[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態における読取制御システムの一例について図1を用いて説明する。読取制御システム1は、読取制御装置2、2台のRFIDリーダ3A、3B、商品データサーバ5、複数のセンサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5を備える。なお、読取制御システム1は、図1に示していない他の機器を備えていてもよい。
読取制御装置2、RFIDリーダ3A、3B、商品データサーバ5、センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5は、LAN(Local Area Network)で接続されている。
読取制御装置2は、各RFIDリーダ3A、3Bを制御して、搬送対象物に含まれる商品に付されたRFIDタグの情報を読み取らせる。読取制御装置2によるRFIDタグの読取制御方法については後述する。以下、RFIDリーダ3A、3Bを「リーダA、リーダB」、各センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5を「センサA1〜センサA5、センサB1〜センサB5」、各アンテナ5A−1〜5A−4、5B−1〜5B−4を「アンテナA1〜A4、アンテナB1〜B4」ともいう。
各RFIDリーダ3A、3Bは、少なくとも1台以上のアンテナを含む複数のアンテナグループ毎に接続される。好ましくは、各RFIDリーダ3A、3Bに接続される各アンテナグループは、それぞれ複数のアンテナを含む。第1の実施形態においては、各RFIDリーダ3A、3Bには、それぞれ4つのアンテナ5A−1〜5A−4を含むアンテナグループAと、アンテナ5B−1〜5B−4を含むアンテナグループBと、が接続されている。各RFIDリーダ3A、3Bは、梱包箱13−1〜13−3内の商品に付されたRFIDタグの情報を読み取るため、電波を出力し、アンテナグループA、Bに含まれるアンテナを介してRFIDタグからの応答信号を受信する。なお、本実施形態においては、RFIDリーダ3A、3Bは2台により構成されているがこの限りではなく、2台以上複数台備えていてもよい。
RFIDリーダA、B毎に接続されたアンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4の方向と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4は、RFIDリーダ3A、3B毎に異なる方向に配置されている。具体的には、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4は、搬送ライン11の上面(天面)において読取面が下方となるように配置され、搬送ライン11に搬送される梱包箱13−3内のRFIDタグの読み取りが行われる。
同様に、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4は、搬送ライン11の下面(底面)において読取面が上方となるように、すなわち、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4とは読取面が逆方向となるように配置され、搬送ライン11上に搬送される梱包箱13−2内のRFIDタグの読み取りが行われる。なお、アンテナグループA、Bは、それぞれ搬送ライン11の上面と下面に配置しているがこの限りでは無く、例えば、アンテナグループA、Bは、搬送ライン11に沿って右側面と左側面に配置してもよい。
搬送ライン11上には、一定の間隔をおいて連続して流れる複数の梱包箱13−1〜13−3が自動搬送コンベア10により搬送されている。複数の梱包箱13−1〜13−3を特に区別して説明する必要がない場合には、以下「梱包箱13」とも称する。
第1の実施形態においては、搬送ライン11は、一定の速度(例えば、60cm/秒)で搬送されており、搬送ライン11上の梱包箱13は一定の間隔d5(例えば、240cm以上)で配置して搬送されている。
センサ7A−1〜7A−4は、搬送ライン11上において、それぞれアンテナグループAのうちに含まれる各アンテナ5A−1〜5A−4の読み取り範囲RA1〜RA4(楕円が示す範囲)の中心の少し手前に配置され、センサ7A−5は、アンテナ5A−4の読取範囲RA4の中心から少し後に配置されている。
同様に、センサ7B−1〜7B−4は、搬送ライン11上において、それぞれアンテナグループBに含まれる各アンテナ5B−1〜5B−4の読み取り範囲RB1〜RB4(楕円が示す範囲)の中心の少し手前に配置され、センサ7B−5は、アンテナ5B−4の読取範囲RB4の中心から少し後に配置されている。
センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5は、搬送ライン11上の各地点を通過する梱包箱13を検知できる検知センサであればよく、フォトマイクロセンサ、光電センサ、レーザーセンサ、超音波センサ等、公知の各種検知センサを採用することができる。
アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4との間の間隔は、搬送ライン11上において互いに電波干渉しないよう所定の間隔をおいて配置されている。
具体的には、アンテナ5A−1と5B−1との間隔d1、アンテナ5A−2と5B−2との間隔d2、アンテナ5A−3と5B−3との間隔d3及びアンテナ5A−4と5B−4との間隔d4が、それぞれ略同一になるように配置されている。
例えば、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1との間隔d1として、搬送ライン11上において互いに電波干渉しない間隔を予め決定しておく。第1の実施形態においては、例えば、間隔d1を、240cm以上とする。アンテナ5A−2〜5A−4と、アンテナ5B−2〜5B−4との間の間隔d2〜d4についても、アンテナ5A−1と、アンテナ5B−1との間の間隔d1と同様の間隔以上とする。
読取制御装置2は、各アンテナグループA、Bに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4と、アンテナ5B−1〜5B−4とを同期をとって順番に切り替えることで、電波送出中のアンテナ間の間隔が搬送ライン11に沿って一定とすることができる。これにより、アンテナ5A−2〜5A−4と、アンテナ5B−2〜5B4との間隔を電波干渉しない所定の間隔に保つことができる。
例えば、読取制御装置2は、RFIDリーダ3A、3Bを制御することで、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1とを同期して電波を出力するよう電波送出中のアンテナ間の間隔は間隔d1となる。同様に、読取制御装置2は、RFIDリーダ3A、3Bを制御することで、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−2〜5A−4と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−2〜5B−4とを同期して電波を出力するよう順番に切り替えることで、電波送出中のアンテナ間の間隔は間隔d2〜d4を保つことができる。
第1の実施形態においては、電波が同時に出力された場合であっても、互いに電波干渉しない所定の間隔d1〜d4は、予め測定した値に基づいて設定されている。第1の実施形態においては、互いに電波干渉しない所定の間隔d1〜d4は240cmに設定されている。
したがって、各梱包箱13間の間隔d5は、240cm以上であれば(間が抜けても)問題ないが、この電波干渉の影響を受けない所定の間隔より狭くすることはできない。
また、図1に示すように、センサ7A−1と、センサ7B−1との間の間隔d1’についても、アンテナ5A−1と、アンテナ5B−1との間の間隔d1と略同一に設定されている。同様に、センサ7A−2〜7A−4と、センサ7B−2〜7B−4との間の間隔d2’〜d4’についても、アンテナ5A−1と、アンテナ5B−1との間の間隔d1と略同一に設定されている。
商品データサーバ5には、取り扱う全商品の商品データや、入庫予定や出庫予定に関する予定データが格納されている。商品データサーバ5には、梱包箱13に付された後述の収納情報タグの情報と、梱包箱13内の全商品の情報とが対応づけられて管理されている。予定データには、各梱包箱13に含まれるRFIDタグの数量の情報が含まれる。また、予定データでは、各梱包箱13がグループ単位(オーダ単位)で管理されてもよい。その場合、各グループは、後述の収納情報タグにより各梱包箱13の所属するグループが一意に識別される。
ここで、RFIDタグの読み取りを行う場合、RFIDリーダ3A、3Bからインベントリと呼ばれる読取コマンドがRFIDタグ群に対して出される。
第1の実施形態で使用するRFIDリーダ3A、3BとRFIDタグ間のエアインタフェース規格であるEPC global Class1 Generation2(ISO/IEC 18000-63)準拠のRFIDタグは、自分がインベントリされたことを一時的に記憶するための一時フラグ(インベントリ済フラグ)を有している。
この一時フラグは4つの独立したセションフラグ(S0、S1、S2、S3)を有している。各セションフラグはそれぞれ、インベントリされたことを記憶できる時間(以下、「インベントリ状態維持時間」という)を有する。
インベントリ状態維持時間内にRFIDリーダ3A、3Bがインベントリを行うと、大量のタグが同一エリア内に存在していても、すでにインベントリ済のRFIDタグは応答しないので、アンチコリジョン処理で順番にタグを選択して読み取っていくことが可能となる。したがって、各アンテナグループA、B間の所定の間隔は、RFIDタグのインベントリ状態維持時間が維持できる距離内であることが好ましい。
第1の実施形態では、4つのセションフラグのうち、インベントリ状態維持時間が2秒以上に規定されているS2、S3のセションフラグを一時フラグとして採用するが、S2、S3のセションフラグは一般的にマージンを含めて通常4秒以上(実際には、例えば10秒程度)に設定されている。搬送ライン11は、60cm/秒の搬送速度で搬送されているため、4秒×60cm=240cm以上の距離でRFIDタグのインベントリ状態維持時間を維持することが可能となる。
なお、インベントリ状態維持時間の距離を超えた場合には、RFIDリーダ3Aと、RFIDリーダ3Bとの間で重複してRFIDタグの読み取りを行うこととなる。しかし、読取制御装置2側では公知の二度読み防止処理(一度読んだRFIDタグを読み捨てるフィルタリング処理)が行われ、かつ、インベントリ状態維持時間を超えるRFIDタグは少数であると考えられるため特に読取制御装置2側の処理に影響を与えることはないと考えられるため特に問題はない。
図2に示すように、梱包箱13には、RFIDタグ14がそれぞれ付された商品15が複数梱包(収容)されている。梱包箱13のサイズは、例えば、横(W)80cm、高さ(H)80cm、奥行き(D)80cmである。
搬送対象物である梱包箱13の外装には、各梱包箱13内の商品の情報を示す収納情報タグ16が付されている。
収納情報タグ16は、該梱包箱13が所属するグループに従って複数種存在する。読取制御装置2は、各収納情報タグ16のうち同種の収納情報タグ16が付された梱包箱13を1つのグループに所属する搬送対象物として読み取る制御を行うことができる。収納情報タグ16もRFIDタグにより構成されているが、商品15に付されたRFIDタグ14と、梱包箱13に付された収納情報タグ16とは、RFIDタグのEPC(Electronic Product Code)コードがそれぞれ異なるため、両者を区別して読み取りを行うことができる。
RFIDタグのEPCコードの一例を図3に示す。EPCコードは、RFIDタグ14(図2参照)および収納情報タグ16(図2参照)に書き込まれた情報であり、図3に示すEPCコードは96ビットの場合のものである。EPCコードには、ヘッダ、フィルタ、パーティション、GS1事業者コード、商品アイテムコード、シリアル番号の情報が含まれる。商品15に付されたRFIDタグ14と、梱包箱13に付された収納情報タグ16とは、EPCコードのうち、特に、ヘッダまたはシリアル番号がそれぞれ異なるため、読取制御装置2は、両者を容易に区別して読み取りを行うことができる。
読取制御装置2は、RFIDタグに書き込まれたEPCコードをRFIDリーダA、Bを介して読み取る制御を行うことにより、RFIDタグ14が付された各商品を一意に識別することができる。
次に、第1の実施形態に係る読取制御システム1の機能構成の一例について図4を用いて説明する。読取制御システム1は、読取制御装置2、RFIDリーダ3A、3Bを有する。なお、読取制御システム1の構成はこれに限られるものではなく、他の構成要素を含むものであってもよい。
読取制御装置2は、制御部21、通信制御部22,格納部23を有する。なお、読取制御装置2の構成はこれに限られるものではなく、他の構成要素を含むものであってもよい。
制御部21は、アンテナ5A−1〜5A−4に接続されたRFIDリーダ3Aによる梱包箱13−3の読み取りと、アンテナ5B−1〜5B−4に接続されたRFIDリーダ3Bによる梱包箱13−2の読み取りと、を略同時のタイミングとなるように制御する。
制御部21は、各センサ7A−1〜7A−4からの通知をトリガとして、RFIDリーダ3Aを介して各アンテナ5A−1〜5A−4にコマンドを発行する。そして、同時に、制御部21は、各センサ7B−1〜7B−4からの通知をトリガとして、RFIDリーダ3Bを介して各アンテナ5B−1〜5B−4にコマンドを発行する制御を行う。これにより、制御部21は、RFIDリーダ3Aによる梱包箱13−3の読み取りと、RFIDリーダ3Bによる梱包箱13−2の読み取りと、を略同時のタイミングとなるように制御することができる。
具体的には、制御部21は、各センサ7A−1〜7A−4、7B−1〜7B−4から来た通知のタイミングで、RFIDリーダ3Aに接続された各アンテナ5A−1〜5A−4による読み取りと、RFIDリーダ3Bに接続された各アンテナ5B−1〜5B−4による読み取りとをほぼ同時に開始する。制御部21は、RFIDリーダ3A、3Bにより読み取った読取データをデータバッファ41に格納する。そして、制御部21は、データバッファ41に格納した各アンテナ5A−1〜5A−4によるRFIDリーダ3Aの読み取り結果と、各アンテナ5B−1〜5B−4によるRFIDリーダ3Bの読み取り結果と、を統合(マージ)することで、1つの梱包箱13に対する読取処理が完了する。RFIDリーダ3A、3Bを制御する処理、読取データをデータバッファ41に格納する処理、および読み取り結果を統合する処理については後述する。
通信制御部22は、外部(RFIDリーダ3A、3B、商品データサーバ5、センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5)と情報の送受信を行うものである。
格納部23は、後述のデータバッファ41、カウンタ、カウンタテーブル42、RFIDリーダ3A、3Bや読取制御装置2を動作させるために必要なプログラムなどを格納するものである。
RFIDリーダ3A、3Bはそれぞれ制御部51A、51B、通信制御部52A、52Bを有する。なお、RFIDリーダ3A、3Bの構成はこれに限られるものではなく、他の構成要素を含むものであってもよい。
制御部51A、51Bは、読取制御装置2からの指示に基づき、それぞれ搬送ライン11上を搬送される梱包箱13に含まれる商品に付されたRFIDタグの読み取りを行う。通信制御部52A、52Bは、外部(読取制御装置2)と情報の送受信を行うものである。
図5(A)(B)は、格納部23に格納されているカウンタテーブルの一例を示す図である。図5(A)のカウンタテーブル42は、後述のリーダ3A読取制御処理で用いられる。カウンタテーブル42は、カウンタAXの値と、センサA1〜A4の情報と、アンテナA1〜A4の情報とが対応づけて格納されている。具体的には、カウンタAXには、0〜4の値が格納され、カウンタAXの値1〜4に対し、各センサA1〜A4と、各アンテナA1〜A4とが対応づけて格納されている。
図5(B)のカウンタテーブル42は、後述のリーダ3B読取制御処理で用いられる。カウンタテーブル42は、カウンタBXの値と、センサB1〜B4の情報と、アンテナB1〜B4の情報とが対応づけて格納されている。具体的には、カウンタBXには、0〜4の値が格納され、カウンタBXの値1〜4に対し、各センサB1〜B4と、各アンテナB1〜B4とが対応づけて格納されている。
次に、第1の実施形態に係る読取制御装置2を実現するためのハードウェア構成の一例について図6を用いて説明する。読取制御装置2のハードウェア構成は、例えば、CPU(Central Processing Unit)61、HDD(Hard Disk Drive)62、ROM(Read Only Memory)63、RAM(Random Access Memory)64、通信インタフェース(I/F)65、バス66を備えている。CPU61、HDD62、ROM63、RAM64、通信インタフェース(I/F)65は、例えば、バス66を介して互いに接続されている。
CPU61は、バス66を介して、HDD62などに格納される読取制御装置2の各種処理を行うためのプログラムを読み込み、読み込んだプログラムをRAM64に一時的に格納し、そのプログラムにしたがって各種処理を行うものであり、主として上述した制御部21、通信制御部22として機能する。
HDD62には、読取制御装置2の各種処理を行うためのアプリケーションプログラムや、読取制御装置2の処理に必要なデータなどが格納され、主として上述した格納部23として機能する。
ROM63は、不揮発性メモリであって、ブートプログラムやBIOS(BasicInput/Output System)などのプログラムを記憶する。
RAM64には、揮発性メモリであって、CPU61に実行させるためのOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。また、RAM64には、CPU61による処理に必要な各種データが格納される。
通信インタフェース(I/F)65は、外部(RFIDリーダ3A、3B、商品データサーバ5、センサ7A−1〜7A−4、7B−1〜7B−4など)とデータの送受信を行うものであり、主として上述した通信制御部22として機能する。
バス66は、各装置間の制御信号、データ信号などの授受を媒介する経路である。
次に、第1の実施形態に係るRFIDリーダ3A、3Bを実現するためのハードウェア構成の一例について図7を用いて説明する。
RFIDリーダ3A、3Bのハードウェア構成は、例えば、CPU71A、71B、ROM72A、72B、RAM73A、73B、通信インタフェース(I/F)74A、74B、バス75A、75Bを備えている。
RFIDリーダ3AのCPU71A、ROM72A、RAM73A、通信インタフェース(I/F)74Aは、例えば、バス75Aを介して互いに接続されている。
CPU71Aは、それぞれバス75Aを介して、ROM72Aなどに格納されるRFIDリーダ3Aの各種処理を行うためのプログラムを読み込み、読み込んだプログラムをRAM73Aに一時的に格納し、そのプログラムにしたがって各種処理を行うものであり、主として上述した制御部51A、通信制御部52Aとして機能する。
ROM72Aは、不揮発性メモリであって、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、RFIDリーダ3Aの各種処理を行うためのアプリケーションプログラム、RFIDリーダ3Aの処理に必要なデータなどを記憶する。
RAM73Aは、揮発性メモリであって、CPU71Aに実行させるためのOSプログラムやアプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。また、RAM73Aには、CPU71Aによる処理に必要な各種データが格納される。
通信インタフェース(I/F)74Aは、外部(読取制御装置2、アンテナ5A−1〜5A−4など)とデータの送受信を行うものであり、主として上述した通信制御部52Aとして機能する。
バス75Aは、各装置間の制御信号、データ信号などの授受を媒介する経路である。
同様に、RFIDリーダ3BのCPU71B、ROM72B、RAM73B、通信インタフェース(I/F)74B、バス75Bは、例えば、バス75Bを介して互いに接続されている。
CPU71Bは、それぞれバス75Bを介して、ROM72Bなどに格納されるRFIDリーダ3Bの各種処理を行うためのプログラムを読み込み、読み込んだプログラムをRAM73Bに一時的に格納し、そのプログラムにしたがって各種処理を行うものであり、主として上述した制御部51B、通信制御部52Bとして機能する。
ROM72Bは、不揮発性メモリであって、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、RFIDリーダ3Bの各種処理を行うためのアプリケーションプログラム、RFIDリーダ3Bの処理に必要なデータなどを記憶する。
RAM73Bは、揮発性メモリであって、CPU71Bに実行させるためのOSプログラムやアプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。また、RAM73Bには、CPU71Bによる処理に必要な各種データが格納される。
通信インタフェース(I/F)74Bは、外部(読取制御装置2、アンテナ5B−1〜5B−4など)とデータの送受信を行うものであり、主として上述した通信制御部52Bとして機能する。バス75Bは、各装置間の制御信号、データ信号などの授受を媒介する経路である。
次に、梱包箱13−1〜13−3と、RFIDリーダ3A、3Bによる梱包箱13−1〜13−3の読取タイミングとの関係の一例について図1、8を用いて説明する。図8には、読取制御装置2と、RFIDリーダ3A、3Bによる読取処理のタイムチャートの一例が示されている。タイムチャートの横軸は、各梱包箱13の搬送方向を示し、各チャートの実線は梱包箱の概略の搬送位置を示している。
図1に示すように、各梱包箱13は、搬送ライン11上において間隔d5を開けて連続して搬送される。また、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4と、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4との間隔は、間隔d1〜d4に設定されている。アンテナ5A−1〜5A−4とアンテナ5B−1〜5B−4との間の間隔d1〜d4と、センサ7A−1〜7A−4とセンサ7B−1〜7B−4との間の間隔d1’〜d4’と、搬送ライン11上の各梱包箱13の間隔d5とは、ともに略同一の所定の間隔に設定されている。第1の実施形態においては、所定の間隔として240cmに設定されている。
したがって、図1に示すように、センサ7A−1により梱包箱13−3が検出されるタイミングと、センサ7B−1により梱包箱13−2が検出されるタイミングとは略同時にとなる。同様に、センサ7A−2〜7A−4により梱包箱13−3が検出されるタイミングと、センサ7B−2〜7B−4により梱包箱13−2が検出されるタイミングも略同時にとなる。
各センサ7A−1〜7A−4、7B−1〜7B−4は、各アンテナ5A−1〜5A−4、5B−1〜5B−4の地点(より正確には、アンテナ5A−1〜5A−4、5B−1〜5B−4の直前の地点)に梱包箱13が来たことを検出して読取制御装置2に通知する。そのため、図8に示すように、まず、タイムチャートのT1において、センサ7A−1が梱包箱13−1を検出すると、読取制御装置2は、アンテナ5A−1〜5A−4に接続されたRFIDリーダ3Aによる梱包箱13−1の読み取りを行う。そして、センサ7A−5が梱包箱13−1を検出すると、読取制御装置2は、RFIDリーダ3Aによる梱包箱13−1の読み取りを完了する。
次のタイムチャートのT2において、センサ7B−1が梱包箱13−1を検出すると、読取制御装置2は、アンテナ5B−1〜5B−4に接続されたRFIDリーダ3Bによる梱包箱13−1の読み取りを行う。さらに、センサ7A−1が梱包箱13−2を検出すると、読取制御装置2は、アンテナ5A−1〜5A−4に接続されたRFIDリーダ3Aによる梱包箱13−2の読み取りを行う。
ここで、アンテナ5A−1〜5A−4とアンテナ5B−1〜5B−4との間の間隔d1〜d4と、センサ7A−1〜7A−4とセンサ7B−1〜7B−4との間の間隔d1’〜d4’と、搬送ライン11上の各梱包箱13の間隔d5とは、ともに略同一である。したがって、読取制御装置2は、RFIDリーダ3Aによる梱包箱13−2の読み取りと、RFIDリーダ3Bによる梱包箱13−1の読み取りと、を略同時に行う。
そして、センサ7B−5が梱包箱13−1を検出し、センサ7A−5が梱包箱13−2を検出すると、読取制御装置2は、RFIDリーダ3Bによる梱包箱13−1の読み取りと、RFIDリーダ3Aによる梱包箱13−2の読み取りとを完了する。
同様に、次のタイムチャートのT3において、センサ7B−1が梱包箱13−2を検出し、センサ7A−1が梱包箱13−3を検出すると、読取制御装置2は、アンテナ5B−1〜5B−4に接続されたRFIDリーダ3Bによる梱包箱13−2の読み取りと、アンテナ5A−1〜5A−4に接続されたRFIDリーダ3Aによる梱包箱13−3の読み取りとを略同時に行う。
そして、センサ7B−5が梱包箱13−2を検出し、センサ7A−5が梱包箱13−3を検出すると、読取制御装置2は、RFIDリーダ3Bによる梱包箱13−2の読み取りと、RFIDリーダ3Aによる梱包箱13−3の読み取りとを完了する。
例えば、読取制御装置2は、梱包箱13−2に対し、タイムチャートのT2において、RFIDリーダ3Aに接続されるアンテナ5A−1〜5A−4により片方の面から読み取りを行う。そして、読取制御装置2は、梱包箱13−2に対し、タイムチャートのT3において、RFIDリーダ3Bに接続されるアンテナ5B−1〜5B−4により、アンテナ5A−1〜5A−4の面とは異なる逆方向の面から読み取りを行う。
このタイムチャートのT2におけるRFIDリーダ3Aによる梱包箱13−2に対する読み取りと、タイムチャートのT3におけるRFIDリーダ3Bによる梱包箱13−2に対する読み取りと、の2つの読み取り結果を統合(マージ)することで1つの梱包箱13−2に対する読取処理が完了する。
このように、読取制御装置2は、搬送ライン11上の1つの梱包箱13に対し、各センサ7A−1〜7A−5に対応するアンテナグループAと、各センサ7B−1〜7B−5に対応するアンテナグループBとそれぞれ同期を取って、順番にそれぞれ異なる方向から2回の読み取りを行う。
読取制御装置2は、アンテナグループBに属する最後のアンテナ(アンテナ5B−4)での読取終了後に、梱包箱13−2に対するRFIDリーダ3Aの読取結果と、RFIDリーダ3Bの読取結果を統合(マージ)し、1つの梱包箱13に対する全読取を終了する。またこの場合、梱包箱13−2に対し、アンテナグループBにより読み取りを開始すると同時に、梱包箱13−2の次の梱包箱13−3に対し、アンテナグループAによる読み取りが開始される。
なお、図1の例においては説明の便宜のため、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4、および、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4はそれぞれ読取面が同じ面となるように配置しているがこの限りではない。例えば、アンテナグループAに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4は、センサ7A−1〜7A−4の位置に対応して1つの梱包箱13の読取面をアンテナ5A−1〜5A−4で分担するように異なる位置、異なる角度に配置することができる。同様に、アンテナグループBに含まれるアンテナ5B−1〜5B−4は、センサ7B−1〜7B−4の位置に対応して1つの梱包箱13の読取面をアンテナ5B−1〜5B−4で分担するように異なる位置、異なる角度に配置することができる。
なお、第1の実施形態では、読取制御装置2は、センサ7A−1〜7A−4、7B−1〜7B−4が梱包箱13を検出したタイミングで、各RFIDリーダ3A、3Bに接続された各アンテナ5A−1〜5A−4、5B−1〜5B−4による読み取り開始の指示を行っているがこの限りではない。例えば、読取制御装置2は、アンテナグループAのうち、一番先頭のアンテナ5A−1に対応するセンサ7A−1でのみ梱包箱13の検出を行った後にアンテナ5A−1による読取を開始し、他のアンテナ5A−2〜4については、予め設定しておいた固定時間の経過後に順次読み取りを開始および終了の処理をすることができる。
次に、アンテナグループAにおける各アンテナ5A−1〜5A−4の読取時間配分、センサ7A−1〜7A−5の配置間隔、アンテナ5A−1〜5A−4の配置間隔の一例について図9を用いて説明する。なお、アンテナグループBについては、アンテナグループAと略同様の読取時間配分、センサの配置間隔、アンテナの配置間隔であるため、説明を省略する。
図9に示すように、1つのアンテナグループに含まれるアンテナ5A−1〜5A−4の読取時間の配分は、アンテナ5A−1〜5A−4毎に予想されるRFIDタグの読取配分率に対応づけて割り当てられている。RFIDタグの読取配分率は、アンテナグループA全体で読み取れるRFIDタグの予測枚数に対する、アンテナグループAに含まれる各アンテナ5A−1〜5A−4で読み取れるRFIDタグの予測枚数の割合に応じて決定される。
例えば、アンテナグループA全体で読み取れるRFIDタグの予測枚数が400枚である場合において、各アンテナ5A−1〜5A−4で読み取れるRFIDタグの予測枚数は、それぞれ150枚、100枚、75枚、75枚であると予測した場合について考える。この場合、アンテナ5A−1〜5A−4の読取配分率は、それぞれ(150/400)=37.5%≒40%、(100/400)=25%≒30、(75/400)=18.75%≒15%、(75/400)=18.75%≒15%となる。
したがって、図9の例では、算出された読取配分率の近似値に対応づけて、アンテナ5A−1〜5A−4の読取時間の配分(比率)は、それぞれ40%、30%、15%、15%に割り当てられる。アンテナグループAに接続されるRFIDリーダ3Aの1サイクルにおける読取時間が1.00秒である場合、アンテナ5A−1、5A−2、5A−3、5A−4における読取時間は、読取時間の配分(比率)に基づいて、それぞれ0.4秒、0.3秒、0.15秒、0.15秒が割り当てられる。
なお、搬送ライン11上の最初(上流)に配置されているアンテナ5A−1ほど読み取れるRFIDタグの予測枚数は多くなり、搬送ライン11上の最後(下流)に配置されているアンテナ5A−4ほど読み取れるRFIDタグの予測枚数は少なくなる。これは、最初の方に配置されているアンテナ5A−1ほど読み取れるRFIDタグの枚数が多く、最後になるにつれて新たに読み取れるRFIDタグの枚数が減る傾向にあるためである。このことは、RFIDリーダ3A、3Bまたは読取制御装置2が有する公知の二度読み防止機能(一度読んだRFIDタグを読み捨てるフィルタリング機能)や、RFIDタグが有するインベントリ済フラグの機能を使用すると顕著に表れる。インベントリ済フラグについては、後述する。
なお、第1の実施形態においては、アンテナ5A−1〜5A−4毎に予測されるRFIDタグの読取配分率に対応づけて読取時間の比率を変えているがこの限りではない。例えば、アンテナ5A−1〜5A−4毎に読み取る方向(エリア)が全く異なる場合や、各アンテナ5A−1〜5A−4間の間隔が大きい場合には、アンテナ5A−1〜5A−4における読取時間の比率の差分は小さくする、または均等にすることが好ましい。
また、図9に示すように、アンテナグループAに含まれる各アンテナ5A−1〜5A−4間の配置間隔d6、d7、d8が、アンテナ5A−1〜5A−4毎に予測されるRFIDタグの読取配分率に対応づけた間隔になるように、各アンテナ5A−1〜5A−4を搬送ライン11に沿ってずらして配置する。
例えば、図9のアンテナ5A−1〜5A−4の読取配分率は、それぞれ40%、30%、15%、15%に設定されている。したがって、各アンテナ5A−1〜5A−4間の配置間隔d6、d7、d8、および、各アンテナ5A−1〜5A−4に対応する各センサ7A−1〜7A−5間の配置間隔d6、d7、d8、d9はそれぞれ40%、30%、15%、15%に設定される。なお、図1に示すように、アンテナ5A−1〜5A−4の位置と、各センサ7A−1〜7A−4の位置は実質的には若干のズレがあるが、図9では、説明の便宜上、アンテナ5A−1〜5A−4の位置と、各センサ7A−1〜7A−4の位置をほぼ同じ位置として示す。
アンテナグループBについても、アンテナグループAと略同様の読取時間配分、センサの配置間隔、アンテナの配置間隔とすることにより、搬送ライン11上を一定間隔で搬送されてくる梱包箱13を同じ順番で、かつ、同時に読み取ることができる。これにより、電波送出中の各グループ同士のアンテナの間隔を可能な限り均等にすることができ、アンテナグループA、B間の電波干渉を防ぐことができる。
なお、第1の実施形態では、予測されるRFIDタグの読取配分率に対応づけてアンテナ5A−1〜5A−4をずらして配置しているがこの限りではなく、均等に配置して、読取時間だけをRFIDタグの読取配分率に対応づけてずらしてもよい。
なお、第1の実施形態では、読取制御装置2は、RFIDリーダ3Aの読取結果と、RFIDリーダ3Bの読取結果を1つの梱包箱13単位で統合(マージ)しているが、この限りではない。例えば、読取制御装置2は、同種の収納情報タグ(図2参照)が付された各梱包箱13に対するRFIDリーダ3Aの読取結果と、RFIDリーダ3Bの読取結果を統合し、同種のグループに属する梱包箱13に対する全読取とすることができる。
また、アンテナグループA、B毎に金属板で遮蔽された遮蔽箱(図示せず)に収容し、各遮蔽箱間の出入口を遮蔽扉や遮蔽カーテン等で遮蔽する構造とすることもできる。これにより、アンテナグループA、B間の間隔をさらに狭くすることによる電波干渉を防ぐことができ、また、搬送ライン11外の他搬送品の過読を回避することができる。
次に、梱包箱13に対するRFIDリーダ3A、3Bによる読み取りと、データバッファに格納される読取データとの関係について図10、図11を参照して説明する。図10は、読取制御装置2内に格納されている各データバッファの構造の一例を示す図である。図11は、各データバッファの状態遷移の一例を示す図である。
図10に示すように、読取制御装置2内のデータバッファ41には、RFIDリーダ3A用一次バッファFA1(以下「FA1」ともいう)、RFIDリーダ3A用二次バッファFA2(以下「FA2」ともいう)、RFIDリーダ3B用一次バッファFB1(以下「FB1」ともいう)、RFIDリーダ3A、3B統合バッファFM(以下「FM」ともいう)を含む少なくとも4つのデータが格納されている。
FA1には、アンテナ5A−1〜5A−4によるRFIDリーダ3Aの読み取り結果である各読取データが格納される。FA2には、FA1に格納されたRFIDリーダ3Aの各読取データを1つの読取データとしてまとめて格納される。FB1には、アンテナ5B−1〜5B−4によるRFIDリーダ3Bの読み取り結果である各読取データが格納される。FMには、FA2に格納されたRFIDリーダ3Aの各読取データと、FB1に格納されたRFIDリーダ3Bの各読取データとが統合(マージ)された読取データが、1つの梱包箱13に対する読取データとして格納される。
図11に示すように、読取制御装置2は、梱包箱13−1に対するセンサ7A−1の検出をトリガとしてRFIDリーダ3Aを介してアンテナ5A−1による読み取りを開始し、読取データをFA1に格納する(ST1)。同様に、読取制御装置2は、梱包箱13−1に対するセンサ7A−2〜7A−4の検出をトリガとしてRFIDリーダ3Aを介してアンテナ5A−2〜5A−4による読み取りを開始し、読取データをFA1に格納する。
そして、読取制御装置2は、梱包箱13−1に対するセンサ7A−5の検出をトリガとして、FA1に格納されているRFIDリーダ3Aの各読取データを1つの読取データとしてまとめてFA2に格納する(ST2)。
同様に、読取制御装置2は、梱包箱13−1に対するセンサ7B−1〜7B−4の検出をトリガとしてRFIDリーダ3Bを介してアンテナ5B−1〜5B−4による読み取りを開始し、読取データをFB1に格納する(ST3)。
そして、読取制御装置2は、梱包箱13−1に対するセンサ7B−5の検出をトリガとして、FA2に格納されている梱包箱13−1に対するRFIDリーダ3Aの各読取データと、FB1に格納されている梱包箱13−1に対するRFIDリーダ3Bの各読取データとをマージ(統合)して、1つの梱包箱13−1に対する読取データとしてFMに格納する(ST4)。
同様に、梱包箱13−1の後に搬送される各梱包箱13−2、13−3等についても、センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5をトリガとして同様の処理が実行され、各梱包箱13に対する読取データがFMに格納される。
読取制御装置2は、商品データサーバ5に格納されている予定データを取得し、取得した予定データに含まれる商品の情報と、FMに格納された読取データに含まれる商品の情報とを照合して、数量や商品の種別等が一致するか否かを判定する。これにより、予定している商品と、各梱包箱13に含まれる商品が一致しているか容易に把握することができる。
次に、図12〜図14のフローチャートを参照して、第1の実施形態の読取制御装置2で実行される読取制御処理について説明する。図12〜図14の各フローチャートで行われる処理は独立して実行される。
図12は、本発明の第1の実施形態の読取制御処理のうち、アンテナグループAが接続されたRFIDリーダ3Aを制御するリーダ3A読取制御処理の動作の一例を示すフローチャートである。
読取制御装置2の制御部21は、初期設定としてカウンタAXに0を入力してカウンタAXの値をクリアする(ステップS11)。制御部21は、カウンタAXの値に1加算する(ステップS12)。
制御部21は、図5(A)のカウンタテーブルを参照して、カウンタAXに対応するセンサAXが梱包箱13を検出したか否かを判定する(ステップS13)。例えば、カウンタAXが1の場合には、制御部21は、カウンタ1に対応するセンサA1が梱包箱13を検出したか否かを判定する。梱包箱13を検出していない場合(ステップS13のNO)には、検出するまで待機する。
梱包箱13を検出した場合(ステップS13のYES)には、制御部21は、カウンタAXに対応するセンサAXから発信された通知を受信する(ステップS14)。なお、以下で、前述のように各センサ7A−1〜7A−5、7B−1〜7B−5を「センサA1〜センサA5、センサB1〜センサB5」と呼び、各アンテナ5A−1〜5A−4、5B−1〜5B−4を「アンテナA1〜A4、アンテナB1〜B4」と呼ぶ。例えば、センサA1が梱包箱13を検出した場合には、センサA1から読取制御装置2に検出信号が通知される。そして、カウンタAXが1の場合には、制御部21は、カウンタ1に対応するセンサA1から発信された通知を受信すると、ステップS13をYESと判断する。
制御部21は、図5(A)のテーブルを参照して、RFIDリーダ3Aに対して、カウンタAXに対応するアンテナAXによりRFIDタグの読み取りを指定するための読取コマンド(インベントリ)を発行するよう指示する(ステップS15)。例えば、カウンタAXが1の場合には、制御部21は、RFIDリーダ3Aに対して、カウンタ1に対応するアンテナA1によりRFIDタグの読取を指示するための読取コマンドを発行するよう指示する。
RFIDリーダ3Aの制御部51Aは、読取制御装置2で指示されたアンテナAXより梱包箱13内のRFIDタグに対し読取コマンド(インベントリ)を発行してRFIDタグの読取を実行する(ステップS16)。読み取り実行時に、収納情報タグ16がある場合には、制御部51Aは、収納情報タグ16の読取もあわせて実行する。
読取制御装置2の制御部21は、アンテナAXによるリーダAの読取データ(EPCコードの情報)をリーダA用一次バッファFA1(図10参照)に格納する(ステップS17)。読み取り実行時に、収納情報タグ16がある場合には、読取制御装置2の制御部21は、収納情報タグ16の読取データも合わせてリーダA用一次バッファFA1に格納する。
制御部21は、アンテナAXによる読取が完了したか否かを判定する(ステップS18)。この処理では、アンテナAXが発行する読取コマンドにRFIDタグからの応答が無くなるか、または、各アンテナAXに予め割り当てられた読取時間が経過するか(タイムアウト)、または、センサAXの次のセンサ(AX+1)が梱包箱13を検出することによりアンテナAXによる読取が完了したか否かが判定される。
アンテナAXによる読取が完了していない場合(ステップS18のNO)には、処理はステップS16に戻り、ステップS16〜ステップS18の処理が繰り返し実行される。
これに対し、アンテナAXによる読取が完了した場合(ステップS18のYES)には、制御部21は、カウンタAXは4であるか否かを判定する(ステップS19)。この処理では、制御部21は、RFIDリーダ3Aが接続された全てのアンテナA1〜アンテナA4に対して、ステップS12〜S19の処理が行われたか否かを判定する。カウンタAXは4ではない場合(ステップS19のNO)、すなわち、RFIDリーダ3Aが接続された全てのアンテナA1〜アンテナA4に対して、ステップS12〜S18の処理が行われていない場合には、処理はステップS12に戻り、ステップS12〜S19の処理が繰り返し実行される。
カウンタAXは4である場合(ステップS19)、すなわち、RFIDリーダ3Aが接続された全てのアンテナA1〜アンテナA4に対して、ステップS12〜S19の処理が行われた場合には、制御部21は、センサA5により梱包箱13が検出されたか否かを判定する(ステップS20)。この処理では、搬送ライン11上の梱包箱13の搬送位置がリーダAの読取範囲外であるか否か判定される。
センサA5により梱包箱13が検出されていない場合(ステップS20のNO)には、センサA5により梱包箱13が検出されるまで処理は待機する。これに対し、センサA5により梱包箱13が検出された場合(ステップS20のYES)には、制御部21は、リーダAによる梱包箱13の片面部分の読取が完了したと認識する。そして、制御部21は、リーダAからの電波の出力を停止し、リーダAによるRFIDタグの読取を一旦停止する(ステップS21)。
制御部21は、リーダA用二次バッファFA2(図10参照)の格納領域に空き領域があるか否かを判定する(ステップS22)。リーダA用二次バッファFA2の格納領域に空き領域がない場合(ステップS22のNO)には、空き領域ができるまで処理を待機する。これに対し、リーダA用二次バッファFA2の格納領域に空き領域がある場合(ステップS22のYES)には、制御部21は、リーダA用一次バッファFA1に格納されたリーダAの読取データをリーダA用二次バッファFA2に移動する(ステップS23)。ステップS23の処理が終了すると、リーダAによる一箱分の梱包箱13に対する読取処理が完了する。そして、処理はステップS11に戻り、搬送ライン11上を搬送される各梱包箱13に対し、ステップS11〜ステップS23の処理が繰り返し実行される。
図13は、本発明の第1の実施形態の読取制御処理のうち、アンテナグループBが接続されたRFIDリーダ3Bを制御するリーダ3B読取制御処理の動作の一例を示すフローチャートである。
図13のリーダB側の読取処理のうち、ステップS31〜ステップS40の処理は、図12のRFIDリーダ3Aを制御するリーダ3A読取制御処理のうち、ステップS11〜ステップS20の処理と略同一であるため説明を省略する。はじめに、制御部21は、後述の有効フラグを初期化(オフ)にする。
ステップS41において、制御部21は、リーダAにより読み取りが行われた面とは逆の片面部分に対し、リーダBによる梱包箱13の読取が完了したと認識する。そして、制御部21は、リーダBからの電波の出力を停止し、リーダBによるRFIDタグの読取を一旦停止する。
制御部21は、リーダA、B統合バッファFM(図10参照)の格納領域に空き領域があるか否かを判定する。制御部21は、リーダA、B統合バッファFM内に格納されたデータ有効フラグの有無によりリーダA、B統合バッファFMの格納領域に空き領域があるか否かを確認することができる。データ有効フラグは、アンテナAXによるリーダAの読取データと、アンテナBXによるリーダBの読取データの両方のデータが全てリーダA、B統合バッファFMに揃ったことを上位処理に通知するための情報である。上位処理とは、例えば、読取データを集計する図示せぬサーバ等である。制御部21は、アンテナAXによるリーダAの読取データと、アンテナBXによるリーダBの読取データの両方のデータを所定のタイミングで上位処理に通知した後、データ有効フラグを初期化(オフ)にする。所定のタイミングとは、例えば、リーダAの読取データと、リーダBの読取データの両方のデータが所定の数溜まった場合や、所定の時間毎等、任意のタイミングで通知することができる。
リーダA、B統合バッファFMの格納領域に空き領域がない場合(ステップS42のNO)には、空き領域ができるまで処理を待機する。これに対し、リーダA、B統合バッファFMの格納領域に空き領域がある場合(ステップS42のYES)には、制御部21は、リーダA用二次バッファFA2に格納されたリーダAの読取データをリーダA、B統合バッファFMに移動する(ステップS43)。
また、制御部21は、リーダB用一次バッファFB1に格納されたリーダBの読取データをリーダA、B統合バッファFMに移動する(ステップS44)。制御部21は、リーダA、B統合バッファFM内のデータ有効フラグをオンにする(ステップS45)。
ステップS45の処理が終了すると、リーダBによる一箱分の梱包箱13に対する読取処理が完了する。そして、処理はステップS31に戻り、搬送ライン11上を搬送される各梱包箱13に対し、ステップS31〜ステップS45の処理が繰り返し実行される。
図14は、本発明の第1の実施形態の読取制御処理のうち、読取データ統合処理(マージ処理)の動作の一例を示すフローチャートである。
制御部21は、リーダA、B統合バッファFM内のデータ有効フラグはオンであるか否かを判定する(ステップS51)。データ有効フラグがオンの場合は、リーダA、B統合バッファFM内に一箱分の読取データが存在し、統合処理が実行可能な状態を示す。一方、データ有効フラグがオフの場合は、未だ統合処理を実行することができない状態を示す。データ有効フラグがオフである場合(ステップS51のNO)には、データ有効フラグがオンになるまで処理を待機する。これに対し、データ有効フラグがオンである場合(ステップS51のYES)には、制御部21は、収納情報タグ16の検索を行う(ステップS52)。この処理では、制御部21は、一箱分の読取データの中から該梱包箱内の収納情報を示す収納情報タグ16(EPCコード)を検索する。
制御部21は、ステップS52において検索した収納情報タグ16(EPCコード)に基づいて、商品データサーバ5に問い合わせて、該当する予定データ(一箱分)を取得する(ステップ53)。
制御部21は、リーダA、B統合バッファFM内の読取データの正当性を確認する(ステップS54)。この処理では、制御部21は、ステップS53において取得した予定データと、リーダA、B統合バッファFM内に格納されている実際に読み取った統合データとの内容の比較(照合)を行う。実際に読み取ったデータが予定データと一致する場合には、制御部21は、読取データは正常(妥当)であると判定する。この場合、処理は次の梱包箱13に対してデータ読取処理が行われる。
これに対し、実際に読み取ったデータが予定データと不一致の場合には、制御部21は、読み取り漏れ等の可能性があるとして異常であると判定する。この場合、処理はリカバリー処理(後述のステップS56のNOに続く処理)へ進む。制御部21は、リーダB側の読取処理でリーダA、B統合バッファFMを使用できるように該バッファを解放し、データ有効フラグをオフにする(ステップS55)。
制御部21は、ステップS54で読み取りデータの正当性を確認した結果、予定データと、リーダA、B統合バッファFM内に格納されている実際に読み取った統合データとが一致したか否かを判定する(ステップS56)。予定データと統合データとが一致していない場合(ステップS56のNO)には、制御部21は、搬送ライン11から梱包箱13を外してマニュアルによる処理や再読取処理を実行するリカバリー処理(ステップS57)を行う。これに対し、予定データと統合データとが一致している場合(ステップS56のYES)には、処理はステップS51に戻り、次の梱包箱13に対する処理が行われる。
上述した読取制御システム1によれば、n台のRFIDリーダにそれぞれ接続されたアンテナグループにより1つの梱包箱の読み取りができるので、現状の搬送速度のままで、読取機会がn倍になることから読取精度の向上を図ることができる。また、n台のRFIDリーダに接続されたそれぞれのアンテナグループにより、搬送ライン上に搬送されるそれぞれ異なる梱包箱の読み取りを同時にできるので、搬送ライン上の処理能力(パフォーマンス)を落とすことなく梱包箱の読み取りを行うことができる。
また、RFIDリーダ3A、3Bに接続されたアンテナグループA,Bのアンテナ毎の対を同一の間隔に配置して、かつ同期を取って同時に読み取りを行うことにより、アンテナ間の離間距離を一定に保つことができ、電波干渉の影響や過読の可能性を最小限に抑えることができる。また、アンテナグループA、B間の所定の間隔は、RFIDタグのインベントリ状態維持時間に対応する距離とすることで、読取効率を向上させることができる。
上述のように、アンテナグループA、B間の電波干渉の障害を抑えるようにしたので、RFIDリーダをn台接続したことにより読取性能(読取精度および処理性能)の向上を図ることが容易となる。
なお、上述した実施の形態では、読取制御装置の主な処理をCPUによるソフトウェア処理によって実行するものとして説明したが、この処理の全部又は一部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態は、上述したものに限定されるものではなく、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。