携帯端末32に送信する(S50)。第3携帯端末32は、対応関係を通信管理サーバ40から受信して(S51)、対応関係記憶部53cに記憶された対応関係を更新する(S52)。具体的には、第3携帯端末32は、第2時計識別子に対応する機器識別子を削除する。
図15は、本発明の実施形態に係る通信制御システム100に含まれる記憶部に記憶される対応関係の第4の例を示す図である。本例で示す記憶部の状態は、図14のフローチャートで示す削除処理が行なわれた後の状態である。同図に破線で示す4つの片矢印は、第1携帯端末30から電子時計1へ対応関係が送信されたことと、第1携帯端末30から通信管理サーバ40へ対応関係が送信されたことと、通信管理サーバ40から第2携帯端末31へ削除通知が送信されたことと、通信管理サーバ40から第3携帯端末32へ対応関係が送信されたことと、を示している。
本例の時計側対応関係記憶部63には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。第2携帯端末31の対応関係記憶部53bには、第1時計識別子、第2時計識別子及び第3時計識別子のいずれにも対応する機器識別子が記憶されていない。第3携帯端末32の対応関係記憶部53cには、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。また、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44には、第1時計識別子と第1携帯端末30の機器識別子の対応関係が記憶されており、第2時計識別子及び第3時計識別子に対応する機器識別子は記憶されていない。
本実施形態に係る通信制御システム100によれば、複数の電子機器がそれぞれ対応関係編集部52eを有し、通信管理サーバ40がサーバ側対応関係記憶部44を有することにより、一の電子機器で行なわれた対応関係の編集が通信管理サーバ40に記憶され、通信管理サーバ40から他の電子機器に同期される。図14に示す例の場合、ユーザは、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aに記憶された第2時計識別子に関する対応関係を削除することで、通信管理サーバ40のサーバ側対応関係記憶部44に記憶された対応関係を更新することができる。そのため、通信管理サーバ40を介して、第2携帯端末31の対応関係記憶部53b及び第3携帯端末32の対応関係記憶部53cの内容を第1携帯端末30と同期させることができる。このように、ユーザは、一の電子機器に記憶された対応関係を編集することで、他の電子機器に記憶された対応関係をも併せて編集できる。
また、本実施形態に係る通信制御システム100によれば、通信管理サーバ40が削除通知送信部43を有することにより、削除通知の送信対象である電子機器を電子時計との接続対象から除外することができる。図14に示す例の場合、ユーザは、第1携帯端末30の対応関係記憶部53aに記憶された第2時計識別子に関する対応関係を削除することで、通信管理サーバ40を介して、第2携帯端末31の対応関係記憶部53bに記憶された全ての対応関係を削除できる。ユーザは、第2携帯端末31を電子時計1との接続対象から除外したい場合に、第2携帯端末31を直接操作する必要がなく、複数の電子機器いずれからでも接続対象の除外が可能となる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。例えば、上述の実施形態で使用する機器として、電子時計を対象として説明したが、本発明は電子時計に限定されることなく、より一般的な電子時計に適用されてもよい。また、電子時計と通信する機器は携帯機器に限定されず、一般的な電子機器、例えば据え置き型の電子機器であってもよい。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。