JP6884729B2 - 接合材、及び接合材の製造方法 - Google Patents

接合材、及び接合材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、接合材、及び接合材の製造方法に関する。
従来から電子部品の接合材として、半田の材料が知られている。半田の材料は、耐熱性に劣る傾向がある。例えば、150℃以上の高温が見込まれるSiC素子の接合材として、半田の材料を適用することは困難である。
特許文献1は、銀粒子を分散媒に分散させたペーストを用いて複数の部材を接合する接合方法を開示している。銀粒子を分散媒に分散させたペーストは耐熱性に優れる。ところが、銀粒子を分散媒に分散させたペーストにあっては、イオンマイグレーションの発生等の問題があった。
そこで特許文献2は、銅ナノ粒子を分散溶媒中に均一に分散してなる分散液からなる銅ナノ粒子ペーストを含んでなる接合材を開示している。銅を主成分とする金属粒子を含むペースト状の接合材は、銀粒子を分散媒に分散させたペーストの代替として有用である。ところがペースト状の接合材にあっては、被接合材の接合面に均一に塗布することが困難であり、扱いにくいという問題があった。
通常、ペースト状の接合材には、粘度の調整や分散性の確保のためにバインダーや分散剤が用いられており、被接合材の接合時の焼成温度が有機成分の分解温度に依存してしまうという問題があった。また、銅ナノ粒子の表面等に有機成分が残存することで、ボイドやクラックの原因となるため、接合力の低下の要因となるという問題があった。加えて、接合層を厚くするとボイドやクラックの発生リスクが高くなるため応力緩和として期待できる接合層の厚膜化を実施することが困難であった。
このような状況下で、銅粒子を含むシート状の接合材が提案されている(特許文献3〜5)。銅粒子を含むシート状の接合材は、接合の際に扱いやすい。
特開2011−71301号公報 特開2014−167145号公報 特開2013−39580号公報 特開2013−236090号公報 特開2015−104748号公報
銅粒子を含むシート状の接合材にあっては、部材の接合を不活性雰囲気下で行うと、銅ナノ粒子の焼結が良好に進行しにくく、接合層の強度が不十分になる傾向があり、部材間の接合力が低下するおそれがある。そのため、部材の接合の際には、部材間の接合力をさらに強くするために、水素ガス等の還元性雰囲気が使用される場合がある。
しかし、工業施設においては、還元性ガスの使用は排気ガスの処理工程の複雑化の原因となり、還元性ガスを処理する設備が必要とされる。
本発明は、部材の接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合力を発揮する接合材を提供することを課題とする。
本発明は下記に関する。
[1] 銅を主成分とし、平均粒子径が300nm以下である銅微粒子を含む板状又はシート状の接合材であって、前記銅微粒子を還元する還元剤をさらに含む、接合材。
[2] 前記還元剤が、ポリオール溶媒及び有機酸のいずれか一方又は両方を含む、[1]の接合材。
[3] 前記還元剤が、水酸化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンのいずれか一方又は両方をさらに含む、[2]の接合材。
[4] 前記還元剤の含有量が、前記銅微粒子100質量%に対し1.52質量%以上11.1質量%未満である、[1]〜[3]のいずれかの接合材。
[5] 前記銅微粒子の比表面積に対する質量酸素濃度の割合が、0.1〜1.2質量%・g/mである、[1]〜[4]のいずれかの接合材。
[6] 前記銅微粒子の比表面積に対する質量炭素濃度の割合が、0.008〜0.3質量%・g/mである、[1]〜[5]のいずれかの接合材。
[7] 厚さが100〜1000μmである、[1]〜[6]のいずれかの接合材。
[8] 銅を主成分とし、平均粒子径が300nm以下である銅微粒子を含む板状又はシート状の接合材の製造方法であって、
前記銅微粒子を還元する還元剤と前記銅微粒子とを混合し、
前記銅微粒子と前記還元剤とを含む混合物を加圧して、板状又はシート状に成形する、接合材の製造方法。
[9] 前記混合物を加圧する際の圧力が、10MPa以上である、[8]の接合材の製造方法。
本発明によれば、部材の接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合力を発揮する接合材を提供できる。
本発明の検証試験に用いた接合材を製造するための冶具の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の検証試験に用いた接合体の構成を説明するための斜視図である。 本発明の検証試験1,2の結果に基づく接合圧力とせん断強度の関係を示すグラフである。 本発明の検証試験おける接合材の還元剤の濃度、接合時の雰囲気と得られる接合体のせん断強度との関係を示す図である。
本明細書における下記の用語の意味は以下の通りである。
銅粒子の「平均粒子径」は、銅粒子が球形である場合、球の直径を意味し、銅粒子が楕円球形である場合、長径方向の長さを意味する。平均粒子径はSEM(走査型電子顕微鏡)により測定される値である。
銅粒子の「質量酸素濃度」とは、酸素窒素分析装置(例えば、LECO社製「TC600」)により測定される値である。
銅粒子の「質量炭素濃度」とは、炭素硫黄分析装置(例えば、堀場製作所社製「EMIA−920V」)により測定される値である。
「せん断強度」は、市販のボンドテスター装置(例えば、デイジ社製「4000Plus」)により測定される値である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<接合材>
本発明の接合材は、銅微粒子を含み、銅微粒子を還元する還元剤をさらに含む。接合材は、本発明の効果を損なわない範囲で、銅微粒子及び還元剤以外に分散剤等の任意成分をさらに含んでもよい。
接合材は、板状又はシート状である。接合材は、還元剤と均一混合された銅微粒子の加圧成形物である。接合材を平面視した際の形状は、特に限定されない。接合対象である部材の接合面の形状等に応じて、適宜選択可能である。また、接合材を平面視した際の形状は、銅微粒子を加圧成形して、板状又はシート状に成形する際の加圧面の形状としてもよい。具体的には、矩形、円形等が例示される。
銅微粒子は、銅を主成分とする。銅微粒子は、銅微粒子100質量%に対し銅元素を95質量%以上含むことが好ましく、97質量%以上含むことがさらに好ましい。銅元素を95質量%以上含むと、接合材の耐熱性が優れ、接合力がさらに優れる。
本発明においては、銅微粒子は、表面に炭酸銅を含む被膜を有することが好ましい。銅微粒子の表面の被膜は、亜酸化銅をさらに含んでもよい。
従来の銅微粒子は、表面が酸化されることで、亜酸化銅からなる被膜が不可避的に形成されるため、分散性が低下するおそれがある。また、従来の銅微粒子は、表面に製造工程において付着した炭素が存在する場合があるため、接合力が低下するおそれがある。
これに対して、本発明においては、銅微粒子が表面に炭酸銅を含む被膜を有する場合、銅微粒子の焼結温度を、従来に比べて低く抑えることが可能となる。よって、銅微粒子が前期被膜中に炭酸銅を含む場合、銅微粒子の焼結温度を低く抑えながら接合力を高めることができる。
銅微粒子の比表面積に対する質量酸素濃度の割合は、0.1〜1.2質量%・g/mが好ましく、0.2〜0.5質量%・g/mがより好ましい。質量酸素濃度の割合が0.1質量%・g/m以上であると、空気中の酸素との反応性が低くなり、再酸化の影響を低減しやすくなる。質量酸素濃度の割合が1.2質量%・g/m以下であると、接合時に酸化膜を除去しやすく、接合力がさらに強くなる。
銅微粒子の比表面積に対する質量炭素濃度の割合は、0.008〜0.3質量%・g/mが好ましく、0.008〜0.1質量%・g/mがより好ましく、0.008〜0.05質量%・g/mがさらに好ましい。質量炭素濃度の割合が0.3質量%・g/m以下であると、ボイド、クラックが発生しにくくなり、接合力がさらに優れる。
銅微粒子の平均粒子径は300nm以下である。ただし、銅微粒子の平均粒子径は150nm以下がより好ましい。銅粒子の平均粒子径が300nm以下であることにより、接合材は接合力に優れる。銅微粒子の平均粒子径は5nm以上が好ましい。銅粒子の平均粒子径が5nm以上であると、銅粒子の入手が容易となる。
銅微粒子としては、保護剤、分散剤などを必要としないものを用いることが好ましい。このような銅微粒子としては、特許第4304221号公報に記載された製造方法によって得られる金属超微粉が例示される。ただし、銅微粒子はこの例示に限定されない。
還元剤は、銅微粒子を還元する化合物である。還元剤は、銅微粒子が分散する分散媒として機能できる化合物が好ましい。
分散媒として機能できる化合物は、常温で液体の化合物が好ましく、150度以上の高温下で気化する液体の化合物がさらに好ましい。これにより、接合の際に還元剤が気化し、後述の接合体に還元剤が残存しにくくなる。その結果、ボイド、クラックが発生しにくくなり、接合力がさらに優れる。
分散媒として機能できる還元剤としてポリオール溶媒及び有機酸が例示される。すなわち、還元剤は、ポリオール溶媒及び有機酸のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。これにより、接合材の成形性が優れ、接合力がさらに優れる。
ポリオール溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、2−メチル−2,4−ペンタンジオールが例示される。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、ステアリン酸、アスコロビン酸が例示される。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機酸としては、ギ酸、クエン酸が好ましい。
還元剤として、水酸化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等の固体の還元剤を使用する場合、ポリオール溶媒、有機酸等の液体の分散媒として機能できる還元剤を併用することが好ましい。この場合、液体の還元剤と固体の還元剤とを予め混合して、還元剤を調製する。
還元剤の含有量は、銅微粒子100質量%に対し1.52質量%以上11.1質量%未満が好ましく、5.5質量%以上7.5質量%未満がより好ましい。
還元剤の含有量が銅微粒子100質量%に対し、1.52質量%以上であると、窒素雰囲気下で接合した際の接合力がさらに優れ、還元雰囲気下で接合した際の接合力より高い接合力が得られる。
還元剤の含有量が銅微粒子100質量%に対し、11.1質量%未満であると、ボイド、クラックが発生しにくく、接合力がさらに優れ、接合材を板状又はシート状に成形しやすくなる。
接合材の厚さは、特に限定されない。ただし、後述の接合体における応力緩和の点から100〜1000μmが好ましく、200μm以上600μm未満がさらに好ましい。接合材の厚さが100μm以上であると、接合体に外力が加えられた際、応力が緩和されやすくなる。接合材の厚さが1000μm以下であると、接合材の内部の銅微粒子に圧力がかかりやすく、接合力がさらに優れる。
(作用効果)
以上説明した接合材にあっては、還元剤を含むため、銅微粒子の高い表面活性が維持されやすくなる。よって、部材の接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合力を発揮できる。
また、接合材にあっては、シート状であるため、ペースト状の従来品と比較して、扱いやすい。さらに、接合材を長期間保存する場合でも、銅微粒子の分散性の維持が容易である。さらに、冷凍して保存する必要がなくなり、分散剤を過大に混合する必要もなくなる。その結果、接合材及び後述の接合体の品質に優れる。
<接合材の製造方法>
本発明の接合材の製造方法は、銅微粒子を含む板状又はシート状の接合材の製造方法である。
まず、本発明の接合材の製造方法では、銅微粒子を還元する還元剤と銅微粒子とを混合する。銅微粒子の詳細及び好ましい態様は、「<接合材>」の項で上述した内容と同様である。還元剤の詳細及び好ましい態様は、「<接合材>」の項で上述した内容と同様である。
銅微粒子と還元剤とを混合する方法は特に限定されない。例えば、自公転式ミキサー、乳鉢、ミル攪拌、スターラー攪拌等を用いる方法が例示される。
還元剤が、ポリオール溶媒及び有機酸のいずれか一方又は両方を含む場合、還元剤は、水酸化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンのいずれか一方又は両方をさらに含んでもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次いで、接合材の製造方法では、銅微粒子と還元剤とを含む混合物を加圧して、板状又はシート状に成形する。加圧の方法は特に限定されない。例えば、金属製の冶具、圧縮成型機等を用いる方法が例示される。
加圧する際の雰囲気は特に限定されず、不活性雰囲気下でも還元性雰囲気でもよい。ただし、利便性の点から大気中等の不活性雰囲気下で加圧することが好ましい。
前記混合物を加圧する際の圧力は、10MPa以上が好ましい。加圧する際の圧力が10MPa以上であると、接合材に含まれる銅微粒子の緻密度がさらに高くなり、後述の接合体の接合面のせん断強度がさらに高くなる。
前記混合物を加圧する際の成形温度は、還元剤が揮発しやすくなることから室温が望ましい。成形温度としては、例えば、10〜30℃とすることができる。
前記混合物を加圧する際の成形時間は特に限定されない。成形時間としては、例えば、1〜10分とすることができる。
(作用効果)
以上説明した接合材の製造方法にあっては、銅微粒子を還元する還元剤と銅微粒子とを混合し、混合物を加圧して、板状又はシート状に成形するため、銅微粒子の高い表面活性を維持したまま接合材を製造できる。よって、本発明の接合材の製造方法によれば、部材の接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合力を発揮する接合材を製造できる。
接合材の製造方法にあっては、接合材の原料として銅微粒子を還元する還元剤を用いるため、接合材を不活性雰囲気下で製造する場合でも接合力に優れる接合材を製造できる。
<用途>
本発明の接合材又は本発明の接合材の製造方法で得られる接合材は、例えば、接合体の製造の用途に適用できる。接合体としては、例えば、上述の接合材の加圧物と後述の第1の部材と第2の部材とを備えるものが例示される。接合体は、第1の部材と第2の部材との間に接合材の加圧物を有する。接合体は、第1の部材及び第2の部材の間に設けられた接合材の加圧物によって第1の部材と第2の部材とが接合された接合物である。
第1の部材及び第2の部材の材質としては、銅、シリコン、アルミニウム、酸化銅、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等の金属;これらの合金;これらの混合物等が例示される。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。第1の部材及び第2の部材は、同じ材質でもよく、異なる材質でもよい。
第1の部材及び第2の部材の接合面のせん断強度は、15MPa以上が好ましく、30MPa以上がより好ましく、40MPa以上がさらに好ましい。せん断強度は、接合材中の還元剤の含有量、接合材を加圧成形する際の圧力、接合する際の圧力、接合する際の雰囲気条件(還元性雰囲気又は不活性雰囲気)によって調節可能である。不活性雰囲気下で接合された接合体のせん断強度は、還元性雰囲気下で接合された接合材のせん断強度より若干、低下する傾向がある。しかしながら、低下量は10%未満にとどまる傾向にあり、不活性雰囲気下で接合された接合体は、還元性雰囲気下で接合された接合材と同様に、優れた接合強度を示すことができる。
接合体は、第1の部材と第2の部材との間に、接合材の加圧物の層(以下、「接合層」と記す。)を有してもよい。接合層の厚さは、50〜800μmが好ましく、150〜600μmがより好ましく、250〜400μmがさらに好ましい。
接合層の厚さが50μm以上であると、接合層が応力を緩和する効果が得られやすくなり、接合体の機械的強度がよくなる。
接合層の厚さが800μm以下であると、第1の部材と第2の部材との間の接合力がさらに優れ、接合体の機械的強度がよくなる。
以上説明した接合体にあっては、第1の部材と第2の部材との間に上述した接合材の加圧物を有するため、接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合強度を示すことができる。
また、接合体にあっては接合材の加圧物を有するため、ボイド、クラックが発生しにくくなり、接合層をさらに厚くすることができる。その結果、接合層の厚膜化による応力緩和の効果を十分に得ることができ、接合体の機械的強度がよくなる。
(接合体の製造方法)
接合体の製造方法としては、例えば、接合材を第1の部材と第2の部材との間に配置し、次いで、接合体の製造方法では、接合材を加圧して、第1の部材と第2の部材とを接合する方法が例示される。
接合体の製造方法において、接合条件は、特に限定されない。第1の部材及び第2の部材の材質及び組合せ等によって適宜選択可能である。
不活性雰囲気下における接合の圧力は、例えば、1〜80MPaとすることができる。
不活性雰囲気下における接合の温度は、例えば、150℃以上とすることができる。
不活性雰囲気下における接合の時間は、例えば、1分以上とすることができる。
以上説明した接合体の製造方法にあっては、本発明の接合材を加圧して、第1の部材と第2の部材とを接合するため、接合を不活性雰囲気下で行う場合でも優れた接合強度を示す接合体を製造できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
以下、本発明の効果を検証試験によって詳細に説明する。なお、本発明は、以下の検証試験の内容に限定されるものではない。
(使用した部材及び略語の説明)
銅円柱:無酸素銅円柱C1020(直径6mm、長さ5mm)。
銅板:無酸素銅板C1020(18mm四方、厚さ4mm)。
不活性雰囲気:100体積%の窒素ガス。
還元性雰囲気:3体積%の水素ガスと97体積%の窒素ガスとを含む混合ガス。
(測定方法)
銅微粒子の平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)により測定した。
銅粒子の「質量酸素濃度」は、酸素窒素分析装置(LECO社製「TC600」)により測定した。
銅粒子の「質量炭素濃度」は、炭素硫黄分析装置(堀場製作所社製「EMIA−920V」)により測定した。
接合体のせん断強度は、ボンドテスター(デイジ社製「4000Plus」)を用いて測定した。
<検証試験1>
(接合材の製造)
図1に示す冶具1を用いて、シート状の接合材を製造した。
具体的には、まず、特許第4304221号公報に記載された製造方法によって得られる銅微粒子を原料として準備した。得られた銅微粒子の平均粒子径を算出した結果、110nmであった。また、得られた銅微粒子の質量酸素濃度の割合は、0.25質量%・g/mであり、質量炭素濃度の割合は、0.03質量%・g/mであった。
銅微粒子100質量%に対して還元剤としてエチレングリコールを6質量%添加し、自公転式ミキサーで攪拌して混合粒子を得た。
次に、図1に示すように、中心に直径6mmの穴が開いた、炭化タングステン製の長さ50mmの円筒状の冶具1の中心穴に、混合粒子2を添加した。次いで、冶具1の中心穴の両端から、直径6mmの炭化タングステン製の円柱を中心穴に対して垂直に差込み、加圧してシート状に成形した。加圧成形は、常温大気中、圧力17.5MPaの条件下で5分間行った。これにより、直径6mm、厚さ250μm、緻密度52%のシート状の接合材が得られた。シート状の接合材のエチレングリコールの含有量は、5.7質量%であった。
(接合体X1〜X5の製造)
図2に示すように、銅円柱3と銅板4とを得られたシート状の接合材Sを用いて接合した。
まず、不活性雰囲気下、1MPaでシート状の接合材Sを300℃で5分間、加圧して銅円柱3と銅板4とを接合し、接合体X1を製造した。
次に、接合圧力を5MPa,10MPa,20MPa,40MPaの各圧力にそれぞれ変更した以外は、接合体X1と同条件下で、接合体X2〜X5を製造した。接合体X1〜X5のせん断強度の測定結果を表1に示す。
Figure 0006884729
<検証試験2>
上述した検証試験1において、接合雰囲気を還元性雰囲気に変更した以外は、接合体X1と同条件で、接合体X6を製造した。そして、圧力を5MPa,10MPa,20MPa,40MPaの各圧力にそれぞれ変更した以外は、接合体X6と同様にして接合体X7〜X10を製造した。接合体X6〜X10のせん断強度の測定結果を表2に示す。
Figure 0006884729
<検証試験3>
表3に示すように、上述した検証試験1において、銅微粒子100質量%に対するエチレングリコールの含有量を1.1質量%、1.52質量%、3.1質量%、11.1質量%に変更し、接合圧力を40MPaに変更して接合材を製造した以外は、接合体X1と同条件で、接合体X11〜X14を製造した。接合体X11〜14のせん断強度の測定結果を表3に示す。
なお検証試験3では、接合体X11〜14の製造とは別に、エチレングリコールの含有量を15.2質量%に変更した条件で、接合材の製造を試みた。しかし、エチレングリコールの含有量が15.2質量%であると、混合粒子を加圧しても、金型に粒子が付着し、シート状の接合材を製造できなかった。
Figure 0006884729
<検証試験4>
上述した検証試験3において、接合雰囲気を還元性雰囲気に変更した以外は、接合体X11〜14と同条件で、接合体X15〜X18を製造した。接合体X15〜X18のせん断強度の測定結果を表4に示す。
Figure 0006884729
図3は検証試験1,2の結果に基づく接合圧力とせん断強度の関係を示すグラフである。図3及び表1,2に示すように、各接合圧力における接合体のせん断強度は、不活性雰囲気下で接合を行った場合でも、還元性雰囲気で接合を行った場合でも同等の水準であった。この結果から、検証試験で得られたシート状の接合材は、不活性雰囲気下で接合を行う場合でも、優れた接合力を発揮することが判った。
図4は検証試験3,4の結果に基づく還元剤の含有量とせん断強度の関係を示すグラフである。図4及び表3,4に示すように、還元剤の各含有量における接合体のせん断強度は、還元剤の含有量が1.1質量%である場合を除き、不活性雰囲気下で接合を行った場合でも、還元性雰囲気で接合を行った場合でも同等の水準であった。この結果から、検証試験で得られたシート状の接合材は、還元剤を含むことで、不活性雰囲気下で接合を行う場合でも、優れた接合力を発揮できることが判った。
本発明の接合材、接合材の製造方法及び接合体は、電子部品を接合する用途で産業上利用可能である。具体的には、パワーデバイス等の電子デバイス内のような半田等の材料の使用が困難な高温環境での、基盤、素子等の部品の接合用途が例示される。
1…冶具、2…混合粒子、3…銅円柱、4…銅板、S…接合材

Claims (8)

  1. 銅を主成分とし、平均粒子径が300nm以下である銅微粒子を含む板状又はシート状の接合材であって、
    前記接合材が、前記銅微粒子を還元する還元剤をさらに含み、
    前記還元剤が、エチレングリコールを少なくとも含み、
    エチレングリコールの含有量が、前記銅微粒子100質量%に対し1.52質量%以上11.1質量%未満である、接合材。
  2. 前記還元剤が、ポリオール溶媒及び有機酸をさらに含む、請求項1に記載の接合材。
  3. 前記還元剤が、水酸化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンのいずれか一方又は両方をさらに含む、請求項2に記載の接合材。
  4. 前記銅微粒子の比表面積に対する質量酸素濃度の割合が、0.1〜1.2質量%・g/mである、請求項1〜のいずれか一項に記載の接合材。
  5. 前記銅微粒子の比表面積に対する質量炭素濃度の割合が、0.008〜0.3質量%・g/mである、請求項1〜のいずれか一項に記載の接合材。
  6. 厚さが100〜1000μmである、請求項1〜のいずれか一項に記載の接合材。
  7. 銅を主成分とし、平均粒子径が300nm以下である銅微粒子を含む板状又はシート状の接合材の製造方法であって、
    前記銅微粒子を還元する還元剤と前記銅微粒子とを混合し、
    前記銅微粒子と前記還元剤とを含む混合物を加圧して、板状又はシート状に成形する、接合材の製造方法であり、
    前記還元剤が、エチレングリコールを少なくとも含み、
    エチレングリコールの含有量を、前記銅微粒子100質量%に対し1.52質量%以上11.1質量%未満とする、製造方法
  8. 前記混合物を加圧する際の圧力が、10MPa以上である、請求項に記載の接合材の製造方法。
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