<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
(構成)
本実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1のように構成されている。
筐体3の前面は、前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄(例えば、「7」「BAR」「BL」「WM(スイカ)」「CH(チェリー)」「RP(リプレイ)」「BE(ベル)」)が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
また、各図柄には、0番から19番までのコマ番号が順に付されている。この場合、例えば、コマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープが各リール13L,13M,13Rの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、入賞判定に使用される表示窓11内の入賞ラインとして、例えば、左リール13Lの中段、中リール13Mの中段、右リール13Rの中段により構成されるいわゆる中段ラインが設定される。
また、各リール13L,13M,13Rを独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rそれぞれには、ステッピングモータで構成されるリールモータ14L,14M,14R(図2参照)が連結されている。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)によりスロットマシン1の表示手段が構成されている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(停止操作手段)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルのメダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、クレジット表示器45の下方には、入賞時のメダルの払い出し枚数を表示するためのペイアウト表示器46が配設される。この表示器46は、クレジット表示器45と同様、2個の7セグメントLEDで構成されている。なお、ペイアウト表示器46は、エラー情報の表示に兼用される。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果など、メイン制御基板63の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば2個の7セグメントLEDと、LEDにより構成された報知ランプとを備えている。したがって、両7セグメントそれぞれが有する各セグメントの点灯態様を変化させることによって、例えば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序や操作タイミング等の操作手順を報知できるように構成されている。また、例えば、報知ランプを点灯することにより、スロットマシン1の状態がAT許容状態(特殊遊技許容状態)であることを報知することができ、例えば、報知ランプを消灯することにより、スロットマシン1の状態がAT非許容状態(特殊遊技非許容状態)であることを報知することができる。
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図2参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図2参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図2参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図2参照)が設けられるとともに、設定変更処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図2参照)、設定変更時の設定値の切り換えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図2参照)が設けられている。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除行うためのスイッチとしても用いられる。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
ホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出す。
また、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
また、図2に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであって、図3に示すフラグ格納領域651、決定結果記憶領域652、許容期間遊技数カウンタ653、AT期間遊技数カウンタ654、総遊技数カウンタ655、総許容期間遊技数カウンタ656、許容状態滞在比率記憶領域657を構成する記憶領域がRAM65により形成される。また、図2に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図3に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672、AT初期ゲーム数振分テーブル673、AT上乗せ抽選テーブル674などを含むスロットマシン1用のプログラム(遊技機用プログラム)を格納する。
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、後述する役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図3を参照して詳細に説明する。図3に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
図3の遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものである。具体的には、図4に示すように、遊技制御手段100は、一般遊技状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)、第2有利RT(RT3)、第3有利RT(RT4)、第4有利RT(RT5)、ボーナス内部当選中(RT6:図示省略))において一般的な遊技である一般遊技を実行し、一般遊技状態よりも遊技者に有利なボーナス役に基づくボーナス遊技状態(BB1:図示省略)においてボーナス遊技を実行する。
また、ボーナス遊技状態(BB1)での遊技であるボーナス遊技とは異なる遊技者に有利な遊技として、後述する役抽選手段103の役抽選結果が、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順によって遊技者に付与する有利度の異なる特定役(押し順ベル:「BEL_1〜BEL_3」(図5〜図10参照))に当選している特定役当選結果となったときに、当該特定役に対応する有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を特定可能に報知するとともに、遊技状態の移行にかかる役であって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順によって遊技者に付与する有利度の異なる移行役(「URP2_1〜URP2_3」、「URP3_1〜URP3_3」、「URP4_1〜URP4_3」、「URP5_1〜URP5_3」:図5〜図10参照)に当選している移行役当選結果となったときに当該移行役に対応する有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を特定可能に報知するAT遊技(特殊遊技)がある。遊技制御手段100は、AT期間中の遊技において役抽選手段103の役抽選結果が特定役当選結果または移行役当選結果である場合は基本的にAT遊技を行う。ただし、移行役(「URP3_1〜URP3_3」、「URP4_1〜URP4_3」、「URP5_1〜URP5_3」:図5〜図10参照)については、AT期間中において、AT許容状態がリミッタ(1500ゲーム)となることが確定した状態となっている場合にAT遊技を行う。ここで、遊技制御手段100によるAT遊技を実行する機能が、本発明の「特殊遊技制御手段」に相当し、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)それぞれが、本発明の「所定遊技状態」並びに「特定状態」に相当し、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)への移行にかかる移行役(RT3〜RT5移行可能リプレイ:「URP3_1〜URP3_3」、「URP4_1〜URP4_3」、「URP5_1〜URP5_3」)が、本発明の「所定遊技状態移行役」に相当する。
そして、遊技制御手段100は、図3に示すように、操作態様判定手段100a、遊技状態設定手段100b、AT許容状態設定手段100c、初期ゲーム数決定手段100d、上乗せ抽選手段100e、AT遊技可能状態決定手段100fを備えている。
(1−1)操作態様判定手段100a
操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作態様を判定するものである。具体的には、各ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどのスロットマシン1が備える各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
(1−2)遊技状態設定手段100b
遊技状態設定手段100bは、役抽選手段103による役抽選処理の結果や、図柄判定手段110による有効ライン(中段ライン)上の図柄組合せの判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
具体的には、上述のように、この実施形態では、遊技状態として、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)、ボーナス内部当選中(RT6)、ボーナス遊技状態(BB1)とを備えている。ここで、初期RT(RT0)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)、ボーナス内部当選中(RT6)により構成される一般遊技状態において一般遊技が実行され、ボーナス遊技状態(BB1)においてボーナス遊技が実行される。また、初期RT(NOM)は、後述する設定変更時やボーナス遊技状態(BB1)の終了後に移行する遊技状態である。
図4に示すように、初期RT(NOM)において、押し順ベル(「BE_1」〜「BE_3」(識別番号15〜17):図5〜図10参照)の取りこぼしが生じると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。ここで、押し順ベルの取りこぼしとは、押し順ベルの当選時に入賞ラインに揃い得る図柄組合せのうち、8枚の配当が得られる図柄組合せ「ベル」が入賞ラインに揃わなかったことを言い、詳しくは後述する。
また、通常RT(RT1)において、RT2移行可能リプレイ(「URP2_1」〜「URP2_3」(識別番号3〜5):図6参照)のいずれかで「RT2移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を第1有利RT(RT2)に設定し、遊技状態が第1有利RT(RT2)に移行する。また、第1有利RT(RT2)において、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」(識別番号6〜8):図7参照)のいずれかで「RT3移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を第2有利RT(RT3)に設定し、遊技状態が第2有利RT(RT3)に移行する。また、第2有利RT(RT3)において、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」(識別番号9〜11):図8参照)のいずれかで「RT4移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を第3有利RT(RT4)に設定し、遊技状態が第3有利RT(RT4)に移行する。また、第3有利RT(RT4)において、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」(識別番号12〜14):図9参照)のいずれかで「RT5移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を第4有利RT(RT5)に設定し、遊技状態が第4有利RT(RT5)に移行する。
また、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかにおいて、押し順ベル(「BE_1」〜「BE_3」(識別番号15〜17):図5〜図10参照)の取りこぼしが生じると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。
なお、図5〜図10に示すように、役抽選で全ての当選役グループに非当選(ハズレ:HZ)となる抽選値は、初期RT(NOM)および通常RT(RT1)それぞれで「50000」、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)それぞれで「1500」に設定されている。ここで、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)では、初期RT(NOM)および通常RT(RT1)でハズレとなる抽選値のうちの一部の特定抽選値が、再遊技役に当選となるように設定されている。すなわち、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)は、初期RT(NOM)や通常RT(RT1)よりも、再遊技役(リプレイ)の当選確率が高くて、ハズレとなる確率が低く設定された遊技状態である。なお、その他の当選役グループである、小役の単独当選となる識別番号(当選役グループ)15〜20、ボーナス役の単独当選となる識別番号21、ボーナス役と小役の重複当選となる識別番号22〜23の抽選値は、いずれも各遊技状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5))で同じ値に設定される。この場合、許容状態移行役(識別番号18〜20)の抽選値は、各遊技状態(NOM、RT1〜RT6)で同じ値に設定されているため、各遊技状態(NOM、RT1〜RT6)で、AT非許容状態からAT許容状態に移行する期待度、およびAT期間中にゲーム数上乗せ抽選が行われる期待度は同じである。
なお、後述する設定制御手段101により設定される設定値に応じて、各識別番号の抽選値を異なるように構成してもよい。この場合、AT許容状態への移行にかかる許容状態移行役(識別番号18〜20)については、各遊技状態や各設定値で共通の抽選値を用いてもよい。このようにすると、AT許容状態への移行の期待度は、各遊技状態や各設定値で同じとなるため、AT期間への移行契機やゲーム数上乗せ抽選の契機に関しては、遊技状態の種類や設定値によらずに公平な遊技を行うことができる。
また、初期RT(RT0)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかの遊技状態において、ボーナス役「RBB1」を含む当選役グループ(識別番号21〜23:図5〜図10参照)に当選したときに、全てのリール13L,13M,13Rが停止したときの図柄組合せがボーナス入賞にかかる図柄組合せでない場合(非入賞)、遊技状態設定手段100bは遊技状態をボーナス内部当選中(RT6)に設定し、遊技状態がボーナス内部当選中(RT6)に移行する。また、ボーナス内部当選中(RT6)においてボーナス役に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態をボーナス遊技状態(BB1)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(BB1)に移行する。また、ボーナス遊技状態(BB1)において、所定のボーナス遊技終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を初期RT(NOM)に設定し、遊技状態が初期RT(NOM)に移行する。この実施形態では、ボーナス遊技終了条件として、払出枚数が規定値(この実施形態では300枚)を超えることが設定されている。なお、ボーナス遊技の終了条件は、AT非許容状態中、AT許容状態中、AT期間中のいずれでも同じで払出枚数が規定値を超えると終了となる。
このように、各遊技状態は、その遊技状態それぞれに設定された移行条件の成立で他の遊技状態に移行するように構成されている。なお、移行条件に関する上述の「押し順ベルの取りこぼし」、「RT2移行リプレイ入賞」、「RT3移行リプレイ入賞」、「RT4移行リプレイ入賞」、「RT5移行リプレイ入賞」等については後述する。
(1−3)AT許容状態設定手段100c
AT許容状態設定手段100cは、AT遊技を許容しないAT非許容状態(特殊遊技非許容状態)、および、AT遊技を許容するAT許容状態(特殊遊技許容状態)のいずれか1つにスロットマシン1の状態を設定するものである。
a)AT許容当選によるAT非許容状態からAT許容状態への移行
役抽選の対象となる当選役グループのうち、「WM」で構成される当選役グループ(識別番号18)、「CH」で構成される当選役グループ(識別番号19)、「SP」で構成される当選役グループ(識別番号20)は、AT許容状態への移行役(許容状態移行役)に設定されている。ここで、AT非許容状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5))において、役抽選手段103の抽選値生成手段103aが生成した抽選値により抽選値判定決定手段103bが許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選したと決定すると(AT許容当選)、AT許容状態設定手段100cはスロットマシン1をAT許容状態に設定する。
このとき、AT許容状態設定手段100cは、報知用表示器60の報知用ランプを点灯することにより、AT許容状態であることを特定可能に報知する。AT許容状態であることを外部に報知することにより、スロットマシン1がAT許容状態でないときにAT遊技が実行された場合に、スロットマシン1が異常状態であって故障や不正の可能性があることを即座に判断することができる。
ところで、図4に示すように、通常RT(RT1)から第1有利RT(RT2)に移行するためには、通常RT(RT1)において、第1有利RT(RT2)に移行可能な当選役グループ(RT2移行可能リプレイ(識別番号3〜5))に当選して、RT2移行リプレイに入賞する必要がある。しかしながら、RT2移行可能リプレイ(識別番号3〜5)はそれぞれ、RT2移行リプレイに入賞するための有利なストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順が設定されている(図14(b)参照)。そのため、通常はAT遊技においてこの有利な押し順が報知されなければ、RT2移行リプレイに入賞することが困難である。
また、第1有利RT(RT2)から第2有利RT(RT3)に移行するためには、第1有利RT(RT2)において、第2有利RT(RT3)に移行可能な当選役グループ(RT3移行可能リプレイ(識別番号6〜8))に当選して、RT3移行リプレイに入賞する必要がある。しかしながら、RT3移行可能リプレイ(識別番号6〜8)はそれぞれ、RT3移行リプレイに入賞するための有利なストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順が設定されている(図14(c)参照)。そのため、通常はAT遊技においてこの有利な押し順が報知されなければ、RT3移行リプレイに入賞することが困難である。
また、第2有利RT(RT3)から第3有利RT(RT4)に移行するためには、第2有利RT(RT3)において、第3有利RT(RT4)に移行可能な当選役グループ(RT4移行可能リプレイ(識別番号9〜11))に当選して、RT4移行リプレイに入賞する必要がある。しかしながら、RT4移行可能リプレイ(識別番号9〜11)はそれぞれ、RT4移行リプレイに入賞するための有利なストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順が設定されている(図14(d)参照)。そのため、通常はAT遊技においてこの有利な押し順が報知されなければ、RT4移行リプレイに入賞することが困難である。
また、第3有利RT(RT4)から第4有利RT(RT5)に移行するためには、第3有利RT(RT4)において、第4有利RT(RT5)に移行可能な当選役グループ(RT5移行可能リプレイ(識別番号12〜14))に当選して、RT5移行リプレイに入賞する必要がある。しかしながら、RT5移行可能リプレイ(識別番号12〜14)はそれぞれ、RT5移行リプレイに入賞するための有利なストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順が設定されている(図14(e)参照)。そのため、通常はAT遊技においてこの有利な押し順が報知されなければ、RT5移行リプレイに入賞することが困難である。
また、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)において、押し順ベル(「BE_1〜BE_3」:識別番号15〜17)の当選時に構成役の「ベル」の取りこぼしが発生すると、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。しかしながら、押し順ベル(「BE_1〜BE_3」:識別番号15〜17)はそれぞれ、「ベル」に入賞するための有利なストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順が設定されている(図14(a)参照)。そのため、通常はAT遊技においてこの有利な押し順が報知されなければ、押し順ベル(「BE_1〜BE_3」:識別番号15〜17)で「ベル」に入賞することが困難である。
したがって、ストップスイッチ21L,21M,21Rの有利な操作手順を報知するAT遊技が行われなければ第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)に留まることが困難であるため、通常は通常RT(RT1)であるときにAT許容当選し、AT許容状態設定手段100cがスロットマシン1をAT許容状態に設定する。
また、初期RT(RT0)または通常RT(RT1)においてAT遊技可能状態となると非AT中からAT準備中となり、通常RT(RT1)のAT準備中においてRT2移行可能リプレイ(識別番号3〜5)のいずれかに当選すると、第1有利RT(RT2)に移行するRT2移行リプレイに入賞させるべく、ストップスイッチ21L,21M,21Rの有利な押し順を報知するAT遊技を実行する。そして、RT2移行可能リプレイ(識別番号3〜5)でRT2移行リプレイに入賞すれば、AT遊技可能状態での第1有利RT(RT2)、いわゆるARTに移行する。
また、AT許容状態設定手段100cは、スロットマシン1をAT許容状態に設定(報知ランプを点灯)した後の遊技において、遊技の種類に関係なく遊技が実行される毎に許容期間遊技数カウンタ653のカウント値に1を加算することにより、AT許容状態の継続期間をカウントする。なお、AT許容状態設定手段100cは、スロットマシン1をAT許容状態に設定する際に、リミッタ条件として予め設定されている遊技数(例えば1500ゲーム)を許容期間遊技数カウンタ653に設定し、AT許容状態において遊技が実行される毎に許容期間遊技数カウンタ653のカウント値から1を減算することにより、AT許容状態の継続期間をカウントしてもよい。
b)AT許容状態からAT非許容状態への移行
また、AT許容状態設定手段100cは、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が0になったときか、または、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が0になった後で転落抽選に当選するかのいずれかの一般終了条件が成立するか、あるいは、許容期間遊技数カウンタ653のカウント値が「1500」(本発明の「所定ゲーム数」に相当)となってリミッタ終了条件(強制終了条件)が成立した場合は、スロットマシン1をAT非許容状態に設定する(AT許容状態の強制終了)。したがって、少なくともAT期間が継続している間はAT許容状態が継続することになる。また、AT許容状態設定手段100cは、スロットマシン1をAT非許容状態に設定する際に報知ランプを消灯する。なお、AT許容状態設定手段100cは、リミッタによりAT許容状態が終了した場合は、許容期間遊技数カウンタ653およびAT期間遊技数カウンタ654それぞれのカウント値を「0」にリセットする。したがって、リミッタ終了条件が成立した場合は、AT期間も強制終了となる。ここで、AT許容状態が終了する条件である、一般終了条件およびリミッタ終了条件それぞれが、本発明の「所定の終了条件」に相当する。
また、AT許容状態の終了条件は、AT許容当選となった当選役グループ、AT許容後の条件(AT許容後の役抽選結果、AT許容状態に移行してからの経過ゲーム数、AT許容状態に移行してからのメダルの獲得枚数)などに応じて適宜変更してもよい。AT許容状態の終了条件を様々に変更できることにより、より一層の遊技性向上を図ることができる。
(1−4)初期ゲーム数決定手段100d
AT非許容状態で許容状態移行役(識別番号18〜20)のいずれかに当選した場合、後述する役抽選手段103の抽選値判定決定手段103bによりスロットマシン1をAT許容状態とすることを決定する(AT許容当選)。初期ゲーム数決定手段100dは、抽選値判定決定手段103bがスロットマシン1をAT許容状態とすることを決定した遊技において、AT遊技を実行する権利の初期的な継続期間(初期ゲーム数)を決定するものである。このとき、初期ゲーム数決定手段100dは、許容状態移行役の種類と、許容状態移行役に当選したときの遊技状態とに基づいて、初期ゲーム数を決定する。
例えば、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)のいずれかのAT非許容状態のときに、許容状態移行役(「CH」:識別番号19)に当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dは、図11に示すAT初期ゲーム数振分テーブル673を用いて初期ゲーム数を決定する。このテーブル673では、1/2の確率でAT遊技を実行する権利の継続期間(AT期間)の初期ゲーム数として30ゲームが付与され、同じく1/2の確率でAT期間の初期ゲーム数として50ゲームが付与されるように構成されている。初期ゲーム数決定手段100dは、AT期間の初期ゲーム数を決定すると、AT期間遊技数カウンタ654にそのゲーム数のカウント値を設定する。初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)のいずれかのAT非許容状態のときに、他の許容状態移行役(「WM」:識別番号18、「SP」:識別番号20)に当選した場合も、AT初期ゲーム数振分テーブル673を用いて初期ゲーム数を決定する。なお、AT初期ゲーム数振分テーブル673は許容状態移行役の種類ごとに個別に設けられており、初期ゲーム数決定手段100dは、当選した許与状態移行役の種類に応じたAT初期ゲーム数振分テーブル673を用いて初期ゲーム数を決定する。
第2有利RT(RT3)のAT非許容状態のときに、許容状態移行役(「CH」:識別番号19)に当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dは、(第2有利RT+識別番号19)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673を用いてAT期間の初期ゲーム数を決定する。このテーブル673は、図12に示すように、100%の確率で初期ゲームとして100ゲームが付与されるように設計されている。この実施形態では、他の許容状態移行役のAT初期ゲーム数振分テーブル673も個別に設けられているが、(第2有利RT+識別番号18)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673および(第2有利RT+識別番号20)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673においても、100%の確率で初期ゲームとして100ゲームが付与されるように設計されている。
第3有利RT(RT4)のAT非許容状態のときに、許容状態移行役(「CH」:識別番号19)に当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dは、(第3有利RT+識別番号19)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673を用いてAT期間の初期ゲーム数を決定する。このテーブル673は、図12に示すように、100%の確率で初期ゲームとして200ゲームが付与されるように設計されている。この実施形態では、他の許容状態移行役のAT初期ゲーム数振分テーブル673も個別に設けられているが、(第3有利RT+識別番号18)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673および(第3有利RT+識別番号20)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673においても、100%の確率で初期ゲームとして200ゲームが付与されるように設計されている。
第4有利RT(RT5)のAT非許容状態のときに、許容状態移行役(「CH」:識別番号19)に当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dは、(第4有利RT+識別番号19)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673を用いてAT期間の初期ゲーム数を決定する。このテーブル673は、図12に示すように、100%の確率で初期ゲームとして300ゲームが付与されるように設計されている。この実施形態では、他の許容状態移行役のAT初期ゲーム数振分テーブル673も個別に設けられているが、(第4有利RT+識別番号18)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673および(第4有利RT+識別番号20)用のAT初期ゲーム数振分テーブル673においても、100%の確率で初期ゲームとして300ゲームが付与されるように設計されている。
このように、この実施形態では、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数は、許容状態移行役に当選したときの遊技状態が、
(i)初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)
(ii)第2有利RT(RT3)
(iii)第3有利RT(RT4)
(iv)第4有利RT(RT5)
の(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるように構成されている。なお、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が、(i)よりも(ii)〜(iv)で有利となるものであれば、どのような構成でもよい。例えば、許容状態移行役(「CH」:識別番号19)は、上述のように第2有利RT(RT3)での初期ゲーム数が100ゲーム、第3有利RT(RT4)での初期ゲーム数が200ゲーム、第4有利RT(RT5)での初期ゲーム数が300ゲームとするが、許容状態移行役(「WM」:識別番号18)は、第2有利RT(RT3)での初期ゲーム数が300ゲーム、第3有利RT(RT4)での初期ゲーム数が200ゲーム、第4有利RT(RT5)での初期ゲーム数が400ゲームなど、許容状態移行役の種類に応じて、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が異なるようにしてもよい。
また、許容状態移行役のうち、「CH」(識別番号19)のみ、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるようにして、他の許容状態移行役では、遊技状態の種類によって、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が変わらないようにしてもよい。
また、第2〜第4有利RT(RT3〜5)で許容状態移行役に当選した場合は、それぞれ初期ゲーム数決定手段100dにより、決まった初期ゲーム数が付与されるように構成したが、例えば、第2有利RT(RT3)で許容状態移行役に当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dは、50ゲーム、100ゲーム、150ゲームの3種類の中から抽選で初期ゲーム数を決定するようにしてもよい。
また、どの種類の許容状態移行役に当選した場合でも初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数は、(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるように構成したが、一部の許容状態移行役については、初期ゲーム数の有利度が(i)〜(iv)の順に高くなくてもよく、他の許容状態移行役を含めた場合に全体として、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が、(i)〜(iv)の順で有利度が高くなる構成であればよい。
また、初期ゲーム数決定手段100dにより決定される初期ゲーム数については、(i)〜(iv)の間で差がないが、後述する上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選での上乗せゲーム数や抽選確率が、許容状態移行役に当選したときの遊技状態が(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるようにしてもよい。さらに、初期ゲーム数決定手段100dにより決定される初期ゲーム数と、上乗せ抽選手段100eにより決定される上乗せゲーム数の両方を(i)〜(iv)の順に有利度が高くなるように構成してもよい。また、上乗せゲーム数を(i)〜(iv)の順に有利度が高くなるように構成する場合、上乗せゲーム数は(i)〜(iv)の間で有利度に差がないが、例えば、ゲーム数上乗せ抽選の契機となる当選役グループ(識別番号)の種類が(i)〜(iv)の順で多くなるようにして、ゲーム数上乗せ抽選の機会(回数)が、(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるようにしてもよい。また、図示しないが、一定条件でAT期間の継続抽選をする場合、その継続抽選確率が(i)〜(iv)の順で有利度が高くなるようにしてもよい。
また、この実施形態では、許容状態移行役(識別番号18〜20)のいずれかに当選した場合、初期ゲーム数決定手段100dにより必ずAT期間の初期ゲーム数が付与されるように構成したが、例えば、1/3の確率で30ゲーム、1/3の確率で50ゲーム、1/3の確率でハズレのように、初期ゲーム数が全く付与されない場合があるように構成してもよい。このとき、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)のいずれかで許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選した場合は、一定の確率でハズレとなるようにして、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)で許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選した場合は、必ず初期ゲーム数が付与されるように構成してもよい。このようにすると、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)のいずれかで許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選した場合と、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)のいずれかで許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選した場合とで、初期ゲーム数の有利度の差がより明確になる。
なお、初期ゲーム数決定手段100dは、役抽選手段103の役抽選に用いられる抽選値と同一の抽選値を利用して上記した振り分け抽選を行うことによりAT期間の初期ゲーム数を決定してもよいし、振り分け用の乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用して上記した振り分けを行うようにしてもよい。
(1−5)上乗せ抽選手段100e
上乗せ抽選手段100eは、AT許容状態設定手段100cがスロットマシン1をAT許容状態に設定していることを条件(AT期間中)に、許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選したときに、初期ゲーム数に加算するゲーム数(上乗せゲーム数)を決定するものである。具体的には、AT期間中の遊技において、スタートスイッチ19の操作による遊技開始に基づいて役抽選手段103の抽選値生成手段103aが生成した抽選値により抽選値判定決定手段103bが許容状態移行役に当選したことを決定すると、AT権利当選となり、上乗せ抽選手段100eは、AT上乗せ抽選テーブル674を用いて上乗せゲーム数の振分抽選(ゲーム数上乗せ抽選)を行う。また、上乗せ抽選手段100eは、当選役グループ「NRP1」や「NRP2」の一部、および、当選役グループ「URP3_1」〜「URP3_3」、「URP4_1」〜「URP4_3」、「URP5_1」〜「URP5_3」のいずれかに当選した際、「通常リプレイ」に入賞する押し順でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作された場合にもゲーム数上乗せ抽選を行ってもよい。
例えば、AT期間中に許容状態移行役(「CH」:識別番号19)に当選した場合、上乗せ抽選手段100eは、図13に示す識別番号19用のAT上乗せ抽選テーブル674を用いて上乗せゲーム数を決定する。このテーブル674は、100ゲーム、300ゲームの2種類の上乗せゲーム数がそれぞれ1/2の確率で付与されるように構成されている。このようなAT上乗せ抽選テーブル674は、ゲーム数上乗せ抽選に対象となる識別番号の種類に応じて個別に設けられている。
また、上乗せ抽選手段100eは、ゲーム数上乗せ抽選により上乗せゲーム数を決定すると、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値に上乗せゲーム数に相当する値を加算する。他の許容状態移行役についても、個別にAT上乗せ抽選テーブル674が設けられている。ここで、初期ゲーム数決定手段100dがAT期間の初期的なゲーム数を決定する機能、および、上乗せ抽選手段100eが初期ゲーム数に対してAT期間のゲーム数の上乗せを行う機能を合せたものが本発明の「有利期間決定手段」に相当する。
なお、図13のAT上乗せ抽選テーブル674では、必ずゲーム数の上乗せがあるように構成されているが、ゲーム数の上乗せがないハズレに振り分けられる場合を設け、AT
期間中にゲーム数上乗せ抽選にかかる当選役グループ(識別番号)に当選したにも関わらず、所定の確率で上乗せゲーム数を獲得できないようにしてもよい。
また、AT上乗せ抽選テーブル674は、それぞれ各設定値(出玉率)で共通のものを用いつつ、各テーブル674を、AT許容後の役抽選結果、役抽選の履歴、AT許容後からの経過ゲーム数、AT許容後からのメダルの獲得枚数などに応じて適宜変更してもよい。
このように、役抽選に用いる抽選値により上乗せゲーム数を一意に決定するようにしてセキュリティ性の向上を図る一方で、上乗せ抽選手段100eがどのように上乗せを行うかを自由に設計することができるので、AT遊技の設計の自由度を高めることができる。
また、上乗せ抽選手段100eは、役抽選手段103の役抽選に用いられる抽選値と同一の抽選値を利用して上記したゲーム数上乗せ抽選を行ってもよいし、乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用してゲーム数上乗せ抽選を行ってもよい。
(1−6)AT遊技可能状態決定手段100f
AT非許容状態で許容状態移行役に当選すると、AT許容状態に移行し、初期ゲーム数決定手段100dにより初期ゲーム数が決定されるが、このときの遊技状態が初期RT(NOM)、通常RT(RT1)の場合は、第1有利RT(RT2)に移行するまでは、AT準備状態となる。通常RT(RT1)かつAT許容状態で、RT2移行可能リプレイ(識別番号6〜8)に当選した場合は、報知用表示器60および液晶表示器27においてRT2移行リプレイに入賞する有利な押し順が報知される。AT遊技可能状態決定手段100fは、初期ゲーム数決定手段100dにより初期ゲーム数が決定された後、遊技状態が第1有利RT(RT2)に移行したときに、役抽選手段103の役抽選結果が特定役の場合にAT遊技を行うことができるAT遊技可能状態であると決定し、フラグ格納領域651に設定されているAT期間中フラグをONに設定する。また、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかの遊技状態のときに、AT非許容状態からAT許容状態に移行した場合は、再遊技役(リプレイ)の当選確率が高い遊技状態に移行するのを待つ必要がないことから、許容状態移行役に当選したゲームの次のゲームからAT期間となるように構成されている。そのため、AT遊技可能状態決定手段100fは、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかの遊技状態のときに、AT非許容状態からAT許容状態に移行した場合は、AT非許容状態からAT許容状態に移行したタイミングでAT期間中フラグをONに設定する。なお、初期ゲーム数決定手段100dは、抽選値判定決定手段103bがスロットマシン1をAT許容状態とすることを決定した遊技ではなく、AT遊技可能状態決定手段100fがAT期間中フラグをONに設定するタイミングでAT期間の初期ゲーム数を決定するようにしてもよい。
また、AT遊技可能状態決定手段100fは、AT期間中フラグがONに設定されている場合は、1ゲーム毎にAT期間遊技数カウンタ654のカウント値を1つ減算する。
(1−7)遊技の概略
次に、スロットマシン1において実行される遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダルの投入により1回のゲーム(遊技)が行われるように構成され、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入が検出されると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。ここでスタートスイッチ19が操作されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段103による抽選処理により選択される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転が開始すると、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄の判別が各リール13L,13M,13Rの回転角に基づいて開始される。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となり、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lの操作が検出されると左リール13Lが停止され、中ストップスイッチ21Mの操作が検出されると中リール13Mが停止され、右ストップスイッチ21Rの操作が検出されると右リール13Rが停止される。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。
3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されると、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。このとき、所定の図柄が有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると、すなわち、各リール13L,13M,13Rの図柄が役への入賞に係る図柄組合せで表示窓11に表示されると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、メダル払出口39から払い出される。なお、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益(特典)が付与されることもある。この所定の利益としては、例えば、後述のボーナス役の入賞によるボーナス遊技状態(BB1)への移行や後述の再遊技役の入賞による新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技を行うために自動的に設定される賭数および遊技状態の移行等が挙げられる。
図6〜図8に示すように、役の種類として、ボーナス役「RBB1」と、再遊技役(
「NRP1」、「NRP2」、「URP2_1」〜「URP2_3」、「URP3_1」〜「URP3_3」、「URP4_1」〜「URP4_3」、「URP5_1」〜「URP5_3」)と、小役(「BEL_1」〜「BEL_3」、「WM」、「CH」、「SP」)とが予め設定されている。ボーナス役は、ボーナス遊技状態(BB1)への移行役である。再遊技役(以下、リプレイとも称することがある)は、入賞すると、新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技行うことができる役である。小役は、入賞すると所定の配当(払出数)が得られる役である。
・ボーナス役
ボーナス役は、「RBB1」の1種類設定されている。ここで、「RBB1」の入賞にかかる図柄組合せが入賞ラインに停止すると入賞となって、遊技状態がボーナス遊技状態(BB1)に移行する。なお、この実施形態では、「RBB1」の入賞にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃っても配当はないが、所定の枚数の配当を付与してもよい。
・再遊技役
再遊技役は、「NRP1」、「NRP2」、「URP2_1」〜「URP2_3」、「URP3_1」〜「URP3_3」、「URP4_1」〜「URP4_3」、「URP5_1」〜「URP5_3」の複数種類が設定されている。ここで、「NRP1」、「NRP2」は、いずれも遊技状態の移行に無関係な再遊技役であり、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」が設定されている。
「URP2_1」〜「URP2_3」(RT2移行可能リプレイ)は、いずれも第1有利RT(RT2)に移行する可能性がある再遊技役であり、入賞にかかる図柄組合せとして、それぞれ「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイ」の2種類が設定されている。これらの役を含む当選役グループ(識別番号3〜5)に当選した場合は、「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイ」の両方の図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態となる。なお、RT2移行可能リプレイのいずれかに当選した際、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順によって、遊技状態の移行とは無関係の「通常リプレイ」か、第1有利RT(RT2)への移行にかかる「RT2移行リプレイ」のいずれに優先入賞するかが異なるように構成されている。
「URP3_1」〜「URP3_3」(RT3移行可能リプレイ)は、いずれも第2有利RT(RT3)に移行する可能性がある再遊技役であり、入賞にかかる図柄組合せとして、それぞれ「通常リプレイ」と「RT3移行リプレイ」の2種類が設定されている。これらの役を含む当選役グループ(識別番号6〜8)に当選した場合は、「通常リプレイ」と「RT3移行リプレイ」の両方の図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態となる。なお、RT3移行可能リプレイのいずれかに当選した際、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順によって、遊技状態の移行とは無関係の「通常リプレイ」か、第2有利RT(RT3)への移行にかかる「RT3移行リプレイ」のいずれに優先入賞するかが異なるように構成されている。
「URP4_1」〜「URP4_3」(RT4移行可能リプレイ)は、いずれも第3有利RT(RT4)に移行する可能性がある再遊技役であり、入賞にかかる図柄組合せとして、それぞれ「通常リプレイ」と「RT4移行リプレイ」の2種類が設定されている。これらの役を含む当選役グループ(識別番号9〜11)に当選した場合は、「通常リプレイ」と「RT4移行リプレイ」の両方の図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態となる。なお、RT4移行可能リプレイのいずれかに当選した際、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順によって、遊技状態の移行とは無関係の「通常リプレイ」か、第3有利RT(RT4)への移行にかかる「RT4移行リプレイ」のいずれに優先入賞するかが異なるように構成されている。
「URP5_1」〜「URP5_3」(RT5移行可能リプレイ)は、いずれも第4有利RT(RT5)に移行する可能性がある再遊技役であり、入賞にかかる図柄組合せとして、それぞれ「通常リプレイ」と「RT5移行リプレイ」の2種類が設定されている。これらの役を含む当選役グループ(識別番号12〜14)に当選した場合は、「通常リプレイ」と「RT5移行リプレイ」の両方の図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態となる。なお、RT5移行可能リプレイのいずれかに当選した際、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順によって、遊技状態の移行とは無関係の「通常リプレイ」か、第4有利RT(RT5)への移行にかかる「RT5移行リプレイ」のいずれに優先入賞するかが異なるように構成されている。
・小役
小役は、「BEL_1」〜「BEL_3」、「WM」、「CH」、「SP」の複数種類が設定されている。ここで、「BEL_1」〜「BEL_3」(押し順ベル)は、入賞にかかる図柄組合せとして、それぞれ8枚の配当が得られる「ベル」と、1枚の配当が得られる「1枚役」の2種類が設定されている。これらの役を含む当選役グループ(識別番号15〜17)に当選した場合は、「ベル」と「1枚役」の両方の図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態となる。なお、押し順ベルは、その種類によって、ストップスイッチ21L,21M,21Rの有利な押し順が設定されており、当選時にストップスイッチ21L,21M,21Rが有利な押し順で操作されると、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞し、有利な押し順以外の押し順の場合は、1枚の配当が得られる「1枚役」に入賞するか、あるいは、ハズレとなるように構成されている。押し順ベルの当選時に有利な押し順で操作されなかった場合は、「ベル」に入賞することはなく、この場合は押し順ベルの取りこぼしとなる。また、通常RT(RT1)以外の遊技状態で押し順ベルの取りこぼしが生じた場合は、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。
「WM(スイカ)」は、AT非許容状態で当選すると、AT許容状態に移行する許容状態移行役として設けられている。当該役に入賞すると6枚の配当が得られる。なお、AT期間(AT許容状態)中に「WM」に当選した場合は、上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選が行われ、当該抽選により決定された上乗せゲーム数の分だけ、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が加算される。
「CH(チェリー)」は、AT非許容状態で当選すると、AT許容状態に移行する許容状態移行役として設けられている。当該役に入賞すると1枚の配当が得られる。なお、AT期間(AT許容状態)中に「CH」に当選した場合は、上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選が行われ、当該抽選により決定された上乗せゲーム数の分だけ、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が加算される。
「SP(チャンス目)」は、AT非許容状態で当選すると、AT許容状態に移行する許容状態移行役として設けられている。当該役に入賞すると3枚の配当が得られる。なお、AT期間(AT許容状態)中に「SP」に当選した場合は、上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選が行われ、当該抽選により決定された上乗せゲーム数の分だけ、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が加算される。
(2)設定制御手段101
図3の設定制御手段101は、出玉率の異なる複数の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時(電源スイッチ50をONにした時)に変更処理開始スイッチ56のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。
ここで、一般遊技での抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、図3に示す役抽選テーブル671(一般遊技用抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。このときにリセットスイッチ52が用いられ、設定変更処理が開始された後に、リセットスイッチ52が押される度に、設定値が1ずつ増加して変更できるようになっている。なお、設定6のときにリセットスイッチ52が押されると、設定1に戻る。
(3)テーブル選択手段102
図3のテーブル選択手段102は、メイン制御基板63における遊技制御手段100により制御される遊技の種類(NOM,RT1〜RT6、BB1など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1〜設定6)に基づき、図3に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば一般遊技では、テーブル選択手段102は、役抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(一般遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図3の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されて遊技を開始するタイミングで、特定役(押し順ベル)および移行役(RT2〜RT5移行リプレイ)を含む複数の一般役(小役、再遊技役)と、ボーナス役とを含む複数の役(図5〜図10参照)のうちのいずれの役に当選したか否かを、遊技開始に基づいて生成される抽選値により決定する役抽選を行うものである。また、役抽選手段103は、AT非許容状態において、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)である場合には、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、AT許容状態への移行にかかる許容状態移行役(「WM」、「CH」、「SP」)に当選(AT許容当選)か否かを決定する。また、役抽選手段103は、AT許容状態において、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)である場合には、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、AT期間のゲーム数上乗せ抽選にかかる許容状態移行役(「WM」、「CH」、「SP」)に当選か否かを決定する。役抽選手段103は、抽選値生成手段103aと、抽選値判定決定手段103bとを備えている。なお、役抽選手段103による役抽選の当否は、識別番号(当選役グループ)単位で行われる(図5〜図10参照)。そのため、識別番号22、23に当選した場合は、ボーナス役「RBB1」と、小役「CH」または「SP」との重複当選となる。
(4−1)抽選値生成手段103a
抽選値生成手段103aは、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成された乱数発生手段が、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させた抽選用の乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出することにより、役抽選の抽選値を生成する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、抽選値生成手段103aが生成する抽選値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、抽選値生成手段103aは、乱数発生器が生成する乱数により抽選値を生成してもよいし、ソフトウェア乱数により抽選値を生成してもよい。また、抽選値生成手段103aは、抽出した乱数値や生成した乱数値に所定の演算を行うことにより抽選値を生成してもよい。
(4−2)抽選値判定決定手段103b
抽選値判定決定手段103bは、抽選値生成手段103aが生成した抽選値を判定することにより、押し順ベルやRT2〜5移行可能リプレイ(本発明の「移行役」に相当)などの複数の役のうちのいずれの役に当選したか否かを決定する。
具体的には、役抽選テーブル671には、乱数発生手段が発生させる範囲内の各抽選値について、図5〜図10に示す複数の役(小役、再遊技役、ボーナス役)のうちのどの役に当選するか、または、ハズレか、を決定するための抽選値と役との対応関係が予め設定されている。抽選値判定決定手段103bは、テーブル選択手段102が選択した役抽選テーブル671を参照し、抽選値生成手段103aが生成した抽選値がどの役(当選役グループ:識別番号)の当選に設定されているのか、または、ハズレに設定されているのかを判定することにより、複数の役(当選役グループ:識別番号)のうちのいずれの役に当選したか否かを決定する。
また、抽選値生成手段103aが生成する抽選値の全範囲について、AT許容状態に移行すると決定(AT許容当選)する値の範囲と、AT許容状態に移行しないと決定(AT許容非当選)する値の範囲とが役抽選テーブル671に予め設定されており、抽選値判定決定手段103bは、遊技開始に基づいて抽選値生成手段103aが役抽選のために生成した抽選値を、AT許容状態に移行するか否かを決定するのにも使用する。また、抽選値生成手段103aが生成する抽選値の全範囲について、ゲーム数上乗せ抽選を行う範囲と、ゲーム数上乗せ抽選を行わない範囲とが役抽選テーブル671に予め設定されており、抽選値判定決定手段103bは、遊技開始に基づいて抽選値生成手段103aが役抽選のために生成した抽選値を、AT許容状態においてゲーム数上乗せ抽選を行うか否かを決定するのにも使用する。
また、役抽選テーブル671では、一部の抽選値については複数の役の当選に重複して設定されているため、抽選値判定決定手段103bが抽選値生成手段103aにより生成される抽選値の全範囲について判定を行った場合に、すなわち、役抽選手段103の役抽選結果として、図5〜図10に示す当選役グループが構成され、各当選役グループには固有の識別番号が付与されている。なお、図5〜図10に示す識別番号(当選役グループ)のうち、複数の役により構成されている識別番号の当選役グループについては、当該識別番号の当選役グループを構成する全ての役にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態である。
また、AT非許容状態において当選した識別番号(当選役グループ)に許容状態移行役(「WM」、「CH」、「SP」)が含まれている場合にはAT許容当選となり、AT許容状態設定手段100cによりスロットマシン1がAT許容状態に設定される。また、当選した識別番号に対応したAT初期ゲーム数振分テーブル673(図3、図11、図12参照)を利用した振分抽選が初期ゲーム数決定手段100dにより行われる。また、AT許容状態において当選した識別番号(当選役グループ)に許容状態移行役(「WM」、「CH」、「SP」)が含まれている場合には、当選した識別番号に対応したAT上乗せ抽選テーブル674(図3、図13参照)に基づいてゲーム数上乗せ抽選が上乗せ抽選手段100eにより行われる。
なお、AT非許容状態で抽選値判定決定手段103bが許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選したか否かを決定する機能が、本発明の「許容状態決定手段」に相当する。
また、この実施形態では、AT非許容状態で許容状態移行役に当選した場合は、AT許容状態に移行するとともに、もれなくAT期間(初期ゲーム数が30ゲーム以上)が付与されるため、抽選値判定決定手段103bは、本発明の「有利状態決定手段」にも相当する。なお、初期ゲーム数決定手段100dがAT期間の初期ゲーム数として0ゲーム(すなわち、ハズレ)を決定する場合がある構成にした場合は、初期ゲーム数決定手段100dが、AT期間を付与するか否かを決定することになり、この場合は、初期ゲーム数決定手段100dが、本発明の「有利状態決定手段」に相当する。
(5)決定結果記憶手段104
図3の決定結果記憶手段104は、抽選値判定決定手段103bによる決定結果として、ボーナス役に当選しているか否かを特定可能な情報を決定結果記憶領域652の第1データ領域(上位役記憶領域)に記憶し、一般役に当選しているか否かを特定可能な情報を決定結果記憶領域652の第2データ領域(下位役記憶領域)に記憶する。
具体的には、ボーナス役のそれぞれに固有の16進数の上位役番号が割り当てられ、各一般役(再遊技役、小役)のそれぞれに固有の16進数の下位役番号が割り当てられている。そして、決定結果記憶手段104は、役抽選手段103の役抽選結果である識別番号(当選役グループ)を構成する役(ハズレ(HZ)の場合を含む)に割り当てられている役番号を、決定結果記憶領域652の対応するデータ領域に記憶する。
例えば、役抽選手段103の役抽選結果が、図5〜図10に示すボーナス役を含む識別番号(当選役グループ)のいずれかである場合には、決定結果記憶手段104は、当選したボーナス役に割り当てられている上位役番号”01h”を決定結果記憶領域652の1バイトの第1データ領域に記憶する。なお、決定結果記憶手段104は、ボーナス役にハズレ(非当選)の場合には、当該データ領域にハズレに割り当てられている上位役番号”00h”を記憶する。また、上位役番号として”01h”を記憶した後は、ボーナス役に入賞するまでこの値を維持することにより、ボーナス役を持ち越すように構成されている。
また、役抽選手段103の役抽選結果が、図5〜図10に示す一般役(再遊技役、小役)を含む識別番号(当選役グループ)のいずれかである場合には、決定結果記憶手段104は、当選した一般役に割り当てられている下位役番号を決定結果記憶領域652の1バイトの第2データ領域に記憶する。なお、決定結果記憶手段104は、一般役にハズレ(非当選)の場合には、当該データ領域にハズレに割り当てられている下位役番号”00h”を記憶する。
また、この実施形態では、複数の一般役が同時に当選することがないように構成されているが、複数の一般役が同時に当選するように構成されている場合には、当選した複数の一般役それぞれに割り当てられている下位役番号の全てを記憶することができるように、決定結果記憶領域652の第2データ領域の記憶容量を設定すればよい。また、同時当選する一般役の各組み合わせに対して下位役番号を新たに割り当て、同時当選した一般役の組み合わせに割り当てた下位役番号を決定結果記憶領域652の第2データ領域に記憶するようにしてもよい。
(6)停止制御手段105
図3の停止制御手段105は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段103の役抽選結果とに基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。停止制御手段105は、役抽選手段103が決定した識別番号の構成役に入賞させるために、基本的にリール13L,13M,13Rの全てで、引き込み可能範囲内において構成図柄を入賞ライン(中段)に停止させる停止制御を行う。なお、各リール13L,13M,13Rには、許容されるすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)が設定されているため、操作タイミングが合わなければ入賞ラインに当選役にかかる図柄を揃えることができない場合があり、このような場合は取りこぼし(非入賞)が発生する。
・RT移行可能リプレイ
RT2移行可能リプレイ「URP2_1」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「RT2移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(b)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT2移行リプレイ」は第1有利RT(RT2)への移行にかかるものであるため、RT2移行可能リプレイ「URP2_1」では、第1停止リールが左リール13Lになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT2移行可能リプレイ「URP2_2」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「RT2移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(b)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT2移行リプレイ」は第1有利RT(RT2)への移行にかかるものであるため、RT2移行可能リプレイ「URP2_2」では、第1停止リールが中リール13Mになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT2移行可能リプレイ「URP2_3」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、「RT2移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(b)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT2移行リプレイ」は第1有利RT(RT2)への移行にかかるものであるため、RT2移行可能リプレイ「URP2_3」では、第1停止リールが右リール13Rになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT3移行可能リプレイ「URP3_1」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT3移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「RT3移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(c)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT3移行リプレイ」は第2有利RT(RT3)への移行にかかるものであるため、RT3移行可能リプレイ「URP3_1」では、第1停止リールが左リール13Lになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT3移行可能リプレイ「URP3_2」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT3移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「RT3移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(c)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT3移行リプレイ」は第2有利RT(RT3)への移行にかかるものであるため、RT3移行可能リプレイ「URP3_2」では、第1停止リールが中リール13Mになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT3移行可能リプレイ「URP3_3」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT3移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、「RT3移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(c)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT3移行リプレイ」は第2有利RT(RT3)への移行にかかるものであるため、RT3移行可能リプレイ「URP3_3」では、第1停止リールが右リール13Rになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT4移行可能リプレイ「URP4_1」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT4移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「RT4移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(d)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT4移行リプレイ」は第3有利RT(RT4)への移行にかかるものであるため、RT4移行可能リプレイ「URP4_1」では、第1停止リールが左リール13Lになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT4移行可能リプレイ「URP4_2」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT4移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「RT4移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(d)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT4移行リプレイ」は第3有利RT(RT4)への移行にかかるものであるため、RT4移行可能リプレイ「URP4_2」では、第1停止リールが中リール13Mになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT4移行可能リプレイ「URP4_3」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT4移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、「RT4移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(d)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT4移行リプレイ」は第3有利RT(RT4)への移行にかかるものであるため、RT4移行可能リプレイ「URP4_3」では、第1停止リールが右リール13Rになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT5移行可能リプレイ「URP5_1」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT5移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「RT5移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(e)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT5移行リプレイ」は第4有利RT(RT5)への移行にかかるものであるため、RT5移行可能リプレイ「URP5_1」では、第1停止リールが左リール13Lになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT5移行可能リプレイ「URP5_2」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT5移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「RT5移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(e)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT5移行リプレイ」は第4有利RT(RT5)への移行にかかるものであるため、RT5移行可能リプレイ「URP5_2」では、第1停止リールが中リール13Mになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
RT5移行可能リプレイ「URP5_3」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「通常リプレイ」と「RT5移行リプレイ」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、「RT5移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(e)参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。なお、「RT5移行リプレイ」は第4有利RT(RT5)への移行にかかるものであるため、RT5移行可能リプレイ「URP5_3」では、第1停止リールが右リール13Rになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
・押し順ベル
押し順ベル「BEL_1」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「ベル」と「1枚役」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「ベル」を優先し、その他の場合は「1枚役」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(a)参照)。「ベル」は、取りこぼしのない図柄組合せであるため、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、必ず「ベル」に入賞する。一方、「1枚役」は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、入賞させることができず、取りこぼしが発生するため、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順以外の場合は、「1枚役」に入賞するか、あるいは、ハズレとなる。なお、「ベル」は8枚の配当が得られるのに対して、「1枚役」は1枚の配当しか得られないため、押し順ベル「BEL_1」では、第1停止リールが左リール13Lになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
押し順ベル「BEL_2」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「ベル」と「1枚役」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「ベル」を優先し、その他の場合は「1枚役」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(a)参照)。「ベル」は、取りこぼしのない図柄組合せであるため、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、必ず「ベル」に入賞する。一方、「1枚役」は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、入賞させることができず、取りこぼしが発生するため、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順以外の場合は、「1枚役」に入賞するか、あるいは、ハズレとなる。なお、「ベル」は8枚の配当が得られるのに対して、「1枚役」は1枚の配当しか得られないため、押し順ベル「BEL_2」では、第1停止リールが中リール13Mになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
押し順ベル「BEL_3」は、入賞にかかる図柄組合せとして、「ベル」と「1枚役」の2種類が設定されている。当該役を含む識別番号に当選した場合、押し順に応じて優先して揃える図柄組合せの優先順位が設定されている。具体的には、停止制御手段105は、当該役を含む識別番号の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、「ベル」を優先し、その他の場合は「1枚役」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図14(a)参照)。「ベル」は、取りこぼしのない図柄組合せであるため、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→中、右→中→左)の場合は、必ず「ベル」に入賞する。一方、「1枚役」は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、入賞させることができず、取りこぼしが発生するため、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順以外の場合は、「1枚役」に入賞するか、あるいは、ハズレとなる。なお、「ベル」は8枚の配当が得られるのに対して、「1枚役」は1枚の配当しか得られないため、押し順ベル「BEL_3」では、第1停止リールが右リール13Rになる押し順が遊技者に有利な押し順となる。
また、この実施形態では、ボーナス役、小役の2種類が同時に当選する識別番号22、23が設定されているが、このような識別番号に当選した場合は、小役、ボーナス役の優先順序で入賞するように構成されている。
(7)報知表示制御手段106
図3の報知表示制御手段106は、報知用表示器60での報知が報知態様決定手段107で決定された報知態様となるように制御するものである。
(8)報知態様決定手段107
図3の報知態様決定手段107は、役抽選手段103の役抽選結果やスロットマシン1の状態(非AT、AT準備中、AT中)などに基づいて、報知用表示器60での報知態様を決定するものである。報知態様決定手段107が決定した報知態様については、コマンド作成手段108によりその種類を特定可能なコマンドが作成され、サブ制御基板73に送信される。
具体的には、報知態様決定手段107は、初期RT(NOM)で、非AT中およびAT準備中の状態である場合には、どの識別番号(当選役グループ)に当選したとしても、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。なお、「WM」、「CH」、「SP」を含む識別番号に当選した場合は、液晶表示器27において、それぞれの役に当選したことを示唆する演出が行われる場合があるが、押し順ベルに当選しても、報知用表示器60および液晶表示器27のいずれにおいても、有利な押し順を特定可能な情報が報知されることはない。AT準備中では、押し順ベル取りこぼしが発生するおそれがあり、この場合は、通常RT(RT1)に移行して、通常RT(RT1)のAT準備中の状態となる。AT期間は、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のときに限られるため、初期RT(NOM)でAT中となることはない。ここで、第2〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかに滞在している状態で、リミッタが成立し、AT非許容状態および非AT中の状態となると、押し順ベルに当選したときに、取りこぼしが生じて、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する可能性が高くなる。そのため、次のAT期間が付与されたときに、有利な初期ゲーム数を得るためには、リミッタ条件が成立して、AT非許容状態および非AT中の状態に移行してから、押し順ベルの取りこぼしが発生する前に、許容状態移行役(「WM」、「CH」、「SP」)に当選する必要がある。
ところで、この実施形態では、報知用表示器60の第1の7セグメントLED(図示省略)は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われると次の停止操作を示唆する報知態様に変化するように構成されている。これに対して、第2の7セグメントLED(図示省略)は、報知態様の種類を特定するためのもので、報知してから最終停止まで同一の報知を継続するように構成されている。また、原則として、第1の7セグメントLEDの第1〜第7セグメントのうち、第1セグメントの点灯は、左リール13Lの停止を示唆し、第2セグメントの点灯は中リール13Mの停止を示唆し、第3セグメントの点灯は右リール13Rの停止を示唆している。そのため、例えば、押し順(左→中→右)を特定可能な情報を報知するという報知態様の場合は、第1リール停止前は、第1の7セグメントLEDにおいて第1セグメントのみを点灯することで、第1停止リールが左リール13Lであることを報知できる。次に、第1リール停止後から第2リール停止までの間は、第1の7セグメントLEDにおいて第2セグメントのみを点灯することで、第2停止リールが中リール13Mであることを報知できる。最後に、第2リール停止後から第3リール停止までの間は、第1の7セグメントLEDにおいて第3セグメントのみを点灯することで、第3停止リールが右リール13Rであることを報知できる。
また、報知態様決定手段107は、遊技状態が通常RT(RT1)でAT準備中の場合において、RT2移行可能リプレイ(「URP2_1」〜「URP2_3」)を含む識別番号に内部当選した場合は、報知用表示器60でRT2移行リプレイに入賞するための有利な押し順(図14(b)参照)を報知するという報知態様に決定する。したがって、遊技者が報知用表示器60の報知態様に従えば、遊技状態が通常RT(RT1)から第1有利RT(RT2)に移行し、AT準備中からAT中に移行する。また、AT準備中の状態で、RT2移行可能リプレイを含む識別番号以外の識別番号に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。また、遊技状態が通常RT(RT1)で非AT中の場合においては、どの識別番号に内部当選しても、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。AT期間は、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のときに限られるため、通常RT(RT1)のAT中はない。なお、AT準備中に押し順ベルに当選した場合に、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞するための有利な押し順を報知するようにしてもよい。この場合は、報知態様決定手段107は、押し順ベルの当選時に有利な押し順を報知するという報知態様に決定する。
遊技状態が第1有利RT(RT2)で非AT中の場合、どの識別番号に内部当選しても、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。したがって、遊技状態が第1有利RT(RT2)でAT期間が終了して非AT中となれば、その後押し順ベルの当選時に取りこぼしが発生し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。第1有利RT(RT2)でAT中の場合において、押し順ベルに内部当選した場合、報知態様決定手段107は、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞する有利な押し順(図14(a)参照)を報知するという報知態様に決定する。
ところで、上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選によりAT期間のゲーム数の上乗せが行われ、その結果から導出されるAT期間の終期が、AT許容状態の継続期間(1500ゲーム:リミッタによるAT許容状態の終期)を超える見込みとなる場合がある。ここで、報知態様決定手段107は、第1有利RT(RT2)でAT中の場合において、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」)に内部当選した場合、予定されるAT期間の終期と、AT許容状態のリミッタに基づく終期とを比較して、RT3移行リプレイに入賞する有利な押し順(図14(c)参照)を報知するという報知態様、あるいは、通常リプレイに入賞するための押し順を報知するという報知態様、のいずれかに決定する。つまり、報知態様決定手段107は、AT期間の終期と、AT許容状態のリミッタに基づく終期とを比較し、AT期間が強制終了となったときに残るであろう、余りのゲーム数に基づいて、第2有利RT(RT3)への移行にかかるRT3移行リプレイに入賞する有利な押し順(図14(c)参照)を報知するという報知態様、あるいは、遊技状態が維持される通常リプレイに入賞する押し順を報知するという報知態様、のいずれかに決定する。
具体的には、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が0〜99ゲームの範囲内の状態で、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で通常リプレイに入賞するための押し順を報知するという報知態様に決定する。この場合の押し順は、例えば、通常リプレイに入賞するための複数の押し順の中から一の押し順を抽選により決定する。一方、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が100ゲームを超えている状態(本発明の「所定の報知条件」に相当)で、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60でRT3移行リプレイに入賞するための有利な押し順(図14(c)参照)を報知するという報知態様に決定する。したがって、基本的に、AT期間に残りゲーム数が100ゲームを超える状態で強制終了となることが確定している状態でのみ、第2有利RT(RT3)への移行に導かれることになる。
なお、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が0〜99ゲームの範囲内の状態で、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」)に内部当選したときに、偶然押し順が正解して第2有利RT(RT3)に移行することも考えられる。この場合、報知態様決定手段107は、第2有利RT(RT3)に移行した後、押し順ベル当選時に、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定し、通常RT(RT1)への移行を導いた後、第1有利RT(RT2)への移行を導く報知態様に決定し、再び第1有利RT(RT2)に移行させるように構成してもよい。
遊技状態が第2有利RT(RT3)で非AT中の場合、どの識別番号に内部当選しても、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。したがって、遊技状態が第2有利RT(RT3)でAT期間が終了して非AT中となれば、その後押し順ベルの当選時に取りこぼしが発生し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。また、第2有利RT(RT3)でAT中の場合において、押し順ベルに内部当選した場合、報知態様決定手段107は、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞する有利な押し順(図14(a)参照)を報知するという報知態様に決定する。
また、第2有利RT(RT3)でAT中の場合において、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、AT期間の終期と、AT許容状態のリミッタに基づく終期とを比較し、AT期間が強制終了となったときに残るであろう、余りのゲーム数に基づいて、第3有利RT(RT4)への移行にかかるRT4移行リプレイに入賞する有利な押し順(図14(d)参照)を報知するという報知態様、あるいは、通常リプレイに入賞するための押し順を報知するという報知態様、のいずれかに決定する。
具体的には、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が100〜199ゲームの範囲にある状態で、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で通常リプレイに入賞するための押し順を報知するという報知態様に決定する。一方、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が200ゲームを超えている状態(本発明の「所定の報知条件」に相当)で、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60でRT4移行リプレイに入賞するための有利な押し順(図14(d)参照)を報知するという報知態様に決定する。したがって、基本的に、AT期間に残りゲーム数が200ゲームを超える状態で強制終了となることが確定している状態でのみ、第3有利RT(RT4)への移行に導かれることになる。
なお、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が100〜199ゲームの範囲内の状態で、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」)に内部当選したときに、偶然押し順が正解して第3有利RT(RT4)に移行することも考えらえる。この場合、報知態様決定手段107は、第3有利RT(RT4)に移行した後、押し順ベル当選時に、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定し、通常RT(RT1)への移行を導いた後、第2有利RT(RT3)への移行を導く報知態様に決定し、再び第2有利RT(RT3)に移行させるように構成してもよい。
遊技状態が第3有利RT(RT4)で非AT中の場合、どの識別番号に内部当選しても、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。したがって、遊技状態が第3有利RT(RT4)でAT期間が終了して非AT中となれば、その後押し順ベルの当選時に取りこぼしが発生し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。また、第3有利RT(RT4)でAT中の場合において、押し順ベルに内部当選した場合、報知態様決定手段107は、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞する有利な押し順(図14(a)参照)を報知するという報知態様に決定する。
また、第3有利RT(RT4)でAT中の場合において、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、AT期間の終期と、AT許容状態のリミッタに基づく終期とを比較し、AT期間が強制終了となったときに残るであろう、余りのゲーム数に基づいて、第4有利RT(RT5)への移行にかかるRT5移行リプレイに入賞する有利な押し順(図14(e)参照)を報知するという報知態様、あるいは、何も報知しないという報知態様、のいずれかに決定する。
具体的には、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が200〜299ゲームの範囲にある状態で、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で通常リプレイに入賞するための押し順を報知するという報知態様に決定する。一方、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が300ゲームを超えている状態(本発明の「所定の報知条件」に相当)で、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」)に内部当選した場合、報知態様決定手段107は、報知用表示器60でRT5移行リプレイに入賞するための有利な押し順(図14(e)参照)を報知するという報知態様に決定する。したがって、基本的に、AT期間に残りゲーム数が300ゲームを超える状態で強制終了となることが確定している状態でのみ、第4有利RT(RT5)への移行に導かれることになる。
なお、AT期間の強制終了時に余るゲーム数が200〜299ゲームの範囲内の状態で、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」)に内部当選したときに、偶然押し順が正解して第4有利RT(RT5)に移行することも考えらえる。この場合、報知態様決定手段107は、第4有利RT(RT5)に移行した後、押し順ベル当選時に、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定し、通常RT(RT1)への移行を導いた後、第3有利RT(RT4)への移行を導く報知態様に決定し、再び第3有利RT(RT4)に移行させるように構成してもよい。
遊技状態が第4有利RT(RT5)で非AT中の場合、どの識別番号に内部当選しても、報知態様決定手段107は、報知用表示器60で何も報知しないという報知態様に決定する。したがって、遊技状態が第4有利RT(RT5)でAT期間が終了して非AT中となれば、その後押し順ベルの当選時に取りこぼしが発生し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。また、第4有利RT(RT5)でAT中の場合において、押し順ベルに内部当選した場合、報知態様決定手段107は、8枚の配当が得られる「ベル」に入賞する有利な押し順(図14(a)参照)を報知するという報知態様に決定する。ここで、報知態様決定手段107が報知用表示器60の報知態様を決定する機能、報知用表示器60での報知が、報知態様決定手段107が決定した報知態様となるように、報知表示制御手段106が報知用表示器60を制御する機能、および報知用表示器60を併せたものが、本発明の「報知手段」に相当する。
(9)コマンド作成手段108
図3のコマンド作成手段108は、役抽選手段103の役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するようにコマンド送信手段113によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
また、コマンド作成手段108は、スロットマシン1の状態および役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、報知用表示器60の報知態様に対応するコマンドを作成する。例えば、役抽選手段103の役抽選結果(当選役グループの識別番号)を構成する役の種類を特定可能なコマンド(例えば、「NRP1」の場合は「$01」)を作成するとともに、報知用表示器60の報知態様の種類を特定可能なコマンド(例えば、報知態様決定手段107が決定した報知態様が何もしないという報知態様の場合は「0」)を作成する。
(10)リール検出手段109
図3のリール検出手段109は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段109は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(11)図柄判定手段110
図3の図柄判定手段110は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段105により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
(12)払出制御手段111
図3の払出制御手段111は、図柄判定手段110による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段110により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段111は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。
さらに、払出制御手段111は、図柄判定手段110により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
(13)メダル制御手段112
図3のメダル制御手段112は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(14)コマンド送信手段113
図3のコマンド送信手段113は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、一般遊技状態(NOM、RT1〜RT6)およびボーナス遊技状態(BB1)などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段110による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段111によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
また、コマンド送信手段113は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段113は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(15)許容状態比率算出手段114
図3の許容状態比率算出手段114は、スロットマシン1の総ゲーム期間(総ゲーム数)の中でAT許容状態である期間の比率を算出するものである。許容状態比率算出手段114は、1ゲームを消化するごとに、総遊技数カウンタ655のカウント値を1ずつ加算する。当該カウンタ655は基本的にクリアされることなく半永久的に1ゲーム消化ごとに加算され続ける。また、許容状態比率算出手段114は、AT許容状態設定手段100cによりAT許容状態に設定されているゲームであるか否かを1ゲームごとに判定し、AT許容状態に設定されているゲーム(1ゲーム)を消化するたびに、総許容期間遊技数カウンタ656のカウント値を1ずつ加算する。総許容期間遊技数カウンタ656も総遊技数カウンタ655と同様に基本的にクリアされることがないように構成されている。そして、許容状態比率算出手段114は、総遊技数カウンタ655のカウント値と総許容期間遊技数カウンタ656のカウント値とに基づいて、スロットマシン1のAT許容状態である期間の比率を算出する。この比率は、許容状態滞在比率記憶領域657に記憶される。また、許容状態比率算出手段114は、毎ゲームで、全てのリール13L,13M,13Rが停止してから当該ゲームが終了するまでの処理においてこの比率の算出をするとともに、該算出値を許容状態滞在比率記憶領域657に上書きして記憶させる。
なお、毎ゲーム算出するのではなく、当該比率を表示するためにリセットスイッチ52が押されたときなど、所定の契機で算出してもよい。このとき、リセットスイッチ52が押されたときに、総遊技数カウンタ655に記憶されているカウント値と、総許容期間遊技数カウンタ656に記憶されているカウント値とに基づいて当該比率を算出する。このようにすると、許容状態比率算出手段114は、毎ゲームではなく、表示タイミングで許容状態滞在比率を算出するため、通常の遊技処理において過度の負担がかからなくすることができ、処理の効率化を図りながら遊技機の公平性を確保することができる。また、総ゲーム数が一定期間になる度に当該比率を算出し、一定値以上(例えば、60%)になった回数を記憶するようにしてもよい。なお、許容状態比率算出手段114が算出した許容状態滞在比率は、メイン制御基板63に実装された2つの7セグメントLED(図示省略)を用いて表示される。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図3のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図2参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)コマンド受信手段200
図3のコマンド受信手段200は、メイン制御基板63のコマンド送信手段113により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
図3の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27(本発明の「演出手段」に相当)に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。この場合、演出内容決定手段201は、報知用表示器60の報知態様に対応する報知演出を実行する演出内容に決定する。
例えば、演出内容決定手段201は、AT中に押し順ベルに内部当選した場合は、液晶表示器27に有利な押し順を表示するという演出内容に決定する。また、RT2〜RT5移行可能リプレイの当選時に、報知態様決定手段107により、報知用表示器60で有利な押し順を報知するという報知態様に決定された場合は、その報知態様に合せて、液晶表示器27で有利な押し順を表示するという演出内容に決定する。また、AT中に「チェリー」を含む識別番号に内部当選した場合は、例えば、液晶表示器27にチェリーの画像を表示するという演出内容に決定する。
また、AT許容状態がリミッタにより終了した際、遊技状態が第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)のいずれかに滞在している場合、演出内容決定手段201は、他の遊技状態(NOM、RT1〜RT2)では行われない特殊な演出を液晶表示器27で行うという演出内容に決定する。このときの演出内容の一例としては、例えば、第2有利RT(RT3)に滞在している場合は、背景画面を青色にした上で、「引き戻しチャンス!!」などの文字を表示する。第3有利RT(RT4)に滞在している場合は、背景画面を緑色にした上で、「引き戻しチャンス!!」などの文字を表示する。第4有利RT(RT5)に滞在している場合は、背景画面を赤色にした上で、「引き戻しチャンス!!」などの文字を表示する。
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202および音声制御手段203に送信する。
(3)表示制御手段202
図3の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。
(4)音声制御手段203
図3の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
ここで、上述の報知用表示器60、報知表示制御手段106および報知態様決定手段107に加えて、演出内容決定手段201が、RT2〜RT5移行可能リプレイの当選時に有利な押し順を報知するという演出内容に決定する機能、表示制御手段202や音声制御手段203が、演出内容決定手段201が決定した演出内容に基づいて液晶表示器27やスピーカ31L,31Rを制御する機能、液晶表示器27およびスピーカ31L,31Rを併せたものも、本発明の「報知手段」に相当する。
したがって、上記した実施形態によれば、第1有利RT(RT2)で上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選の結果、AT許容状態のリミッタによる強制終了に伴ってAT期間が終了する見込みとなっている状態であって、強制終了時のAT期間の余りゲーム数(AT期間が強制終了する際にAT期間遊技数カウンタ654に残っているカウント値)が100ゲーム以上となる見込みの状態で、RT3移行可能リプレイ(「URP3_1」〜「URP3_3」)に内部当選した場合は、報知用表示器60および液晶表示器27で、「RT3移行リプレイ」に入賞するための有利な押し順が報知される。また、第2有利RT(RT3)においては、AT期間の前記余りゲーム数が、200ゲーム以上となる見込みの状態で、RT4移行可能リプレイ(「URP4_1」〜「URP4_3」)に内部当選した場合は、報知用表示器60および液晶表示器27で、「RT4移行リプレイ」に入賞するための有利な押し順が報知される。また、第3有利RT(RT4)においては、AT期間の前記余りゲーム数が、300ゲーム以上となる見込みの状態で、RT5移行可能リプレイ(「URP5_1」〜「URP5_3」)に内部当選した場合は、報知用表示器60および液晶表示器27で、「RT5移行リプレイ」に入賞するための有利な押し順が報知される。このようにすると、上乗せ抽選手段100eによるゲーム数上乗せ抽選の結果、AT許容状態のリミッタによる強制終了に伴ってAT期間が強制終了となった場合であっても、その後、押し順ベルの取りこぼしが発生して遊技状態が通常RT(RT1)に移行するまでの間に、許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選すれば、再度のAT期間(いわゆる、AT期間の引き戻し)で有利な初期ゲーム数を得られるため、AT許容状態およびAT期間がリミッタにより終了して、遊技者の興趣が低下するのを抑えることができる。
また、AT期間の前記余りゲーム数が多いほど、AT期間が強制終了したときの遊技者の落胆は大きくなるが、この実施形態では、AT期間の前記余りゲーム数が多いほど、次のAT期間が得られた場合に、より有利な初期ゲーム数を得られる遊技状態(第2〜第4有利RT)に移行するように導かれるため、このような落胆を軽減することができる。
また、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数については、各遊技状態(NOM、RT1〜RT5)によって、有利/不利があるものの、AT非許容状態からAT許容状態に移行する期待度、および、非ATからAT(AT期間)に移行する期待度は同じであるため、遊技者に過度の射幸心を煽るのを防止することができる。また、不正行為者が無理やり第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)に移行させるという不正行為を行ったとしても、AT許容状態への移行抽選に自力で当選しないとAT期間の初期ゲーム数に対する恩恵は得られないため、不当な利益を得られにくくすることもできる。
また、初期ゲーム数が他の遊技状態よりも有利となる、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)への移行は、AT許容状態/AT非許容状態や、AT/非ATに関わらず、移行可能に構成されているため、AT期間が強制終了後に有利な状態に移行させるために特別な制御を行う必要がない。
また、各遊技状態(NOM、RT1〜RT5)で、許容状態移行役(識別番号18〜20)に当選してAT非許容状態からAT許容状態に移行した場合は、もれなくAT期間の初期ゲーム数が付与される。このようにすると、AT許容状態がリミッタで強制終了となった後、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)で許容状態移行役に当選したにも関わらず、初期ゲーム数(AT期間)が付与されずに遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、AT期間が強制終了となったときに、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)のいずれかに滞在している場合は、液晶表示器27で他の遊技状態の滞在時には行われない特殊な演出が行われるため、有利な遊技状態に滞在していることが分かり、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
また、遊技者に有利なAT遊技を許容するAT許容状態とするか否かが、一般的にセキュリティ性が高く不正を行い難く設計されているメイン制御基板63(抽選値判定決定手段103b)で決定される。そのため、AT遊技に対する不正を行い難くすることができ、AT許容当選か否かを公正な方法で決定することにより、AT遊技に対する不正対策を効率的に行うことができる。さらに、メイン制御基板63においてセキュリティ性が高く不正を行い難く設計されている役抽選手段103の決定結果とともにAT許容当選が一対一に対応付けされているため、AT許容当選か否かをより公正な方法で決定することができる。
また、この実施形態では、メイン制御基板63において一般的にセキュリティ性が高く不正を行い難く設計されている役抽選用の抽選値に、役抽選手段103の各役抽選結果と共にゲーム数上乗せ抽選を行うか否かが一対一に対応付けされている。そのため、遊技開始に基づいて生成される抽選値に基づいてゲーム数上乗せ抽選を行うか否かが一意に決定されるので、AT遊技に対する不正を行い難くすることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図15〜図22を参照して第1実施形態と異なるところを中心に説明する。
この実施形態が上記した第1実施形態のスロットマシン1と異なるところは、主に役構成として、通常RT(RT1)への移行可能な役であるRT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)が新たに設けられていることと、ボーナス役「RBB1」が許容状態移行役に加えられていることと、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)では、許容状態移行役である「RBB1」に当選しなければ、初期ゲーム数決定手段100dにより決定される初期ゲーム数が不利となる下位の遊技状態(例えば、第2有利RT(RT3)の場合は、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2))に移行しないように構成されていることである。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
この場合、遊技状態設定手段100bは、通常RT(RT1)、第1〜第4有利RT(RT2〜RT5)のいずれかでボーナス役「RBB1」に当選した場合は、当該ボーナス遊技状態(BB1)が終了したときに、遊技状態を初期RT(NOM)に設定し、遊技状態が初期RT(NOM)に移行する(図15参照)。
また、初期RT(NOM)において、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」(識別番号3〜5):図16参照)のいずれかで「RT1移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。
また、第1有利RT(RT2)において、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」(識別番号3〜5):図18参照)のいずれかで「RT1移行リプレイ」に入賞すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。遊技状態設定手段100bによる、通常RT(RT1)から第1有利RT(RT2)への移行設定、第1有利RT(RT2)から第2有利RT(RT3)への移行設定、第2有利RT(RT3)から第3有利RT(RT4)への移行設定、第3有利RT(RT4)から第4有利RT(RT5)への移行設定は、それぞれ第1実施形態と同じである。
なお、図22に示すように、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)は、いずれも入賞にかかる図柄組合せとしては、「RT1移行リプレイ」と「通常リプレイ」の2種類が設定されており、これらのどちらに優先入賞するかは、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順で異なるように構成されている。なお、上述の初期RT(NOM)および第1有利RT(RT2)において、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)で「通常リプレイ」に入賞した場合は、遊技状態は移行しない。
RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)の当選時の押し順と優先入賞の図柄組合せについて、具体的に説明すると、停止制御手段105は、RT1移行可能リプレイ「URP1_1」を含む識別番号3の当選時において、第1停止リールが左リール13Lとなる押し順(左→中→右、左→右→中)の場合は、「RT1移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図22参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。
また、停止制御手段105は、RT1移行可能リプレイ「URP1_2」を含む識別番号4の当選時において、第1停止リールが中リール13Mとなる押し順(中→左→右、中→右→左)の場合は、「RT1移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図22参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。
また、停止制御手段105は、RT1移行可能リプレイ「URP1_3」を含む識別番号5の当選時において、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順(右→左→右、右→中→左)の場合は、「RT1移行リプレイ」を優先し、その他の場合は「通常リプレイ」を優先してリール13L,13M,13Rの停止制御を行う(図22参照)。両図柄組合せは、取りこぼしのない図柄組合せであるため、優先された図柄組合せが必ず揃う(入賞する)。
なお、この実施形態では、新たに加えられたRT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)は、初期RT(NOM)および第1有利RT(RT2)で役抽選の対象に設定されている。図16に示すように、初期RT(NOM)では、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)のそれぞれの抽選値が「1000」に設定される。この抽選値は、第1実施形態の初期RT(NOM)の「NRP1」(識別番号1)の抽選値の一部が割り当てられており、その他の識別番号(当選役グループ)の抽選値は、第1実施形態の初期RT(NOM)と同じ値に設定されている。
また、図18に示すように、第1有利RT(RT2)では、RT1移行可能リプレイ(「URP1_1」〜「URP1_3」)のそれぞれの抽選値が「10000」に設定される。この抽選値は、第1実施形態の第1有利RT(RT2)の「NRP1」(識別番号1)および「NRP2」(識別番号2)の抽選値の一部が割り当てられており、その他の識別番号(当選役グループ)の抽選値は、第1実施形態の第1有利RT(RT2)と同じ値に設定されている。
図17に示す通常RT(RT1)の役抽選の対象となる識別番号(当選役グループ)とそれらの抽選値は、図6に示す第1実施形態の通常RT(RT1)と同じである。また、図19に示す第2有利RT(RT3)の役抽選の対象となる識別番号(当選役グループ)は、図8に示す第1実施形態の第2有利RT(RT3)と同じである。ただし、「NPR1」および「NRP2」の抽選値が異なり、それ以外の識別番号の抽選値については同じ値に設定される。したがって、「NPR1」と「NRP2」の抽選値の合算は、第1実施形態と同じとなる。
また、図20に示す第3有利RT(RT4)の役抽選の対象となる識別番号(当選役グループ)は、図9に示す第1実施形態の第3有利RT(RT4)と同じである。ただし、「NPR1」および「NRP2」の抽選値が異なり、それ以外の識別番号の抽選値については同じ値に設定される。したがって、「NPR1」と「NRP2」の抽選値の合算は、第1実施形態と同じとなる。
また、図21に示す第4有利RT(RT5)の役抽選の対象となる識別番号(当選役グループ)は、図10に示す第1実施形態の第4有利RT(RT5)と同じである。ただし、「NPR1」および「NRP2」の抽選値が異なり、それ以外の識別番号の抽選値については同じ値に設定される。したがって、「NPR1」と「NRP2」の抽選値の合算は、第1実施形態と同じとなる。
ここで、第1実施形態では、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)で押し順ベルの取りこぼしが発生した場合は、遊技状態が通常RT(RT1)に移行するように設定されているため、AT許容状態およびAT期間がリミッタにより終了した時点で、遊技状態が、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)のいずれかであった場合であっても、押し順ベルの取りこぼしが発生するまでの間に許容状態移行役に当選しなければ、次のAT期間が付与されるときに、有利な初期ゲーム数が決定されることはない。しかしながら、第2実施形態では、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)が下位の遊技状態に移行するのは、許容状態移行役としてのボーナス役「RBB1」に当選し、当該ボーナスが終了した後である。すなわち、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)では、許容状態移行役(RBB1)に当選しなければ他の遊技状態に移行しない。したがって、第2実施形態では、AT許容状態およびAT期間が、リミッタで強制終了となった時点で、遊技状態が第1〜第4有利RT(RT3〜RT5)のいずれかであった場合は、次のAT期間が付与されるときに、必ず有利な初期ゲーム数が付与されることになる。
なお、第2実施形態では、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)から初期RT(NOM)に移行するには、ボーナス役「RBB1」の当選が必要である場合について説明したが、ボーナス役「RBB1」に当選し、当該ボーナスが終了した後、初期RT(NOM)に移行せず、RT1やRT2に移行するようにしてもよい。
また、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)のAT非許容状態のときに、例えば、識別番号21〜23(「WM」、「CH」、「SP」)のいずれかに当選した場合は、AT許容状態に移行させるとともに、遊技状態を初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、第1有利RT(RT2)のいずれかに移行するようにしてもよい。
したがって、この実施形態によれば、第1実施形態で得られる効果に加え、一旦第2〜第3有利RT(RT3〜RT5)に移行すれば、他の遊技状態に移行しないように構成することで、AT許容状態およびAT期間の強制終了後で、次にAT期間が付与されるときには、必ず有利な初期ゲーム数が付与されるため、AT許容状態およびAT期間が強制終了となって、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、RT3〜RT5移行可能リプレイの当選時に有利な押し順を報知するための報知条件は、適宜変更することができる。例えば、RT移行可能リプレイに当選した時点での、許容状態移行役(識別番号18〜20等)の当選の有無や当選回数、AT期間やAT許容状態の継続ゲーム数、AT期間中の獲得メダルの総数などの遊技履歴を加味して、当該RT移行可能リプレイの当選時に有利な押し順を報知するか否かを決定するようにしてもよい。
また、上記した各実施形態では、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)に移行するための有利な押し順が報知される条件として、少なくともAT期間の終期が、リミッタに基づくAT許容状態の終期を超えることを必要としたが、AT期間の強制終了ではなく、AT期間遊技数カウンタ654のカウント値が0になる通常のAT期間の終了の場合であっても、AT期間中の遊技履歴が所定の報知条件を満たせば、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)に移行するための有利な押し順が報知されるように構成してもよい。
また、上記した各実施形態では、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)で再度AT期間が付与された場合(ATの引き戻し)は、初期ゲーム数が有利となるように構成したが、例えば、再度付与されたAT期間において、ゲーム数上乗せ抽選の上乗せゲーム数が有利であったり、上乗せ抽選が行われる役(許容状態移行役)の種類が増えて、より多くのゲーム数上乗せ抽選の機会が得られるようにしたりするなど、AT期間に関する処理が、他の遊技状態で付与されたAT期間の場合よりも有利であればよい。また、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)では、これらの初期ゲーム数、上乗せゲーム数、上乗せゲーム数契機などのAT期間に関する処理の1だけでなく、複数が有利となるようにしてもよい。
また、上記した各実施形態では、AT許容状態のリミッタ条件をゲーム数(1500ゲーム)で規定したが、AT許容状態で獲得したメダルの枚数または、増加したメダルの枚数が所定数(例えば、3000枚)に到達するとAT許容状態が強制終了となるなど、リミッタ条件をメダルの枚数で規定してもよい。この場合、初期ゲーム数決定手段100dの代わりに、初期獲得メダルを決定する初期獲得メダル決定手段を設けるとともに、上乗せ抽選手段100eでは、上乗せゲーム数の代わりに上乗せメダル枚数を決定する。ここで、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)に移行させるための報知条件としては、例えば、上乗せ抽選手段100eによるメダル数上乗せ抽選の結果から導出されるAT期間の終期が、リミッタに基づくAT許容状態の終期を超える場合に第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)に移行するための有利な押し順を報知するようにすればよい。この場合、初期獲得メダルと上乗せメダルの合計が、例えばリミッタ枚数を300枚超える場合は第2有利RT(RT3)への移行を許可し、600枚超える場合は第3有利RT(RT4)への移行を許可し、900枚超える場合は第4有利RT(RT5)への移行を許可するなど、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)への移行にかかる報知条件を設定する。なお、この構成において、初期獲得メダル決定手段が初期獲得メダルを決定する機能、および、上乗せ抽選手段100eが上乗せメダル枚数を決定する機能が、本発明の「付与総数決定手段」に相当する。
また、上記した各実施形態では、初期ゲーム数決定手段100dが決定する初期ゲーム数が有利な遊技状態として、第2〜第4有利RT(RT3〜RT5)の種類設ける場合について説明したが、AT期間に関する処理が有利となる遊技状態の種類については、適宜増減することができる。
また、上記した各実施形態では、ゲーム数上乗せ抽選の結果、AT期間の終期が、リミッタによるAT許容状態の終期を100ゲーム超える場合に、第2有利RT(RT3)に移行するための有利な押し順が報知用表示器60などで報知されるように構成したが、AT期間の終期が、リミッタによるAT許容状態の終期を1ゲームでも超えれば、第2有利RT(RT3)に移行するための有利な押し順が報知用表示器60などで報知されるように構成してもよい。この場合、第3、第4有利RT(RT4、RT5)に移行するための有利な押し順が報知される条件も、適宜ずらせばよい。
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。また、本発明の表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用いて、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させることにより構成してもよい。また、可変表示列の数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数の可変表示列を構成すればよい。
そして、複数種類の図柄を可変表示する可変表示列を複数有する表示手段と、前記可変表示列それぞれの可変表示を停止させる停止操作手段とを備え、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技者に特典を付与する遊技機に本発明を広く適用することができる。