JP6879138B2 - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、スペーサ部材に形成されたアクチュエータを囲む複数の透孔を外方に連通させる脱気溝を有しながらも、スペーサ部材の変形や折れが防止され、組立が容易化されたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェットヘッドの分野では、特許文献1、2に記載されているように、複数のノズルを二次元配列し、ヘッドサイズの大型化を抑えつつノズルを高密度に配置することができるインクジェットヘッドが提案されている。このインクジェットヘッドは、複数のノズルに対応された複数の圧力室を備えてる。複数の圧力室は、圧力室基板に二次元配列されて形成されている。複数の圧力室に対応して、圧力室内に圧力を印加する複数のアクチュエータが二次元配列されて配置されている。アクチュエータは、圧力室の一部である振動板を振動させ、圧力室内に圧力を印加する。
各アクチュエータを囲んで、アクチュエータに触れない状態でスペーサ部材が配置されている。スペーサ部材は、圧力室基板と圧力室基板のアクチュエータ側に配置された配線基板とに挟まれて配置され、配線基板とアクチュエータとの間の空隙を確保するために用いられている。
スペーサ部材は、アクチュエータの厚さよりも厚く形成されている。スペーサ部材は、表面及び裏面が圧力室基板及び配線基板に接着されている。スペーサ部材は、アクチュエータ同士の間に位置する互いに平行な複数の桟(さん)部を有して、簾(すだれ)状に構成され、アクチュエータを囲む複数の透孔を有して構成されている。このようなスペーサ部材は、薄い金属板にエッチング加工を施すことにより構成されている。
このようなインクジェットヘッドの組立工程には、圧力室基板に対してスペーサ部材を接着させる工程がある。スペーサ部材の接着は、スペーサ部材に熱硬化性の接着剤を塗布し、プレス機により加熱加圧して行う。このとき、アクチュエータを囲む複数の透孔が外方に連通していないと、加熱加圧により透孔内の空気が熱膨張し、内圧が高くなってしまう。
透孔内の内圧が高くなると、未硬化の接着剤が外方側に押し出されてしまい、接着剤が硬化した後の被覆面積(接着面積)が小さくなり、接着強度が低下してしまう。そこで、特許文献2に記載されているように、スペーサ部材には、圧力室基板との間に空隙を形成して透孔内の空気を外方に逃がすための脱気溝を透孔ごとに設けている。各透孔は、それぞれが脱気溝を介して外方に連通されている。脱気溝は、スペーサ部材の表面にハーフエッチングにより形成することができる。
特開2012−114346号公報 国際公開WO14/185370号公報
スペーサ部材は、複数の桟部を有する簾状の部材であり、アクチュエータを囲む複数の透孔を有している。桟部は、厚さが100μm程度、幅が数十μm程度と極めて細いため、脆弱であり、圧力室基板に対して接着される前においては変形し易い。さらに、脱気溝を形成した場合には、スペーサ部材は、脱気溝の部分から折れ易くなる。
変形や折れを生じたスペーサ部材を用いてしまうと、スペーサ部材がアクチュエータに触れてアクチュエータの動きを阻害する虞が生じ、インクリークの懸念も生ずる。そのため、変形のないスペーサ部材を選別して用いることにより、アクチュエータの動きの阻害や、インクリークが生じないようにしている。
スペーサ部材を選別して用いることは、インクジェットヘッドの製造を煩雑にする要因となっている。したがって、圧力室基板に接着される前において、スペーサ部材の変形や折れを防止することが望まれる。
そこで、本発明は、スペーサ部材に形成されたアクチュエータを囲む複数の透孔を外方に連通させる脱気溝を有しながらも、スペーサ部材の変形や折れが防止され、組立が容易化されたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
複数の圧力室が二次元配列されて形成された圧力室基板と、
前記圧力室に対応して配置され、前記圧力室内に圧力を印加する複数のアクチュエータと、
前記圧力室基板との間に前記アクチュエータを挟んで配置され、前記アクチュエータに給電するための配線パターンが形成された配線基板と、
前記圧力室基板及び前記配線基板に挟まれて配置され、表面及び裏面を前記圧力室基板及び前記配線基板に接着され、前記アクチュエータを囲む複数の透孔を有し、前記アクチュエータの厚さよりも厚いスペーサ部材と、
前記圧力室を外方に連通させ、前記圧力室内の液体を液滴として吐出する複数のノズルとを備え、
前記スペーサ部材は、
共通グランド電極の一部に重なる位置に形成された貫通孔と、
前記各透孔を前記貫通孔に連通させる表面又は裏面に形成された連通溝と、
前記透孔のうちの一つを外方に連通させる表面に形成された脱気溝、前記透孔のうちの一つを外方に連通させる裏面に形成された脱気溝、前記貫通孔を外方に連通させる表面に形成された脱気溝、又は、前記貫通孔を外方に連通させる裏面に形成された脱気溝とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
2.
前記連通溝及び前記貫通孔は、前記各透孔の全てを互いに連通させており、
前記脱気溝は、1本のみが形成されていることを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.
前記脱気溝及び/又は前記連通溝の周囲に、少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.
前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
前記脱気溝は、前記主走査方向に沿う方向に形成されていることを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
5.
前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
前記脱気溝は、前記主走査方向に対して傾斜した方向に形成されていることを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
6.
前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
前記スペーサ部材は、前記主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形に形成されており、
前記脱気溝は、前記主走査方向に対して傾斜した方向に形成され、前記スペーサ部材の短辺部から外方に連通していることを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
7.
前記4、5又は6記載のインクジェットヘッドと、
前記導通路及び前記流路を介して前記圧力室内にインクを供給するインク供給手段と、
前記主走査方向に前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、前記ノズルから液滴を吐出させ、前記記録媒体への描画を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、スペーサ部材に形成されたアクチュエータを囲む複数の透孔を外方に連通させる脱気溝を有しながらも、スペーサ部材の変形や折れが防止され、組立が容易化されたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドの斜視図 図1に示すインクジェットヘッドの縦断面図 図2に示す縦断面図のうち、一つのノズルに係る構成の拡大図 図1に示すインクジェットヘッドのアクチュエータ及びスペーサ部材の平面図 スペーサ部材の構成を示す底面図(a)及び要部拡大断面図(b−b´断面)(b) スペーサ部材の構成の他の例を示す底面図 スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図 スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図 スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図 スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図 本発明に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔インクジェットヘッド〕
図1は、本発明に係るインクジェットヘッド1の斜視図である。
図1では、1つのインクジェットヘッド1のみを示している。一般にインクジェット記録装置には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の各色インク用の複数のインクジェットヘッド1が搭載される。
インクジェットヘッド1は、図1に示すように、平面である射出面Pに二次元配列されて設けられた複数のノズルNを備えている。これらノズルNからは、射出面Pから離間する方向(図1中の下方)に向けてインクが吐出される。
以下、複数のノズルNが設けられた射出面Pに平行な平面をX−Y平面とし、X−Y平面に平行な方向であって互いに直交する方向を、それぞれ「X方向」及び「Y方向」とする。また、X−Y平面に直交する方向を「Z方向」とする。「Z方向」のうち、インクが吐出される方向を「下方」とし、その反対方向を「上方」とする。
複数のノズルNは、Y方向に配列された複数のノズルNからなるノズル列が、X方向に複数列設けられて、二次元配列されている。
図2は、図1に示すインクジェットヘッドの縦断面図である。なお、図2では、複数のノズルNのうち、4つのノズルNについて図示している。
複数のノズルNは、図2に示すように、板状のノズルプレート10を厚み方向(Z方向)に貫いた貫通孔として形成されている。ノズルプレート10には、複数のノズルNからインクが吐出される方向(下方)の反対方向(上方)に、複数の基板等の板状部材が積層されている。ノズルプレート10には、近い側から、圧力室基板20、スペーサ部材40及び配線基板50が積層されている。スペーサ部材40は、圧力室基板20及び配線基板50に挟まれて配置され、表面及び裏面を圧力室基板20及び配線基板50に接着されている。以下、ノズルプレート10、圧力室基板20、スペーサ部材40及び配線基板50が積層された複数の板状部材からなる構造体を積層体Aという。
スペーサ部材40の圧力室基板20及び配線基板50への接着は、スペーサ部材40に熱硬化性の接着剤、例えば、エポキシ系接着剤を塗布し、プレス機により加熱加圧して行う。
図3は、図2に示す断面図のうち、一つのノズルNに係る構成の拡大図である。
圧力室基板20には、図2及び図3に示すように、複数のノズルNに対応して連通された複数の圧力室21が二次元配列されて形成されている。圧力室基板20は、上面部に沿って振動板30を有している。圧力室21は、圧力室基板20を厚み方向(Z方向)に貫いた貫通孔が、上面側を振動板30によって閉蓋され、下面側をノズルプレート10によって閉蓋された空間である。振動板30は、圧力室21の天井面を構成しており、圧力室21の一部をなしている。
複数のノズルNは、圧力室21をノズルプレート10の下面において外方(下方)に連通させている。複数のノズルNは、圧力室21内の液体を液滴として外方(下方)に吐出する。
図4は、図1に示すインクジェットヘッドのアクチュエータ及びスペーサ部材の平面図である。
圧力室基板20の上面には、図2〜図4に示すように、振動板30を介して、複数のアクチュエータ60が二次元配列されて設けられている。アクチュエータ60は、圧力室21に対応して配置されている。アクチュエータ60は、振動板30を振動させることにより、圧力室21内に圧力を印加する。アクチュエータ60は、この実施形態においては、横断面形状がほぼ円形である円盤形状に構成されている。
アクチュエータ60は、スペーサ部材40に形成された透孔42内に位置している。スペーサ部材40は、アクチュエータ60の厚さ(例えば50μm程度)よりも厚く形成され、その厚さは、例えば100μm程度である。アクチュエータ60は、透孔42内に全体が収納された状態で設置されている。
スペーサ部材40は、圧力室基板20と配線基板50との間で、アクチュエータ60及びアクチュエータ60に給電するための接続部90のZ方向に沿った厚さに対応する空隙を確保している。接続部90は、図4に示すように、アクチュエータ60の円盤形状からは外方側に突出したアクチュエータ60の端の位置に設けられている。
なお、接続部90は、この実施形態ではアクチュエータ60への給電のために設けられているが、他の目的で設けられるものであっても、アクチュエータ60の端の位置からZ方向に延在されるものであれば、本発明における接続部90に該当する。
スペーサ部材40及び配線基板50には、図3及び図4に示すように、圧力室21に連通する複数の導通路41、51が開設されていることが好ましい。これら導通路41、51は、スペーサ部材40及び配線基板50を厚み方向(Z方向)に貫いた貫通孔であり、互いに連通してインク流路を構成している。スペーサ部材40において、導通路41は、透孔42とは異なる位置に、透孔42から離間して形成されている。
圧力室基板20には、圧力室基板20の上面から圧力室21内にインクを供給するための流路21aが形成されている。この流路21aは、圧力室基板20の上面側の振動板30の開口部31から、圧力室21に連通されている。この流路21aは、開口部31において導通路41、51からなるインク流路に連通され、さらに、配線基板50の上方に設けられた共通インク室70に連通されている。したがって、圧力室21は、共通インク室70に連通されている。
共通インク室70は、図2に示すように、配線基板50の上方に配置された筐体80内に設けられ、図示しないインク供給手段に接続される。インク供給手段から共通インク室70に供給されたインクは、導通路51、41、開口部31及び流路21aを通って圧力室21に供給される。圧力室21に供給されたインクは、アクチュエータ60の動作に応じて振動板30が振動することにより、圧力が加えられ、ノズルNから吐出される。
〔配線基板〕
アクチュエータ60は、図3に示すように、配線基板50に設けられた配線パターン52と電気的に接続されている。アクチュエータ60の上面には、配線電極61が設けられている。また、アクチュエータ60の下面には、第1電極層62が設けられている。配線電極61は、接続部90を介して、配線基板50の下面側に設けられた配線パターン52と電気的に接続されている。接続部90は、配線電極61と配線パターン52とをZ方向に沿って接続するよう設けられている。
接続部90は、配線基板50に設けられた配線パターン52上に形成されたバンプ91を有する。具体的には、バンプ91は、例えば、金を材料としたワイヤーボンディングにより形成される。また、バンプ91は、例えば、配線パターン52の下面に形成される。配線パターン52は、例えば、少なくとも下面が平坦な面となるよう設けられた導電性を有する金属(例えば、アルミニウム)製の板により構成されている。バンプ91の下端側には、導電性材料92が塗布されている。具体的には、導電性材料92は、例えば、導電性接着剤である。導電性接着剤とは、導電性を有する金属粉末(例えば、銀粉等)が混入された接着剤であり、導電性を有する。
このように、接続部90は、配線基板50に設けられた配線パターン52上に形成されたバンプ91とバンプ91に塗布された導電性材料92を介して、配線基板50とアクチュエータ60とを電気的に接続する。
なお、接続部90の構造及び形状は、上記したものに限定されず、どのような構造及び形状であってもよい。
配線基板50は、例えば、配線基板50の基部である板状のインターポーザ53と、インターポーザ53の下面を被覆する絶縁層55と、絶縁層55の下面に設けられた配線パターン52と、配線パターン52のうちバンプ91が形成されない部分の下面及び絶縁層55のうち配線パターン52が設けられていない下面を被覆する絶縁層59と、インターポーザ53、絶縁層55及び絶縁層59を貫通する導通路51と、を有する。配線パターン52は、アクチュエータ60への電圧の印加に係る図示しない制御部に接続されている。
また、第1電極層62は、第2電極層63に当接している。第2電極層63は、第1電極層62と制御部とを電気的に接続する。第2電極層63には、図3及び図4に示すように、全てのアクチュエータ60のグランド電極が接続された共通グランド電極43が形成されている。共通グランド電極43は、導電性を有する金属(例えば、金)により形成されている。
共通グランド電極43は、スペーサ部材40の貫通孔44において、導電接着剤により、配線パターン52に接続されている。共通グランド電極43と配線パターン52との接続は、導電接着剤によるものに限定されず、アクチュエータ60ごとに設けられる接続部90と同様の構造によって接続してもよい。
この実施形態においては、図4中の上から第1列〜第3列のアクチュエータ60のグランド電極が、図4中左上の共通グランド電極43に接続され、図4中の上から第3列〜第5列のアクチュエータ60のグランド電極が、図4中右下の共通グランド電極43に接続されている。本発明において、いずれのアクチュエータ60のグランド電極をいずれの共通グランド電極43に接続させるかは限定されず、共通グランド電極43及び貫通孔44の数も限定されない。
なお、振動板30を導電体とすれば、振動板30を、第1電極層62と制御部とを電気的に接続する電極として機能させることができる。この場合には、第2電極層63を別途設ける必要はない。
アクチュエータ60は、配線電極61が、接続部90及び配線パターン52を介して制御部に接続されるとともに、第1電極層62が、共通グランド電極43(又は振動板30)及び図示しない配線を介して制御部に接続されることにより、制御部の制御下で動作する。
〔スペーサ部材〕
図5は、スペーサ部材の構成を示す底面図(a)及び要部拡大断面図(b−b´断面)(b)である。
スペーサ部材40は、圧力室基板20の上面部をなす振動板30に積層され接着されている。スペーサ部材40は、図5(a)に示すように、アクチュエータ60に接触しない形状となっている。すなわち、スペーサ部材40は、アクチュエータ60同士の間に位置して圧力室基板20の上面(振動板30)に接着される複数の互いに平行に並列された長尺状の桟部からなる。これら桟部の間は、複数のアクチュエータ60を囲む細長い形状の複数の透孔42となっている。
なお、スペーサ部材40の各透孔42は、その長手方向が、ノズルNから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向(主走査方向)に直交する方向となっていることが好ましい。この場合には、各透孔42は、主走査方向に直交する方向に配列された複数のアクチュエータ60を囲むことになる。複数のアクチュエータ60は、主走査方向に直交する方向については、直線上に配列されているからである。
また、スペーサ部材40は、この実施形態においては、主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形に形成されている。スペーサ部材40の形状はこれに限定されないが、主走査方向よりも、主走査方向に直交する方向のほうが数多くのアクチュエータ60が配列されるので、主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形とすることが好ましい。
スペーサ部材40をなす各桟部は、アクチュエータ60の外形形状に対応して各アクチュエータ60の輪郭に沿った形状となっている。この実施形態においてはアクチュエータ60の輪郭はほぼ円形であるので、各桟部は、各アクチュエータ60の輪郭に沿って、幅広部と幅狭部とが交互に繰り返される形状となっている。すなわち、スペーサ部材40は、アクチュエータ60との接触を避けつつなるべく大きな面積を有するように構成され、圧力室基板20に対する接着強度を向上させている。
スペーサ部材40には、共通グランド電極43の一部に重なる位置に形成された貫通孔44が形成されている。共通グランド電極43は、前述したように、全てのアクチュエータ60のグランド電極が接続される電極である。共通グランド電極43は、貫通孔44を介して、配線パターン52に接続される。貫通孔44は、共通グランド電極43を配線パターン52に接続させるために設けられている。
貫通孔44は、スペーサ部材40が主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形に形成されている場合において、長辺方向の両端側(短辺部の近傍)に形成されている。
スペーサ部材40には、裏面(下面)に、各透孔42を貫通孔44に連通させる連通溝45が形成されている。これら連通溝45及び貫通孔44は、各透孔42の全てを互いに連通させている。
なお、連通溝45は、スペーサ部材40には、表面(上面)に形成してもよい。この場合にも、連通溝45及び貫通孔44は、各透孔42の全てを互いに連通させることができる。
また、スペーサ部材40には、図5(a)(b)に示すように、裏面(下面)に、透孔42のうちの一つを外方に連通させる脱気溝46が形成されている。この脱気溝46は、透孔42のうちの一つからスペーサ部材40の縁部に亘って形成され、透孔42のうちの一つを外方に連通させている。脱気溝46は、この実施形態においては、1本のみが形成されている。
スペーサ部材40は、図5(b)に示すように、配線基板50が積層される上面部は面一である。したがって、連通溝45及び脱気溝46は、下面部の肉が削がれることにより形成され、圧力室基板20との間に空隙を形成する。連通溝45及び脱気溝46をエッチング加工によって減肉して形成した場合には、溝底がアーチ形状となる。連通溝45及び脱気溝46の深さは、例えば50μm〜70μm程度である。
このスペーサ部材40においては、アクチュエータ60を囲む複数の透孔42が外方に連通しているので、圧力室基板20及び配線基板50への接着のための加熱加圧により透孔42内の空気が熱膨張しても、内圧が高くなることがない。したがって、未硬化の熱硬化性の接着剤が外方側に押し出されることがなく、接着剤が硬化した後の被覆面積(接着面積)が小さくならず、接着強度を維持することができる。
なお、脱気溝46は、スペーサ部材40の裏面(下面)に形成され透孔42のうちの一つを外方に連通させるものに限定されず、スペーサ部材40の表面(上面)に形成され透孔42のうちの一つを外方に連通させるもの、スペーサ部材40の表面(上面)に形成され貫通孔44を外方に連通させるもの、又は、スペーサ部材40の裏面(下面)に形成され貫通孔44を外方に連通させるもののいずれであってもよい。いずれの場合も、複数の透孔42を外方に連通させることができる。
このスペーサ部材40において、複数の透孔42を互いに連通させる経路となる貫通孔44は、共通グランド電極43を配線パターン52に接続させるためにもとより設けられているものなので、透孔42同士を連通させる経路としては、連通溝45のみを設ければよい。したがって、透孔42同士を連通させるために追加される溝が最低限で済んでおり、スペーサ部材40が折れ易くなることを防止することができる。
また、このスペーサ部材40においては、複数の透孔42が連通溝45及び貫通孔44を介して互いに連通されているので、脱気溝46の本数を少なくすることができる。したがって、スペーサ部材40が脱気溝46に起因して折れ易くなることを防止することができる。
脱気溝46は、図5(a)に示すように、スペーサ部材40が主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形である場合において、主走査方向に沿う方向に形成することが好ましい。脱気溝46を主走査方向に直交する方向に形成すると、圧力室基板20又は配線基板50への接着の前に、脱気溝46においてスペーサ部材40が折れ易くなるからである。脱気溝46を主走査方向に沿う方向に形成することにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
また、脱気溝46は、複数の透孔42のうちの最も端の透孔42から、この透孔42に近い側のスペーサ部材40の長辺部に亘って形成することが好ましい。この場合には、脱気溝46の長さを最も短くすることができ、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
さらに、脱気溝46は、桟部の幅狭部に形成することが好ましい。幅狭部であれば脱気溝46の長さを短くすることができ、また、幅広部に形成されている導通路41との干渉を避けることができる。
脱気溝46は、透孔42ではなく、貫通孔44から、この貫通孔44に近い側のスペーサ部材40の長辺部に亘って形成してもよい。後述する他の実施形態においても同様である。
なお、スペーサ部材40には、一の桟部から他の桟部に亘って延在された梁(はり)部を設けてもよい。この梁部は、圧力室基板20、アクチュエータ60及び接続部90から離間した状態に設ける。この場合には、スペーサ部材40は、桟部と梁部とで、全体としては格子形状に構成される。スペーサ部材40を格子形状に構成することにより、スペーサ部材40の屈曲変形を抑止することができる。
スペーサ部材40をなす材料としては、42アロイ等の金属材料が好ましい。42アロイは、重量パーセントでニッケルが42%、鉄が57%で、残りが微量の添加物質(例えば、銅、マンガン等)からなる合金である。スペーサ部材40は、スペーサ部材40の厚みに相当する厚みを有する金属板に対して、両面エッチング加工を施すことによって作成される。スペーサ部材40には、ニッケルメッキやパリレン(登録商標)等の表面処理を施すことも好ましい。
圧力室基板20(振動板30を含む)及び配線基板50をなす材料としては、シリコン(Si)が好ましい。42アロイの熱膨張係数は、4.5×10−6/℃〜6×10−6/℃である。シリコンの熱膨張係数は、2.5×10−6/℃〜4×10−6/℃である。また、42アロイとシリコンとの熱膨張係数の差は、0.5×10−6/℃〜3.5×10−6/℃である。このように、42アロイ及びシリコンの熱膨張係数は、ともに極めて小さく、また、略同一といえる。
そのため、積層体Aの形成に際して行われる各基板等に対する加熱等による温度変化や、インクジェットヘッド1の動作に伴う発熱による温度変化等、各種の要因による温度変化が各基板等に生じたとしても、各基板等の熱膨張の度合いが極めて小さく、また、略同一となることから、基板等同士の熱膨張係数の差による基板等の反りや基板等間の剥離による問題の発生を防止することができる。したがって、基板等の反りによるノズルNからのインクの吐出角度の変化を防止することができる。また、基板等間の剥離部分からインクが漏れ出すこともなくなる。このように、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、インクジェットヘッド1の信頼性をより向上させることができる。
〔スペーサ部材の他の実施形態〕
図6は、スペーサ部材の構成の他の例を示す底面図である。
脱気溝46は、図6に示すように、主走査方向に沿う方向に、2つの透孔42、42からスペーサ部材40の両縁部に亘って形成してもよい。この場合にも、各脱気溝46、46は、最も端の透孔42、42から、これら透孔42、42に近い側のスペーサ部材40の長辺部に亘って形成することが好ましい。この場合には、脱気溝46の長さを最も短くすることができ、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
また、各脱気溝46、46は、一直線上には位置しないようにすることが好ましい。各脱気溝46、46を一直線上に位置させないことにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
なお、この実施形態のように脱気溝46を複数設ける場合には、全ての透孔42を互いに連通させる必要はない。連通された複数の透孔42について1本以上の脱気溝46があればよいので、例えば、n個の透孔42が互いに連通されてこれらについて1本以上の脱気溝46があり、別のm個の透孔42が互いに連通されてこれらについて1本以上の脱気溝46があればよい。ここで、n個の透孔42と、別のm個の透孔42とは、連通していなくともよい。
図7は、スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図である。
脱気溝46は、図7に示すように、主走査方向に対して同一方向に(例えば45°程度)傾斜した方向に形成してもよい。脱気溝46は、1つの透孔42からスペーサ部材40の縁部に亘って形成してもよいし、2つの透孔42、42からスペーサ部材40の両縁部に亘って形成してもよい。
脱気溝46を主走査方向に対して傾斜させることにより、スペーサ部材40は、主走査方向を折り目とする折れを生じ難くなる。接着する前のスペーサ部材40には、主走査方向及び主走査方向に直交する方向を折り目とする折れを生じさせる力が加わり易いので、脱気溝46を傾斜させることにより、スペーサ部材40の折れを防止できる。
この場合にも、脱気溝46は、最も端の透孔42から、この透孔42に近い側のスペーサ部材40の長辺部に亘って形成することが好ましい。この場合には、脱気溝46の長さを最も短くすることができ、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
また、各脱気溝46、46は、一直線上には位置しないようにすることが好ましい。各脱気溝46、46を一直線上に位置させないことにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
図8は、スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図である。
脱気溝46は、主走査方向に対して互いに異なる方向に(例えば±45°程度)傾斜した方向に形成してもよい。脱気溝46、46は、1つの透孔42からスペーサ部材40の縁部に亘って複数を形成してもよいし、2つの透孔42、42からスペーサ部材40の両縁部に亘って形成してもよい。
脱気溝46を主走査方向に対して傾斜させることにより、スペーサ部材40は、主走査方向を折り目とする折れを生じ難くなる。接着する前のスペーサ部材40には、主走査方向及び主走査方向に直交する方向を折り目とする折れを生じさせる力が加わり易いので、脱気溝46を傾斜させることにより、スペーサ部材40の折れを防止できる。
この場合にも、脱気溝46は、最も端の透孔42から、この透孔42に近い側のスペーサ部材40の長辺部に亘って形成することが好ましい。この場合には、脱気溝46の長さを最も短くすることができ、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
また、各脱気溝46、46は、スペーサ部材40の長辺部における同一位置には位置しないようにすることが好ましい。各脱気溝46、46をスペーサ部材40の長辺部における同一位置に位置させないことにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
図9は、スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図である。
連通溝45及び/又は脱気溝46の周囲には、図9に示すように、少なくとも1つの凹部47を形成してもよい。この凹部47は、連通溝45及び/又は脱気溝46と同程度の深さを有し、圧力室基板20又は配線基板50との間に、どこにも連通しない閉鎖された空隙を形成する。凹部47は、連通溝45及び/又は脱気溝46と同じ側のスペーサ部材40の表面部に形成する。
この凹部47は、連通溝45及び/又は脱気溝46の周囲に塗布された接着剤を逃がして、連通溝45及び/又は脱気溝46が接着剤で塞がることを防止する。
図10は、スペーサ部材の構成のさらに他の例を示す底面図である。
脱気溝46は、図10に示すように、主走査方向に対して(例えば±45°程度)傾斜した方向に形成する場合には、スペーサ部材40の短辺部から外方に連通させてもよい。
この場合には、脱気溝46は、透孔42の長手方向端部又は貫通孔44から、これら端部又は貫通孔44に近い側のスペーサ部材40の短辺部に亘って形成することが好ましい。この場合には、脱気溝46の長さを最も短くすることができ、また、脱気溝46が短辺部に対して傾斜していることにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
脱気溝46を主走査方向に対して傾斜させることにより、スペーサ部材40は、主走査方向に直交する方向を折り目とする折れを生じ難くなる。接着する前のスペーサ部材40には、主走査方向及び主走査方向に直交する方向を折り目とする折れを生じさせる力が加わり易いので、脱気溝46を傾斜させることにより、スペーサ部材40の折れを防止できる。
また、各脱気溝46、46は、一直線上には位置しないようにすることが好ましい。各脱気溝46、46を一直線上に位置させないことにより、スペーサ部材40を折れ難くすることができる。
〔インクジェットヘッドの配置〕
このインクジェットヘッドは、インクジェット記録装置において、図5(a)に示すように、スペーサ部材40を構成する桟部の長手方向を、ノズルNから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向(主走査方向)に直交する方向(副走査方向)として配置されることが好ましい。このように配置することにより、副走査方向については、スペーサ部材40によりアクチュエータ60同士の間隔を狭めることが阻害されないので、アクチュエータ60同士の間隔を狭めることにより、副走査方向の画素密度を上げることができるからである。主走査方向については、スペーサ部材40(桟部)によりアクチュエータ60同士の間隔を狭めることが阻害されるが、走査速度に対して駆動周波数を相対的に上げることにより、主走査方向の画素密度を上げることができる。
〔インクジェット記録装置〕
図11は、本発明に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
本発明に係るインクジェット記録装置は、図11に示すように、前述したインクジェットヘッド1と、導通路51、41、開口部及び流路を介して圧力室内にインクを供給するインク供給手段100と、インクジェットヘッド1の吐出動作及び記録媒体101との相対移動操作を制御する制御手段となる制御部102とを備えて構成される。
制御部102は、メモリ103から描画データを取得し、この描画データに基づいて、インクジェットヘッド1のアクチュエータ60に駆動電圧を印加する。駆動電流を供給されたアクチュエータ60は、圧力室内のインクを、記録媒体101に向けてノズルから吐出させる。
また、制御部102は、インク供給手段100を制御して、インクジェットヘッド1の導通路51、41を介して、圧力室内にインクを供給させる。インク供給手段100は、インクを貯留するインクタンク、インクタンクからインクジェットヘッド1に至る流路、流路中をインクジェットヘッド1に向けてインクを流すポンプを有している。制御部102は、ポンプを駆動させて、インクジェットヘッド1にインクを供給させる。
制御部102は、移動操作機構104を制御して、インクジェットヘッド1及び記録媒体101を相対移動操作させる。移動操作機構104は、記録媒体101を移動操作するための支持機構及び駆動機構と、インクジェットヘッド1を移動操作するための支持機構及び駆動機構とを有している。制御部102は、描画データに基づいて、駆動機構に駆動電流を供給して、インクジェットヘッド1及び記録媒体101を相対移動操作させる。
描画を行うときは、インクジェットヘッド1及び記録媒体101の相対移動方向は、スペーサ部材40のスペーサ部材40である桟部の長手方向に直交する方向(主走査方向)である。
制御部102は、このように主走査をさせながら、複数のノズルから液滴を吐出させ、記録媒体101への描画データに基づく描画を行わせる。
次に制御部102は、描画を行わずに、スペーサ部材40のスペーサ部材40である桟部の長手方向(副走査方向)にインクジェットヘッド1及び記録媒体101を相対移動させる。このような副走査が終了すると、制御部102は、再び主走査及び描画を行う。このようにして、主走査及び描画と、副走査とが繰り返されることにより、記録媒体101上に、描画データに基づく画像が形成される。
本発明は、前述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
インクジェットヘッド1の構成は、入口及び出口がそれぞれ設けられた複数の圧力室21を有し、圧力室21に対して圧電素子により圧力を付与して、圧力室21の出口に連通するノズルNからインクを吐出させる構成のものであれば、如何なる構成であってもよい。
また、上記各実施形態にあっては、インク吐出方向が上下方向と略平行となるように構成されたインクジェットヘッド1を示したが、インク吐出方向は如何なる方向であっても良く、例えば、傾斜方向や水平方向となるように構成してもよい。
さらに、その他、具体的な細部構造や数値等及び制御部102の制御内容等についても適宜に変更可能であることは勿論である。加えて、今回開示された各実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 インクジェットヘッド
10 ノズルプレート
20 圧力室基板
21 圧力室
21a 流路
30 振動板
31 開口部
40 スペーサ部材
40a 基材部(桟部)
40b 梁部
40c 交差部
41 導通路
42 透孔
43 共通グランド電極
44 貫通孔
45 連通溝
46 脱気溝
47 凹部
50 配線基板
51 導通路
52 配線
53 インターポーザ
60 アクチュエータ
61 配線電極
62 第1電極層
63 第2電極層
70 共通インク室
80 筐体
90 接続部
91 バンプ
92 導電性材料
100 インク供給手段
101 記録媒体
102 制御部
103 メモリ
104 移動操作機構
A 積層体
N ノズル
P 射出面

Claims (7)

  1. 複数の圧力室が二次元配列されて形成された圧力室基板と、
    前記圧力室に対応して配置され、前記圧力室内に圧力を印加する複数のアクチュエータと、
    前記圧力室基板との間に前記アクチュエータを挟んで配置され、前記アクチュエータに給電するための配線パターンが形成された配線基板と、
    前記圧力室基板及び前記配線基板に挟まれて配置され、表面及び裏面を前記圧力室基板及び前記配線基板に接着され、前記アクチュエータを囲む複数の透孔を有し、前記アクチュエータの厚さよりも厚いスペーサ部材と、
    前記圧力室を外方に連通させ、前記圧力室内の液体を液滴として吐出する複数のノズルとを備え、
    前記スペーサ部材は、
    共通グランド電極の一部に重なる位置に形成された貫通孔と、
    前記各透孔を前記貫通孔に連通させる表面又は裏面に形成された連通溝と、
    前記透孔のうちの一つを外方に連通させる表面に形成された脱気溝、前記透孔のうちの一つを外方に連通させる裏面に形成された脱気溝、前記貫通孔を外方に連通させる表面に形成された脱気溝、又は、前記貫通孔を外方に連通させる裏面に形成された脱気溝とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記連通溝及び前記貫通孔は、前記各透孔の全てを互いに連通させており、
    前記脱気溝は、1本のみが形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記脱気溝及び/又は前記連通溝の周囲に、少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
    前記脱気溝は、前記主走査方向に沿う方向に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
    前記脱気溝は、前記主走査方向に対して傾斜した方向に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記各透孔は、前記ノズルから液滴を吐出しながら描画を行うときの記録媒体に対する相対移動方向である主走査方向に直交する方向が長手方向となっている細長い形状に形成されており、前記主走査方向に直交する方向に配列された複数の前記アクチュエータを囲んでおり、
    前記スペーサ部材は、前記主走査方向に直交する方向が長辺方向である長方形に形成されており、
    前記脱気溝は、前記主走査方向に対して傾斜した方向に形成され、前記スペーサ部材の短辺部から外方に連通していることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
  7. 請求項4、5又は6記載のインクジェットヘッドと、
    記圧力室内にインクを供給するインク供給手段と、
    前記主走査方向に前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、前記ノズルから液滴を吐出させ、前記記録媒体への描画を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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