JP6889058B2 - 水素昇圧システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素昇圧システムに関する。
近年、地球環境の改善につながる燃料電池用の燃料として、水素への期待が高まっている。水素ガスを取り扱う場合、装置の金属部品に水素が吸収されて金属部品の強度を低下させる水素脆化が生じることにより、装置寿命が短くなるという不都合が生じる。
水素を利用するためには、水素ガスの昇圧が必要となることが多い。機械的なコンプレッサーを用いて水素ガスを昇圧する場合、金属部品の摺動面への水素の吸収を防止することが困難であるため、装置が高価となるうえ、頻繁なメンテナンスが必要となる。このため、機械的なコンプレッサーでは、水素ガスの昇圧のためのコストが過大となるおそれがある。
これに対して、可動部品を有せず、水素吸蔵合金による水素の吸蔵及び放出圧力を制御することで水素ガスを昇圧するシステム(ケミカルコンプレッサーとも呼ばれる)が提案されている。水素吸蔵合金による水素の吸蔵と放出とが平衡状態となる水素平衡圧(平衡解離圧)は、水素吸蔵合金の温度が高い程高い圧力となる。このため、水素吸蔵合金を冷却して低温に保持した状態で水素を吸蔵させた後、水素吸蔵合金を加熱して高温に保持した状態で水素を放出させることによって初期状態よりも高い圧力の水素ガスを得ることができる。
例えば特開昭61−151001号公報には、水素吸蔵合金(金属水素化物)を収容する複数の容器を直列に接続し、第1の容器の水素吸蔵合金による水素の吸蔵及び放出で昇圧した水素を、第2の容器の水素吸蔵合金による水素の吸蔵及び放出でさらに昇圧することで、必要な圧力の水素ガスを得るシステムが記載されている。
このような水素昇圧システムを実用化する場合、容量(単位時間当たりに昇圧できる水素ガスの量)が十分に大きいことが必要であるだけでなく、需要の変動に応じて安全に停止することができることも要求される。
水素吸蔵合金を用いる場合、水素吸蔵合金の水素平衡圧を必要とされる水素ガスの圧力と等しい圧力に設定すると、十分な容量を確保することが困難である。このため、水素吸蔵合金の水素平衡圧を必要とされる水素ガスの圧力よりも低い圧力に設定することで、水素の放出量を確保することが現実的である。このような運転は、一定の流量で水素ガスが消費される場合には安定して維持することが可能であるが、水素ガスの消費が急に停止すると、水素吸蔵合金の容器及び配管の圧力が上昇するという不都合がある。
特開昭61−151001号公報
上記不都合に鑑みて、本発明は、需要が変動しても圧力が過度に上昇しない水素昇圧システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る水素昇圧システムは、水素吸蔵合金を収容すると共にこの水素吸蔵合金を加熱及び冷却可能に構成され、使用圧力が異なる複数の貯蔵容器と、高圧の水素ガスを貯留可能な蓄圧器と、低圧側の上記貯蔵容器から流出する水素ガスを冷却する中間クーラーを有し、この中間クーラーで冷却した水素ガスを高圧側の上記貯蔵容器に導入する中間流路と、最も高圧の上記貯蔵容器から流出する水素ガスを冷却する高圧クーラーを有し、この高圧クーラーで冷却した水素ガスを上記蓄圧器に導入する高圧流路と、上記高圧流路の高圧クーラーの上流側から分岐し、上記高圧流路の圧力が設定圧力以上となったときに開放する調圧弁を有し、この調圧弁を通過した水素ガスを低圧側の上記貯蔵容器に環流させる環流流路とを備える。
当該水素昇圧システムは、低温の水素吸蔵合金に水素を吸蔵させ、加熱して水素を放出させることで、流出する水素ガスの圧力を供給される水素ガスの圧力よりも高くする工程を複数回行うことで水素ガスの圧力を段階的に上昇させる。当該水素昇圧システムは、最も高圧の上記貯蔵容器から水素ガスが流出する高圧流路から分岐し、上記高圧流路の圧力が設定圧力以上となったときに高圧流路の水素ガスの一部を低圧側の上記貯蔵容器に環流させる環流流路を備えるので、高圧流路の水素ガスを設定圧力以下に維持することができる。
当該水素昇圧システムは、使用圧力毎に、交番運転される複数の上記貯蔵容器を備えることが好ましい。このように、複数の上記貯蔵容器を交番運転するよう構成されることによって、当該水素昇圧システムは、水素を連続して昇圧することができる。
当該水素昇圧システムにおいて、上記貯蔵容器における上記水素吸蔵合金の加熱が低圧蒸気との熱交換によって行われ、上記水素吸蔵合金の冷却が冷却水との熱交換によって行われることが好ましい。このように、上記水素吸蔵合金の加熱が低圧蒸気との熱交換によって行われることによって、通常廃棄される熱エネルギーによって比較的安価に水素を昇圧することができる。また、上記水素吸蔵合金の冷却が冷却水との熱交換によって行われることによって、さらに安価に水素を昇圧することができる。
なお、本発明において、「使用圧力」とは、水素吸蔵時及び水素放出時の平均圧力を意味するものとする。また、「低圧蒸気」とは、圧力が0.2MPa以下の水蒸気を意味するものとする。
以上のように、本発明に係る水素昇圧システムは、需要が変動しても圧力が過度に上昇しない。
本発明の一実施形態の水素昇圧システムの構成を示す模式図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[水素昇圧システム]
図1に、本発明に一実施形態に係る水素昇圧システムの構成を示す。当該水素昇圧システムは、不図示の水素源から供給される水素ガス(H)を昇圧して不図示の需要設備に供給するものである。
当該水素昇圧システムは、一対の低圧貯蔵容器1と、この一対の低圧貯蔵容器1よりも高い圧力で使用される一対の高圧貯蔵容器2と、所望の圧力に昇圧された水素ガスを貯留する蓄圧器3とを備える。つまり、当該水素昇圧システムは、水素ガスを2段階に分けて昇圧する多段昇圧システムである。
当該水素昇圧システムは、水素源から低圧貯蔵容器1に水素ガスを供給する供給流路L1と、低圧貯蔵容器1から高圧貯蔵容器2に水素ガスを供給する中間流路L2と、高圧貯蔵容器2から蓄圧器3に水素ガスを供給する高圧流路L3と、高圧流路L3から低圧貯蔵容器1に水素ガスを環流させる環流流路L4とを備える。
また、当該水素昇圧システムは、中間流路L2に配設され、低圧貯蔵容器1から流出する水素ガスを冷却する中間クーラー4と、高圧流路L3に配設され、高圧貯蔵容器2から流出する水素ガスを冷却する高圧クーラー5とを備える。
環流流路L4は、高圧クーラー5の上流側において高圧流路L3から分岐している。この環流流路L4には、高圧流路L3側の圧力が設定圧力以上となったときに開放する調圧弁6が配設されている。つまり、環流流路L4は、調圧弁6を通過した水素ガスを低圧貯蔵容器1に環流させるよう構成されている。
当該水素昇圧システムは、供給流路L1の低圧貯蔵容器1の直前にそれぞれ配設される一対の低圧供給弁7と、中間流路L2の低圧貯蔵容器1の直後にそれぞれ配設される一対の中間排出弁8と、中間流路L2の高圧貯蔵容器2の直前にそれぞれ配設される一対の中間供給弁9と、高圧流路L3の高圧貯蔵容器2の直後にそれぞれ配設される一対の高圧排出弁10と、環流流路L4の低圧貯蔵容器1の直前にそれぞれ配設される一対の環流弁11とを備える。
上記一対の低圧供給弁7は、いずれか1つの低圧貯蔵容器1のみに水素ガスを供給するよう選択的に開閉される。上記一対の中間排出弁8は、いずれか1つの低圧貯蔵容器1のみから水素ガスを流出させるよう選択的に開閉される。上記一対の中間供給弁9は、いずれか1つの高圧貯蔵容器2のみに水素ガスを供給するよう選択的に開閉される。上記一対の高圧排出弁10は、いずれか1つの高圧貯蔵容器2のみから水素ガスを流出させるよう選択的に開閉される。上記一対の環流弁11は、いずれか1つの低圧貯蔵容器1のみに水素ガスを環流させるよう選択的に開閉される。
<貯蔵容器>
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2は、水素吸蔵合金を収容すると共にこの水素吸蔵合金を加熱及び冷却可能に構成される。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2は、使用圧力毎に、それぞれ複数並列に配設されており、交番運転される。つまり、一方の低圧貯蔵容器1及び一方の高圧貯蔵容器2が上流から供給され水素を吸蔵する間、他方の低圧貯蔵容器1及び他方の高圧貯蔵容器2が水素を下流に放出する。
具体的には、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2は、熱媒体(温熱媒又は冷熱媒)を挿通する熱媒体流路を有し、熱媒体との熱交換によって収容する水素吸蔵合金を冷却又は加熱することができるよう構成することができる。低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2の熱媒体流路の入口には、切替弁12がそれぞれ設けられ、温熱媒又は冷熱媒が選択的に挿通される。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2は、熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換を促進するために、熱媒体流路を画定する隔壁から水素吸蔵合金を収容する空間に突出するフィンを有することが好ましい。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に収容される水素吸蔵合金は、圧力又は温度を制御することによって水素を吸蔵及び放出できる合金である。このような水素吸蔵合金としては、公知のものを用いることができるが、例えば2元系合金、3元系合金、4元系合金、5元系合金等が挙げられる。
上記2元系合金としては、例えばLaNi等のLaNi系合金、TiFe系合金、MmNi系合金、CaNi系合金、TiMn系合金、TiZr系合金、ZrMn系合金などを挙げることができる。
上記3元系合金としては、例えばTi25Cr5025、Ti25Cr2550等のTiCrV系合金、Ti36Cr32Mn32、Ti30Cr35Mn35等のTiCrMn系合金、Ti20Cr4535等のTiCrV系合金、TiVMo系合金などを挙げることができる。
上記4元系合金としては、例えばTi30Cr4510Mo15、Ti25Cr5020Mo等のTiCrVMo系合金、Ti25Cr4425Fe等のTiCrVFe系合金、Ti25Cr5020Ni等のTiCrVNi系合金などを挙げることができる。
上記5元系合金としては、例えばTi11Cr1271MoNi等のTiCrVMoNi合金などを挙げることができる。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に収容される水素吸蔵合金の量としては、需要設備における水素ガスの平均使用量以上の水素を放出できる量とされ、設備コストの観点から、安定運転可能な範囲内で水素吸蔵合金の量を小さくすることが好ましい。具体的には、需要変動が小さい程、また、蓄圧器3の容量が大きい程、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に収容される水素吸蔵合金の量を低減することができる。
低圧貯蔵容器1に収容される水素吸蔵合金の種類と高圧貯蔵容器2に収容される水素吸蔵合金の種類とは互いに異なってもよい。また、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2には複数種類の水素吸蔵合金が収容されていてもよい。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に挿通される温熱媒としては、例えば水蒸気(St)、加圧水、燃焼ガス等を挙げることができるが、中でも低圧蒸気が好適に利用される。このように温熱媒として低圧蒸気を用いることによって、当該水素昇圧システムを設置する施設において廃棄される低圧蒸気の熱エネルギーを回収して水素の昇圧に利用することで水素昇圧のコストを低減することができる。
低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に挿通される冷熱媒としては、例えば冷却水(CW)、ブライン等を用いることができるが、中でも冷凍機を用いず河川やクーリングタワーから得られる安価な冷却水を用いることで、水素昇圧のコストを低減することができる。
なお、低圧貯蔵容器1と高圧貯蔵容器2とは、その形状、収容する水素吸蔵合金、加熱及び冷却手段等の詳細な構造が異なっていてもよい。特に、水素吸蔵合金の種類を異ならせ、高圧貯蔵容器2に収容する水素吸蔵合金の水素平衡圧を同じ温度における低圧貯蔵容器1に収容する水素吸蔵合金の水素平衡圧がよりも高くすることによって、同一の冷熱媒及び温熱媒を用いて効率よく水素ガスを段階的に昇圧することができる。
なお、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に設けられる切替弁12は、水素を吸蔵する低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2には冷熱媒を挿通し、水素を放出する低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2には温熱媒を挿通するよう切り換えられる。
<蓄圧器>
蓄圧器3は、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2によって昇圧された水素ガスを貯留する1又は複数の高圧ガスタンクである。この蓄圧器3の内容積は、需要設備の負荷変動等に応じて選択される。
<クーラー>
中間クーラー4及び高圧クーラー5は、冷熱媒との熱交換によって水素ガスを冷却する熱交換器である。
この中間クーラー4及び高圧クーラー5としては、例えばシェル&チューブ型熱交換器等を用いることができる。
中間クーラー4は、高圧貯蔵容器2に導入される水素ガスの温度を低下させることにより、水素吸蔵合金の温度上昇による水素吸蔵速度の低下を抑制する。一方、高圧クーラー5は、蓄圧器3の不必要な圧力上昇を防止する。
なお、中間クーラー4と高圧クーラー5とは、その構造及び利用する冷熱媒の種類が異なっていてもよい。
中間クーラー4及び高圧クーラー5で用いる冷熱媒としては、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に挿通される冷熱媒と同様のものを用いることができる。
<調圧弁>
調圧弁6は、高圧流路L3の圧力が上昇したときに開放して高圧流路L3の圧力の過度の上昇を防止することにより、高圧流路L3に接続される高圧貯蔵容器2、蓄圧器3及び高圧クーラー5等の機器を保護する。
この調圧弁6としては、例えばリリーフ弁、コントロールバルブ等を用いることができる。調圧弁6として用いるリリーフ弁は、高圧流路L3の圧力の不必要な低下を抑制するため、開放圧力と閉鎖圧力との差が小さいことが好ましい。
<運転方法>
当該水素昇圧システムは、一方の低圧貯蔵容器1から水素を放出させ、一方の高圧貯蔵容器2に水素を吸蔵させると同時に、他方の低圧貯蔵容器1に水素を吸蔵させ、かつ他方の高圧貯蔵容器2から水素を放出させる。
具体的には、水素を吸蔵するためには、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に冷熱媒を挿通することにより、収容される水素吸蔵合金の水素平衡圧が水素ガスの供給圧力以下となるよう冷却する。水素吸蔵合金の温度と水素吸蔵合金の水素平衡圧が水素ガスの供給圧力となる温度との差が大きい程、水素吸蔵速度が大きくなる。同様に、水素を放出するためには、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2に温熱媒を挿通することにより、収容される水素吸蔵合金の水素平衡圧が水素ガスの排出圧力以上となるよう加熱する。水素吸蔵合金の温度と水素吸蔵合金の水素平衡圧が水素ガスの排出圧力となる温度との差が大きい程、水素放出速度が大きくなる。
当該水素昇圧システムでは、一対の低圧貯蔵容器1及び一対の高圧貯蔵容器2を交番運転するために、一対の低圧供給弁7、一対の中間排出弁8、一対の中間供給弁9及び一対の高圧排出弁10はそれぞれ一方が閉鎖されると共に他方が開放される。また、各低圧貯蔵容器1の前後の低圧供給弁7と中間排出弁8とは一方が閉鎖されると共に他方が開放され、かつ各高圧貯蔵容器2の前後の中間供給弁9と高圧排出弁10とは一方が閉鎖されると共に他方が開放される。
なお、当該水素昇圧システムにおいて、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2の水素吸蔵状態と水素放出状態とを切り換える際には、水素吸蔵合金の水素平衡圧が水素ガスの供給圧力又は排出圧力となる温度まで、前後の低圧供給弁7及び中間排出弁8並びに中間供給弁9及び高圧排出弁10を閉鎖して、低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2内の圧力を調節してから供給流路L1、中間流路L2又は高圧流路L3に接続することで水素ガスの逆流を防止することが好ましい。
このような低圧貯蔵容器1及び高圧貯蔵容器2内の圧力を調節する時間を考慮して、当該水素昇圧システムでは、蓄圧器3の内容積を十分に大きくするか、水素吸蔵速度を水素放出速度よりも大きく設定することによって、当該水素昇圧システムから需要設備に対して連続的に高圧の水素ガスを供給できるようにする必要がある。
当該水素昇圧システムでは、環流流路L4の一対の環流弁11は、温熱媒が挿通されて加熱されている低圧貯蔵容器1に水素ガスを環流させることが好ましい。これは、環流流路L4を介して低圧貯蔵容器1に環流される水素ガスは、高圧流路L3の比較的温度が高い水素ガスが調圧弁6によって減圧されて膨張する等エントロピー変化のために温度がさらに上昇している。このため、この高温の水素ガスを水素を吸蔵するために冷却されている低圧貯蔵容器1に環流させると冷熱負荷が増大して水素吸蔵速度が低下するおそれがあるからである。
<利点>
当該水素昇圧システムは、低圧貯蔵容器1が冷却状態で水素ガスの供給圧で水素を吸蔵し、加熱状態で所定の中間圧力の水素を放出することで中間圧力の水素ガスを生成し、高圧貯蔵容器2が冷却状態で中間圧力の水素を吸蔵し加熱状態でより高い圧力の水素を放出する。これによって、例えばピストンやスクリューのように水素に接触する可動部品を用いずに供給圧力よりも十分に高い圧力の水素ガスを得ることができる。このため、当該水素昇圧システムは、水素脆化が生じ難いので、高価な材料を用いずに比較的安価に製造することができる。
また、当該水素昇圧システムは、高圧流路L3から分岐し、高圧流路L3の圧力が設定圧力以上となったときに高圧流路L3中の水素ガスの一部を低圧貯蔵容器1に環流させる環流流路L4を備えるので、高圧流路L3、ひいては高圧貯蔵容器2、蓄圧器3、高圧クーラー5等の機器を設定圧力以下に維持して保護することができる。このため、当該水素昇圧システムは、過度に耐圧性の高い機器を使用する必要がなく、比較的安価に提供することができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該水素昇圧システムの圧力段数(使用圧力の数)は3段以上であってもよい。なお、当該水素昇圧システムにおける圧力段数が3段以上である場合、環流流路は、最も高圧側の貯蔵容器よりも低圧側の貯蔵容器に水素ガスを環流させればよく、例えば2段目の貯蔵容器に水素ガスを環流させてもよい。
当該水素昇圧システムにおいて、各段に設けられる貯蔵容器は、3つ以上であってもよい。具体的には、当該水素昇圧システムは、任意の段において3つ以上の貯蔵容器を交番運転するものであってもよい。このように、各段に3つ以上の貯蔵容器を交番運転することによって、貯蔵容器2内の圧力を調節する時間を確保することができるので、水素吸蔵速度と水素放出速度とが等しくても蓄圧器に連続的に水素ガスを供給することができる。
また、各段に設けられる貯蔵容器は1つであってもよい。なお、当該水素昇圧システムにおいて、貯蔵容器を交番運転しない場合には連続して蓄圧器に水素ガスを供給できないので、連続的な需要に対しては蓄圧器の内容積を大きくする必要がある。
当該水素昇圧システムは、任意の段に交番運転される複数の貯蔵容器の組を複数有してもよい。
当該水素昇圧システムにおいて温熱媒及び冷熱媒は、低圧蒸気及び冷却水に限定されない。具体的には、当該水素昇圧システムにおける熱媒体としては、例えばブライン、熱媒体油等を用いてもよく、温熱源としてヒーターを設けてもよい。
当該水素昇圧システムにおいて、貯蔵容器に配設される1つのノズルに複数の流路が接続されてもよい。
本発明に係る水素昇圧システムは、例えば水素ステーション等において要求される高圧水素を供給するために好適に利用することができる。
1 低圧貯蔵容器
2 高圧貯蔵容器
3 蓄圧器
4 中間クーラー
5 高圧クーラー
6 調圧弁
7 低圧供給弁
8 中間排出弁
9 中間供給弁
10 高圧排出弁
11 環流弁
12 切替弁
L1 供給流路
L2 中間流路
L3 高圧流路
L4 環流流路

Claims (2)

  1. 水素吸蔵合金を収容すると共にこの水素吸蔵合金を加熱及び冷却可能に構成されている複数の低圧側の貯蔵容器及び複数の高圧側の貯蔵容器と、
    高圧の水素ガスを貯留可能な蓄圧器と、
    上記複数の低圧側の貯蔵容器の少なくとも1つから流出する水素ガスを冷却する中間クーラーを有し、この中間クーラーで冷却した水素ガスを上記高圧側の貯蔵容器に導入する中間流路と、
    上記複数の高圧側の貯蔵容器の少なくとも1つから流出する水素ガスを冷却する高圧クーラーを有し、この高圧クーラーで冷却した水素ガスを上記蓄圧器に導入する高圧流路と、
    上記高圧流路の高圧クーラーの上流側から分岐し、上記高圧流路の圧力が設定圧力以上となったときに開放する調圧弁を有し、この調圧弁を通過した水素ガスを上記低圧側の貯蔵容器に環流させる環流流路と
    を備え
    上記複数の低圧側の貯蔵容器及び複数の高圧側の貯蔵容器における上記水素吸蔵合金の加熱が低圧蒸気との熱交換によって行われ、上記水素吸蔵合金の冷却が冷却水との熱交換によって行われ、
    上記複数の低圧側の貯蔵容器のうち、少なくとも1つが上記低圧蒸気で加熱して上記高圧側の貯蔵容器に水素ガスを供給する水素放出状態であり、他の少なくとも1つが上記冷却水で冷却して水素ガスを吸蔵する水素吸蔵状態であり、
    上記複数の高圧側の貯蔵容器のうち、少なくとも1つが上記低圧蒸気で加熱して上記蓄圧器に水素ガスを供給する水素放出状態であり、他の少なくとも1つが上記冷却水で冷却して水素をガス吸蔵する水素吸蔵状態であり、
    上記蓄圧器が複数の高圧タンクを有し、
    上記複数の低圧貯蔵容器及び複数の高圧貯蔵容器それぞれが、温媒体又は冷媒体を選択可能な切替弁を含む熱媒体流路を有し、
    上記中間クーラーが、上記高圧貯蔵容器が有する水素吸蔵合金の温度上昇による水素吸蔵速度の低下を抑制するものであり、
    上記高圧クーラーが、上記蓄圧器の不必要な圧力上昇を防止するものであり、
    上記還流流路が、還流弁を含み、上記還流流路の水素ガスを上記温媒体で加熱されている低圧貯蔵容器に還流する水素昇圧システム。
  2. 上記複数の低圧側の貯蔵容器及び複数の高圧側の貯蔵容器それぞれが交番運転され
    上記中間流路が、上記複数の低圧貯蔵容器のうちの1つから水素ガスが流出するように開閉する中間排出弁と、上記複数の高圧貯蔵容器のうちの1つに水素ガスを供給するように開閉する中間供給弁とを有し、
    上記高圧流路が、上記複数の高圧貯蔵容器のうちの1つから水素ガスが流出するように開閉する高圧排出弁を有する請求項1に記載の水素昇圧システム。
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