[第1実施形態]
第1実施形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じた枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
図6は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。
図7は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選をAT抽選テーブルを用いて実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
図8は、AT抽選で用いられるAT抽選用テーブルの一例を示したものである。図8の例では、メイン制御部41は、特定のAT抽選対象役(本実施形態では、図7に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(図8の例では、0、15、50、100、150)からATゲーム数を決定する。なお、図8に示される付与され得るATゲーム数の候補はあくまで一例であり、他の候補(たとえば、200)を規定するようにしてもよい。
たとえば、図8の例では、弱スイカが当選したときに実行されるAT抽選では、付与されるATゲーム数が0になる(ATゲーム数が付与されない)確率が、85%であり、付与されるATゲーム数が15になる確率が、15%であると規定されている。その他のAT抽選対象役については、図8に示す通りである。
また、非AT中に実行されるAT抽選処理をAT初当たり抽選といい、AT中に実行されるAT抽選処理をAT上乗せ抽選という。また、AT抽選により、1以上のATゲーム数の付与が決定されることを「AT当選」といい、ATゲーム数が付与されないことが決定される(付与されるATゲーム数が0になる)ことを「AT非当選」という。なお、変形例として、サブ制御部91が、AT抽選などのATに関する処理を実行してもよい。
[ボタン演出について]
次に、ボタン演出について説明する。ボタン演出は、遊技者に対して演出用スイッチ56の操作を要求する演出である。また、ボタン演出は、第1ボタン演出〜第8ボタン演出を含む。また、AT上乗せ抽選が実行されたときにおいて、ボタン演出を実行することにより、AT上乗せ抽選でATゲームが付与されるか否かを煽る(ATゲームの付与の可能性を示唆する)。該ボタン演出の終了後、AT上乗せ抽選の結果を報知する報知演出を実行する。つまり、ボタン演出は、報知演出の前に実行される前兆演出である。また、AT上乗せ抽選が実行されたときに、ボタン演出が実行されるか否か、および該ボタン演出が実行されると決定されたときには第1ボタン演出〜第8ボタン演出のうちのいずれを実行するかが乱数抽選により決定される。
まず、図9を用いて、第1ボタン演出について説明する。図9の例では、AT残りゲーム数が10ゲームである場合について説明する。この場合には、AT残りゲーム数が10ゲームである旨を遊技者に認識させるために、液晶表示器51の表示領域の所定領域に、ATに制御されているときにはAT残りゲーム数を常時表示する。なお、「AT残りゲーム数を常時表示する」とは、特別な事象が発生しない場合に限り、AT残りゲーム数を常に表示するということである。特別な事象とは、たとえば、該AT中に、特別な演出が実行される事象を含む。該特別な演出が実行されるときにはAT残りゲーム数の表示を一旦終了して、該特別な演出を実行する。また、特別な事象とは、電断などの発生により、液晶表示器51による表示が停止する事象も含む。なお、AT残りゲーム数は、常時表示しなくても、遊技の進行に応じて所定のタイミングで該AT残りゲーム数の表示を停止させるようにしてもよい。
図9(A)に示すように、AT残りゲーム数が10ゲームである場合に、第1ボタン演出が実行されたとする。また、図9の例では、該第1ボタン演出の実行の契機となるAT上乗せ抽選において、15ゲームの上乗せが決定された場合について説明する。図9(A)の例では、演出用スイッチ56を模倣したスイッチ画像と、「PUSH!」といった文字とが表示される。
図9(A)の画像が表示されたときにおいて、通常移行条件が成立したときには、図9(B)に移行する。本実施形態の通常移行条件は、演出用スイッチ56が操作されることにより成立する条件と、遊技開始操作が実行されずに所定時間(本実施形態では10秒間)経過することにより成立する条件とを含む。遊技開始操作とは、次の単位遊技(ゲーム)を開始させるための操作である。本実施形態の遊技開始操作とは、BET操作(BETスイッチを操作することにより、賭数を設定する操作)と、レバーオン操作とを含む。なお、図9の遊技開始操作は、BET操作とする。また、該BET操作は、演出をキャンセルすることから、演出キャンセル操作ともいう。
図9(B)に示すように、報知演出として、上乗せ通常報知が実行される。図9(B)の例での上乗せ通常報知では、「15ゲーム上乗せ!」といった文字を表示する。この「15ゲーム上乗せ!」」といった文字は、AT残りゲーム数の更新に関する情報である。その後、遊技開始操作(図9の例では、BET操作)が実行されたときに、図9(C)の画面に移行する。図9(C)の画面では、上乗せ通常更新が実行される。図9(C)の例では、AT残りゲーム数の表示が、10ゲームから25ゲームに更新される。
一方、図9(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、上乗せ通常報知が実行されずに(「15ゲーム上乗せ!」といった文字が表示されずに)、図9(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行される。
ここで、図9(D)の上乗せ特別更新とは、上乗せ後のAT残りゲーム数を、大きくかつ爆発した態様で表示する爆発態様情報602を表示することである。図9(D)の例では、爆発態様情報は、「残り25ゲーム!」といった文字を図9(C)のAT残りゲーム数の表示よりも大きくかつ爆発した態様で表示される情報である。このように、爆発態様情報602を表示することにより(上乗せ特別更新を実行することにより)、上乗せ後のAT残りゲーム数を、上乗せ通常更新(図9(C)参照)よりも遊技者が認識しやすい態様で表示することができる。また、図9(D)の例では、上乗せされた旨(AT残りゲーム数が上乗せ更新される旨)を遊技者が特定可能な上乗せ情報604を表示してもよい。上乗せ情報604は、「上乗せされました」という文字である。また、上乗せ特別更新された場合には、該上乗せ特別更新に対応する音(図9の例では、バキューン)という音が出力される。
また、図9(D)の画面が所定時間(本実施形態では、5秒間)表示されたときに、図9(E)の画面が表示される。図9(E)の画面は、図9(C)の画面と同一であり、AT残りゲーム数として「残り25ゲーム」が表示される画面である。
次に、図10を用いて第2ボタン演出について説明する。図10(A)〜図10(C)の画面は、図9(A)〜図9(C)と同一である。図10(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、図10(B)に示す上乗せ通常報知は実行されずに(AT残りゲーム数の更新に関する情報は表示されずに)、図10(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行される。
ここで、図10(D)の上乗せ特別更新とは、上乗せされるATゲーム数(上乗せすることが決定されたATゲーム数)を、大きくかつ爆発した態様で表示する爆発態様情報606を表示することである。図10(D)の例では、爆発態様情報は、「+15ゲーム!」といった文字を大きくかつ爆発した態様で表示される情報である。このように、爆発態様情報606を表示することにより(上乗せ特別更新を実行することにより)、上乗せされたATゲーム数を、上乗せ通常更新(図10(C)参照)よりも遊技者が認識しやすい態様で表示することができる。さらに、図10(D)の例では、爆発態様情報606よりも簡素な態様で、上乗せされるATゲーム数を遊技者が特定可能な上乗せ情報608が表示される。図10(D)の例での上乗せ情報608は、「15ゲーム上乗せされました」という文字である。また、上乗せ特別更新された場合には、該上乗せ特別更新に対応する音(図10の例では、バキューン)という音が出力される。
次に、図11を用いて第3ボタン演出について説明する。図11(A)〜図11(C)の画面は、図9(A)〜図9(C)と同一である。図11(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、図11(B)に示す上乗せ通常報知は実行されずに(AT残りゲーム数の更新に関する情報は表示されずに)、図11(D)に示すように、上乗せ特別更新が開始される。
ここで、図11(D)の上乗せ特別更新とは、AT残りゲーム数が、スクロール態様での更新である。図11(D)の例では、AT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へスクロールする態様で更新される。図11(E)は、上乗せ特別更新中を示した図である。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、15ゲーム)分だけ、更新が終了すると、図11(F)の画面が表示される。なお、図11(D)、図11(E)、後述する図12(B)、および図12(C)に示す矢印(下から上へ向く矢印)は、スクロール態様を明確に表現したものであり、実際の画像においては、該矢印は表示されない。一方、図11(C)では、AT残りゲーム数が一括で更新される。
次に、図12を用いて、第4ボタン演出について説明する。第4ボタン演出では、図9(A)などに示すように、スイッチ画像と「PUSH!」といった文字画像とが表示されている状態において、BET操作されたときには、上乗せ特別更新として、決定された上乗せゲーム数に応じて、異なる態様で、AT残りゲーム数の表示を更新する。また、第4ボタン演出が開始されたときにはスイッチ画像と「PUSH!」といった文字画像とが表示される。該スイッチ画像が表示されている状態において、所定時間経過したとき、または演出用スイッチ56が操作されたときに表示される画像(つまり、図9(A)〜図9(C)で示した画像)が表示されるが、図12では、該画像の記載を省略する。
図12(A)〜(D)は、決定された上乗せゲーム数が15〜50ゲームである場合に表示される画像である。図12(A)〜(D)においては、決定された上乗せゲーム数が15ゲームであるとする。また、図12(E)〜(H)は、決定された上乗せゲーム数が50ゲーム以上である場合に表示される画像である。図12(E)〜(H)においては、決定された上乗せゲーム数が100ゲームであるとする。
図12(B)〜(D)の例では、表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へ縦スクロールされることにより1ずつ増加更新される。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、15ゲーム)分だけ、更新が終了すると、図12(D)の画面が表示される。このように、「表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へ縦スクロールされることにより1ずつ増加更新される態様」を「縦スクロール態様」という。
また、図12(F)〜(H)の例では、表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字をキャラXが殴打する毎に、該1ケタ目の数字が1ずつ増加更新される。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、50ゲーム)分だけ、更新が終了すると(キャラXが50回殴打すると)、図12(H)の画面が表示される。このように、「表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字をキャラXが殴打する毎に、該1ケタ目の数字が1ずつ増加更新される態様」を「キャラ更新態様」という。
次に、第5〜第8ボタン演出について説明する。第5〜第8ボタン演出では、上乗せされるゲーム数を、第1〜第4ボタン演出のように数字で表示するのではなく、上乗せされるATゲーム数に対応する特定画像で表示する。つまり、特定画像は、上乗せされるATゲーム数を示唆する画像である。
まず、図13を用いて、第5ボタン演出について説明する。図13(A)の画像が表示されており、通常移行条件が成立したときにおいて、上乗せされるATゲーム数に対応した特定画像が表示される。本実施形態では、該画像を上乗せ玉とする。ここで、上乗せ玉とは、楕円形の画像と該画像の中央に表示された「上乗せ玉」という文字とを含む画像である。上乗せされるATゲーム数が15〜50ゲームのうちのいずれかであるときには、図13(B)に示すように、第1特定画像として、白色の上乗せ玉(以下、「白上乗せ玉」という。)620が表示される。また、上乗せされるATゲーム数が100ゲーム以上であるときには、図13(C)に示すように、第2特定画像として、赤色の上乗せ玉(以下、「赤上乗せ玉」という。)622が表示される。なお、図13(C)の例では、赤上乗せ玉622は、赤色を表現するためにハッチングを付している。
また、白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数と赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数との基準について説明する。白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数は15〜50であることから、2ケタである一方、赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数は100以上であることから、3ケタである。このように、白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数と、赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数とでは、ケタ数が異なる。また、本実施形態では、1セットずつATに制御し、該1セットは、50ATゲーム数に相当する。白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数は15〜50であることから1セット以下である一方、赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数は100以上であることから1セット以上である。本実施形態では、このような基準で、白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数と赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数とは規定されている。
このように、白上乗せ玉620は、15〜50ゲームのうちのいずれかのATゲーム数の付与に対応したものであり、換言すれば15〜50ゲームのうちのいずれかのATゲーム数の付与を示唆(報知)するものである。また、赤上乗せ玉622は、100ゲーム以上のATゲーム数の付与に対応したものであり、換言すれば100ゲーム以上のATゲーム数の付与を示唆(報知)するものである。また、図13〜図19では、50ATゲーム数が付与されたときに表示される白上乗せ玉、および100ATゲーム数が付与されたときに表示される赤上乗せ玉を例示したものである。以下では、15〜50のうちのいずれかのATゲーム数、つまり、白上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数を「第1特典」という場合もあり、100以上のATゲーム数、つまり、赤上乗せ玉が表示されるときのATゲーム数を「第2特典」という場合もある。第2特典は、第1特典よりも遊技者にとって有利である。
また、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622はともに形状が同一である。ここで、「形状が同一」とは、双方の上乗せ玉で表示されている文字(「上乗せ玉」という文字)と、該文字の大きさと、上乗せ玉の輪郭である楕円形と、該楕円形の大きさとが全て同一であるということである。また、本実施形態では、液晶表示器51の全表示領域における上乗せ玉の座標も、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622とで同一である。
白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622とはともに色彩が異なる。また、「色彩」とは、たとえば、色、色取り、色彩、色相、色あい、明度、彩度、模様、鮮やかさ、および柄などのうちの少なくとも1つを含む概念である。「色彩が異なる」とは、白上乗せ玉620の色が白色である一方、赤上乗せ玉622の色が赤色であるということである。
また、図13(B)に示すように、白上乗せ玉620が表示されるとともに、第1特典に対応する音が出力される。図13(B)の例では、第1特典に対応する音は、「ピキーン」という音である。一方、図13(C)に示すように、赤上乗せ玉622が表示されるとともに、第2特典に対応する音が出力される。図13(B)の例では、第2特典に対応する音は、「ドカーン」という音である。
また、図13(C)に示すように、赤上乗せ玉622が表示されるときには、該赤上乗せ玉622の背景画像として星画像624が表示された特定背景画像が表示される。一方、図13(B)に示すように、白上乗せ玉620が表示されるときには、該赤上乗せ玉622の背景画像として星画像624が表示されず通常背景画像が表示される。通常背景画像とは、上乗せ玉が表示されない場合の(通常である場合の)背景画像である。
また、特に図示しないが、上乗せ玉の表示は所定時間(たとえば、5秒間)実行され、該所定時間経過したときには、該上乗せ玉に対応したATゲーム数が加算されたAT残りゲーム数が表示される。たとえば、図13(B)の例では、図13(B)の画面が5秒間表示されたときには、AT残りゲーム数が60に更新される。また、図13(C)の例では、図13(C)の画面が5秒間表示されたときには、AT残りゲーム数が110に更新される。
図14は第5ボタン演出が実行されたときにおける上乗せ特別更新を説明するための図である。図14(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作(演出キャンセル操作)が実行されたときには、図14(D)に示す上乗せ特別更新が実行される。図14(D)の上乗せ特別更新は、図9(D)に示す上乗せ特別更新と同様である。また、図14(B)は、図13(B)と同様の画面であり、図14(C)は、図9(C)と同様の画面である。
図15は第5ボタン演出が実行されたときにおいて、図14で説明した上乗せ特別更新とは態様が異なる上乗せ特別更新を説明するための図である。図15(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、図15(D)に示す上乗せ特別更新が実行される。図15(D)の上乗せ特別更新は、図10(D)に示す上乗せ特別更新と同様である。また、図15(B)は、図13(B)と同様の画面であり、図14(C)は、図9(C)と同様の画面である。上乗せ特別更新を、図14(D)の態様とするか、図15(D)の態様とするかは、たとえば、BET操作が実行されたときに実行され乱数抽選で決定される。
次に、図16を用いて第6ボタン演出を説明する。第6ボタン演出は、AT中であり、かつ特別期間中に実行され得る演出である。ここで、特別期間とは、複数ゲーム数に亘って制御される期間である。また、特別期間は非特別期間(特別期間とは異なる期間)よりも、AT抽選の有利度が高い期間である。ここで、「AT抽選の有利度」とは、AT当選する確率と、AT当選したときに付与されるATゲーム数の期待値とのうち少なくとも一方を含む概念である。特別期間は、所定の特別期間制御条件が成立したときに、制御される。特別期間制御条件は、たとえば、所定役(たとえば、当選確率が低いレア役、強チェリーなど)が当選することにより成立する条件である。なお、変形例として、特別期間と、非特別期間との有利度は同一としてもよい。
また、特別期間中は、ATゲーム数が付与されても該付与されたATゲーム数はすぐには報知されず、該特定期間が終了したときに、該特定期間に付与されたATゲーム数の合計数を報知する。換言すれば、特別期間中は、上乗せ玉が追加されても、特定期間が終了するまでは該上乗せ玉に対応するATゲーム数はすぐには報知されず、該追加された上乗せ玉は、該追加される度に特定領域に蓄積して表示される(以下では、「蓄積表示」という)。
たとえば、図16の例では、図16(A)に示すように、特定期間中に第6ボタン演出が実行され、通常移行条件が成立したときにおいて、50ゲームのATゲーム数が上乗せされた場合には、図16(B)に示すように、白上乗せ玉が表示される。白上乗せ玉の表示は、所定時間(たとえば、5秒間)実行される。その後、図16(C)に示すように、特定領域626において白上乗せ玉620の蓄積表示が実行される。図16(C)の破線は、白上乗せ玉620が消えたことを示す。図16(B)の例では、白上乗せ玉の個数として「×0」が表示されており、白上乗せ玉が1つ追加されたことから、図16(C)に示すように、白上乗せ玉の個数が1増加される(「×1」となる)ように、白上乗せ玉の個数が更新表示される。
また、図16(A)に示すように、特定期間中に第6ボタン演出が実行され、通常移行条件が成立したときにおいて、100ゲームのATゲーム数が上乗せされた場合には、図16(D)に示すように、赤上乗せ玉が表示される。赤上乗せ玉の表示は、所定時間(たとえば、5秒間)実行される。その後、図16(E)に示すように、特定領域626において赤上乗せ玉622の蓄積表示が実行される。図16(D)の例では、赤上乗せ玉の個数として「×0」が表示されており、赤上乗せ玉が1つ追加されたことから、図16(E)の例に示すように、赤上乗せ玉の個数が1増加される(「×1」となる)ように、赤上乗せ玉の個数が更新表示される。
また、特定期間内に、新たな上乗せ玉が再び追加されたときには、該追加された上乗せ玉が所定時間表示される(図16(B)または図16(D)参照)。その後、特定領域626において、追加された上乗せ玉の個数が加算更新される。その後、特定期間が終了すると追加された全ての上乗せ玉に対応するATゲーム数が報知される。たとえば、特定期間中に、白上乗せ玉が2個追加され、赤上乗せ玉が1個追加された場合には、特定領域626には、白上乗せ玉×2、赤上乗せ玉×1が表示される。その後、特定期間が終了すると、200(=50×2+100)のATゲーム数が報知される。
また、図16(B)および図16(C)に示すように、白上乗せ玉が表示されたときには白上乗せ玉に対応する音(ピキーン)が出力され、赤上乗せ玉が表示されたときには赤上乗せ玉に対応する音(ドカーン)が出力される。
次に、図17を用いて、第7ボタン演出について説明する。第7ボタン演出と、第6ボタン演出と対比すると、第6ボタン演出は、蓄積表示される特定領域が、追加される上乗せ玉の種類に関わらず同一である一方(図16参照)。第7ボタン演出は、蓄積表示される特定領域が、追加された上乗せ玉の種別に応じて異なる点で、双方のボタン演出は異なる。換言すれば、第6ボタン演出では、赤上乗せ玉が表示される領域と白上乗せ玉が表示される領域とは当接している一方、第7ボタン演出では、赤上乗せ玉が表示される領域と白上乗せ玉が表示される領域とが当接せずに離れている。なお、その他の点においては、双方のボタン演出は同一である。
図17の例では、白上乗せ玉の特定領域である白上乗せ玉用特定領域628と、赤上乗せ玉の特定領域である赤上乗せ玉用特定領域630とが記載されている。
また、図17(B)および図17(C)に示すように、白上乗せ玉が表示されたときには白上乗せ玉に対応する音(ピキーン)が出力され、赤上乗せ玉が表示されたときには赤上乗せ玉に対応する音(ドカーン)が出力される。
次に、第7ボタン演出が実行されたときにおいて、演出キャンセル操作が実行されたときを説明する。図18は第7ボタン演出が実行されたときにおける上乗せ特別更新を説明するための図である。図18(A)〜図18(C)は、図17(A)〜図17(C)と同一である。
図18(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作(演出キャンセル操作)が実行されたときには、図18(D)に示す上乗せ特別更新が実行される。図18(D)の例での上乗せ特別更新では、白上乗せ玉を爆発した態様(強調した態様、認識しやすい態様)で表示する上乗せ玉爆発表示情報650を、白上乗せ玉用特定領域628に表示する。さらに、該上乗せ特別更新に対応した音が出力される。該音は、図18(D)の例では、「バキューン」という音である。また、該上乗せ特別更新に対応したキャラを表示させるようにしてもよい。
次に、第7ボタン演出が実行されたときにおいて、演出キャンセル操作が実行されたときのその他の例を説明する。図19は第7ボタン演出が実行されたときにおける上乗せ特別更新その他の例を説明するための図である。図19(A)〜図19(C)は、図17(A)〜図17(C)と同一である。
図19(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作(演出キャンセル操作)が実行されたときには、図19(D)に示す上乗せ特別更新が実行される。図19(D)の例での上乗せ特別更新では、「上乗せ玉×1 GET!」という画像が爆発した態様(強調した態様)で表示する上乗せ玉爆発表示情報652を表示する。さらに、該上乗せ特別更新に対応した音が出力される。該音は、図19(D)の例では、「バキューン」という音である。また、該上乗せ特別更新に対応したキャラを表示させるようにしてもよい。上乗せ特別更新を、図19(D)の態様とするか、図19(D)の態様とするかは、たとえば、BET操作が実行されたときに実行され乱数抽選で決定される。また、図18および図19で説明した上乗せ特別更新は、図16の例で適用するようにしてもよい。
次に、図20を用いて、第8ボタン演出について説明する。第8ボタン演出は、第1特典としての50ATゲーム数と第2特典としての100ATゲーム数との双方が付与されたとき、図20の例では、150ゲームのATゲーム数が付与されたときに、実行され得るボタン演出である。
図20(A)の画像が表示されており、通常移行条件が成立したときにおいて、上乗せされるATゲーム数が150ゲームであるとき(つまり、第1特典と第2特典との双方が付与されたとき)には、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622との双方が表示される。また、該白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622との双方が表示されたときには、白上乗せ玉620のみが表示されたときの音(図13(B)に示すようにピキーン)と、赤上乗せ玉のみが表示されたときの音(図13(B)に示すようにドカーン)とのいずれの音とも異なる特別音がスピーカ52、53から出力される。図20(B)の例では、特別音は、たとえば、「ズドドーン」という音である。
[出力音の比較について]
次に、図9〜図20において説明した出力音を比較する。図21は、出力音の比較を説明するための図である。図9〜図20においては、出力音の種類として、ピキーン(図13(B)など)、バキューン(図9(D)など)、ドカーン(図13(C)など)、およびズドドーン(図20など)がある。
図20の例では、たとえば、ピキーンについては、音量として5が設定されており、音程として「高」が設定されており、出力期間として1秒が設定されている。また、他の音については、図20に示す通りである。
図20からも明らかなように、ピキーン<バキューン<ドカーン<ズドドーンの順番で、音の出力態様が強調される。図20の例では、強調される態様とは、音量が大きく、音程は低く、出力期間が長いということである。
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態のスロットマシンが奏する効果などについて説明する。本実施形態のスロットマシンは以下の構成を備える。
(1) 遊技に関する遊技情報(たとえば、図9〜図12に示すAT残りゲーム数)を表示する遊技情報表示手段(たとえば、サブ制御部91)と、
前記遊技情報の表示を更新するか否かを決定する(たとえば、上乗せ抽選)決定手段(たとえば、サブ制御部91)と、
前記決定手段により前記遊技情報の表示を更新する旨が決定されたときに、前記遊技情報の表示を更新する(たとえば、図9(B)および図9(C)に示すように、15ゲームの上乗せが決定されたときには、AT残りゲーム数を10ゲームから25ゲームに更新する)更新手段と、
前記更新手段による更新に関する更新情報を表示する(たとえば、図9(B)に示す上乗せ通常報知)更新情報表示手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記決定手段により前記遊技情報の表示を更新する旨が決定され(たとえば、上乗せ抽選でATゲーム数の上乗せが決定され)かつ特定条件が成立した(たとえば、図9(A)と図9(B)との間の矢印に示すように、所定時間が経過したまたは演出用スイッチ56が操作された)ときに、前記更新情報表示手段は前記更新情報を表示し(たとえば、図9(B)に示す上乗せ通常報知)、その後、前記更新手段は前記遊技情報の表示を特定態様で更新し(たとえば、図9(C)に示すように、爆発態様情報602を表示させずにAT残りゲーム数の表示を更新し)、
前記決定手段により前記遊技情報の表示を更新する旨が決定され(たとえば、上乗せ抽選でATゲーム数の上乗せが決定され)かつ所定条件が成立した(たとえば、図9(A)と図9(D)との間の矢印に示すように、BET操作が実行された)ときに、前記更新情報表示手段は前記更新情報を表示せずに、前記更新手段は前記遊技情報の表示を所定態様で更新し(たとえば、図9(D)に示すように、上乗せ通常報知を実行せずに、爆発態様情報602を表示しつつAT残りゲーム数の表示を更新し)、
前記所定態様は、前記特定態様よりも、前記決定手段により前記遊技情報の表示を更新する旨が決定されたことを遊技者が認識しやすい態様である(たとえば、図9(D)に示す上乗せ特別更新では爆発態様情報602が表示される一方、図9(C)に示す上乗せ通常更新では該爆発態様情報602が表示されない)。
このような構成によれば、決定手段により遊技情報を更新する旨が決定されかつ所定条件が成立したときであったときには、更新情報は表示されないが、所定態様で遊技情報を更新することから、決定手段により遊技情報を更新する旨が決定されたことを遊技者に認識させやすくすることができる。その結果、不信感を抱かせずに、遊技情報の表示を更新することができる。
この構成を本実施形態に即して説明すると、図9に示すように、ATゲームの上乗せが決定され、第1ボタン演出が実行された場合において、図9(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図9(B)の上乗せ通常報知が実行されずに、上乗せ特別更新が実行される。したがって、たとえば、上乗せ通常報知を視認したくない遊技者などは、該上乗せ通常報知を実行させないようにできることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、上乗せ通常報知を実行させずに、図9(C)の上乗せ通常更新が実行されるスロットマシンでは、上乗せされたか否かを遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、上乗せ通常報知が実行されなかった場合には、上乗せ更新された旨(AT残りゲームの表示を更新する旨が決定されたこと)を遊技者が上乗せ通常報知よりも認識しやすい態様で報知する上乗せ特別更新(爆発態様情報602を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
また、本実施形態のスロットマシンは以下の構成を備える。
(2) 遊技に関する遊技情報(たとえば、図9〜図12に示すAT残りゲーム数)を表示する遊技情報表示手段(たとえば、サブ制御部91)と、
前記遊技情報の更新量(たとえば、上乗せゲーム数)を決定する(たとえば、上乗せ抽選)決定手段(たとえば、サブ制御部91)と、
前記決定手段により前記更新量が決定されたときに、該更新量に基づいて前記遊技情報の表示を更新する(たとえば、図10(B)および図10(C)に示すように、15ゲームの上乗せが決定されたときには、残りゲーム数を10ゲームから25ゲームに更新する)更新手段と、
前記更新量に関する更新情報を表示する(たとえば、図10(B)に示す上乗せ通常報知)更新情報表示手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記決定手段により前記更新量が決定され(たとえば、上乗せ抽選でATゲーム数の上乗せが決定され)かつ特定条件が成立した(たとえば、図10(A)と図10(B)との間の矢印に示すように、所定時間が経過したまたは演出用スイッチ56が操作された)ときに、前記更新情報表示手段は前記更新情報を表示し(たとえば、図10(B)に示す上乗せ通常報知)、その後、前記更新手段は前記遊技情報の表示を特定態様で更新し(たとえば、図10(C)に示すように、爆発態様情報604を表示させずにAT残りゲーム数の表示を更新し)、
前記決定手段により前記更新量が決定され(たとえば、上乗せ抽選でATゲーム数の上乗せが決定され)かつ所定条件が成立した(たとえば、図10(A)と図10(D)との間の矢印に示すように、BET操作が実行された)ときに、前記更新情報表示手段は前記更新情報を表示せずに、前記更新手段は前記遊技情報の表示を所定態様で更新し(たとえば、図10(D)に示すように、爆発態様情報606を表示しつつAT残りゲーム数の表示を更新し)、
前記所定態様は、前記特定態様よりも、前記更新量を遊技者が認識しやすい態様である(たとえば、図10(D)に示す上乗せ特別更新では爆発態様情報606が表示される一方、図10(C)に示す上乗せ通常更新では該爆発態様情報606が表示されない)。
このような構成によれば、決定手段により更新量が決定されかつ所定条件が成立したときであったときには、更新情報は表示されないが、所定態様で遊技情報を更新することから、決定手段により決定された更新量を遊技者に認識しやすくすることができる。その結果、不信感を抱かせずに、遊技情報の表示を更新することができる。
この構成を本実施形態に即して説明すると、図10に示すように、ATゲームの上乗せが決定され、第2ボタン演出が実行された場合において、図10(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図10(B)の上乗せ通常報知が実行されずに、上乗せ特別更新が実行される。したがって、たとえば、上乗せ通常報知を視認したくない遊技者などは、該上乗せ通常報知を終了させることができることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、上乗せ通常報知を実行させずに、図10(C)の上乗せ通常更新が実行されたときには、上乗せされたATゲーム数を遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、上乗せ通常報知が実行されなかった場合には、上乗せされたATゲーム数を遊技者が上乗せ通常報知よりも認識しやすい態様で報知する上乗せ特別更新(爆発態様情報606を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
(3) また、図11(A)〜図11(C)に示すようにATゲームが上乗せされ、第3ボタン演出が実行された場合において、所定時間経過または演出用スイッチ56が操作されたときには、ATゲーム数の表示を一括で更新する。一方、図11(A)、および図11(D)〜図11(F)に示すように、ATゲームが上乗せされることが決定され、かつBET操作されたときには、ATゲーム数の表示を縦スクロール態様で更新する。したがって、該BET操作されることにより、図11(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、ATゲーム数の表示が更新されることを遊技者に認識させやすくすることができる。
(4) また、図9(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行されたときには、上乗せされた旨(AT残りゲーム数が上乗せ更新される旨)を遊技者が特定可能な上乗せ情報604が表示される演出が実行される。したがって、図9(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、ATゲーム数の表示が更新されることを遊技者に認識させやすくすることができる。なお、図9(B)および図9(D)の記載からも明らかなように、上乗せ情報604が表示される演出と、上乗せ通常報知とは異なる演出である。
(5) また、図10(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行されたときには、上乗せされたATゲーム数を遊技者が特定可能な上乗せ情報608が表示される演出が実行される。したがって、図10(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、上乗せされたATゲーム数を遊技者に認識させやすくすることができる。なお、図10(B)および図10(D)の記載からも明らかなように、上乗せ情報608が表示される演出と、上乗せ通常報知とは異なる演出である。
(6) また、図12に示すように、ATゲーム数が上乗せされることが決定され、第4ボタン演出が実行された場合において、かつBET操作が実行されたときには、AT通常報知は実行されない一方、AT残りゲームの表示の更新が完了するまでの更新態様は、上乗せされたATゲームの量に応じて異なる。図12の例では、上乗せゲーム数が1〜49である場合には、表示されているAT残りゲーム数が縦スクロール態様で更新され、上乗せゲーム数が50以上である場合には、表示されているAT残りゲーム数がキャラ更新態様で更新される。したがって、ATゲーム数の表示の更新が実行されている間に、上乗せされるATゲーム数の目安を遊技者に認識させることができる。
(7) また、図9などに示すように、上乗せ通常報知を所望する遊技者は、遊技を進行させる操作とは異なる操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を実行すればよく、上乗せ通常報知を所望しない遊技者は、遊技を進行させる操作(たとえば、BET操作)を実行すればよいことから、遊技者の自由度を高めることができる。
(8) また、図9などに示すように、上乗せ通常報知を所望する遊技者は演出用スイッチ56への操作およびBET操作のいずれも実行することなく、図9(A)の画面が表示されたときから所定時間(たとえば、5秒間)経過したときにも上乗せ通常報知が実行される。したがって、遊技者の自由度を高めることができる。
(9) また、たとえば、図9(D)の上乗せ特別更新が終了した後に、上乗せ通常報知を実行させる条件(たとえば、所定時間経過または演出用スイッチ56への操作)が成立しても、上乗せ通常報知は実行されない。したがって、「上乗せ特別更新が実行された後に上乗せ通常報知が実行されること」に起因する遊技者の混乱が生じることを防止できる。
(10) また、図13に示すように、ATゲームの上乗せが決定され、第5ボタン演出が実行された場合において、15〜50のうちのいずれかのATゲーム数が付与されたときには、白上乗せ玉620が表示され、100以上のATゲーム数が付与されたときには、赤上乗せ玉622が表示される。また、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622はともに形状が同一である一方色彩が異なる。したがって、上乗せ玉の色から特典の種別を遊技者に認識させることができることから、遊技の興趣を向上させることができる上乗せ玉を表示することができる。
また、図13に示すように、付与されたATゲーム数に応じた音を出力する。したがって、画像(上乗せ玉)の表示のみならず、音の出力によっても、付与されたATゲーム数を報知できる。
(11) また、図13(B)に示すように、白上乗せ玉620が表示されるときの背景画像は、通常背景画像である。一方、図13(C)に示すように、赤上乗せ玉622が表示されるときの背景画像は、星画像624が表示された特定背景画像である。このように、白上乗せ玉620が表示されるときの背景画像と、赤上乗せ玉622が表示されるときの背景画像とは異なる。したがって、白上乗せ玉620が表示されたときと赤上乗せ玉622が表示されたときとの違いを背景画像により遊技者に把握させることができる。
なお、変形例として、白上乗せ玉620が表示されるときの背景画像と、赤上乗せ玉622が表示されるときの背景画像とを同一としてもよい。このような構成によれば、背景画像に関する容量を削減できる。
(12) また、図13(B)に示すように、白上乗せ玉620が表示されるときの音は、「ピキーン」である。一方、図13(C)に示すように、赤上乗せ玉622が表示されるときの音は、「ドカーン」である。このように、白上乗せ玉620が表示されるときの音と、赤上乗せ玉622が表示されるときの音とは異なる。したがって、白上乗せ玉620が表示されたときと赤上乗せ玉622が表示されたときとの違いを音の出力により遊技者に把握させることができる。
なお、変形例として、白上乗せ玉620が表示されるときの音と、赤上乗せ玉622が表示されるときの音とを同一としてもよい。このような構成によれば、音データに関する容量を削減できる。
(13) 図16に示すように、特別期間中にATゲームの上乗せが決定され、第6ボタン演出が実行された場合において、該特別期間において付与されたATゲーム数の種別に応じた画像を特定領域626に蓄積表示可能である。したがって、特別期間において付与されたATゲーム数を遊技者に認識させることができる。
(14) 図17に示すように、特別期間中にATゲームの上乗せが決定され、第7ボタン演出が実行された場合において、該特別期間において付与されたATゲーム数の種別に応じた画像を、付与されたATゲーム数に応じた領域に蓄積表示可能である。図17の例では、50ATゲーム数に対応する白上乗せ玉は、白上乗せ玉用特定領域628に表示され、100ATゲーム数に対応する赤上乗せ玉は、赤上乗せ玉用特定領域630に表示される。したがって、該特別期間において付与されたATゲーム数の合計とともに、該ATゲーム数の種別も遊技者に認識させることができる。
また、図18および図19に示すように、第6ボタン演出または第7ボタン演出が実行されたときにおいて演出キャンセル操作が実行されたときには、上乗せ玉爆発表示情報650または上乗せ玉爆発表示情報652が表示される。したがって、遊技者に前述の不信感を抱かせることを防止できる。
(15) 図20に示すように、ATゲーム数の上乗せが決定され、第8ボタン演出が実行された場合において、該上乗せが150ゲームのATゲームである場合、つまり、第1特典と第2特典の双方が付与されたときには、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622とが併せて表示される。したがって、第1特典と第2特典とが併せて付与されることを遊技者に分かり易く認識させることができる。
また、白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622とが併せて表示されたときには、該白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622とが併せて表示されないときには、出力されない音(図20の例では、「ズドドーン」という音)が出力される。白上乗せ玉620と赤上乗せ玉622ときの興趣を向上させることができる。
(16) 図13(B)に示す白上乗せ玉620に含まれる「上乗せ玉」という文字と、図13(C)に示す赤上乗せ玉622に含まれる「上乗せ玉」という文字との表示態様は同一である。したがって、設計者による白上乗せ玉620の画像および赤上乗せ玉622の画像の設計を簡素化することができる。
(17) また、白上乗せ玉が表示されたときには、15〜50ゲームのうちのいずれかのATゲーム数が付与されたことを示唆できる。また、赤上乗せ玉が表示されたときには、100ゲーム以上のATゲーム数が付与されたことを示唆できる。したがって、上乗せ玉が表示されたときには、付与されるATゲーム数を遊技者に特定させないようにすることができることから、上乗せ玉が表示されたときの緊張感を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前述した第1実施形態に係るスロットマシン1をパチンコ遊技機に置き換えたものである。このパチンコ遊技機は遊技の進行を制御する遊技制御部と、演出の進行を制御する演出制御部とを備える。本実施形態の遊技盤における遊技領域の中央付近には、画像表示装置が設けられている。始動領域を遊技球が通過したときに数値データを保留記憶するとともに保留表示として表示する。その後、保留表示に基づいて、遊技制御部は、特別図柄ゲームにおける第1特別図柄表示装置による第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄表示装置による第2特別図柄の変動表示を制御する。また、画像表示装置の表示領域には、複数(たとえば、3つ)の変動表示部となる飾り図柄表示エリアが設けられる。
演出制御部は、該第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示のそれぞれに対応して、飾り図柄表示エリアにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を変動表示する。第1特別図柄の表示結果または第2特別図柄の表示結果が特定表示結果となったときには、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態)に制御される。また、遊技制御部は、特定期間が終了したときに、該特定期間で付与されたポイントの合計値に応じて、ST抽選を実行する。
ここで、大当り状態になる確率が高くなる確率変動状態に制御される期間におけるゲームをST(Special Time)という。なお、STについては、時短制御期間におけるゲームであってもよい。このように、STは、遊技者にとって有利である遊技状態で図柄表示エリアが変動表示するゲームである。また、STに制御される変動表示回数(ゲーム回数)を「ST数」という。また、ST数は、いわゆる回数切りにより定められた、図柄表示エリアが変動表示する上限数でもある。
本実施形態のST数は、第1実施形態のATゲーム数に対応するものである。本実施形態のパチンコ遊技機では、ST抽選により、たとえば、100ゲーム分のSTゲームが付与されることが決定された場合において、STへの制御が開始されるときには、100ゲームのうちの70ゲームをST残りゲーム数として表示し、その他の30ゲームをST上乗せゲームとしてST上乗せ報知を実行してもよい。
また、ST抽選により、たとえば、100ゲーム分のSTゲームが付与されることが決定された場合に、該100ゲームのSTゲーム中にST上乗せ抽選を実行するようにしてもよい。該ST上乗せ抽選により、STゲームの上乗せが決定された場合には、ST上乗せ報知を実行してもよい。
このような構成を有するパチンコ遊技機では、図9〜図20で説明した演出のうち少なくとも1を実行可能としてもよい。また、演出用スイッチ56への操作を第1演出用スイッチへの操作とし、遊技開始操作(たとえば、BET操作およびレバーオン操作)を第2演出用スイッチへの操作としてもよい。このような構成を有するパチンコ遊技機であっても第1実施形態のスロットマシンと同様の効果を奏する。
また、第1実施形態では、第5〜第8ボタン演出について、第1特典として15〜50のATゲーム数を例示し、第2特典として100以上のATゲーム数を例示した。第2実施形態では、第1特典を通常の大当りとし、第2特典を保留連の大当りとしてもよい。なお、この場合において、第1特典に対応する第1画像(第1実施形態では白上乗せ玉)と、第2特典に対応する第2画像(第1実施形態では、赤上乗せ玉)とは、それぞれ、保留表示の画像とは異なる画像である。
また、第1特典を確変無し大当りとし、第2特典を確変有り大当りとしてもよい。確変有り大当りとは、大当り状態の終了後に、確変状態に制御される大当りをいう。確変状態とは、大当り抽選が実行され、該大当り抽選により大当りが当選する確率が、非確変状態(確変状態とは異なる状態)よりも高まる状態である。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。
[特典について]
(1) 第1実施形態の第5〜第8ボタン演出において、第1特典として15〜50のATゲーム数を例示し、第2特典として100以上のATゲーム数を例示した。しかしながら、第2特典は、第1特典よりも有利であれば、第1特典および第2特典は如何なるものであってもよい。たとえば、第1特典を通常ATとし、第2特典を継続確定ATとしてもよい。ここで、通常ATとは、1セットのATとし、1セットのATとは、たとえば、所定ゲーム数(たとえば、50)のATゲーム数をいう。また、継続確定ATとは、1セットのATに加えてNセット(Nは自然数)のATの継続が確定されているATであり、実質的に、1+NセットのATをいう。また、継続確定ATでは、最初の1セットのいずれかのタイミングで、継続確定報知演出が実行される。継続確定報知演出は、継続が確定された旨を報知する演出である。
また、第1特典を通常ATとし、第2特典を継続確定ATとした場合における第8ボタン演出について説明する。この場合には、一の条件の成立により、通常ATに制御するか否かを決定する通常AT抽選を実行するとともに、継続確定ATに制御するか否かを決定する継続確定AT抽選を実行するようにしてもよい。ここで、一の条件とは、たとえば、当選確率の低い役(たとえば、強チェリーなどのレア役)が当選することにより成立する条件としてもよい。
また、第1特典は、15〜49未満のATゲームとし、第2特典は、50以上のATゲーム数としてもよい。
(2) また、以下のような遊技性を提供するものであってもよい。本変形例では、AT状態として、バトルAT状態に制御可能である。該バトルAT状態では、攻撃権利貯め状態と、攻撃権利使用状態とのいずれかに制御可能である。攻撃権利貯め状態と、攻撃権利使用状態との双方でナビ演出は実行される。また、攻撃権利とは、敵キャラに1回、攻撃をできる権利である。
攻撃権利貯め状態は、1セット(たとえば、50ゲーム)に亘って制御される状態である。攻撃権利貯め状態では、所定の攻撃権利付与条件(たとえば、特定役の当選)が成立したときに、所定個数(0および1も含む)の攻撃権利が付与され、該付与された攻撃権利を貯めることができる状態である。攻撃権利使用状態では、攻撃権利貯め状態で貯めた攻撃権利に基づいて、バトル演出が実行される。バトル演出では、所定のHPを持った敵キャラが登場し、攻撃権利に基づく攻撃により、敵キャラのHPを0にすると、バトル勝利となる。一方、攻撃権利貯め状態で貯めた全ての攻撃権利に基づく攻撃が行われても、敵キャラのHPを0にできなかった場合には、バトル敗北となる。バトル勝利となると、攻撃権利貯め状態に復帰される。バトル敗北となると、バトルATは終了となる非ATに戻される。また、バトル演出では、1の攻撃権利に基づいて敵キャラに与えるダメージ(敵キャラのHPを減少させる値)をダメージ抽選を乱数抽選により実行する。
また、攻撃権利付与条件を成立させる特定役は、如何なるものであってもよいが、ここでは、押し順ベル(図6に示す左ベル1〜右ベル4)、およびチェリーとする。また、押し順ベルが当選したときに付与される攻撃権利を第1攻撃権利とし、チェリーが当選したときに付与される攻撃権利を第2攻撃権利とする。また、第2攻撃権利に基づいて実行されるダメージ抽選で決定されるダメージ期待値は、第1攻撃権利に基づいて実行されるダメージ抽選で決定されるダメージ期待値よりも高い。したがって、第2攻撃権利は、第1攻撃権利よりも有利である。
また、付与された攻撃権利に対応する攻撃権利画像が特定領域に表示される。これにより、付与された攻撃権利を遊技者は容易に把握できる。また、攻撃権利画像は、付与された攻撃権利の種別に応じた画像があり、第1攻撃権利に対応する第1攻撃権利画像と、第2攻撃権利に対応する第2攻撃権利画像とがある。また、攻撃権利貯め状態においては、第6ボタン演出(図16参照)または第7ボタン演出(図17参照)が実行され、これらのボタン演出が実行されたときに、第1攻撃権利画像または第2攻撃権利画像が表示される。第1攻撃権利画像は、第1特定画像(図16および図17の白上乗せ玉)に対応し、第2攻撃権利画像は、第2特定画像(図16および図17の赤上乗せ玉)に対応する。
第1攻撃権利画像と第2攻撃権利画像とは、形状が同一となる一方、色彩が異なる。たとえば、第1攻撃権利画像と第2攻撃権利画像との形状はいずれも矩形状の輪郭に「攻撃」という文字が記載された形状である。第1攻撃権利画像の色彩は銀色である一方、第2攻撃権利画像の色彩は金色である。
また、攻撃権利貯め状態において、第1攻撃権利画像と第2攻撃権利画像とは特定領域(たとえば、図16に示す特定領域626)に蓄積表示されるようにしてもよい。また、第1攻撃権利画像と第2攻撃権利画像とは、攻撃権利に応じた領域に蓄積表示されるようにしてもよい。たとえば、第1攻撃権利画像は、第1攻撃権利画像に対応する第1特定領域(図17(B)の白上乗せ玉用特定領域628)に表示され、第2攻撃権利画像は、第2攻撃権利画像に対応する第2特定領域(図17(B)の赤上乗せ玉用特定領域630)に表示されるようにしてもよい。
攻撃権利貯め状態が終了したときに移行される攻撃権利使用状態では、攻撃権利貯め状態において特定領域(特定領域626、または第1特定領域628および第2特定領域630)に表示された攻撃権利に基づいて、バトル演出が実行される。このように、本変形例では、特定領域で蓄積表示された攻撃権利画像についての攻撃権利を用いて、バトル演出が実行される。
(3) 特典として、第1実施形態ではATゲームを例示し、第2実施形態ではSTゲームを例示した。このように、本実施形態では、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかしながら、第1実施形態では、特典は、後述する有利な状態に移行させるゲーム数、ボーナス当選などとしてもよい。また、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
また、第1特典をメダルまたはパチンコ玉に関連しない特典(たとえば、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コード)とし、第2特典をメダルまたはパチンコ玉に関連する特典としてもよい。
[特定画像について]
(1) 本実施形態では、特典に対応する特定画像として、上乗せ玉を例示した。しかしながら、特典が付与されたことを示唆する画像であれば、如何なる画像であってもよい。たとえば、特定のキャラクタ画像としてもよい。このような場合には、第1特典が付与されたときには、該第1特典に対応する第1キャラクタ画像が表示され、第2特典が付与されたときには、該第2特典に対応する第2キャラクタ画像が表示される。また、第1キャラクタ画像と第2キャラクタ画像とは形状が同一であり、色彩が異なる、このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
(2) 本実施形態では、第5〜第8ボタン演出で説明したように、第1特定画像と第2特定画像とは、特典が付与されたときに表示されるとして説明した。しかしながら、第1特定画像と第2特定画像とは、将来的に特典が付与されるときに表示されるようにしてもよい。つまり、第1特定画像は、第1特典の付与に応じて表示されるものであり、第2特定画像は、第2特典の付与に応じて表示されるものであるとしてもよい。
(3) また、特定画像は、特典が付与されるか否かの抽選(AT抽選)が実行されることを報知(示唆)する画像としてもよい。たとえば、第2特定画像が表示されたときに実行されるAT抽選は、第1特定画像が表示されたときに実行されるAT抽選よりも遊技者にとっての遊技度が高いとしてもよい。このような構成によれば、特定画像が表示されたときには、AT抽選が実行されることを遊技者に期待させることができ、かつ、該AT抽選の有利度を遊技者に把握させることができる。
(4) また、第5〜第8ボタン演出で説明したように、特定画像は、ボタン演出(演出用スイッチ56の操作を促進する演出)が実行されたときに表示されるとして説明した。しかしながら、該特定画像は、他の演出の実行のときに表示されるようにしてもよい。たとえば、チャンス演出が実行されたときに表示されるようにしてもよい。チャンス演出とは、「チャンス」という文字を表示する演出である。また、チャンス演出が実行されたときにおいて、所定条件が成立したときに、特定画像を表示するようにしてもよい。所定条件とは、たとえば、遊技者による操作に成立するものとしてもよい。遊技者による操作とは、たとえば、第3停止操作としてもよい。また、他の演出は、複数ゲームに亘って実行される連続演出、より詳細には、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出としてもよい。
(5) また、第1特定画像と第2特定画像とでは、大きさは同じであってもよく異なっていてもよい。たとえば、第2特定画像の方が第1特定画像よりも大きいとしてもよい。これにより、画像の大きさから特典の種別を遊技者に認識させることができる。また、第1特定画像と第2特定画像とでは、模様は同じであってもよく異なっていてもよい。たとえば、第2特定画像の方が第1特定画像よりも模様が派手としてもよい。これにより、画像の模様から特典の種別を遊技者に認識させることができる。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
また、設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。設定値とは、遊技者にとっての有利度を示す値である。設定値は、たとえば、内部抽選で用いる当選確率を決定する値であり、たとえば、1〜6まで存在する。
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。