JP2003227598A - 水素コンプレッサ装置および該装置の運転方法 - Google Patents

水素コンプレッサ装置および該装置の運転方法

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JP2003227598A JP2002027101A JP2002027101A JP2003227598A JP 2003227598 A JP2003227598 A JP 2003227598A JP 2002027101 A JP2002027101 A JP 2002027101A JP 2002027101 A JP2002027101 A JP 2002027101A JP 2003227598 A JP2003227598 A JP 2003227598A
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container
alloy
desorption
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Masamitsu Murai
正光 村井
Yasushi Yoshinaga
泰 吉永
Hideaki Ito
秀明 伊藤
Shunji Ito
俊二 伊藤
Toshiki Kabutomori
俊樹 兜森
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素コンプレッサ装置における水素の有効
利用率を上げる。 【解決手段】 水素貯蔵合金を収容した水素吸放出容
器1、2を対で備え、前記水素貯蔵合金に対し、加熱す
る合金加熱手段10と、冷却する合金冷却手段11とを
備える。水素吸放出容器1、2は、それぞれ水素導入路
3、4と、水素送出路5、6を有し、水素吸放出容器
1、2間には、一方の水素吸放出容器の合金収容空間に
残存する水素を他方の水素吸放出容器の合金収容空間に
移動させる水素移動路20を設ける。 【効果】 一方の水素吸放出容器に残存する水素を他
方の水素吸放出容器に移動させて有効に回収し、これを
水素貯蔵合金に吸蔵されている水素とともに外部に放出
することで高い有効利用効率で高圧の水素を供給でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵合金での
水素吸放出現象を利用して高圧の水素を供給する水素コ
ンプレッサ装置および該装置の運転方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】環境面で優れた燃料電池自動車の実用化
に際しては、該自動車に適宜水素を供給する水素ステー
ションの整備が急務であると言われている。燃料電池自
動車は水素を高圧タンクに充填して走るため、水素ステ
ーションでは例えば35MPa以上の高圧の水素コンプ
レッサが必要になっている。水素コンプレッサの一種と
して、水素貯蔵合金を利用したものが知られており、ラ
ンニングコストを著しく軽減できるコンプレッサとして
注目されている。
【0003】水素貯蔵合金は、図8に示すように、冷水
等により冷却すると平衡圧が低下して水素を吸蔵する作
用があり、逆に水素吸蔵状態で温水等による加熱により
昇温すると水素の平衡圧が昇圧して水素を放出する作用
を有している。水素コンプレッサは水素貯蔵合金のこの
特徴を応用したものである。水素貯蔵合金のこの反応を
利用するシステムは、水素コンプレッサ以外にも多くの
ものが開発されている。しかし、ほとんどが1MPa前
後の圧力での反応を利用するものであり、35MPa以
上の高圧域の反応を利用するシステムは水素コンプレッ
サ以外にはほとんど無い。
【0004】水素コンプレッサに関しては、例えばER
GENIC社の研究報告があり、水素貯蔵合金のみで5
0MPa程度まで昇圧可能であることが報告されてい
る。該水素コンプレッサは、水素貯蔵合金を充填する高
圧容器と水素貯蔵合金および該水素貯蔵合金を加熱・冷
却する装置で構成される。水素貯蔵合金の加熱および冷
却は、容器の外から加熱・冷却する外熱式と、容器の内
に熱媒体を導入し内部から加熱する内熱式とがあるが、
後述する理由から、従来の水素コンプレッサは外熱式が
ほとんどである。外熱式水素貯蔵合金容器は利用できる
熱源の種類によって、加熱用配管を容器の周囲に巻き付
ける場合や、直接ガス体などで加熱・冷却する場合など
があるが本質的なものでは無い。代表的な水素コンプレ
ッサ用の水素貯蔵合金容器は、チューブの内側に合金を
充填し、外部から加熱するものである。比較的細径のチ
ューブが多いのは、伝熱性能を高めサイクル時間を短く
するためのものと考えられる。
【0005】従来装置として、耐圧35MPaの鋼製の
容器に水素貯蔵合金を体積密度40%で充填した水素貯
蔵合金容器を考える。水素貯蔵合金としては種々のもの
を選べるが、図9に代表的な水素貯蔵合金のP−C−T
線図(圧力、吸蔵量、温度線図)を示す。上記水素貯蔵
合金を水素貯蔵合金容器に収容し、該容器に水素の導入
路と放出路とを設け、導入路を外部の水素タンクに連結
する。この水素貯蔵合金容器を最初35℃に冷却し7M
Paの水素タンクと導入路とを連結すると、水素貯蔵合
金は図9に示すの位置まで水素を吸蔵することができ
る。この状態で導入路側を閉じ、水素貯蔵合金容器を加
熱すると水素の平衡圧が上昇する。一部の吸蔵水素は水
素貯蔵合金から放出され容器内に充填される。水素圧が
35MPaに到達した時点で放出路側を開き、水素貯
蔵合金容器から高圧ボンベに水素を放出する。水素は、
一旦水素貯蔵合金が収容されている空間の隙間に放出さ
れる(から’に至る間)。この状態で水素貯蔵合金
容器を加熱し続けると、水素貯蔵合金が熱源温度に達す
る点まで水素を放出して外部に35MPaの高圧水素
を供給することができる。に達した後は放出路側を閉
じ、水素貯蔵合金容器の冷却を開始する。圧力が7MP
a以下になった段階で、導入路側を開け水素貯蔵合金容
器に水素を導入する。以下、同様の動作を繰返すことに
より、水素を圧縮し高圧ボンベに充填することが可能に
なる。
【0006】また、水素貯蔵合金は合金成分を変化させ
ることにより、種々の温度/圧力特性の合金を用意する
ことができる。このことを利用すると、それほど高い温
度の熱源でなくても、水素貯蔵合金コンプレッサを多段
に組合わせることにより、低圧から高圧まで昇圧するこ
とが可能になる。図10、11は、ERGNIC社の多
段の水素貯蔵合金式水素コンプレッサの例で、4段に組
合わせることにより21Psiから1700Psiまで
昇圧することに成功している。一方、温度範囲を広くと
れれば、一段の水素貯蔵合金コンプレッサで低圧から高
圧まで昇圧することも可能である。例えば、0℃前後の
冷水と150℃前後の熱水を組合わせることにより、一
段で2MPaから35MPaまでの昇圧が原理的に可能
である。同様の例でERGNIC社は、室温と400℃
の燃焼ガスを使用し、やはり一段で1MPaから35M
Paまでの昇圧を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水素貯蔵合
金は、合金内への水素の吸蔵速度を速くするため粉末状
にして容器に収容されている。このため必然的に水素貯
蔵合金粉末間には隙間が発生する。しかし、上記した水
素の放出では、この隙間に水素貯蔵合金からの放出水素
の一部が残留水素として残るため、その分、水素の有効
利用効率が低下する。図9で説明した従来装置では、理
論的には、水素貯蔵合金重量当たりで90cc/gの水
素放出が可能であるが、水素貯蔵合金の充填密度は45
%に過ぎず、実際に取り出せる水素量は、上記隙間に残
存する水素量等を差し引いた、’からに至る間に放
出される水素量59cc/gに過ぎない。この残留水素
は放出させようとする水素の圧力が高くなるほど顕著に
多くなるので、水素貯蔵合金コンプレッサでの高圧化を
難しくしている。
【0008】残留水素を少なくするには、容器体積当た
りの合金充填密度(体積充填密度)を大きくすることが
有効であるが、この体積充填密度は熱交換器のタイプに
より異なる。水素貯蔵合金容器の合金充填密度は、一般
的には外熱式容器の方が大きく設計することが可能であ
る。水素貯蔵合金コンプレッサで外熱式の容器の採用が
多いのはそのためと考えられるが、それでも体積効率で
55%程度が限界である。この熱交換器を用いても、3
5MPaを越えると水素の有効利用効率は著しく低下
し、70MPaではほとんどゼロになってしまうことが
判っている。
【0009】もう一つの問題点は、圧力が高くなると容
器の肉厚が厚くなり、その分容器の顕熱が大きくなるた
め、加熱・冷却での熱量の大半が容器の加熱・冷却に食
われてしまい、熱効率を著しく低下させてしまう点にあ
る。顕熱を小さくするには強度の高い材料使用が必要で
あるが、温度が高いためインコネル(商標)等の高価格
材料の使用が必要になる。一方、容器の顕熱が大きいこ
とや伝熱性能が劣ることは、外熱式容器の共通課題であ
り、内熱式容器で設計できれば、顕熱の問題や伝熱性能
の問題はある程度解決されるが、内熱式容器は上記した
充填密度を大きくできない大きな欠点を有している。
【0010】従来の水素貯蔵合金コンプレッサの第1の
問題点は、以上述べてきたことからも明らかなように、
圧力終了後の水素圧および容器を加熱した熱量が、ただ
無駄に放出されてしまっている点である。そこで、本発
明では、この水素圧エネルギーと容器の加熱エネルギー
の効率の良い回収を可能にした水素コンプレッサを提案
することを目的にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の水素コンプレッサ装置のうち請求項1記載の発
明は、加熱、冷却によって水素の吸放出が可能な水素貯
蔵合金を収容した水素吸放出容器を対で備え、該水素吸
放出容器にそれぞれ収容された水素貯蔵合金に対し、水
素を放出させるべく加熱する合金加熱手段と、水素を吸
蔵させるべく冷却する合金冷却手段とを備えており、該
水素吸放出容器は、それぞれ前記水素貯蔵合金に吸蔵さ
せる水素を外部から導入する水素導入路と、前記水素貯
蔵合金から放出される高圧水素を外部に送出する水素送
出路とを有しており、さらに前記水素吸放出容器間に
は、一方の水素吸放出容器の合金収容空間に残存する水
素を他方の水素吸放出容器の合金収容空間に移動させる
水素移動路が設けられていることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の水素コンプレッサ装置は、
請求項1記載の発明において、前記水素導入路と、前記
水素放出路と、前記水素移動路とには、それぞれ水素の
移動を制御する弁が設けられていることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の水素コンプレッサ装置は、
請求項1または2に記載の発明において、前記水素吸放
出容器は、合金加熱手段および合金冷却手段から供給さ
れる熱媒が移動して、収容されている水素貯蔵合金との
間で熱交換がなされる熱交換部を有しており、対となる
水素吸放出容器は、互いの熱交換部が開閉可能な顕熱回
収路で連結されていることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の水素コンプレッサ装置の運
転方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の水素
コンプレッサ装置の運転方法であって、前記水素吸放出
容器の一方で、該容器に収容され水素を吸蔵している水
素貯蔵合金を加熱し水素を放出させて水素送出部を通し
て外部に高圧水素を送出するとともに、他方の水素吸放
出容器で、該容器に収容され水素を吸蔵していない水素
貯蔵合金を冷却して水素導入路を通して外部から水素を
導入して吸蔵させる水素吸放出工程と、水素吸放出容器
間の水素移動路を連通させて水素放出を行った水素吸放
出容器の合金収容空間に残存する水素を、水素吸蔵を行
った水素吸放出容器の合金収容空間に移動させる水素圧
回収工程とを有することを特徴とする。
【0015】請求項5記載の水素コンプレッサ装置の運
転方法の発明は、請求項4記載の発明において、前記水
素吸放出工程では、水素吸放出容器の水素導入路および
水素放出路を閉じておき、前記加熱により一方の水素吸
放出容器で所定の水素平衡圧に上昇した後、水素放出路
を開いて高圧水素を放出するとともに、前記冷却により
他方の水素吸放出容器で所定の水素平衡圧に下降した
後、水素導入路を開いて水素を導入することを特徴とす
る。
【0016】請求項6記載の水素コンプレッサ装置の運
転方法の発明は、請求項4または5に記載の発明におい
て、前記水素圧回収工程後に、対となる水素吸放出容器
での水素の吸放出を前記水素吸放出工程と逆にした水素
吸放出工程を行うようにして、これら水素圧回収工程と
水素吸放出工程とを繰り返し行うことを特徴とする。
【0017】請求項7記載の水素コンプレッサ装置の運
転方法の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明
において、水素圧回収工程中に、水素を移動させる水素
吸放出容器に収容した水素貯蔵合金を加熱し、水素の移
動を受ける水素吸放出容器に収容した水素貯蔵合金を冷
却することを特徴とする。
【0018】請求項8記載の水素コンプレッサ装置の運
転方法の発明は、請求項4〜7のいずれかに記載の発明
において、水素圧回収工程後、次の水素吸放出工程前
に、水素吸放出容器間で熱媒を移動させて一方の水素吸
放出容器での顕熱を取り出して他方の水素吸放出容器で
回収する顕熱回収工程を行うことを特徴とする。
【0019】すなわち、本発明では、水素吸放出容器を
少なくとも2個、対で用意し、片側の容器が昇温水素放
出の時、もう片方の水素貯蔵合金容器は冷却水素吸蔵と
なるように構成配置する。さらに、この2つの容器間に
は水素エネルギー回収のため、水素移動路を設ける。該
水素移動路には、請求項2に記載するように、水素の移
動を制御する開閉弁を設けるのが望ましい。
【0020】一方の水素吸放出容器で水素貯蔵合金を加
熱手段により加熱して水素を放出させ、他方の水素吸放
出容器で水素貯蔵合金を冷却手段により冷却して水素を
吸蔵させる。その際には、前記水素吸放出工程で、水素
吸放出容器の水素導入路および水素放出路を閉じてお
き、前記加熱により一方の水素吸放出容器で所定の水素
平衡圧に上昇した後、水素放出路を開いて高圧水素を放
出し、前記冷却により他方の水素吸放出容器で所定の水
素平衡圧に下降した後、水素導入路を開いて水素を導入
することにより、所定の圧力の高圧水素を供給すること
ができる。
【0021】その後、両容器を水素移動路の連結により
水素の移動を可能にする。水素を放出した側の容器で
は、水素貯蔵合金の収容空間に水素が残存しており、該
空間は比較的圧力が高い状態にある。一方、水素を吸蔵
した側の容器では、水素貯蔵合金の収容空間での水素の
残存は殆どなく、該空間では比較的圧力が低い状態にあ
る。このため、両収容空間を水素移動路で連結すると、
一方の水素放出側の容器にある残存水素が他方の水素吸
蔵側の容器に移動して、両空間が均圧される。なお、上
記水素移動に際しては、請求項7に記載するように、水
素吸放出の際と同様に、水素を移動させる側の水素貯蔵
合金の加熱を続行し、水素の移動を受ける側の水素貯蔵
合金の冷却を続行するのが望ましい。これにより、水素
移動を促して円滑な水素移動を可能にする。
【0022】上記水素移動後、水素移動路を閉じた状態
で、上記対の水素吸放出容器で前記とは逆に水素の吸放
出を行う。すなわち、水素の移動がなされた側の水素吸
放出容器で冷却手段により水素貯蔵合金を冷却して水素
を吸蔵させ、水素の移動を受けた側の水素吸放出容器で
加熱手段により水素貯蔵合金を加熱して水素を放出させ
る。この際には、合金収容空間に移動された水素が水素
貯蔵合金から放出された水素とともに外部に送出される
ことになるため、水素の有効送出量が増大し、高圧の水
素を効率よく供給することができる。水素の吸放出後
は、上記と同様に両容器を水素移動路で連結して、水素
を逆方向に移動させる。これら動作を繰り返すことによ
り、高圧の水素を継続して供給することができる。
【0023】また、上記水素吸放出容器では、熱媒が移
動する熱交換部同士を顕熱回収路で連結することも可能
である。水素吸放出および容器間の水素移動を行った
後、該容器のうち水素吸放出を行った容器では、容器内
部の構造物や水素貯蔵合金が高温に加熱された状態にあ
る。該容器では、次の水素吸放出に際しては冷却される
ことになるため、容器や水素貯蔵合金の熱は無駄になっ
てしまう。したがって、この容器において請求項7に記
載するように、顕熱を回収し、その熱を次の水素吸放出
に際し加熱される他方の水素吸放出容器の側に伝えるこ
とで熱エネルギ効率を向上させることができる。ただ
し、本発明としては、上記顕熱回収が必須となるもので
はなく、廃熱利用のように、利用可能な熱エネルギが充
分にあるような場合には、顕熱回収を行わないものであ
ってもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を説
明する。図1は、本発明の水素コンプレッサ装置の系統
図を示すものであり、水素貯蔵合金(図示しない)を収
容した水素吸放出容器1と、同じく水素貯蔵合金を収容
した水素吸放出容器2とが対になって設けられている。
上記水素吸放出容器1、2には、水素を外部から容器内
に導入する水素導入路3、4と、容器内の水素を外部に
放出する水素放出路5、6とがそれぞれ接続されてお
り、上記水素導入路3、4には、それぞれ開閉弁7a、
8aが設けられ、水素放出路5、6には、それぞれ開閉
弁7b、8bが設けられている。すなわち、開閉弁7a
〜8bの操作によって水素吸放出容器1、2の一方に水
素を導入し、他方から水素を放出できるように構成され
ている。
【0025】また、上記容器1、2の外部には、上記水
素吸放出容器1、2に高温熱媒を供給する加熱手段であ
る加熱ボイラ10と、低温熱媒を供給する冷却手段であ
る冷却器11とを有しており、水素吸放出容器1、2
と、加熱ボイラ10および冷却器11とは、開閉弁12
a、12b、13a、13b、14a、14b、15
a、15bを挟んで配管接続されている。すなわち、開
閉弁12a〜15bの操作によって水素吸放出容器1、
2の一方に高温熱媒を循環供給し、他方に低温熱媒を循
環供給できるように構成されている。
【0026】また、上記水素吸放出容器1、2間には、
互いの水素貯蔵合金を収容する空間を連結する水素移動
路20が配置されており、該水素移動路20には、開閉
弁21が設けられている。さらに水素吸放出容器1、2
は、循環路である顕熱回収路25で連結されており、該
顕熱回収路25には開閉弁26、27が設けられてい
る。
【0027】水素吸放出容器には、代表的には内熱式と
外熱式の2つのタイプがあり、それぞれにメリット、デ
メリットが有ることはすでに述べた通りである。一方、
水素コンプレッサ用の水素貯蔵合金容器は高圧ガス容器
であるため、検査性も含めたメインテナンス性、信頼性
が要求される。したがって本発明の実施にあたっては、
これらのことも十分考慮する必要求がある。図2は、外
熱式の水素吸放出容器1の正面断面および側面断面を示
す図であり、水素吸放出容器2も同様の構造であるの
で、その説明は省略する。
【0028】該水素吸放出容器1は、円筒形状の容器本
体1aを有しており、その内部には両端部のフィルタ3
0、30で仕切られた空間に粉末状の水素貯蔵合金31
が収容されているとともに、軸方向に沿って水素の通気
のための通気材32…32が所定の間隔で複数本装入さ
れている。通気材32…32は、フィルタ30を通して
容器1内両端の空間に連通しており、該空間の一方に連
通するように水素導入路3が水素吸放出容器1に接続さ
れ、他方の空間に連通するように水素放出路5がおなじ
く水素吸放出容器1に接続されている。また、水素導入
路3には水素移動路20が接続されており、水素貯蔵合
金が収容されている空間との連通が可能になっている。
さらに、該容器本体1aの外周には、加熱・冷却用の熱
媒配管9が巻き付けられており、該熱媒配管9には、前
記した加熱ボイラ10または冷却器11から熱媒が供給
されるように構成されている。なお、この熱媒配管9お
よび容器壁部とが水素貯蔵合金との間で熱交換を行うた
めの熱交換部を構成している。また、熱媒配管9には、
顕熱回収路25の一端が接続されており(図2では図示
していない)、顕熱回収路25の他端側は図2で示して
いない水素吸放出容器2の熱媒配管に接続されている。
【0029】上記水素吸放出容器1では、熱媒配管9に
高温の熱媒または低温の熱媒を流すことによって容器本
体1a内の水素貯蔵合金31を加熱または冷却する。該
水素貯蔵合金で吸放出される水素は、合金間の空間およ
び通気材32を通して移動し、さらにフィルタ30を介
して水素導入路3、水素放出路5、水素移動路20との
間で移動する。
【0030】また、本発明では、上記外熱式の水素吸放
出容器に変えて内熱式のものを採用することもできる。
図3は、内熱式とした水素吸放出容器40の正面断面お
よび側面断面を示す図である。水素吸放出容器は、筒型
の耐圧容器本体40aを有し、その内部に筒型に断熱材
42が配置されている。該断熱材42内には、粉末状の
水素貯蔵合金41が収容されているとともに、熱媒が移
動する伝熱管43が軸方向に沿いつつ断熱材42内で折
り返されて両端が外部に伸長している。該伝熱管43の
外部に伸長する端部は、図示しない加熱手段および冷却
手段に接続される。なお、断熱材42の内部では、上記
伝熱管43が貫通するようにして水素貯蔵合金41が収
容されている空間にアルミニウムフィン44…44が配
置されている。また、断熱材42には、水素配管45が
接続されており、該水素配管45と内部の水素貯蔵合金
収容空間と連通している。該水素配管45の他端側は、
図示しない水素導入路および水素放出路に選択的に連通
させるように構成されている。
【0031】上記水素吸放出容器40では、伝熱管43
内を熱媒が移動することで、伝熱管43またはフィン4
4を通して水素貯蔵合金41の加熱または冷却がなされ
る。該水素貯蔵合金41で吸放出される水素は、粉末状
の合金間を通過して水素配管45を通して水素導入路、
水素放出路、水素移動路との間で移動する。
【0032】次に、本発明の水素コンプレッサ装置の動
作を説明する。この水素コンプレッサは、以下の4つの
ステップで水素圧縮が実施される。また、水素吸放出容
器1、2に収容された水素貯蔵合金での挙動を図4のP
CT線図に基づいて合わせて説明する。なお、初期時に
は水素吸放出容器1内の水素貯蔵合金では水素が吸蔵さ
れた状態にあり、水素吸放出容器2内の水素貯蔵合金で
は水素が放出された状態にあるものとする。
【0033】(ステップ1)開閉弁12a、12bを開
き(開閉弁13a、13bは閉)、加熱ボイラ10と水
素吸放出容器1とを接続する。開閉弁7a、7bは閉じ
ておく。開閉弁15a、15bを開き(開閉弁14a、
14bは閉)、冷却器11と水素吸放出容器2とを接続
する。開閉弁8a、8bは閉じておく。水素移動路20
の開閉弁21と、顕熱回収路25の開閉弁26、27は
閉じておく。 容器1:図5に示すように水素吸放出容器1が加熱さ
れ、水素圧が35MPaまで上昇(図4の→の工
程)。 容器2:水素吸放出容器2が冷却され、水素圧が7MP
aまで低下(図4の→の工程)。
【0034】(ステップ2)開閉弁7b、8aを開く。
開閉弁12a、12b、15a、15bはステップ1と
同様に開いておき、水素吸放出容器1の加熱と、水素吸
放出容器2の冷却とは続行する。 容器1:水素吸放出容器1は加熱されながら高圧水素が
水素放出路5を通して放出され図示しない高圧タンクに
水素が充填される(図4の→の工程)。 容器2:水素吸放出容器2は冷却されながら外部の水素
が水素導入路4を通して導入され容器2内の水素貯蔵合
金に吸蔵される(図4の→の工程)。
【0035】(ステップ3:水素圧回収工程)開閉弁7
b、8aを閉じる。開閉弁12a、12b、15a、1
5bはステップ1と同様に開いておき、水素吸放出容器
1の加熱と、水素吸放出容器2の冷却とは続行する。水
素移動路20の開閉弁21を開く。顕熱回収路25の開
閉弁26、27は閉じておく。水素吸放出容器1と水素
吸放出容器2はそれぞれ加熱・冷却が続けられ、容器1
の水素が水素移動路20を通して容器2に移動し回収さ
れる。(図4の→、→の工程) なお、この工程は加熱・冷却をストップしてもできる
が、回収効率が低下するので加熱・冷却を継続すること
が望ましい。
【0036】(ステップ4:顕熱回収工程)水素系開閉
弁7a、7b、8a、8bを全閉にし、顕熱回収路25
の開閉弁26、27を開け、温水を循環させ容器1の顕
熱を容器2に回収する。(図5の→、→の工
程) なお、この工程も熱源として廃熱が利用できるなど熱効
率をそれほど重視しない場合には、省略しシステムを簡
素化することも可能である。ステップ4以降はステップ
1の容器1の代わりに容器2を、容器2の代わりに容器
1を置き換え同じ要領で継続できる。上記水素コンプレ
ッサ装置では、図4に示すように、水素貯蔵合金の理論
量にほぼ見合う105cc/gの高圧水素を供給するこ
とが可能になる。
【0037】
【実施例】以下に、水素吸放出容器として図2の外熱式
または図3の内熱式を用いた実施例についてそれぞれ説
明する。
【0038】実施例1(外熱式水素吸放出容器の例、放
出圧35MPa) この実施例では、図2の外熱式水素吸放出容器を使用す
る。該容器の容器本体として、内径40mm、外径60
mm、長さ1000mmのシームレスステンレス鋼管8
0本を用意し、該容器本体内に水素貯蔵合金を体積密度
50%(重量5kg/本)で充填した。この容器本体を
40本束ねまとめて一方の水素吸放出容器1とした。同
様に残りの40本をまとめ他方の水素吸放出容器2と
し、図1に示す接続により水素コンプレッサ装置を構成
した。これら水素吸放出容器内の水素貯蔵合金容器を活
性化した後、水素吸放出試験を実施したが、それぞれ各
30分で水素の吸蔵および放出が可能であることが判っ
た。次に上記水素コンプレッサ装置と同様の手順(ステ
ップ1、2)で水素圧の回収を行うことなく吸蔵・放出
のみ繰返すテスト(比較例1)を実施した。表1および
図6に示すように半サイクル(工程時間20分)での水
素の放出量は11.8Nm/半サイクルであることが
判った。
【0039】次に、この水素コンプレッサ装置を使い、
発明の操作要領(ステップ1〜4)で水素の吸放出試験
を実施したところ、図7に示すように、吸放出に各20
分の他、水素圧回収に3分、顕熱回収に2分を要し、半
サイクルに25分を要することが判った。しかし半サイ
クル当たりの水素放出量は、表1および図7に示すよう
に、従来法より50%増大し、放出スピードが増大する
とともにエネルギー使用も半分に軽減されることが判っ
た。水素圧回収では、容器の圧力が7MPaから19M
Paまで上昇、水素量で換算すると、回収すべき残留水
素の約55%が回収された。顕熱回収では容器温度が4
0℃上昇しており、顕熱の約40%回収されることが判
った。
【0040】実施例2(内熱式容器の例、放出圧35M
Pa) この実施例では図3に示す内熱式水素吸放出容器を使用
する。内径300mm、長さ1500mm、耐圧力35
MPaで設計された鋼製の耐圧容器本体を用意し、内部
に水素貯蔵合金を充填した。伝熱管は、内径15mm、
外径25mmのパイプからなり、フィンは0.5mm厚
のアルミ板で製作した。合金充填量は各容器に約200
kg充填した。耐圧容器本体も含めた容器内の体積充填
密度を計算すると約30%であった。上記容器を2個用
意し、図1に示す接続により水素コンプレッサ装置を構
成した。
【0041】上記容器内の水素貯蔵合金容器を活性化し
たのち、水素の吸放出特性を調査したが、それぞれ約2
0分で水素の吸蔵および放出が可能であることが判っ
た。次に上記水素コンプレッサ装置と同様の手順(ステ
ップ1、2)で水素圧の回収を行うことなく吸蔵・放出
のみ繰返すテスト(比較例2)を実施した。7MPaで
吸蔵、35MPaで放出の繰返しテストを実施したが、
表1に示すように半サイクルの水素の放出充填は4.6
Nm/半サイクルの量であることが判った。
【0042】次に、この水素コンプレッサ装置を用い、
発明の操作要領(ステップ1〜4)で水素の吸放出試験
を実施したところ、吸放出に各20分を要した他、水素
圧回収に5分、顕熱回収に2分を要し、半サイクルの時
間は27分を要した。しかし半サイクルの水素放出・充
填量は、表1に示すように従来法より80%増大し、時
間当たりの放出速度も増大するとともにエネルギー使用
量も半分に軽減することが判った。この値は外熱式の従
来型水素貯蔵合金コンプレッサに比較しても、放出速
度、熱効率が優れていることが判る。水素エネルギー回
収では圧力が7MPaから19MPaまで上昇し、この
場合も水素量で換算すると回収すべき残留水素の約55
%回収であった。本発明による内熱容器、外熱容器の比
較では、放出能力ではほとんど差が無いか、熱効率の点
で内熱式が優れる結果になった。
【0043】
【表1】
【0044】実施例3(外熱式容器の例、放出圧70M
Pa) この実施例では図2に示す外熱式の水素吸放出容器を使
用する。内径40mm、外径60mm、長さ1000m
mのシームレスのインコネル管製で容器本体を構成し、
該容器本体内に140℃で70MPaの水素平衡圧を示
す水素貯蔵合金を体積密度50%(重量5kg/本)で
充填した。この容器本体を40本束ねまとめて一方の水
素吸放出容器とした。同様に残りの40本をまとめ他方
の水素吸放出容器とし、図1に示す接続により水素コン
プレッサ装置を構成した。
【0045】この容器内の水素貯蔵合金容器を活性化し
た後、水素吸放出試験を実施したが、それぞれ各30分
で水素の吸蔵および放出が可能であることが判った。次
に従来の水素貯蔵合金コンプレッサと同様の手順で吸蔵
・放出のみ繰返すテスト(比較例3)を実施したとこ
ろ、表2に示すように、半サイクル当たりの水素の放出
量は6.0Nm/半サイクルであった。次に、この水
素コンプレッサ装置を使い、本発明の操作要領(ステッ
プ1〜4)で14MPaで吸蔵、70MPaで圧縮の試
験を実施したところ、吸放出に各20分の他、水素圧の
回収に3分、顕熱回収に2分を要し、従来法より5分多
い25分を要する。しかし半サイクル当たりの水素放出
量は、表2に示すように従来より2倍に増し、エネルギ
ー使用もその結果半分に軽減されることが判った。水素
圧のエネルギー回収では、容器の圧力が回収により14
MPaから38MPaまで上昇し、水素量で換算する
と、6.0Nm/半サイクルが回収可能であることが
判った。これは回収すべき残留水素の約55%に相当す
る。一方、顕熱回収では容器温度が40℃上昇し、約4
0%回収されることが判った。
【0046】実施例4(内熱式容器の例、放出圧70M
Pa) この実施例では図3に示す内熱式の水素吸放出容器を使
用する。内径300mm、長さ1m600、耐圧力70
MPaで設計された鋼製の耐圧容器本体を用意し、内部
に水素貯蔵合金を充填した。伝熱管は、内径15mm、
外径30mmのパイプからなり、フィンは0.5mm厚
のアルミ板で製作した。該容器内には、140℃で70
MPaの水素平衡圧を示す水素貯蔵合金を約200kg
充填した。耐圧容器本体も含めた容器内の体積密度は約
30%であった。上記容器を2個用意し、図1に示す接
続により水素コンプレッサ装置を構成した。
【0047】上記水素コンプレッサ装置で、従来の水素
コンプレッサと同じ手順で14MPaの水素を吸入圧縮
したが、70MPaまで昇圧することができず放出量は
ゼロであった(比較例4)。次に、この水素コンプレッ
サ装置で、発明の操作要領にて14MPaで吸蔵、70
MPaで圧縮の試験を実施したところ、吸入、圧縮に各
20分、水素圧回収に5分、顕熱回収に2分を要した
が、70MPaまで昇圧でき、表2に示すように半サイ
クル当たり放出量11.3Nm/半サイクルで圧縮可
能であることが判った。放出速度は従来法(内熱式)に
比較し約2倍であるばかりでなく、必要加熱量も約1/
3に軽減されている。なお、水素圧エネルギーの回収量
は、14Nm/半サイクルであり、放出水素量以上で
あり、回収すべき水素量の約60%が回収されているこ
とが判った。
【0048】
【表2】
【0049】本発明によると外熱式と内熱式の比較で
は、性能的にはほぼ同等と評価されるが、内熱式の方が
安価な容器材質が使える点でコストパフォーマンスに優
れると考えられる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水素コン
プレッサ装置および運転方法によれば、加熱、冷却によ
って水素の吸放出が可能な水素貯蔵合金を収容した水素
吸放出容器を対で備え、該水素吸放出容器にそれぞれ収
容された水素貯蔵合金に対し、水素を放出させるべく加
熱する合金加熱手段と、水素を吸蔵させるべく冷却する
合金冷却手段とを備えており、該水素吸放出容器は、そ
れぞれ前記水素貯蔵合金に吸蔵させる水素を外部から導
入する水素導入路と、前記水素貯蔵合金から放出される
高圧水素を外部に送出する水素送出路とを有しており、
さらに前記水素吸放出容器間には、一方の水素吸放出容
器の合金収容空間に残存する水素を他方の水素吸放出容
器の合金収容空間に移動させる水素移動路が設けられて
いるので、繰り返し行う水素吸放出の間に水素圧回収工
程を設けて、一方の水素吸放出容器に残存する水素を回
収して他方の水素吸放出容器に移動させることができ、
よって高い有効利用効率で高圧の水素を供給することが
できる。
【0051】また、上記水素圧回収工程で加熱・冷却を
継続して実施することにより、上記の回収効率を高める
とともに、水素貯蔵合金内の水素もさらに吸放出するこ
とが可能になり、P・C・T線図上の移動可能水素量を
増やすことができる。上記発明の水素貯蔵合金容器にお
いて、断熱性を高めた内熱式容器を用いることにより、
放出水素の有効利用率が著しく向上するので、40MP
a以下では最も熱効率の高いシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の水素コンプレッサ装
置の系統図を示す。
【図2】 同じく該装置に使用可能な外熱式の水素吸
放出容器の正面断面および側面断面を示す図である。
【図3】 同じく内熱式の水素吸放出容器の正面断面
および側面断面を示す図である。
【図4】 同じく水素貯蔵合金でのPCT線図を用い
た運転サイクルを示す図である。
【図5】 同じく工程順を示す図である。
【図6】 従来の水素コンプレッサ装置における工程
要時間、水素放出量変化を示す図である。
【図7】 実施例の水素コンプレッサ装置における工
程要時間、水素放出量変化を示す図である。
【図8】 水素貯蔵合金における水素吸放出現象を説
明する図である。
【図9】 従来装置での水素貯蔵合金でのPCT線図
を用いた運転サイクルを示す図である。
【図10】 水素吸放出容器を多段に接続した従来の水
素コンプレッサを示す概略図である。
【図11】 同じく、多段水素コンプレッサの原理を示
す図である。
【符号の説明】
1 水素吸放出容器 2 水素吸放出容器 3 水素導入路 4 水素導入路 5 水素放出路 6 水素放出路 7a 開閉弁 7b 開閉弁 8a 開閉弁 8b 開閉弁 10 加熱ボイラ 11 冷却器 12a 開閉弁 12b 開閉弁 13a 開閉弁 13b 開閉弁 14a 開閉弁 14b 開閉弁 15a 開閉弁 15b 開閉弁 20 水素移動路 21 開閉弁 25 顕熱回収路 26 開閉弁 27 開閉弁 31 水素貯蔵合金 32 通気材 40 水素吸放出容器 41 水素貯蔵合金 43 伝熱管 45 水素配管
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 秀明 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 伊藤 俊二 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 兜森 俊樹 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 株 式会社日本製鋼所内 Fターム(参考) 3E072 EA10 4G140 AA12 AA16 5H027 BA00 BA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱、冷却によって水素の吸放出が可能
    な水素貯蔵合金を収容した水素吸放出容器を対で備え、
    該水素吸放出容器にそれぞれ収容された水素貯蔵合金に
    対し、水素を放出させるべく加熱する合金加熱手段と、
    水素を吸蔵させるべく冷却する合金冷却手段とを備えて
    おり、該水素吸放出容器は、それぞれ前記水素貯蔵合金
    に吸蔵させる水素を外部から導入する水素導入路と、前
    記水素貯蔵合金から放出される高圧水素を外部に送出す
    る水素送出路とを有しており、さらに前記水素吸放出容
    器間には、一方の水素吸放出容器の合金収容空間に残存
    する水素を他方の水素吸放出容器の合金収容空間に移動
    させる水素移動路が設けられていることを特徴とする水
    素コンプレッサ装置。
  2. 【請求項2】 前記水素導入路と、前記水素放出路と、
    前記水素移動路とには、それぞれ水素の移動を制御する
    弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の水
    素コンプレッサ装置。
  3. 【請求項3】 前記水素吸放出容器は、合金加熱手段お
    よび合金冷却手段から供給される熱媒が移動して、収容
    されている水素貯蔵合金との間で熱交換がなされる熱交
    換部を有しており、対となる水素吸放出容器は、互いの
    熱交換部が開閉可能な顕熱回収路で連結されていること
    を特徴とする水素コンプレッサ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水素コ
    ンプレッサ装置の運転方法であって、前記水素吸放出容
    器の一方で、該容器に収容され水素を吸蔵している水素
    貯蔵合金を加熱し水素を放出させて水素送出部を通して
    外部に高圧水素を送出するとともに、他方の水素吸放出
    容器で、該容器に収容され水素を吸蔵していない水素貯
    蔵合金を冷却して水素導入路を通して外部から水素を導
    入して吸蔵させる水素吸放出工程と、水素吸放出容器間
    の水素移動路を連通させて水素放出を行った水素吸放出
    容器の合金収容空間に残存する水素を、水素吸蔵を行っ
    た水素吸放出容器の合金収容空間に移動させる水素圧回
    収工程とを有することを特徴とする水素コンプレッサ装
    置の運転方法。
  5. 【請求項5】 前記水素吸放出工程では、水素吸放出容
    器の水素導入路および水素放出路を閉じておき、前記加
    熱により一方の水素吸放出容器で所定の水素平衡圧に上
    昇した後、水素放出路を開いて高圧水素を放出するとと
    もに、前記冷却により他方の水素吸放出容器で所定の水
    素平衡圧に下降した後、水素導入路を開いて水素を導入
    することを特徴とする請求項4記載の水素コンプレッサ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記水素圧回収工程後に、対となる水素
    吸放出容器での水素の吸放出を前水素吸放出工程と逆に
    した水素吸放出工程を行うようにして、これら水素圧回
    収工程と水素吸放出工程とを繰り返し行うことを特徴と
    する請求項4または5に記載の水素コンプレッサ装置の
    運転方法。
  7. 【請求項7】 水素圧回収工程中に、水素を移動させる
    水素吸放出容器に収容した水素貯蔵合金を加熱し、水素
    の移動を受ける水素吸放出容器に収容した水素貯蔵合金
    を冷却することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに
    記載の水素コンプレッサ装置の運転方法。
  8. 【請求項8】 水素圧回収工程後、次の水素吸放出工程
    前に、水素吸放出容器間で熱媒を移動させて一方の水素
    吸放出容器での顕熱を取り出して他方の水素吸放出容器
    で回収する顕熱回収工程を行うことを特徴とする請求項
    4〜7のいずれかに記載の水素コンプレッサ装置の運転
    方法。
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