以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
図1は、実施形態にかかる拡張装置10の外観を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。また、図2は、拡張装置10と情報処理装置12とを接続した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。情報処理装置12は、例えば、広く普及している携帯型パーソナルコンピュータ(いわゆるノートPC)である。情報処理装置12は、本体部14と表示装置16とが、ヒンジ18を介して開閉可能に接続されている。ヒンジ18は、情報処理装置12を利用者が使用するために、本体部14に正対した場合に、本体部14の奥側の縁部の幅方向(矢印X方向、または長手方向)に延びる本体長辺縁部20の一部に設けられている。図2の場合、ヒンジ18は、本体長辺縁部20を含む本体部14の側壁で幅方向(矢印X方向)の左右端部近傍に例えば2箇所配置され、表示装置16の下端額縁部16aの一部である表示長辺縁部22の一部を回動可能に支持している。情報処理装置12の使用時には、表示装置16を開動作することにより、本体部14の上面に配置された入力装置14a(例えば、キーボードやパッド、スイッチ等)と表示装置16の表示部16bとを離反させ、互いに露出させて使用可能状態にする。また、情報処理装置12の非使用時や携帯時等には、表示装置16を閉動作することにより、入力装置14aを表示部16bで覆い、互いに保護するとともに、情報処理装置12をコンパクト化し、携帯し易い状態にする。
拡張装置10は、情報処理装置12の本体部14の底面24(図2参照)の少なくとも一部を載置可能な載置面26(図1参照)を有するケース28を備える。ケース28は、載置面26を構成する上部ケース28aと当該上部ケース28aと組み合わされる下部ケース28bとで構成され、内部には拡張ポートなどの各種コネクタが実装された基板が収容されている。図1、図2に示されるように、利用者が情報処理装置12を接続するために利用者が拡張装置10に正対した場合に、載置面26は、奥側が高く、手前側が低い傾斜面である。したがって、拡張装置10の底面24の奥側を載置面26に載置した場合、本体部14(情報処理装置12)は、手前側が低くなりキー操作し易い状態になる。
拡張装置10に設けられる各種コネクタは、例えば、拡張装置10の背面側の側面に配置される。各種コネクタは、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)(i.LINK/FireWire)ポート、外部ディスプレイ出力(VGA端子/HDMI(登録商標)/DVI/DisplayPort)、メモリカードスロット、オーディオ端子、有線LANポート等である。
そして、情報処理装置12の本体部14の底面24の一部には、第一の拡張コネクタ30が設けられている。一方、拡張装置10の載置面26には、情報処理装置12(本体部14)を載置した場合に、第一の拡張コネクタ30と対応する位置に当該第一の拡張コネクタ30と接続可能な第二の拡張コネクタ32が設けられている。第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32とが接続されることにより、拡張装置10に設けられた各種コネクタが情報処理装置12で利用可能となる。その結果、普段あまり利用しないコネクタや携帯時に不要なコネクタなどを一時的に増設し、情報処理装置12の機能を拡張することができる。なお、本実施形態の場合、第一の拡張コネクタ30は雌型コネクタで、第二の拡張コネクタ32が雄型コネクタである。
拡張装置10の載置面26には、第二の拡張コネクタ32の他に、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32とが接続された状態、つまり情報処理装置12と拡張装置10とが接続された状態を解除するリフトアップ部材34が設けられている。リフトアップ部材34は、図示を省略したレバーを操作することにより、載置面26から突出し、本体部14の底面24を押し上げることにより、第一の拡張コネクタ30から第二の拡張コネクタ32を抜く動作を実現する。
また、載置面26には、当該載置面26から突出した位置決めピン36が例えば2本設けられ、本体部14の底面24に形成された位置決め穴(不図示)と係合可能である。位置決めピン36と位置決め穴を係合させることにより、情報処理装置12を拡張装置10に載置する際の位置決め、さらには、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32とを接続する際の位置決めを容易に実現している。
また、載置面26には、バネ機構等により載置面26に対して進退可能な金属製の端子ピン38(例えば、2本)が配置され、情報処理装置12が拡張装置10に載置された際に、本体部14の底面24の対応する位置に設けられた、例えばグランド電極と接触し、ノイズ軽減等に寄与する。この他、載置面26には、拡張装置10に情報処理装置12を載置した場合に、本体部14の底面24に設けられた脚部(ゴム足等)を逃げる凹部40等が形成されている。
図3は、拡張装置10と情報処理装置12とを接続した状態で表示装置16を開動作させた場合の表示装置16の表示長辺縁部22の位置および後述する弾性部材との関係を説明するために一部を破断させた例示的かつ模式的な斜視図である。
上述したように、本実施形態の情報処理装置12は、ヒンジ18を、本体長辺縁部20を含む本体部14の側壁で幅方向(矢印X方向)の左右端部近傍に配置している。その結果、表示装置16を閉動作した際に当該表示装置16の背面側(閉動作したときの表示部の逆側の面)にヒンジ18が露出しないようにすることで、閉動作したときの情報処理装置12の表面をフラットなシンプルな面として意匠性等を向上させている。その一方で、ヒンジ18を、本体長辺縁部20を含む本体部14の側壁に配置しているため、図3に示されるように、表示装置16を開動作させたときに、下端額縁部16aの端部(表示長辺縁部22)が本体部14の底面24より下方に突出してしまう(底面24側に下端額縁部16aの端部が潜り込む)。その結果、表示長辺縁部22が拡張装置10と接触した場合、開動作に伴い下端額縁部16aの端部が支点となったまま接触面を滑り、本体部14を拡張装置10から離反させる方向に持ち上げる挙動を示してしまう虞があった。
そこで、本実施形態の拡張装置10は、ヒンジ18で接続された表示装置16を開動作させた場合に、表示長辺縁部22が当接する位置に弾性部材42を配置している。弾性部材42は、所定の硬度(弾性)と静止摩擦係数を備えた、例えば、硬質のゴム材料やウレタンフォーム等で構成可能である。弾性部材42は、表示装置16の開動作に伴い下端額縁部16aが回動しながら押圧した場合に僅かに弾性変形し、図3中矢印幅方向A方向の力を受ける(衝撃を受ける)。また、弾性部材42が弾性変形するとともに、所定の静止摩擦力を備えることにより、下端額縁部16aが接触面(押圧面)上を図3中矢印B方向に滑る挙動を抑制する。その結果、本体部14(底面24)が拡張装置10の載置面26から浮き上がる方向に力が発生することを抑制できる。つまり、表示装置16の開動作によって、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32との接続が解除されることが抑制される。なお、弾性部材42が所定の弾性を持って表示長辺縁部22(表示装置16)を受け止めることにより、拡張装置10に接続されたときの表示装置16の開動作の角度が必要以上に大きくならないようにするストッパとしても機能する。つまり、表示装置16の背面16cが拡張装置10(上部ケース28a)に接触することを回避することができる。
図4には、弾性部材42の形状を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、図5は、拡張装置10に設けられる弾性部材42の位置と第二の拡張コネクタ32、およびその周辺の構成を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
弾性部材42は、図3、図4に示されるように、表示装置16の表示長辺縁部22を受け止める接触部となるクッション本体部44と、当該クッション本体部44を支持する基部46とで構成されている。図4に示す弾性部材42の場合、クッション本体部44は、図中Y−Z平面に沿う断面形状が、例えば略五角形である。弾性部材42は、表示装置16が開動作して表示長辺縁部22が接触したときの当該表示長辺縁部22の軌道方向と直交する方向に広がる接触部としての接触面44a(基部46に対して斜面)を有し、表示長辺縁部22と接触する場合、点接触するのではなく、面接触するようにしている。その結果、弾性部材42の成形精度のばらつきや拡張装置10に対する弾性部材42の組付け精度のばらつき、情報処理装置12の表示装置16の寸法精度や組立精度のばらつき等により、弾性部材42(クッション本体部44)と表示長辺縁部22との接触位置にずれが生じた場合でも、接触面44aとの接触を確実かつ安定して行い、上述した接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果を安定して実現する。
基部46は、クッション本体部44のX−Y平面と平行な底面より大きなX−Y平面に広がる板状の部品である。クッション本体部44と基部46は、一体的に形成してもよいし、クッション本体部44と基部46とを別々に形成し接合してもよい。なお、クッション本体部44が上述したような弾性による接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果を有すれば、基部46は別材料で構成してもよく、例えば、プラスチックや金属で構成してもよい。
弾性部材42のクッション本体部44は、図5に示されるように、載置面26の上部ケース28aに形成された凹条溝10aにおいて、図中矢印X方向の、例えば、両端部近傍に形成された開口部28cから突出する姿勢で配置されている(図4では開口部28cは一方のみを図示)。情報処理装置12を構成する本体部14や表示装置16の外形を形成するハウジングや当該ハウジングを支持するフレーム等は、樹脂や金属により形成されているため、成形時の寸法誤差や組み立て誤差、部材の反り等は排除しきれない。一方、本体部14と表示装置16を接続するヒンジ18の周辺では開閉動作のスムーズ性を保証するため、寸法精度が高められている。したがって、ヒンジ18の配置される位置の近傍に弾性部材42を配置することにより、表示装置16(表示長辺縁部22)との接触、および上述した接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果をより安定して実現することができる。
図6は、拡張装置10に設けられた弾性部材42の支持状態を示すために一部(ケース28の側面)を破断させた例示的かつ模式的な斜視図である。
図6に示されるように、弾性部材42の基部46の下面46a(図4参照)は、拡張装置10の下部ケース28bに立設された複数のリブ部材48によって支持されている。図6に示す例では、リブ部材48は、図中矢印X方向に延びる板状の部品で、図中Y方向に一定の間隔で、3列で配置されている。図中矢印X方向に延び、Y方向に間隔を空けて配列される複数のリブ部材48で基部46を支持することにより、クッション本体部44に表示長辺縁部22(表示装置16)が接触し、図3の図中矢印B方向に押圧された場合、クッション本体部44の弾性変形と共に基部46が適度に下方凸に撓み、押圧力を受け流すことができる。つまり、上述した接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果の向上に寄与することができる。なお、各リブ部材48の図中矢印Y方向の厚みや配列間隔、配列数等は、弾性部材42の大きさや堅さ等により適宜変更可能である。例えば、リブ部材48は、2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
弾性部材42は、上述のように基部46の下面46aをリブ部材48で支持されるとともに、ケース28(上部ケース28a)により、クッション本体部44の上面の一部(上面端部44b:図4参照)、および基部46の上面46bが覆われるように上方側から押さえ込まれている。具体的には、表示装置16の開動作に伴い表示長辺縁部22が、ヒンジ18を回転軸として回転移動する場合に、当該表示長辺縁部22の移動方向に弾性部材42が移動する(開口部28cから抜ける)ことを妨げる抜け止部28aaが上部ケース28aに形成されている。抜け止部28aaは、凹条溝10aの溝側面の一部として突出形成された肩部である。抜け止部28aaは、図4において、表示長辺縁部22が接触する接触面44aに対して図中矢印逆Y方向の上面端部44bと係合する。すなわち、抜け止部28aaは上面端部44bを上方から押さえ込む。抜け止部28aaにより、表示長辺縁部22が弾性部材42を押圧した場合でも、弾性部材42(上面端部44b)が上部ケース28aから抜けない(脱落しない)ようにすることができる。また、基部46の上面46bは、ケース28の凹条溝10aの溝側面を形成する溝形成リブ28abおよび、凹条溝10aの溝底面を形成する底壁部28acによって、上方より押さえ込まれている。つまり、基部46は、溝形成リブ28ab、底壁部28acおよびリブ部材48によって図中矢印Z方向に挟持されている。したがって、表示長辺縁部22が弾性部材42を押圧した場合でも、弾性部材42が上部ケース28aから、さらに抜け難い構造を実現している。
図7は、実施形態にかかる拡張装置10に設けられる他の弾性部材50の形状を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、図8は、図7に示す弾性部材50を拡張装置10に装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図7に示す弾性部材50は、図4に示す弾性部材42と同様に、表示装置16の表示長辺縁部22を受け止める接触部となるクッション本体部52と、当該クッション本体部52を支持する基部46とで構成されている。弾性部材50のクッション本体部52や基部46は、弾性部材42のクッション本体部44や基部46と同じ材料で構成することができる。
弾性部材50の場合も表示装置16が開動作して表示長辺縁部22が接触したときの当該表示長辺縁部22の軌道方向と直交する方向に広がる接触面52a(基部46に対して斜面)を有し、表示長辺縁部22と接触する場合、点接触するのではなく、面接触するようにしている。その結果、弾性部材50の成形精度のばらつきや拡張装置10に対する弾性部材50の組付け精度のばらつき、情報処理装置12の表示装置16の寸法精度や組立精度のばらつき等により、弾性部材50(クッション本体部52)と表示長辺縁部22との接触位置にずれが生じた場合でも、接触面52aと確実かつ安定して接触して、上述した接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果を安定して実現する。
弾性部材50は、弾性部材42に比べて、接触面52aが斜面に沿って上方に延びる延在部52bを備え、表示長辺縁部22が、図4に示す弾性部材42の接触面44aに接触する場合よりさらに広い面で接触(支持)できるようにしている。
弾性部材50は、弾性部材42と同様な配置位置で、上部ケース28aの凹条溝10aに形成された開口部28cからクッション本体部52を突出させる姿勢で固定される。つまり、弾性部材50は、弾性部材42と同様に、基部46の下面46aが下部ケース28bに形成された複数のリブ部材48によって支持され、上面46bが溝形成リブ28abおよび底壁部28acによって押さえ込まれ固定される。なお、弾性部材50の場合、延在部52bの底面52bbが載置面26に当接している。表示装置16の開動作に伴い表示長辺縁部22が、ヒンジ18を回転軸として回転移動する場合に、当該表示長辺縁部22の移動方向に弾性部材50が移動するような力が作用する。このとき、延在部52bの底面52bbを中心に弾性部材50が回転するような挙動を示すが、載置面26によってその挙動が妨げられる。つまり、弾性部材50が開口部28cから抜けることを抑制することができる。なお、載置面26に係合穴を形成し、当該係合穴に挿入可能なダボ等の突起を底面52bbに設けることにより、抜け止め効果を向上することができる。したがって、延在部52bは、抜け止部材として機能する。また、延在部52bの底面52bbが接触する載置面26の対応領域は、ケース28(上部ケース28a)に設けられた抜け止部として機能することができる。
また、延在部52bは、図3において、弾性部材42を拡張装置10に装着した場合に拡張装置10の上方に生じている隙間に入り込む。つまり、弾性部材50は、表示長辺縁部22を弾性部材42で受ける場合に比べ、より広い面積の接触面52aで支持することができる。その結果、弾性部材50は、表示長辺縁部22をより安定して受け止めることが可能となり、表示装置16が必要以上に開動作しないように制限するストッパとして機能することができる。その結果、仮に表示装置16の開動作のときに過大な力が加わった場合でも表示装置16の背面16cが拡張装置10(上部ケース28a)に接触(衝突)してしまう不都合を回避し易くなる。
図9は、実施形態にかかる拡張装置10に設けられるさらに他の弾性部材54の形状を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、図10は、図9に示す弾性部材54を拡張装置10に装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図9に示す弾性部材54は、他の弾性部材42,50と同様に、表示装置16の表示長辺縁部22を受け止める接触部となるクッション本体部56と、当該クッション本体部56を支持する基部46とで構成されている。弾性部材54のクッション本体部56や基部46は、例えば弾性部材42のクッション本体部44や基部46と同じ材料で構成することができる。
弾性部材54の場合も表示装置16が開動作して表示長辺縁部22が接触したときの当該表示長辺縁部22の軌道方向と直交する方向に広がる接触面56a(基部46に対して斜面)を有し、表示長辺縁部22と接触する場合、点接触するのではなく、面接触するようにしている。その結果、弾性部材54の成形精度のばらつきや拡張装置10に対する弾性部材54の組付け精度のばらつき、情報処理装置12の表示装置16の寸法精度や組立精度のばらつき等により、弾性部材54(クッション本体部56)と表示長辺縁部22との接触位置にずれが生じた場合でも、接触面56aと確実かつ安定して接触して、上述した接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果を安定して実現する。
弾性部材54の場合、接触面56aに対向するストッパ面58aを備えるストッパ部58が接触面56aに連設されている。ストッパ部58の底面58bは、拡張装置10の凹条溝10aを構成する底壁部28acの上面に配置される。ストッパ面58aは情報処理装置12が拡張装置10に載置され、表示装置16が開動作した場合に表示装置16の背面16cと当接し、背面16cを支えることにより、表示装置16の開動作範囲を制限する。その結果、仮に表示装置16の開動作のときに過大な力が加わった場合でも表示装置16の背面16cが拡張装置10(上部ケース28a)に接触(衝突)してしまう不都合を確実に防止することができる。また、表示装置16の開動作に伴う力は上部ケース28a(底壁部28ac)で受けることになるため、表示装置16の開動作範囲の制限を確実に行うことができる。
弾性部材54は、弾性部材42と同様な配置位置で、上部ケース28aの凹条溝10aに形成された開口部28cからクッション本体部56を突出させる姿勢で固定される。つまり、弾性部材54は、弾性部材42と同様に、基部46の下面46aが下部ケース28bに形成された複数のリブ部材48によって支持され、基部46の上面46bが溝形成リブ28abおよび底壁部28acによって押さえ込まれ固定される。また、クッション本体部56において表示長辺縁部22が接触する接触面56aに対して図中矢印逆Y方向の上面端部56bは、弾性部材42と同様に、凹条溝10aの溝側面の一部として突出形成された抜け止部28aaにより係止されている。つまり、表示装置16の開動作に伴い表示長辺縁部22が、ヒンジ18を回転軸として回転移動する場合に、当該表示長辺縁部22の移動方向に弾性部材54が移動する(開口部28cから抜ける)ことを妨げることができる。そして、基部46は、溝形成リブ28ab、底壁部28acおよびリブ部材48によって挟持されている。したがって、表示長辺縁部22が弾性部材54を押圧した場合でも、弾性部材54が上部ケース28aから、さらに抜け難い構造を実現している。
このように、本実施形態の拡張装置10によれば、本体部14の縁部のうち幅方向に延びる本体長辺縁部20の一部にヒンジ18を介して開閉可能に接続された表示装置16を備える情報処理装置12の本体部14の底面24の少なくとも一部を載置可能な載置面26を有するケース28と、載置面26に設けられて、本体部14の底面24に設けられた第一の拡張コネクタ30と接続可能な第二の拡張コネクタ32と、ケース28に設けられ、表示装置16を開動作させた場合に、ヒンジ18で接続された表示装置16の表示長辺縁部22が底面24より突出した際に、表示長辺縁部22の少なくとも一部と接触する、弾性部材42(50,54)と、を備える。この構成によれば、ヒンジ18で接続された表示装置16を開動作させた場合に、表示長辺縁部22が本体部14の底面24より突出した際に、当該表示長辺縁部22の少なくとも一部が弾性部材42(50,54)と接触して表示長辺縁部22を受けるとともに、弾性部材42(50,54)の摩擦力で、表示装置16の回転動作が拡張コネクタ(第一の拡張コネクタ30、第二の拡張コネクタ32)の接続を解除する方向に働く力に変換されることを抑制する。つまり、表示長辺縁部22が弾性部材42(50,54)上を滑って移動することを抑制する。その結果、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32とが接続された状態で表示装置16の開動作を行っても、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32との接続が抜けにくい構造を実現する拡張装置10を得ることができる。また、この場合、第一の拡張コネクタ30と第二の拡張コネクタ32との接続を維持するために、拡張装置10および情報処理装置12(本体部14)にロック機構等を設ける必要がなくなり、コスト低減に寄与できる。また、拡張装置10や本体部14の内部にロック機構のためのスペースを確保する必要がなくなり、拡張装置10および本体部14の内部スペースを他の構成のために有効活用することができるとともに、設計自由度向上に寄与することができる。
また、本実施形態の拡張装置10のケース28は、例えば、表示装置16の開動作に伴い表示長辺縁部22が移動する場合に、当該表示長辺縁部22の移動方向に弾性部材42(54)が移動することを妨げる抜け止部28aaを備える。この構成によれば、表示装置16の開動作に伴い表示長辺縁部22が弾性部材42(54)を押圧した場合でも、弾性部材42(54)が上部ケース28aから抜けない(脱落しない)ようにすることができる。
また、本実施形態の拡張装置10の弾性部材42(50,54)は、例えば、表示長辺縁部22と接触する接触部(接触面44a,52a,56a)と、当該接触部を支持する基部46とを有し、ケース28(下部ケース28b)は、例えば、基部46を支持する複数のリブ部材48を備える。この構成によれば、複数のリブ部材48で基部46を支持することにより、弾性部材42(50,54)に表示長辺縁部22が接触し、図3の図中矢印B方向に押圧された場合、クッション本体部44(52,56)の弾性変形と共に基部46が適度に下方凸に撓み、押圧力を受け流すことができる。つまり、表示長辺縁部22の接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果の向上に寄与することができる。
また、本実施形態の拡張装置10の接触部は、例えば、表示装置16が開動作して表示長辺縁部22が接触したときの当該表示長辺縁部22の軌道方向と直交する方向に広がる接触面44a(52a,56a)を備える。この構成によれば、表示長辺縁部22と接触する場合、点接触するのではなく、面接触するようにすることができる。その結果、弾性部材42(50,54)の成形精度のばらつきや拡張装置10に対する弾性部材42(50,54)の組付け精度のばらつき、情報処理装置12の表示装置16の寸法精度や組立精度のばらつき等により、クッション本体部44(52,56)と表示長辺縁部22との接触位置にずれが生じた場合でも、接触面44a(52a,56a)と確実かつ安定して接触して、表示長辺縁部22の接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果を安定して実現する。
また、本実施形態の拡張装置10の接触部は、表示装置16が開動作したときに、例えば、表示装置16の開動作範囲を制限するストッパ部58を備える。この構成によれば、仮に表示装置16の開動作のときに過大な力が加わった場合でも表示装置16の背面16cが拡張装置10(上部ケース28a)に接触(衝突)してしまう不都合を確実に防止することができる。
なお、上述した実施形態において、弾性部材42,50,54は、拡張装置10の凹条溝10aで、図1中矢印X方向の両端部近傍(拡張装置10に情報処理装置12を載置した場合にヒンジ18が存在する位置の近傍)に配置される小形部品として示した。別の実施形態において、弾性部材は、図1中矢印X方向に延在する長尺の部品で、図1の両端のヒンジ18の配置位置を跨ぐような形態でもよい。この構成によれば、表示長辺縁部22の接触時の衝撃受け止め効果や滑り抑制効果の向上に寄与できる。
また、上述した実施形態において、弾性部材42,50,54は、クッション本体部44(52,56)が凹条溝10aに形成された開口部28cから突出し基部46は、ケース28の内部で固定される構成を示した。別の実施形態では、弾性部材42,50,54を凹条溝10aの底壁部28acの上面に、例えば両面テープや接触剤等の固定部材を用いて固定するようにしてもよい。この場合もケース28の内部で固定した場合と同様の効果を得ることができる。この場合、拡張装置10に対する弾性部材42,50,54の組付け作業の簡略化やケース28の設計の簡略化等に寄与できる。
また、上述した実施形態において、拡張装置10は、情報処理装置12の本体部14の底面24の少なくとも一部を載置可能な載置面26を有する例を示した。別の実施形態において、拡張装置10は、本体部14の底面24の全面を載置(支持)する載置面を備えてもよく、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。