JP6889169B2 - 磁界内の荷電粒子を制御するための装置及び方法 - Google Patents

磁界内の荷電粒子を制御するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、科学的分析装置の構成要素に関する。より具体的には、本発明は、磁界内の、例えば電子増倍管内の、移動粒子の制御を向上させるための装置及び方法に関する。
荷電粒子の運動を制御する能力は、多くの科学的機器の動作にとって重要である。典型的に、別々の電界及び磁界を使用して、移動粒子の経路を標的に向かって偏向させる。電子を例にとってみると、これらの粒子は、負に帯電し、磁気双極モーメントを有し、故に、進行経路に影響を及ぼす目的で、電界及び磁界に露出させることができる。概して、電界及び磁界の強さ及び配向は、標的表面に向かって運動中の電子を正確に偏向させるように設定される。
しかし、電子増倍管は、電子の運動を制御するために電界及び磁界を使用する1つの例である。これらの構成要素は、イオン化された種の質量分析計内の検出器への衝突等の、荷電粒子の表面への衝突によって生じる二次電子信号を増幅するように構成される。各荷電粒子の衝突は、検出器のダイノードから(典型的に)2つ以上の二次電子の放射を生じさせる。これらの二次電子は、第2のダイノードに向かって方向付けられ、衝突時にさらなる二次電子を放出する。このようにして一連のダイノードを使用することによって、電子信号は、基本単位(1.602x10−19クーロン)の入射電子電荷の衝突が、最終標的電極において従来の電子機器による測定に十分である電流を生じさせることができるように、幾何学的に増幅される。
標的表面に当たったときの自由電子の時間的、空間的、及びエネルギー的な分布は、印加された電界及び磁界両方の強度及び方向の変動によって部分的に決定される。
電界を提供するために使用される導電性材料は、通常、極めて一様な電界を提供するように十分に均一である。しかしながら、磁界を提供するために従来使用されている強磁性材料は、磁界の比較的大きい変動につながる局所的不均一性(及び、特に、磁石表面の不均一性)を含む。これらの変動は、電子の若干の損失を実質的に回避できない程度に著しく、信号損失につながる。
したがって、電子パルスの空間的、時間的、及びエネルギー的な分布を正確に制御する能力は、現在、強磁性材料を構成する結晶粒の透磁率の変動から生じる磁界の自然な局所的変動によって限定されている。
均一性によって生じる磁界の局所的変動から全く離れるが、従来使用されている磁石に関するさらなる問題は、磁石の幾何学的形状によるN−S界方向のわずかな(しかし、実際には相当な)位置ずれである。例えば、長方形角柱状の磁石において、界方向は、磁石の物理的な軸から数度逸脱し得る。この逸脱は、電子の損失につながり得る。故に、いくつかの状況においては、磁石の物理的な軸と整列するように磁石の磁界を変動させることが望ましく、これが、電子のより良好な制御をもたらす。
磁界を変える能力はまた、電子の動きをより効果的に制御するように、湾曲した界の線をまっすぐにする(または、少なくとも部分的にまっすぐにする)ために利用することもできる。その反対に、界の線の一部分が本質的に線状の場合(2つの極の間の中央領域等において)は、界の線を湾曲させることが望ましくなり得る。代替的に、電子制御を向上させるために、磁力線を互いに密に圧縮することが望ましくなり得る。
当技術分野には、科学的機器類において磁界を提供するための、改善された、または少なくとも代替的な手段に対する明らかな必要性が存在する。本発明の一態様は、改善された装置及び方法を提供すること、または少なくとも従来の手段に対する代替物を提供することである。
文書、行為、材料、デバイス、論文、及び同類のものに関する議論は、単に本発明の文脈を提供する目的のためだけに本明細書に含まれる。これらの事項のいずれかまたは全てが、先行技術の基礎の一部を形成するものであること、または本出願の各請求項の優先日以前に存在していたので本発明に関連する分野における共通の一般知識であったことが示唆されず、または表されない。
第1の態様において、必ずしも最も広い態様ではないが、本発明は、磁界を提供するための装置を提供し、該装置は、
表面を有する磁石と、
磁石表面の上側に配置された構造体であって、少なくとも部分的に高透磁率材料から構成される、構造体と、を備え、
該装置は、高透磁率材料と低透磁率材料との間に界面を提供するように構成される。
1つの実施形態において、本装置は、磁石と磁気連通している2つの極を備えることができ、該極は、磁石の表面の上側に延在し、構造体は、極の間に配置される。
本装置の1つの実施形態において、低透磁率材料は、構造体を取り囲むガスまたは真空である。
本装置の1つの実施形態において、構造体は、離散領域に配設された高透磁率材料及び低透磁率材料で構成され、該領域は、インターフェースしている。
本装置の1つの実施形態において、構造体は、高透磁率及び低透磁率の交互領域を有する。
本装置の1つの実施形態において、各領域は、実質的に細長い。
本装置の1つの実施形態において、各領域は、その長手方向中心軸に関して略対称であるように成形される。
本装置の1つの実施形態において、低透磁率を有する領域(複数可)は、構造体内の1つまたは2つ以上の不連続部、及び/または構造体内の1つまたは2つ以上の開口によって提供される。
本装置の1つの実施形態において、低透磁率の領域(複数可)は、磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線に略沿って整列される。
本装置の1つの実施形態において、高透磁率構造体の領域(複数可)は、1つまたは2つ以上のバーによって提供される。
本装置の1つの実施形態において、構造体は、2つ以上のバーを備え、該バーは、1つまたは2つ以上の接合領域によって接合される。
本装置の1つの実施形態において、構造体は、2つ以上のバーを備え、該バーは、互いに略平行であり、及び/または磁石表面と略平行であり、及び/または極(存在する場合)と略平行である。
本装置の1つの実施形態において、バー(複数可)は、磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線に略沿って整列される。
本装置の1つの実施形態において、接合領域は、磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線を略横断して整列される。
本装置の1つの実施形態において、高透磁率の領域は、グリッド様の形態を提供する。
本装置の1つの実施形態において、高透磁率材料は、磁石表面の少なくとも50%である、または極(存在する場合)間の領域である、フットプリントを有する。
1つの実施形態において、本装置は、第1の構造体の上側に配置された第2の構造体を備え、該第2の構造体は、本明細書で説明される通りである。
本装置の1つの実施形態において、第1の構造体は、第2の構造体と略平行である。
本装置の1つの実施形態において、構造体(複数可)は、磁石の周りの磁界を変化させるように、構成、及び/または寸法、及び/または幾何学的形状、及び/または配置を有する。
本装置の1つの実施形態において、構造体(複数可)は、磁石の周りの、または極(存在する場合)の間の磁界を変化させるように、構成、及び/または寸法、及び/または幾何学的形状、及び/または配置を有する。
本装置の1つの実施形態において、構造体(または2つ以上の構造体が存在する場合は、最も低い構造体)は、磁石表面の少なくとも約0.1mm上側に配置される。
本装置の1つの実施形態において、構造体(または2つ以上の構造体が存在する場合は、最も低い構造体)は、磁石表面の少なくとも約1mm上側に配置される。
本装置の1つの実施形態において、構造体は(または2つ以上の構造体が存在する場合は、どの構造体も)、極に接触しない。
本装置の1つの実施形態において、構造体(または2つ以上の構造体が存在する場合は、最も低い構造体)の下面の実質的に全ての地点は、磁石表面から略等しい距離である。
本装置の1つの実施形態において、構造体(複数可)は、略平面である。
本装置の1つの実施形態において、磁石表面は、略平面であり、構造体(複数可)は、磁石表面と略平行である。
本装置の1つの実施形態において、構造体は、磁石の磁界を変化させて、磁界における乱れを低減させるように、もしくは除去するように、及び/または磁界の強度を減少させるように、及び/または磁界の歪みを誘発するように、及び/または磁界を整列もしくは再整列させるように、及び/または磁界を配向もしくは再配向させるように、及び/または磁界の分布もしくは形状を変化させるように構成される。
本装置の1つの実施形態において、磁石は、電子の運動またはエネルギーを制御するように構成される。
第2の態様において、本発明は、本明細書で説明されるような装置を備える電子増倍管を提供する。
第3の態様において、本発明は、磁性粒子を制御するための方法を含み、該方法は、
磁性粒子を提供する工程と、
本明細書で説明されるような装置を提供する工程と、
磁性粒子を装置に向かって付勢する工程と、
装置が磁性粒子を制御することを可能にする工程と、を含む。
本方法の1つの実施形態において、磁性粒子は、電子である。
第4の態様において、本発明は、本明細書で説明されるように磁性粒子を制御するための方法を含む、電子信号を増幅するための方法を含み、電子の制御は、ダイノードに向かって、及び/またはそこから離れるように電子を付勢するために使用される。
電子増倍管の磁石内に配置したときの、本発明の透磁性グリッドの斜視図である。 図1Aに示される透磁性グリッドの平面図である (クライアント図4)図1の装置の磁界を示す図である。本図は、平面図であり、透磁性グリッドの上側で装置を切断している。その断面レベルにおいて、平面グリッドは見えていない。曲線は、等スカラーの磁束密度の線を画定する。 図1のグリッドの上側の領域の3つの断面について平面視で磁束マップを示す図である。 図1のグリッドの上側の領域の3つの断面について平面視で磁束マップを示す図である。 図1のグリッドの上側の領域の3つの断面について平面視で磁束マップを示す図である。 磁石の上側の領域の3つの断面に関するが、グリッドが存在しない、平面視で磁束マップを示す図である。これらの図は、図2C、2D、及び2Eと同等のものであり、磁束に対するグリッドの効果を強調表示している。 磁石の上側の領域の3つの断面に関するが、グリッドが存在しない、平面視で磁束マップを示す図である。これらの図は、図2C、2D、及び2Eと同等のものであり、磁束に対するグリッドの効果を強調表示している。 磁石の上側の領域の3つの断面に関するが、グリッドが存在しない、平面視で磁束マップを示す図である。これらの図は、図2C、2D、及び2Eと同等のものであり、磁束に対するグリッドの効果を強調表示している。 図1の磁石の2つの断面に関するが、グリッドが存在しない、正面視からの磁束マップを示す図である。 図1の磁石の2つの断面に関するが、グリッドが存在しない、正面視からの磁束マップを示す図である。 図1の磁石の2つの断面に関する(グリッドを含む)、正面視からの磁束マップを示す図である。これらの図は、図2I及び2Jと同等のものであり、磁束に対するグリッドの効果を強調表示している。 図1の磁石の2つの断面に関する(グリッドを含む)、正面視からの磁束マップを示す図である。これらの図は、図2I及び2Jと同等のものであり、磁束に対するグリッドの効果を強調表示している。 図1の透磁性グリッドに関する、x軸における磁束密度成分の強度を示す磁気マップである。 図1の透磁性グリッドに関する、y軸における磁束密度成分の強度を示す磁気マップである。 図1の装置の磁界を示す図である。この図は、図2A上にA−A’と記された断面に沿って切断した正面図である。青色線は、等スカラーの磁束の地点を接続し、赤色線は、等磁位の地点を接続する。 透磁性グリッドが含まれないことを除いて、図4に類似する図である。 2つの透磁性グリッドが使用されることを除いて、図4に類似する図である。 図1の装置の磁界を示し、透磁性グリッドの上側の装置の断面に沿って切断した平面図である。曲線は、等スカラーの磁束密度の線を画定する。 図6の実施形態に従って2つの透磁性グリッドが使用されることを除いて、図7Aに類似する図である。図7Bの断面は、図6の線B−B’に沿って、2つのグリッドの間で切断している。 電子増倍管の磁石内に配置したときの、代替の本発明の透磁性グリッドの斜視図である。
この説明を考慮した後に、当業者には、どのように本発明が種々の代替の実施形態及び代替の応用例において実現されるのかが明らかになるであろう。しかしながら、本発明の種々の実施形態が本明細書で説明されるが、これらの実施形態は、単なる一例として提示されているものであり、限定するものではないことを理解されたい。そのため、この種々の代替の実施形態の説明は、本発明の範囲または幅を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、利点または他の態様の記述は、特定の例示的な実施形態に当てはまるものであり、必ずしも特許請求の範囲によって網羅される全ての実施形態に当てはまるわけではない。
本明細書の説明及び特許請求の範囲の全体を通して、「備える(comprise)」という用語、ならびに「備えている(comprising)」及び「備える(comprises)」等の用語の変形は、他の付加物、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない。
本明細書の全体を通して「1つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」に言及することは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して種々の場所における「1つの実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するものではないが、その場合もある。
本発明の任意の実施形態が、本明細書で説明される全ての利点、または実際に従来技術を超える任意の利点を有することを表していない。いくつかの実施形態は、単に従来技術の有用な変形例を提供するだけの場合がある。
本発明は、磁界において高透磁率材料と低透磁率材料との間に界面を提供する構造体の配置が、界を変化させて、所望の目的を達成することができることを出願人が見出すことに少なくとも部分的に基礎を置いている。故に、第1の態様において、本発明は、磁界を提供するための装置を提供し、該装置は、表面を有する磁石と、磁石表面の上側に配置された構造体であって、少なくとも部分的に高透磁率材料から構成される、構造体と、を備え、該装置は、高透磁率材料と低透磁率材料との間に界面を提供するように構成される。
本発明の基本形態において、構造体は、透磁性材料で構成された単純なプレートとすることができる。プレートを取り囲む空気(または真空)は、低透磁率材料を提供する。したがって、プレートの縁面には、高透磁率材料と低透磁率材料との間の界面が形成される。グリッド様の形態を有する、または複合材料で構成される、より複雑な実施形態は、下でさらに論じられる。
磁界の非一貫性を平滑化する能力は、いくつかの実施形態において、磁石における不均一性の悪影響を克服すること、または改善することができる。したがって、磁界は、不均一性のない磁石に関して理論的に予測される磁界により近いか、または経験的に測定される磁界により近い。磁界の整合性を改善することは、原子及び亜原子粒子の偏向に関与する応用例にとって重要であり得、それによって、非一貫性は、予想外の経路に沿った粒子の偏向につながり得る。磁界の歪み及び変調に関する本装置の他の利点は、下でさらに論じられる。
本装置の磁石は、構成、構造、場の強度、または磁界の幾何学的形状に関する動作上の要件に適した任意の種類の磁石とすることができる。単なる一例として、希土類永久磁石を使用することができる。電子の制御においては、典型的に、ネオジムに基づく希土類磁石が使用され、その一例は、多結晶構造を有する、構造式がNdFe14Bである希土類磁石である。いくつかの実施形態において、磁石は、磁石の表面の上側に延在する、別々の、または一体的な極を含む。極は、チャネル内の磁界がチャネルに進入する粒子(電子等)の運動を制御することができるように、対向壁を形成する極及び床を形成する磁石表面を有するチャネルを形成することができる。典型的に、制御は、移動する電子の偏向である。各極は、典型的に、磁石の横方向側部と磁気連通し、約90度で上方へ延在する、プレートまたはブロックである。
構造体は、透磁性材料、及び好ましくは高透磁性材料で(少なくとも部分的に)構成される。当業者は、電磁気の透磁率の概念に精通している。材料は、それ自体内での磁界の形成を支持することができる場合、透磁性であるとみなされる。1つの方法で表現すると、透磁率は、印加された磁界に応答して材料に誘導される磁性の程度とみなすことができる。本発明において、透磁性材料は、装置の磁石によって印可される磁界を受け、磁界の適用に応じて、透磁性材料自体が磁化された状態になる。本明細書で開示される実験結果を考慮すれば明らかになるように、構造体によって発生される磁界は、装置の磁石の磁界と組み合わせたときに、全体として平滑化された、及び/または歪んだ磁界を提供する。
当業者には容易に明らかになるように、数多くの種類の材料が、本装置の状況における透磁性材料として有用であることが見出される。典型的に、数多くの種類の常磁性材料が使用される。鉄等の強磁性材料、ならびにコバルト鉄、炭素鋼、フェライトステンレス鋼、フェライト、ミューメタル、パーマロイ、Metglas、及び同類のもの等の鉄合金は、そのような材料が容易に消磁されないとすれば、数多くの実施形態において有用となる。
いくつかの実施形態において、高透磁率を有する材料は、少なくとも約10−5、10−4、10−3、10−2、または10−1μ[H/m]の絶対透磁率を有する。典型的に、材料は、少なくとも約10−3μ[H/m]の透磁率を有する。
別の方法で考えると、高透磁率を有する材料は、少なくとも約10、10、10、10、10、または10μ/μの相対透磁率を有することができる。
適切な高透磁率材料(または実際に、物理的な寸法等の構造体の任意の他のパラメータ)の選択時には、装置の磁石の磁束の大きさが考慮され得る。いくつかの状況において、構造体に関しては、装置の磁石の磁束によって飽和しない(過飽和しないことを含む)ように構成される。構造体が磁石の全ての磁束を伝導することができない場合、磁界の非一貫性を平滑化する、または界を歪めるための構造体の能力が低減される。別の方法で表現すると、構造体は、装置の磁石の磁界によって負荷をかけ過ぎないように構成することができる。
他の状況では、構造体を磁束によって飽和させること、または過飽和させることが望ましくなる。例えば、飽和を使用して、磁界の所望の歪みを誘発すること、または磁束勾配を制御することができる。
上述のことから、本発明の装置の設計においては、典型的に、2つの構成要素の間に機能的な相互関係が与えられた一対の構成要素として、磁石及び構造体を考慮することが容易に認識されるであろう。いくつかの実施形態において、磁束は、構造体が磁束を伝導する能力を少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50%上回る。
材料の選択に加えてまたはその代替として、構造体の飽和は、構造体の物理的な寸法を増加させることによって回避することができ、または物理的な寸法を減少させることによって生じさせることができる。具体的には、構造体の(少なくともいくつかの部分において)厚さを増加させることは、典型的に、磁束を伝導する能力を向上させる。
しかしながら、構造体が装置の磁石の磁束によって飽和または過飽和される実施形態が、それにもかかわらず磁界の一貫性におけるいくらかの向上、または界のいくらかの歪みをもたらす程度まで、依然として動作することができることが認識されるであろう。
高透磁率材料の選択においては、材料の導磁度を考慮することができる。当業者によって理解されているように、導磁度は、磁束を伝導する材料の能力の尺度である。飽和材料は、磁束を伝導するが、伝導する量は制限される。高い場の強度(H)において磁束を制限することが望ましい場合は、いくつかの状況において、高い透磁率の材料が好ましい。ミューメタルは、低い磁界において非常に高い透磁率を有するが、そのような金属は、依然として、特定の応用例の場合に高い磁界において必要とされ得る磁束レベルを制限しない。
電子の制御を対象とする応用例においては、しばしば高い磁界強度が使用される。しかしながら、しかしながら、低い磁界強度を使用する応用例においては、低い磁界強度において高い透磁率を有する材料が好ましくなり得る(例示的な材料は、ミューメタル及び同類のものである)。
概して、技術的な適合性、有用性、及びコストの理由から、材料は、炭素鋼とすることができる。この材料は、低い磁界強度において特に高い透磁率を有しないが、高い磁界強度において飽和し、したがって、その長さ全体にわたって大きい磁位を分布させるために使用することができる。炭素鋼の厚さを増加させると、磁位をより均一に分布させる、より高い能力を有する。透磁率を断面積と組み合わせることによって、全磁束を制御することができる。
構造体に関する例示的な厚さは、約0.1mm〜約20mmである。軟炭素鋼の場合、厚さは、典型的に、約0.2mm〜約10mmである。
構造体の磁気表面と下面との間の距離は、日常的実験によって設定することができる。いくつかの実施形態において、この距離は、ごくわずかであるか、またはゼロである。他の実施形態において、この距離は、0.1mm〜約10mmの範囲であり、他の実施形態においては、約0.1mm〜約5mmであり、さらに他の実施形態においては、約0.1mm〜約1mmである。
多くの場合において、構造体の下面は、磁石表面と同じように平面であり、その場合、距離は、均一である。表面の一方または両方が平面ではない場合、距離は、最短距離、または平均距離、または中間距離を取る。好ましくは、最短距離を意図する。
磁石表面も構造体の下面も平面でない配設が、本出願の範囲に含まれる。例えば、いずれかの表面が、平坦でない、複雑である、波形である、または湾曲している場合がある。そのような状況において、任意の2つの地点間の距離は、同じであり得る。例えば、磁石表面が湾曲している場合、構造体の下面は、一定の高さを有する空間が2つの表面の間に存在するように、同じように湾曲させることができる。
いくつかの実施形態において、構造体は、プレートまたはプレート様の幾何学的形状である。プレートは、連続していない場合があり、また、1つまたは2つ以上の不連続部または開口を有することができる。不連続部または開口は、(縁部が不規則になるように)プレートの縁部に、及び/またはプレートの縁部領域内に配置することができる。
プレートが複数の不連続部または開口を有する場合、該プレートは、整然とした様態で配設することができ、また、規則的なパターンで配設することができる。例えば、不連続部または開口は、行または列に配置することができる。グリッドパターン等の高度に規則的なパターンも、有用であると想定される。
不連続部は、任意の形状とすることができるが、好ましくは、正方形または長方形等の幾何学的形状である。好ましくは、不連続部または開口は、実質的に細長い長方形状である。不連続部または開口が細長い場合は、概して、装置の磁石によって形成される等スカラーの磁束密度の線と整列される。
不連続部または開口の効果は、低透磁率の領域を提供することである。環境に応じて、不連続部または開口は、空気によって、または真空によって占有することができ、これらはどちらも、約1.0の相対透磁率を有する。
他の実施形態において、低透磁率の領域は、構造体の周りに、比較的低い透磁率の材料の介入によって提供される。そのような材料は、プラスチック、セラミック、または低透磁率を有する金属とすることができる。比較的高い透磁率の材料を使用することが可能性であり、該材料は、その有効な相対透磁率を低減させるために、そこを通過する飽和レベルの磁束を有するように配設される。その可能性を考慮して、「低透磁率」という用語は、低い有効透磁率を有する材料を含むものと解釈されるべきである。
プレートの実施形態の代替物として、またはプレートの実施形態の修正物として、構造体は、1つまたは2つ以上のバーを備えることができる。概して、バー(複数可)は、装置の磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線と整列される。磁束密度線に関する構造体の特徴の一般的な整列は、磁位の再分布を支援し、よって、磁界は、装置の磁石の磁位に対する配向と同じであるか、またはそれに類似する。
バーは、典型的に、ワイヤよりも厚く、及び/またはワイヤよりも幅が広い。厚さに関して、バーは、少なくとも約0.1、1、2、3、4、または5mmとすることができる。幅に関して、バーは、少なくとも約0.1、1、2、3、4、または5mmの幅とすることができる。いくつかの実施形態において、幅は、厚さよりも大きい。いくつかの実施形態において、バーは、正方形または長方形の断面を有する。
しかしながら、構成されると、構造体は、典型的に剛性構造である。その目的を達成するために、変形に対する必要な抵抗を有し、また、十分な断面積で提供される材料を選択することができる。可撓性構造が必要とされる場合は、延性金属を用いることができる。
バーは、バーと一体的に形成された、またはいくつかの実施形態においてはバーと別々に形成される、接合領域によって接合することができる。構築手段にかかわらず、バー及び接合領域は、互いに対して直角に配置することができる。いくつかの実施形態において、グリッドのためのバー及び接合領域。グリッドは、等間隔に離間されたバー及び等間隔に離間された接合領域を有する完全なグリッドとすることができるが、より典型的には、いくつかの不規則性がある。いずれにしても、グリッドは、対称の線を有することができる。構造体が細長い場合、対称の線は、典型的に、長手方向中心軸に沿っている。
典型的に、構造体は、磁石または磁石の極と接触しない。この配設において(及び構造体が、磁石または極によって支持されない場合)、装置は、構造体を所望の位置に固定するように構成された構造体支持手段(ブラケット等)を備えることができる。構造体支持手段は、低い、もしくはごくわずかな透磁率を有する場合があり、及び/または低い、もしくはごくわずかな電気伝導率を有する場合があり、これに関しては、概して、プラスチックまたはセラミック等の材料が有用である。
構造体が磁石表面の上側に配置されているのであれば、構造体は、磁石の表面に関するフットプリントを提供するとみなすことができる。100%のフットプリントは、構造体が連続的であり、かつ磁石表面と同じ面積を有する場合に見出される。不連続部もしくは開口または透磁率が低い領域の構造体への導入は、フットプリントを100%未満に低減させる。いくつかの実施形態において、構造体のフットプリントは、約10%〜約90%、または約20%〜約80%、または約30%〜約70%、または約40%〜約60%である。
略平面の幾何学的形状が典型的に有用であるが、本装置のいくつかの実施形態において、構造体は、略U字形状またはV字形状であり、U字形状またはV字形状のアームの間を長手方向に延びる磁束の線を有する。
本装置の他の実施形態において、構造体は、幾何学的に規則的な断面を有する環状の構造体に形成される。例えば、環状の構造体は、円筒形状または箱形状とすることができ、また、開端部または閉端部のいずれかを有することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の装置は、上で言及した第1の構造体の上側に配置された第2の構造体を備える。第2の構造体は、本明細書の他の場所で説明される第1の構造体に関して説明される特徴のうちのいずれかを有することができる。いくつかの実施形態において、第1及び第2の構造体は、実質的に同一であり、また、任意の特徴(縁部、不連続部、開口、バー、及び接合領域等)が略一致するように位置付けられる。
2つの構造体が使用される場合に、特に、2つの構造体の間に形成された任意の空間において、改善された界の平滑化または歪みの効果が得られることができることが見出された。
第1及び第2の構造体の間の距離は、第2の構造体の下面及び第1の構造体の上面によって画定することができる。この距離は、日常的実験によって、または当業者によく知られているシミュレーション手段によって設定することができる。いくつかの実施形態において、この距離は、ごくわずかであるか、またはゼロである。他の実施形態において、この距離は、0.1mm〜約10mmの範囲であり、他の実施形態においては、約0.1mm〜約5mmであり、さらに他の実施形態においては、約0.1mm〜約1mmである。他の実施形態は、約5mm〜50mm等の、より大きい距離を必要とする。
多くの場合において、第2の構造体の下面は、第1の構造体の上面と同じように平面であり、その場合、距離は、均一である。表面の一方または両方が平面ではない場合、距離は、最短距離、または平均距離、または中間距離を取る。好ましくは、最短距離を意図する。
装置のいくつかの実施形態において、第1構造体と第2の構造体との間の距離は、第1の構造体と磁石表面との間の距離の倍数である。1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、及び3.0等の倍数が想定される。
典型的に、第1及び第2の構造体が略平面である場合、2つの構造体は、略平行である。
第2の構造体の下面も第1の構造体の上面も平面でない配設が、本出願の範囲に含まれる。例えば、いずれかの表面が、平坦でない、複雑である、波形である、または湾曲している場合がある。そのような状況において、任意の2つの地点間の距離は、同じであり得る。例えば、第1の構造体の上面が湾曲している場合、第2の構造体の下面は、一定の高さを有する空間が2つの表面の間に存在するように、同じように湾曲させることができる。
本装置は、電子増倍管で使用するように構成することができ、そのような仕組みは、当業者に知られている。単純に、電子増倍管内の既存の磁石の表面の上側に1つまたは2つ以上の構造体を配置することによって、本明細書で説明される1つまたは2つ以上の構造体を備えるように、既存の電子増倍管を改良できることが予期される。構造体(複数可)が支持を必要とする場合、当業者は、適切な手段を提供することが十分に可能である。代替的に、本装置は、電子増倍管の製造過程で新たに形成される。しかしながら、本装置が広い適用性を有すること、及び本発明が電子増倍管とは別の数多くの状況において使用されることが理解されるであろう。
さらなる態様において、本発明は、磁性粒子を制御するための方法を提供し、該方法は、磁性粒子を提供する工程と、本明細書で説明されるような装置を提供する工程と、磁性粒子を装置に向かって付勢する工程と、装置が磁性粒子を制御することを可能にする工程と、を含む。1つの実施形態において、磁性粒子は、電子である。
磁性粒子を提供する工程は、十分なエネルギーの印可による固体、液体、またはガスからの自由粒子の遊離によるものであり得る。本装置が電子増倍管の状況において使用される場合、粒子は、荷電または非荷電粒子(典型的に、イオンまたは電子)の衝突に応答して、放射表面(ダイノード等)から放出される二次電子である。
付勢する工程は、当業者によって適切であるとみなされる、電気的、磁気的、電磁気的、動力学的、静電的、または任意の他の手段による粒子の加速を含むことができる。
粒子は、運動及びエネルギーから選択される1つまたは2つ以上のパラメータに関して制御することができる。運動に関して、制御は、方向、速度、または回転に関するものであり得る。電子増倍管の状況において、本装置は、放射表面への、及び/または放射表面から別の放射表面への、及び/または放射表面からアノードへの、電子の運動を制御するために使用される。
電子エネルギーの制御は、電子増倍管の動作可能な寿命を延ばすために必要とされ得る。倍増管の劣化は、電子の衝突で誘発された炭素の堆積によって生じる場合がある(これは、ダイノード表面からの電子収量の減少をもたらす)。炭素堆積率は、反応断面と比例しており、これは、電子エネルギーと共に増加して、より低い電子エネルギーを提供し、よって、動作可能な寿命にまで及ぶ。電子エネルギーのより小さい変動もまた、炭素堆積率を減少させる傾向がある。
電子エネルギーの制御は、倍増管の利得に関する利点(または、利得曲線、どのくらい速く利得が電圧と共に変化するか)を提供することができる。二次電子放射は、電子エネルギーの強い関数であり、エネルギーを制御することで、利得曲線を望ましいプロファイルに向けて調整することを可能にする。
本装置及び方法は、典型的に質量分析器において使用される電子増倍管の状況において説明されている。本発明は、光電子増倍管、高エネルギー粒子検出器、UV検出器、電子検出器の一部としてのフォトカソードと併せて、一般的な帯電粒子検出器等の質量分析計以外の設定において有用性を有し得ることが想定される。荷電粒子輸送機能は、イオン、電子、または荷電粒子の操作を対象とする多様なシステムにおける検出機能とは別の有用性を有し得る。
本発明は、主に、放射物質へのイオンの衝突によって生じる二次電子を集束させるための装置及び方法に関して説明されているが、放射表面に二次電子を放射させることができる他の粒子ついて有用性が見出されることが想定される。そのような粒子としては、任意の荷電粒子、中性(非荷電)粒子、電子、及び光子が挙げられる。
以下、本発明は、以下の非限定的な好ましい実施形態を参照することによって、より完全に説明される。
図1は、本発明の好適な装置10を示す。この装置は、電子増倍管の一部を形成し、また、NdFe14Bで構成された希土類磁石12を備える。磁石12は、長方形角柱状であり、図面は、正面14及び上面16だけを示す。磁石12の寸法は、図面のスケールバーを参照することによって確認することができる。
2つの鋼製極18は、磁石12の外側面(図示せず)に磁気的に取り付けられる。各極18の寸法は、同一であり、図面のスケールバーを参照することによって確認することができる。
磁石上面16の上側には、軟鋼で一体的に製作されたグリッド20が配置される。グリッド20は、磁石12または極18のいかなる部分にも接触しないことに留意されたい。支持ブラケット(図示せず)は、グリッド20を、磁石上面16の上側の、かつ極18の内側に面する壁から離れた適切な位置に維持する。
グリッド20は、一体的に形成され、単一部品の軟鋼からレーザー切断またはエッチングされて、一連の平行なバー(そのうちの2つが22と記される)を有し、バー22は、接合領域(そのうちの2つが24と記される)によって接合される。
24と記された下部接合領域は、細長く、一方で、上部接合領域24は、より正方形の幾何学的形状を有する。
グリッド20は、1mmの厚さ、50mmの長さ、及び20mmの幅を有する。バー間の距離は、1mmである。
グリッド20の特徴をより明らかに示すために、図2Aの平面図を参照する。
使用に際して、電子は、グリッド16の上面及び極18の内側対向面によって画定されたチャネルへと加速され、チャネル内の磁界によって制御される。チャネル内の磁界は、図2Bの平面図に示される。図2Aにおいて上記したグリッド20の平面図は、図2Bに示される磁界線の平面図と大まかに位置合わせされている。これに関して、図2Bから、バー及び接合領域の位置に応じて磁界線が歪むことに気付くであろう。具体的には、接合領域が、局所的な歪みを生じさせ、サイズに比例することが分かるであろう。例えば、25と記された比較的大きい接合領域は、比較的大きい歪み(概して、28と記された箱によって示される)を生じさせ、それによって、磁束線は、高度に圧縮される。実際に、接合領域26は、極から生じる磁束線を合流させる。
図2Bは、透磁性材料の接合部周辺で集積する磁界を示す、等スカラーの磁束の線を示す。
図2C〜2Lのカラーマップは、グリッド構造体の周囲の磁界によって、及びいかなるグリッド構造体も存在しない状況と比較して、電子運動がどのように影響を受けるのかを実証する。より高いx成分は、グリッド/磁石/配設の軸を下る、より短い「ホップ」によって、電子を進行させる。
加えて、正または負のy成分(描画したときに、図3のページの外へ、またはページの中へ)は、電子が軸の下方に移動するときに、電子を配設の右側または左側に偏向させ、それによって、電子を分散させ、電子の磁束密度を減少させる。この実施例において、最も顕著に変化するスカラー磁束等高線図における「圧縮」は、磁界のy成分(描画したときに、ページの外へ)である。それは、見かけの集積につながる、y成分(すなわち、描画したときに、ページの外へ)の強度の変化である。磁界のy成分は、配設(軸方向)を下って進行する電子に影響を及ぼし、グリッドの中心から離れるように電子を押し出す。アンペアの右ねじの法則を適用することによって、ページの下方に進行する電子が、磁界がページの外を指しているのか、またはページの中を指しているのかに依存して、どのように左側または右側への力を受けるのかを分かることができる。
電子増倍管の状況において、磁界の歪みは、電子が倍増管を下方に進行するときに電子を拡散させる、または電子を集積する役割を果たす。拡散させることは、より低い電子磁束密度につながり、これは、倍増管のより長い寿命につながる。
より全般的には、歪みは、元々の磁界の形状を変化させ、電子に及ぼされる異なる(及び予測可能な)方向力につながり、したがって、電子が磁気配設を横断するときに、電子の経路を変化させる。
図3A及び3Bに示される磁界マップにおいては、より大きい歪みも明らかである。接合領域は、グリッド20の中心軸に沿って配置される(最も大きいものが、図2Aにおいて26と記される)。接合領域26の周りの歪みは、図3Bにおいて一対の黄色い領域として示される、y軸における磁束密度成分を参照することによって最も明らかに示される。
図4及び図5の端面断面図は、グリッドを伴う磁界(図4)と、グリッドを伴わない磁界(図5)とのさらなる比較を提供する。グリッド20のバーの周りの領域の磁界線が高度に歪んでいることに直ちに気付くであろう。歪みの幾何学的形状は、バーの規則的な間隔と相関し、接続領域の大部分が配置されるグリッドの中心軸に向かってより高いレベルの歪みであることに気付く。歪みは、電子を左側または右側のいずれかに押し付け、軸を下るホップがどのくらい短くまたは長くなるのかを決定する。
以下、図6を参照すると、第2のグリッド28が第1のグリッド20の上側に配置されることを除いて、図4の装置に類似する装置が示される。どちらのグリッドも、同一であり、かつ互いに位置合わせされている。図7A及び図7Bの平面図に示されるように、グリッド20と28との間の領域が、高度に整えられたグリッド線を提供することが分かる。図7Aは、単一のグリッドの上側の断面における磁界線を示し、一方で、図7Bは、図6の線B−B’によって示される2つのプレート間の断面である。
これらのさらに整えられた線は、より高い精度での電子の配置を可能にすることによって、電子制御を支援する。倍増管を下る電子磁束プロファイルが幅の狭いガウス形状であり、最上層が(例えば)2つの平行経路を有すること、またはプロファイル間を切り換えることが望ましい場合、必要な目的を達成するために、グリッド(同一であること、または位置合わせされている必要はない)を積み重ねて、グリッドの間に磁束を形成することが可能である。
図8には、装置の代替の形態が示されるが、構成要素は、図1の装置に従って番号付けされる。グリッド20は、図1の形態と異なる形態であることに留意されたい。異なる形態を使用して、上で説明したような電子束プロファイルを提供することができる。
本発明の例示的な実施形態の説明において、本発明の種々の特徴が、あるときには、本開示を合理化し、また、種々の本発明の態様の1つまたは2つ以上の理解を支援する目的で、単一の実施形態、図、またはその説明にグループ化されることが認識されるであろう。しかしながら、本開示の方法は、特許請求される発明が、各請求項において明示的に記載されるよりも多い特徴が必要であるという意図を反映したものと解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の複数の態様は、単一の上で開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものに存する。
さらに、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴は含むが、他の特徴は含まず、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用することができる。
本明細書で提供される説明には、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細を伴わずに実践され得ることを理解されたい。他の事例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、よく知られている方法、構造、及び手法は、詳細に示されていない。
したがって、本発明の好適な実施形態であると考えられることが説明されているが、当業者は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の、及びさらなる修正をそれに対して行うことができること、ならびに全てのそのような変更及び修正を、本発明の範囲内に入るものとして特許請求することを意図することを認識するであろう。機能は、図面に対して追加または削除することができ、動作は、機能ブロックの間で交換することができる。工程は、本発明の範囲内で、説明される方法に対して追加または削除することができる。
本発明を特定の実施例を参照して説明してきたが、本発明を数多くの他の形態で具現化できることが当業者によって認識されるであろう。

Claims (19)

  1. 電子増倍管内において磁界を提供するための装置であって、
    表面を有する磁石であって、前記磁石の表面の中央領域上を移動する複数の粒子を制御するように構成された磁界を生成するように構成されており、その中に磁石の幾何学的形状によるN−S磁界方向の不均一性又は位置ずれを有する、磁石と、
    前記磁石表面の上側に配置された構造体であって、少なくとも部分的に高透磁率材料から構成される、構造体と、
    低透磁率材料と、を備え、
    記高透磁率材料及び低透磁率材料は、前記磁石表面の前記中央領域にわたる所定の領域内に配置されており、前記高透磁率材料及び低透磁率材料は、前記複数の粒子の各々の運動及び/又はエネルギーを制御するように、前記磁石の前記磁界を変化させるように界面を提供するように構成されており、
    前記粒子は電子である、装置。
  2. 前記磁石と磁気連通している2つの極を備え、前記極が、前記磁石の前記表面の上側に延在し、前記構造体が、前記極の間に配置される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記低透磁率材料が、前記構造体を取り囲むガスまたは真空である、請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 前記構造体が、高透磁率及び低透磁率の交互領域を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記高透磁率材料の前記構造体の領域(複数可)が、1つまたは2つ以上のバーによって提供される、請求項4記載の装置。
  6. 前記構造体が、2つ以上のバーを備え、前記バーが、1つまたは2つ以上の接合領域によって接合される、請求項に記載の装置。
  7. 前記構造体が、2つ以上のバーを備え、前記バーが、互いに略平行であり、及び/または前記磁石表面と略平行であり、及び/または前記極(存在する場合)と略平行である、請求項または請求項に記載の装置。
  8. 前記バー(複数可)が、前記磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線に略沿って整列される、請求項のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記バーの接合領域が、前記磁石によって形成された等スカラーの磁束密度の線を略横断して整列される、請求項のいずれか一項に記載の装置。
  10. 1の構造体の上側に配置された第2の構造体を備え、前記第2の構造体が、請求項1〜のいずれか一項において説明される通りである、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記第1の構造体が、前記第2の構造体と略平行である、請求項10に記載の装置。
  12. 前記構造体(または2つ以上の構造体が存在する場合は、最も低い構造体)が、前記磁石表面の少なくとも約0.1mm上側に配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記構造体(または2つ以上の構造体が存在する場合は、最も低い構造体)が、前記磁石表面の少なくとも約1mm上側に配置される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記磁石表面が、略平面であり、前記構造体(複数可)が、前記磁石表面と略平行である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記構造体が、前記磁石の前記磁界を変化させて、前記磁界における乱れを低減させるように、もしくは除去するように、及び/または前記磁界の強度を減少させるように、及び/または前記磁界の歪みを誘発するように、及び/または前記磁界を整列もしくは再整列させるように、及び/または前記磁界を配向もしくは再配向させるように、及び/または前記磁界の分布もしくは形状を変化させるように構成される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置を備える電子増倍管。
  17. 磁性粒子を制御するための方法であって、
    磁性粒子を提供する工程と、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置を提供する工程と、
    前記磁性粒子を前記装置に向かって付勢する工程と、
    前記装置が前記磁性粒子を制御することを可能にする工程と、を含む、方法。
  18. 前記磁性粒子が、電子である、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項18に記載の方法を含む、電子信号を増幅するための方法であって、電子の制御が、ダイノードに向かって、及び/またはそこから離れるように電子を付勢するために使用される、方法。
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