JP6888531B2 - ステアバイワイヤシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるステアバイワイヤシステムに関する。
例えば、特許文献1に、操舵装置(ステアリングホイール)と操舵輪(車輪)との角度ずれを抑えることができる、メカリンクが設けられていないステアバイワイヤシステムが開示されている。
特開2004−314833号公報
上記特許文献1に記載の従来のステアバイワイヤシステムでは、イグニッションOFF時に操舵装置はロックされるが操舵輪はロックされない。そのため、このようなステアバイワイヤシステムを軽量小型の電気自動車などに搭載した場合、駐車中などに外力によって操舵輪だけが動いてしまう場面が想定される。
このように操舵輪だけが動いて操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度とがずれた状態でイグニッションがONされてしまうと、角度ずれが生じたまま操舵装置と操舵輪とが初期同期されてしまう。このため、ドライバーの操舵操作と実際の操舵輪の操舵角との間に大きなずれが生じてしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度とがずれてしまうことを抑制できるステアバイワイヤシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、車両に搭載されるステアバイワイヤシステムであって、ロック作動時に操舵装置の回転を規制する第1のロック装置と、ロック作動時に操舵輪の操舵を規制する第2のロック装置と、操舵装置の回転角度を検出する第1の角度センサと、操舵輪の操舵角度を検出する第2の角度センサと、イグニッションの状態及び第1の角度センサで検出された回転角度と第2の角度センサで検出された操舵角度との角度差に基づいて、第1のロック装置及び第2のロック装置の作動状態を含む車両の状態を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、イグニッションがOFFされた場合、第1のロック装置及び第2のロック装置をロック作動させた後に車両の電源をオフし、イグニッションがONされた場合、電源をオンして角度差を取得し、角度差が所定値以下であれば第1のロック装置及び第2のロック装置のロックを解除して正常起動処理を実行し、角度差が所定値を超えれば車両機能が制限される所定のフェールセーフ処理を実行する、ことを特徴とする。
この一態様のステアバイワイヤシステムでは、イグニッションOFF時に操舵装置と操舵輪との両方をロックして動きを規制する。そして、イグニッションON時には、操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度との角度差が、所定値を超えない場合にはロックを解除して通常走行を可能とし、所定値を超える場合には車両機能が制限されるフェールセーフ処理を実行する。
この制御によれば、イグニッションをOFFする時に操舵装置と操舵輪との両方をロックするため、イグニッションOFF後に外力などによって操舵装置と操舵輪との間に角度ずれを生じてしまうことを抑制できる。
また、この制御によれば、イグニッションをONする時に操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度との角度差を判断するため、万一角度ずれが生じたとしてもフェールセーフ処理に移行することで、ドライバーによる操舵装置の操舵操作と実際の操舵輪の操舵角との間に大きなずれが生じてしまうことを抑制できる。
上述した本発明のステアバイワイヤシステムによれば、操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度とがずれてしまうことを抑制できる。
本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステムが搭載される車両構造を簡易的に示す図 本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステムの構成を示す概略図 制御装置がイグニッションOFF時に実行する制御手順のフローチャート 制御装置がイグニッションON時に実行する制御手順のフローチャート 本実施形態の応用例に係るステアバイワイヤシステムが搭載される車両構造を簡易的に示す図 本実施形態の応用例に係るステアバイワイヤシステムの構成を示す概略図 本実施形態の応用例に係るステアバイワイヤシステムが搭載される車両構造を簡易的に示す図 本実施形態の応用例に係るステアバイワイヤシステムの構成を示す概略図
[概要]
本発明のステアバイワイヤシステムは、イグニッションOFF時に操舵装置と操舵輪との両方をロックして動きを規制する。イグニッションON時には、操舵装置の回転角度と操舵輪の操舵角度との角度差に基づいて正常起動処理又はフェールセーフ処理を実行する。よって、操舵装置と操舵輪との間に角度ずれを生じてしまうことを抑制でき、万一角度ずれが生じたとしてもフェールセーフ処理に移行することで、ドライバーの操舵操作と実際の操舵輪の操舵角との間に大きなずれが生じてしまうことを抑制できる。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステムが搭載される車両構造の一例を簡易的に示す図である。図1には、後輪を操舵輪とする3輪車両を例示している。図2は、図1の車両に適用される本実施形態に係るステアバイワイヤシステム1の構成を示す概略図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るステアバイワイヤシステム1は、操舵装置11と、第1のロック装置12と、第1の角度センサ13と、ステアリングシャフト14と、操舵輪21と、第2のロック装置22と、第2の角度センサ23と、モーター24と、ギア25と、ラックバー26と、制御装置30と、を備えている。
操舵装置11は、いわゆるステアリングホイールである。この操舵装置11には、一体的に回転動作を行うステアリングシャフト14が連結されている。
第1のロック装置12は、ステアリングシャフト14の近傍に設けられ、制御装置30の制御に基づいて、操舵装置11のロック/アンロックを行うための装置である。この第1のロック装置12は、アンロック作動時(ロック解除時)には操舵装置11の回転を規制せず、ロック作動時に操舵装置11の回転を規制するように構成される。このロックは、例えば、ステアリングシャフト14に設けられた孔などの凹部(図示せず)に、第1のロック装置12が有するロックピンなどの凸部(図示せず)を挿入することなどによって実施可能である。
第1の角度センサ13は、ステアリングシャフト14の近傍に設けられ、操舵装置11の操舵操作に伴って回転するステアリングシャフト14の回転角度を検出するための構成である。この第1の角度センサ13で検出された操舵装置11の回転角度(又はセンサ値)は、制御装置30に出力される。
操舵輪21は、操舵装置11の操作に応じて操舵される車両の車輪である。図1の例では、車両後方の1輪が操舵輪21となっている。この操舵輪21には、モーター24及びギア25などによって動作するラックバー26が連結されている。
第2のロック装置22は、ラックバー26の近傍に設けられ、制御装置30の制御に基づいて、操舵輪21のロック/アンロックを行うための装置である。この第2のロック装置22は、アンロック作動時(ロック解除時)には操舵輪21の操舵を規制せず、ロック作動時に操舵輪21の操舵を規制するように構成される。このロックは、例えば、モーター24のモーター軸(図示せず)に設けられた孔などの凹部(図示せず)に、第2のロック装置22が有するロックピンなどの凸部(図示せず)を挿入することなどによって実施可能である。
第2の角度センサ23は、ラックバー26の近傍に設けられ、モーター24及びギア25の動作に応じてラックバー26を介して操舵される操舵輪21の操舵角度を検出するための構成である。この第2の角度センサ23で検出された操舵輪21の操舵角度(又はセンサ値)は、制御装置30に出力される。
モーター24及びギア25は、操舵装置11の回転角度に基づいて制御装置30又は図示しない電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)から指示される信号に従い、ラックバー26を介して操舵輪21を操舵するための機構である。
制御装置30は、第1の角度センサ13から操舵装置11の回転角度を、第2の角度センサ23から操舵輪21の操舵角度を、及び図示しない電子制御ユニット(ECU)からイグニッション信号(IG信号)を取得し、イグニッションの状態(ON/OFF)、操舵装置11の回転角度、及び操舵輪21の操舵角度に基づいて、第1のロック装置12及び第2のロック装置22のロック/アンロック(作動状態)を含む車両の状態を制御する。
なお、制御装置30の全て又は一部は、典型的には中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、メモリ、及び入出力インタフェースを含んだ電子制御ユニット(ECU)として構成され得る。電子制御ユニットでは、メモリに格納されたプログラムをCPUが読み出して実行することによって所定の機能が実現される。
[制御]
次に、図3及び図4をさらに参照して、本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステム1が実行する制御を説明する。図3は、ステアバイワイヤシステム1の制御装置30がイグニッションOFF時に実行する制御の手順を示すフローチャートである。図4は、ステアバイワイヤシステム1の制御装置30がイグニッションON時に実行する制御の手順を示すフローチャートである。
まず、図3を参照して、車両の電源がオン状態でイグニッションがOFFされた(IG_OFF)時の制御装置30の制御を説明する。
ステップS31:第1のロック装置12が操舵装置11をロックする
ステップS32:第2のロック装置22が操舵輪21をロックする
ステップS33:車両の電源をオフする
この処理により、操舵装置11と操舵輪21との両方をロックした後に車両の電源をオフすることができるので、操舵装置11の回転角度と操舵輪21の操舵角度との角度ずれの発生を抑制できる。なお、ステップS31及びステップS32の処理の順序は特に問わない。
次に、図4を参照して、車両の電源がオフ状態でイグニッションがONされた(IG_ON)時の制御装置30の制御を説明する。
ステップS41:車両の電源をオンする
ステップS42:第1の角度センサ13から操舵装置11の回転角度を取得する
ステップS43:第2の角度センサ23から操舵輪21の操舵角度を取得する
ステップS44:操舵装置11の回転角度と操舵輪21の操舵角度との角度差を求め、求めた角度差が所定値以下であるか否かを判断する
ステップS45:角度差が所定値以下であれば、操舵装置11及び操舵輪21のロックを解除(アンロック)して、正常起動処理を実施する
ステップS46:角度差が所定値を超えていれば、車両に所定のフェールセーフ処理を実行する
ステップS44では、角度差が所定値以下であるか否かを判断したが、操舵装置11の回転角度(又はセンサ値)と操舵輪21の操舵角度(又はセンサ値)とが一致するか否かを判断してもよい。また、ステップS46で実行するフェールセーフ処理は、例えば車両の起動を停止する処理(車両の電源オフ)であってもよいし、起動はさせるが車両の機能を一部制限する処理(走行速度の制限や操舵可能角度の制限など)であってもよい。なお、ステップS41及びステップS42の処理の順序は特に問わない。
この処理により、操舵装置11の回転角度と操舵輪21の操舵角度との間に角度ずれがなければ正常に起動ができ、万一所定値を超える角度ずれが生じたとしてもフェールセーフ処理に移行するので、ドライバーの操舵操作と実際の操舵輪の操舵角との間に大きなずれが生じてしまうことを抑制できる。
[応用例]
上記実施形態では、後輪を操舵輪とする3輪車両に適用されるステアバイワイヤシステム1を説明した。以下、図5乃至図8を用いて、この3輪車両以外の構造を有する車両に適用されるステアバイワイヤシステムについて説明する。
図5は、前輪2輪を左右独立した操舵輪とする4輪車両の構造を簡易的に示す図である。この図5に示す4輪車両に適用される本実施形態に係るステアバイワイヤシステム2の構成を、図6に示す。
図6に示すように、前輪2輪を左右独立した操舵輪とする4輪車両については、左操舵輪21Lと右操舵輪21Rとのそれぞれに、第2のロック装置22及び第2の角度センサ23を設ける。制御装置30は、操舵装置11の回転角度と、左操舵輪21L及び右操舵輪21Rの操舵角度と、イグニッションの状態とに基づいて、第1のロック装置12、及び左操舵輪21Lの第2のロック装置22、及び右操舵輪21R第2のロック装置22のロック/アンロックを含む車両の状態を制御する。
図7は、ラックバー26aで連結した前輪2輪を操舵輪とする4輪車両の構造を簡易的に示す図である。この図7に示す4輪車両に適用される本実施形態に係るステアバイワイヤシステム3の構成を、図8に示す。
図8に示すように、ラックバー26aで連結した前輪2輪を連結した操舵輪とする4輪車両については、制御装置30は、上述した後輪を操舵輪とする3輪車と同様に、例えばラックバー26aに接続されたモーター24のモーター軸(図示せず)などを固定することによって、左操舵輪21L及び右操舵輪21Rが操舵されないように制御する。
[作用・効果]
上述のように、本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステム1によれば、イグニッションOFF時に操舵装置11と操舵輪21(L、R)との両方をロックして動きを規制する。そして、イグニッションON時には、操舵装置11の回転角度と操舵輪21(L、R)の操舵角度との角度差が、所定値を超えない場合にはロックを解除して通常走行を可能とし、所定値を超える場合には車両機能が制限されるフェールセーフ処理を実行する。
この制御によれば、イグニッションをOFFする時に操舵装置11と操舵輪21(L、R)との両方をロックするため、イグニッションOFF後に外力などによって操舵装置11と操舵輪21(L、R)との間に角度ずれを生じてしまうことを抑制できる。
また、この制御によれば、イグニッションをONする時に操舵装置11の回転角度と操舵輪21(L、R)の操舵角度との角度差を判断するため、万一角度ずれが生じたとしてもフェールセーフ処理に移行することで、ドライバーによる操舵装置11の操舵操作と実際の操舵輪21(L、R)の操舵角との間に大きなずれ(違和感など)が生じてしまうことを抑制できる。
本発明のステアバイワイヤシステムは、メカリンクが設けられていない車両に利用可能である。
1、2、3 ステアバイワイヤシステム
11 操舵装置
12 第1のロック装置
13 第1の角度センサ
14 ステアリングシャフト
21、21L、21R 操舵輪
22 第2のロック装置
23 第2の角度センサ
24 モーター
25 ギア
26,26a ラックバー
30 制御装置

Claims (1)

  1. 車両に搭載されるステアバイワイヤシステムであって、
    ロック作動時に操舵装置の回転を規制する第1のロック装置と、
    ロック作動時に操舵輪の操舵を規制する第2のロック装置と、
    前記操舵装置の回転角度を検出する第1の角度センサと、
    前記操舵輪の操舵角度を検出する第2の角度センサと、
    イグニッションの状態及び前記第1の角度センサで検出された回転角度と前記第2の角度センサで検出された操舵角度との角度差に基づいて、前記第1のロック装置及び前記第2のロック装置の作動状態を含む車両の状態を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    イグニッションがOFFされた場合、前記第1のロック装置及び前記第2のロック装置をロック作動させた後に車両の電源をオフし、
    イグニッションがONされた場合、電源をオンして前記角度差を取得し、前記角度差が所定値以下であれば前記第1のロック装置及び前記第2のロック装置のロックを解除して正常起動処理を実行し、前記角度差が所定値を超えれば車両機能が制限される所定のフェールセーフ処理を実行する、
    ステアバイワイヤシステム。
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