以下に添付図面を参照して、画像処理装置、読取制御方法、及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。画像処理装置は、記録媒体から原稿を読み取って画像データを生成する装置である。図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理装置1は、複数の給紙口10と、読取手段11と、受付手段12と、制御手段13とを有する。
複数の給紙口10は、画像処理装置1に設けられた原稿用の給紙口である。
読取手段11は、給紙口10にセットされた原稿を読み取りその画像データを生成する手段である。
受付手段12は、給紙口10の原稿の読み取りの開始を指示する指示信号(読取開始信号)を受け付ける受付手段である。受付手段12は、例えばタッチパネルや入力キーなどの入力装置からユーザであるオペレータの操作を検知し、オペレータによる読取開始キーの1回の操作などの所定操作による読取指示信号を受け付ける。なお、受付手段12は、上記入力装置に限定されるものではない。例えば、受付手段12は、ネットワークなどに接続される通信インタフェースを介して上記読取指示信号を外部装置から受け付けるように構成しても良い。
制御手段13は、受付手段12が読取指示信号を受け付けたことを条件に、原稿を複数の給紙口10から順次読み取らせるように読取手段11を制御する手段である。つまり、1つの給紙口10の原稿の読み取りを終えた後に引き続き他の1つの給紙口10の原稿の読み取りを実行させるように読取手段11を制御する。制御手段13は、原稿がセットされる給紙口10の読取順を示す読取順序情報を有する。読取順序情報は、複数の給紙口10の内の少なくとも2つの給紙口10の読取順が設定されていれば良く、制御手段13は、その読取順序情報に設定の各給紙口10から設定の順序で原稿を読み取らせるように読取手段11を制御する。なお、読取順序情報について少なくとも2つの給紙口10の読取順が設定されていれば良いと述べたが、これは複数の給紙口10から連続して原稿を読み取るために最低限必要とされる読取順序情報の条件を述べたものである。出力する原稿画像の組み合わせなどに合わせ、2つや3つなど複数の給紙口10を適宜設定する。また、制御手段13は、従来モードを含んでいても良い。この場合、制御手段13は、読取指示信号を受け付けたことを条件に、オペレータから指定されたモードを判断し、従来モードの場合は原稿を指定された1つの給紙口10から読み取らせるように読取手段11を制御する。
以上の構成により、画像処理装置1は、少なくとも2つ以上の給紙口10にセットされる各原稿を、読取開始信号の1回の受け付けを基に所定順序で連続的に読み取りを完了することが可能になる。なお、以上の各手段は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェア回路により設けても良いし、コンピュータにプログラムを実行させるなどして一部を機能として設けても良い。
(実施例1)
続いて、第1の実施の形態に示す画像処理装置1をMFP(Multifunction Peripheral)に適用した例を示す。
図2は、実施例1のMFPの外観の構成を概略的に示す図である。実施例1として示すMFP2は、上部に画像読取装置20を備える。画像読取装置20は、画像読取ユニット21と自動原稿搬送ユニット(「ADF」)22とからなる。また、MFP2は、下部に画像形成ユニット23を備える。以下の説明では、ADF22として2つの給紙口を設けたものについて示す。
図3は、ADF22の給紙口の構成を説明するための図である。図3(a)は、ADF22の平面図であり、ADF22の2つの給紙口の内の1つの第1の給紙口の構成を主に示している。図3(b)は、2つの給紙口の内の他方の第2の給紙口の構成を示す斜視図である。
図3に示すように、ADF22は、2つの給紙口として第1の給紙口220と第2の給紙口221とを有する。第1の給紙口220は普通紙等の薄手のシート状の原稿を給紙するタイプのものであり、原稿トレイ220aを有する。原稿トレイ220aに原稿が積載されてなる原稿束X1は、原稿トレイ220aの案内レール220bに沿って第1の給紙口220の開口部220cの内部へと導かれる。他方の第2の給紙口221は、カード等の厚手の原稿を1枚ずつ手差しで給紙するタイプのものであり、カバー221aと開閉式の手差し原稿トレイ221bとを有する。カバー221aから手差し原稿トレイ221bを開放することにより第2の給紙口221の開口部221cが露出する。手差し原稿トレイ221bの1枚ずつセットされた原稿X2は、手差し原稿トレイ221bの案内レール221dに沿って第2の給紙口221の開口部221cの内部へと導かれる。
図4は、2つの給紙口(第1の給紙口220と第2の給紙口221)から、それぞれのセットされた原稿をADF22の内部へと導く搬送機構の構成を示す図である。図4は、当該搬送機構の他にMFP2の主な内部構成を示している。
図4に示す画像読取装置20は、原稿の読取面として、フラットベットコンタクトガラス210とDF(Document Feeder)コンタクトガラス211とを有する。ADF22は、フラットベットコンタクトガラス210から上方に開放可能な構成のものである。フラットベットコンタクトガラス210(第3の給紙口)に対しての原稿の配置やその原稿の取り出しは、オペレータがADF22を開放するなどして行われる。他方のDFコンタクトガラス211に対しては、ADF22の搬送機構が原稿を自動搬送し、画像読取後、当該搬送機構がその原稿を自動排紙する。
画像読取ユニット21の内部には、読取ユニット212aや読取ユニット212aの移動機構212bなどが収められている。読取ユニット212aは、主走査方向(図4の紙面の奥方向)に延在するラインセンサ(CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等)や照明ユニットなどを備え、ブラケット213aなどにより保持されている。移動機構212bは、副走査方向に延在するガイドロッド213bを有し、ガイドロッド213bに対してブラケット213aが摺動可能に接続されている。この移動機構212bにより、画像読取ユニット21は、フラットベットコンタクトガラス210とDFコンタクトガラス211間を移動する。
図4には、画像読取ユニット21がDFコンタクトガラス211に配置された状態を実線で示し、フラットベットコンタクトガラス210に配置された状態を破線で示している。ブラケット213aは、フラットベットコンタクトガラス210とDFコンタクトガラス211のガラス面の傾きに応じて読取ユニット212aが傾く機構を有する。この機構により、画像読取ユニット21は異なるガラス面においても原稿の像をラインセンサの撮像エリアに結像する。
本実施形態では、画像読取装置20は、DFコンタクトガラス211における読取ユニット212aの対向位置に裏面読取ユニット212a−1を設けている。この構成により、DFコンタクトガラス211における両面読取も可能にしている。
次に、ADF22の搬送機構について説明する。ADF22は、第1の給紙口220から搬入する原稿をDFコンタクトガラス211の対面位置に搬送する第1の原稿搬送路223aを有する。第1の原稿搬送路223aは、反転構造223−1aを有する反転搬送経路であり、原稿の搬入から排出までの間に原稿の搬送方向を反転させて原稿の表裏を逆転させる。第1の原稿搬送路223aの経路内には、原稿束X1から最上位の原稿を1枚ずつ繰り出す分離ユニット224や、分離された原稿を第1の原稿搬送路223aに沿って搬送するローラ対(例えばローラ対225a、225b、225cなど)や、各種の検知センサ(例えば検知センサ226a、226bなど)を有する。ここで、検知センサ226aは、第1の給紙口220に搬入された原稿を検知する検知センサである。検知センサ226bは、原稿のエッジを検知するレジストセンサである。これ以外にも、図示を省略しているが、原稿の排紙を検知する排紙センサ、原稿幅を検知する原稿幅センサ、画像読取ユニット21がホームポジションに位置することを検知するセンサ等を有する。
ADF22は、更に、第2の給紙口221から搬入する原稿をDFコンタクトガラス211の対面位置に搬送する第2の原稿搬送路223bを有する。第2の原稿搬送路223bの入り口(つまり、第2の給紙口221の開口部221c)には、手差しにより搬入された原稿を検知する検知センサ226cを有する。第2の原稿搬送路223bは、ストレート搬送経路であり、厚手の原稿を反転させずにDFコンタクトガラス211に直接導くことができる。第2の原稿搬送路223bは、第1の原稿搬送路223a内に構成されている反転構造223−1aの後段のストレート搬送路を共有する。つまり、第2の原稿搬送路223bは、主に第1の原稿搬送路223aのストレート搬送路により構成される。
第1の給紙口220及び第2の給紙口221から搬入された各原稿は、第2の原稿搬送路223bにおいて、共通のローラ対225bによりDFコンタクトガラス211に導かれる。そして、DFコンタクトガラス211で読み取られた各原稿は、共通のローラ対225cにより排出口227へと搬送され、排紙トレイ228へスタックされる。
画像形成ユニット23は、破線部に示す位置に配置されている。画像形成ユニット23は露光ユニットや、感光体ドラムや、現像装置(CMYKの4色トナーの現像装置等)や、転写ベルトや、二次転写部や、定着部等を有する従来構成のものである。また、画像形成ユニット23は、記録紙の収納庫や、記録紙を転写位置に搬送して排紙する搬送機構等を有する。
画像形成ユニット23は、画像読取ユニット21で読み取った読取画像から生成された印刷データに基づき、例えばカラー出力であれば露光ユニットにより各色の感光体ドラムを露光して各感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像装置の各色の現像ユニットで各感光体ドラムの潜像上にトナーを供給して現像する。また、画像形成ユニット23は、各色の感光体ドラム上のトナー像を転写ベルトに一次転写し、二次転写部で記録紙上に重ねて二次転写した後、定着部により記録紙上のトナー像を加熱および加圧して定着させ、記録紙上にカラー画像を形成する。画像形成ユニット23については、従来と同様の構成であるため、これ以上の具体的な説明は省略する。
図5は、MFP2のハードウェアの一例を示すブロック図である。図5に示すように、MFP2は、本体制御ボード30と、タッチパネル31と、表示パネル32と、読取制御ボード33と、印刷制御ボード34とを有する。
本体制御ボード30は、CPU(Central Processing Unit)とフラッシュROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの書き換え自在のメモリとを含むマイクロコンピュータを有する。CPUは、フラッシュROM等に記憶されている制御プログラムの実行により、MFP2全体を統括的に制御する。フラッシュROMは制御プログラムや各種データを記憶する。各種データは、読取条件や印刷条件などを設定する設定データや、画面情報などが含まれる。RAMは、CPUのワーク領域や読取画像の一時的な記憶領域として使用される。
タッチパネル31は、オペレータにタッチされた位置の情報を本体制御ボード30に出力する。表示パネル32は、本体制御ボード30から出力された表示データを表示する。なお、タッチパネル31と表示パネル32は、積層されるなどしてMFP2本体に操作パネルとして設けたものである。
読取制御ボード33は、本体制御ボード30とインタフェース33cを介して通信し、センサ類33aから検知した原稿有無情報の、本体制御ボード30への送信や、モータ類33bや読取ユニット212aの制御などを行う。例えば、読取制御ボード33は、本体制御ボード30から所定の給紙口の原稿有無の情報を要求する要求信号を受信すると、センサ類33aの内の対象の給紙口の原稿の有無を検知する検知センサ(つまり「検出手段」)から取得した有無情報を本体制御ボード30に出力する。また、読取制御ボード33は、本体制御ボード30から、読み取り動作の制御信号を受信すると、制御信号が指定する給紙口に係るモータを駆動するなどして指定の給紙口から原稿を搬入し、読取ユニット212aを移動して読取の準備を行う。そして、読取制御ボード33は、当該制御信号に含まれる設定に従い、読取ユニット212aのイメージセンサや照明装置を制御するなどして読取動作を開始し、上記設定の画像データを本体制御ボード30に出力する。
印刷制御ボード34は、本体制御ボード30とインタフェース34cを介して通信し、画像形成ユニット23を制御する。例えば、印刷制御ボード34は、本体制御ボード30から印刷データを受信すると、画像形成ユニット23を制御して印刷を開始する。画像形成ユニット23は、印刷の開始により、収納庫から記録紙を繰り出し、その記録紙に印刷データが示す画像を転写等により形成する。
続いて、MFP2の機能構成について説明する。MFP2では、本体制御ボード30のCPUがフラッシュROMの制御プログラムを実行することにより、本体制御ボード30に各種機能が実現される。
図6は、本体制御ボード30に実現される機能の一例を示すブロック図である。図6に示すように、本体制御ボード30には、操作受付部40や、表示制御部41や、システム制御部42や、エンジン制御部43や、記憶制御部44や、給紙順番制御部45や、センサ検知信号受信部46などの機能が実現される。
操作受付部40は、タッチパネル31からのオペレータにタッチされたタッチ位置の情報を受け付け、タッチ位置に該当する操作情報をシステム制御部42に通知する。
表示制御部41は、システム制御部42が出力する表示情報に従って表示パネル32の表示を制御する。
システム制御部42は、各機能部を統括的に管理して、所定の処理を実行する。例えば、システム制御部42は、操作受付部40から読取開始を示す通知を受けると、給紙順番制御部45による本体処理の実行手順に基づいてエンジン制御部43を動作させるなどすることにより、原稿の読取処理を実行する。また、システム制御部42は、操作受付部40から印刷開始を示す通知を受けると、エンジン制御部43を動作させるなどすることにより、読取画像の印刷処理を実行する。
エンジン制御部43は、読取制御ボード33及び印刷制御ボード34を制御する。
記憶制御部44は、本体制御ボード30のメモリを対象に情報の読出しや書き込みなどの記憶制御を行う。
給紙順番制御部45は、複数の給紙口(第1の給紙口220、第2の給紙口221、第3の給紙口)の給紙の順序を管理してシステム制御部42に通知する。
センサ検知信号受信部46は、読取制御ボード33から対象の給紙口の原稿の有無情報を受信する。
「受付手段12(図1参照)」には、主に操作受付部40が対応する。「読取手段11(図1参照)」や「出力手段」には、主にエンジン制御部43が対応する。「制御手段13(図1参照)」には、主にシステム制御部42と記憶制御部44と給紙順番制御部45とが対応する。「検出手段」には、主にセンサ検知信号受信部46と給紙順番制御部45とが対応する。「ユーザ通知手段」には、主に表示制御部41が対応する。「設定手段」には、主に記憶制御部44が対応する。
(原稿の読取)
続いて、複数の給紙口の原稿の連続読取に係るUI(User Interface)画面の画面構成について説明する。先ず図7において、連続読取等の設定を行う設定画面を示し、続いて図8において、連続読取時の原稿不足を示す通知画面を示す。
図7は、連続読取に係る設定画面の一例を示す図である。図7(a)は、複数の給紙口を連続読取する設定を行う給紙口設定画面である。図7(b)は、給紙口別の読取条件の設定を行うスキャン設定画面である。各画面情報は、メモリ(フラッシュROM)に記憶され、操作受付部40による所定の操作ボタンの操作信号の受け付けにより、システム制御部42が記憶制御部44を介してメモリ(フラッシュROM)から取得し、表示制御部41が表示パネル32に表示する。本実施例では、各設定画面は、タブ別に配置され、タブの切り替えにより、表示されるものとする。
図7(a)に示す給紙口設定画面G1は、「複数給紙口連続読取」設定ボックスB1と、「給紙口別設定」設定ボックスB2と、「優先給紙口」設定ボックスB3と、設定ボタンB4などを有する。
「複数給紙口連続読取」設定ボックスB1は、複数の給紙口からの連続読取を行うか否かを設定する。「給紙口別設定」設定ボックスB2は、給紙口別にスキャニングの読取条件の設定を行うか否かを設定する。「優先給紙口」設定ボックスB3は、複数の給紙口の内の優先的に給紙を行わせる給紙口を設定する。各設定ボックスB1〜B3は、一覧情報をプルダウンなどにより表示し、その一覧情報から選択された設定内容を表示させる。
設定ボタンB4は、各設定ボックスB1〜B4に設定された内容を確定し、メモリ(フラッシュROM)の設定データの更新を指示するための操作ボタンである。
図7(b)に示すスキャン設定画面G2は、「カラーモード」設定ボックスB5と、「解像度」設定ボックスB6と、「原稿セット方向」設定ボックスB7と、「原稿面」設定ボックスB8と、設定ボタンB9などを有する。各設定項目は、給紙口設定画面G1の「給紙口別設定」設定ボックスB2が「する」に設定されている場合などに、設定可能に表示される。
「カラーモード」設定ボックスB5は、フルカラーやモノクロなどの読取カラーモードを設定する。「解像度」設定ボックスB6は、読取解像度(dpi)を設定する。「原稿セット方向」設定ボックスB7は、原稿の印字面を読み取り後の画像において正立させる向きに回転させるための原稿セット方向を設定する。本例では、原稿セット方向が横方向の場合に、原稿の印字面はDFコンタクトガラス211において正立した向きの画像として読み取られ、原稿セット方向が縦方向の場合に、原稿の印字面はDFコンタクトガラス211において90°回転した向きの画像として読み取られるものとする。「原稿面」設定ボックスB8は、原稿の読取面(片面又は両面)を設定する。各設定ボックスB5〜B8は、一覧情報をプルダウンなどにより表示し、その一覧情報から選択された設定内容を表示させる。
設定ボタンB9は、各設定ボックスB5〜B8に設定された内容を確定し、メモリ(フラッシュROM)の設定データの更新を指示するための操作ボタンである。
図8は、連続読取時において給紙口に読取対象の原稿が無い場合にオペレータに通知する通知画面の一例を示す図である。図8(a)の第1の通知画面G3は、第1の給紙口220に原稿が無いこと示す通知画面である。図8(b)の第2の通知画面G4は、第2の給紙口221に原稿が無いことを示す通知画面である。各画面情報は、メモリ(フラッシュROM)に記憶され、センサ検知信号受信部46において原稿無しを示す情報が受信された場合に、システム制御部42が記憶制御部44を介してメモリ(フラッシュROM)から取得し、表示制御部41が表示パネル32に表示する。
続いて、メモリ(フラッシュROM)が記憶する連続読取に係る設定データのデータ構造について示す。各設定データは、メモリ(フラッシュROM)に記憶されている。操作受付部40による設定ボタンB4、B9の操作信号の受け付けにより、システム制御部42が記憶制御部44を介してメモリ(フラッシュROM)の設定データを更新する。
図9は、図7の各画面により設定された設定データのデータ構造の一例を示す図である。図9(a)は、図7(a)の給紙口設定画面G1により設定された情報を記憶する設定データのデータ構造の一例を示す図である。図9(b)は、図7(b)のスキャン設定画面G2により設定された情報を記憶する設定データのデータ構造の一例を示す図である。なお、図9(b)に示す設定データは、第1の給紙口220についてのものである。これ以外の各給紙口の設定データも含まれるものとする。
図9(a)に示す設定データD1は、設定項目情報K1と設定内容情報K2とを有する。設定項目情報K1には、「複数給紙口連続読取」K11と、「給紙口別設定」K12と、「優先給紙口」K13とが、設定項目を表す情報として設定されている。
一方の設定内容情報K2には、設定項目情報K1の項目毎に一つの設定内容情報が設定される。図9(a)の設定内容情報K2には、説明のため、プルダウンなどにより表示される一覧情報を全て示し、設定されている方を下線により示している。設定内容情報K2の下線に示す設定は、給紙口設定画面G1での設定変更に応じて他の設定に随時切り替えられる。
図9(a)の設定内容情報K2の「複数給紙口連続読取」K11に対応する設定内容情報には、「する」と「しない」の選択肢がある。「する」は、連続読取を行う設定を示し、「しない」は、単独読取を行う設定を示す。同図においては、デフォルトの「しない」が設定されたものを示している。
図9(a)の設定内容情報K2の「給紙口別設定」K12に対応する設定内容情報には、「する」と「しない」の選択肢がある。「する」は、給紙口別にスキャン設定を行うことを示し、「しない」は、デフォルトのスキャン設定のままにすることを示す。同図においては、デフォルトの「しない」が設定されたものを示している。
図9(a)の設定内容情報K2の「優先給紙口」K13に対応する設定内容情報には、「ADF」と「手差し」と「圧板」の3つの選択肢を設けている。「ADF」は第1の給紙口220のことを示し、「手差し」は第2の給紙口221のことを示す。「圧板」は、フラットベットコンタクトガラス210の第3の給紙口のことを示す。
本実施例では、「優先給紙口」K13の設定内容情報を「読取順序情報」とし、「ADF」が選択された場合、読取順が第1の給紙口220、続いて第2の給紙口221となるものとする。また、「手差し」が選択された場合、読取順が第2の給紙口221、続いて第1の給紙口220となるものとする。また、「圧板」が選択された場合、読取順が第3の給紙口、続いて第1の給紙口220となるものとする。
同図は、デフォルトの「ADF」が設定されたものを示している。なお、「読取順序情報」はこれに限らず適宜決めても良い。例えば、「優先給紙口」K13に「読取順序情報」として、「ADF」と「手差し」と「圧板」の優先順を示す番号(1番、2番、3番)を任意に設定しても良い。例えば、「ADF:1番」、「手差し:2番」などとする。また、「ADF:1番」、「圧板:2番」、「手差し:3番」などとする。このような場合、その設定した給紙口が読取の対象となり、その設定した順番が読取順となる。
図9(b)に示す設定データD2は、設定項目情報K3と設定内容情報K4とを有する、設定項目情報K3には、「カラーモード」K31と、「解像度」K32と、「原稿セット方向」K33と、「原稿面」K34とが設定されている。
一方の設定内容情報K4には、設定項目情報K3の項目毎に一つの設定内容情報が設定される。図9(b)の設定内容情報K4には、説明のため、プルダウンなどにより表示される一覧情報を全て示し、設定されている方を下線により示している。設定内容情報K4の下線に示す設定は、スキャン設定画面G2での設定変更に応じて他の設定に随時切り替えられる。
図9(b)の設定内容情報K4の「カラーモード」K31に対応する設定内容情報には、「フルカラー」と「モノクロ」の選択肢がある。同図においては、図7(b)のスキャン設定画面G2に設定の「フルカラー」が設定されたものを示している。
図9(b)の設定内容情報K4の「解像度」K32に対応する設定内容情報には、「200dpi」と「400dpi」の選択肢がある。同図においては、図7(b)のスキャン設定画面G2に設定の「200dpi」が設定されたものを示している。
図9(b)の設定内容情報K4の「原稿セット方向」K33に対応する設定内容情報には、「縦方向」と「横方向」の選択肢がある。同図においては、図7(b)のスキャン設定画面G2に設定の「縦方向」が設定されたものを示している。
図9(b)の設定内容情報K4の「原稿面」K34に対応する設定内容情報には、「片面」と「両面」の選択肢がある。同図においては、図7(b)のスキャン設定画面G2に設定の「片面」が設定されたものを示している。
図10は、読取制御ボード33が管理する給紙口の原稿の有無情報のデータ構造の一例を示す図である。図10に示す有無情報D3は、給紙口識別情報K5と、原稿有無情報K6とを有する。
給紙口識別情報K5には、本実施例に示す構成に従い、第1の給紙口220を示す識別情報と第2の給紙口221を示す識別情報とが設定されている。原稿有無情報K6には、説明のため「有り」と「無し」の両方を示し、検知されている状態を下線により示している。
読取制御ボード33は、給紙口の原稿検知センサから原稿有りを示す信号を受けた場合に、その給紙口の原稿有無情報K6を「有り」に設定し、給紙口の原稿検知センサから原稿無しを示す信号を受けた場合に、その給紙口の原稿有無情報K6を「無し」に設定する。また、読取制御ボード33は、センサ検知信号受信部46からの要求により、センサ検知信号受信部46に当該有無情報D3を送信する。
続いて、MFP2の複数の給紙口からの連続読取に係る制御フローについて説明する。なお、以下においては、連続読取の対象とする複数の給紙口を、一例として第1の給紙口220と第2の給紙口221として説明しているが、本実施例の構成であれば、第3の給紙口を混在させることも可能である。
図11は、MFP2における設定データのデフォルト設定からの更新フローの一例を示す図である。本実施例では、オペレータは、単独読取から連続読取の処理にMFP2をモード変換するために、設定データの変更操作を行う。MFP2は、原稿読取の本体処理を行う前に上記変更操作を受け付けて次の更新処理を行う。
先ず、操作受付部40が、オペレータによる給紙口やスキャンなどの設定条件の変更操作を受け付ける(S1)。具体的に、操作受付部40は、表示パネル32に表示制御部41により表示される給紙口設定画面G1やスキャン設定画面G2などに基づき、オペレータがタッチパネル31に対して行ったタッチ位置の、給紙口やスキャンなどの設定条件の変更情報を、受け付ける。
本実施例では、連続読取について説明するため、オペレータに給紙口設定画面G1の「複数給紙口連続読取」設定ボックスB1を「する」に変更させる。また、一例として第1の給紙口220、続いて第2の給紙口221の順に読み取りを行わせるために、「優先給紙口」設定ボックスB3を「ADF」に変更させるものとする。また、各給紙口の読取条件を個別に設定するために「給紙口別設定」設定ボックスB2を「する」に変更させ、スキャン設定画面G2で各給紙口の読取条件をデフォルトの設定から適宜変更させるものとする。
ステップS1に続いて、操作受付部40は、受け付けた変更情報をシステム制御部42に通知する(S2)。
システム制御部42は、メモリ(フラッシュROM)に記憶されている設定データへの当該変更情報の書き込みを記憶制御部44に依頼する(S3)。これにより、記憶制御部44は設定データのデフォルト設定を当該変更情報により更新する。
図12は、図11に示す更新フローにより更新されてなる設定データの一例を示す図である。図12に示す設定データD1は、デフォルトの設定である設定データD1(図9参照)を基に更新されたものである。また、図12に示す設定データD2は、不図示のデフォルトの設定の設定データを基に更新されたものである。
図12(a)に示すように、設定データD1において、設定内容情報K2の「複数給紙口連続読取」K11は、「する」に更新される。また、設定内容情報K2の「給紙口別設定」K12は、「する」に更新される。設定内容情報K2の「優先給紙口」K13については、本例ではデフォルトの「ADF」のままとなる。
図12(b)と図12(c)に示す設定データD2は、給紙口毎に異なる読取条件となるように設定を異ならせた例を示している。ここでは、図12(b)の設定データD2を第1の給紙口220の設定とし、図12(c)の設定データD2を第2の給紙口221の設定とし、それぞれに図7(b)のスキャン設定画面G2の設定を設定したものを一例として示している。
図12(b)に示す第1の給紙口220についての設定データD2は、デフォルト設定からの更新により、「カラーモード」K31が「フルカラー」、「解像度」K32が「200dpi」、「原稿セット方向」K33が「縦方向」、「原稿面」K34が「片面」となる。図12(c)に示す第2の給紙口221についての設定データD2は、デフォルト設定からの更新により、「カラーモード」K31が「フルカラー」、「解像度」K32が「400dpi」、「原稿セット方向」K33が「横方向」、「原稿面」K34が「両面」となる。
図13は、MFP2における連続読取の制御動作の一例を示すフロー図である。以下では、図13の制御フローについて図12の更新後の設定データを例に説明する。
先ず、操作受付部40は、オペレータによる操作信号として読取開始キーの押下信号を受け付け(S11)、読取開始の指示をシステム制御部42に通知する(S12)。これにより、システム制御部42は、給紙順番制御部45に読取準備の指示を通知する(S13)。
給紙順番制御部45は、読取準備処理として、先ず、メモリ(フラッシュROM)に記憶されている設定データを記憶制御部44を介して取得し、設定データの設定内容を読み取る(S14)。
そして、給紙順番制御部45は、設定データに設定されている給紙口の「読取順序情報」に従い、センサ検知信号受信部46を介して読取対象の給紙口の原稿の有無情報を取得する(S15)。具体的に、給紙順番制御部45は、センサ検知信号受信部46を介し、読取制御ボード33から原稿の有無情報D3の1番目の読取対象の給紙口の原稿の有無情報を取得する。
ここで、給紙順番制御部45が、有無情報として「有り」情報を取得したとする。その場合、給紙順番制御部45は、読取実行要求を発行し、システム制御部42に対して読取順が1番目に設定されている給紙口の情報(給紙口の識別情報や、原稿の「有り」情報や、当該給紙口の読取条件を示す情報など)を返し、読取処理(本体処理)の実行を要求する(S16)。
一方、給紙順番制御部45が、有無情報として「無し」情報を取得したとする。その場合はオペレータに通知する通知処理を行う。この処理については後述する。
システム制御部42は、給紙順番制御部45から返された、読取順が1番目の給紙口の識別情報や読取条件を示す情報などに基づきステップS17〜ステップS20に示す読取処理を実行する。なお、ステップS17〜ステップS20に示す読取処理は一例であり、読取処理をこれに限定するものではない。
読取順の1番目の給紙口が第1の給紙口220に設定されている本例の場合、システム制御部42は、先ず、エンジン制御部43に設定データD2(図12(b)参照)の読取条件のパラメータを渡し、第1の給紙口220の読取処理の実行を要求する(S17)。
この要求により、エンジン制御部43は読取制御ボード33を制御して読取処理を実行する(S18)。
エンジン制御部43は例えば次のように読取処理を実行する。先ず、エンジン制御部43は、第1の給紙口220の原稿の搬送に係るモータ類33bを駆動してローラ対等の各種ローラを回転させ、第1の給紙口220の原稿を第1の原稿搬送路223aに沿って搬送させる。更に、エンジン制御部43は、センサ類33aからの検知信号により原稿の搬送位置を検出し、原稿がDFコンタクトガラス211の位置に検出されると、片面用の読取ユニット212aを駆動し、原稿の読取処理を実行する。なお、読取ユニット212aは、原稿到達前に予めDFコンタクトガラス211の位置に移動しておくものとする。そして、エンジン制御部43は、原稿を搬送方向(副走査方向)へ送り出すなどして原稿の片面読取処理を行う。エンジン制御部43は、この片面読取処理により得られた読取画像を90°回転し、更に200dpiへ解像度変換するなどの画像処理を施し、その画像データを記憶制御部44を介してメモリ(RAM)に記憶する。
このような読取処理を終えると、エンジン制御部43は、システム制御部42に読取処理の終了を通知する(S19)。原稿は引き続き排出口227へ向けて搬送される。
システム制御部42は、エンジン制御部43から読取処理の終了が通知されると、給紙順番制御部45に1番目の給紙口の読取処理の終了を通知する(S20)。
給紙順番制御部45は、メモリ(フラッシュROM)から取得した先の設定データに、単独読取を示す「複数給紙口連続読取:しない」が設定されている場合、システム制御部42に処理の終了を通知する。この通知により、オペレータによる読取開始の入力信号に基づく一連の処理を終了する。
図13には、設定データに連続読取を示す「複数給紙口連続読取:する」が設定されている場合の連続処理の一連の処理の続きを示している。先ず、給紙順番制御部45は、2番目に読取対象となっている給紙口の原稿の有無情報をセンサ検知信号受信部46を介して取得する(S21)。
ここで、給紙順番制御部45が、有無情報として「有り」情報を取得したとする。この場合、給紙順番制御部45は、読取実行要求を発行し、システム制御部42に対して読取順が2番目に設定されている給紙口の情報(給紙口の識別情報や、原稿の「有り」情報や、当該給紙口の読取条件を示す情報など)を返し、読取処理(本体処理)の実行を要求する(S22)。
一方、給紙順番制御部45が、有無情報として「無し」情報を取得したとする。その場合はオペレータに通知する通知処理を行う。この処理については後述する。
システム制御部42は、給紙順番制御部45から返された、読取順が2番目の給紙口の識別情報や読取条件を示す情報などに基づきステップS23〜ステップS26に示す読取処理を実行する。なお、ステップS23〜ステップS26に示す読取処理は一例であり、読取処理をこれに限定するものではない。
読取順の2番目の給紙口が第2の給紙口221に設定されている本例の場合、システム制御部42は、先ず、エンジン制御部43に設定データD2(図12(c)参照)の読取条件のパラメータを渡し、第2の給紙口221の読取処理の実行を要求する(S23)。この要求により、エンジン制御部43が読取制御ボード33を制御して読取処理を実行する(S24)。
エンジン制御部43は例えば次のように読取処理を実行する。先ず、エンジン制御部43は、第2の給紙口221の原稿の搬送に係るモータ類33bを駆動してローラ対等の各種ローラを回転させ、第2の給紙口221の原稿を第2の原稿搬送路223bに沿って搬送させる。更に、エンジン制御部43は、センサ類33aからの検知信号により原稿がDFコンタクトガラス211の位置に検出されると、読取ユニット212aと裏面読取ユニット212aー1とを駆動し、原稿を搬送方向(副走査方向)へ送り出すなどして両面読取処理を実行する。エンジン制御部43は、この両面読取処理により得られた読取画像を記憶制御部44を介してメモリ(RAM)に記憶する。
このような読取処理を終えると、エンジン制御部43は、システム制御部42に読取処理の終了を通知する(S25)。原稿は引き続き排出口へ向けて搬送される。
システム制御部42は、エンジン制御部43から読取処理の終了が通知されると、給紙順番制御部45に2番目の読取処理の終了を通知する(S26)。
給紙順番制御部45は、メモリ(フラッシュROM)から取得した先の設定データにおいて、3番目の読取順の給紙口が設定されていないため、システム制御部42に処理の終了を通知する(S27)。この通知により、オペレータによる読取開始の入力信号に基づく連続読取の一連の処理を終了する。
図14は、図13に示すステップS15やステップS21において給紙順番制御部45が「無し」情報を取得した場合の通知処理の一例を示すフロー図である。このフロー図は、オペレータに通知画面により通知する場合の例を示すものである。
先ず、ステップS15に続く通知処理として、給紙順番制御部45は、システム制御部42に対し、読取順が1番目の給紙口である第1の給紙口220の識別情報と共に「無し」情報を返す(S151)。
「無し」情報を受けとった場合、システム制御部42は、給紙順番制御部45から返った識別情報(第1の給紙口220の識別情報)に従い、当該給紙口に対応する通知画面情報(第1の通知画面G3の画面情報)を記憶制御部44を介してメモリ(フラッシュROM)から取得する(S152)。
そして、システム制御部42は、その通知画面情報を表示制御部41に出力する(S153)。これにより、表示制御部41が当該通知画面(第1の通知画面G3)を表示パネル32に表示する。
その後、オペレータが第1の給紙口220に原稿をセットし、更にタッチパネル31を介して再実行の処理を指示すると、当該再実行の処理の指示を操作受付部40が受け付け(S154)、操作受付部40がシステム制御部42に当該再実行の処理を指示する(S155)。
システム制御部42は、操作受付部40からの再実行の処理の指示により、再び、給紙順番制御部45に読取準備の指示を通知する(S156)。
この再通知により、給紙順番制御部45は、センサ検知信号受信部46を介して第1の給紙口220の原稿の有無情報(この場合「有り」情報となる)を取得する(S157)。
そして、給紙順番制御部45は、原稿の有無情報が「有り」情報なので、システム制御部42に読取処理(本体処理)の実行を要求する(S158)。
なお、ステップS21に続く通知処理であるステップS211〜ステップS218のフローは、ステップS151〜ステップS158のフローに対応する。ステップS211〜ステップS218のフローは、ステップS151〜ステップS158のフローにおいてした説明の、読取順を1番目から2番目に置き換え、給紙口を第1の給紙口220から第2の給紙口221に置き換え、通知画面を第1の通知画面G3から第2の通知画面G4に置き換えることにより、同様に説明することができる。従って、繰り返しの説明になるため、ステップS211〜ステップS218のこれ以上の説明については省略する。
図15及び図16は、図13に示す連続読取の制御動作のフローにより複数の給紙口の原稿を基に生成される画像データの説明図である。図15は、各給紙口にセットされる原稿の一例を示す図であり、図16は、図15に示す各原稿が図12に示す各設定データの設定により連続読取された場合の画像データの構成を示す図である。
図15に示す原稿X10は、普通紙原稿であり、表面X10−1と裏面X10−2とにそれぞれ「R1」と「R2」の印字面を有する。原稿X20は、免許証等のカード原稿であり、表面X20−1と裏面X20−2とにそれぞれ「顔写真X20aを含む画像」と「書誌情報X20bを含む画像」の印字面を有する。
原稿X10は、図12(b)の設定データにおいて「原稿セット方向」K33が縦方向に設定されているので、原稿X10の印字面の正立向きに対して矢印Y1の向きに第1の給紙口220から搬入され、DFコンタクトガラス211に搬送される。原稿X20は、図12(c)の設定データにおいて「原稿セット方向」K33が横方向に設定されているので、原稿X20の印字面の正立向きに対して矢印Y2の向きに第2の給紙口221から搬入され、DFコンタクトガラス211に搬送される。
原稿X10は、図12(b)の設定データにおいて「原稿セット方向」K33が縦方向に設定され、「原稿面」K34が片面に設定されている。このため、原稿X10は、表面X10−1の画像のみが読み取られ、画像データP1(図16参照)が生成される。
原稿X20は、図12(c)の設定データにおいて「原稿セット方向」K33が横方向に設定され、「原稿面」K34が両面に設定されている。このため、原稿X20は、表面X20−1の画像と裏面X20−2の画像が読み取られ、それぞれ90°回転した、画像データP2(図16参照)と、画像データP3(図16参照)が生成される。
図16に示すように、各画像データ(画像データP1、画像データP2、画像データP3)は、原稿の印字面が正立した向きの画像として生成される。
以上により、オペレータによる一回の読取開始キーの操作により複数の給紙口から原稿を所定順序で読み取ることができる。更に、生成された画像データを原稿の印字面の正立向きに自動編集することが可能になる。
(読取画像の出力)
読み取った各原稿の画像データは、何れも原稿の印字面が成立した向きの画像としてメモリ(RAM)に記憶されている。続いて、メモリ(RAM)に記憶された画像データの出力について示す。画像データの出力は、印刷設定画面により設定する。印刷設定画面は、給紙口設定画面やスキャン設定画面などと共にタブの切り替えなどによりメモリ(フラッシュROM)から対応する画面情報が読み出されて表示パネル32に提供される。
図17は、印刷設定画面の一例を示す図である。図17に示すように、印刷設定画面G5は、「集約項目」設定ボックスB10と、「印刷面項目」設定ボックスB11と、設定ボタンB12とを含むように構成される。この他、出力先や各種出力条件を設定する設定ボックスなどが含まれる。
「集約項目」設定ボックスB10は、連続読取により生成した各画像データの集約を設定する。図17の印刷設定画面G5の設定例に示す「3in1」は、3つの画像データを1つのファイルに集約することを示す。例えば図16に示す3つの画像データ(画像データP1、画像データP2、画像データP3)の出力先をPDF(Portable Document Format)変換ドライバに指定した場合、各画像データ(画像データP1、画像データP2、画像データP3)は、読み取られた順に、ページが割り振られ、マルチページPDFファイルとして1つのファイルに収められる。図12に示す各設定データの設定では、画像データP1が1ページ目となり、画像データP2が2ページ目となり、画像データP3が3ページ目となる。
「印刷面項目」設定ボックスB11は、出力先をプリンタとした場合の記録紙の印刷面を設定する。図17の印刷設定画面G5の設定例に示す「片面」は、記録紙の片面に「集約項目」設定ボックスB10において設定された集約画像データ、この例では3つの画像データ(画像データP1、画像データP2、画像データP3)を印刷することを示す。
設定ボタンB11は、各設定ボックス(設定ボックスB10や設定ボックスB11など)に設定された内容を確定し、メモリ(フラッシュROM)の印刷設定データの更新を指示するための操作ボタンである。
図18は、印刷設定データのデータ構造の一例を示す図である。図18に示す設定データD4は、設定項目情報K7と設定内容情報K8とを有する。設定項目情報K7には、「集約」K71と、「原稿面」K72とが含まれる。
一方の設定内容情報K8には、設定項目情報K7の項目毎に一つの設定内容情報が設定される。図18の設定内容情報K8には、図17の印刷設定画面G5の設定例に示されるものを設定している。設定内容情報K8に示す設定は、印刷設定画面G5での設定変更に応じて他の設定に随時切り替えられる。
続いて、図13に示す連続読取の制御動作のフローに続いてMFP2にて実施される印刷制御動作のフローについて説明する。印刷制御動作は、連続読取動作に続けて実施しても良いし、連続読取動作後に、連続読取した一連の画像データを指定するなどして実施しても良い。
図19は、MFP2における印刷制御動作の一例を示すフロー図である。先ず、システム制御部42は、メモリ(RAM)の連続読取した画像データを記憶制御部44を介して取得する(S31)。
更に、システム制御部42は、メモリ(フラッシュROM)の印刷設定データを記憶制御部44を介して取得する(S32)。
続いて、システム制御部42は、印刷設定データの設定に従って画像データを集約する集約処理を行う(S33)。図18に示す設定データD4にように3つの画像データを1つに集約する設定の場合、例えば次のように集約する。画像データP1の画像を記録紙の上部領域に1面割り付けし、画像データP2と画像データP3の画像を記録紙の下部領域に左右に2面割り付けする。
そして、システム制御部42は、エンジン制御部43に集約データを出力し、印刷の実行を要求する(S34)。
これにより、エンジン制御部43は、集約データを基に印字データを生成し、印刷処理を実行する(S35)。この印刷処理において、エンジン制御部43は本体制御ボード30とインタフェース34cを介して通信し、画像形成ユニット23を制御する。画像形成ユニット23は、その制御により、収納庫から記録紙を繰り出し、その記録紙に印刷データの画像を転写等により記録する。
エンジン制御部43は、印刷処理が終了するとシステム制御部42に印刷処理の終了を通知する(S36)。
システム制御部42は、印刷処理の終了の通知により、表示制御部41に新たな原稿の読み取りや印刷の受付画面を表示するよう指示し、表示制御部41により表示画面を受付可能であることを示す画面に更新させる(S37)。
そして、システム制御部42は、次の読取処理又は印刷処理の実行を行える状態で待機する(S38)。
図20は、3つの画像データを1つに集約する設定にした場合の記録紙の出力例を示す図である。図20に示す例では、記録紙Qに3面割り付けで画像データP1と画像データP2と画像データP3の各画像が印刷される。
本実施例では、複数の給紙口10(図1参照)を第1の給紙口220(図4参照)と第2の給紙口221(図4参照)とし、それぞれから、順番に1回だけ原稿を読み取る処理について示した。しかし、複数の給紙口は、この2つに限らず3つ以上であっても良い。
また、各給紙口10から所定の順番で複数回原稿を読み取るように変形しても良い。例えば所定順序情報において給紙口の識別情報を繰り返し出現させる設定にする。給紙口が第1の給紙口220と第2の給紙口221の2つの場合、優先順を、例えば第1の給紙口の識別情報、第2の給紙口の識別情報、第1の給紙口の識別情報、第2の給紙口の識別情報などの順にする。これにより、第1の給紙口220、第2の給紙口221、第1の給紙口220、第2の給紙口221のように交互に1枚ずつの原稿を連続読取する複雑な動作も可能になる。
また、各給紙口から1枚ずつ原稿を読み取るものとして説明したが、原稿の読取枚数を限定するものではない。設定データへ原稿の読取枚数(原稿枚数)を設定するなどして、各給紙口から複数枚ずつ原稿を読み取るようにしても良い。また、給紙口別に個別に原稿の読取枚数を設定しても良い。
また、本実施例に示すMFP2の内部構成は一例である。MFPは、複数の給紙口と読取装置とが構成されているものであれば、その他の内部構成を有するものであっても良い。
また、本実施の形態の画像処理装置は少なくともスキャナ機能を有し、上述した連続読取が行えれば良い。このため、本実施の形態の画像処理装置を、スキャナ機能を有する、複写機や、プリンタや、ファクシミリ装置などの画像処理装置のいずれにも適用することができる。また、スキャナ装置に適用することもできる。
(変形例1)
各給紙口10の読み取りの順序を任意に設定できるように変形し、更に、その読み取りの順序のパターン(後述する「読取パターン」)を繰り返せるように変形した場合の一例を示す。以下では、MFP2のハードウェア構成や機能構成などについては実施の形態と共通するため図示及び説明を省略し、その他の設定や制御フローにかかる主な変形箇所について説明する。
(設定画面)
図21と図22は、変形例1の連続読取に係る設定画面の一例を示す図である。図21の給紙口設定画面G11は、給紙口設定画面G1(図7参照)に、更に読取パターン設定ボックスB111を設けたものである。この読取パターン設定ボックスB111は、「読取パターン」による読み取りを実行させるか否かを設定するための設定ボックスである。読取パターン設定ボックスB111は、例えば「実行する(する)」と「実行しない(しない)」とを示す選択情報をプルダウンやポップアップなどにより表示し、選択情報から1つを受け付けて表示する。
図22の読取パターン設定画面G21は、図21の給紙口設定画面G11において読取パターン設定ボックスB111が「する」に設定されている場合に有効となる「読取パターン」を設定するための、新たに設けた画面である。
読取パターン設定画面G21は、「読取パターン」設定欄210aと、「読取枚数」設定欄210bと、「繰り返し」設定欄210cとを有する。
「読取パターン」設定欄210aは、「読取順1」設定ボックスB211と、「読取順2」設定ボックスB212と、「読取順3」設定ボックスB213とを有する。「読取枚数」設定欄210bは、「読取順1」設定ボックスB211に対応する「読取枚数」設定ボックスB214と、「読取順2」設定ボックスB212に対応する「読取枚数」設定ボックスB215と、「読取順3」設定ボックスB213に対応する「読取枚数」設定ボックスB216とを有する。「繰り返し」設定欄210cは「繰り返し」設定ボックスB217を有する。
「読取順1」設定ボックスB211、「読取順2」設定ボックスB212、及び「読取順3」設定ボックスB213は、給紙口10の原稿の読取順を任意に設定するための設定ボックスである。具体的に、「読取順1」設定ボックスB211、「読取順2」設定ボックスB212、及び「読取順3」設定ボックスB213は、それぞれ、利用可能な給紙口10の識別情報(本例では「ADF」と、「手差し」と、「圧板」とを含むものとする)をプルダウンやポップアップなどで表示し、その内の1つを受け付けて表示する。なお、「読取順1」設定ボックスB211には、デフォルトにおいて、給紙口設定画面G11(図21参照)の優先給紙口設定ボックスB3に設定されている給紙口の識別情報(「ADF」、「手差し」、又は「圧板」)が設定される。また、「読取順2」設定ボックスB212と「読取順3」設定ボックスB213は、デフォルトにおいて未設定の状態となる。
「読取枚数」設定ボックスB214、「読取枚数」設定ボックスB215、及び「読取枚数」設定ボックスB216は、それぞれ、「読取順1」設定ボックスB211、「読取順2」設定ボックスB212、及び「読取順3」設定ボックスB213に設定された給紙先の原稿の読取枚数を任意に設定するための設定ボックスである。「ADF」と「手差し」については複数枚の原稿の積載が可能である。このため、給紙先に「ADF」と「手差し」の内の一方が設定されている場合は、対応する「読取枚数」設定ボックスにおいて、その給紙先の最大積載枚数を上限とする読取枚数の設定が可能になる。
各設定ボックスB214、B215、B216は、一例として読取枚数を示す1〜nの数字(nは正の整数とする)や給紙先にセットされている全原稿の読み取りを表す「すべて」などを選択情報として含み、それらの選択情報をプルダウンやポップアップなどにより表示し、その内の1つを受け付けて表示する。
「繰り返し」設定ボックスB217は、「読取パターン」を繰り返すか否かを示す情報を設定するための設定ボックスである。「繰り返し」設定ボックスB217は、例えば、「繰り返す」と「繰り返さない」とを示す選択情報をプルダウンやポップアップなどにより表示し、その内の1つを受け付けて表示する。
ここで、「読取パターン」は、「読取パターン」設定欄210aと「読取枚数」設定欄210bとに設定されている各設定情報の組み合わせパターンのことである。具体的に、MFP2は「読取順1」設定ボックスB211に設定されている給紙先から「読取枚数」設定ボックスB214に設定されている枚数の原稿を連続して読み取り、続いて、「読取順2」設定ボックスB212に設定されている給紙先から「読取枚数」設定ボックスB215に設定されている枚数の原稿を連続して読み取り、そして、「読取順3」設定ボックスB213に設定されている給紙先から「読取枚数」設定ボックスB216に設定されている枚数の原稿を連続して読み取る。「読取パターン」は、給紙先の原稿がどの順に読み取られ各給紙先で何枚読み取られるかを示すパターンである。
設定ボタンB219は、各設定ボックスB211〜B217に設定された内容を確定し、メモリ(フラッシュROM)の設定データD11(図24参照)の設定内容の更新を指示するための操作ボタンである。
図21の給紙口設定画面G11と図22の読取パターン設定画面G21とは、スキャン設定画面G2(図7参照)などと共に、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)に画面情報として記憶させる。
給紙口設定画面G11と読取パターン設定画面G21とスキャン設定画面G2は、例えばタブ別に配置し、タブの切り替えにより個別に表示させる。この内の読取パターン設定画面G21とスキャン設定画面G2の各設定項目については、給紙口設定画面G11の「給紙口別設定」設定ボックスB2が「する」に設定されている場合などに、設定可能に表示させる。
(設定データ)
続いて、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)のデータ構造について示す。
図23は、給紙口設定画面G11(図21(a)参照)により設定された情報を記憶する設定データのデータ構造の一例を示す図である。図23に示す設定データD10は、設定データD1(図9(a)参照)において、給紙口設定画面G11の読取パターン設定ボックスB111に対応する「読取パターン設定」K14を追加したものである。設定内容情報K2の「読取パターン設定」K14に対応する設定内容情報には、説明のため、プルダウンなどにより表示される選択情報(「する」と「しない」)を示し、設定されている方を下線により表している。
図24は、読取パターン設定画面G21(図22参照)により設定された情報を記憶する設定データのデータ構造の一例を示す図である。図24に示す設定データD11は、設定項目情報K100と設定内容情報K200とを有する。設定項目情報K100には、「読取順1」K101と、「読取順2」K102と、「読取順3」K103と、「読取順1の読取枚数」K104と、「読取順2の読取枚数」K105と、「読取順3の読取枚数」K106と、「繰り返し」K107とを含む、設定項目が設定されている。
設定内容情報K200の、「読取順1」K101、「読取順2」K102、及び「読取順3」K103に対応する設定内容情報には、給紙口10の識別情報が設定される。図24の各設定内容情報には、説明のため、プルダウンなどにより表示される一覧情報を示し、設定されている方を下線により示している。一覧情報には、一例の画像読取装置20が有する各給紙口の識別情報(「ADF」、「手差し」、及び「圧板」)と、未設定であることを示す情報(「未設定」)とを示している。
設定内容情報K200の、「読取順1の読取枚数」K104、「読取順2の読取枚数」K105、及び「読取順3の読取枚数」K106のそれぞれの設定内容情報には、「読取順1」K101、「読取順2」K102、及び「読取順3」K103に設定された各給紙先の、それぞれの読取枚数(ただし最大積載可能枚数以下の範囲とする)や、積載枚数のすべての読み取りを示す「すべて」などが設定される。
設定内容情報K200の、「繰り返し」K107の設定内容情報には、「繰り返す」と「繰り返さない」の選択肢があり、下線は選択されている方を示している。
(カウンタ)
図25は、読取枚数をカウントするためのカウンタの構成の一例を示す図である。図25に示すカウンタC1は、読取順1番目のカウンタC11と、読取順2番目のカウンタC12と、読取順3番目のカウンタC13とを有する。なお、読取順4番目以下が設定されている場合には、読取順4番目以下のカウンタを適宜設けても良い。各カウンタに設定されている値は、本体制御ボード30のRAMに割り当てた、各カウンタの記憶領域において保持される。
読取順1番目のカウンタC11と、読取順2番目のカウンタC12と、読取順3番目のカウンタC13とには、デフォルトで「1」が設定され、適宜読取枚数を示す数字により更新される。
(通知画面)
続いて、変形例1の通知処理により出力される通知画面について説明する。以下の各通知画面は、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)に記憶されるものである。
図26は、給紙口に読取対象の原稿が無い場合にオペレータに原稿補充を促すための通知画面の一例である。図26(a)に示す通知画面G31は、第1の給紙口220に読取対象の原稿が無い場合にオペレータに原稿補充を促すための通知画面である。図26(b)に示す通知画面G32は、第2の給紙口221に読取対象の原稿が無い場合にオペレータに原稿補充を促すための通知画面である。
各通知画面(通知画面G31、通知画面G32)は、それぞれが対象とする給紙口220、221についての、原稿不足を知らせる通知メッセージと、原稿の不足枚数を知らせる不足枚数情報とを有する。不足枚数情報には、例えばパラメータに値をセットすることにより、その値を不足枚数として表示させる。また、原稿不足の給紙口220が一目で分かるように、それぞれが対象とする給紙口220、221の原稿補充の動作をグラフィカルに示すグラフィカル情報を有する。グラフィカル情報は、それぞれが対象とする給紙口220、221の原稿補充動作を静止画像や動画像やアニメーションなどにより示した情報である。
図27は、読取パターンの繰り返しをオペレータに確認する通知画面の一例を示す図である。図24に示す通知画面G41は、読取パターンの繰り返しを終了するかをオペレータに確認する確認メッセージg41を有する。また、選択ボタンとして、継続ボタンB41と終了ボタンB42とを有する。継続ボタンB41は、オペレータに押下されることにより、継続の指示を受け付ける。終了ボタンB42は、オペレータに押下されることにより、終了の指示を受け付ける。
(フロー:複数枚)
続いて、変形例1のMFP2の、各給紙口10から設定の順序で原稿を読み取り且つ1つの給紙口から1枚以上の原稿を読み取る場合の複数枚読取制御フローについて説明する。なお、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)の設定データ(設定データD10(図23参照)、設定データD11(図24参照)、設定データD2(図9参照))は、オペレータが、予め図11に示すようなフローによりそれぞれの設定画面(設定画面G11(図21参照)、設定画面G21(図22参照)、設定画面G2(図7参照))を操作して設定や変更を行っているものとする。MFP2はそれらの設定に基づいて複数枚読取制御を行う。
図28は、複数枚読取制御動作の一例を示すフロー図である。図28は、制御フロー(図13参照)に、カウンタ設定処理(S14−1)を追加し、更に原稿一枚の読取処理(ステップS15〜ステップS20の処理や、ステップS21〜ステップS26)を、それぞれ、複数枚の原稿を連続して読み取る複数枚読取処理に変形したものである。
給紙順番制御部45は、ステップS14の処理において、記憶制御部44を介して設定データD10、設定データD11、及び設定データD2を取得する。カウンタ設定処理(S14−1)は、そのステップS14の処理後に設けている。カウンタ設定処理(S14−1)では、給紙順番制御部45が、ステップS14で読み取った設定データD11の読取枚数を示す情報をカウンタC1(図25参照)に設定する処理を行う。
図29は、給紙順番制御部45によるカウンタ設定処理(S14−1)の一例を示すフロー図である。先ず、給紙順番制御部45は、設定データD10(図23参照)の設定内容情報K2に含まれる、「読取パターン設定」K14の設定内容情報を読み取り、その設定が「する」であるかを判定する(S140)。
上記設定が「しない」である場合、給紙順番制御部45は、カウンタC11の設定値をデフォルト「1」のままにしてカウンタ設定処理を終了する。
上記設定が「する」である場合、給紙順番制御部45は、設定データD11(図24参照)の設定を読み取り、その設定に基づいてカウンタC11を設定する(S141)。具体的に、給紙順番制御部45は、設定データD11の「読取順1」K101と、「読取順2」K102と、「読取順3」K103の、それぞれの設定内容情報(読取枚数)を順に読み取り、その順に、「読取順1番目のカウンタC11」、「読取順2番目のカウンタC12」、「読取順3番目のカウンタC13」に、読み取った読取枚数を設定する。
例えば、「読取順1」K101、「読取順2」K102、「読取順3」K103の、それぞれの設定内容情報として、「ADF」、「手差し」、「圧板」がこの順に設定されていたとする。また、この内の「ADF」と「手差し」については、複数枚の原稿の積載が可能であるものとする。この場合、給紙順番制御部45は、「読取順1の読取枚数」K104と、「読取順2の読取枚数」K105と、「読取順3の読取枚数」K106の、それぞれの設定内容情報を読み取り、読み取ったそれぞれの読取枚数を、対応するカウンタ(それぞれ、読取順1番目のカウンタC11、読取順2番目のカウンタC12、読取順3番目のカウンタC13)に設定する。なお、この例の場合、読取順3番目のカウンタはデフォルトの値「1」のままとなる。
カウンタ設定処理(S14−1)の後は、n=1から順に、読取順n番目の複数枚読取処理Mnが行われる。複数枚読取処理Mnは、1枚の原稿の読取処理(例えばn=1であれば、ステップS15〜ステップS20の処理)の後に、複数枚読取判定処理(S30)を設けたものである。
当該複数枚読取判定処理は、読取順nの給紙口から連続して次の原稿を処理するかを判定する判定処理である。複数枚読取処理Mnでは、設定データD11に設定した、読取順n番目の給紙口の読取枚数の、すべての原稿の読み取りの完了が当該複数枚読取判定処理により判定されるまで、読取順n番目の給紙口にセットされている原稿の読取処理が連続して繰り返される。
読取順3番目の複数枚読取処理M3において、すべての原稿の読み取りの完了が当該複数枚読取判定処理により判定されると、その後、ステップS27の処理に移行する。
図30は、読取順n番目の複数枚読取処理Mnの一例を示すフロー図である。先ず、原稿一枚の読取処理が実行される(S100)。この処理は、例えば、読取順1番目の場合にはステップS15〜ステップS20の処理が当たり、読取順2番目の場合にはステップS21〜ステップS26の処理が当たる。
続いて、給紙順番制御部45が、カウンタC1(図25参照)の読取順n番目のカウンタの値を1減算する(S101)。例えば、読取順が1番目の場合、読取順1番目のカウンタC11(図25参照)の値を1減算する。
そして、給紙順番制御部45は、減算後の値が「0」よりも大きいかを判定する(S102)。
値が「0」よりも大きい場合(S102:Yes)、ステップS100からの処理を繰り返す。
値が「0」になると(S102:No)、読取順n番目の複数枚読取処理Mnを終了し、読取順n+1番目の複数枚読取処理Mn+1に移行する。
続いて、ステップS15やステップS21において給紙順番制御部45が「無し」情報を取得した場合の通知処理について説明する。変形例1では、通知画面に原稿の不足枚数を示す情報を含めるため、これについての処理を主に説明する。
図31は、読取順n番目の複数枚読取処理Mnにおいて行われる通知処理の一例を示すフロー図である。先ず、原稿の有無情報として「無し」情報が通知されると、給紙順番制御部45が、読取順n番目のカウンタの値を読み取る(S150)。
続いて、給紙順番制御部45は、システム制御部42に対し、原稿不足を示す情報として読取順n番目の給紙口の識別情報と、読取順n番目のカウンタから読み取ったカウンタ値とを通知する(S151−1)。
システム制御部42は、原稿不足を示す情報が通知されると、読取順n番目の給紙口の識別情報に対応する通知画面の画面情報を記憶制御部44を介して取得する(S152―1)。
更に、システム制御部42は、取得した画面情報の不足枚数を示すパラメータにカウンタ値を設定し、その画面情報を表示制御部41に出力する(S153−1)。その後のフローは、図14に示す、ステップS154やステップS214などからの処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
(フロー:繰り返し)
次に、変形例1のMFP2が「読取パターン」を繰り返す場合について説明する。ここでは一例として「読取パターン」を読取順1番目の複数枚読取処理M1〜読取順3番目の複数枚読取処理M3までの処理として説明する。
図32は、変形例1のMFP2が上記「読取パターン」を繰り返す場合の制御動作の一例を示すフロー図である。図32は、制御フロー(図28参照)を、「読取パターン」が繰り返されるように変形したものである。
具体的には、各読取順n番目の複数枚読取処理Mnの後に「繰り返し判定処理」S50を設けている。また、図32には示されていないが、各読取順n番目の複数枚読取処理Mnの通知処理に「読取パターン」の繰り返しを終了するための判定処理を設けている。
繰り返し判定処理(ステップS50)では、給紙順番制御部45が、設定データD11(図24参照)の「繰り返し」K107の設定を読み取って「繰り返し」の設定かを判定する。更に、給紙順番制御部45は、次の読取順のものがあるかを判定する。
「繰り返し」の設定で、且つ次の読取順のものがない(つまり読取順3が終了している)場合は、繰り返し実行要求を発行し、読取順1の先頭のステップに戻って「読取パターン」を繰り返す。つまり、「読取パターン」の2サイクル目に入る。
なお、「繰り返し」の設定ではなく、且つ次の読取順のものがない(つまり読取順3が終了している)場合は、ステップS27の処理に移行する。つまり、読取パターンを1サイクルで終了する。
また、「繰り返し」の設定で、且つ次の読取順のものがある場合と、「繰り返し」の設定ではなく、且つ次の読取順のものがある場合は、いずれも、読取パターンの途中であるため、次の読取順の複数枚読取処理を行う。例えば、複数枚読取処理M1の繰り返し判定処理においては、次の読取順の読取順2があるため、続いて複数枚読取処理M2を行う。
続いて、「読取パターン」の繰り返しを終了するための判定処理について説明する。
図33は、読取順n番目の複数枚読取処理Mnの通知処理の一例を示すフロー図である。原稿の有無情報として「無し」情報が通知されると、先ず、給紙順番制御部45が、読取順が1番目かを判定する(S160)。
読取順が1番目の場合、続いて給紙順番制御部45は、システム制御部42に対し、「読取パターン」の繰り返しの確認要求を行う(S161)。一方、読取順が1番目ではない場合、給紙順番制御部45は、原稿不足の通知処理(S151−1)に移行する。
ステップS161に続き、システム制御部42は、「読取パターン」の繰り返しの確認要求を受け取ると、通知画面G41(図27参照)の画面情報を記憶制御部44を介してメモリ(フラッシュROM)から取得する(S162)。
そして、システム制御部42は、その通知画面情報を表示制御部41に出力する(S163)。これにより、表示制御部41が通知画面G41を表示パネル32に表示する。
その後、オペレータがタッチパネル31を介して通知画面G41の継続ボタンB41や終了ボタンB42をタッチ操作すると、そのタッチ操作を操作受付部40が受け付け(S164)、そのタッチ情報を操作受付部40がシステム制御部42に通知する(S165)。
システム制御部42は、操作受付部40から通知されたタッチ情報を基に「継続」又は「終了」を示す情報を給紙順番制御部45に通知する(S166)。
この通知により、給紙順番制御部45は、「読取パターン」の繰り返しを継続するか終了するかを判定する(S167)。オペレータが継続ボタンB41をタッチしたことに基づき、給紙順番制御部45が継続すると判定すると、続いて、原稿不足の通知処理を行う(S151−1)。
一方、オペレータが終了ボタンB42をタッチしたことに基づき、給紙順番制御部45が終了すると判定すると、給紙順番制御部45は、ステップS27(図32参照)の処理に移行する。
ここでは、一例として、各読取順n番目の複数枚読取処理Mnの通知処理において「読取パターン」の繰り返しを終了するかの確認処理を行い、オペレータから終了の指示を受けた場合に「読取パターン」の繰り返しを終了する例を示した。これにより、読取パターンを連続して繰り返すことが可能になる。なお、「読取パターン」の繰り返しを終了するかを確認するタイミングは、これに限らない。その他のタイミングで確認を行うようにしても良い。
(出力)
ここで、「ADF」と「手差し」にそれぞれ複数枚の原稿をセットし、「ADF」、「手差し」の順に繰り返し1枚ずつ原稿を読み取った場合の出力例について示す。
図34は、「ADF」にセットするシート状の原稿X11と、原稿X12と、原稿X13と、「手差し」にセットするカード状の原稿X21と、原稿X22と、原稿X23とを示している。ここでは一例として、原稿X11と、原稿X12と、原稿X13を、それぞれ、3人の各個人の申請情報とし、原稿X21と、原稿X22と、原稿X23を、それぞれ、3人の各個人の身元証明情報(免許証等)とする。
「読取パターン」を繰り返す制御フロー(図32参照)により、「ADF」と「手差し」にセットされた各原稿を交互に1枚ずつ読み取る動作を3サイクル繰り返す。そして、図19に示す制御フローにより、生成されたシート状の原稿画像とカード状の原稿画像とを記録紙Qに2in1で割り付けて出力する。
図35は、シート状の原稿画像とカード状の原稿画像とを1つに集約する設定にした場合の記録紙への出力例を示す図である。図35に示すように、3枚の記録紙(記録紙Q1、記録紙Q2、記録紙Q3)に、それぞれ、1サイクル目に読み取ったシート状の原稿X11とカード状の原稿X21とを2面付けにしたものと、2サイクル目に読み取ったシート状の原稿X12とカード状の原稿X22とを2面付けにしたものと、3サイクル目に読み取ったシート状の原稿X13とカード状の原稿X23とを2面付けにしたものとが印刷される。
このように、読取パターンを繰り返す設定に変形することにより、複数種類の原稿(例えば申請書と身分証明書など)を、それぞれを種類別にセットした給紙口から設定の順序で1枚ずつ読み取る読取パターンをMFP2に繰り返し行わせることが可能になる。これにより、オペレータが各給紙口に各種の原稿束をセットしておけば、MFP2により、各給紙口に種類別にセットされた原稿をそれぞれの給紙口から1枚読み取り、更にそれらの画像を1組として記録紙へ出力することを、給紙口にセットされた全ての原稿の読み取りが終わるまで連続して行える。例えば、複数種類の原稿が申請者の申請書と身分証明書とであれば、申請者毎に申請書の画像と身分証明書の画像とを1枚の記録紙に集約することができ、申請者数分の記録紙を連続して出力することが可能になる。
(変形例2)
複数の給紙口にセットされた原稿の読取画像を合成するための変形例について示す。変形例2も変形例1と同様に、MFP2のハードウェア構成や機能構成などについては実施の形態と共通するため図示及び説明を省略する。以下では、読取画像の合成に係る「画像合成手段」としての設定データの設定や制御フローなどについて主に説明する。
(設定画面)
図36は、変形例2の連続読取に係る設定画面の一例を示す図である。図36の合成設定画面G51は、連続読取により得られる各画像の画像合成についての設定画面である。合成設定画面G51における設定は、給紙口設定画面G1(図7参照)の設定ボックスB1が「する」に設定されている場合に有効となる。
合成設定画面G51は、「合成する」を指定するチェックボックスB511と「合成しない」を指定するチェックボックスB512とを含む。
合成設定画面G51は、更に、「合成する」が指定された場合において読取順を「自動」で行うことを指定するチェックボックスB513と「手動」で行うことを指定するチェックボックスB514とを含む。変形例2において、フォーマット画像となる原稿を給紙する給紙口を読取順1とし、フォーマット画像に対する合成画像の原稿を給紙する給紙口を読取順2とする。
合成設定画面G51は、更に、「手動」が指定された場合において、読取順1の給紙口を指定するための設定ボックスB515と、読取順2の給紙口を指定するための設定ボックスB516とを含む。この2つの設定ボックスB515、B516は、プルダウンなどにより「ADF」、「手差し」、及び「圧板」を一覧表示し、選択された1つを受け付けて表示する。
設定ボタンB517は、チェックボックスB511〜B514や、設定ボックスB515、B516に設定された内容を確定し、メモリ(フラッシュROM)の設定データの更新を指示するための操作ボタンである。
(設定データ)
続いて、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)のデータ構造について示す。
図37は、合成設定画面G51(図36参照)により設定された情報を記憶する設定データのデータ構造の一例を示す図である。図37に示す設定データD51は、合成設定画面G51の各設定項目を設定項目情報K500に有し、設定内容情報K600に、それらの設定された設定内容情報を有する。なお、図37において、設定内容情報K600の各設定内容情報には、説明のため、選択情報を全て示し、設定されている方を下線により表している。
(通知画面)
続いて、変形例2の通知処理により出力される通知画面について説明する。以下の通知画面は、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)に記憶されるものである。
図38は、給紙口に読取対象の原稿が無い場合にオペレータに原稿補充を促すための通知画面の一例である。指定された給紙口に原稿をセットし、通知画面G61の確認ボタンB600を押下するなどして、MFP2に指定の給紙口からの原稿の読取を再開させる。
(フロー)
続いて、変形例2のMFP2の制御フローについて説明する。なお、本体制御ボード30のメモリ(フラッシュROM)の設定データ(設定データD1(図9参照)、設定データD2(図9参照)、設定データD51(図37参照))は、オペレータが、予め図11に示すようなフローによりそれぞれの設定画面(設定画面G1(図7参照)、設定画面G2(図7参照)、設定画面G51(図36参照))を操作して設定や変更を行っているものとする。
図39は、画像合成を含む連続読取制御動作の一例を示すフロー図である。図39に示す制御フローは、制御フロー(図13参照)に、システム制御部42が実行する画像合成処理を更に追加したものである。なお、ステップS14で取得した設定データD51の読取順の指定方法の設定は「手動」であるものとして説明する。つまり、この制御フローにおいて、給紙順番制御部45は、設定データD51の読取順1(フォーマット画像)に設定されている給紙口を1番目の給紙口として処理し、続いて読取順2(合成画像)に設定されている給紙口を2番目の給紙口として処理する。
システム制御部42は、上記画像合成処理として、先ず「フォーマット画像の書出処理(S60)」を行う。具体的に、システム制御部42は、ステップS19においてエンジン制御部43から第1の原稿である1番目の給紙口の原稿(フォーマット画像の原稿)についての読取の終了の通知を受けた後、「フォーマット画像の書出処理(S60)」として、エンジン制御部43が読み取った画像をフォーマット画像のメモリに書き出す処理を行う。その後、システム制御部42は、給紙順番制御部45に1番目の給紙口の原稿の読取の終了を通知する(S20)。
エンジン制御部43により、第2の原稿である2番目の給紙口の原稿(合成画像の原稿)の読み取りが行われ、ステップS25においてエンジン制御部43から2番目の給紙口の原稿についての読取の終了の通知を受けると、システム制御部42は、上記画像合成処理に、「フォーマット画像の書出処理(S60)」に続く処理として組み込まれている、「フォーマット画像の読出処理(S61)」と「画像合成処理(S62)」とを、この順に行う。具体的に、システム制御部42は、「フォーマット画像の読出処理(S61)」でフォーマット画像のメモリからフォーマット画像を読み出し、「画像合成処理(S62)」で、読み出したフォーマット画像の所定領域に対し、エンジン制御部43が読み取った合成画像を合成する。その合成画像の合成後のフォーマット画像は、画像合成処理(S62)においてフォーマット画像のメモリに対して書き出される。その後、システム制御部42は、給紙順番制御部45に2番目の給紙口の原稿の読取の終了を通知する(S26)。
なお、この制御フローでは、説明を理解し易くするために、読取順1の原稿をフォーマット画像とし、読取順2の原稿を合成画像とした場合の、フォーマット画像に合成画像を合成する制御フローについて示したが、給紙口の数に応じて読取順3以上を適宜設定しても良い。
本例のMFP2の構成では、給紙口が3つあるため、読取順3まで設定することが可能である。例えば読取順3を追加した場合には、ステップS26とステップS27の間に、「第2の原稿」に相当する3番目の給紙口の原稿を読み取る処理(2番目の給紙口の原稿を読み取るステップ21からステップS25に相当する処理)が行われる。この場合にも、3番目の給紙口の読取の終了の通知(2番目のステップS25に相当する通知)を受けると、「フォーマット画像の読出処理(S61)」と「画像合成処理(S62)」とを行う。
具体的に、システム制御部42は、この回の「フォーマット画像の読出処理(S61)」で、フォーマット画像のメモリから2番目の画像が合成されたフォーマット画像を読み出し、続く「画像合成処理(S62)」で、読み出したフォーマット画像の所定の位置に、エンジン制御部43が読み取った3番目の給紙口の原稿の合成画像を合成する。合成後のフォーマット画像は、この回の画像合成処理(S62)においてフォーマット画像のメモリに書き出される。その後、システム制御部42は、給紙順番制御部45に3番目の給紙口の原稿の読取の終了を通知する。
図40と図41は、ステップS62の画像合成処理の説明図である。図40に示す3枚の原稿(原稿X51、原稿X52、及び原稿X53)は、この順に、読取順1の給紙口にセットした原稿(フォーマット画像の原稿)、読取順2の給紙口にセットした原稿(1つ目の合成画像の原稿)、読取順3の給紙口にセットした原稿(2つ目の合成画像の原稿)である。一例として、原稿X51として申請書、原稿X52として運転免許証、原稿X53として健康保険証を示している。また、一例として、これらの原稿は、それぞれ、「ADF」と、「手差し」と、「圧板」とにセットされているとする。
図41(a)は、申請書に運転免許証を合成した後の画像イメージを示している。制御フロー(図39参照)のステップS18の実行により「ADF」の申請書(原稿X51)の画像が読み取られ、その回のステップS60の処理により、申請書画像P51がフォーマット画像のメモリに書き出される。続いてステップS24の実行により「手差し」の運転免許証(原稿X52)の画像が読み取られて、その回のステップS61とステップS62との処理により、メモリから申請書画像P51が読み出されて申請書画像P51の所定領域(免許証の貼り付け領域)に運転免許証画像P52が合成される。
ここで、申請書画像P51に対する運転免許証画像P52の合成位置は、適宜決めて良い。例えば、予め設定データD51に申請書画像P51上の所定範囲の設定を設ける。給紙順番制御部45は、設定データD51を取得した際に、所定範囲を示す設定を読み取ってシステム制御部42に予め渡しておく。システム制御部42は、その設定を基に、所定範囲に運転免許証画像P52を合成する。なお、運転免許証画像P52は、所定範囲に位置するようにそのままのサイズで合成しても良いし、所定範囲に収まるようにリサイズ処理などにより縮小してから合成しても良い。
図41(b)は、申請書に更に健康保険証を合成した後の画像イメージを示している。制御フロー(図39参照)のステップS26の後に行われる読取順3の原稿の読取処理の実行により「圧板」の健康保険証(原稿X53)の画像が読み取られ、その回のステップS61とステップS62との処理により、メモリから、図41(a)に示す運転免許証画像P52を含む申請書画像P51が読み出されて申請書画像P51の所定領域に健康保険証画像P53が合成される。
申請書画像P51に対する健康保険証画像P53の合成位置は、適宜決めて良い。例えば、運転免許証画像P52と同様に、予め設定データD51に申請書画像P51上の所定範囲の設定を設ける。設定範囲は、運転免許証画像P52と同様であっても良いし、運転免許証画像P52とは別の範囲に設定しても良い。
なお、画像合成を含む連続読取制御動作のフロー(図39参照)においては、設定データD51の読取順の指定方法が「手動」に設定されているものを例に説明した。設定データD51の読取順の指定方法の設定が「手動」ではなく「自動」であった場合は、ステップS14の後に読取順決定処理を含め、その処理の実行により得られた読取順で、ステップS15からの処理を実行する。
図42は、給紙順番制御部45が行う上記読取順決定処理の一例を示すフロー図である。給紙順番制御部45は、当該読取順決定処理により決定した読取順の情報を所定の記憶領域において一時的に管理する。この読取順の情報は、1回の読取開始指示で行われる一連の処理が終了するまで管理される。
先ず、給紙順番制御部45は、手差し給紙口に原稿がセットされているかを判定する(S701)。
給紙順番制御部45は、手差し給紙口に原稿がセットされていると判定した場合、「手差し」を読取順1の給紙口として一時的に設定する(S702)。
続いて、給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされているかを判定する(S703)。
給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされていると判定した場合、「ADF」を読取順2の給紙口として一時的に設定し(S704)、本読取順決定処理を終了する。
給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされていないと判定した場合は、「圧板」を読取順2の給紙口として一時的に設定し(S705)、本読取順決定処理を終了する。
なお、給紙順番制御部45は、手差し給紙口に原稿がセットされていないと判定した場合は、「圧板」を読取順1の給紙口として一時的に設定する(S706)。
続いて、給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされているかを判定する(S707)。
給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされていると判定した場合、「ADF」を読取順2の給紙口として一時的に設定し(S708)、本読取順決定処理を終了する。
給紙順番制御部45は、ADFの給紙口に原稿がセットされていないと判定した場合は、システム制御部42にエラー(通知画面G61(図38参照))の表示を要求する(S709)。
給紙順番制御部45は、システム制御部42から確認を示す信号を受け付けると(S710)、ステップS701からの処理を繰り返すことにより設定をはじめからやり直す。
なお、本実施の形態及び各変形例の画像処理装置で実行される制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態及び各変形例の画像処理装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態及び各変形例の画像処理装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態及び各変形例の画像処理装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態及び各変形例の画像処理装置で実行される制御プログラムは、上述した各部(操作受付部40や、表示制御部41や、システム制御部42や、エンジン制御部43や、記憶制御部44や、給紙順番制御部45や、センサ検知信号受信部46など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUがフラッシュROMなどから制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、操作受付部40や、表示制御部41や、システム制御部42や、エンジン制御部43や、記憶制御部44や、給紙順番制御部45や、センサ検知信号受信部46などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
以上により、本実施の形態及び各変形例の画像処理装置、読取制御方法、及びプログラムでは、オペレータによる一回の読取開始キーの操作により複数の給紙口から原稿を所定順序で読み取ることができる。更に、生成された画像データを原稿の印字面の正立向きに自動で補正して所定の割り付けで記録紙に印字出力することまでも可能になる。