JP6889091B2 - 杆材の連結構造、および天板昇降式什器 - Google Patents

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Description

本発明は、杆材の連結構造、および天板昇降式什器に関する。
オフィス等の執務空間にて使用される机、テーブル等の天板昇降式什器においては、天板を支持する杆材を上部杆材および下部杆材に分割して構成し、これらの連結位置を変更することによって杆材の長さを変更して什器の天板高さを変更可能としてモノが多く採用されている。
こうした杆材の連結構造としては、例えば下記特許文献1および下記特許文献2に示すように。中空状に形成された外杆と内杆とによって杆材を構成し、外杆内部に挿入された内杆と、外杆との連結位置を変更することによって高さ変更機構とした方法が開示されている。
特開2002−017454号公報 特開2000−083743号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、複雑な加工が必要となり、加工工数および加工コストを要してしまうとともに、加工部が外部に露出してしまい、見映えが悪いという問題点を有していた。
また、特許文献2に記載の構成では、ねじの締結力によって連結しているため、杆材を圧縮する向きに大きな負荷がかかる場合には、締結力を高める必要がある。そして強度を挙げようとしてねじ部の締結力を大きくしすぎると、内杆を構成する管材が変形してしまうという問題点を有していた。
さらにこの構造においては、連結時において連結長さの正確な位置決めが難しいという問題点もあった。ここで、左右一対の天板支持脚に杆材の連結方法を採用した場合には、杆材の長さが天板以上面の水平度に影響することになるため、左右の連結長さを左右で同一にする必要があった。
そこで、本発明は、簡易的かつ安価に構成することができながら、連結作業における作業性を良好なものとすることができるとともに、見映えを良くすることができる杆材の連結構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る杆材の連結構造は、長手方向に延びるとともに、長手方向と直交する対向方向に互いに対向する一対の対向部を有する第一杆材と、前記第一杆材を内部に収容する収容部が形成された第二杆材と、を備え、前記第一杆材および前記第二杆材を、前記長手方向に沿って連結する杆材の連結構造であって、前記第一杆材における前記一対の対向部同士の間に内嵌されるスペーサ部材と、位置決め突部を有し、かつ前記第一杆材および前記第二杆材の相対位置を位置決めする位置決め部材と、を備え、一対の前記対向部には、少なくとも一方の対向部を対向方向に貫く第一杆材挿通孔が形成され、前記第二杆材には、この第二杆材を対向方向に貫く第二杆材挿通孔が、前記第一杆材挿通孔と対応して形成され、前記スペーサ部材には、このスペーサ部材を対向方向に貫くスペーサ挿通孔が、前記第一杆材挿通孔と対応して形成され、前記位置決め部材は、前記位置決め突部が、前記第一杆材挿通孔、および前記第二杆材挿通孔に連通するように配置され、前記第一杆材挿通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通した固定手段により、前記第一杆材および前記第二杆材を連結していることを特徴とする。
本発明では、杆材の連結構造が、第一杆材、第二杆材、位置決め部材、およびスペーサ部材により構成されているので、部品点数の増加を抑え、杆材の連結構造を簡易的かつ安価に構成することができる。
また、位置決め部材の位置決め突部が、第一杆材挿通孔、および第二杆材挿通孔に連通している。このため、第一杆材および第二杆材の相対位置を仮決めした状態で、固定手段により第一杆材および第二杆材を固定することが可能になり、連結長さの変更作業における作業性を良好なものとすることができる。
また、第一杆材にスペーサ部材が内嵌されているので、固定手段により第一杆材と第二杆材とを強固に固定した場合であっても、第一杆材および第二杆材が変形するのを抑えることができる。
また、スペーサ部材が第一杆材に内嵌されるとともに、第一杆材が第二杆材の収容部に収容されているので、杆材の連結構造の見映えを良くすることができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられ、前記第一杆材および前記第二杆材は、前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔の対応関係を変更することで、長手方向に相対位置を変更可能に連結されてもよい。
この場合には、第一杆材および第二杆材の相対位置を長手方向に変更可能とされているので、第一杆材および第二杆材を、所望する相対位置に調整して使用することができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、互いに対応する複数の組を構成し、前記位置決め突部は、前記複数の組のうちの一の組に連通し、前記固定手段は、前記複数の組のうちの他の組に連通してもよい。
この場合には、複数設けられた第一杆材挿通孔および第二杆材挿通孔が構成する互いに対応する複数の組のうち、位置決め部材が連通する組と、固定手段が連通する組と、を異なる組となっている。このため、第一杆材挿通孔および第二杆材挿通孔それぞれの孔径を、位置決め突部および固定手段それぞれが連通できる最低限の大きさとすることで、第一杆材挿通孔および第二杆材挿通孔それぞれの孔径が大きくなるのを抑えることができる。
これにより、第一杆材挿通孔および第二杆材挿通孔に異物が進入するのを抑えることができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記位置決め突部は、前記第一杆材挿通孔、および前記第二杆材挿通孔に連通するとともに、前記スペーサ挿通孔に連通してもよい。
この場合には、第一杆材挿通孔および第二杆材挿通孔に連通する位置決め突部が、スペーサ挿通孔にも連通しているので、位置決め部材により、第一杆材および第二杆材の相対位置に加えて、これらに対するスペーサ部材の位置も位置決めすることができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記第一杆材は管材であり、前記スペーサ部材は、前記第一杆材の長手方向における開口端部を閉塞してもよい。
この場合には、スペーサ部材が第一杆材の開口端部を閉塞しているので、第一杆材の開口端部から異物が進入するのを防ぐことができ、杆材の連結構造に不具合が生じるのを抑えることができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記固定手段は、雄ねじ部と雌ねじ部とによって構成される螺合手段とされ、前記位置決め部材に前記雌ねじ部が設けられ、前記雄ねじ部を有する雄ねじ部材が、前記第一杆材挿通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通してもよい。
この場合には、位置決め部材に、固定手段を構成する雌ねじ部が設けられているので、固定手段を構成する雄ねじ部材と雌ねじ部材とが個別に設けられた構成と比較して、部品点数を削減することができる。
また、本発明に係る杆材の連結構造では、前記第一杆材挿通孔は、一対の前記対向部の両方を対向方向に貫く第一杆材貫通孔と、一対の前記対向部の一方を対向方向に貫く第一杆材位置決め穴と、を備え、前記位置決め部材は、前記位置決め突部が、前記第一杆材位置決め穴、および前記第二杆材挿通孔に連通するように配置され、前記第一杆材貫通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通した固定手段により、前記第一杆材および前記第二杆材を連結してもよい。
この場合には、第一杆材挿通孔のうち、位置決め突部が連通される第一杆材位置決め穴が、対向部の一方のみを貫いている。このため、第一杆材に設けられる孔の数を少なくすることで、見映えを良くするとともに、第一杆材に設けられた孔から異物が進入するのを抑えることができる。
また、本発明に係る天板昇降式什器は、床面に載置される下部構造体と、天板部を備えた上部構造体と、前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結構造と、を有し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、前記連結構造は、前述した杆材の連結構造とされていることを特徴とする。
本発明では、天板昇降式什器における上部構造体と下部構造体とを着脱可能に連結する連結構造が、前述した杆材の連結構造とされている。このため、天板部の高さを変更する作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、簡易的かつ安価に構成することができながら、連結長さの変更作業における作業性を良好なものとすることができるとともに、見映えを良くすることができる。
本発明の第1実施形態における杆材の連結構造が採用された天板昇降式什器の一例を示す斜視図である。 図1に示す天板昇降式什器における下部構造体の側面図である。 図2のA−A線断面図である。 図1に示す天板昇降式什器における上部構造体の側面図である。 図4のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態における杆材の連結構造の縦断面図である。 図6に示すスペーサにおける(a)斜視図、(b)縦断面図である。 図6に示す位置決め部材における(a)斜視図、(b)縦断面図である。 図6に示す杆材の連結構造の横断面図のうち、(a)C−C線矢視断面図、(b)D−D線矢視断面図である。 図8に示す位置決め部材の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態における杆材の連結構造の縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る杆材の連結構造について、図1から図9を参照して説明する。まずこの連結構造が採用された天板昇降式什器1について説明する。
図1に示すように、天板昇降式什器1は、例えば学校などで使用されるデスクで、天板部32の高さを変更可能に構成されている。
本実施形態による天板昇降式什器1の天板部32は、平面視形状が横長となる長方形状に形成されている。以下の説明では、天板部32の平面視形状の長方形における短辺が延びる方向を前後方向とし、長辺が延びる方向を左右方向とする。
使用者は、主に天板昇降式什器1に対して前後方向の一方側から対向した状態で、天板部32で作業するように設定されている。この前後方向の一方側(天板昇降式什器1に対する使用者側)を前側とし、その反対側を後側とする。
以下では、左右方向において、天板昇降式什器1の左右方向の両端部に対して天板昇降式什器1の左右方向の中央部がある側を内側とし、天板昇降式什器1の左右方向の中央部に対して左右方向の両端部がある側を外側と示す。
図1に示すように、天板昇降式什器1は、床面11に設置される下部構造体2と、天板部32を有し下部構造体2の上側に連結される上部構造体3と、下部構造体2と上部構造体3とを着脱可能に連結する杆材の連結構造4と、を有している。
図1および図2に示すように、下部構造体2は、左右方向に間隔をあけて床面11に載置される一対のベース部21,21と、一対のベース部21,21それぞれから上側に延びる一対の下部支持脚部(第一杆材)22,22と、一対のベース部21,21同士を連結する下側補強部材23と、を有している。
一対のベース部21,21は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。ベース部21は、床面11に載置され、前後方向に延びている。本実施形態では、ベース部21には金属製の角管が用いられている。ベース部21の前端部分および後端部分は、樹脂製のキャップ24で覆われている。
一対の下部支持脚部22,22は、上下方向(長手方向)に延びるとともに、上下方向と直交する左右方向(対向方向)に互いに対向する一対の対向部22A、22Aを有している。
一対の下部支持脚部22,22は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。本実施形態では、下部支持脚部22には、金属製の角管が用いられている。
図3に示すように、下部支持脚部22は、上面視で2辺が前後方向に延びるとともに、残りの2辺が左右方向に延びる矩形状をなしている。下部支持脚部22の前後方向の大きさは、左右方向の大きさよりも大きくなっている。下部支持脚部22の周壁のうち、左右方向を向き、互いに対向する周壁が一対の対向部22Aとなっている。対向部22Aは上面視で前後方向に延びている。
一対の対向部22Aには、少なくとも一方の対向部22Aを左右方向に貫く第一杆材挿通孔25が形成されている。図示の例では、第一杆材挿通孔25は両方の対向部22Aを左右方向に貫いている。
第一杆材挿通孔25は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。図示の例では、第一杆材挿通孔25は上下方向に等間隔をあけて4つ配置されている。複数の第一杆材挿通孔25それぞれの孔径は、互いに同等となっている。なお、第一杆材挿通孔25の数量は任意に変更することができる。
下側補強部材23は、棒状の部材で、左右方向に延びている。本実施形態では、下側補強部材23は、金属製の角管が用いられていて、一対のベース部21に溶接されている。下側補強部材23は一対のベース部21と略同じ高さ寸法に形成されていて、上面が一対のベース部21それぞれの上面と略面一に配置されている。
図1および図4に示すように、上部構造体3は、それぞれ下部支持脚部22に連結される一対の上部支持脚部(第二杆材)31,31と、一対の上部支持脚部31,31に支持された天板部32と、天板部32の下側に設けられた収納部34と、一対の上部支持脚部31,31同士を連結する補強部材35と、を有している。
一対の上部支持脚部31,31は、上下方向に延びている。一対の上部支持脚部31,31は、一対の下部支持脚部22、22に各別に着脱可能に構成されている。一対の上部支持脚部31,31は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。
本実施形態では、上部支持脚部31には、断面形状がC字形状(コの字形状)に形成され、内部に下部支持脚部22を収容する収容部31Aが全体にわたって形成された金属製のチャンネル材が用いられている。
上部支持脚部31の収容部31Aは、左右方向の内側に向けて開口している。収容部31Aは、下部支持脚部22を挿入可能な形状に形成されている。下部支持脚部22と上部支持脚部31とは、上部支持脚部31の収容部31Aに下部支持脚部22が挿入された状態で連結される。
図1、図4および図5に示すように、上部支持脚部31のうち、左右方向を向く外板部31Bには、板面を左右方向に貫通する第二杆材挿通孔36が、第一杆材挿通孔25と対応して形成されている。第二杆材挿通孔36は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。
複数の第二杆材挿通孔36同士の上下方向の間隔は、複数の第一杆材挿通孔25同士の上下方向の間隔と互いに同等となっている。第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36の孔径は、互いに同等となっている。図示の例では、第二杆材挿通孔36は、上下方向に等間隔をあけて14つ配置されている。なお、第二杆材挿通孔36の数量は任意に変更することができる。
図4に示すように、天板部32は、作業面を有する天板本体32Aと、一対の上部支持脚部31,31それぞれの上端部に接続されて天板本体32Aが固定される一対の天板本体固定部32B,32Bと、を有している。
天板本体32Aは、板面が長方形状となる平板状に形成され、板面が上下方向を向く向きに配置されている。天板本体32Aの上面が作業面として使用者に使用される。天板本体32Aは、例えば、木製や樹脂製の板材で形成されている。
一対の天板本体固定部32B,32Bは、前後方向に延びている。一対の天板本体固定部32B,32Bのうちの一方における前後方向の中間部は、左右方向の一方側に位置する上部支持脚部31の上端部に接合されている。一対の天板本体固定部32B,32Bのうちの他方における前後方向の中間部は、左右方向の他方側に位置する上部支持脚部31の上端部に接合されている。
図1および図4に示すように、収納部34は、天板本体32Aの下側で、一対の上部支持脚部31,31の間に配置されている。
収納部34は、天板本体32Aの下側に間隔をあけて配置される底板部34Aと、底板部34Aの後縁部から上側に延びる後板部34Bと、底板部34Aの左右方向の両縁部それぞれから上側に延びる一対の側板部34C,34Cと、を有している。本実施形態では、収納部34は鋼板などで形成されている。
収納部34の底板部34A、後板部34B、側板部34C,34C、および天板本体32Aに囲まれた前方に開口する収納空間34Dは、物品を収容可能に構成されている。
補強部材35は、上面視でC字形(コの字形)に屈曲した棒状の部材に形成されている。図4に示すように、補強部材35は、一対の上部支持脚部31,31から後側に延びる一対の第1棒状部35A,35Aと、一対の第1棒状部35A,35Aの後端部どうしを連結する第2棒状部35Bと、を有している。
本実施形態では、補強部材35は、金属製の丸管で、一対の第1棒状部35A,35Aと第2棒状部35Bとが一体に形成されている。補強部材35の両端部は、上部支持脚部31に溶接されている。
次に、本実施形態における杆材の連結構造4について説明する。
図1に示すように、杆材の連結構造4は、下部支持脚部22および上部支持脚部31を、上下方向に沿って連結高さを変更可能に連結している。
図6に示すように、杆材の連結構造4は、下部支持脚部22における一対の対向部22A,22A同士の間に内嵌されるスペーサ部材40と、下部支持脚部22および上部支持脚部31の相対位置を位置決めする位置決め部材50と、を備えている。
図7に示すように、スペーサ部材40は、上面視で矩形状を呈し、上下方向に延びる軸状をなしている。スペーサ部材40は、上下方向に延びるスペーサ本体41と、スペーサ本体41の上端部に配置され、上面視で矩形状をなす閉塞板42と、スペーサ本体41の上端部および閉塞板42の下面を接続する接続リブ43と、を備えている。
スペーサ本体41には、スペーサ本体41を左右方向に貫くスペーサ挿通孔44が、第一杆材挿通孔25と対応して形成されている。スペーサ挿通孔44は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。複数のスペーサ挿通孔44同士の間隔は、複数の第一杆材挿通孔25同士の上下方向の間隔と互いに同等となっている。
スペーサ挿通孔44の孔径は、第一杆材挿通孔25の孔径よりも大きくなっている。図示の例では、スペーサ挿通孔44は、上下方向に等間隔をあけて4つ配置されている。なお、スペーサ挿通孔44の孔径は、第一杆材挿通孔25の孔径よりも小さくてもよいし、スペーサ挿通孔44の数量は任意に変更することができる。
スペーサ本体41のうち、左右方向の外側を向く両側面には、左右方向の内側に向けて窪む肉盗み部41Aが形成されている。肉盗み部41Aは、上下方向に互いに隣り合うスペーサ挿通孔44同士の間、およびスペーサ挿通孔44と、閉塞板42と、の間に配置されている。
このように、スペーサ本体41に肉盗み部41Aが形成されていることで、スペーサ部材40全体の肉厚を均一にして射出成形による製造時にヒケが生じるのを抑えることができる。
閉塞板42は、上下方向を向く板状部材である。図6に示すように、スペーサ部材40が下部支持脚部22の内側に内嵌された際に、閉塞板42は下部支持脚部22の上端開口部を閉塞している。閉塞板42の下面は、下部支持脚部22の上端開口縁と上下方向に当接している。
図7に示すように、接続リブ43はスペーサ本体41の前後方向の両外側に一対配置されている。一対の接続リブ43同士間の前後方向の寸法は、下部支持脚部22の内側における前後方向の寸法よりも僅かに小さくなっている。
なお、一対の接続リブ43同士間の前後方向の寸法は、下部支持脚部22の内側における前後方向の寸法よりも僅かに大きくてもよい。この場合には、スペーサ部材40を締まり嵌めとして、下部支持脚部22の内側に強固に内嵌することができる。
図8に示すように、位置決め部材50は、左右方向から見た平面視で、上方および下方に向けて突となす長円状を呈する板状部材である。位置決め部材50は、左右方向の内側に向けて突出する位置決め突部51を有している。
位置決め突部51は、位置決め部材50の左右方向の内側を向く内側面のうち、前後方向の中央部に配置されている。位置決め突部51は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。複数の位置決め突部51同士間の上下方向の間隔は、第一杆材挿通孔25同士間、および第二杆材挿通孔36同士間の上下方向の間隔と同一とされている。図示の例では、位置決め突部51は2つ配置されている。
位置決め部材50の内側面のうち、位置決め突部51の上方、および下方に位置する部分には、雌ねじ部62が形成された取付孔52が設けられている。取付孔52は、2つ設けられている。取付孔52には、後述する固定手段60における雄ねじ部材が取付けられる。
位置決め部材50の内側面には、左右方向の内側に向けて窪む肉盗み部53が形成されている。肉盗み部53は、上下方向、および前後方向に間隔をあけて複数配置されている。
このように、位置決め部材50に肉盗み部53が形成されていることで、位置決め部材50全体の肉厚を均一にして射出成形による製造時にヒケが生じるのを抑えることができる。
そして本実施形態に係る杆材の連結構造4では、図6および図9(b)に示すように、位置決め部材50は、位置決め突部51が、第一杆材挿通孔25、および第二杆材挿通孔36に連通するように配置されている。
位置決め突部51は、左右方向の外側から内側に向けて、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36に連通している。なお、本発明における連通とは、複数の部材の内部に連続して通された状態を意味している。すなわち、本発明における連通とは、例えば一対の対向部22A,22Aにおける、左右方向に間隔をあけて形成された第一杆材挿通孔25の全体に貫通されることまでを意味しない。よって、第一杆材挿通孔25のうち、一対の対向部22A,22Aの一方に形成された部分の全部、又は一部のみに位置決め突部51が配されていてもよい。
位置決め突部51はまた、スペーサ挿通孔44に連通している。2つの位置決め突部51は、上下方向に間隔をあけて配置されたスペーサ挿通孔44のうち、上下方向の内側に位置する部分に、各別に挿通されている。
図示の例では、位置決め突部51の先端部は、下部支持脚部22の左右方向の中央部に位置している。なお、このような態様に限られず、位置決め突部51の先端部が、第一杆材挿通孔25を左右方向に貫通して、下部支持脚部22から左右方向の内側に突出していてもよい。
また、本実施形態に係る杆材の連結構造4では、図6および図9(a)に示すように、第一杆材挿通孔25、第二杆材挿通孔36、およびスペーサ挿通孔44に連通した固定手段60により、下部支持脚部22および上部支持脚部31を連結している。
固定手段60は、雄ねじ部61と雌ねじ部62とによって構成される螺合手段とされている。雄ねじ部61を有する雄ねじ部材が、第一杆材挿通孔25、第二杆材挿通孔36、およびスペーサ挿通孔44に連通している。
また本実施形態に係る杆材の連結構造4では、下部支持脚部22および上部支持脚部31は、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36の対応関係を変更することで、長手方向に相対位置を変更可能に連結されている。すなわち、下部支持脚部22に対する上部支持脚部31の上下方向の位置が変更可能となっている。
また、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、互いに対応する複数の組を構成している。
そして、位置決め突部51は、複数の組のうちの一の組に連通し、固定手段60における雄ねじ部材は、複数の組のうちの他の組に連通している。
図示の例では、固定手段60における雄ねじ部材は、位置決め突部51よりも下方および上方に位置する第一杆材挿通孔25、第二杆材挿通孔36、およびスペーサ挿通孔44に連通している。
以上説明したように、本実施形態に係る杆材の連結構造4によれば、杆材の連結構造4が、下部支持脚部22、上部支持脚部31、位置決め部材50、およびスペーサ部材40により構成されている。このため、部品点数の増加を抑え、杆材の連結構造4を簡易的かつ安価に構成することができる。
また、位置決め部材50の位置決め突部51が、第一杆材挿通孔25、および第二杆材挿通孔36に連通している。このため、下部支持脚部22および上部支持脚部31の相対位置を仮決めした状態で、固定手段60により下部支持脚部22および上部支持脚部31を固定することが可能になり、連結長さの変更作業における作業性を良好なものとすることができる。
また、下部支持脚部22にスペーサ部材40が内嵌されているので、固定手段60により下部支持脚部22と上部支持脚部31とを強固に固定した場合であっても、下部支持脚部22および上部支持脚部31が変形するのを抑えることができる。
また、スペーサ部材40が下部支持脚部22に内嵌されるとともに、下部支持脚部22が上部支持脚部31の収容部31Aに収容されているので、杆材の連結構造4の見映えを良くすることができる。
また、下部支持脚部22および上部支持脚部31の相対位置を上下方向に変更可能とされているので、下部支持脚部22および上部支持脚部31を、所望する相対位置に調整して使用することができる。
また、複数設けられた第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36が構成する互いに対応する複数の組のうち、位置決め部材50が連通する組と、固定手段60が連通する組と、を異なる組にすることができる。このため、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36それぞれの孔径を、位置決め突部51および固定手段60それぞれが連通できる最低限の大きさとすることで、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36それぞれの孔径が大きくなるのを抑えることができる。
これにより、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36に異物が進入するのを抑えることができる。
また、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36に連通する位置決め突部51が、スペーサ挿通孔44にも連通している。このため、位置決め部材50により、下部支持脚部22および上部支持脚部31の相対位置に加えて、これらに対するスペーサ部材40の位置も位置決めすることができる。
また、スペーサ部材40が下部支持脚部22の上端開口部を閉塞しているので、下部支持脚部22の上端開口部から異物が進入するのを防ぐことができ、杆材の連結構造4に不具合が生じるのを抑えることができる。
また、位置決め部材50に、固定手段60を構成する雌ねじ部62が設けられているので、固定手段60を構成する雄ねじ部材と雌ねじ部材とが個別に設けられた構成と比較して、部品点数を削減することができる。
また、天板昇降式什器1における上部構造体3と下部構造体2とを着脱可能に連結する連結構造が、前述した杆材の連結構造4とされている。このため、天板部32の高さを変更する作業を容易に行うことができる。
(変形例)
次に図10を参照して、位置決め部材50の変形例について説明する。
図10に示すように、変形例に係る位置決め部材50Bはフック部54を備えている。フック部54は位置決め部材50Bにおける左右方向の外側面を向く外面に設けられている。
フック部54は位置決め部材50Bの外側面のうち、下方に位置する部分に配置されている。フック部54は位置決め部材50Bと一体に形成されている。フック部54には、天板昇降式什器1の使用者が、鞄等の持ち物を一時的に引っ掛けておくことができる。
以上説明したように、本変形例に係る位置決め部材50Bによれば、フック部54を備えているので、使用者が持ち物を一時的に引っ掛けておくことができる。この際、仮に上部支持脚部31の上下方向の位置を、下部支持脚部22に対して変更したとしても、フック部54を備えた位置決め部材50Bの上下方向の位置は変化することがない。
このため、フック部54を例えば天板等の上部構造体3に設けた構成と比較して、フック部54の上下方向の位置を常に一定にすることができ、フック部54の取扱性を確保することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図11を参照して説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る杆材の連結構造4Bにおける第一杆材挿通孔25は、一対の対向部22Aの両方を左右方向に貫く第一杆材貫通孔25Aと、一対の対向部22Aの一方を左右方向に貫く第一杆材位置決め穴25Bと、を備えている。
図示の例では、第一杆材位置決め穴25Bは、左右方向の外側に位置する対向部22Aに設けられている。第一杆材位置決め穴25Bは、一対の第一杆材貫通孔25A同士の上下方向の間に2つ配置されている。
そして本実施形態に係る杆材の連結構造4Bにおける位置決め部材50は、位置決め突部51が、第一杆材位置決め穴25B、および第二杆材挿通孔36に連通するように配置されている。
また、固定手段60における雄ねじ部61が形成された雄ねじ部材が、第一杆材貫通孔25A、第二杆材挿通孔36、およびスペーサ挿通孔44に連通した状態で、下部支持脚部22および上部支持脚部31が連結されている。
以上説明したように、本実施形態に係る杆材の連結構造4Bによれば、第一杆材挿通孔25のうち、位置決め突部51が連通される第一杆材位置決め穴25Bが、対向部22Aの一方のみを貫いている。このため、下部支持脚部22に設けられる孔の数を少なくすることで、見映えを良くするとともに、下部支持脚部22に設けられた孔から異物が進入するのを抑えることができる。
以上、本発明による天板昇降式什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、杆材の連結構造4が採用された天板昇降式什器1が、デスクである構成を示したが、このような態様に限られない。例えば物品を載置する台などのデスク以外の什器に、杆材の連結構造4を採用してもよい。また、什器としては天板部32を備えていなくてもよい。
また、上記各実施形態では、第一杆材である下部支持脚部22が、上面視で矩形状をなす管材である構成を示したが、このような態様に限られない。下部支持脚部22は、例えば上面視でH字状の鋼材であってもよいし、円筒管であってもよい。
ここで、下部支持脚部22が円筒管である場合には、第一杆材挿通孔25に、径方向に互いに対向する一対の対向部が形成され、これらの対向部が周方向に一体に形成された構成となる。
また、上記各実施形態では、第二杆材である上部支持脚部31が、左右方向の内側に向けて開口したチャンネル材である構成を示したが、このような態様に限られない。上部支持脚部31は、例えば左右方向の外側に向けて開口したチャンネル材であってもよいし、上面視で矩形状をなす角管であってもよい。また、上部支持脚部31は、円筒管であってもよい。
また、上記各実施形態では、下部支持脚部22および上部支持脚部31が、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36の対応関係を変更することで、上下方向に相対位置を変更可能に連結されている構成を示したが、このような態様に限られない。
下部支持脚部22および上部支持脚部31は、予め定められた上下方向の相対位置に連結されてもよい。
また、上記各実施形態では、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、互いに対応する複数の組を構成し、位置決め突部51と、固定手段60と、が、互いに異なる組に連通している構成を示したが、このような態様に限られない。例えば位置決め突部51の内部に、固定手段60の雌ねじ部62が形成され、位置決め突部51と固定手段60とが、第一杆材挿通孔25および第二杆材挿通孔36の同じ組に連通してもよい。
また、上記各実施形態では、位置決め突部51が、第一杆材挿通孔25、および第二杆材挿通孔36に連通するとともに、スペーサ挿通孔44に連通している構成を示したが、このような態様に限られない。位置決め突部51は、スペーサ挿通孔44に連通しなくてもよい。
また、上各記実施形態では、スペーサ部材40が、下部支持脚部22の上端開口部を閉塞している構成を示したが、このような態様に限られない。スペーサ部材40は、下部支持脚部の上端開口部を閉塞しなくてもよい。
また、上記各実施形態では、固定手段60における雌ねじ部62が、位置決め部材50に設けられ、雄ねじ部材が、第一杆材挿通孔25、第二杆材挿通孔36、およびスペーサ挿通孔44に連通している構成を示したが、このような態様に限られない。固定手段60として位置決め部材50とは別に、雄ねじ部61および雌ねじ部62を備えたボルト・ナットを採用してもよい。
また、上記第1実施形態では、第一杆材挿通孔25が、両方の対向部22Aを左右方向に貫く構成を示したが、このような態様に限られない。第一杆材挿通孔25は、一方の対向部22Aのみを左右方向に貫いてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 天板昇降式什器
2 下部構造体
3 上部構造体
4 杆材の連結構造
11 床面
22 下部支持脚部(第一杆材)
22A 対向部
25 第一杆材挿通孔
25A 第一杆材貫通孔
25B 第一杆材位置決め穴
31 上部支持脚部(第二杆材)
31A 収容部
32 天板部
36 第二杆材挿通孔
40 スペーサ部材
44 スペーサ挿通孔
50 位置決め部材
51 位置決め突部
60 固定手段
61 雄ねじ部
62 雌ねじ部

Claims (8)

  1. 長手方向に延びるとともに、長手方向と直交する対向方向に互いに対向する一対の対向部を有する第一杆材と、
    前記第一杆材を内部に収容する収容部が形成された第二杆材と、を備え、
    前記第一杆材および前記第二杆材を、前記長手方向に沿って連結する杆材の連結構造であって、
    前記第一杆材における前記一対の対向部同士の間に内嵌されるスペーサ部材と、
    位置決め突部を有し、かつ前記第一杆材および前記第二杆材の相対位置を位置決めする位置決め部材と、を備え、
    一対の前記対向部には、少なくとも一方の対向部を対向方向に貫く第一杆材挿通孔が形成され、
    前記第二杆材には、この第二杆材を対向方向に貫く第二杆材挿通孔が、前記第一杆材挿通孔と対応して形成され、
    前記スペーサ部材には、このスペーサ部材を対向方向に貫くスペーサ挿通孔が、前記第一杆材挿通孔と対応して形成され、
    前記位置決め部材は、前記位置決め突部が、前記第一杆材挿通孔、および前記第二杆材挿通孔に連通するように配置され、
    前記第一杆材挿通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通した固定手段により、前記第一杆材および前記第二杆材を連結していることを特徴とする杆材の連結構造。
  2. 前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられ、
    前記第一杆材および前記第二杆材は、前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔の対応関係を変更することで、長手方向に相対位置を変更可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の杆材の連結構造。
  3. 前記第一杆材挿通孔および前記第二杆材挿通孔はそれぞれ、長手方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、互いに対応する複数の組を構成し、
    前記位置決め突部は、前記複数の組のうちの一の組に連通し、
    前記固定手段は、前記複数の組のうちの他の組に連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の杆材の連結構造。
  4. 前記位置決め突部は、前記第一杆材挿通孔、および前記第二杆材挿通孔に連通するとともに、前記スペーサ挿通孔に連通していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の杆材の連結構造。
  5. 前記第一杆材は管材であり、
    前記スペーサ部材は、前記第一杆材の長手方向における開口端部を閉塞していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の杆材の連結構造。
  6. 前記固定手段は、雄ねじ部と雌ねじ部とによって構成される螺合手段とされ、
    前記位置決め部材に前記雌ねじ部が設けられ、
    前記雄ねじ部を有する雄ねじ部材が、前記第一杆材挿通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の杆材の連結構造。
  7. 前記第一杆材挿通孔は、一対の前記対向部の両方を対向方向に貫く第一杆材貫通孔と、一対の前記対向部の一方を対向方向に貫く第一杆材位置決め穴と、を備え、
    前記位置決め部材は、前記位置決め突部が、前記第一杆材位置決め穴、および前記第二杆材挿通孔に連通するように配置され、
    前記第一杆材貫通孔、前記第二杆材挿通孔、および前記スペーサ挿通孔に連通した固定手段により、前記第一杆材および前記第二杆材を連結していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の杆材の連結構造。
  8. 床面に載置される下部構造体と、
    天板部を備えた上部構造体と、
    前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結構造と、を有し、
    前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、
    前記連結構造は、請求項1から7のいずれか1項に記載の杆材の連結構造とされていることを特徴とする天板昇降式什器。
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