JP6886498B2 - 建具 - Google Patents
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Description
この構成によれば、通常時に可動遮炎材が障子の摺動の邪魔にならず、火災時には可動遮炎材を確実に降下させられる。
この構成によれば、可動遮炎材により火炎を確実に遮断できる。
この構成によれば、火災時に上枠が溶けてなくなっても、火炎が室内外を連通するのを防止できる。
この構成によれば、通常時は可動遮炎材が外部に露出せず、普通の樹脂サッシの上枠と変わらないものでありながら、火災時には上枠のレールが火災の熱で溶けるのに伴って可動遮炎材が降下し、火炎を遮断できる。
枠1は、合成樹脂の押出形材よりなる上枠3と下枠と左右の竪枠とを、端部を斜め45°に切断して突き合わせて溶着し、矩形に枠組みされている。外障子2aと内障子2bは、合成樹脂の押出形材よりなる上框6と下框と戸先框と召し合せ框とを、端部を斜めに切断して突き合わせて溶着することで矩形に框組みし、その内側に複層ガラス7を納め、室外側に押縁8を取付けて複層ガラス7を保持してある。
室外側から1〜3番目の中空部内9a,9b,9cには、上枠補強材16a,16b,16cがそれぞれ設けてある。これらの上枠補強材16a,16b,16cは、ステンレス等の金属の板を折り曲げて略コ字形に形成してあり、図2,3に示すように、上枠3の略全長にわたって設けてある。上枠3の外周側面には、所定の長さに切断されたL形断面の固定金具17が間隔をおいて配置され、固定金具17は上枠3の躯体固定片10aの室外側に重ねて室外側からのねじ18で躯体に固定してある。上枠3の中空部9a,9b,9c内に配置した各上枠補強材16a,16b,16cは、固定金具17に上方からのねじ19で固定してある。
各上枠補強材16a,16b,16cの下面には、火災時に火災の熱により発泡・膨張する熱膨張性耐火材20a,20b,20cが長手方向に沿って設けてある。かかる熱膨張性耐火材20a,20b,20cは、市販品の中から適宜選択して用いることができ、例えば積水化学工業株式会社製の商品名「フィブロック」を用いることができる。これは、プラスチック技術を活用した有機系耐火材であり、通常の状態では柔軟な薄いシート状で、200℃以上に加熱されると発泡して厚さ方向に5〜40倍に膨張し、断熱層を形成する。火災時に消失することがなく、有害ガスが発生することもない。またフィブロックは、片面に剥離紙付きの接着層を有し、剥離紙を剥がして簡便に接着取付けできる。
可動遮炎材4aは、図1,7に示すように、ステンレス等の金属の板を折り曲げて形成したもので、上横壁27と下横壁28と縦壁29とを有しており、レール補強材21aとは反対に縦壁29を室外側に向けて配置してある。可動遮炎材4aの上横壁27はレール補強材21aの上横壁22の下に位置し、可動遮炎材4aの下横壁28はレール補強材21aの下横壁23の下に位置している。可動遮炎材4aは、図2に示すように、レール補強材21aを固定している外障子側端部と中央部側の2本のねじ26,26の間に配置され、外障子2aの上框6の略全長にわたって設けてある。なお可動遮炎材4aは、ねじ26を逃がす切欠きや長孔を設けることで、長さをもっと長くして、より幅の広い範囲をカバーすることもできる。可動遮炎材4aは、火災時における外障子2aの最大下がり寸法よりも、高さ方向の寸法を大きく設定することが望ましい。
可動遮炎材4bは、レール補強材21bとは反対に縦壁29を室内側に向けて配置してある。可動遮炎材4bは、図3に示すように、レール補強材21bを固定している内障子側端部と中央部側の2本のねじ26,26の間に配置され、内障子2bの上框6の略全長にわたって設けてある。なお可動遮炎材4bは、ねじ26を逃がす切欠きや長孔を設けることで、長さをもっと長くして、より幅の広い範囲をカバーすることもできる。可動遮炎材4bは、火災時における内障子2bの最大下がり寸法よりも、高さ方向の寸法を大きく設定することが望ましい。
これと同時に、金属製の部材である上枠補強材16a,16b、レール補強材21a、上框6のレール呑み込み溝5内の補強材30、上框6の中空部31内の補強材32、上框6のガラス保持溝36内の補強材37にそれぞれ設けた熱膨張性耐火材20a,20b,20d,20e,20f,20h,20i,20j,20k,20l,20mが火災の熱で発泡膨張し、これら金属製の部材16a,16b,21a,4a,30,32,37同士の間の隙間を塞ぐ。このように上枠3から外障子2aの複層ガラス7までが金属製の部材16a,16b,21a,4a,30,32,37と熱膨張性耐火材20a,20b,20d,20e,20f,20h,20i,20j,20k,20l,20mとで連続して塞がれることで、火炎が室内に侵入するのを防ぐことができる。
図4(b)に示すように、内障子2b側も外障子2a側と同様に、上枠3の内レール13が溶けることで、内レール13内に設けてあった可動遮炎材4bが上框6のレール呑み込み溝5内に自重で降下し、降下した可動遮炎材4bは、レール呑み込み溝5内で発泡・膨張した熱膨張性耐火材20fの上に乗っかることで、上枠3と内障子2b間の隙間を塞ぐ高さ位置に保持される。これにより、上枠3と内障子2bとの間に貫通孔ができるのを防ぐ。さらに、金属製の部材である上枠補強材16b,16c、レール補強材21b、上框6のレール呑み込み溝5内の補強材30、上框6の中空部31内の補強材32にそれぞれ設けた熱膨張性耐火材20b,20c,20e,20f,20h,20i,20j,20kが火災の熱で発泡膨張し、これら金属製の部材16b,16c,21b,4b,30,32,37同士の間の隙間を塞ぐ。
これと同時に、金属製の部材である上枠補強材16c、レール補強材21b、上框6のレール呑み込み溝5内の補強材30、上框6の中空部31内の補強材32、上框6のガラス保持溝36内の補強材37にそれぞれ設けた熱膨張性耐火材20c,20d,20f,20g,20h,20i,20k,20mが火災の熱で発泡・膨張し、これら金属製の部材16c,21b,4b,30,32,37同士の間の隙間を塞ぐ。このように上枠3から内障子2bの複層ガラス7までが金属製の部材16c,21b,4b,30,32,37と熱膨張性耐火材20c,20d,20f,20g,20h,20i,20k,20mとで連続して塞がれることで、火炎が室外に出るのを防ぐことができる。
図5(a)に示すように、外障子2a側も内障子2b側と同様に、上枠3の外レール12が溶けることで、外レール12内に設けてあった可動遮炎材4aが上框6のレール呑み込み溝5内に自重で降下し、降下した可動遮炎材4aは、レール呑み込み溝5内で発泡・膨張した熱膨張性耐火材20fの上に乗っかることで、上枠3と外障子2a間の隙間を塞ぐ高さ位置に保持される。これにより、上枠3と外障子2aとの間に貫通孔ができるのを防ぐ。さらに、金属製の部材である上枠補強材16b,16c、レール補強材21a、上框6のレール呑み込み溝5内の補強材30、上框6の中空部31内の補強材32、上框6のガラス保持溝36内の補強材37にそれぞれ設けた熱膨張性耐火材20b,20c,20f,20g,20h,20k,20mが火災の熱で発泡膨張し、これら金属製の部材16b,16c,21a,4a,30,32,37同士の間の隙間を塞ぐ。
さらに本建具は、可動遮炎材4a,4bを障子2a,2bの摺動の邪魔にならない位置に保持する保持部材(外レール12、内レール13)を有し、火災時に保持部材が溶けて可動遮炎材4a,4bが降下するので、通常時に可動遮炎材4a,4bが障子2a,2bの摺動の邪魔にならず、火災時には可動遮炎材4a,4bを確実に降下させられる。
可動遮炎材4a,4bを金属製とし、自重で降下する構造とすることで、可動遮炎材4a,4bを簡単に設置することができる。
さらに本建具は、可動遮炎材4a,4bが火災時に降下したときに、上枠3と障子2a,2b間の隙間を塞ぐ高さ位置に保持されるので、可動遮炎材4a,4bにより火炎を確実に遮断できる。
本建具は、枠1が樹脂製であり、上枠3は中空部内に遮炎材(上枠補強材16a,16b,16c、レール補強材21a,21b及び熱膨張性耐火材20a,20b,20c,20d)が設けてあり、火災時に可動遮炎材4a,4bが降下したときに、可動遮炎材4a,4bが遮炎材(上枠補強材16a,16b,16c、レール補強材21a,21b及び熱膨張性耐火材20a,20b,20c,20d)と連続しているので、火災時に上枠3が溶けてなくなっても、火炎が室内外を連通するのを防止できる。
また本建具は、枠1が樹脂製であり、可動遮炎材4a,4bは上枠3のレール12,13の中空部15内に設けてあるので、通常時は可動遮炎材4a,4bが外部に露出せず、普通の樹脂サッシの上枠と変わらないものでありながら、火災時には上枠3のレール12,13が火災の熱で溶けるのに伴って可動遮炎材4a,4bが降下し、火炎を遮断できる。
図8(a)に示すように、上枠3は外レール12の室外側に可動遮炎材4が設けてある。可動遮炎材4は、ステンレス等の金属の板を折り曲げて形成したものであり、外レール12の室外側面に沿う板状部38と、板状部38の上端より室外側に突出する段部39を有している。板状部38は外レール12の半分ほどの高さを有し、外レール12の上側に当接して、樹脂製のリベット40で固定してある。よって、平常時には可動遮炎材4が外障子2aの摺動の邪魔にならないようになっている。可動遮炎材4は、閉鎖した外障子2aが位置する範囲のみに設けてあってもよいが、上枠3の略全長にわたって設けてあってもよい。
上框6は、室外側のアルミ形材6aにレール呑み込み溝5が形成してあり、レール呑み込み溝5の見込面と見付面とに熱膨張性耐火材20n,20pが長手方向に沿って設けてある。
図9(a)に示すように、上枠3は外レール12と内レール13との間に可動遮炎材4が設けてある。可動遮炎材4は、ステンレス等の金属の板を折り曲げて形成したものであり、外レール12の室内側面に沿う縦壁41aと、上枠の内周側面に沿う横壁42と、内レール13の室外側面に沿う縦壁41bを有し、室外側の縦壁41aを外レール12の上部に樹脂製のリベット40で固定し、平常時に可動遮炎材4が内外障子2a,2bの摺動の邪魔にならないようになっている。横壁42の上面には、長手方向に沿って熱膨張性耐火材20qが設けてある。
2a 外障子(障子)
2b 内障子(障子)
3 上枠
4,4a,4b 可動遮炎材
5 レール呑み込み溝
6 上框
12 外レール(保持部材)
13 内レール(保持部材)
15 レールの中空部
16a,16b,16c 上枠補強材(遮炎材)
20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h,20i,20j,20k,20l,20m,20n,20p,20q 熱膨張性耐火材(遮炎材)
21a,21b レール補強材(遮炎材)
40 リベット(保持部材)
Claims (1)
- 枠と、上下枠に沿って摺動する障子を備え、上枠に金属製の可動遮炎材を有し、可動遮炎材は、火災時に障子のレール呑み込み溝内に降下するものであり、可動遮炎材が降下したときに、上枠の内周側見込み面と可動遮炎材との間に位置する金属部材を備えることにより、上枠の内周側見込み面から障子にわたって金属部材が連続することを特徴とする建具。
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JP2019143482A JP6886498B2 (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | 建具 |
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- 2019-08-05 JP JP2019143482A patent/JP6886498B2/ja active Active
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