JP6885125B2 - 搬送装置、画像形成装置、及び搬送プログラム - Google Patents

搬送装置、画像形成装置、及び搬送プログラム Download PDF

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Description

本発明は、搬送装置、画像形成装置、及び搬送プログラムに関する。
特許文献1には、加熱回転体から加圧回転体に与えられた熱量に応じて、加圧回転体の回転速度を制御する定着装置が開示されている。
また、特許文献2には、被搬送媒体を回転方向に搬送する第1搬送手段及び第2搬送手段を備えた搬送装置が開示されている。この搬送装置は、第1搬送手段のみにより被搬送媒体が搬送される際の第1搬送手段に作用するトルクと、第1搬送手段及び第2搬送手段の双方により被搬送媒体が搬送される際の第1搬送手段に作用するトルクとの比較結果に応じて、第2搬送手段の回転速度を制御する。
また、特許文献3には、画像形成に供するシートの厚みに応じて、シートを搬送する搬送ローラ対の回転速度を制御する画像形成装置が開示されている。
特開2015−069092号公報 特開2011−081347号公報 特開2013−003394号公報
ところで、記録媒体を搬送する搬送手段を有する搬送装置では、搬送手段の経年による状態の変化等に伴い、基準速度で記録媒体を搬送させるように搬送手段を制御した場合でも、実際の搬送速度が基準速度と異なる速度になってしまう場合がある。
本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段を駆動する駆動手段の負荷を用いて、記録媒体の搬送速度を基準速度に近付けることができる搬送装置、画像形成装置、及び搬送プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の搬送装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、入力された信号に従って前記搬送手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段の負荷を検出する検出手段と、基準速度に対応する信号を前記駆動手段に入力することにより前記記録媒体を搬送させた場合の前記記録媒体が前記搬送手段に突入する際の前記負荷のピーク値が前記検出手段により検出されてから、前記搬送手段から排出される際の前記負荷のピーク値が前記検出手段により検出されるまでの期間及び前記記録媒体の搬送方向の長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、複数の前記記録媒体を連続的に搬送する場合、最初から予め定められた数の前記記録媒体における前記期間及び前記長さから求まる搬送速度の各々の平均値と前記基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基準速度が、予め定められた基準の厚さの前記記録媒体について定められた速度であり、前記搬送手段が、画像を前記記録媒体に定着させる定着装置であり、前記制御手段が、前記記録媒体の厚さが前記基準の厚さより厚い場合、前記基準速度を前記基準の厚さの記録媒体に対応する速度よりも速くして前記記録媒体を搬送させた場合の前記期間及び前記長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記速くした基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御するものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基準速度が、予め定められた基準の厚さの前記記録媒体について定められた速度であり、前記搬送手段が、画像を前記記録媒体に定着させる定着装置であり、前記制御手段が、前記記録媒体の厚さが前記基準の厚さより薄い場合、前記基準速度を前記基準の厚さの記録媒体に対応する速度よりも遅くして前記記録媒体を搬送させた場合の前記期間及び前記長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記遅くした基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御するものである。
一方、上記目的を達成するために、請求項に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項の何れか1項に記載の搬送装置と、前記搬送装置により搬送される記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備える。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載の搬送プログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項の何れか1項に記載の搬送装置の制御手段として機能させるためのものである。
請求項1、請求項、及び請求項に記載の発明によれば、記録媒体を搬送する搬送手段を駆動する駆動手段の負荷を用いて、記録媒体の搬送速度を基準速度に近付けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、記録媒体の厚さに応じて、定着装置による定着不良の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、記録媒体の厚さに応じて、定着装置による定着不良の発生を抑制することができる。
実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す破断側面図である。 実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。 トルク検出部による検出結果の時系列データの一例を示すグラフである。 実施の形態に係る搬送速度制御処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。なお、以下では、黄色をY、マゼンタ色をM、シアン色をC、黒色をKで表すと共に、各構成部品及び画像を色毎に区別する必要がある場合には、符号の末尾に各色に対応する色の符号(Y、M、C、K)を付して説明する。また、以下では、各構成部品及び画像を色毎に区別せずに総称する場合には、符号の末尾の色の符号を省略して説明する。
(全体構成)
図1に示すように、画像形成装置10の装置本体10Aの内部には、入力された画像データをY、M、C、Kの4色の階調データに変換する画像処理を行う画像処理部12が設けられている。
また、装置本体10Aの中央側には、各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット16が、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置されている。また、各色の画像形成ユニット16の鉛直方向の上方には、各色の画像形成ユニット16で形成されたトナー画像が多重に転写される一次転写ユニット18が設けられている。
さらに、一次転写ユニット18の側方(図1の左側)には、後述する供給搬送ユニット30によって搬送経路60に沿って搬送された記録媒体Pに、一次転写ユニット18に多重に転写されたトナー画像を転写する二次転写ロール22が設けられている。
二次転写ロール22に対して記録媒体Pの搬送方向(以下、単に「搬送方向」という)の下流側には、定着装置24が設けられている。定着装置24は、記録媒体Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によって記録媒体Pに定着させる。なお、定着装置24は、記録媒体Pを搬送する搬送手段の一例である。
また、定着装置24に対して搬送方向の下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部26に排出する排出ロール28が設けられている。
一方、画像形成ユニット16の鉛直方向の下方及び側方には、記録媒体Pを供給し搬送する供給搬送ユニット30が設けられている。また、一次転写ユニット18の鉛直方向の上方には、装置本体10Aの正面から装置本体10Aに対して着脱可能とされ、後述する現像器38に補給されるトナーが充填されるトナーカートリッジ14が色別に4個(14K〜14Y)装置幅方向に並んで配置されている。各色のトナーカートリッジ14は、装置奥行方向に延びる円柱状とされ、各色の現像器38と図示しない補給管を介して接続されている。
(画像形成ユニット)
図1に示すように、各色の画像形成ユニット16は、すべて同様に構成されている。本実施の形態に係る画像形成ユニット16は、回転する円柱状の像保持体34と、像保持体34の表面を帯電させる帯電器36と、を備えている。
また、画像形成ユニット16は、帯電した像保持体34の表面に静電潜像を形成する露光光を照射するLED(Light Emitting Diode)ヘッド32を備えている。また、画像形成ユニット16は、LEDヘッド32による露光光の照射によって形成された静電潜像を現像剤(本実施の形態では、負極に帯電したトナー)で現像してトナー画像として可視化する現像器38を備えている。また、画像形成ユニット16は、像保持体34の表面を清掃する図示しない清掃ブレードを備えている。
現像器38には、像保持体34と対向して現像ロール39が配置されており、現像器38は、現像ロール39を用いて像保持体34に形成された静電潜像を現像剤で現像してトナー画像として可視化する。
そして、帯電器36、LEDヘッド32、現像ロール39、及び清掃ブレードは、像保持体34の表面と対向して、像保持体34の回転方向(図1の例では反時計回りの方向)の上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
(転写部(一次転写ユニット・二次転写ロール))
一次転写ユニット18は、無端状の中間転写ベルト42と、中間転写ベルト42が巻き掛けられ、モータにより回転駆動して中間転写ベルト42を矢印E方向に周回させる駆動ロール46と、を備えている。また、一次転写ユニット18は、中間転写ベルト42が巻き掛けられ、中間転写ベルト42に張力を付与する張力付与ロール48と、張力付与ロール48の鉛直方向上方に配置されて中間転写ベルト42と従動回転する補助ロール50と、を備えている。また、一次転写ユニット18は、中間転写ベルト42を挟んで各色の像保持体34の反対側に各々配置される一次転写ロール52を備えている。
以上の構成により、各色の画像形成ユニット16の像保持体34上に順次形成されたY、M、C、Kの各色のトナー画像が、各色の一次転写ロール52によって、中間転写ベルト42上に多重に転写される。
さらに、中間転写ベルト42の表面に接して中間転写ベルト42の表面を清掃する清掃ブレード56が、中間転写ベルト42を挟んで駆動ロール46の反対側に配置されている。
また、中間転写ベルト42を挟んで補助ロール50の反対側には、中間転写ベルト42上に転写されたトナー画像を、搬送される記録媒体Pに転写する二次転写ロール22が設けられている。二次転写ロール22は接地されており、補助ロール50は二次転写ロール22の対向電極を形成しており、補助ロール50に二次転写電圧が印加されることにより、記録媒体Pにトナー画像が転写される。
(供給搬送ユニット)
供給搬送ユニット30は、装置本体10A内において、画像形成ユニット16に対して鉛直方向の下方に配置され、複数の記録媒体Pが積載される給紙部材62を備えている。
さらに、供給搬送ユニット30は、給紙部材62に積載された記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す給紙ロール64と、給紙ロール64によって送り出された記録媒体Pを1枚ずつ分離する分離ロール66と、記録媒体Pの搬送タイミングを合わせる位置合わせロール68と、を備えている。そして、各ロールが、搬送方向の上流側から下流側に向けてこの順番で配置されている。
以上の構成により、給紙部材62から供給された記録媒体Pは、回転する位置合わせロール68によって中間転写ベルト42と二次転写ロール22との接触部(二次転写位置)へ定められたタイミングで送り出される。
本実施の形態に係る定着装置24は、加熱ベルト24A及び加圧ロール24Bを備えている。定着装置24は、電磁誘導を利用して加熱ベルト24Aを発熱させる方式の定着装置、所謂IH(Induction Heating)方式の定着装置である。また、加圧ロール24Bは、駆動手段の一例としてのモータ122(図2参照)により駆動(回転)し、加熱ベルト24Aは、加圧ロール24Bの回転に伴い、従動して回転する。
以上の構成により、定着装置24に搬送された記録媒体Pは、定着装置24により加熱及び加圧されて、記録媒体Pの一方の面(画像形成面)にトナー画像が定着される。
さらに、供給搬送ユニット30は、定着装置24によって一方の面にトナー画像が定着された記録媒体Pを、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出させずに、他方の面にトナー画像を形成するために用いる両面搬送装置70を備えている。
両面搬送装置70は、排出ロール28から位置合わせロール68に向けて記録媒体Pの表裏が反転されて記録媒体Pが搬送される両面搬送経路72と、両面搬送経路72に沿って記録媒体Pを搬送する搬送ロール74及び搬送ロール76とを備えている。
(その他)
画像形成装置10は、搬送経路60に沿って定着装置24の上流側に設けられた媒体検知センサ82を備えている。本実施の形態に係る媒体検知センサ82は、一例として、一組の発光素子及び受光素子を備えた反射型のセンサである。媒体検知センサ82は、発光素子から設置位置に対応する搬送経路60上の検知位置に対して光を照射する。また、媒体検知センサ82は、受光素子で受光した光量に応じた信号レベルの信号(以下、「検知信号」という)を出力する。記録媒体Pが上記検知位置を通過している期間は、発光素子から照射された光が記録媒体Pにより反射される。従って、媒体検知センサ82は、記録媒体Pが上記検知位置を通過している期間と通過していない期間とで異なる信号レベルの検知信号を出力する。
このように、本実施の形態では、媒体検知センサ82として、反射型のセンサを適用しているが、これに限定されず、例えば、透過型のセンサ等、他のセンサを適用してもよい。
(画像形成工程)
まず、画像処理部12から各色のLEDヘッド32に対応する色の階調データが順次出力される。そして、LEDヘッド32により、入力された階調データに応じた露光光が出射される。LEDヘッド32から出射された露光光は、帯電器36によって帯電された像保持体34の表面に照射される。これにより、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34上に形成された静電潜像は、各色の現像器38によって現像され、各々Y、M、C、Kの各色のトナー画像として可視化される。
さらに、一次転写ユニット18の一次転写ロール52によって、像保持体34上に形成された各色のトナー画像が、周回する中間転写ベルト42上に多重に転写される。
中間転写ベルト42上に多重に転写された各色のトナー画像は、給紙部材62から給紙ロール64、分離ロール66、位置合わせロール68によって搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写ロール22によって二次転写位置で二次転写される。
さらに、トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置24へと搬送される。そして、トナー画像が定着装置24によって記録媒体Pに定着される。トナー画像が定着された記録媒体Pは、排出ロール28によって排出部26に排出される。
一方、記録媒体Pの両面に画像を形成させる場合は、定着装置24によって一方の面(表面)にトナー画像が定着された記録媒体Pは、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出されない。この場合、排出ロール28が逆回転されることで、記録媒体Pの搬送方向が切り替えられる。そして、この記録媒体Pは、搬送ロール74、76により両面搬送経路72に沿って搬送される。
両面搬送経路72に沿って搬送された記録媒体Pは、表裏が反転されて再度位置合わせロール68へと搬送される。そして、記録媒体Pの他方の面(裏面)にトナー画像が転写及び定着された後、記録媒体Pは、排出ロール28によって排出部26に排出される。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成について説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成装置10の全体的な動作を司るCPU(Central Processing Unit)100、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)102を備えている。また、画像形成装置10は、CPU100による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)104、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部106を備えている。
また、画像形成装置10は、外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(Interface)部108を備えている。また、画像形成装置10は、画像形成装置10に対するユーザからの指示を受け付ける一方、ユーザに対して画像形成装置10の動作状況等に関する各種情報を表示する操作表示部110を備えている。なお、操作表示部110は、例えば、プログラムの実行により操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示される表示面にタッチパネルが設けられたディスプレイ、及びテンキーやスタートボタン等のハードウェアキーを含む。
また、画像形成装置10は、加圧ロール24Bを回転駆動するモータ122の負荷(トルク)を検出する検出手段の一例としてのトルク検出部124を備えている。本実施の形態に係るトルク検出部124は、モータ122に接続されており、モータ122のトルクを、モータ122に流れる電流値として検出する。
なお、本実施の形態に係るトルク検出部124の構成は、モータ122のトルクを検出可能であれば特に限定されない。例えば、トルク検出部124として、シャント抵抗間の電圧値を測定して電流値を検出する構成のものを適用してもよい。また、例えば、トルク検出部124として、モータ122に電流が流れる経路上に抵抗を設け、該抵抗間の電圧値を測定して電流値を検知する構成のものを適用してもよい。また、例えば、トルク検出部124として、モータ122に電流が流れる経路上にホール素子による電流センサを設けて電流値を検知する構成のものを適用してもよい。また、トルク検出部124は、検出した電流値を電圧値に変換して出力する構成でもよい。さらに、例えば、トルク検出部124として、モータ122のトルクを検出するトルク検出器を適用してもよい。
また、画像形成装置10は、前述した画像形成ユニット16や一次転写ユニット18等の記録媒体Pに対する画像形成に関する各種処理を行う構成部位を含む画像形成部116を備えている。そして、CPU100、ROM102、RAM104、記憶部106、通信回線I/F部108、操作表示部110、モータ122、トルク検出部124、画像形成部116、及び媒体検知センサ82の各部がアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス118を介して互いに接続されている。
以上の構成により、本実施の形態に係る画像形成装置10は、CPU100により、ROM102、RAM104、及び記憶部106に対するアクセス、並びに通信回線I/F部108を介した外部装置との間での通信データの送受信を各々行う。また、画像形成装置10は、CPU100により、操作表示部110を介した各種指示情報の取得、及び操作表示部110に対する各種情報の表示を各々行う。
また、画像形成装置10は、CPU100により、モータ122にパルス信号を入力することによって、加圧ロール24Bの回転速度、すなわち、定着装置24による記録媒体Pの搬送速度(以下、単に「搬送速度」ともいう)を制御する。また、画像形成装置10は、CPU100により、トルク検出部124から出力された電流値の取得、及び画像形成部116の制御を各々行う。
さらに、画像形成装置10は、CPU100により、媒体検知センサ82から出力された検知信号を取得する。従って、画像形成装置10は、CPU100により、取得した検知信号の信号レベルによって、記録媒体Pが媒体検知センサ82による検知位置を通過しているか否かを検知する。
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、トルク検出部124により検出される電流値は、記録媒体Pの定着装置24への突入時及び排出時によって変わる。
一例として図3に示すように、記録媒体Pが定着装置24に突入する際には、電流値は増加して電流値が大きい側(負荷が大きい側)に凸(図3に示す例では上に凸)のピーク値となる。また、記録媒体Pが定着装置24から排出される際には、電流値は減少して電流値が小さい側(負荷が小さい側)に凸(図3に示す例では下に凸)のピーク値となる。なお、図3の縦軸は、トルク検出部124により検出される電流値を示し、図3の横軸は時間を示している。また、以下では、ピーク値として、頂部である最大値又は底部である最小値を適用した例を用いて説明するが、これに限定されない。例えば、ピーク値として、最大値付近の最大値より小さい値又は最小値付近の最小値より大きい値を適用してもよく、本実施の形態で述べるピーク値にはこれらも含まれる。
一方、本実施の形態に係る画像形成装置10は、記録媒体Pに画像を形成する場合に、予め定められた基準の厚さ(本実施の形態では普通紙の厚さ)の記録媒体Pについて定められた基準速度に対応するパルス信号をモータ122に入力する制御を行う。この制御により、画像形成装置10は、定着装置24によって基準速度で記録媒体Pを搬送する制御を行う。しかしながら、この場合、定着装置24の経年による状態の変化及び加熱ベルト24Aの加熱時における加圧ロール24Bの熱膨張等に起因して、定着装置24による記録媒体Pの実際の搬送速度が、基準速度とは異なる速度となってしまう場合がある。
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10は、記録媒体Pが定着装置24に突入する際の電流値のピーク値が検出されてから、定着装置24から排出される際のピーク値までの期間と記録媒体Pの搬送方向の長さとを用いて、搬送速度を導出する。そして、画像形成装置10は、導出した搬送速度と基準速度との差を低減させるように、モータ122を制御する。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図4は、CPU100によって実行される搬送速度制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本搬送速度制御処理プログラムは、例えば、複数枚の記録媒体Pに対して連続的に画像を形成する形成指示が画像形成装置10に入力された場合に実行される。
また、本搬送速度制御処理プログラムはROM102に予めインストールされている。また、ここでは、錯綜を回避するために、上記形成指示とともに、画像の形成対象とする記録媒体Pのサイズ及び厚さ等を含む記録媒体情報も入力されるものとする。また、ここでは、錯綜を回避するために、記録媒体Pに画像を形成する処理については説明を省略する。また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、定着装置24による記録媒体Pの搬送速度は、二次転写ロール22及び中間転写ベルト42による記録媒体Pの搬送速度よりも遅い速度とされている。すなわち、この搬送速度の差によって、記録媒体Pが予め定められたたわみ量(所謂ループ量)の分たわんだ状態で、定着装置24により画像が記録媒体Pに定着される。本実施の形態では、この搬送速度の差は、普通紙の厚さの記録媒体Pに応じて予め定められている。
図4のステップ130で、CPU100は、記録媒体情報から記録媒体Pの厚さを取得する。次のステップ132で、CPU100は、ステップ130で取得された厚さが、普通紙の厚さであるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ134に移行する。
ステップ134で、CPU100は、基準速度に対応するパルス信号をモータ122に入力する。モータ122は、入力されたパルス信号に従って加圧ロール24Bを駆動する。なお、CPU100は、定着装置24以外の記録媒体Pを搬送する搬送部材についても、基準速度に対応する搬送速度で記録媒体Pを搬送させるように駆動する。
一方、ステップ132の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ136に移行する。ステップ136で、CPU100は、ステップ130で取得された厚さが、普通紙の厚さよりも厚いか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、CPU100は記録媒体Pが厚紙であると見なして、処理はステップ138に移行する。ステップ138で、CPU100は、普通紙の厚さの記録媒体Pに応じて定められた基準速度より速い速度に対応するパルス信号をモータ122に入力する。すなわち、記録媒体Pが厚紙である場合は、定着装置24と二次転写ロール22及び中間転写ベルト42との双方により記録媒体Pが搬送される際のループ量が普通紙の場合よりも低減する。仮に記録媒体Pが厚紙である場合に、ループ量を普通紙の場合よりも低減しないと、記録媒体Pの腰に起因したループが戻ろうとする力が発生し、二次転写位置での色合わせや倍率の変化が生じる。
一方、ステップ136の判定が否定判定となった場合は、CPU100は記録媒体Pが薄紙であると見なして、処理はステップ140に移行する。ステップ140で、CPU100は、普通紙の厚さの記録媒体Pに応じて定められた基準速度より遅い速度に対応するパルス信号をモータ122に入力する。すなわち、記録媒体Pが薄紙である場合は、定着装置24と二次転写ロール22及び中間転写ベルト42との双方により記録媒体Pが搬送される際のループ量が普通紙の場合よりも増大する。記録媒体Pが薄紙である場合、普通紙に比べて紙しわが発生しやすく、定着装置24と二次転写位置との間の記録媒体Pに形成するループ量を大きくしたほうが好ましい。
ステップ142で、CPU100は、記録媒体Pの搬送方向の先端が媒体検知センサ82による検知位置を通過するまで待機する。CPU100は、予め定められた取得間隔で
媒体検知センサ82から出力された検知信号を取得し、取得した検知信号の信号レベルによって、記録媒体Pの搬送方向の先端が媒体検知センサ82による検知位置を通過したか否かを判定する。CPU100が、記録媒体Pの搬送方向の先端が媒体検知センサ82による検知位置を通過したと判定すると、ステップ142の判定が肯定判定となり、処理はステップ144に移行する。
ステップ144で、CPU100は、トルク検出部124から出力された電流値を取得する。次のステップ146で、CPU100は、直前のステップ144で取得された電流値が上に凸のピーク値であるか否かを判定する。具体的には、一例として、CPU100は、ステップ144で取得された電流値が閾値TH1以上となった場合に、電流値が上に凸のピーク値であると判定する。この場合の閾値TH1としては、画像形成装置10の実機を用いた実験等により、上に凸のピーク値の下限値として予め得られた値等を適用すればよい。ステップ146の判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ148に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップ150に移行する。
ステップ148で、CPU100は、ステップ146で上に凸のピーク値と判定された電流値が取得された時刻をRAM104に記憶する。一方、ステップ150で、CPU100は、直前のステップ144で取得された電流値が下に凸のピーク値であるか否かを判定する。具体的には、一例として、CPU100は、ステップ144で取得された電流値が閾値TH2以下となった場合に、電流値が下に凸のピーク値であると判定する。この場合の閾値TH2としては、画像形成装置10の実機を用いた実験等により、下に凸のピーク値の上限値として予め得られた値等を適用すればよい。ステップ150の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ144に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップ152に移行する。
なお、本実施の形態では、ステップ144によるトルク検出部124から出力された電流値の取得処理は、予め定められた取得間隔(サンプリングレート。本実施の形態では10ms間隔)で取得するものとされている。
ステップ152で、CPU100は、記録媒体情報から記録媒体Pのサイズを取得し、取得したサイズから記録媒体Pの搬送方向の長さを導出する。なお、記録媒体Pが非定型の場合等、記録媒体情報から記録媒体Pのサイズが取得されない場合、CPU100は、以下に示すように、記録媒体Pの搬送方向の長さを導出してもよい。すなわち、この場合、CPU100は、媒体検知センサ82から出力された検知信号に従って、記録媒体Pの先端が媒体検知センサ82による検知位置を通過してから、後端が検知位置を通過するまでの期間を導出する。そして、この場合、CPU100は、定着装置24による記録媒体Pの搬送速度に、導出した期間を乗算することによって、記録媒体Pの搬送方向の長さを導出する。
ステップ154で、CPU100は、以下に示す(1)式に従って、定着装置24による記録媒体Pの搬送速度の実測値Sを導出する。なお、(1)式におけるLは、ステップ152で導出された記録媒体Pの搬送方向の長さである。また、(1)式におけるT1は、ステップ150で下に凸のピーク値であると判定された電流値が取得された時刻である。また、(1)式におけるT2は、ステップ148でRAM104に記憶された、上に凸のピーク値であると判定された電流値が取得された時刻である。
S=L÷(T1−T2)・・・(1)
ステップ156で、CPU100は、2枚目以降の記録媒体Pに画像を形成する制御を行う。この制御を行う際、CPU100は、記録媒体Pの厚さに応じてステップ134、ステップ138、又はステップ140で設定された基準速度と、ステップ154で導出された実測値Sとの差を低減させるように、モータ122を制御する。ステップ156の処理が終了すると、本搬送速度制御処理が終了する。
具体的な例として、記録媒体Pが普通紙であり、CPU100が、ステップ134で、基準速度(例えば308[mm/s])に対応するパルス信号(例えば30800[パルス/秒])をモータ122に入力した場合について説明する。また、この場合にステップ152で取得された記録媒体Pの搬送方向の長さが420[mm]である場合について説明する。また、この場合に、上記上に凸のピーク値が取得されてから上記下に凸のピーク値が取得されるまでの期間(すなわち、(1)式におけるT1−T2)が1380[msec]である場合について説明する。
この場合、CPU100は、上記ステップ154で、上記(1)式に従って、実測値Sを304.34[mm/s](=420[mm]÷1380[msec])と導出する。また、この場合、CPU100は、上記ステップ156で、基準速度と実測値Sとの差である3.66[mm/s](=308[mm/s]−304.34[mm/s])の分、定着装置24による記録媒体Pの搬送速度が速くなるように、パルス信号をモータ122に入力する。すなわち、この場合、CPU100は、2枚目以降の記録媒体Pに画像を形成する際に、モータ122に3.66[mm/s]に対応する分だけ、基準速度に対応するパルス信号よりもパルス数を増やしたパルス信号(例えば31166[パルス/秒])をモータ122に入力する。
なお、上記実施の形態では、IH方式の定着装置を用いた場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ハロゲンランプ等を用いた別の方式の定着装置を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、搬送速度の制御対象として、定着装置24を適用する場合について説明したが、これに限定されない。搬送速度の制御対象として、位置合わせロール68、及び二次転写ロール22と中間転写ベルト42等の定着装置24以外の記録媒体Pを搬送する搬送手段を適用する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、記録媒体Pの厚さを記録媒体情報から取得する場合について説明したが、これに限定されない。図3に示した電流値の時系列データの上に凸のピーク値は、記録媒体Pが厚いほど大きい値となるため、上に凸のピーク値から記録媒体Pの厚さを導出する形態としてもよい。この場合、上に凸のピーク値と記録媒体Pの厚さとが対応付けられたルックアップテーブルや演算式等を用いて、上に凸のピーク値から記録媒体Pの厚さを導出する形態が例示される。
同様に、図3に示した電流値の時系列データの下に凸のピーク値は、記録媒体Pが厚いほど小さい値となるため、下に凸のピーク値から記録媒体Pの厚さを導出する形態としてもよい。また、上に凸のピーク値と下に凸のピーク値との差から記録媒体Pの厚さを導出する形態としてもよい。
また、上記実施の形態において、実測値Sを最初の複数枚の記録媒体Pについて各々導出し、以降の記録媒体Pに画像を形成する際に、導出した実測値Sの平均値と基準速度との差を低減させる制御を行う形態としてもよい。この場合、例えば、加圧ロール24Bの温度変動が大きい場合等のノイズ成分が含まれる場合でも、定着装置24による搬送速度が基準速度に、より近付けられる。
また、上記実施の形態では、搬送速度制御処理プログラムがROM102に予めインストールされている場合について説明したが、これに限定されない。例えば、搬送速度制御処理プログラムが、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記憶媒体に格納されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、搬送速度制御処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、搬送速度制御処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置10の構成(図1及び図2参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態で説明した搬送速度制御処理プログラムの処理の流れ(図4参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
10 画像形成装置
24 定着装置
24A 加熱ベルト
24B 加圧ロール
100 CPU
102 ROM
122 モータ
124 トルク検出部
P 記録媒体

Claims (5)

  1. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    入力された信号に従って前記搬送手段を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の負荷を検出する検出手段と、
    基準速度に対応する信号を前記駆動手段に入力することにより前記記録媒体を搬送させた場合の前記記録媒体が前記搬送手段に突入する際の前記負荷のピーク値が前記検出手段により検出されてから、前記搬送手段から排出される際の前記負荷のピーク値が前記検出手段により検出されるまでの期間及び前記記録媒体の搬送方向の長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、複数の前記記録媒体を連続的に搬送する場合、最初から予め定められた数の前記記録媒体における前記期間及び前記長さから求まる搬送速度の各々の平均値と前記基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する、
    搬送装置。
  2. 前記基準速度は、予め定められた基準の厚さの前記記録媒体について定められた速度であり、
    前記搬送手段は、画像を前記記録媒体に定着させる定着装置であり、
    前記制御手段は、前記記録媒体の厚さが前記基準の厚さより厚い場合、前記基準速度を前記基準の厚さの記録媒体に対応する速度よりも速くして前記記録媒体を搬送させた場合の前記期間及び前記長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記速くした基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する、
    請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記基準速度は、予め定められた基準の厚さの前記記録媒体について定められた速度であり、
    前記搬送手段は、画像を前記記録媒体に定着させる定着装置であり、
    前記制御手段は、前記記録媒体の厚さが前記基準の厚さより薄い場合、前記基準速度を前記基準の厚さの記録媒体に対応する速度よりも遅くして前記記録媒体を搬送させた場合の前記期間及び前記長さから求まる前記記録媒体の搬送速度と、前記遅くした基準速度との差を低減させるように前記駆動手段を制御する、
    請求項1に記載の搬送装置。
  4. 請求項1から請求項の何れか1項に記載の搬送装置と、
    前記搬送装置により搬送される記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    を備えた画像形成装置。
  5. コンピュータを、請求項1から請求項の何れか1項に記載の搬送装置の制御手段として機能させるための搬送プログラム。
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