JP6883697B1 - 裸足歩行補助具、裸足歩行補助具の調整方法、裸足歩行補助具の調整治具、裸足歩行補助具の案内治具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、普段の生活時に使用可能であり、つま先の引き上げをサポートできる技術が開示されている。
従来、裸足歩行の補助、及び、訓練に用いることができる歩行補助具としては、満足できるものは開発されていなかった。
を特徴とする裸足歩行補助具(1)である。
図1は、本発明による裸足歩行補助具の第1実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
保護部10は、例えば、発泡(スポンジ状)ゴムや、発泡(スポンジ状)樹脂等により形成されたシート状の素材を用いて作製することができ、例えば、VIBRAM社製のビブラムシート8338等を用いることができる。
また、保護部10が薄くなりすぎると、足裏の保護効果が低下するので、保護部10の厚さは4mm以上あることが望ましく、より望ましくは、5mm以上である。よって、保護部10の最適な厚さは、5.5mm以上、6.5mm以下である。なお、本実施形態の構成では、保護部10の厚さは、6mmが最適であった。なお、上記の保護部10の好ましい厚さは、本件出願時のVIBRAM社製のビブラムシート8338を用いた場合を例示している。
本実施形態では、保護部10の上面の溝は、前後方向に対して45度傾いた向きで設けており、滑り止め効果をより高めている。
図2は、環状部20及び接続部30をより簡略に模式的に示した図である。
環状部20は、装着者の足首の周囲に配置され、環状に形成されている。本実施形態では、環状部20は、後述の接続部30と同じ1本の可撓性を有する紐で構成されている。環状部20の後部側は、2本の紐が縒られた構成となっており、環状部20が足首からずり落ち、踵から外れることを防止している。
接続部30は、三角領域31と、下垂部32と、前延部33とを備えている。
前延部33は、環状部20から保護部10の先端へ延在して接続している。
保護部10には、接続部30が接続される接続孔10a、10b、10c、10dが設けられている。
保護部10の先端から接続孔10bの後端までの長さL2は、保護部10の全長L1の12%以上14%以下であることが望ましい。この寸法とすることにより、装着者の足の指先が前記保護部の先端から突出可能となる。すなわち、着地した状態では、装着者の足の指の腹付近に保護部10の先端が位置する。なお、保護部10の後端の着地時の位置は、長くとも、かかとの後端から突出しないことが望ましい。
なお、本実施形態では、L1=259mm、L2=33.2mm、L3=88mm、L4=91mmであり、接続孔10a、10b、10c、10dの直径は6mmである。
図5は、保護部10が地面から離れた状態を示す図である。
図5に示すように、保護部10が地面から離れた状態では、装着者の足裏と保護部10との間の隙間Gが3mm以上空くことが望ましい。これにより、従来の靴やサンダルといった履物を履いた状態とは、全く異なる歩行形態、すなわち、裸足歩行に極めて近い状態を得ることができる。保護部10が地面から浮いた状態(図5の状態)では、足裏に触れるものがなく、裸足歩行と略同じ状態となる。この状態では、保護部10は、接続部30に吊られた状態で足の移動に追従して移動する。着地時には、先に保護部10が着地し、装着者の感覚としては、裸足で歩いて着地する先に保護部10が置かれていて、その上に着地すると感じることができる。そして、保護部10は、上述したように地面の状態を足裏に十分に伝えることができる可撓性(柔軟性)を備えているので、足裏が適度に保護されながらも、裸足歩行している状態に極めて近い状況を提供することができる。
さらに、環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性も重要である。環状部20及び接続部30は、装着者の足に装着されない状態において自立できる程度の剛性を備えている。この環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性は、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上となる剛性であることが望ましい。ここで、自由端の先端の位置は、鉛直方向の下方をマイナス側とし、固定端の高さを±0cmとしている。
図6は、環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性の評価を説明する図である。
図6に示すように、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上にあるNo.1、No.2のサンプルは、環状部20及び接続部30を構成する紐として十分な剛性を備えている。一方、自由端の先端の位置が−3cmよりも低い位置にあるNo.3のサンプルは、環状部20及び接続部30を構成する紐として十分な剛性を備えていない。
上記の範囲の剛性を備える材料(紐)によって環状部20及び接続部30を構成することにより、上記隙間Gを設けた状態でも、走ることも可能となる。仮に、上記剛性よりも極端に剛性が低い糸のようなもので環状部20及び接続部30が構成されていると、ゆっくり気を付けながら足を運べば歩けるかもしれないが、速足であったり、走ったりする場合には、保護部10が適切な位置に移動できず、とても歩ける(又は、走れる)状態とはならない。
なお、上記剛性よりも極端に剛性が高い材料で環状部20及び接続部30を構成すると、装用感が悪く、裸足歩行の感触が得られないので、極端に剛性の高い金属ワイヤー等は使用に適さない。
環状部20及び接続部30を構成する紐としては、例えば、ATWOOD社のパラコード(7 Strand Core 550 Paracode、4ミリ)を用いることができる。
調整治具101は、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置される。調整治具101は、狙いとする隙間Gの厚さを有している。例えば、狙いの隙間Gが10mmであれば、10mmの厚さとなっている。
この調整治具101、102を使用する調整方法を説明する。調整治具101は、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置した状態で環状部20及び接続部30の調整を行う。このとき、特に隙間Gを意識する必要はない。その後に調整治具101を取り外せば、狙いの隙間Gに簡単に調整を行うことができる。また、調整治具102は、地面と保護部10との間に配置して使用される。調整時にこの調整治具102を用いることによって、接続部30を構成する紐の移動を保護部10が妨げることを防止でき、調整をより簡単に行うことができる。
調整治具101、102は、例えば、図8に示すように保護部10と略同様な外形形状とすることができ、接続部30を逃げることができる切り欠きを対応部分に備える形態とすることができる。なお、調整治具101、102の具体的な形態は、図8の例に限らず、より簡素な形態としてもよい。例えば、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置される調整治具について、複数枚に分割して構成して、裸足歩行補助具を装着したまま挿脱を容易に行えるようにしてもよく、この場合には、より簡単な直方体形状の調整治具として構成してもよい。
案内治具103は、装着者の足に着用可能な足袋状、又は、靴下状に構成されている。図9には、足袋状の例を示している。なお、靴下状に構成する場合には、少なくとも親指は独立した形態として、前延部33を通せる部位を設けることが望ましい。案内治具103は、裸足歩行補助具1の環状部20及び接続部30を構成する紐の結び方を案内する案内表示103aを備えている。案内表示103aは、紐が通される位置を示すラインと、紐を最初から組み付ける場合の順番を示す番号とを有している。なお、順番を示す番号は、装着者が読み取りやすいように、天地が逆となるように示されている。案内治具103を用いれば、紐がほどけてしまった場合の結び方を案内することができる。また、案内治具103は、足袋状、又は、靴下状に構成されているので、持ち運びも容易である。
図10は、本発明による裸足歩行補助具の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、2枚の保護部10A、10Bを重ねて配置している点が、第1実施形態と異なっている。また、第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、環状部20及び接続部30を構成する紐を2本としている点が、第1実施形態と異なっている。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
また、2枚の保護部10A、10Bを重ねている場合の厚さは、2枚合わせて20mm以下であることが望ましく、12mm以下であることがより望ましい。なお、上記の保護部10A、10Bの好ましい厚さは、本件出願時のVIBRAM社製のビブラムシート8338を用いた場合を例示している。
図11は、本発明による裸足歩行補助具の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の裸足歩行補助具1Cは、保護部10Cが足裏の前方70%(前後方向の長さで70%)の領域よりも狭い領域しか保護しない形態である。すなわち、第3実施形態の保護部10Cは、その後端の位置が、足指の付け根の母指球:小指球付近となっている。また、本実施形態では、保護部10Cの前方の孔は1つとし、足指が前方にはみ出す形態となる。このような形態とすることにより、かかとへの負荷が少ない(かかとへの荷重が少ない)歩き方を訓練することができる。なお、保護部10Cの材料等は、第1実施形態と同様である。
保護部10Cが上記形態であることに伴い、接続部30が保護部10Cに接続する接続位置は、保護部10Cの側端及び後端の近傍である。
また、第3実施形態の裸足歩行補助具1Cは、第1実施形態の前延部33の代わりに、保護部10Cの先端付近から接続部30が保護部10Cに接続する接続位置へと延在する一対の鼻緒状部40を備えている。
さらに、鼻緒状部40と環状部20とを接続する鼻緒接続部50を備えている。
1B 裸足歩行補助具
1C 裸足歩行補助具
10 保護部
10A 保護部
10B 保護部
10C 保護部
10a 接続孔
10b 接続孔
10c 接続孔
10d 接続孔
20 環状部
30 接続部
31 三角領域
32 下垂部
33 前延部
40 鼻緒状部
50 鼻緒接続部
101 調整治具
102 調整治具
103 案内治具
103a 案内表示
Claims (11)
- 装着者の足に装着され、裸足歩行を補助する裸足歩行補助具であって、
可撓性を有する板状の材料により構成され、着地時における装着者の足裏を保護する保護部と、
装着者の足首の周囲に配置される環状部と、
前記環状部と前記保護部とを繋ぐ可撓性を備えた接続部と、
を備え、
前記環状部及び前記接続部は、前記保護部が地面から離れた状態では、装着者の足裏と前記保護部との間に3mm以上の隙間が空くように、装着者の足への装着具合を調整可能に構成されており、
前記保護部の密度は、0.9g/cm3以下であり、
前記保護部の厚さは20mm以下である裸足歩行補助具。 - 請求項1に記載の裸足歩行補助具において、
前記接続部は、
前記環状部の下方に、前記環状部を1辺とする略三角形状の領域を構成する三角領域と、
前記三角領域から前記保護部の側端へ延在して接続する下垂部と、
が左右両側に設けられており、
前記接続部は、前記環状部から前記保護部の先端へ延在して接続する前延部を備えること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項2に記載の裸足歩行補助具において、
前記保護部は、装着者の足裏の略全体を保護できる全長を有しており、
前記下垂部が前記保護部に接続する接続位置は、前記保護部の後端からの長さが全長の30%以上40%以下の範囲内にあること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項1に記載の裸足歩行補助具において、
前記保護部は、装着者の足裏の前方70%の領域よりも狭い領域のみを保護できる全長を有しており、
前記接続部が前記保護部に接続する接続位置は、前記保護部の側端及び後端の近傍であり、
前記保護部の先端付近から前記接続位置へと延在する一対の鼻緒状部を備えること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の裸足歩行補助具において、
前記環状部及び前記接続部は、紐によって構成されており、
前記紐の剛性は、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上となる剛性であること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の裸足歩行補助具において、
前記保護部は、複数枚が接合されずに重ねて配置されていること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の裸足歩行補助具において、
装着者の足の指先が前記保護部の先端から突出可能であること、
を特徴とする裸足歩行補助具。 - 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の裸足歩行補助具の装着者の足への装着具合を調整する調整方法であって、
前記保護部が地面から離れた状態では、装着者の足裏と前記保護部との間に3mm以上の隙間が空くように、前記環状部及び前記接続部が調整されること、
を特徴とする裸足歩行補助具の調整方法。 - 請求項8に記載の裸足歩行補助具の調整方法であって、
装着者の足裏と前記保護部との間の少なくとも一部に所定の厚さに構成された調整治具を挟んだ状態で前記環状部及び前記接続部が調整されること、
を特徴とする裸足歩行補助具の調整方法。 - 請求項9に記載の調整方法に用いる裸足歩行補助具の調整治具。
- 請求項5に記載の裸足歩行補助具の紐の結び方を案内する案内表示を備え、装着者の足に着用可能な足袋状、又は、靴下状に構成された裸足歩行補助具の案内治具。
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