JP6882175B2 - 混合溶媒を使用したフルフラールの調製 - Google Patents

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Description

先行する出願の全体の開示は、本願の開示の一部として考慮され、参照することにより組み込まれる。本明細書において引用される文献のいずれも、参照することによりその全体が組み込まれる。
連続栓流反応器を使用してペントースからフルフラールを生成するための方法は、US4,533,743に記載されている。この特許はまた、出願WO2015/020845A1にも引用されている。この国際出願は、バイオマスに由来するフルフラールからフランを生成するための方法に関する。
ヘミセルロース糖からフルフラールを生成するためのさらなる方法が、WO2015/034964Aに開示されている。
本発明は、キシロース含有原料からフルフラールを調製するための改善された方法に関し、より詳細には、酸性条件下でのキシロース含有原料からフルフラールへの高温変換に関する。前記方法は、イソホロン又は2種の溶媒の混合物を使用し、その条件下において、形成されたフミンは溶媒に可溶化され、方法は、固体副生成物が大量に形成されることなく、連続モードで操作される。
フルフラールは、重要な再生可能及び非石油系プラットフォーム化学原料である。フルフラールは、ベンズアルデヒドの特性と同様の特性を有する、ピロ粘液酸のアルデヒドである。これは、石油化学産業において潤滑油を精製するための溶媒として広く使用されている。フルフラールは、さらに、フラン及びテトラヒドロフラン等の溶媒の生成における化学中間体として使用される。テトラヒドロフランは、ナイロンの調製に使用される出発材料にさらに変換される。フルフラールはまた、抗菌剤及び除草剤(weedicidal agent)として使用されている。ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、フルフラール及びフルフリルアルコール等のフラン誘導体は、再生可能バイオマス源から誘導され、ジメチルフラン及びレブリン酸エチルを含む他の潜在的輸送燃料の構成要素として役立つ。これらの誘導体は、固体樹脂を作製するために、それ自体で、又はフェノール、アセトン若しくは尿素と共に使用され得る。そのような樹脂は、グラスファイバー、航空機部品、自動車用ブレーキ等の作製に使用される。
従来、フルフラールは、トウモロコシの茎及びトウモロコシの穂軸、オーツ麦及び落花生の殻、並びに他の廃バイオマス原料(リグノセルロース材料-LCM)から得られる、ペントース糖の脱水により生成される。バイオマスのペントース(C5)分画は、主として、バイオマスから生成される有用なプラットフォーム化学物質であるフルフラールを生成するために、生物精製所において利用される。フルフラールを生成する従来の方法の1つは、前記バイオマス中に含有されるペントサンの酸脱水によるものである。従来のバッチ式フルフラール生成プロセスは、50%未満の収率をもたらすフミンと呼ばれる樹脂状物質の形成によるフルフラールの高い損失を特徴とする。このプロセスはまた、多くの蒸気を必要とし、多量の流出廃棄物を生成する。この方法は、さらに、費用が高いという欠点を有する。別の従来の方法によれば、フルフラールは、バイオマスをフルフラールに変換する触媒プロセスにより生成される。このプロセスは、より良好な収率をもたらす二相プロセスであるが、反応系は均質で、腐食性であり、小規模反応において最大10%のキシロースが使用され得る。したがって、様々なバイオマス供給原料からのフルフラール調製のより効果的及び効率的な方法が必要とされている。先行技術の方法では、10%以上、ましてや20%以上のキシロース含量を有するLCMからのキシロース含有供給流を処理することが非常に困難であった。
さらに、形成されるフミンは、LCMバイオマスに由来するキシロースからのフルフラールの調製において従来使用される溶媒に不溶である。これは、不溶性フミンの蓄積及びシステム内の熱伝達問題に起因して連続生成プロセスとして開発することができない方法をもたらし、したがって、バッチ処理が日常的に行われている。バッチプロセスは、バルク化学産業において、連続プロセスと比較して高い費用を要し、資本集約的である。したがって、経済的、及び技術的利益のために、キシロースバイオマスを含有するLCMからフルフラールを生成するための連続プロセスを開発することが必要とされている。
US4,533,743 WO2015/020845A1 WO2015/034964A
本発明の目的は、様々なバイオマス原料、特にリグノセルロース材料含有キシロースバイオマスからフルフラールを生成するための効率的な方法、特に連続的な方法であって、特に反応装置がフミンのような副生物によって詰まることがより少なくなる、例えば、粘着性の不溶性フミンを回避するという点で、先行技術の従来の方法と比較して改善されている、方法を提供することである。
さらなる目的は、経済的観点から、特に工業規模において有益な方法を提供することであった。
本発明の目的は、本発明の請求項1に概説される主題により解決された。従属請求項、並びに説明及び実施例は、本発明のさらなる実施形態を示す。
キシロースを含むLCM原料からのフルフラールの生成の好ましい実施形態のプロセスフロー図である。本発明の1つの好ましい実施形態の特徴を説明するために、方法の異なる要素が特定され、方法の間に形成される異なる流れ及び成分の方向性が示されている。ATFDステップ(撹拌薄膜乾燥機(agitated thin film dryer))が、任意選択で行われてもよい。
用語の定義
以下の説明は、本発明の一般的原理を例示することを目的としてなされており、本明細書において請求される本発明の概念を限定することを意図しない。さらに、本明細書において説明される具体的特徴は、様々な可能な組合せ及び並べ替えのそれぞれにおいて、他の説明される特徴と組み合わせて使用されてもよい。
本明細書において別段に具体的に定義されない限り、全ての用語には、明細書から暗示される意味、並びに当業者により理解される、及び/又は辞書、論文等において定義される意味を含む、その最も広い可能な解釈が与えられるべきである。
また、明細書及び添付の請求項において使用される場合、別段に指定されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。
本明細書において使用される場合、「約」という用語は、値と組み合わされた際には、別段に指定されない限り、基準値のプラス及びマイナス10%を指す。例えば、約50℃の温度は、50℃±5℃を指す。
本発明に記載される量のいずれの指定も、別段に指定されない場合、重量による量の指定として解釈されるべきである。
本発明において、所与の反応又はプロセスステップは、標準圧力/周囲圧力、すなわち1013ミリバールで行われる。さらに、「バール」への言及はいずれも、別段に指定されない場合、絶対バールとして理解されるべきである。
本発明において、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のありとあらゆる組合せを含む。
本発明による工業規模の方法は、大規模の方法又は中規模の方法を意味し、換言すれば、抽出物として、少なくとも1kg、好ましくは3kgの量が使用されることを意味する。
リグノセルロースバイオマス(LCM)は、藁、トウモロコシの皮、小麦、サトウキビバガス、トウモロコシ茎葉、木片、おがくず、及び都市固形廃棄物の有機分画等の農業廃棄物有機物の大部分を構成する。LCMは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンの3つの主要な成分を有する。セルロース及びヘミセルロース等の炭水化物ポリマーは、異なる糖モノマーを含有し、一方リグニンは、フェニルプロパノイド前駆体から合成される複合芳香族ポリマーである。ヘミセルロースは、ヘキソース(グルコース、マンノース及びガラクトース)並びにペントース(アラビノース及びキシロース)等の2つの異なる糖モノマーを含有する低分子量へテロ多糖類鎖である。バイオマス、好ましくはLCM中に存在するヘミセルロースは、酸性媒体中で加水分解され、キシロースを形成する。リグノセルロース原料は、事実上キシロースを得るための唯一の源である。
本明細書において開示される本発明の一実施形態において、好ましくはバイオマスから、好ましくはLCMから得られたキシロースからフルフラールへの効率的変換のための方法は、7つのステップ、すなわち、
1)酸前処理、
2)pH調節、
3)溶媒(混合物)添加、
4)生成物の調製、
5)相分離、
6)有機相のpH調節、
7a)任意選択で、低沸点溶媒の分離、
7)フルフラールの回収、並びに
8)高沸点溶媒のリサイクル及び/又は回収
を含む。
各ステップは、キシロースからフルフラールへの変換を達成するために必要な、特定の、又は任意選択の機能を実行するための1つ以上の要素を含んでもよい。当業者には、本明細書において開示される本発明の目的を果たすために使用され得る、これらの要素の異なる種類及び/又は組合せが理解され得る。
別の実施形態において、本発明の方法の間テトラリンは全く使用されず、特に本発明による方法において存在するそれぞれ溶液である流れのいずれにもテトラリンは存在しない。
ステップ1:酸前処理
好ましくはトウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉、バガス又はそれらの混合物からなる群から選択される、原料としてのリグノセルロースバイオマス(LCM)は、好ましくはH2SO4、H3PO4、シュウ酸及びそれらの混合物からなる群から選択される鉱酸又は有機酸で前処理され、不溶性分画が除去され、キシロース及び酸を含む可溶性分画が第1の流れを形成する。一実施形態において、H2SO4約1.5重量%及びシュウ酸約0.5重量%の組合せが、酸前処理に使用される。この第1の流れは、5から30重量%の間のキシロース、好ましくは10から25重量%、より好ましくは10から24、23、22又は21重量%、特に10から20重量%のキシロースを含むように調節され、一般的には、少なくとも10重量%のキシロースを含み、約2重量%の前記酸を含む。一実施形態において、キシロース含量は、10から30%の間のキシロースである。
1つの代替例では、この第1のステップにおいて、流れ、例えばキシロースを含むLCMの酸処理の可溶性分画及び酸を含む、又はそれらからなる流体が、それぞれ反応容器である反応器内に放出される。
一実施形態において、本発明による方法の間、追加の塩(複数可)又はその水溶液は添加されない。1つの代替例において、本発明による方法のステップ1において、追加の塩(複数可)又はその水溶液は添加されない。本発明のそれぞれ溶液である流れは、特にステップ1において、in situで化学反応により形成される塩、特に硫酸塩及び/又はリン酸塩を含んでもよいが、塩(複数可)の積極的な添加は行われない。
塩は、本発明によれば、酸と塩基との間の化学反応から生じる化合物として定義され、酸の水素原子は、塩基のカチオンにより置き換えられている。カチオンは、金属カチオン又は四級アンモニウムカチオンである。
一実施形態において、C5流は、LCM前処理の後、いかなるそれ以上の処理又は精製もなしにそのままで使用される。
本発明の一実施形態において、前記反応容器は、オートクレーブ容器である。本発明の別の実施形態において、前記反応器は、バッチ型密閉撹拌槽反応器である。本発明のさらに別の実施形態において、前記反応器は、栓流(plug-flow)反応器である。本発明のさらに別の好ましい実施形態において、前記反応器は、連続撹拌槽反応器、又は連続栓流反応器である。
代替例において、使用される反応器は、撹拌槽型、機械的にかき混ぜられる撹拌型、又は連続型であってもよい。
別の代替例において、第1の流れは、任意の好適な容器内で、ステップ2に従って処理される。
ステップ2:pHの調節
前記第1の流れのpHは、塩基、好ましくは金属酸化物又は水酸化物、より好ましくはアルカリ又はアルカリ土類金属酸化物又は水酸化物、さらにより好ましくはNaOH又はMgOを使用して、約1から約2の間、好ましくは約1.4から約1.8の間、最も好ましくは約1.6のpHに調節され、第2の流れを形成する。
1つの代替例において、第2の流れは、上で定義されたような反応器内に放出される。別の代替例において、第2の流れは、任意の好適な容器内で溶媒(複数可)と混合される。
ステップ3:溶媒の添加
第2の流れは、イソホロン、又は溶媒の混合物、好ましくはフルフラールの沸点を超える沸点を有する1種の溶媒(高沸点溶媒)、好ましくはイソホロンと、フルフラールの沸点を下回る沸点を有する1種の溶媒(低沸点溶媒)との混合物、最も好ましくはメチルイソブチルケトン(MIBK)とイソホロン(ISP)との、又はトルエンとISPとの混合物と混合され、第3の流れを形成する。2種の溶媒が使用される場合、一方の溶媒は最終生成物(フルフラール)より低い沸点を有し、第2の溶媒は前記最終生成物より高い沸点を有する。
低沸点溶媒として、好ましくは、MIBK、トルエン及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが、本発明に関連して使用される。
高沸点溶媒として、好ましくは、イソホロン、ジフェニルオキシド(DPO)、sec-ブチルフェノール(SBP)及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが、本発明に関連して使用され、特に好ましいのはイソホロンである。
上で開示された教示に従う3種以上の溶媒の任意の組合せが可能である。
このステップにおける水相と有機相との比は、重量で1:0.5から1:3.5、好ましくは1:0.75から1:3.2となるように調節される。
一実施形態において、pHは、約1から約2.2の間に調節される。
ステップ4:生成物の調製
このステップにおいて、前記第3の流れは、上で定義されたような高圧及び高温反応器内で、約10分から約2時間の間の期間、約160℃から約220℃の間、好ましくは約170℃から約210℃の間、より好ましくは約180℃から約200℃の間の高温に供され、第4の流れの形成がもたらされる。反応物質の滞留時間は、約160℃から約220℃の間、好ましくは約170℃から約210℃の間、より好ましくは約180℃から約200℃の間の高温で、約10分から約2時間の間である。これらの条件において、反応混合物(前記第3の流れ)中に存在するキシロースは、酸脱水によりフルフラールに変換される。
キシロースからフルフラールへの変換は、ステップ1において開示されたような反応容器内で行われる。反応混合物は、酸前処理から残留した均質酸触媒の存在下で所望の期間、高温及び高圧(溶媒(複数可)の温度及び沸点から生じる圧力)に供され、生成物の効率的な生成がもたらされる。
驚くべきことに、本発明に関連して、溶媒としてのイソホロンの使用は、フミンの大部分が溶解したままで、反応装置を詰まらせない効果を有することが判明した。さらに、この効果は、イソホロンが別の低沸点溶媒と混合された場合でも維持されること、すなわち、イソホロンと低沸点溶媒、特にMIBK及び/又はトルエンとの混合物が、費用を低下させるために使用され得ることも驚きであった。一実施形態において、高沸点溶媒、好ましくはイソホロンと、フルフラールの沸点を下回る沸点を有する1種の溶媒(低沸点溶媒)を含む、又はそれからなる少なくとも2種の溶媒との混合物が使用される。
この効果は、フミンが粘着性ではなく、溶媒(混合物)により装置から洗浄されること、又は溶媒の除去後に水で容易に洗浄され得ることを意味する。さらに、フミンは、乾燥された場合でも非常に多孔質又はさらには粉状でほぼ自由流動性であり、表面から容易に除去され得るため、従来のプロセスから残留するものとは構造が異なるが、一方先行技術によるフミン残留物は、非常に根強く、それが接着している表面から除去するには、大きな機械的力又は厳しい化学的条件(例えば苛性洗浄若しくは硝酸)を必要とする。
フミンの可溶性及び粘着性は、プロセス条件に依存する。
さらに、溶媒(混合物)に溶解したフミンは、反応手順に悪影響を及ぼさないことが、本発明の驚くべき発見であった。その趣旨で、フミン含有溶媒分画は、さらに、フミン含量が実行不可能なほど高くなるまで、数回リサイクル及び再利用され得る。
これは、装置上の堆積物がより薄い層厚を有し、例えば水洗又は単純な布でより容易に清浄化され、装置が清浄化されなければならなくなるまでに動作し得るサイクル数が著しくより高いことを意味する。
ステップ5:相分離
ステップ4における反応の完了後、90%超のキシロースが変換されたら、反応物質(前記第4の流れ)は、室温まで冷却され、本発明の一実施形態において、例えば濾過により、又はデカンタ若しくはデカンタ遠心分離を使用して、固体分画が液体分画から分離され得る。これによって、存在する場合には、廃棄物及び不溶性フミンが前記反応物質から除去される。
反応物質の液体分画は、水性流相及び有機流相それぞれへの相分離に供される。
本発明の一実施形態において、このステップにおけるフルフラールの濃度は、少なくとも2%、少なくとも2%超、好ましくは2から10%の間、より好ましくは3から9%の間、特に5から8%である。
ステップ6:有機流のpH調節
前記有機流のpHは、NaOH、モノエタノールアミン又は重炭酸ナトリウム等の塩基により6から7の間に調節され、好ましくは、塩基は、これら3つの1つ以上から選択される。
ステップ7a:低沸点溶媒を分離する、任意選択の蒸留
溶媒の混合物、好ましくはフルフラールの沸点を超える沸点を有する1種の溶媒(高沸点溶媒)、好ましくはイソホロンと、フルフラールの沸点を下回る沸点を有する1種の溶媒(低沸点溶媒)との混合物が使用される代替例において、低沸点溶媒は、ステップ3のために分離及び回収/リサイクルされる。
フルフラール、高沸点溶媒、好ましくはISP、及びそれに溶解したフミンを含む、又はそれらからなる残留分画は、ステップ7に従って処理される。
一実施形態において、低沸点溶媒、好ましくはMIBK又はトルエン、より好ましくはMIBKとISPとの混合物は、非常に効率的及び経済的な方法を可能にする。蒸留ステップにおいて、フルフラール及び低沸点溶媒は、安定な形態で蒸留される。この蒸留ステップは、好ましくは、真空蒸留である。フルフラール及び低沸点溶媒は、さらなる蒸留において容易に分離され得る。
低沸点溶媒(複数可)は、ステップ3のためにリサイクルされ、質量のいかなる著しい損失もなしに方法において任意の回数だけ使用され得、蒸留及び回収システムは効果的であり、溶媒はその質量の約99%まで精製される。
ステップ7:生成物フルフラールの分離
有機流は、第1の蒸留に供される。溶媒としてISPのみが使用される代替例において、ステップ6の有機流は、より高い温度、例えば162℃(フルフラールの沸点)超及び215℃(ISPの沸点)未満での、及び好ましくは真空下での蒸留に供され、最終生成物としての商業的に純粋なフルフラール及び残留有機流が得られる。ステップ7aの残留分画にも同じ手順が適用される。
これらのステップは、キシロースからフルフラールへの90%超の変換率を提供し、最終生成物収率は、原料中に存在する全キシロースから少なくとも60%のフルフラールである。さらに、このステップにおけるフルフラールの純度は、その質量の約98%である。
所望により、フルフラールは、さらに精製されてもよい。
残留分画は、ISP及び溶解したフミンを含む。
ステップ8:高沸点溶媒のリサイクル及び回収
ステップ7の残留有機流は、溶解したフミンと共に前記高沸点溶媒を含む。次いで、この流れは、数回、具体的には5回まで、いかなる処理もなしにそのまま方法において(再)利用され得るが、高沸点溶媒に対する低沸点溶媒の比、例えばMIBK:ISP又はトルエン:ISPを一定に維持するために低沸点溶媒が添加され、ステップ3において説明された溶媒の前記混合物を形成する。
一実施形態において、フミンは、高沸点溶媒、好ましくはイソホロンに溶解する。この混合物から、80%のISPが、好ましくは蒸留により回収され得る。追加の分離において、好ましくは薄膜蒸発において、フミンは、残留するISPから分離される。
これによって、イソホロンの99%、及び他の溶媒から99%が回収され得る。
別の実施形態において、約5サイクル後、フミン分画が全質量の60%まで増加したら、通常、前記残留有機流が置き換えられるか、又は、好ましくは、上述のような分離に供されて、フミン又は他の化合物のいかなる溶解不純物も含まない純粋な形態の高沸点溶媒が得られ、これが再び前記方法において使用される。
除去された不純物は、別様に使用され得るか、又は廃棄され得る。
本明細書において開示される本発明の方法は、既に言及されたもの以外に、先行技術の既知の方法に勝る以下のいくつかの利点を有する。
1)本発明の方法は、機器に対する腐食性がより低い。
2)本方法は、より資本集約的ではなく、光熱費がより低い。
3)本方法は、大規模なより高濃度のキシロース(約20重量%以上であっても)を含有する流れに対して、好ましくは、30%、より好ましくは25%、24%、23%、22%又は21%、特に15から20%の濃度のキシロースを含有する流れに対して有効である。
4)本方法は、キシロースの90%超の変換率をもたらし、60%超のフルフラールを生成する。また、
5)本方法において、フミンの大部分は、高沸点溶媒、最も好ましくはイソホロンに(反応温度において)可溶であり、システムが従来の方法において生じるように不溶性フミンにより詰まらないという利点をもたらす。
さらに、イソホロンは、高価な溶媒である。したがって、溶媒としてイソホロンを使用してフルフラールを生成するための方法は、経済的観点から好ましくない可能性がある。
イソホロンと少なくとも第2の溶媒との組合せに関する収率の差は僅かである。
イソホロンは、以下の利点を有する。形成されるフミンは、イソホロンに可溶である。したがって、反応器の詰まりが防止され、ひいては清浄化が必要ない。反応器は、数サイクル使用され得る。さらに、フミンはイソホロンに可溶なままであるため、蒸留により分解されることなくフルフラールを予め除去することがより容易となる。フミンは、第2のステップにおいて分離される。これによって、イソホロンの少なくとも90%、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、特に少なくとも98%及び99%がリサイクルされる。
また、MIBKのみの使用は、いくつかの欠点を有する。MIBKの沸点はフルフラールの沸点より低いため、フミンは、それが溶解しているフルフラール分画中に残留する。フルフラール及びフミンのさらなる分離は非常に困難である。
高沸点溶媒、好ましくはイソホロンと、少なくとも第2の低沸点溶媒との組合せは、著しい経済的利点を有する。溶媒としてイソホロンのみを使用した場合、イソホロンの全量がフミンから回収される必要がある。
イソホロンと少なくとも第2の溶媒との混合物、特に第2の溶媒とイソホロンとの比が少なくとも1:1、2:1、好ましくは3:1、特に4:1以上である混合物を使用して、フミンから回収されるイソホロンの量は、ごく少量にすぎない。
結論として、イソホロンより安価な第2の溶媒をさらに使用することにより、溶媒の回収のためのエネルギーを削減することで費用が削減され得る。
このため、全ての成分が液体形態であり、生成システムの異なるユニットから容易に除去され得るので、連続生成方法の開発が可能になる。
本発明の別の実施形態において、LCM(リグノセルロース材料)の前処理においてシュウ酸、H3PO4及びH2SO4等のより腐食性の低い酸を使用した、キシロースからフルフラールを生成するための方法であって、本設備にもたらす損傷がより低く、また環境にやさしい、方法が提供される。
一実施形態において、酸としてHClは使用されない。
他の実施形態において、10から20バール、好ましくは12から18バール、特に(約)15バールの自己圧力下、及び/又は窒素若しくはアルゴン等の保護若しくは不活性ガスを使用せずに、生成物の調製(ステップ4による)が行われる。
本発明の一実施形態において、キシロースからフルフラールに変換するための方法は、酸前処理されたLCMから得られたキシロース含有流を収集することを含む。次いで、水酸化ナトリウム又は酸化マグネシウム等の金属酸化物又は水酸化物を使用して、この流れのpHが約1から約2の間に調節される。次いで、この水性部分に、その重量の約0.5から約3.5、好ましくは約1から約3倍の溶媒の混合物、例えばトルエン、MIBK、SBP又はDPOと、反応において形成されたフミンを溶解する高沸点溶媒としてのイソホロンとの混合物を添加し、反応物質を形成する。次いで、さらに、前記反応物質を約1時間、約160から約220℃、好ましくは約180℃の温度に供する。反応の完了後、任意選択で、不溶性分画が除去され、続いて有機及び水性部分が分離される。次のステップにおいて、前記有機部分からフルフラール及び溶媒が別個に蒸留される。そのようにして形成されたフルフラールは、化学的に純粋なフルフラールを得るために、さらに精製又は高純度化ステップに供され、一方溶媒は、キシロース含有原料からのフルフラールの調製の次のサイクルに再利用される。
本発明の一実施形態において、反応物質(前記第3の流れ)と酸触媒との間の接触は、約160℃から220℃の範囲内の温度で維持される。本発明の別の実施形態において、反応物質(前記第3の流れ)と酸触媒との間の接触は、約10分から約120分の範囲の期間維持される。
本発明の別の実施形態において、キシロース含量は、屈折率検出器を有する液体クロマトグラフィーにより分析される。300mm×7.8mmのサイズのBioRad Aminex 87 H+カラムが、移動相としての0.005M H2SO4と共に、0.6mL/分の流速で使用される。カラムオーブン温度は55℃に保持され、注入体積は20μLである。試料調製用の希釈剤として、脱イオン水が使用される。キシロースの保持時間は、9.47分に観察される。試験試料中のキシロースの推定は、5つの既知濃度のキシロース標準を使用して作成された較正グラフを使用して行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、フルフラール含量は、フレームイオン化検出器を有するガスクロマトグラフィーにより分析される。0.53ミクロンのIDを有する長さ60メートルのALLTECH AT-Waxカラムが使用される。移動相として窒素が使用される。希釈媒体としてジメチルホルムアミド(DMF)が使用され、他の操作条件は、製造者のマニュアルに従う基準に維持される。
本発明の実施形態の代表的な特徴は、図面に示される。図1は、本発明の一態様による、キシロースを含む原料からフルフラールへの変換のプロセスフローを示す。第1の動作において、前記原料は、均質酸触媒の1種以上と混合される。次いで、これが高い温度及び圧力に供されて前処理バイオマスの形成がもたらされ、そこからC5(キシロースを含む)流(第1の流れ)が濾過により分離される。この流れは、さらにpHの調節及び溶媒の添加に供され、続いて高い温度及び圧力下で反応して、生成物流の形成がもたらされ、これが有機相流及び水相流に分離される。しかしながら、形成されたフミンは、本発明の一実施形態において、相分離の前に前記生成物流から固体として除去され得る。次いで、前記有機相流は、フルフラール及び溶媒を純粋な形態で回収するために使用される溶媒の性質に依存して、異なる蒸留方法に供される。
従属請求項の実施形態を含む本発明の様々な実施形態は、任意の所望の様式で、互いに組み合わされてもよい。
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例を用いて説明する。
以下に記載される実施例は、当業者により理解され得る種類に関していかなる限定も受けずに、本発明のより広い実用性を示す。様々な実験結果の非限定的な概要が実施例及び表に示されているが、これらは、本明細書において開示されるように、非常に異なる様式でフルフラールを調製するために任意のLCMから得られたキシロース含有流を使用する方法の有利及び新規な態様を実証している。
[実施例1]
約92重量%の全乾燥固体を有するトウモロコシ穂軸、約33重量%のセルロース、約27重量%のヘミセルロース、及び約13重量%のリグニンの約118kgのバッチを、原料として使用した。これを、40mm未満の粒子へのサイズ低減のために機械的粉砕に供し、約108kgの粒子状材料を得た。この粒子状材料を、水中に約30分間含浸させた。次いで、約30重量%の不溶性固体を含有する約360kgのスラリーを調製し、プラグスクリュー反応器(plug screw reactor)を通して加水分解器内に連続的に導入した。ここで、スラリーを、シュウ酸及び硫酸の約240リットルの混合物と混合した。この混合酸の混合物は、乾燥バイオマス重量基準で約1.08kgのシュウ酸及び約2.16kgの硫酸(乾燥バイオマス重量基準で全3%の酸)を含有していた。次いで、得られた反応混合物を、前記加水分解器内において、約160℃の温度及び約6バール(絶対)の圧力下で、約1.3のpHで約24分の期間の加水分解に供した。この前処理の終わりに、約603kgの最終スラリーは、約16%の全固体を含有していた。濾過後、液体流(前記C5流)は、HPLC法により検出されるように、残留セルロース及びリグニンと共に、約0.52%のグルコース、約4.8%のキシロース、約0.05%のフルフラール、約0.04%のHMF及び約3800PPMのフェノール成分を含有していた。ここで、キシランからキシロース(C5)への変換効率は約86%であり、グルカンからグルコースへの変換効率は約8%であった。次いで、この最終液体流(前記C5流)をさらに蒸発に供し、前記流れ中のキシロースの量を約20重量%まで濃縮し、以下の実施例によるフルフラールの調製用の濃縮原料流(第1の流れ)を形成した。
[実施例2]
(表の連番1を参照されたい)
酸前処理されたサトウキビバガスから、10重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応に使用された1〜2重量%の酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液を使用して1.6のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、3500gのメチルイソブチルケトン(MIBK)を第2の流れに添加し、第3の流れを形成した。この第3の流れを、650RPMで稼動する密閉撹拌槽反応器内で1時間、180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温に冷却し、物質中に残留する固体(フミン)を濾過により除去した。フミンは反応物質に一部可溶性であり(HS2)、機器に対して僅かに粘着性であった(S1)。次いで、有機相を水相から分離し、NaHCO3により7までpH調節した。さらに、前記有機相を蒸留に供してMIBKを回収し、これをリサイクルした。この方法は、原料中に存在するキシロースの99%の変換率を達成し、フルフラールの収率は79%であった。
[実施例3]
(表の連番12を参照されたい)
酸前処理されたトウモロコシ穂軸から、20重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応に使用された1〜2重量%の酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液又は酸化マグネシウム(MgO)を使用して1.5のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、2800gのメチルイソブチルケトン(MIBK)及び700gのイソホロンの混合物(80:20)を前記第2の流れに添加し、第3の流れを形成した。この第3の流れを、撹拌槽反応器内で1時間の保持時間で180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温まで冷却し、収集した。フミンは反応物質に一部可溶性であり(HS2)、機器に対して僅かに粘着性であった(S1)。次いで、有機相を水相から分離し、NaHCO3により約6から7までpH調節した。さらに、前記有機相を第1の蒸留に供してMIBKを回収し、これをリサイクルした。残りの有機相は、フルフラール及びイソホロンを含有し、フミンが溶解していたが、これを第2の蒸留に供して、純粋な形態のフルフラールを回収した。この方法は、原料中に存在するキシロースの100%の変換率を達成し、フルフラールの収率は78%であった。ほぼイソホロン及び溶解したフミンの残留有機相を、そのまま5回までプロセスにリサイクルしたが、フルフラールの収率に大きな損失は一切なかった。5回目のサイクルの終わりに、最大60%のフミンを含む残留イソホロンを蒸留に供し、純イソホロンを回収した。
[実施例4]
(表の連番17を参照されたい)
酸前処理されたサトウキビバガスから、10重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応に使用された1〜2重量%の酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液又は酸化マグネシウム(MgO)を使用して1.5のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、2800gのトルエン及び700gのイソホロンの混合物(80:20)を前記第2の流れに添加し、第3の流れを形成した。この第3の流れを、反応器内で1時間の保持時間で180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温まで冷却し、収集した。フミンは反応物質に難溶性であり(HS1)、機器に対して著しく粘着性であった(S3)。次いで、有機相を水相から分離し、NaHCO3により約6から7までpH調節した。さらに、前記有機相を第1の蒸留に供してトルエンを回収し、これをリサイクルした。残りの有機相は、フルフラール及びイソホロンを含有し、フミンが溶解していたが、これを第2の蒸留に供して、純粋な形態のフルフラールを回収した。この方法は、原料中に存在するキシロースの98%の変換率を達成し、フルフラールの収率は84%であった。ほぼイソホロン及び溶解したフミンの残留有機相を、そのまま5回までプロセスにリサイクルしたが、フルフラールの収率に大きな損失は一切なかった。5回目のサイクルの終わりに、最大50%のフミンを含む残留イソホロンを蒸留に供し、純イソホロンを回収した。
[実施例5]
(表の連番16を参照されたい)
酸前処理されたサトウキビバガスから、20重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応に使用された1〜2重量%の酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液を使用して1.5のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、前記第2の流れに3500gのトルエンを添加し、第3の流れを形成した。この第3の流れを、650RPMで稼動する密閉撹拌槽反応器内で1時間、180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温まで冷却し、収集した。フミンは反応物質に不溶性であり(HS0)、機器に対して著しく粘着性であった(S3)。次いで、有機相を水相から分離し、NaHCO3により約7までpH調節した。さらに、前記有機相を第1の蒸留に供してトルエンを回収し、これをリサイクルした。残りの有機相は、フルフラールを含有していたが、次にこれを留去すると、溶解していないフミンが残留した。この方法は、原料中に存在するキシロースの99%の変換率を達成し、フルフラールの収率は81%であった。
[実施例6]
(表の連番7を参照されたい)
酸前処理されたサトウキビバガスから、20重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応に使用された1〜2重量%の酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液を使用して1.5のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、前記第2の流れに3500gのイソホロンを添加し、第3の流れを形成した。この第3の流れを、650RPMで稼動する密閉撹拌槽反応器内で1時間、180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温まで冷却し、収集した。フミンは反応物質に完全に可溶性であり(HS3)、機器に対して非粘着性であった(S0)。次いで、有機相を水相から分離し、NaHCO3により約7までpH調節した。さらに、前記有機相を第1の蒸留に供し、フルフラールを低沸点生成物として回収した。残りの有機相は、イソホロンを含有し、フミンが溶解していたが、機器はフミンを全く含有していなかった。この方法は、原料中に存在するキシロースの100%の変換率を達成し、フルフラールの収率は69%であった。
[実施例7]
(表の連番10を参照されたい)
トウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉又はサトウキビバガス等の酸前処理されたバイオマスから、10重量%のキシロースを含む3.5kgの濃縮原料流(第1の流れ)を得た。この流れはまた、前記前処理反応で使用された1.5重量%から2重量%の硫酸及び0.5重量%から1.0重量%のシュウ酸を含んでいた。次いで、前記第1の流れを、50% NaOH溶液を使用して1.6のpH値までpH調節し、第2の流れを形成した。次いで、2800gのメチルイソブチルケトン(MIBK)及び700gのイソホロンの混合物(80:20)を前記第2の流れに添加し、第3の流れを形成した。次いで、この第3の流れを、650RPMで稼動する撹拌槽反応器内で1時間、180℃の温度に供した。熱処理の完了後、反応物質を室温に冷却し、濾過して沈殿したフミンを除去し、次いで相分離に供した。フミンは反応物質に一部可溶性であり(HS2)、機器に対して非粘着性であった(S0)。有機相をアルカリで洗浄して酸を中和し、蒸留に供してMIBKを回収し、これをプロセスにリサイクルした。フルフラール及びイソホロンを含有する残りの有機相を、第2の蒸留に供して、純粋な形態のフルフラールを回収した。有機物質からMIBK及びフルフラールを分離した後に残った蒸留されていない底部分画は、主に、少量のヒドロキシメチルフルフラール(HMF)と共に可溶性フミンを含むイソホロン(ISP)を含有していた。このISP-フミン混合物は、キシロースの変換率及びフルフラールの収率に関してプロセス性能に影響を与えることなく、プロセスにリサイクルされた。この目的のために、いくらかの量のこのISP-フミン混合物を、前記底部分画並びに新鮮な補充ISP及びMIBKと共にプロセスにおいて使用された残りの物質から取り出す(パージする)。この操作は、ISP中の可溶性フミンが60重量%のレベルに濃縮されるまで継続する。この時点で、全ISP-フミン混合物を除去し、蒸留して、純ISP溶媒を回収した。この方法は、原料中に存在するキシロースの98%の変換率を達成し、フルフラールの収率は80%であった。
[実施例8]
表1は、本明細書において上述された実施例を含む、異なる反応条件及びパラメータにおけるキシロースからのフルフラールの調製の異なる実験を列挙している。表中に示されるような試験における可変パラメータ以外、全ての共通のパラメータは、180℃の温度、1時間の反応時間、1.6のpH、及び650のRPMの標準条件に維持した。本発明及びその特徴の一般的実用性を示すために、本明細書において開示される本発明の方法を使用することにより提供されたキシロースの変換効率及びフルフラールの収率が列挙されている。溶媒としてMIBK又はトルエンが使用された場合、大量のフミンが形成されることが観察された。また、反応において形成されたフミンは、反応器の内部部品に対して粘着性であることが判明したが、これは、フルフラール及び前記溶媒の回収のためのそのような反応物質の処理の問題をさらにもたらした。さらに、反応器チャンバが不溶性及び粘着性のフミンにより閉塞されてしまうため、プロセスは連続的に行うことができなかった。一方、イソホロンが単独で、又は他の溶媒と組み合わせて使用された場合、フミンのほとんどがイソホロンに溶解し、プロセスの効率に影響することはなかった。さらに、フミン及び他の成分を含む前記イソホロンは、プロセスにおいて少なくとも5回リサイクルすることができたが、これはフルフラール生成の経済性を大幅に増加させる。室温における反応の完了後の反応物質に対するフミンの可溶性は、HS0=不溶性、HS1=難溶性、HS2=一部可溶性、及びHS3=完全に可溶性として定性的に定義した。同様に、室温における反応器の内部部品に対するフミンの粘着性は、S0=非粘着性、S1=僅かに粘着性、S3=一部粘着性及びS3=著しく粘着性として定性的に定義した。
[実施例9]
上述のようなトウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉又はサトウキビバガス等の酸前処理されたバイオマスから、20重量%のキシロースを含む濃縮流を得た。この流れを、50% NaOH溶液を使用して1.6のpH値までpH調節した。次いで、80:20の割合で作製された2000gのメチルイソブチルケトン及びイソホロンの混合物を、2000gの20%キシロース流を有する10Lの密閉撹拌槽反応器に投入し、開始ステップの時点で180℃の温度及び650のRPMに1時間供した。1時間後、温度を約180℃に維持しながら、キシロース流及び混合溶媒流をそれぞれ同時に反応器にポンピングした。キシロース及び混合溶媒のそれぞれの添加速度は、60mL/分であった。背圧制御器を使用して、120mL/分の速度で反応物質を連続的に排出した。この連続プロセスを3時間行い、21kgの反応物質を形成した。この高温物質を熱交換器に通して室温に冷却した。次いで、物質を濾過して沈殿したフミンを除去し、相分離に供した。この方法は、キシロースの78%の変換率を達成し、フルフラール生成の選択性は75%であった。
[実施例10]
上述のようなトウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉又はサトウキビバガス等の酸前処理されたバイオマスから、約20重量%のキシロースを含む濃縮流を得た。この流れを、50%NaOH溶液を使用して1.6のpH値までpH調節した。この20%のキシロース流、及びメチルイソブチルケトンとイソホロンとの混合物(80:20の割合で作製された)を別個に供給槽に投入した。まず、10ml/分の流速で溶媒の混合物を約160℃の予熱器に通し、次いで4L充填カラム(栓流)反応器に導入した。次いで、反応器の温度を約180℃に維持しながら、上記のpH調節された20%キシロース流を10ml/分の流速で導入した。全反応系を、窒素圧下で18バールに維持した。反応物質を、熱交換器を通して室温に保持された受容器(圧力容器)に放出した。受容器を含む系内の圧力は、背圧制御器を使用して18バールに維持した。この連続プロセスを6時間行い、7.2kgの反応物質を形成した。次いで、物質を濾過して沈殿するフミンを除去し、相分離に供した。この方法は、キシロースの85%の変換率を達成し、フルフラール生成の選択性は75%であった。
実施例において列挙された実施形態を参照しながら、本発明を具体的に示し説明したが、上で開示された、及び他の特徴及び機能、又はその代替のいくつかは、多くの他の異なるシステム又は用途に所望通りに組み合わせることができることが理解される。また、現在予期されていない、及び予想されていない様々な代替、修正、変形又は改善が、後に当業者によってなされてもよく、これらもまた以下の特許請求の範囲に包含されるように意図されることが理解される。特定の好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、これらに限定されることは意図されず、むしろ、本発明の精神及び特許請求の範囲内でそれらに変形及び修正がなされてもよいことが、当業者に理解される。
これらの、及びさらなる実験データは、表1に要約される。上記の開示及び教示に従って、さらなる実験が行われてもよい。
Figure 0006882175
Figure 0006882175
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
キシロースをフルフラールに変換するための方法であって、
(a)酸前処理されたリグノセルロースバイオマスから得られたキシロースを含む第1の流れを提供するステップ、
(b)前記第1の流れのpHを金属酸化物又は金属水酸化物で調節して、第2の流れを形成するステップ、
(c)前記第2の流れを、イソホロン、又は少なくとも1種の低沸点溶媒と少なくとも1種の高沸点溶媒との混合物と混合し、第3の流れを形成するステップ、
(d)所望の反応を生じさせるような温度及び圧力で特定の期間、前記第3の流れを反応器内で処理し、第4の流れを形成するステップ、
(e)前記第4の流れを有機流及び水性流に分離するステップ、
(f)前記有機流のpHを塩基により調節するステップ、
(g)任意選択で、少なくとも1種の低沸点溶媒を分離、リサイクル及び/又は回収するステップ、
(h)フミン、及び少なくとも1種の高沸点溶媒又はイソホロンを含む、又はそれらからなる分画から、フルフラールを生成物として分離するステップ、並びに
(I)少なくとも1種の高沸点溶媒又はイソホロンをリサイクル及び/又は回収するステップを含む、上記方法。
[実施形態2]
(i)前記第1の流れが、10重量%から30重量%の間のキシロースを含み、
(ii)前記第1の流れが、好ましくは不溶性分画の除去後に、酸前処理されたリグノセルロース材料から得られ、
(iii)前記低沸点溶媒が、MIBK若しくはトルエンであり、
(iv)前記高沸点溶媒が、イソホロンであり、
(v)前記温度が、約160℃から約220℃の範囲であり、
(vi)前記特定の期間が、10分から120分の範囲であり、及び/又は
(vii)前記第1の流れの前記pHが、1から2の間に調節される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記有機流のpHが、7に調節される、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
前記第1の流れのpHが、水酸化ナトリウム又は酸化マグネシウムを使用して調節される、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
[実施形態5]
前記有機流のpHが、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン又は重炭酸ナトリウムを使用して調節される、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
[実施形態6]
前記有機流から分離された前記溶媒が、リサイクルされる、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
[実施形態7]
前記高沸点溶媒が、前記方法において形成されたフミンのほとんどを可溶化する、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
[実施形態8]
キシロースの変換効率が、90重量%超である、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
[実施形態9]
フルフラールの収率が、キシロースの少なくとも60重量%である、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
[実施形態10]
前記反応器が、バッチ反応器、連続撹拌槽反応器又は連続栓流反応器、好ましくは連続撹拌槽反応器又は連続栓流反応器である、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
[実施形態11]
実施形態1から10のいずれかに記載の方法により得られるフルフラール生成物。
[実施形態12]
LCMバイオマスからフルフラールを調製するための方法における、フミンを溶解させるためのイソホロンの使用。
[実施形態13]
工業スケールでの実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
[実施形態14]
実施形態1から10のいずれかに記載の方法又はステップにおいて得られるフルフラールを含む、又はそれからなる生成物。

Claims (15)

  1. キシロースをフルフラールに変換するための方法であって、
    (a)酸前処理されたリグノセルロースバイオマスから得られた10から20重量%のキシロースを含む第1の流れを提供するステップ、
    (b)前記第1の流れのpHを金属酸化物又は金属水酸化物で調節して、第2の流れを形成するステップ、
    (c)前記第2の流れを、イソホロン、又は、MIBK、トルエン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の低沸点溶媒とイソホロンとの混合物と混合し、第3の流れを形成するステップ、
    (d)所望の反応を生じさせるような温度及び圧力で特定の期間、前記第3の流れを反応器内で処理し、第4の流れを形成するステップ、
    (e)前記第4の流れを有機流及び水性流に分離するステップ、
    (f)前記有機流のpHを塩基により調節するステップ、
    (g)任意選択で、少なくとも1種の前記低沸点溶媒を分離、リサイクル及び/又は回収するステップ、
    (h)フミンソホロンを含む、又はそれらからなる分画から、フルフラールを生成物として分離するステップ、並びに
    (I)ソホロンをリサイクル及び/又は回収するステップを含む、上記方法。
  2. (iii)前記低沸点溶媒が、MIBK若しくはトルエンであり
    (v)前記温度が、約160℃から約220℃の範囲であり、
    (vi)前記特定の期間が、10分から120分の範囲であり、及び/又は
    (vii)前記第1の流れの前記pHが、1から2に調節される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機流のpHが、7に調節される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の流れのpHが、水酸化ナトリウム又は酸化マグネシウムを使用して調節される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記有機流のpHが、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン又は重炭酸ナトリウムを使用して調節される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記有機流から分離された前記溶媒が、リサイクルされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. イソホロンが、前記方法において形成されたフミンのほとんどを可溶化する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. キシロースの変換効率が、90重量%超である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. フルフラールの収率が、キシロースの少なくとも60重量%である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記反応器が、バッチ反応器、連続撹拌槽反応器又は連続栓流反応器である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記方法の間テトラリンが使用されない、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを含む、フルフラール生成物を製造するための方法。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを含むLCMバイオマスからフルフラールを調製するための方法における、フミンを溶解させるためのイソホロンの使用。
  14. 工業スケールでの請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを含む、フルフラールを含む、又はそれからなる生成物を製造するための方法。
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