JP6887213B2 - 圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板、電子機器及び圧延銅箔の製造方法 - Google Patents

圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板、電子機器及び圧延銅箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板、電子機器及び圧延銅箔の製造方法に関する。
電子機器は、通常複数の電子基板で構成されており、これら電子基板同士を電気的に接続するフレキシブルプリント配線板が電子基板間に設けられている。フレキシブルプリント配線板は、通常、絶縁基板と、該基板表面に形成された銅製の配線とを備えている。電子基板同士を接続するフレキシブルプリント配線板には、両基板の熱膨張や収縮の違いにより引張応力や圧縮応力が加わるため、良好な屈曲性等が求められる。このようなフレキシブルプリント配線板に求められる特性としては、MIT屈曲性に代表される良好な折り曲げ性、及び、IPC屈曲性に代表される高サイクル屈曲性があり、従来、このような特性を備えた銅箔や銅−樹脂基板積層体が開発されている(特許文献1〜3)。
特開2010−100887号公報 特開2009−111203号公報 特開2007−207812号公報
フレキシブルプリント配線板に使用される銅箔は年々薄くなってきており、現状は18μm以下が主流となっていて、シングルμmの厚みを持つ銅箔も商品化されている。圧延銅箔の場合、厚みを薄くしていくと必然と圧延の加工度は高くなり、内部にひずみが蓄積された状態となっている。また、薄くすることでせん断帯が導入されやすくなり、ひずみの蓄積がさらに大きくなる。
ひずみの蓄積が大きくなると、銅箔が硬くなり、すぐに折れるため、ハンドリング性が低下してしまう。また、ひずみの蓄積が大きくなると、銅張積層板を作製するときにかかる熱で蓄積されていたひずみが解放されるが、このときに銅箔にシワが入りやすくなる。
また、せん断帯が導入されると再結晶後にせん断帯の場所で、圧延面に{111}面が平行な結晶粒が出現しやすくなる。これはヤング率を上げてフレキシブル性を損なったり、屈曲試験や折り曲げ試験で割れの起点となったりするため好ましくない。また、Ag等の元素を微量添加した銅箔とすると、屈曲性等が向上することが知られているが、銅以外の元素が銅箔に含まれることでひずみは蓄積しやすくなり、上記問題が顕著になってしまう。
そこで、本発明は、良好な折り曲げ性及びハンドリング性を有し、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板の生産性が良好となる圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板、電子機器及び圧延銅箔の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、圧延銅箔の結晶内における結晶方位の角度差を制御することで、折り曲げ性及びハンドリング性、及び、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板に用いたときの生産性を向上させることができることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔であって、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点aに電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点aの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が1.5°以上2.0°未満である前記測定点aを中心とし、前記測定点aと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Aとし、前記面積Aの合計を面積ATとしたとき、前記ATが銅箔の表面面積に対し20%以上45%以下である圧延銅箔である。
本発明の圧延銅箔は一実施形態において、前記ATが銅箔の表面面積に対し20%以上30%以下である。
本発明の圧延銅箔は別の一実施形態において、最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔であって、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点bに電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点bの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が0.3°以上0.9°未満である前記測定点bを中心とし、前記測定点bと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Bとし、前記面積Bの合計を面積BTとしたとき、前記BTが銅箔の表面面積に対し20%以上50%以下である圧延銅箔である。
本発明の圧延銅箔は更に別の一実施形態において、前記BTが銅箔の表面面積に対し30%以上50%以下である。
本発明の圧延銅箔は更に別の一実施形態において、厚みが3μm以上15μm以下である。
本発明の圧延銅箔は更に別の一実施形態において、Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10質量ppm以上500質量ppm以下含む。
本発明は更に別の一側面において、本発明の圧延銅箔を使用して作製された銅張積層板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の銅張積層板を使用して作製されたフレキシブルプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のフレキシブルプリント配線板を使用して作製された電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、最終圧延後に温度T(K)及び時間t(秒)が、
T=473 C (但し、−0.03≦C≦−0.02)
を満たすT及びtにて熱処理を行う圧延銅箔の製造方法である。
本発明によれば、良好な折り曲げ性及びハンドリング性を有し、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板の生産性が良好となる圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板、電子機器及び圧延銅箔の製造方法を提供することができる。
圧延銅箔の結晶方位の測定態様を表す模式図である。 実施例に係る180°曲げ試験の説明図である。
(圧延銅箔の構成)
本発明に用いることのできる圧延銅箔の材料としては、タフピッチ銅(JIS−H3100 C1100)や無酸素銅(JIS−H3100 C1020、JIS−H3510 C1011)が使用可能である。
さらには、タフピッチ銅及び無酸素銅をベースとした銅合金箔も使用可能である。タフピッチ銅及び無酸素銅をベースとした銅合金箔は、具体的には、Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10質量ppm以上500質量ppm以下含む銅合金箔が挙げられる。
なお、本明細書において「銅箔」には銅合金箔も含まれ、「タフピッチ銅」及び「無酸素銅」で形成した銅箔には、タフピッチ銅及び無酸素銅をベースとした銅合金箔も含まれる。
本発明の圧延銅箔は、最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔であり、厚みは3μm以上15μm以下であるのが好ましい。最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔の厚さが3μm未満であると銅箔のハンドリングが悪くなり、15μm超であるとファインピッチ性が低下する。また、銅箔の厚さが薄くなると、回路幅40μm以下のファインピッチが直線性良く形成できる傾向にあり、特に厚さが12μm以下でその傾向が顕著となる。このため、当該圧延銅箔の厚さは、3〜12μmであるのがより好ましい。
本発明の圧延銅箔は、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点aに電子線を照射して得られた結晶方位と、測定点aの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が1.5°以上2.0°未満である測定点aを中心とし、測定点aと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Aとし、面積Aの合計を面積ATとしたとき、ATが銅箔の表面面積に対し20%以上45%以下に制御されている。
本発明の圧延銅箔は、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点bに電子線を照射して得られた結晶方位と、測定点bの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が0.3°以上0.9°未満である前記測定点bを中心とし、測定点bと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Bとし、面積Bの合計を面積BTとしたとき、BTが銅箔の表面面積に対し20%以上50%以下に制御されているのが好ましい。
上記測定点aについては、具体的には、まず、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点aを決定する。この測定点aは、電子線を照射して得られた結晶方位と、測定点aの周囲に200nm離間して位置する6点の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が1.5°以上2.0°未満である。なお、測定点と隣接測定点の結晶方位との方位角度差が2.0°以上である隣接測定点は結晶粒界であると判定し、上記方位角度差の平均値の算出においては考慮しない。そのため、例えば6点の隣接測定点の内、2点が結晶粒界であると判定された場合、測定点の電子線を照射して得られた結晶方位と結晶粒界以外の残りの4点の隣接測定点の結晶方位との方位角度差の平均値が、測定点の電子線を照射して得られた結晶方位と隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値となる。
上記測定点bについては、具体的には、まず、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点bを決定する。この測定点bは、電子線を照射して得られた結晶方位と、測定点bの周囲に200nm離間して位置する6点の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が0.3°以上0.9°未満である。
図1に、本発明の圧延銅箔の結晶方位の測定態様を表す模式図を示す。まず測定点を決定する。図1では、測定点a又はbを、No.1(以下、測定点1という)と記載している。また、測定点1を中心とし、測定点1と各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形を決定する。隣接測定点(測定点2〜7)は、この測定点1を中心にして、周囲に200nm離間して位置する。そして、測定点1〜7について電子線を照射して得られた結晶方位を測定し、測定点1と、測定点2〜7の方位角度差をそれぞれ求める。このようにして求めた方位角度差の平均値が1.5°以上2.0°未満であるとき、その測定点1を測定点aとし、測定点aを中心とする正六角形の面積を面積Aとする。また、方位角度差の平均値が0.3°以上0.9°未満であるとき、その測定点1を測定点bとし、測定点bを中心とする正六角形の面積を面積Bとする。
さらに、これらの隣接測定点(測定点2〜7)について、測定点1と同様に、それぞれを中心として各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形を決定する。このように正六角形を順に決定していくと、図1に示すように互いに接し合う複数の正六角形で銅箔の金属組織が埋められていく。そして、各測定点についても上述と同様にして測定点aかbかを判定し、面積A又はBを求める。このようにして得られた各測定点における面積Aの合計を面積ATとしたとき、ATが銅箔の表面面積に対し20%以上45%以下である。また、各測定点における面積Bの合計を面積BTとしたとき、BTが銅箔の表面面積に対し20%以上50%以下であるのが好ましい。
上述の結晶方位の測定は、EBSP(Electron Backscattering Pattern)のいわゆるKAM(Kernel Average Misorientation)値で200nmステップによるものが挙げられる。方位角度差が2°以上ある場所は結晶粒界としたため省いている。KAM値はEBSPを測定するステップ間隔により大きく変化するが、ステップ間隔を短くしていくと徐々に変化しなくなり、本発明の圧延銅箔では200nm以下であればほぼ一定の値となる。このため、200nmステップで測定したKAM値を用いることができる。
面積ATの割合は、小さい方が、銅箔におけるひずみの蓄積が少ない。ATが銅箔の表面面積に対し20%未満であると、ひずみ蓄積量が少なくハンドリング性が良くなるが、銅張積層板を作る工程で再結晶せず、さらに再結晶しても結晶径が不均一となる。一方、ATが銅箔の表面面積に対し45%を超えると、ひずみの蓄積が大きすぎてハンドリング性が著しく悪くなる。また、面積ATの割合は、銅箔の表面面積に対し20%以上30%以下であるのが好ましい。面積ATの割合が30%以下であると、ハンドリング性向上の効果が大きくなる。
面積BTの割合は、小さい方が、銅箔におけるひずみの蓄積が少ない。BTが銅箔の表面面積に対し20%未満であると、ひずみ蓄積量が少なくハンドリング性が良くなるが、銅張積層板を作る工程で再結晶せず、さらに再結晶しても結晶径が不均一となる。一方、BTが銅箔の表面面積に対し50%を超えると、再結晶し難くなったり、再結晶粒径が不均一になったりする。また、面積BTの割合は、銅箔の表面面積に対し30%以上50%以下であるのが好ましい。面積BTの割合が30%以上であると、ハンドリング性向上の効果が大きくなる。
本発明の圧延銅箔は、Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10質量ppm以上500質量ppm以下含むことが好ましい。Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10質量ppm以上含むことで、銅箔の屈曲性が向上する。また、銅以外の元素が含まれることでひずみが蓄積しやすくなり、ハンドリング性が劣化するおそれがあるため、Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で500質量ppm以下とするのが好ましい。
(圧延銅箔の製造方法)
圧延銅箔の製造プロセスは、電気銅を純銅の原料に使用し、必要に応じて合金元素を添
加した後、鋳造して厚み100〜300mmのインゴットを製造する。このインゴットを
熱間圧延して厚み5〜20mm程度とした後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、冷間圧延で
所定の厚みに仕上げる。このとき、最終圧延加工度が90%以上になるように圧延する。
最終圧延加工度とは、再結晶を伴う焼鈍後、製品の板厚まで加工する圧延の総加工度であ
る。最終圧延加工度が90%以上であると、銅箔の屈曲性及び折り曲げ性が良好となる。
続いて、最終圧延後に、温度T(K)及び時間t(秒)が、
T=473 C (但し、−0.03≦C≦−0.02)
を満たすT及びtにて熱処理を行う。当該熱処理は再結晶を伴わず、再結晶温度の1/2
〜3/4の温度にて行われている。熱処理時間は1〜30時間であるのが好ましい。当該
熱処理の温度が高い方が銅箔におけるひずみの蓄積を小さくする効果があり、ハンドリン
グ性向上の効果は大きいが、温度が高すぎると部分的に再結晶してハンドリング性が逆に
悪くなってしまう。すなわち、このような熱処理を行うことで、本発明の圧延銅箔の面積
AT及びBTの割合を制御することができる。
(銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器)
本発明の銅張積層板は、本発明の圧延銅箔に対し、必要であれば再結晶等の処理を行った後、絶縁基板を貼り合わせることで構成されている。また、本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、本発明の銅張積層板の圧延銅箔部分を加工して配線パターンを形成することで作製することができる。すなわち、本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、絶縁基板と、この絶縁基板の表面に形成された配線パターンとを備えている。ここで用いられる絶縁基板は、フレキシブルプリント配線板に適用可能な良好な屈曲性及び折れ曲げ性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。絶縁基板の厚さは、12〜50μmが好ましい。厚さが12μm未満であるとハンドリングが悪くなり、50μm超であるとフレキシブル性が低下する。配線パターンは、上述のフレキシブルプリント配線板用圧延銅箔を用いて形成されている。配線パターンの形状は特に限定されず、どのようなものであってもよい。
銅張積層板は、圧延銅箔と、良好な屈曲性及び折れ曲げ性を有するポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム等の絶縁基板とを貼り合わせて製造することができる。
貼り合わせの方法は、ポリイミドフィルムの場合、熱硬化性ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミド接着剤を塗工、乾燥した後、銅箔と積層させ、熱圧着させる。圧着方法としては真空熱プレスする方法や熱ロールによってラミネートする方法がある。またポリイミドフィルムの場合、銅箔にポリイミドの前駆体を塗工、乾燥、硬化させることで銅張積層板を作製する。
銅張積層板からフレキシブルプリント配線板を作製する工程は当業者に周知の方法を用いればよい。例えば、エッチングレジストを銅張積層板の銅箔面に配線パターンとして必要となる部分だけに塗工し、エッチング液を銅箔面に噴射することで不要銅箔を除去して回路パターンを形成する。次いでエッチングレジストを剥離・除去して配線パターンを露出することで、フレキシブルプリント配線板を作製する。
このフレキシブルプリント配線板を2つの電子基板間に設けて、それらを電気的に接続させることで、種々の電子機器を作製することができる。電子機器としては、特に限定されず、例えば、液晶ディスプレイ、カーナビゲーション、携帯電話、ゲーム機、CDプレイヤー、デジタルカメラ、テレビ、DVDプレイヤー、電子手帳、電子辞書、電卓、ビデオカメラ、プリンター等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
タフピッチ銅:TPC(実施例1〜3、16、比較例2、4)(JIS−H3100 C1100)、無酸素銅:OFC(実施例4、5、10〜15、17、19、20、23〜29、比較例1、3、5)(JIS−H3100 C1020)に表1に記載の元素を添加してインゴットを作製した。なお、実施例1〜は添加元素を使用せず、タフピッチ銅、無酸素銅をそれぞれそのまま用いてインゴットを作製した。次に、作製したインゴットを熱間圧延で厚さ7mmの板に加工し、表面研削で酸化物を取り除いた後、冷間圧延、焼鈍、酸洗を繰り返した。この後、表1に記載の厚さまでの冷間圧延を実施した。このとき、最終圧延加工度が90%以上になるように圧延した。最終圧延後に、再結晶を伴わない熱処理として、温度T(K)及び時間t(秒)が、
T=473tC (T、t、Cは表1に記載)
を満たすように熱処理を行った。
(AT及びBTの割合の測定)
上述のようにして作製した各銅箔に対して、電子顕微鏡JEOL FE−SEMを用い、TSL社製の解析ソフトを用いてEBSPをとってKAM値を算出した。これによって銅箔表面の500μm×500μmの範囲を測定し、当該測定面における上述の面積AT及び面積BTを求め、銅箔の表面面積に対する割合を算出した。なお、当該面積AT及び面積BTは、銅箔表面の500μm×500μmの範囲において、結晶粒数で625個程度の測定を行い、その平均を算出して求めた。
(ハンドリング性)
300℃に加熱した2つのロールを100kgf/cmのニップ圧にてニップさせ、その間に銅箔を、テンションフリー且つ2m/分の速度で通箔させた。このときにシワが消えないものを×、ライン張力の調整でシワが少なくなったものを○、シワが発生しなくなるものを◎とした。
(折り曲げ性)
各銅箔に対して、圧延方向が長手方向となるように試験片を12.7mm×100mm短冊状に切り出した。この試験片S1を長手方向の両端同士が合うように中央部でU字状に曲げ、長手方向が水平になるように横に向けて逆C字状にした状態で、圧縮試験機(島津製作所製の万能試験機 AGS−5kN)にセットした(図2(a))。具体的には、試験片S1を圧縮試験機の台座12上に載置し、試験片S1の上方のクロスヘッド11を荷重98kN(10kgf)、50mm/分の速度で下降させ、荷重を加えてから5秒保持して試験片S1を完全に潰した(試験片S1を完全に潰す回数を折り曲げ回数とした。)その後、クロスヘッド11を上昇させ、U字部が潰れた試験片S2を取り出し、長手方向が上下になるよう向きを変えて試験片S3とした(図2(b))。試験片S2、S3は、U字部が潰れた突状の曲げ部Cを有する。曲げ部C外面を観察し割れの有無を確認した。割れが見つかなかったら、曲げ部Cが上向きになるようにして試験片S3を上記圧縮試験機の台座12上に載置し、曲げ部Cの上方のクロスヘッド11を上記と同様の荷重及び速度で下降させ、荷重を加えてから5秒保持して試験片S3を完全に潰した(図2(c)、(d))。その後、クロスヘッド11を上昇させ、曲げ部Cが潰れてほぼ平坦になった試験片S4を取り出した。試験片S4を試験片S1として折り曲げ回数が3回になるまで続け、割れの有無をCCDカメラで確認する。3回曲げても割れないものを○、割れるものを×とした。
測定条件及び結果を表1に示す。
Figure 0006887213
(評価)
実施例1〜29は、ATが銅箔の表面面積に対し20%以上45%以下であり、ハンドリング性及び折り曲げ性が良好であった。
比較例1、3、5は、ATが銅箔の表面面積に対し45%超であり、ハンドリング性が不良であった。
比較例2、4は、ATが銅箔の表面面積に対し20%未満であり、折り曲げ性が不良であった。
11 クロスヘッド
12 台座
S1 試験片
S2 試験片
S3 試験片
S4 試験片
C 曲げ部

Claims (10)

  1. 最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔であって、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点aに電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点aの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が1.5°以上2.0°未満である前記測定点aを中心とし(ここで、測定点と隣接測定点との結晶方位との方位角度差が2.0°以上である隣接測定点は結晶粒界であると判定し、前記方位角度差の平均値の算出においては考慮しない)、前記測定点aと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Aとし、前記面積Aの合計を面積ATとしたとき、前記ATが銅箔の表面面積に対し20%以上45%以下である圧延銅箔。
  2. 前記ATが銅箔の表面面積に対し20%以上30%以下である請求項1に記載の圧延銅箔。
  3. 最終圧延後、且つ、再結晶前の圧延銅箔であって、銅箔表面において結晶の金属組織の測定点bに電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点bの周囲に200nm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差の平均値が0.3°以上0.9°未満である前記測定点bを中心とし、前記測定点bと各辺との距離がそれぞれ100nmである正六角形の面積を面積Bとし、前記面積Bの合計を面積BTとしたとき、前記BTが銅箔の表面面積に対し20%以上50%以下である請求項1又は2に記載の圧延銅箔。
  4. 前記BTが銅箔の表面面積に対し30%以上50%以下である請求項3に記載の圧延銅箔。
  5. 厚みが3μm以上15μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧延銅箔。
  6. Ag、Zn、Zr、Cr、Ti及びSnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10質量ppm以上500質量ppm以下含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧延銅箔。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧延銅箔を使用して作製された銅張積層板。
  8. 請求項7に記載の銅張積層板を使用して作製されたフレキシブルプリント配線板。
  9. 請求項8に記載のフレキシブルプリント配線板を使用して作製された電子機器。
  10. 最終圧延後に温度T(K)及び時間t(秒)が、
    T=473tC (但し、−0.03≦C≦−0.02)
    を満たすT及びtにて熱処理を行う請求項1に記載の圧延銅箔の製造方法。
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