JP6887638B2 - ブリスターパッケージ - Google Patents

Description

本発明は、化粧品、日用品、文房具等の商品を店頭にて陳列販売する際に用いられるパッケージで、ブリスターと呼ばれるプラスチックのシート成形品にこれらの商品を入れて販売形態とするブリスターパッケージに関するものである。

従来より、店頭における良好なディスプレイ性を発揮させるため、プラスチックのシート成形品であるブリスターを使用し、その膨出部に、化粧品、日用品、文房具等の商品を入れたものが利用されている。そのようなパッケージとして、ブリスターの膨出部に商品を入れてから折り畳んで固定することで収納するようにした所謂クラムシェルタイプのブリスターパッケージが知られている。

特開２００４−５１１３３号公報 特開２００９−２９８４４１号公報

上記したクラムシェルタイプのブリスターパッケージは、被支持物である商品を膨出部に収納したブリスターを折り畳んで固定する際に、周辺部での嵌合や熱融着が一般的であり、固定の仕方に応じてそれなりの改ざん防止の効果はあるものの、嵌合部分や熱融着部分の面積分だけパッケージのサイズが大きくなるのでプラスチックの使用量が多くなるとともに、周囲の出っ張りにより意匠性が悪くなったり、パッケージ取扱い時に端面に手が当たると痛いといった問題点がある。

本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プラスチック使用量の最少化を図ることができ、視覚的にもすっきりとしたデザインが可能であり、取扱い時に手が当たっても痛くなく、改ざん防止効果にも優れたクラムシェルタイプのブリスターパッケージを提供することにある。

上記の目的を達成するため、請求項１に記載の発明であるブリスターパッケージは、
一対のシェル部材がヒンジ部を介して接続されてなるブリスターを用い、被支持物を収納した状態で双方のシェル部材の合わせ面どうしを当接させて形成されるブリスターパッケージであって、
シェル部材は、合わせ面とヒンジ部の反対側にある傾斜部分とそれらを両サイドでそれぞれ連結する山形状の側板部分とを有しており、双方のシェル部材を折り畳んだときに向き合った傾斜部分の間に生じる部位に固定用の嵌合手段が設けられていることを特徴としている。

また、請求項２に記載の発明であるブリスターパッケージは、請求項１に記載のブリスターパッケージにおいて、
一方のシェル部材には傾斜部分に連設する内向きの山形部分が設けられており、その山形部分における外側斜面と他方のシェル部材の傾斜部分に嵌合手段が設けられていることを特徴としている。

また、請求項３に記載の発明であるブリスターパッケージは、請求項２に記載のブリスターパッケージにおいて、
他方のシェル部材には傾斜部分に連設するフラップが設けられており、山形部分を内側に折り曲げて固定した状態で折り込んだフラップの先端を山形部分の裏側に係合させてロック状態とするための係止手段が設けられていることを特徴としている。

また、請求項４に記載の発明であるブリスターパッケージは、請求項１に記載のブリスターパッケージにおいて、
一方のシェル部材には傾斜部分に連設する内向きの山形部分が設けられ、他方のシェル部材には傾斜部分に連設する板状部分が設けられており、山形部分と板状部分に嵌合手段が設けられていることを特徴としている。

本発明のブリスターパッケージは、シェル部材に被支持物を収納した状態で双方のシェル部材を折り畳んでから、向き合った傾斜部分の間にある嵌合手段により固定するようになっており、サイドで嵌合したり熱融着するようになっていないため、従来のものに比べてサイドのサイズが小さくなり、プラスチックの使用量を最少化することができ、視覚的にもすっきりとしたデザインを得ることができるとともに、置いた際の安定感があり、周囲のフランジ部が手に当たって痛くなるようなこともない。

本発明の第１実施形態にかかるブリスターパッケージを被支持物を収納した状態で示す斜視図である。 図１のブリスターパッケージを構成するブリスターの正面図である。 図１のブリスターパッケージを構成するブリスターの側面図である。 ブリスターに被支持物を入れる様子を示す説明図である。 図４に続く組立て手順を示す説明図である。 図５に続く組立て手順を示す説明図である。 図６に続く組立て手順を示す説明図である。 図７に続く組立て手順を示す説明図である。 本発明の第２実施形態にかかるブリスターパッケージを構成するブリスターの斜視図である。 図９のブリスターを組み立てる途中の状態を示す説明図である。

〔第１実施形態〕
図１は本発明の第１実施形態にかかるブリスターパッケージを示すもので、このブリスターパッケージＡは、図２に正面図を、図３に側面図を示すブリスターに被支持物Ｍを収納して組み立てることで形成されており、このブリスターパッケージＡでは、図１に示すように、被支持物Ｍとして化粧品入リの丸いケースを斜めに保持している。

ブリスターパッケージＡを構成するブリスターは、透明なプラスチック成形品で、例えば、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＥ（ポリエチレン）、ＰＰ（ポリプロピレン）等の樹脂シートを真空成形して作成されるものであり、図２及び図３に示すように、一対のシェル部材１０，２０が折曲げ線からなるヒンジ部３０を介して接続された形態をしている。ここで、図２はブリスターを内側から見た状態で示してあり、図３では上方がブリスターの内側である。また、図３において符号ｘはブリスターをプラスチックシートからシート成形する金型のパーティングラインを示しており、成形時にあってはブリスターの下側、すなわちブリスターの外側に金型が位置する。

一方のシェル部材１０は、ブリスターパッケージＡの表側になる部分で、合わせ面１１とヒンジ部３０の反対側にある傾斜部分１２とそれらを両サイドでそれぞれ連結する三角状の側板部分１３とを有している。このシェル部材１０には、傾斜部分１２に折曲げ線ａを介して山形部分１４が連設しており、この山形部分１４は内側斜面１５と外側斜面１６とそれらを連結する三角状の側板部分１７からなる。この山形部分１４における内側斜面１５には一対の凹部１５ａが設けられ、外側斜面１６には一対の窪んだ角ボス１６ａが設けられている。そして、合わせ面１１と傾斜部分１２に跨がって外向きの膨出部１８が設けられている。

他方のシェル部材２０は、ブリスターパッケージＡの裏側になる部分で、合わせ面２１とヒンジ部３０の反対側にある傾斜部分２２とそれらを両サイドでそれぞれ連結する三角状の側板部分２３とを有している。このシェル部材２０には、傾斜部分２２に折曲げ線ｂを介してフラップ２４が連設しており、傾斜部分２２には一対の突き出た丸ボス２２ａが設けられ、フラップ２４には一対の丸ボス２２ａに跨がる長さの凸部２４ａが設けられている。そして、合わせ面２１には一方のシェル部材１０の膨出部１８と合わさって被支持物Ｍを収納するための膨出部２５が設けられている。

一方のシェル部材１０の合わせ面１１は周囲から僅かに窪んだ形状に、また他方のシェル部材２０の合わせ面２１は周囲から僅かに突き出た形状になっており、双方のシェル部材１０，２０をヒンジ部３０で折り曲げたときにこれらの合わせ面１１，２１どうしが嵌まり込んでずれないようになっている。そして、一方のシェル部材１０の合わせ面１１を外向きに湾曲させるとともに、他方のシェル部材２０の合わせ面２１を内向きに湾曲させてあり、双方のシェル部材１０，２０を二つ折りしたときに、これらの合わせ面１１，２１が重なり合うことで、すり鉢状に湾曲する表示面が形成されるようになっている。

また、双方のシェル部材１０，２０には、ヒンジ部３０付近に互いに向かい合う円形孔１０ａ，２０ａが設けられている。これらの円形孔１０ａ，２０ａは、二つ折りしたときに重なり合うことで、ブリスターパッケージＡを吊り下げて陳列する際にハンガー等が通る吊下孔ｈとなる。

図１に示すブリスターパッケージＡを組み立てる手順は次のようである。

まず、図４に示すように、ブリスターにおける一方のシェル部材１０の膨出部１８に被支持物Ｍを反対向きに収納してセットする。次いで、図５に示すように、双方のシェル部材１０，２０をヒンジ部３０で折りたたみつつ、図６に示すように、一方のシェル部材１０における山形部分１４をその内側斜面１５が傾斜部分１２と重なるように折り曲げてから、他方のシェル部材２０の傾斜部分２２の丸ボス２２ａの凸部と一方のシェル部材１０の山形部分１４における外側斜面１６の角ボス１６ａの凹部とを嵌合させることで、双方のシェル部材１０，２０を重ね合わせる。

次に、図７に示すように、他方のシェル部材２０のフラップ２４を一方のシェル部材１０の山形部分１４の裏側に入り込ませるように折り込み、フラップ２４の凸部２４ａを山形部分１４の外側斜面１６の裏側に突き出た角ボス１６ａの奥に入り込ませると同時に、フラップ２４の先端縁を山形部分１４の内側斜面１５の裏側に突き出た凹部１５ａに係合させることで、図８に示すようにフラップ２４をロック状態にする。これにより、図１に示すブリスターパッケージＡが組み立てられる。

このブリスターパッケージＡは、シェル部材１０の膨出部１４に被支持物Ｍを入れた状態で双方のシェル部材１０，２０をヒンジ部３０で折り畳んで固定する際に、上記のごとく、他方のシェル部材２０の傾斜部分２２にある丸ボス２２ａと、一方のシェル部材１０の山形部分１４の外側斜面１６にある角ボス１６ａとを嵌合するようになっている。このように、向き合った傾斜部分１２，２２の間に嵌合手段があり、周辺部で嵌合するようにはなっていないため、従来のものに比べてサイズが小さくなり、プラスチックの使用量も最少化することができ、視覚的にもすっきりとしたデザインを得ることができるし、周囲のフランジ部が手に当たっても痛くなるようなこともなく、嵌合手段が隠れているので図１のような縦置きタイプでは底部の安定性がある。

また、他方のシェル部材２０の傾斜部分２２の丸ボス２２ａと一方のシェル部材１０の山形部分１４における外側斜面１６の角ボス１６ａを嵌合した先にフラップ２４を有しており、丸ボス２２ａと角ボス１６ａとの嵌合部にそのフラップ２４を被せてロックするようになっているので、開封箇所が分かりにくく、一度開封しても戻しにくいことから、店頭でのいたずらを防ぐことができる。

また、被支持物Ｍが斜めになるように設計しているので、店舗の棚の下段に置いてあっても中身が見やすく、隣接するブリスターパッケージＡの収納部の傾斜が一致するので奥行きを詰めることができ、輸送時や店頭での陳列時にコンパクトに数多く収納したり陳列することができる。また、商品のバックパネルとなる収納部の上部がすり鉢状に湾曲しているので、店頭で並べたときの視野角が広がり、どこからも見てもデザイン面が見やすいという店頭効果がある。

上記の構成からなるブリスターパッケージＡにおいて、他方のシェル部材２０にフラップ２４を設けない形態も採りえる。この場合、改ざん防止効果を向上させるためには、一方のシェル部材１０における山形部分１４の外側斜面１６と他方のシェル部材２０の傾斜部分２２とを当接させた状態で両者をテープやホッチキスで止めるようにすればよい。

〔第２実施形態〕
図９は本発明の第２実施形態に係るブリスターパッケージを構成するブリスターの斜視図を示している。このブリスターは、第１実施形態で用いたブリスターと比べると、嵌合部分を除いて同様な構成をしているので、同様な構成部位には同じ符号を付してそれらの説明を省略する。

一方のシェル部材１０は、図２及び図３に示したのと同様に、ブリスターパッケージの表側になる部分で、合わせ面１１とヒンジ部３０の反対側にある傾斜部分１２とそれらを両サイドでそれぞれ連結する三角状の側板部分１３とを有しており、合わせ面１１と傾斜部分１２に跨がって外向きの膨出部１８が設けられている。そして、このシェル部材１０では、傾斜部分１２に折曲げ線ａを介して図９に示すごとき形状をした内向きの山形部分４０を連設させてあり、この山形部分４０は、幅方向の中ほどに位置する屋根部４１とその両サイドに凹部４２を有し、その凹部４２には一対の突き出た角ボス４２ａが設けられている。

他方のシェル部材２０は、図２及び図３に示したのと同様に、ブリスターパッケージの裏側になる部分で、合わせ面２１とヒンジ部３０の反対側にある傾斜部分２２とそれらを両サイドでそれぞれ連結する三角状の側板部分２３とを有しており，合わせ面２１には一方のシェル部材１０の膨出部１８と合わさって被支持物Ｍを収納するための膨出部２５が設けられている。そして、このシェル部材２０では、傾斜部分２２に折曲げ線ｂを介して図９に示すごとき形状をした板状部分５０が連設させてあり、この板状部分５０はサイドで広がる形状をした凹部５１を有し、その凹部５１には一対の突き出た丸ボス５１ａが設けられている。

図１０は図９のブリスターを組立て途中の状態で示している。このブリスターでは、一方のシェル部材１０の膨出部１８に被支持物を反対向きに入れてから、双方のシェル部材１０，２０をヒンジ部３０で折り畳み、次いで、図１０に示すように、一方のシェル部材１０における山形部分４０を折り曲げて傾斜部分１２に当接させ、この状態から、他方のシェル部材２０の板状部材５０を折り曲げ、板状部分５０の凹部５１にある丸ボス５１ａと、一方のシェル部材１０の山形部分４０における凹部４２にある角ボス４２ａとを嵌合させることで、双方のシェル部材１０，２０を重ね合わせる。このとき、一方のシェル部材１０の凹部４２と他方のシェル部材２０の凹部５１とが嵌まり合うことでずれないようなっている。これにより、図１に示すブリスターパッケージが組み立てられる。このブリスターパッケージの外観は図１に示すのと同様である。

このように組み立てられたブリスターパッケージは、改ざん防止効果を向上させるためには、一方のシェル部材１０における山形部分４０のと他方のシェル部材２０の板状部分５０とを適宜の箇所でテープやホッチキスにより止めるようにすればよい。

以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明によるブリスターパッケージは、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。

例えば、上記の例では、双方のシェル部材を折り畳んで嵌合する部位を底部に位置させてブリスターパッケージを縦置き型としたものを例に挙げたが、嵌合する部位を横にするデザインとして横置き型とすることもできる。

また、上記の例では、一対のシェル部材を折り畳むためのヒンジ部を折曲げ線として全体形状を三角状としたが、ヒンジ部に幅を持たせて色々な立体的デザインを採用することも可能である。

また、上記の例では、合わせ面とヒンジ部の反対側にある傾斜部分とを連結する山形状の側板部分についてその両斜辺ともに直線状として三角状といるが、台形でもおにぎり形状でもよく、デザインに工夫をしてこれらの斜辺に曲線を採用してもよい。

本発明のブリスターパッケージにおいて膨出部に入れる被支持物は、プラスチックケースやボトル、チューブなどの容器に内容物を充填した化粧品、日用品、文房具等の商品を主な対象としているが、被支持物としての容器の種類、形状、内容物などは特に限定されるものではない。

Ａ ブリスターパッケージ
Ｍ 被支持物
１０ シェル部材
１０ａ 円形孔
１１ 合わせ面
１２ 傾斜部分
１３ 側板部分
１４ 山形部分
１５ 内側斜面
１５ａ 凹部
１６ 外側斜面
１６ａ 角ボス
１７ 側板部分
１８ 膨出部
２０ シェル部材
２０ａ 円形孔
２１ 合わせ面
２２ 傾斜部分
２２ａ 丸ボス
２３ 側板部分
２４ フラップ
２４ａ 凸部
２５ 膨出部
３０ ヒンジ部
４０ 山形部分
４１ 屋根部
４２ 凹部
４２ａ 角ボス
５０ 板状部分
５１ 凹部
５１ａ 丸ボス
ａ，ｂ 折曲げ線
ｈ 吊下孔
ｘ パーティングライン

Claims (3)

1. 一対のシェル部材がヒンジ部を介して接続されてなるブリスターを用い、被支持物を収納した状態で双方のシェル部材の合わせ面どうしを当接させて形成されるブリスターパッケージであって、
   シェル部材は、間隔をあけて配置され、両サイドに設けられる、折り畳む前においてヒンジ部側およびその反対側のそれぞれに向けて斜めに下がる斜辺を有する一対の山形状の側板部分を備え，上記一対の山形状側板部分のヒンジ部側の斜辺に上記合わせ面が連結されており、上記一対の山形状側板部分のヒンジ部と反対側の斜辺に傾斜部分が連結されており、
   双方のシェル部材を折り畳んだときに向き合った傾斜部分の間に生じる部位に固定用の嵌合手段が設けられており、
   一方のシェル部材には傾斜部分に連設する内向きの山形部分が設けられており、その山形部分における外側斜面と他方のシェル部材の傾斜部分に嵌合手段が設けられていることを特徴とするブリスターパッケージ。
2. 請求項１に記載のブリスターパッケージにおいて、
   他方のシェル部材には傾斜部分に連設するフラップが設けられており、山形部分を内側に折り曲げて固定した状態で折り込んだフラップの先端を山形部分の裏側に係合させてロック状態とするための係止手段が設けられていることを特徴とするブリスターパッケージ。
3. 一対のシェル部材がヒンジ部を介して接続されてなるブリスターを用い、被支持物を収納した状態で双方のシェル部材の合わせ面どうしを当接させて形成されるブリスターパッケージであって、
   シェル部材は、間隔をあけて配置され、両サイドに設けられる、折り畳む前においてヒンジ部側およびその反対側のそれぞれに向けて斜めに下がる斜辺を有する一対の山形状の側板部分を備え，上記一対の山形状側板部分のヒンジ部側の斜辺に上記合わせ面が連結されており、上記一対の山形状側板部分のヒンジ部と反対側の斜辺に傾斜部分が連結されており、
   双方のシェル部材を折り畳んだときに向き合った傾斜部分の間に生じる部位に固定用の嵌合手段が設けられており、
   一方のシェル部材には傾斜部分に連設する内向きの山形部分が設けられ、他方のシェル部材には傾斜部分に連設する板状部分が設けられており、山形部分と板状部分に嵌合手段が設けられていることを特徴とするブリスターパッケージ。

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