JP6883431B2 - LiCoO2焼結体およびその製造方法 - Google Patents

LiCoO2焼結体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、LiCoO2焼結体およびその製造方法等に関し、詳しくは、高純度および高密度などの特性を有するLiCoO2焼結体、該LiCoO2焼結体の製造方法、前記LiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材およびLiCoO2スパッタリングターゲット、前記LiCoO2焼結体の製造方法に用いられるLiCoO2粉末ならびに該LiCoO2粉末の製造方法などに関する。
リチウム二次電池は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しており、多くの家電製品や電子機器などの電源として用いられており、最近では、薄膜型のリチウム二次電池の開発が進められている。
リチウム二次電池の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム遷移金属酸化物が知られており、薄膜型リチウム二次電池においても正極材にLiCoO2が広く用いられている。薄膜型リチウム二次電池におけるLiCoO2からなる正極材は、LiCoO2を薄膜にして形成される。
LiCoO2薄膜を形成する手法としては、LiCoO2スパッタリングターゲットをスパッタリングするスパッタリング法が活用されている。スパッタリング法は、薄膜を大面積、高精度に形成する製法として極めて有効である。
スパッタリングには、異常放電などが発生することにより、形成される薄膜の品質異常やスパッタリング中でのスパッタリングターゲットの割れの発生などの問題が起きる場合がある。それらの問題を避ける手法のひとつとして、スパッタリングターゲットを高密度化する方法がある。
特許文献1にはホットプレス法または熱間静水圧法を用いることによって、高密度なLiCoO2焼結体を製造する技術が開示されている。しかし、特許文献1の方法で製造されたLiCoO2焼結体は比抵抗が高いという問題があった。焼結体の比抵抗が高いとその焼結体から得られるスパッタリングターゲットの比抵抗も高くなり、その結果、DCスパッタができない場合がある。その場合にはRFスパッタを使用する必要があるが、RFスパッタだと成膜速度が低くなり、生産性が著しく低下する。またDCスパッタが可能であっても、比抵抗が高いほど異常放電などの発生が増加するので、スパッタリングターゲットにおける低抵抗化は重要な品質課題である。
特許文献2には、焼結体中に空隙を作ることによって低抵抗化する技術が開示されている。しかし、焼結体中に空隙を作ることはターゲットの密度を下げることと同義であり、上記、高密度化という観点からは好ましくない。
特許文献3には、LiCoO2成型体を酸素存在下で焼成することにより、DCスパッタが可能なLiCoO2ターゲットの製造方法が開示されているが、この方法で得られるターゲットはホットプレス法で得られるターゲットに比べると密度が低い。
特許文献4には、ホットプレス法で高密度なターゲットを製造し、酸素熱処理を実施することによりターゲットの比抵抗を下げる技術が開示されている。しかし、この方法で得られる比抵抗は最も低い場合でも250Ω・cmであって、十分低いとは言い難い。
特許文献3の実施例2および3には、原料粉末をボールミルで粉砕する微細化処理を実施することにより、密度を高める技術が開示されている。また、原料粉末の微細化は密度だけではなく、ターゲット組織の微細化にも有効である。ターゲットを構成する粒子の粒径が小さいほど、ターゲットの機械的強度が高くなるので、割れが発生しにくい。
ところが、特許文献3のように粒径の大きいLiCoO2原料粉末を使用した場合、いくら強い粉砕処理を加えても、粉砕が十分に行われない粒子が存在してしまう。そのため、そのようなLiCoO2粉末原料を使用して製造されるLiCoO2焼結体は、LiCoO2粒子の平均粒径は小さくなるものの、局所的に粒径の大きなLiCoO2粒子が存在し、機械的強度を下げる要因となっている。
また、LiCoO2粒子はモース硬度が6〜8程度と高いので、LiCoO2原料粉末をボールミルで粉砕すると、ボールミルに使用するメディア材に由来する不純物が混入してしまい、ターゲットの純度が低下するという問題も発生する。ターゲット純度が低いと、必然的にスパッタリング法で製造される薄膜の純度も低下するので、純度もまたLiCoO2スパッタリングターゲットに要求される重要な品質課題のひとつである。
特許文献4には、特定の不純物含有量が低いLiCoO2原料粉末を使用することで、ターゲットの不純物濃度を低い状態で維持する手法が開示されているが、市販のLiCoO2粉末の粒度は大きいので、ターゲット組織の微細化を達成するためにはLiCoO2粉末の粉砕などの追加処理が必要であり、そうすると粉砕などに起因する不純物の混入が問題となる。
WO 2011/086649 WO 2014/142197 WO 2011/086650 特開2013−194299号公報
本発明の目的は、スパッタリングターゲット材の重要な品質課題である、密度、比抵抗、純度、粒径において優れたLiCoO2スパッタリングターゲット材を提供することである。
本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が100Ω・cm以下であり、相対密度が95%以上であるLiCoO2焼結体であって、該焼結体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下であり、前記焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmである。
前記LiCoO2焼結体において、前記LiCoO2焼結体中に存在するLiCoO2粒子の99%以上が、粒径60μm以下の粒子であることが好ましい。
前記LiCoO2焼結体に存在するLiCoO2粒子の最大粒径が90μm以下であることが好ましい。
前記LiCoO2焼結体において、前記不純物元素は、Zr,Al,Si,Fe,Cr,Ni,TiおよびWから選ばれる少なくとも1種を含み得る。
本発明のLiCoO2ターゲット材は、前記LiCoO2焼結体から得られる。
本発明のLiCoO2ターゲットは、前記ターゲット材を基材に接合してなる。
本発明のLiCoO2焼結体の製造方法は、LiCoO2粉末を用いて成形体を作製する工程1および前記成形体を焼成する工程2を含むLiCoO2焼結体の製造方法であって、
前記LiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下であり、比表面積が2.0m2/g以上であり、
前記工程1は、前記成形体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下となるようにLiCoO2粉末を処理する工程である。
本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が小さく、相対密度が高く、高純度であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が小さい。このため、前記LiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、機械的強度が高く、割れが発生しにくい。このターゲット材を用いてスパッタリングを行うと、スパッタリング中の異常放電やスパッタリングターゲットの割れなどが抑制でき、DCスパッタによる成膜速度を向上させることができ、高純度なLiCoO2薄膜を製造することができる。
本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が100Ω・cm以下であり、相対密度が95%以上であるLiCoO2焼結体であって、該焼結体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下であり、前記焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmである。本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が小さく、相対密度が高く、高純度であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が小さいので、このLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、機械的強度が高く、割れにくく、このターゲット材を用いてスパッタリングを行うと、異常放電やスパッタリングターゲットの割れなどを抑制でき、DCスパッタによる成膜速度を向上させることができ、高純度なLiCoO2薄膜を製造することができる。
従来、本発明のLiCoO2焼結体のような、比抵抗が低く、相対密度が高く、高純度であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が小さいLiCoO2焼結体は存在しなかった。これは、LiCoO2焼結体の製造に使用される従来のLiCoO2粉末は、粒径が大きかったからである。
このため、従来のLiCoO2粉末をそのまま使用してLiCoO2焼結体を製造すると、相対密度を高くすることができない。従来のLiCoO2粉末を粉砕して、粒径を小さくしようとするとLiCoO2粒子は硬いので、強い粉砕処理が必要になり、ボールミルに使用するメディア材から発生する不純物が多量に原料粉末に混入してしまう。このような原料を使用して製造されるLiCoO2焼結体は、相対密度を高めることは可能であるものの、純度が低下する。
本発明者は、不純物元素の濃度が低く、粒径が小さいLiCoO2粉末を製造する新しい製造方法を確立した。このLiCoO2粉末を用いることにより、強い粉砕処理が不要になり、このため粉砕等の処理過程で発生する不純物の混入を抑制することができ、比抵抗が低く、相対密度が高く、高純度であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が小さいLiCoO2焼結体を製造することが可能になった。
以下、本発明のLiCoO2焼結体、該焼結体の製造方法、LiCoO2ターゲット材およびLiCoO2ターゲットにつき詳述し、併せてLiCoO2粉末および該粉末の製造方法につき説明する。
(LiCoO2焼結体)
本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が100Ω・cm以下であり、相対密度が95%以上であるLiCoO2焼結体であって、該焼結体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下であり、前記焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmである。
本発明のLiCoO2焼結体は、比抵抗が100Ω・cm以下であって、低抵抗であるので、本発明のLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、DCスパッタによる成膜速度を向上させることができ、異常放電を抑制することができる。本発明のLiCoO2焼結体の比抵抗は、好ましくは50Ω・cm以下であり、より好ましくは30Ω・cm以下である。本発明のLiCoO2焼結体の比抵抗の下限値は特に制限はなく、通常0.1Ω・cmである。
本発明のLiCoO2焼結体は、相対密度が95%以上であって、高密度であるので、本発明のLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、スパッタリング中の異常放電やスパッタリングターゲットの割れなどを抑制することができる。本発明のLiCoO2焼結体の相対密度は、好ましくは97%以上であり、より好ましくは99%以上である。本発明のLiCoO2焼結体の相対密度の上限値は特に制限はなく、通常100%である。
本発明のLiCoO2焼結体は、不純物元素の濃度が1000ppm以下であり、高純度であるので、本発明のLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、高純度なLiCoO2薄膜を製造することができる。本発明のLiCoO2焼結体に含まれる不純物元素の濃度は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは200ppm以下である。上記スパッタ時の効果を得る点からは前記不純物元素の濃度の下限値に制限はなく、不純物元素の濃度は低いほど好ましい。ただし、製造の容易さやコストの面からは、0.1ppm以上とすることが好ましい。本発明において「ppm」は重量基準である。
前記不純物元素とは、LiCoO2を構成する元素、すなわちリチウム、コバルトおよび酸素以外の元素を意味する。LiCoO2焼結体に含まれる不純物元素は、主として、LiCoO2焼結体の製造に使用される原料粉末に含まれる不純物元素やLiCoO2焼結体の製造時に行われる混合や粉砕に使用されるメディア材から混入する不純物元素に由来する。
前記メディア材としては、たとえば、安定化ジルコニア、アルミナ、石英、窒化ケイ素などのセラミックス、およびステンレス、タングステンカーバイドなどの金属材料が使用される。したがって、メディア材から混入する不純物元素としては、Zr,Al,Si,Fe,Cr,Ni,TiおよびW等が挙げられる。このため、LiCoO2焼結体に含まれる不純物元素には、Zr,Al,Si,Fe,Cr,Ni,TiおよびWから選ばれる少なくとも1種が含まれ得る。
本発明のLiCoO2焼結体は、この焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmであり、LiCoO2粒子の平均粒径が小さいので、本発明のLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材は、機械的強度が高く、製造時およびスパッタ時等において割れが発生しにくい。前記平均粒径は、好ましくは5〜25μmであり、より好ましくは5〜20μmである。
本発明のLiCoO2焼結体中に存在する全LiCoO2粒子の99%以上の個数の粒子が、粒径60μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。全LiCoO2粒子の99%以上の粒子が粒径60μm以下であることにより、本発明のLiCoO2焼結体中に存在するLiCoO2粒子の粒径分布が狭いことになり、大きな粒径を有するLiCoO2粒子に起因する組織のぜい弱化を防止でき、より機械的強度が高く、製造時およびスパッタ時等においてより割れが発生しにくいLiCoO2焼結体となる。
「全LiCoO2粒子の99%以上の粒子が粒径60μm以下である」は、「LiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径が60μm以下である」と換言することができる。ここで、「粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径」とは、粒子を粒径の小さいほうから、全粒子の99%の個数の粒子を累積したとき、累積された粒子の最大の粒径を意味する。
本発明のLiCoO2焼結体は、大きい粒径のLiCoO2粒子を有しないことが、このLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2スパッタリングターゲット材の機械的強度ならびに製造時およびスパッタ時等の割れの抑制の観点から好ましい。このため、本発明のLiCoO2焼結体に含まれるLiCoO2粒子の最大粒径は、90μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。なお、この最大粒径については後述するようにSEM観察により測定する。
LiCoO2焼結体中に存在するLiCoO2粒子の粒径は、LiCoO2焼結体を切断し、その断面を電子顕微鏡観察したときに観察された各LiCoO2粒子の円相当径として求められる。LiCoO2焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径は、前述の円相当径の平均値として求められる。
本発明のLiCoO2焼結体の形状は、平板形および円筒形など特に制限はない。
(LiCoO2焼結体の製造方法)
本発明のLiCoO2焼結体の製造方法は、たとえば、LiCoO2粉末を用いて成形体を作製する工程1および前記成形体を焼成する工程2を含む。前記LiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下であり、比表面積が2.0m2/g以上である。前記工程1は、前記成形体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下となるようにLiCoO2粉末を処理する工程を含む。本発明のLiCoO2焼結体は前記成形体を焼成することによって製造することができる。不純物元素の濃度が200ppm以下であり、比表面積が2.0m2/g以上であるLiCoO2粉末およびその製造方法については後述する。
前記工程1は、好適には、LiCoO2粉末を含む原料粉末および有機添加物を含有するスラリーから顆粒を調製する工程1−1、前記顆粒をCIP成形して成形体を作製する工程1−2、および前記成形体を脱脂する工程1−3を含む。
工程1−1では、LiCoO2粉末を含む原料粉末および有機添加物を含有するスラリーから顆粒を調製する。
なお、本製造方法においては、原料粉末における各元素の比率が、最終的に得られる焼結体およびターゲット材における各元素の比率と同視できる。
前記有機添加物は、スラリーや成形体の性状を好適に調整するために添加される物質である。有機添加物としては、バインダ、分散剤および可塑剤等を挙げることができる。
バインダは、成形体において原料粉末をバインドし、成形体の強度を高めるために添加される。バインダとしては、公知の粉末焼結法において成形体を得るときに通常使用されるバインダを使用することができる。
分散剤は、スラリー中の原料粉末の分散性を高めるために添加される。分散剤としては、たとえばポリカルボン酸アンモニウム、ポリアクリル酸アンモニウム等を挙げることができる。
可塑剤は、成形体の可塑性を高めるために添加される。可塑剤としては、たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール(EG)等を挙げることができる。
原料粉末および有機添加物を含有するスラリーを調製する際に使用する分散媒には特に制限はなく、目的に応じて、水、アルコール等から適宜選択して使用することができる。
原料粉末および有機添加物を含有するスラリーを調製する方法には特に制限はなく、たとえば、原料粉末、有機添加物および分散媒をポットに入れ、ボールミル混合する方法が使用できる。原料粉末に含まれるLiCoO2粉末は、比表面積が2.0m2/g以上であり、微細であるので、スラリーを調製する際の処理時間が短くても、LiCoO2焼結体の高密度化および焼結体中に存在するLiCoO2粒子の微細化が可能である。処理時間を短くできるので、スラリーを調製する際に、ボールミルに使用するメディアから発生する不純物の混入を少なくすることができる。
スラリーから顆粒を調製する方法には、特に制限はなく、たとえばスプレードライ法、転動造粒法、押出し造粒法等を使用することができる。これらのうちで、顆粒の流動性が高く、成形時に潰れやすい顆粒を作製しやすいなどの点で、スプレードライ法が好ましい。スプレードライ法の条件には特に制限はなく、通常使用される条件を適宜選択して実施することができる。
工程1−2では、工程1−1で調製された顆粒をCIP成形(Cold Isostatic Pressing(冷間等方圧成形))して成形体を作製する。
CIP成形時の圧力は、通常800kgf/cm2以上である。圧力が高いほど、緻密に成形でき、成形体を高密度化および高強度化できる。
工程1−3では、工程1−2で作製された成形体を脱脂する。脱脂は成形体を加熱することにより行われる。
脱脂温度は、通常600〜800℃、好ましくは700〜800℃、より好ましくは750〜800℃である。脱脂温度が高いほど成形体の強度が高くなるが、800℃を超えると成形体の収縮が起こるので、800℃以下で脱脂することが好ましい。
以上の工程1において、前記成形体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下となるようにLiCoO2粉末が処理される。前述のとおり、前記LiCoO2粉末は微細であるので、工程1において強い粉砕処理を行わなくても、LiCoO2焼結体の高密度化および焼結体中に存在するLiCoO2粒子の微細化が可能である。つまり、相対密度が95%以上であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmであるLiCoO2焼結体を得るために、工程1で強い粉砕処理を行なう必要がないので、工程1において不純物の混入を抑制することが可能である。このため、工程1において、前記成形体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下となるように処理を行うことが可能である。また、前記LiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下である。このため、得られるLiCoO2焼結体中に含まれる不純物元素の濃度を1000ppm以下にすることができる。
工程2では、工程1で作製された成形体を焼成する。
焼成炉には特に制限はなく、従来LiCoO2焼結体の製造に使用されている焼成炉を使用することができる。焼成温度は、通常800〜1150℃である。焼成時間は、通常3〜30時間である。焼成の雰囲気は特に制限はなく、通常、大気あるいは酸素雰囲気である。酸素存在下で焼成することにより、LiCoO2焼結体の比抵抗が低くなる。
上記工程1−2以降の工程においては、不純物元素の量が増加することは実質的にない。
また、以上の製造方法によれば、得られるLiCoO2焼結体の比抵抗を100Ω・cm以下にすることができる。
以上の工程1及び2を含むLiCoO2焼結体の製造方法により、比抵抗が100Ω・cm以下であり、相対密度が95%以上であり、焼結体に含まれる不純物元素の濃度が1000ppm以下であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmであるLiCoO2焼結体を製造することができる。
<LiCoO2粉末>
前記LiCoO2焼結体の製造方法において使用されるLiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下であり、比表面積が2.0m2/g以上である。
前述のとおり、このLiCoO2粉末は、比表面積が2.0m2/g以上であり、微細であるので、LiCoO2焼結体の製造に当たって、強い粉砕処理を行なう必要がなく、不純物の混入を抑制することが可能である。また、このLiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下である。このため、このLiCoO2粉末を用いてLiCoO2焼結体を製造すると、相対密度が高く、高純度であり、焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が小さいLiCoO2焼結体を得ることができる。また、LiCoO2焼結体の比抵抗を小さくすることもできる。
前記LiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下であり、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下である。不純物元素の濃度は低いほど好ましい。
前記LiCoO2粉末は、比表面積が2.0m2/g以上であり、好ましくは2〜20m2/gであり、より好ましくは3〜20m2/gである。比表面積が2.0m2/gより小さいと、LiCoO2焼結体を高密度化させるために強い粉砕工程が必要となり、粉砕処理時間も長くなるので、メディア材由来の不純物が大量に混入する。比表面積の上限については、特に制限されないが、比表面積が高くなると、製造時の取り扱いなどに問題が発生する場合があるので、20m2/g以下であることが好ましい。
<LiCoO2粉末の製造方法>
前記LiCoO2粉末は、たとえば、水酸化リチウムとコバルト化合物とを混合し、得られた混合粉末を400〜700℃で加熱するLiCoO2粉末の製造方法によって製造することができる。
従来LiCoO2粉末の製造方法として、リチウム化合物としてLi2CO3を使用し、これとCo34、CoOOH、Co(OH)2などのコバルト化合物とを混合し、800℃以上の温度で加熱する方法が知られている。この従来のLiCoO2粉末の製造方法によると、得られるLiCoO2粉末の粒径が大きくなり、比表面積が2.0m2/g以上であるような粒径の小さいLiCoO2粉末を得ることはできない。
本発明者は、従来のLiCoO2粉末の製造方法で粒径の小さいLiCoO2粉末を得ることはできないのは、800℃以上という高温で加熱温度をしているからであると推測した。Li2CO3の融点は723℃であるので、LiCoO2粉末の製造には800℃以上という高温で加熱温度をすることは避けられない。
そこで、本発明においては、リチウム化合物として水酸化リチウム(LiOH)を採用した。LiOHは融点が462℃であり、Li2CO3の融点(723℃)よりも低く、反応性が高いので、加熱温度を下げることができる。このため、LiOHとコバルト化合物とを混合し、400〜700℃の温度で加熱することにより微細なLiCoO2粉末を製造することが可能になった。
本発明のLiCoO2粉末の製造方法において使用される水酸化リチウムは、無水物であっても水和物であっても構わない。使用される水酸化リチウム粉末の平均粒径は通常0.1〜100μmである。
本発明のLiCoO2粉末の製造方法において使用するコバルト化合物としては、Co34、CoOOHおよびCo(OH)2から選ばれる少なくとも1種が好適である。使用されるCo34粉末、CoOOH粉末、Co(OH)2粉末の平均粒径は通常0.1〜50μmである。
水酸化リチウム粉末とコバルト化合物粉末との混合比率は、原子比換算でLi/Co =0.95〜1.10であることが好ましく、Li/Co=0.95〜1.05であることがより好ましい。
水酸化リチウムとコバルト化合物とを混合して得られる混合粉末の嵩密度は、0.9g/cm3以下であることが好ましく、0.7g/cm3以下であることがより好ましく、0.5g/cm3以下であることがさらに好ましい。
混合粉末の嵩密度が0.9g/cm3より大きいと、混合粉末の内部まで反応が進行しにくくなる傾向があり、LiCoO2とともにCoOなどが混在する粉末が得られる傾向が強くなる。
LiOHとCo34、CoOOH、Co(OH)2との反応式は以下の通りであり、反応時に水が発生する。
3LiOH+Co34+1/4O2→3LiCoO2+3/2H2
LiOH+CoOOH→LiCoO2+H2
LiOH+Co(OH)2+1/4O2→LiCoO2+3/2H2
混合粉末をアルミナるつぼなどの容器に入れて加熱を行う際、混合粉末の嵩密度が0.9g/cm3より大きいと、混合粉末の表面でのみ反応が進行して、表面が焼き締まってしまい、内部から水が抜けにくくなるので、400〜700℃の加熱温度では混合粉末の内部まで反応が進行しにくくなると考えられる。
混合粉末の嵩密度の下限は特に制限がないが、嵩密度が低いと一度の処理で得られるLiCoO2粉末が少なくなるため、混合粉末の嵩密度は0.1g/cm3以上であることが好ましい。
前記のような嵩密度を有する混合粉末を得るには、水酸化リチウム粉末とコバルト化合物粉末とを、容器回転型混合機、容器固定型混合機等の種々の混合機を用いて混合することができる。本発明のLiCoO2粉末の製造方法においては、混合機としては株式会社ダルトン製のスパルタンリューザーを使用することが好ましい。スパルタンリューザー等の混合機は、粉末にせん断力と衝撃力を加えて高速混合を行う混合手段である。そのため、スパルタンリューザー等の混合機を用いて水酸化リチウム粉末とコバルト化合物粉末とを混合すると、混合粉末の嵩密度が高くなりすぎることがなく、混合粉末の嵩密度を0.9g/cm3以下にすることが容易であるため好ましい。ボールミル等の、粉末に圧力を加えながら混合する混合手段を用いて水酸化リチウム粉末とコバルト化合物粉末とを混合すると、混合粉末の嵩密度が高くなるため、混合粉末の嵩密度を0.9g/cm3以下にすることは困難である。
混合粉末の加熱温度は400〜700℃であり、好ましくは400〜600℃、より好ましくは400〜550℃である。加熱温度が400℃より低いと、未反応のリチウム化合物およびコバルト化合物が、製造されたLiCoO2粉末中に残存する。そのため、このLiCoO2粉末から作製された成形体を焼成してLiCoO2焼結体を製造する際に、水分などが発生し、焼結体に割れが生じやすい。加熱温度が700℃より高いと、LiCoO2粉末の粒子が粗大化し、粉砕工程が必要になる。
混合粉末の加熱に用いる装置には特に制限はなく、従来のLiCoO2粉末の製造方法に用いられている装置を用いることができる。
<LiCoO2ターゲット材>
本発明のLiCoO2焼結体に対し、適宜切削等の加工を施すことにより、LiCoO2スパッタリングターゲット材を製造することができる。
LiCoO2スパッタリングターゲット材の形状は、平板形および円筒形など特に制限はない。
前記LiCoO2スパッタリングターゲット材の比抵抗、相対密度、不純物元素の濃度およびLiCoO2粒子の平均粒径は、前記LiCoO2焼結体について示したこれら物性と同様である。
<LiCoO2ターゲット>
前記LiCoO2スパッタリングターゲット材を基材に接合することによりLiCoO2スパッタリングターゲットが得られる。
前記LiCoO2スパッタリングターゲット材が平板形である場合には、平板状のバッキングプレートにLiCoO2スパッタリングターゲット材を接合することにより平板形のLiCoO2スパッタリングターゲットが得られる。前記LiCoO2スパッタリングターゲット材が円筒形である場合には、円筒形のバッキングチューブにLiCoO2スパッタリングターゲット材を接合することにより円筒形のLiCoO2スパッタリングターゲットが得られる。
前記基材は、LiCoO2スパッタリングターゲット材を接合することができれば特に制限はなく、通常、銅、チタン、ステンレス製等の基材が用いられる。
LiCoO2スパッタリングターゲット材と基材との接合に用いられる接合材としては、通常インジウム半田等が用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
実施例および比較例において得られたLiCoO2粉末およびLiCoO2スパッタリングターゲットの評価方法は以下のとおりである。
1.相対密度
LiCoO2焼結体の相対密度はアルキメデス法に基づき測定した。具体的には、酸化物焼結体の空中重量を体積(酸化物焼結体の水中重量/計測温度における水比重)で除し、LiCoO2の理論密度5.05g/cm3に対する百分率の値を相対密度(単位:%)とした。
2.比抵抗
LiCoO2焼結体の比抵抗は、加工表面をロレスタ(登録商標)−GX(三菱化学アナリテック製)を用いて測定した。
3.焼結体中に存在するLiCoO2粒子の粒径
焼結体の切断端材の断面を研磨し、酸処理によって粒界を析出させ、この断面をSEM観察した。任意に選んだ5つの視野(1000μm×1300μm)のSEM像から画像解析によって、観察されたLiCoO2粒子の円相当径を算出して、その値をそのLiCoO2粒子の粒径とした。前記SEM像で観察された全LiCoO2粒子について前記の方法で粒径を求め、その平均値を焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径とした。前記SEM像で観察された全LiCoO2粒子の粒径の中で最大の粒径を最大粒径とした。
また、前記SEM像で観察された全LiCoO2粒子の粒径について、階級幅1μmの度数分布表を作成し、累積相対度数が99%となる階級を、粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径とした。
4.不純物元素の濃度
不純物元素の濃度は、ICP発光分光分析装置SPS3000(セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて測定した。
5.比表面積
LiCoO2粉末の比表面積は、全自動比表面積測定装置(株式会社マウンテック製、Macsorb(登録商標) HM model−1210)を使用し、BET一点法にて測定した。
6.嵩密度
測定する粉末試料を目開き1.0mmのふるいで分級した後、容量100mlのステンレス製円筒形容器に過剰の粉末が溢れるまで静かに流下させた。容器上面から溢れた粉末を圧密しないよう注意深くすり落とした。粉末試料が満たされた状態で容器の重量を測定し、その重量からあらかじめ測定しておいた空の容器の重量を差し引くことにより、容器に満たされた体積100cm3の粉末試料の重量を求め、その重量を100cm3で除すことによって嵩密度(g/cm3)を算出した。1つの粉末試料につき上記と同様の測定を3回行い、得られた3つの嵩密度の平均値をその粉末試料の嵩密度とした。
[実施例1]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、スパルタンリューザーを用いてチョッパーローター回転速度4200rpm、ミキシングアーム回転速度27rpm、運転時間10分の条件で、LiOH一水和物粉末31.3wt%、CoOOH粉末68.7wt%の割合で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.6g/cm3であった。
この混合粉末を縦200mm、横200mm、高さ100mmのアルミナ匣鉢に2kg入れ、450℃で6時間加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は3.62m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は80ppmであった。
このLiCoO2粉末にバインダとして、LiCoO2粉末に対して1.0質量%のポリビニルアルコール、分散剤として、LiCoO2粉末に対して0.5質量%のポリカルボン酸アンモニウム、可塑剤として、LiCoO2粉末に対して0.1質量%のポリエチレングリコール、および分散媒として、LiCoO2粉末に対して80質量%の水を加え、ジルコニアボールと共にポットに入れ、20時間、ボールミル混合してスラリーを調製した。
このスラリーをスプレードライ装置に供給し、アトマイザ回転数14,000rpm、入口温度200℃、出口温度80℃の条件でスプレードライを行い、顆粒を調製した。顆粒の比表面積は7.75m2/g、顆粒中のZr濃度は310ppmであった。
内寸縦500mm、横400mm、高さ30mmのウレタンゴム型に、前記顆粒を充填し、ゴム型を密閉後、1000kgf/cm2の圧力でCIP成形して、成形体を製造した。
この成形体を加熱脱脂した。脱脂温度は600℃、脱脂時間は10時間、昇温速度は、400℃までの温度範囲では20℃/h、400℃より高い温度範囲では50℃/hとした。
脱脂された成形体を、酸素雰囲気中で、焼成温度1100℃、焼成時間8時間、昇温速度50℃/hの条件で焼成した。
得られたLiCoO2焼結体の相対密度は99.8%、比抵抗は12Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は9μm、不純物元素の濃度は460ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は34μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は43μmであった。
得られた焼結体を切削加工し、長辺350mm、短辺272mm、厚さ6mmのLiCoO2スパッタリングターゲット材を製造した。
縦351mm、横1511mmのチタン製基材に、前記ターゲット材4枚をIn半田により接合し、LiCoO2スパッタリングターゲットを製造した。各ターゲット材間の間隔(分割部の長さ)は0.3mmとした。接合は、ターゲット材および基材を150℃に加熱し、ターゲット材および基材の接合面にインジウム半田を塗布し、両者の半田層を合わせた後、冷却することによって実施した。このスパッタリングターゲットの製造時に、スパッタリングターゲット材に割れが発生することはなかった。このLiCoO2スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを実施したところ、異常放電の発生は少なく、スパッタリング中にスパッタリングターゲット材に割れが発生することはなく、純度の高いLiCoO2薄膜を形成することができた。
[実施例2]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、実施例1と同様の方法で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.6g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を500℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は3.10m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は80ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は7.37m2/g、顆粒中のZr濃度は280ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は99.2%、比抵抗は18Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は13μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は430ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は38μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は48μmであった。
[実施例3]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、実施例1と同様の方法で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.6g/cm3であった。
この混合粉末を用いて、加熱温度を600℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は2.53m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は80ppmであった。
このLiCoO2粉末に対して実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は6.25m2/g、顆粒中のZr濃度は150ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は98.0%、比抵抗は19Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は18μm、焼結体に含まれる不純物濃度は300ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は42μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は50μmであった。
[実施例4]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、実施例1と同様の方法で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.6g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を500℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は3.10m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は90ppmであった。
このLiCoO2粉末にバインダとして、LiCoO2粉末に対して1.0質量%のポリビニルアルコールを混合し、内寸縦500mm、横400mm、高さ30mmのウレタンゴム型に充填し、ゴム型を密閉後、1000kgf/cm2の圧力でCIP成形して、成形体を製造した。
この成型体を用いて実施例1と同様の方法でLiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は96.0%、比抵抗は17Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は25μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は100ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は40μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は49μmであった。
[実施例5]
LiOH一水和物粉末とCo34粉末とを、スパルタンリューザーを用いてチョッパーローター回転速度4200rpm、ミキシングアーム回転速度27rpm、運転時間10分の条件で、LiOH一水和物粉末34.3wt%、Co34粉末65.7wt%の割合で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.9g/cm3であった。
この混合粉末を用いて、加熱温度を500℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は2.10m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は80ppmであった。
このLiCoO2粉末に対して実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は5.89m2/g、顆粒中のZr濃度は170ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は98.2%、比抵抗は17Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は19μm、焼結体に含まれる不純物濃度は330ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は39μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は50μmであった。
[比較例1]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、実施例1と同様の方法で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.6g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.85m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は90ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は1.95m2/g、顆粒中のZr濃度は150ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は92.5%、比抵抗は25Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は42μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は300ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は70μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は92μmであった。
[比較例2]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、LiOH一水和物粉末31.3wt%、CoOOH粉末68.7wt%の割合で、ポット中でジルコニアボールを用いてボールミル混合した。混合粉末の嵩密度は1.4g/cm3であった。
この混合粉末に対して実施例1と同様の方法で、450℃で6時間加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、LiCoO2の他にCoOの回折線が確認され、均質なLiCoO2粉末は得られなかった。製造された粉末の比表面積は2.26m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は90ppmであった。
この粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は5.18m2/g、顆粒中のZr濃度は360ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行ったところ、焼結体に割れが発生した。得られた焼結体の相対密度は88.4%、比抵抗は120Ω・cm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は510ppmであった。得られた焼結体は非常にもろく、断面観察による粒子解析が実施できなかった。
[比較例3]
LiOH一水和物粉末とCoOOH粉末とを、比較例2と同様の方法で混合した。混合粉末の嵩密度は1.4g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を700℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、LiCoO2の他にCoOの回折線が確認され、均質なLiCoO2粉末は得られなかった。製造された粉末の比表面積は1.76m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は90ppmであった。
この粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は3.56m2/g、顆粒中のZr濃度は340ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行ったところ、焼結体に割れが発生した。得られた焼結体の相対密度は84.1%、比抵抗は180Ω・cm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は490ppmであった。得られた焼結体は非常にもろく、断面観察による粒子解析が実施できなかった。
[比較例4]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、スパルタンリューザーを用いてチョッパーローター回転速度4200rpm、ミキシングアーム回転速度27rpm、運転時間10分の条件で、Li2CO3粉末28.7wt%、CoOOH粉末71.3wt%の割合で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.9g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を600℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、LiCoO2の他にCoOの回折線が確認され、均質なLiCoO2粉末は得られなかった。製造された粉末の比表面積は2.84m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度は90ppmであった。
この粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は5.52m2/g、顆粒中のZr濃度は420ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行ったところ、焼結体に割れが発生した。得られた焼結体の相対密度は89.1%、比抵抗は140Ω・cm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は580ppmであった。得られた焼結体は非常にもろく、断面観察による粒子解析が実施できなかった。
[比較例5]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、比較例4と同様の方法で混合して、混合粉末を作製した。混合粉末の嵩密度は0.9g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.71m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は1.86m2/g、顆粒中のZr濃度は150ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は90.8%、比抵抗は26Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は45μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は300ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は73μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は95μmであった。
[比較例6]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、Li2CO3粉末28.7wt%、CoOOH粉末71.3wt%の割合で、ポット中でジルコニアボールを用いてボールミル混合した。混合粉末の嵩密度は1.1g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.54m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例4と同様の方法で成形体の製造、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は88.2%、比抵抗は161Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は52μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は350ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は98μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は156μmであった。
[比較例7]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、比較例6と同様の方法で混合した。混合粉末の嵩密度は1.1g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.54m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は0.91m2/g、顆粒中のZr濃度は290ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は90.4%、比抵抗は133Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は40μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は440ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は86μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は134μmであった。
[比較例8]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、比較例6と同様の方法で混合した。混合粉末の嵩密度は1.1g/cm3であった。
この混合粉末に対して、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.54m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を用いて、ボールミルの混合時間を400時間としたこと以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製した。
このスラリーを用いて、実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は4.21m2/g、顆粒中のZr濃度は2000ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は93.5%、比抵抗は139Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は28μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は2150ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は75μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は102μmであった。
[比較例9]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、比較例6と同様の方法で混合した。混合粉末の嵩密度は1.1g/cm3であった。
この混合粉末を用いて、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.54m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を、ステンレスボールを使用して、アトライタ(日本コークス製、登録商標)にて20時間、乾式粉砕を行った。得られた粉砕粉の比表面積は4.57m2/g、Fe濃度は620ppmであった。
この粉砕粉を用いて実施例4と同様の方法で成形体の製造、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は94.1%、比抵抗は125Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は26μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は780ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は82μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は125μmであった。
[比較例10]
Li2CO3粉末とCoOOH粉末とを、比較例6と同様の方法で混合した。混合粉末の嵩密度は1.1g/cm3であった。
この混合粉末を用いて、加熱温度を800℃にしたこと以外は実施例1と同様の方法で加熱を実施してLiCoO2粉末を製造した。製造されたLiCoO2粉末のX線回折測定を行ったところ、観察されたすべての回折線はLiCoO2によるものであった。製造されたLiCoO2粉末の比表面積は0.54m2/g、LiCoO2粉末に含まれる不純物元素の濃度90ppmであった。
このLiCoO2粉末を、ステンレスボールを使用して、アトライタ(日本コークス製、登録商標)にて20時間、乾式粉砕を行った。得られた粉砕粉の比表面積は4.57m2/g、Fe濃度は620ppmであった。
LiCoO2粉末の代わりに前記粉砕粉を用いたこと、およびボールミルの混合時間を150時間としたこと以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製した。
このスラリーを用いて、実施例1と同様の方法で顆粒を調製した。顆粒の比表面積は7.28m2/g、顆粒中のZr濃度は600ppmであった。
このLiCoO2顆粒を用いて実施例1と同様の方法で成形体の製造、加熱脱脂、焼成を行い、LiCoO2焼結体を製造した。得られた焼結体の相対密度は96.1%、比抵抗は108Ω・cm、焼結体に含まれるLiCoO2粒子の平均粒径は18μm、焼結体に含まれる不純物元素の濃度は1360ppmであった。焼結体に含まれるLiCoO2粒子の粒径の累積相対度数が99%となる粒径は72μmであり、観察されたLiCoO2粒子の最大粒径は88μmであった。
上記実施例および比較例の評価結果を表1にまとめる。
Figure 0006883431

Claims (6)

  1. 比抵抗が100Ω・cm以下であり、相対密度が95%以上であるLiCoO2焼結体であって、該焼結体に含まれる不純物元素の濃度が500ppm以下であり、前記焼結体中に存在するLiCoO2粒子の平均粒径が5〜30μmであり、
    前記焼結体中に存在するLiCoO 2 粒子の99%以上が、粒径60μm以下の粒子であり、
    前記焼結体中に存在するLiCoO 2 粒子の最大粒径が90μm以下であるLiCoO2焼結体。
  2. 前記焼結体に含まれる不純物元素の濃度が200ppm以下である請求項1に記載のLiCoO 2 焼結体。
  3. 前記不純物元素は、Zr,Al,Si,Fe,Cr,Ni,TiおよびWから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載のLiCoO2焼結体。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のLiCoO2焼結体から得られるLiCoO2ターゲット材。
  5. 請求項に記載のターゲット材を基材に接合してなるLiCoO2ターゲット。
  6. LiCoO2粉末を用いて成形体を作製する工程1および前記成形体を焼成する工程2を含むLiCoO2焼結体の製造方法であって、
    前記LiCoO2粉末は、不純物元素の濃度が200ppm以下であり、比表面積が2.0m2/g以上であり、
    前記工程1は、前記LiCoO 2 粉末を用いて不純物元素の濃度が1000ppm以下である成形体を作製する工程である
    請求項1〜のいずれかに記載のLiCoO2焼結体の製造方法。
JP2017008512A 2017-01-20 2017-01-20 LiCoO2焼結体およびその製造方法 Active JP6883431B2 (ja)

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