JP6882643B2 - 画像形成装置及びバイアス電源装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、変調信号の源振に発振子を用いない場合に比べて、形成される画像に発生する濃淡の縞の顕在化を抑制した画像形成装置などを提供することにある。
請求項2に記載の発明は、前記第2の発振子は、前記第1の発振子が設けられた基板と異なる基板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、一次巻線と二次巻線とを有し、当該一次巻線に電流が供給されることにより、当該二次巻線から交流出力信号を出力するトランスと、スイッチ素子を有し、受信した変調出力信号に基づいて当該スイッチ素子をスイッチングさせて前記トランスの前記一次巻線に電流を供給するスイッチ回路と、前記交流出力信号の周波数を設定する周波数設定信号と、変調信号とを受信してパルス幅変調された前記変調出力信号を生成する変調回路と、を備え、前記周波数設定信号は、第1の発振子を源振とした第1の分周器によって分周されて生成され、前記交流出力信号の電流を設定する交流電流設定信号は、前記第1の発振子を源振とした第2の分周器によって前記第1の分周器と異なる周期で分周されて生成され、前記変調信号は、第2の発振子を源振として生成されることを特徴とするバイアス電源装置である。
請求項2の発明によれば、第1の発振子が設けられた基板と異なる基板が複数設けられた場合に、周波数設定信号及び交流電流設定信号を共通にできる。
請求項3の発明によれば、変調信号の源振に発振子を用いない場合に比べて、信号間による干渉が抑制できる。
{第1の実施の形態}
<画像形成装置1>
図1は、第1の実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部40を備える。
画像形成ユニット11Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12K、感光体ドラム12Kの表面を予め定められた電圧(帯電バイアス(帯電電界))に帯電する帯電ロール13K、帯電ロール13Kによって帯電された感光体ドラム12Kを露光するプリントヘッド14K、プリントヘッド14Kによって得られた静電潜像を現像する現像器15Kを備える。
さらに、帯電ロール13Kには感光体ドラム12Kを帯電するための帯電バイアスを供給する帯電バイアス電源ユニット13aKが、現像器15Kには現像器15Kに予め定められた電圧(現像バイアス(現像電界))を供給するための現像バイアス電源ユニット15aKが、それぞれ接続されている。
ただし、現像器15K、15Y、15M、15Cは、収納されたトナーが異なる。これにより、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
ここで、帯電ロール13は帯電部の一例、感光体ドラム12は像保持体の一例、プリントヘッド14は露光部の一例、現像器15は現像部の一例である。
さらに、感光体ドラム12は、例えば金属製の薄肉の円筒形ドラムの表面に有機感光層を形成したもので、有機感光層が負極性に帯電するように構成されている。そして、現像器15による現像は反転現像方式にて行われる。したがって、現像器15で使用されるトナーは負極性帯電タイプのものである。
また、現像器15に現像バイアスを供給するために、現像バイアス電源ユニット15aが出力する電圧は、例えば、周波数が8kHzでp−p値が1kVのAC電圧に−500VのDC電圧が重畳されたものである。
高周波変調方式のスイッチング電源は省エネルギー化に有効なものとなっている。
画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
その後、合成トナー像が静電転写された記録用紙は、定着器24まで搬送される。定着器24に搬送された記録用紙上の合成トナー像は、定着器24によって熱及び圧力による定着処理を受けて記録用紙上に定着され、画像形成装置1から排出される。
[バイアス電源装置100のブロック構成]
ここでは、バイアス電源装置100は、一例として帯電バイアス電源ユニット13aKが構成された電源基板110と、後述するクロック信号S01と交流電流設定信号S3を供給する信号生成基板120とを備えるとする。また、バイアス電源装置100は、帯電バイアス電源ユニット13aKの代わりに、他の帯電バイアス電源ユニット13aY、13aM、13aCのいずれかであってもよい。
また、信号生成基板120は、帯電バイアス電源ユニット13aY、13aM、13aC、13aKのそれぞれの電源基板110に共通に設けられてもよく、帯電バイアス電源ユニット13aY、13aM、13aC、13aKのそれぞれの電源基板110に対してそれぞれ設けられてもよい。
バイアス電源装置100は、帯電バイアス電源ユニット13aと現像バイアス電源ユニット15aとを置き換えても、同様に動作する。
帯電バイアス電源ユニット13aKが構成された電源基板110(以下では、帯電バイアス電源ユニット13aKと表記する。)は、交流出力部1200と直流出力部1250とを備える。
信号生成基板120は、発振子81と分周器71、72とを備える。発振子81は、基準信号S0を生成し、分周器71、72に送信する。分周器71は、基準信号S0を予め定められた分周比で分周した交流電流設定信号S3を、交流出力部1200の後述するアナログ電圧変換回路1201に送信する。また、分周器72は、基準信号S0を予め定められた分周比で分周したクロック信号S01を、交流出力部1200の後述する第1ローパスフィルタ1203に送信する。
クロック信号S01は、後述する交流出力信号S38の周波数を設定する。交流電流設定信号S3は、交流出力信号S38の電流Iacを設定する。
発振子81は、クロック信号S01及び交流電流設定信号S3の源振であって、発振子81の生成する基準信号S0を分周することにより、クロック信号S01及び交流電流設定信号S3の周波数が設定される。
なお、交流電流設定信号S3は、直流電圧設定信号S4と同様に、画像出力制御部30が送信してもよい。
交流出力部1200及び直流出力部1250は、共にスイッチ素子をスイッチング(オンオフ)することにより高電圧の出力電力を発生するスイッチング電源である。なお、図2では、一例として、交流出力部1200は他励方式、直流出力部1250は自励方式であるとする。
なお、図2では、帯電バイアス電源ユニット13aKの直流出力部1250については、ブロック構成の表記を省略している(後述する図3参照。)。
アナログ電圧変換回路1201は、信号生成基板120から交流電流設定信号S3を受信する。交流電流設定信号S3は、前述したようにPWM信号であって、デューティ比によりトランス1208が出力する交流(正弦波)電流Iacの値を設定する。このデューティ比は、例えば、3%〜100%である。
そして、アナログ電圧変換回路1201は、受信した交流電流設定信号S3のデューティ比に対応した電圧の信号(以下、アナログ電圧信号S31と表記する。)を生成し、増幅回路1202に送信する。
そして、増幅回路1202は、アナログ電圧信号S31の電圧と検出信号S51の電圧との差を増幅し、誤差増幅信号S32を生成し、第1ローパスフィルタ1203に送信する。
周波数設定信号S33は、デューティ比50%の矩形波信号であるクロック信号S01から正弦波成分を取り出した信号であるので、周波数設定信号S33の周波数は、クロック信号S01の繰り返し周波数である。
なお、変調信号S11は、発振子82が送信する基準信号S1を、分周器73が予め定められた分周比で分周し、積分回路1212にて三角波とした信号である。分周器73の分周比は、画像出力制御部30によって設定される。変調信号S11を生成する、発振子82、分周器73及び積分回路1212については、後述する図4で説明する。
スイッチ回路1206は、後述する2つの電界効果トランジスタFET1、FET2をスイッチ素子として備える(後述する図3参照)。駆動信号S35は、PWM信号であって、スイッチ回路1206の電界効果トランジスタFET1、FET2が、交互にオンオフを繰り返す(スイッチングする)。これにより、スイッチ回路1206が第2ローパスフィルタ1207に送信するスイッチ出力信号S36は、駆動信号S35に追従したPWM信号となる。
交流電圧検出回路1210は、帯電ロール13Kに印加される交流出力電圧Vacを検知(モニタ)し、交流出力電圧Vacに比例するように変換した直流電圧の検出信号S52を送信する。
すなわち、交流電圧検出回路1210の検出信号52を過電圧制御に用いてもよい。
すなわち、画像形成装置1において、帯電バイアスは、電流が予め定められた値に維持されることがよく、現像バイアスは、電圧が予め定められた値に維持されることがよい。
以下では、交流電圧検出回路1210についての説明を省略する。
しかし、帯電バイアス電源ユニット13aKが構成された電源基板110と信号生成基板120とは、それぞれが個別の回路基板上に構成されてもよく、一枚(一個)の回路基板上に構成されていてもよい。
一方、帯電バイアス電源ユニット13aKを構成する電源基板110は、一枚(一個)の回路基板上に構成されず、複数の回路基板に構成されてもよい。
図3は、帯電バイアス電源ユニット13aKの回路構成の一例を示す図である。
なお、図3における各ブロックは、説明を容易にするため、図2と異なるように配置されている。また、各ブロックの配置は、模式的であって、この配置に限定されない。
また、図3に示す帯電バイアス電源ユニット13aKの回路構成は、一例であって他の回路構成であってもよく、他の部品(誤差増幅器、比較器、バッファ、抵抗、コンデンサなど)や他の回路をさらに含んでいてもよい。
まず、交流出力部1200を説明する。
発振子82、分周器73及び積分回路1212については後述する図4で説明するので、ここでは、発振子82、分周器73及び積分回路1212が生成する変調信号S11以降を説明する。
アナログ電圧変換回路1201の入力端子は、抵抗R1の一方の端子であって、画像出力制御部30から交流電流設定信号S3を受信する。抵抗R1の他方の端子は、バッファB1の入力端子に接続されている。また、バッファB1の入力端子は、抵抗R2の一方の端子に接続されている。抵抗R2の他方の端子は接地(接地電圧GND)されている。
バッファB1の出力端子は、抵抗R3の一方の端子に接続されている。抵抗R3の他方の端子は、アナログ電圧変換回路1201の出力端子であって、アナログ電圧信号S31を送信する。さらに、抵抗R3の他方の端子は、コンデンサC1の一方の端子に接続されている。そして、コンデンサC1の他方の端子は接地(接地電圧GND)されている。
また、バッファB1は、基準電圧Vref1と接地電圧GNDとが供給されている。
誤差増幅器Amp1の非反転入力端子(以下では、+入力端子と表記する。)は、アナログ電圧変換回路1201の出力端子である抵抗R3の他方の端子に接続され、アナログ電圧信号S31を受信する。誤差増幅器Amp1の反転入力端子(以下では、−入力端子と表記する。)は、抵抗R5の一方の端子に接続されている。そして、抵抗R5の他方の端子は、交流電流検出回路1209に接続され、検出信号S51を受信する。
そして、誤差増幅器Amp1の出力端子は、抵抗R4の一方の端子に接続されている。抵抗R4の他方の端子は、増幅回路1202の出力端子である。
そして、コンデンサC2は、誤差増幅器Amp1の−入力端子と誤差増幅器Amp1の出力端子との間を接続している。
誤差増幅器Amp1は、アナログ電圧信号S31の電圧と検出信号S51との電圧の差を増幅して、誤差増幅信号S32を生成する。そして、誤差増幅信号S32が、増幅回路1202の出力端子である抵抗R4の他方の端子から、第1ローパスフィルタ1203に送信される。
抵抗R6の一方の端子は、第1ローパスフィルタ1203の入力端子であって、分周器71からクロック信号S01を受信する(図2参照)。抵抗R6の他方の端子は、npnトランジスタTr1のベース端子に接続されている。npnトランジスタTr1のエミッタ端子は接地(接地電圧GND)され、コレクタ端子はnpnトランジスタTr2のベース端子に接続されている。npnトランジスタTr2のエミッタ端子は接地(接地電圧GND)され、コレクタ端子はダイオードD1のカソード端子に接続されている。そして、npnトランジスタTr1のコレクタ端子(npnトランジスタTr2のベース端子)には、基準電圧Vref2が供給されている。
また、抵抗R7の一方の端子はnpnトランジスタTr1のベース端子に接続され、他方の端子は接地(接地電圧GND)されている。
ダイオードD1のアノード端子は、増幅回路1202の出力端子である抵抗R4の他方の端子に接続されている。また、ダイオードD1のアノード端子は、コンデンサC3の一方の端子に接続されている。
誤差増幅器Amp2の+入力端子には、基準電圧Vref3が供給されている。
npnトランジスタTr1は入力バッファとして働き、npnトランジスタTr2は、ダイオードD1とともに、誤差増幅信号S32をクロック信号S01で変調する。
コンデンサC3は、カップリングコンデンサであって、クロック信号S01で変調された誤差増幅信号S32から交流成分を取り出す。
誤差増幅器Amp2、抵抗R8、R9、R10、コンデンサC4、C5はローパスフィルタを構成し、高周波成分を遮断して、正弦波である周波数設定信号S33を生成する。
そして、周波数設定信号S33が、第1ローパスフィルタ1203の出力端子である誤差増幅器Amp2の出力端子から、変調回路1204に送信される。
なお、周波数設定信号S33の振幅(p−p値)は、後述するように、誤差増幅信号S32によって設定される。
変調回路1204は、比較器Cmpを備える。比較器Cmpの+入力端子は、変調信号S11を受信する。そして、比較器Cmpの−入力端子は、第1ローパスフィルタ1203の出力端子(誤差増幅器Amp2の出力端子)に接続され、周波数設定信号S33を受信する。そして、比較器Cmpの出力端子は、駆動回路1205に接続されている。
比較器Cmpは、周波数設定信号S33の電圧と変調信号S11の電圧とを比較し、変調信号S11の電圧が周波数設定信号S33の電圧より大きい期間において、電源電圧Vsとなり、変調信号S11が周波数設定信号S33より小さい期間において接地電圧GNDとなる変調出力信号S34を生成し、送信する。変調出力信号S34は、変調信号S11の電圧と周波数設定信号S33の電圧との差によって、パルス幅が設定されるPWM信号となる。
抵抗R11の一方の端子は、駆動回路1205の入力端子であって、変調回路1204の比較器Cmpの出力端子に接続され、変調出力信号S34を受信する。そして、抵抗R11の他方の端子はpnpトランジスタTr3のベース端子及びnpnトランジスタTr4のベース端子に共通に接続されている。pnpトランジスタTr3のコレクタ端子は接地(接地電圧GND)され、npnトランジスタTr4のコレクタ端子は電源電圧Vsに設定されている。そして、pnpトランジスタTr3のエミッタ端子とnpnトランジスタTr4のエミッタ端子とは接続されて、駆動回路1205の出力端子である。駆動回路1205の出力端子は、駆動信号S35をスイッチ回路1206に送信する。
抵抗R11は、pnpトランジスタTr3及びnpnトランジスタTr4に過剰な電流が流れることを抑制する。
すなわち、駆動信号S35は、変調出力信号S34と電圧の大小関係が同じPWM信号となる。駆動回路1205は、スイッチ回路1206に駆動のための電流を供給するバッファとして機能する。
抵抗R12の一方の端子及び抵抗R13の一方の端子が共通に接続されて、スイッチ回路1206の入力端子となって、駆動回路1205から駆動信号S35を受信する。抵抗R12の他方の端子は電界効果トランジスタFET1のゲート端子に接続され、抵抗R13の他方の端子は電界効果トランジスタFET2のゲート端子に接続されている。電界効果トランジスタFET1のソース端子は接地(接地電圧GND)され、電界効果トランジスタFET2のソース端子は電源電圧Vsに設定されている。さらに、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子と電界効果トランジスタFET2のドレイン端子とが接続されて、スイッチ回路1206の出力端子であって、スイッチ出力信号S36を送信する。
インダクタンスLの一方の端子は、スイッチ回路1206の出力端子に接続され、スイッチ出力信号S36を受信する。インダクタンスLの他方の端子は、トランス1208の一次巻線の一方の端子に接続されている。そして、電源電圧Vsと接地電圧GNDとの間に、抵抗R14及び抵抗R15が直列に接続されている。その中点(抵抗R14と抵抗R15との接続点)は、トランス1208の一次巻線の他方の端子に接続されている。
そして、コンデンサC8は、トランス1208の一次巻線の一方の端子と他方の端子との間に接続されている。
インダクタンスLとコンデンサC8とで構成されるLC回路でローパスフィルタが構成されている。
また、コンデンサC7は、一方の端子が抵抗R14と抵抗R15との接続点に接続され、他方の端子が接地されている。コンデンサC7は、トランス1208の一次巻線の他方の端子の電圧の変動を抑制する。
そして、コンデンサC6は、電源電圧Vsと接地電圧GNDとの間に設けられ、電源電圧Vsの変動を抑制する。
第2ローパスフィルタ1207は、PWM信号であるスイッチ出力信号S36から正弦波を取り出して正弦波信号S37を生成し、トランス1208に送信する。
そして、二次巻線の一方の端子と他方の端子との間にコンデンサC9が接続されている。さらに、二次巻線の一方の端子は、抵抗R26を介して、帯電ロール13Kに接続されている。二次巻線の他方の端子は、直流出力部1250に接続されている。これにより、帯電ロール13Kには、交流出力部1200が出力する交流出力電圧Vac(交流出力電流Iac)と直流出力部1250が出力する直流出力電圧Vdc(直流出力電流Idc)とが重畳された出力電圧Vo(出力電流Io)が印加される。
コンデンサC10の一方の端子は、交流電流検出回路1209の入力端子であって、トランス1208の二次巻線の他方の端子に接続されている。そして、コンデンサC10の他方の端子は、ダイオードD2のカソード端子とダイオードD3のアノード端子とに接続されている。ダイオードD2のアノード端子は接地されている。ダイオードD3のカソード端子は、抵抗R15の一方の端子とコンデンサC11の一方の端子とに共通に接続されている。そして、抵抗R15の他方の端子及びコンデンサC11の他方の端子は接地されている。
そして、ダイオードD3のカソード端子は、交流電流検出回路1209の出力端子であって、増幅回路1202の抵抗R5を介して誤差増幅器Amp1の−入力端子に接続され、検出信号S51を増幅回路1202に送信する。
図2では省略した直流出力部1250は、図3に示すように、アナログ電圧変換回路1251、増幅回路1252、制御回路1253、スイッチ回路1254、トランス1255、整流回路1256、直流電圧検出回路1257を備える。
以下、それぞれの回路を説明する。
アナログ電圧変換回路1251は、交流出力部1200のアナログ電圧変換回路1201と同様な回路構成であって、バッファB2、抵抗R16、R17、R18、コンデンサC12を備える。なお、バッファB2は、インバータとして機能する。
抵抗R16の一方の端子は、アナログ電圧変換回路1251の入力端子であって、直流電圧設定信号S4を受信する。そして、抵抗R16の他方の端子は、バッファB2の入力端子に接続されている。また、バッファB2の入力端子は、抵抗R17の一方の端子に接続されている。抵抗R17の他方の端子は接地(接地電圧GND)されている。
バッファB2の出力端子は、抵抗R18の一方の端子に接続されている。抵抗R18の他方の端子は、アナログ電圧変換回路1251の出力端子であって、アナログ電圧信号S41を、増幅回路1252に送信する。また、抵抗R18の他方の端子は、コンデンサC12の一方の端子に接続されている。そして、コンデンサC12の他方の端子は接地されている。
また、バッファB2には、基準電圧Vref5と接地電圧GNDとが供給されている。
抵抗R19の一方の端子は、増幅回路1252の入力端子であって、アナログ電圧変換回路1251からアナログ電圧信号S41を受信する。そして、抵抗R19の他方の端子は、誤差増幅器Amp3の−入力端子に接続されている。一方、誤差増幅器Amp3の+入力端子は、抵抗R21を介して直流電圧検出回路1257に接続され、検出信号S42を受信する。
抵抗R20及びコンデンサC13は直列接続され、抵抗R20のコンデンサC13と接続されていない端子が誤差増幅器Amp3の−入力端子に接続されている。そして、コンデンサC13の抵抗R20と接続されていない端子が誤差増幅器Amp3の出力端子に接続されている。
誤差増幅器Amp3の出力端子は、抵抗R22の一方の端子に接続されている。抵抗R22の他方の端子は、増幅回路1252の出力端子であって、誤差増幅器Amp3がアナログ電圧信号S41と検出信号S42と差を増幅した誤差増幅信号S43を制御回路1253に送信する。
npnトランジスタTr5の動作は、トランス1255の動作とともに後述する。
トランス1255の二次巻線の両端子は、整流回路1256に接続されている。
整流回路1256は、二次巻線に誘起される電圧を、負(−)の直流出力電圧Vdc(直流出力電流Idc)に変換する。
抵抗R25とコンデンサC15とは並列接続されている。この並列接続された一方の端子は、抵抗R24を介して、整流回路1256の出力端子である抵抗R23の他方の端子に接続されている。また、抵抗R25及びコンデンサC15の並列接続された他方の端子は、整流回路1256のコンデンサC14の他方の端子に接続されるとともに、基準電圧Vref6に設定されている。
なお、基準電圧Vref6は、増幅回路1252における誤差増幅器Amp3の+入力端子の電圧が負にならないように設定する。
直流出力電圧Vdcは抵抗R24と抵抗R25とで分圧される。よって、直流電圧検出回路1257は、抵抗R25に現れた電圧を検出(モニタ)し、直流出力電圧Vdcに比例した検出信号S42を、増幅回路1252に送信する。
スイッチ回路1254が制御回路1253からnpnトランジスタTr5をオンにする正(+)の駆動信号S44を受信することにより、npnトランジスタTr5がオンになる。すると、トランス1255の一次巻線を介して、npnトランジスタTr5のコレクタ端子−エミッタ端子間に電流が流れる。
なお、二次巻線にも電圧が発生するが、ダイオードD4の向きが電圧の向きと逆向きであるため、二次巻線には電流が流れない。
ダイオードD4に流れる電流が0になると、一次巻線、一次側補助巻線、二次巻線に発生していた電圧が0Vになる。これにより、npnトランジスタTr5のベース端子−エミッタ端子間が制御回路1253からの駆動信号S44により、再び正(+)側に上昇する。これにより、npnトランジスタTr5が再びオンになる。
このように、npnトランジスタTr5をスイッチング(オンオフ)させることで、オフの期間に二次巻線に流れる電流により直流出力電圧Vdcが発生する。
次に、発振子82、分周器73及び積分回路1212について説明する。
図4は、第1の実施の形態における発振子82、分周器73及び積分回路1212の一例を示す回路図、クロック信号S02及び変調信号S11の波形を示す図である。図4(a)は、発振子82、分周器73及び積分回路1212の回路図、図4(b)は、クロック信号S02及び変調信号S11の波形である。
図4(a)に示すように、発振子82は、基準信号S1を生成して、分周器73に送信する。分周器73は、基準信号S1を予め定められた分周比で分周して、クロック信号S02を生成する。クロック信号S02は、図4(b)に示すように、デューティ比50%の矩形波信号である。なお、分周器73の分周比は、画像出力制御部30によって設定される。
積分回路1212の入力端子である抵抗R61の一方の端子は、分周器73に接続され、分周器73からクロック信号S02を受信する。
抵抗R61の他方の端子は、誤差増幅器Amp4の−入力端子に接続されている。コンデンサC61は、誤差増幅器Amp4の出力端子と−入力端子との間に設けられている。
そして、誤差増幅器Amp4の+入力端子は、誤差増幅器Amp4の電源電圧Vcc(例えば5V)と接地(接地電圧GND)との間に直列接続された抵抗R62、R63の接続点に接続されている。
また、誤差増幅器Amp4の電源電圧Vccと接地(接地電圧GND)との間に、コンデンサC62が設けられている。
コンデンサC62は、電源電圧Vccと接地(接地電圧GND)との間の電圧の変動を抑制するために設けられている。
すなわち、発振子82は、変調信号S11の源振であって、発振子82が生成する基準信号S1を分周することにより、変調信号S11の周波数が設定される。
次に、タイムチャートを用いて帯電バイアス電源ユニット13aKの動作を説明する。
図5は、第1の実施の形態における帯電バイアス電源ユニット13aKの動作を説明するタイムチャートである。図5では、上から順に、交流電流設定信号S3、アナログ電圧信号S31、クロック信号S01、周波数設定信号S33、変調信号S11、変調出力信号S34、スイッチ出力信号S36、出力電圧Voを示している。
なお、図5では、時刻a、時刻b、時刻c、…で示すように、アルファベット順に時刻が経過するとする。
図5では、交流電流設定信号S3は、時刻aから時刻dまでの期間を1周期とする。そして、交流電流設定信号S3は、時刻aから時刻eまでの期間では、デューティ比が75%、時刻eから時刻fまでの期間では、デューティ比が50%であるとして示している。
すなわち、アナログ電圧信号S31は、交流電流設定信号S3のデューティ比が75%である時刻aから時刻eまでの期間では、基準電圧Vref1の75%の電圧に、デューティ比が50%である時刻eから時刻fまでの期間では、基準電圧Vref1の50%の電圧に設定される。すなわち、アナログ電圧信号S31は、その電圧が交流電流設定信号S3のデューティ比で設定される。
図5では、クロック信号S01の周波数は、説明の便宜上、後述する変調信号S11の周波数の1/8であるとして図示している。
図3に示したように、クロック信号S01は、第1ローパスフィルタ1203のnpnトランジスタTr1のベース端子に入力される。npnトランジスタTr1は、クロック信号S01が「H」である期間ではオンになって、コレクタ端子が接地電圧GNDになり、クロック信号S01が「L」である期間ではオフになって、コレクタ端子が基準電圧Vref2になる。ここでは、基準電圧Vref2は正の電圧であって、例えば5Vとする。
npnトランジスタTr1のコレクタ端子は、npnトランジスタTr2のベース端子に接続されている。よって、npnトランジスタTr1のコレクタ端子が基準電圧Vref2である期間(クロック信号S01が「L」の期間)では、npnトランジスタTr2はオンであって、そのコレクタ端子は接地電圧GNDになる。一方、npnトランジスタTr1のコレクタ端子が接地電圧GNDである期間(クロック信号S01が「H」の期間)では、npnトランジスタTr2がオフであって、npnトランジスタTr2のコレクタ端子はフローティング状態になる。
誤差増幅信号S32が第1ローパスフィルタ1203に入力されると、ダイオードD1により変調される。npnトランジスタTr2のコレクタ端子が接地電圧GNDの期間(クロック信号S01が「L」の期間)では、ダイオードD1が順方向バイアスになって、誤差増幅信号S32は接地電圧GNDに引き込まれる。一方、npnトランジスタTr2のコレクタ端子がフローティング状態にある期間(クロック信号S01が「H」の期間)ではダイオードD1が順方向バイアスにならず、誤差増幅信号S32が維持される。すなわち、誤差増幅信号S32は、第1ローパスフィルタ1203において、クロック信号S01によって変調される。
ここでは交流電流検出回路1209が出力する検出信号S51の影響は受けないとしている。
なお、図5において、説明の便宜上、交流電流設定信号S3の周波数は、変調信号S11の周波数の1/2として図示している。
図5では、変調信号S11に重ねて、周波数設定信号S33を破線で示している。変調出力信号S34は、変調信号S11と周波数設定信号S33との大小関係によって、パルス幅が設定されるPWM信号となる。
整流回路1256は、誘起された電圧を整流して直流出力電圧Vdcを出力する。
前述したように、直流出力電圧Vdcが−600V、交流出力電圧Vacが周波数2kHz、p−p値2kVであるとすると、出力電圧Voは、図5に示すように、接地電圧GND(0V)を挟んで正負に振動する。
このようにして、帯電バイアス電源ユニット13aKは動作する。
しかし、第1の実施の形態が適用されないバイアス電源装置100では、電源基板110の交流出力部1200における変調信号S11を生成する回路が、図2に示した第1の実施の形態が適用されるバイアス電源装置100と異なっている。
RC回路1213は、抵抗(R)とコンデンサ(C)との間で生じる充放電により、クロック信号S02が設定される発振回路である。抵抗(R)及びコンデンサ(C)は環境温度の変動(温度ドリフト)によりそれらの値が変化しやすい。このため、RC回路1213で生成されるクロック信号S02の周波数が変動しやすい。
第1の実施の形態が適用されるバイアス電源装置100における交流出力信号S38に波形揺れがほとんど見られないことは、発振子82により発振周波数(基準信号S1の周波数)の変動が抑制されていることによる。
すなわち、発振子81が生成する基準信号S0と発振子82が生成する基準信号S1との間の位相関係がずれにくいことによる。
第1の実施の形態が適用されないバイアス電源装置100におけるクロック信号S02の揺れは、RC回路1213の発振周波数(クロック信号S02の周波数)が環境温度の変動(温度ドリフト)により絶えずずれる(ばらつく)ことによる。このため、交流出力信号S38は、電圧(ピーク電圧)が大きく変動する。
なお、クロック信号S02の時間軸上におけるずれ量を、クロック信号S02の波形揺れτとする。
そして、例えば、プロセス速度vが300mm/sであるとき、干渉周波数fが60Hzであると、バンディング(画質ムラ)のピッチpは5mmとなる。
経験上、バンディングは、ピッチpが例えば3mm以下、又は、10mm以上であれば、顕在化しない(視認しづらい)ことが分かっている。
しかし、ピッチpが例えば3mm超且つ10mm未満になると、バンディング(画質ムラ)が顕在化してしまう(視認される)。
すなわち、バンディング(画質ムラ)を顕在化しない状態又は軽微な状態に抑えるためには、クロック信号S02の波形揺れτを5ns以下にするとよい。
これには、発振子81を源振とするクロック信号S01と同様に、環境温度の変動(温度ドリフト)によるクロック信号S02の周波数の変動が抑制される発振子(第1の実施の形態における発振子82)を源振にするとよい。
発振子81は、交流出力信号S38の周波数を設定するクロック信号S01の源振であり、交流出力信号S38の電流Iacを設定する交流電流設定信号S3の源振である。発振子82は、変調信号S11の源振である。
交流出力信号S38の周波数は、例えば2kHzであり、変調信号S11の周波数は、例えば、100kHzである。すなわち、交流出力信号S38と変調信号S11とは、周波数が大きく異なる。よって、発振子81の生成する基準信号S0と発振子82の生成する基準信号S1とを異なる周波数とすることで、交流出力信号S38を生成する分周器72及び変調信号S11を生成する分周器73のそれぞれの分周比の設定が容易になる。
第1の実施の形態においては、クロック信号S02を生成する発振子82及び分周器73は、電源基板110に設けられていた。
第2の実施の形態においては、クロック信号S02を生成する発振子82及び分周器73は、信号生成基板120に設けられている。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同様の部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
そして、発振子82及び分周器73は、信号生成基板120に設けられている。
第2の実施の形態が適用されるバイアス電源装置100では、信号生成基板120に、発振子81と発振子82とが設けられていた。発振子81は、クロック信号S01及び交流電流設定信号S3の源振である。クロック信号S01は、交流出力信号S38の周波数を設定する周波数設定信号S33の周波数を設定する。発振子82は、クロック信号S02の源振である。クロック信号S02は、変調信号S11の周波数を設定する。
このため、部品実装面積の増加及び部品のコストが増加する。
そこで、第3の実施の形態では、信号生成基板120において、発振子82を省略し、発振子81をクロック信号S02の源振としている。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同様の部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
そして、分周器73は、信号生成基板120に設けられ、発振子81から基準信号S0を受信する。
Claims (3)
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光し、当該像保持体に静電潜像を形成する露光部と、
前記露光部により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像部と、
前記現像された画像を被転写体に転写する転写部とを、備え、
前記帯電部及び前記現像部の少なくとも一方は、交流と直流とを重畳した電界を用い、当該電界は、
一次巻線と二次巻線とを有し、当該一次巻線に電流が供給されることにより、当該二次巻線から交流出力信号を出力するトランスと、
スイッチ素子を有し、受信した変調出力信号に基づいて当該スイッチ素子をスイッチングさせて前記トランスの前記一次巻線に電流を供給するスイッチ回路と、
前記交流出力信号の周波数を設定する周波数設定信号と、変調信号とを受信してパルス幅変調された前記変調出力信号を生成する変調回路と、を備えたバイアス電源によって生成され、
前記周波数設定信号は、第1の発振子を源振とした第1の分周器で分周されて生成され、
前記交流出力信号の電流を設定する交流電流設定信号は、前記第1の発振子を源振とした第2の分周器で前記第1の分周器と異なる周期で分周されて生成され、
前記変調信号は、第2の発振子を源振として生成される
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2の発振子は、前記第1の発振子が設けられた基板と異なる基板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 一次巻線と二次巻線とを有し、当該一次巻線に電流が供給されることにより、当該二次巻線から交流出力信号を出力するトランスと、
スイッチ素子を有し、受信した変調出力信号に基づいて当該スイッチ素子をスイッチングさせて前記トランスの前記一次巻線に電流を供給するスイッチ回路と、
前記交流出力信号の周波数を設定する周波数設定信号と、変調信号とを受信してパルス幅変調された前記変調出力信号を生成する変調回路と、を備え、
前記周波数設定信号は、第1の発振子を源振とした第1の分周器によって分周されて生成され、
前記交流出力信号の電流を設定する交流電流設定信号は、前記第1の発振子を源振とした第2の分周器によって前記第1の分周器と異なる周期で分周されて生成され、
前記変調信号は、第2の発振子を源振として生成される
ことを特徴とするバイアス電源装置。
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